説明

ソケット及び照明器具

【課題】直管形ランプの連結部分を薄くし、照明器具の意匠性を向上させることができるとともに、開発コストの低減を図ることができるソケットを提供する。
【解決手段】両側に端部を備える直管形ランプであって、一方の端部に接地用口金を備えるとともに、他方の端部に給電用口金を備える直管形ランプを、直列に連結する連結ソケット30において、前面部36と前面部36に対向する後面部46とを有し、給電用口金が挿入される開口部32を前面部36に備える外郭部と、後面部46に設けられ、溝底部47と一対の側壁部48と備える溝部42であって、接地用口金が挿入されるとともに、挿入される接地用口金を係止するランプ保持部43を備える溝部42と、溝部42に収納され、ランプ保持部43に係止される接地用口金と接触する挟持部51と、挟持部51と接続され、溝部42の溝底部47に配置される接地金具50とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、直管LEDランプを直列に連結するソケット及び照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、直管蛍光ランプの代替として直管LEDランプが販売されているが、口金として従来の直管蛍光ランプと同じG13口金が採用されているものが多い。そのため従来の蛍光灯用照明器具に取り付けることが可能となる。しかし、直管LEDランプは、使用可能(取り付け可能)な照明器具が指定されているものも多い(例えば、電子安定器用、グロー安定器用など)。したがって、使用可能でない照明器具にユーザーが間違って取り付ける可能性があり、取り付けた直管LEDランプや安定器が故障する恐れがある。
【0003】
このような間違いを防ぐために、従来のG13口金とは異なる新規な口金を備えた直管LEDランプの規格が検討されている((社)日本電球工業会規格JEL801,JEL907)。
【0004】
従来、少なくとも2本以上の直管蛍光ランプを直線状に配設される照明器具について、照明器具に連結するための構造を有する部品を配置し、その部品の両面に既存のランプソケットを取り付ける構造のものがある(例えば特許文献1)。
【0005】
またランプソケット本体の両面に直管蛍光ランプを取り付けられる構造を有するランプソケットがある(例えば特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−223015号公報
【特許文献2】特開2005−050729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1では、既存のランプソケットを用いて連結するための部品に取り付けているが、連結するための部品の厚みだけ照明器具の長手方向に長くなり意匠面が劣るうえ、照明器具の発光面の間隔が広がり、光ムラが生じるという課題がある。また、照明器具への取り付けは、連結するための部品を照明器具に取り付けた後、既存のランプソケットを2個取り付けるため組立てに時間を費やすという課題がある。
【0008】
特許文献2では、直管蛍光ランプを少なくとも2本以上が直線状に配置される照明器具に特化した専用のランプソケットであるため、専用のランプソケットの開発が必要であり多大な開発コストが生じるという課題がある。
【0009】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、ランプの連結部分を薄くすることができるとともに、開発コストの低減を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るソケットは、両側に端部を備える直管形ランプであって、一方の端部に接地のための口金である接地用口金を備えるとともに、他方の端部に給電のための給電用口金を備える直管形ランプを、直列に連結するソケットにおいて、前面部と前記前面部に対向する後面部とを有し、前記給電用口金が挿入される給電用口金挿入孔を前記前面部に備える外郭部と、前記後面部に設けられ、底部と一対