説明

ソフトルアー用補助具

【課題】ソフトルアーをトップウォーターフィッシングに用いることができるソフトルアー用補助具を提供する。
【解決手段】ソフトルアー用補助具10は、着水時に水面に浮く浮き部12と、その浮き部12の底部を形成し着水時に水中に沈む錘部14とを備えるものであって、浮き部12および錘部14の内部には釣り糸18を通すための貫通孔20が形成されている。ソフトルアー用補助具10は、釣り糸18に固定されない、遊動仕掛けのものである。水面に浮くソフトルアー用補助具10は、釣り糸18を巻き取る際、水の抵抗を受けてワーム24側に移動し、ワーム24と連結した状態で、水面上を移動することから、ワーム24を水面に浮かせた状態で釣り糸18を巻き取ることができる。これにより、ワーム24によるトップウォーターフィッシングが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トップウォーターフィッシングに用いるソフトルアー用補助具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
トップウォーターフィッシングは、水面又はきわめて浅い水中にルアーを浮かせて釣りを行うものであり、魚が水面に現れてルアーを捕らえる瞬間を目視できるという醍醐味を味わえる。また、釣果も期待できる釣りである。この釣りに使用されるルアーはハードルアーであり、代表的なものにペンシル、ノイジー、スウィッシャーなどがある。また、現在では、初心者も容易に使用できる、魚の喰い付き易いトップウォーター用のハードルアーも提供されている(例えば、特許文献1)
【0003】
特許文献1のルアーは、発泡性の樹脂で形成されたヘッドとボディとを備えるルアーであり、釣り糸を巻き取る際に、ヘッドが半回転ごとに自動的に右回転・左回転する半回転往復運動を行うものである。これにより、釣り糸のよれを防止でき、魚の喰い付きを改善している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3897355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ソフトルアー(以下、ワームという。)は、硬質プラスチック等からなるハードルアーと異なり、軟質プラスチック等の柔らかい素材からなるものである。また、ワームを本来の動作で泳がせるために、例えば、錘が付いている釣り針(フック)等をワームに掛けて使用する。ワームを使用する釣りは、ワームを着水させ水中又は水底に落とした後、釣り糸を巻いて又は引いて水中でワームを動かし、その動作で魚を誘うものである。
従って、ワームはトップウォーターに使用されるルアーではなく、トップウォーターに使用されるルアーは、水面に浮く構造からなるハードルアーのみであった。
【0006】
本発明は、ソフトルアーをトップウォーターフィッシングに用いることができるソフトルアー用補助具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のソフトルアー用補助具は、着水時に水面に浮く浮き部と、その浮き部の底部を形成し着水時に水中に沈む錘部とを備えるものであって、浮き部および錘部の内部に釣り糸を通すための貫通孔を形成するようにしたものである。
【0008】
また、本発明のソフトルアー用補助具を砲弾形状に形成するようにしたものである。また、前記錘部を逆円錐台形状に形成するようにしたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明のソフトルアー用補助具は、釣り糸に固定されない、遊動仕掛けのものである。水面に浮くソフトルアー用補助具は、釣り糸を巻き取る際、水の抵抗を受けてワーム側に移動し、ワームと連結した状態になるため、ワームは水面に浮かんだ状態で水面上を移動する。これにより、ワームによるトップウォーターフィッシングが可能となる。
また、ソフトルアー用補助具は、着水時、水面に垂直に立った状態で浮くため、当該補助具から釣り糸をスムーズに引き出すことができる。これにより、着水後、釣り糸に取り付けられたワームをワーム自体の重みで自然に魚の遊泳層まで沈めることができる。
【0010】
ソフトルアー用補助具を砲弾形状に形成することにより、空気抵抗を抑制できる。これにより、キャスト時にワームを容易にコントロールできる。
また、錘部を逆円錐台形状にすることによって、ソフトルアー用補助具が移動するときに生じる水流でワームに対する揚力を生じさせることができるとともに、ワームの動作特性を最大限に発揮させることができる。これにより、十分な釣果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明のソフトルアー用補助具を表わす図であり、図1(a)は本発明のソフトルアー用補助具の構成図、同図(b)は釣り糸に本発明のソフトルアー用補助具を取り付けた状態を表わす図である。
【図2】着水時の図1のソフトルアー用補助具およびワームの状態を表わす図である。
【図3】釣り糸を巻くときの図1のソフトルアー用補助具およびワームの状態を表わす図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、ソフトルアーによるトップウォーターフィッシングを実現するものである。
【実施例】
【0013】
本発明のソフトルアー用補助具を図に基づいて説明する。本発明のソフトルアー用補助具を表わす図であり、図1(a)は本発明のソフトルアー用補助具の構成図、同図(b)は釣り糸に本発明のソフトルアー用補助具を取り付けた状態を表わす図である。
ソフトルアー用補助具10は、浮き部12と、錘部14と、浮き部12および錘部14内に内蔵されるパイプ部16とを備える。また、図1において、ソフトルアー用補助具10は、砲弾形状に形成されている。
【0014】
浮き部12は、着水時水面に浮く素材で形成されている。浮き部12の素材としては、木製(桐等)、樹脂(ウレタン等)を用いる。なお、浮き部12の表面には、撥水性を有する高強度硬質塗装が行われているものとする。
図1の浮き部12は、その縦断面が略流線形の形状に形成されたものであり、ソフトルアー用補助具10は空気抵抗を受け難い形状となっている。従って、キャスト時にワーム24(図2、図3)を容易にコントロールすることができる。
なお、本発明において、ワーム24の種類は限定されない。
【0015】
錘部14は、浮き部12の底部を形成するものであり、着水時には水中に沈むように設定されている。錘部14の素材は、鉛やタングステン等である。
また、図1において、錘部14は、逆円錐台形状に形成されている。
【0016】
パイプ部16は、ソフトルアー用補助具10の内部、すなわち浮き部12および錘