の側壁部と備える溝部であって、前記接地用口金が挿入されるとともに、挿入される前記接地用口金を係止する係止部を備える溝部と、前記溝部に収納され、前記係止部に係止される前記接地用口金と接触する接触部と、前記接触部と接続され、前記溝部の前記底部に配置される接地金具とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るソケットは、両側に端部を備える直管形ランプであって、一方の端部に接地のための口金である接地用口金を備えるとともに、他方の端部に給電のための給電用口金を備える直管形ランプを、直列に連結するソケットにおいて、前面部と前記前面部に対向する後面部とを有し、前記給電用口金が挿入される給電用口金挿入孔を前記前面部に備える外郭部と、前記後面部に設けられ、底部と一対の側壁部と備える溝部であって、前記接地用口金が挿入されるとともに、挿入される前記接地用口金を係止する係止部を備える溝部と、前記溝部に収納され、前記係止部に係止される前記接地用口金と接触する接触部と、前記接触部と接続され、前記溝部の前記底部に配置される接地金具とを備えるので、直管形ランプの連結部分を薄くすることができ、照明器具の意匠性を向上させることができるとともに、開発コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施の形態1に係る照明器具10の斜視図であり、(a)は照明器具10の全体斜視図、(b)は直管LEDランプ20の連結部分の部分拡大斜視図である。
【図2】実施の形態1に係る直管LEDランプ20の斜視図であり、(a)は直管LEDランプ20の全体斜視図、(b)は接地側口金21の部分拡大斜視図、(c)は直管LEDランプ20の給電側口金23の部分拡大斜視図である。
【図3】実施の形態1に係る連結ソケット30の分解斜視図である。
【図4】実施の形態1に係る連結ソケット30の後面部46側から見た全体斜視図である。
【図5】実施の形態1に係る連結ソケット30の5面図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図、(d)は平面図、(e)は底面図である。
【図6】実施の形態1に係る裏蓋40の4面図であり、(a)は裏蓋40の内側から後面部46を見た図、(b)は側面図、(c)は後面部46の正面図、(d)は上方から見た平面図である。
【図7】直管LEDランプ20の1灯用の照明器具などで使用される給電側ソケット101の分解斜視図である。
【図8】実施の形態2に係る連結ソケット30aの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態に係る照明器具10の斜視図であり、(a)は照明器具10の全体斜視図、(b)は直管LEDランプ20の連結部分の部分拡大斜視図である。図2は、直管LEDランプ20の斜視図であり、(a)は直管LEDランプ20の全体斜視図、(b)は接地側口金21の部分拡大斜視図、(c)は、直管LEDランプ20の給電側口金23の部分拡大斜視図である。
【0014】
図1及び図2を用いて、本実施の形態に係る照明器具10及び直管LEDランプ20の全体構成について説明する。
【0015】
図1(a)に示すように、照明器具10は、器具本体11と、直管LEDランプ20(直管形ランプ)と、連結ソケット30(ソケット、直管LEDランプ用ソケット)とを備える。直管LEDランプ20は、連結ソケット30に着脱自在に取り付けられる。
【0016】
照明器具10は、2本の直管LEDランプ20を直列に連結して配置する照明器具である。また、照明器具10は、2本の直管LEDランプ20が直列に連結されたものを2つ並列に配置する照明器具である。すなわち、照明器具10は、4本の直管LEDランプ20を装着する照明器具である。
【0017】
照明器具10に装着される直管LEDランプ20について図2を用いて説明する。図2(a)に示すように、直管LEDランプ20は、両側に端部を備え、一方の端部に接地のための口金である接地側口金21(接地用口金)を備えるとともに、他方の端部に給電のための給電側口金23(給電用口金)を備える。直管LEDランプ20は、円筒形のケース20aを備え、ケース20aの内部には長形のLEDモジュール(図示なし)が収納されている。
【0018】
本実施の形態に係る直管LEDランプ20は、1つのランプで3極の電極をもち、2種類の口金形状を備えた直管LEDランプである。
【0019】
直管LEDランプの口金には、直管蛍光灯の口金G13を使用したものがある。本実施の形態に係る直管LEDランプ20は、口金G13を使用した直管LEDランプとは異なり、円管状(円筒形状)のケース20a(発光部)と、このケース20aの長手方向の一端側に設けられる接地側口金21と、同じくケース20aの長手方向の他端側に設けられる給電側口金23とを備える(JEL801でいう、L形ピン口金GX16−t)。
【0020】
接地側口金21は、口金(直管LEDランプ20の一端部の円部21c)の中心に1極の電極である接地ピン22(導電ピン)を備える。接地ピン22は、ランプ軸方向に延びた円柱である円柱部22aと、楕円部22bとで構成される。円柱部22aは、円部22cの略中心から突き出した円柱であり、先端部に楕円柱である楕円部22bを備える。楕円部22bは、長径L1であり、短径L2であるものとする。接地ピン22は、直管LEDランプ20の金属部分と照明器具10とを接続して接地させることを目的とする。
【0021】
楕円部22bの短径L2は、円柱部22aの断面の円の直径より大きくなっている。楕円部22b(突起部)は、円柱部22aの断面よりも大きいので、円柱部22aの外周から突出するように設けられている。また接地ピン22は、直管LEDランプ20の内部に収納されているLEDモジュールの放熱フィン(図示なし)などの金属部と接続されている。
【0022】
給電側口金23は、口金の端面(直管LEDランプ20の他端部の円部23c)の中心に凸部となるランプ引っ掛け部25を備える。ランプ引っ掛け部25は、端面から凸部に盛り上がった落下防止用の部位である。ランプ引っ掛け部25の上面に一対のL字型の導電ピンを有し、直管LEDランプに給電することを目的としたものである。
【0023】
給電側口金23は、ランプ引っ掛け部25からランプ軸方向へ延びている2極の電極である一対の給電ピン24を備えている。給電ピン24は、円部23cの面上に設けられた一対のL字型の導電ピンであり、L字形をなし、ランプ軸方向へ延びる軸部24aと、軸部24aの先端部から垂直に延びる抜け止め部24bとを備える。
【0024】
給電ピン24は、照明器具10に備える電源装置に接続され、直管LEDランプ20の内部に収納されているLEDモジュールに電力を供給する。給電ピン24は、直管LEDランプに給電することを目的としたものである。
【0025】
図1(b)に示すように、連結ソケット30は、本体31と、裏蓋40とを備える。本体31には、給電側口金23が着脱自在に装着され、裏蓋40には、接地側口金21が着脱自在に装着される。これにより、2本の直管LEDランプ20を直列に連結することができる。
【0026】
図3は、本実施の形態に係る連結ソケット30の分解斜視図である。図4は、本実施の形態に係る連結ソケット30の後面部46側から見た全体斜視図である。図5は、本実施の形態に係る連結ソケット30の5面図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図、(d)は平面図、(e)は底面図である。図6は、本実施の形態に係る裏蓋40の4面図であり、(a)は裏蓋40の内側から後面部46を見た図、(b)は側面図、(c)は後面部46の正面図、(d)は上方から見た平面図である。
【0027】
図3〜図6を用いて、本実施の形態に係る連結ソケット30の構造について説明する。
【0028】
図3に示すように、連結ソケット30は、本体31と、この本体31に収納される回転子34と、同じく本体31に収納される一対の給電金具35と、本体31の背面を塞ぐ裏蓋40と、この裏蓋40に取り付けられる接地金具50とを有する。
【0029】
図4に示すように、本体31と裏蓋40とが結合されて1つの外郭部103を形成する。図4に示す外郭部103は、前面部36と前面部36に対向する後面部46とを有する。前面部36は、給電側口金23が挿入される開口部32(給電用口金挿入孔)(図3参照)を備える。
【0030】
以下、説明を簡略化するため、図3に示すように、連結ソケット30において器具本体11に取り付けられる器具取付部39側を下側、連結ソケット30に直管LEDランプ20が取り付けられた場合に光の照射方向となる側を上側とする。
【0031】
本体31は、熱可塑性樹脂の絶縁材、例えば、ポリカーボネイトやポリブチレンテレフタレートなどで成形される。本体31は、前面部36に開口部32を備える。本体31は、前面部36の裏側である本体内部に、回転子34及び一対の給電金具35を収納する。また、本体31は、後述する裏蓋40の爪部41を嵌め合わせて結合するための嵌合受部33を備える。
【0032】
回転子34は、開口部32に連結して配設され、給電ピン24が挿入されると、挿入された給電ピン24が回転する機構を有する。給電金具35は、回転子34に挿入された給電ピン24が90度回転した位置で、軸部24aの外側の側面と接触する位置に配置される。
【0033】
また、図5(e)に示すように、本体31の下側の底面部37には電線が挿入される電線挿入孔38を備える。給電金具35は、本体31の内部に挿入される電線と接続される速結端子部35aを下側(底面部37側)に備える。
【0034】
電線挿入孔38に挿入された電線は、給電金具35の速結端子部35aと接続される。つまり、給電金具35は、本体31の底面部37の電線挿入孔38から挿入される図示しない電線と接続され、電子安定器などの電源出力部と繋がるとともに、開口部32から挿入される直管LEDランプ20の給電側口金23(給電ピン24)と接続される。これにより、直管LEDランプ20には給電ピン24を介して電力が供給される。
【0035】
裏蓋40は、熱可塑性樹脂の絶縁材、例えば、ポリカーボネイトやポリブチレンテレフタレートなどで成形される。裏蓋40は、本体31の嵌合受部33と嵌合する爪部41と、後面部46に形成される溝部42とを備える。
【0036】
溝部42は、後面部46の上下方向に設けられる。溝部42は、溝底部47(底部)と一対の側壁部48とを備える。溝部42には、接地側口金21が挿入され、挿入される接地側口金21を係止するランプ保持部43(係止部)が備えられる。
【0037】
ランプ保持部43は、溝部42の1対の側壁部48に形成された一対の切り欠き43a(図6(c)参照)であって、一対の切り欠き43aには直管LEDランプ20の楕円部22bが嵌め込まれる。
【0038】
接地金具50は、溝部42に収納される。つまり、接地金具50は、溝部42の内部に収納され、図5(b)に示すように、後面部46の表面から突出することはない。
【0039】
接地金具50は、溝部42のランプ保持部43に対応する位置に配置されて、ランプ保持部43に保持(係止)される接地側口金21と接触する挟持部51(接触部)を備える。挟持部51は導通性のある金属で形成されている。さらに、接地金具50は、挟持部51と接続され、溝部42の溝底部47に配置される金属の板である接地板54を備える。挟持部51と接地板54とは、一体形成されていてもよいし別部品でもよい。
【0040】
図3に示すように、接地金具50の下側の端部にはランプ軸方向に略直角に曲げられて形成された接地部53aと、接地部53aと器具本体11とを接続するためのネジ(図示なし)を取り付ける接地孔53bとを備える。接地金具50は、接地部53aが器具本体11と接続されることにより器具本体11と導通する。
【0041】
図6(c)に示すように、溝部42は、溝の幅をL3とし、溝部42の上部の幅をL4とし、ランプ保持部43部分(一対の切り欠き43a)の幅(長径)をL6とする。また、図5(c)に示すように、ランプ保持部43に配置されている挟持部51の幅(長径)をL5とする。
【0042】
図5(c)、図6に示すように、溝部42の形状は、溝部42の上端部の溝の幅L4が溝部42の平行部分の幅L3よりもやや大きく(広く)、下方に向かって徐々にL3に近づいていき、溝の幅をL3の状態で両側の側壁部の縁部が略平行になるように形成されている。ランプ保持部43の部分では、一対の切り欠き43aが形成され、この一対の切り欠き43aの幅(ランプ保持部43の長径の幅)はL6である。
【0043】
接地ピン22を連結ソケット30に装着する方法について説明する。図5(c)に示すように、接地ピン22は、楕円部22bの長径方向を溝部42の方向に沿わせた向き(S1の状態)で、溝部42の上端部に形成された溝部開口49から挿入される。ここで、溝部開口49の幅L4がやや広く形成されているので、接地ピン22を挿入する際に溝部42の側壁部48等が邪魔にならず作業性がよい。
【0044】
そして、楕円部22bがランプ保持部43の位置にくると、作業者は、ランプ保持部43の位置で直管LEDランプ20を90度回転する。90度回転させることにより、楕円部22bは、ランプ保持部43の一対の切り欠き43aに嵌められた状態(S2の状態)となる。これにより、直管LEDランプ20の接地ピン22は上下方向に動くことなく固定される。
【0045】
溝部42の幅L3は、接地ピン22の楕円部22bの短径L2よりも大きく、楕円部22bの長径L1よりも小さい幅に形成される。すなわち、L2<L3<L1の関係である。
【0046】
直管LEDランプ20を保持するランプ保持部43の幅L6は、楕円部22bの長径L1より大きい幅である。すなわち、L1<L6である。挟持部51はバネ性を有する一対の接触片であり、図5に示すように、ランプ保持部43に配置された状態の幅L5はL1よりもやや小さく形成されることが好ましい。つまり、L5<L1<L6の関係である。
【0047】
L5<L1<L6の関係とすることにより、楕円部22bがランプ保持部43(挟持部51)内で90度回転してS2の状態となった場合に、バネ性により挟持部51が楕円部22bの外周を押し付けながら挟持するので、確実に接地ピン22と接地金具50とを接続させることができる。
【0048】
接地板54は、挟持部51と接続されている部分から溝部42に沿って下方へ延設されている。接地板54は、溝底部47に当接するように取り付けられる。
【0049】
図5(c)、図6(c)に示すように、溝部42は、溝底部47のランプ保持部43より下側の位置に、接地板54(接地金具50)を溝底部47へ固定するための固定突起44を備える。また、図3に示すように、接地板54は、固定突起44に対応する位置に、固定受部52を備える。
【0050】
接地金具50を溝部42に取り付ける場合には、挟持部51をランプ保持部43に嵌め込むとともに、接地板54の固定受部52に固定突起44を嵌め込む。図6(d)に示すように、固定突起44は、溝底部47からランプ軸方向へ延びる固定軸44aと、この固定軸44aの先端からランプ軸部方向へ延びる円錐の形状をした接合部44bで構成される。また、接地板54の固定受部52は、固定突起44の接合部44bの底面より小さい穴となっている。固定受部52及び固定突起44をこのような形状にすることより、接地金具50が溝部42に固定された後に、外れにくい構造となっている。
【0051】
図6(b)(d)に示すように、裏蓋40は、連結ソケット30の内部に配置される回転子34を支持するとともに回転子34を回転させる回転軸45を有する。
【0052】
接地金具50は、裏蓋40の溝部42の内部に設けられ、溝部42のランプ保持部43部分で接地ピン22の楕円部22bの側面を挟持して接続する挟持部51と、溝底部47の固定突起44の接合部44bの底面より小さい穴である固定受部52と、照明器具10の器具本体11等(設置している箇所)と接続するための接地孔53bを有する。
【0053】
固定受部52に固定突起44が挿入されることで接地金具50を裏蓋40の溝部42内に固定する。本実施の形態では、接地孔53bは、ネジで締め付けることで器具本体11を介して接地することを意図しているが、接地部53aを速結端子の構造にして接地用の電線を接続する構造としてもよい。また、接地金具50は、連結ソケット30の外側に露出するが、照明器具10の器具本体11を介して接地しているため、ランプ取り付け時などに接地金具50に触れても問題はない。
【0054】
以上のように、本実施の形態に係る連結ソケット30は、接地ピン22が連結ソケット30の内部に挿入される必要はない。つまり、溝底部47には開口がなく、溝部42に挿入された接地ピン22は連結ソケット30内には挿入されない。これにより、連結ソケット30の内部に収納されている給電ピン24に対応する構成には影響を及ぼすことなく接地ピン22を接続することができる。直管蛍光ランプ用の連結ソケットのように、直管蛍光ランプのランプピンは充電部となるためにソケット内部に収納する必要があり、連結部分の厚みがより大きくなるということはない。
【0055】
裏蓋40の溝部42の溝の高さは、接地ピン22の長さ以下にすることができ、照明器具10の小型化に繋がるうえ、直管LEDランプ20間の隙間も少なくなり、光ムラは低減する。
【0056】
図7は、直管LEDランプ20の1灯用の照明器具などで使用される給電側ソケット101の分解斜視図である。図7は図3に対応する図であり、図3と同様の構成部については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0057】
給電側ソケット101は、本体31、回転子34、一対の給電金具35、給電側ソケット用裏蓋102で構成される。給電側ソケット用裏蓋102は、後面部46と、爪部41とを備える。給電側ソケット用裏蓋102の後面部46は、本実施の形態に係る裏蓋40の溝部42、ランプ保持部43、固定突起44を備えていない。
【0058】
つまり、本実施の形態に係る連結ソケット30は、給電側ソケット101の給電側ソケット用裏蓋102を取り外し、裏蓋40を本体31に取り付けることで製造することができる。これは、上述したように、本実施の形態に係る連結ソケット30は、連結ソケット30内部の給電ピンを接続する構成に何ら影響を及ぼすことなく、接地ピン22を接続することができるからである。
【0059】
連結ソケット30と給電側ソケット101とでは、本体31、回転子34、一対の給電金具35等を共通で使用することができるため、開発コストの削減や開発期間を短縮することができ、また在庫管理の利便性の向上や保管スペースの縮小にも繋がる。
【0060】
本実施の形態に係る照明器具10に装着される直管LEDランプ20は、3極の電極を有し、端部の一方は接地を目的とした1極の接地ピン22を有し、他方は給電を目的とした2極の給電ピン24を有することを特徴としている。また、本実施の形態に係るランプソケット(連結ソケット30)は、上述した直管LEDランプ20を少なくとも2本以上を直線状に配置する照明器具10に使用され、直管LEDランプ20の相対する口金を接続する。
【0061】
本実施の形態に係るランプソケット(連結ソケット30)は、絶縁性を有し、前面部36に開口部32を有する本体31と、開口部32に設けられ、直管LEDランプ20の給電ピン24が各々挿入され回転機構を有する回転子34と、回転子34に挿入された給電ピン24に接触し本体内部に配置された一対の給電金具35とを備える。また、ランプソケット(連結ソケット30)は、絶縁性を有し、本体31側には本体31の備える嵌合受部33と嵌合するための爪部41を有し、後面部46には接地ピン22が挿入可能な溝部42を有する裏蓋40と、裏蓋40の溝部42に挿入された接地ピン22を挟持し、裏蓋40の溝部42側に配置された接地金具50とを備える。
【0062】
本実施の形態に係るランプソケット(連結ソケット30)は、上記のような構成を備えているので、照明器具10を薄型にすることができる。また、直管LEDランプ20を1本装着する照明器具に使用される給電側ソケット101の本体31、回転子34、給電金具35を流用することができるため、開発コストの削減をすることができる。
【0063】
実施の形態2.
本実施の形態は、実施の形態1の接地金具50とは形状の異なる接地金具60を備える連結ソケット30aについて説明する。
【0064】
図8は、本実施の形態に係る連結ソケット30aの分解斜視図である。図8は図3に対応する図であり、図3と同様の構成部については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0065】
図8に示すように、接地金具60は、溝部42のランプ保持部43に対応する位置に配置されて、ランプ保持部43に保持(係止)される接地側口金21と接触するバネ受部64(接触部)を備える。バネ受部64は導通性のある金属で形成されている。さらに、接地金具60はバネ受部64と連続して形成された接地板54を備える。バネ受部64と接地板54とは、一体形成されていてもよいし別部品でもよい。
【0066】
バネ受部64は、溝底部47の領域のうちランプ保持部43(一対の切り欠き43a)が形成されている位置に対応する領域に配置される弾力性を備えるバネ板である。バネ受部64は、接地ピン22の楕円部22bがランプ保持部43に嵌め込まれると、バネ性(弾力性)により楕円部22bの端面(表面)に押し付けられ、楕円部22bと確実に接触する。
【0067】
接地金具60は、裏蓋40のランプ保持部43にて、バネ性を有しランプ軸方向に可動できるバネ受部64を有する。バネ受部64は、直管LEDランプ20の接地ピン22の楕円部22bの端面(表面)と面接触して接続する。
【0068】
本実施の形態に係る連結ソケット30aによれば、接地金具60の接触部であるバネ受部64が、バネ性によりランプ軸方向に可動できるので、直管LEDランプ20のランプ長のバラツキを吸収することができる。
【0069】
以上、実施の形態1〜2について説明したが、これらの2つの実施の形態を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらのうち、1つの実施の形態を部分的に実施しても構わない。あるいは、これらの2つの実施の形態を部分的に組み合わせて実施しても構わない。
【符号の説明】
【0070】
10 照明器具、11 器具本体、20 直管LEDランプ、20a ケース、21 接地側口金、21c 円部、22 接地ピン、22a 円柱部、22b 楕円部、23 給電側口金、23c 円部、24 給電ピン、24a 軸部、24b 抜け止め部、25 ランプ引っ掛け部、30,30a 連結ソケット、31 本体、32 開口部、33 嵌合受部、34 回転子、35 給電金具、35a 速結端子部、36 前面部、37 底面部、38 電線挿入孔、39 器具取付部、40 裏蓋、41 爪部、42 溝部、43 ランプ保持部、43a 一対の切り欠き、44 固定突起、44a 固定軸、44b 接合部、45 回転軸、46 後面部、47 溝底部、48 側壁部、49 溝部開口、50 接地金具、51 挟持部、52 固定受部、53a 接地部、53b 接地孔、54 接地板、60 接地金具、64 バネ受部、101 給電側ソケット、102 給電側ソケット用裏蓋、103 外郭部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両側に端部を備える直管形ランプであって、一方の端部に接地のための口金である接地用口金を備えるとともに、他方の端部に給電のための給電用口金を備える直管形ランプを、直列に連結するソケットにおいて、
前面部と前記前面部に対向する後面部とを有し、前記給電用口金が挿入される給電用口金挿入孔を前記前面部に備える外郭部と、
前記後面部に設けられ、底部と一対の側壁部と備える溝部であって、前記接地用口金が挿入されるとともに、挿入される前記接地用口金を係止する係止部を備える溝部と、
前記溝部に収納され、前記係止部に係止される前記接地用口金と接触する接触部と、
前記接触部と接続され、前記溝部の前記底部に配置される接地金具と
を備えることを特徴とするソケット。
【請求項2】
前記接地用口金は、1極の接地ピンを備え、
前記接地ピンは、先端に突起部を備え、
前記係止部は、前記溝部の前記1対の側壁部に形成された一対の切り欠きであって、前記突起部が嵌め込まれる一対の切り欠きを備える
ことを特徴とする請求項1に記載のソケット。
【請求項3】
前記接触部は、前記一対の切り欠きに嵌め込まれる前記突起部を挟持する一対の接触片であることを特徴とする請求項2に記載のソケット。
【請求項4】
前記接触部は、前記底部の領域のうち前記一対の切り欠きが形成されている位置に対応する領域に配置される弾力性を備えるバネ板であり、
前記バネ板は、前記突起部が前記一対の切り欠きに嵌め込まれると、弾力性により前記突起部に押し付けられ、前記突起部と接触することを特徴とする請求項2に記載のソケット。
【請求項5】
前記外郭部は、前記後面部が取り外し自在な裏蓋であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のソケット。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれかに記載のソケットと、
前記ソケットが取り付けられる器具本体と、
前記ソケットにより連結される直管形ランプに電源を供給する電源装置とを備えることを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−221638(P2012−221638A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−84183(P2011−84183)
【出願日】平成23年4月6日(2011.4.6)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(390014546)三菱電機照明株式会社 (585)
【Fターム(参考)】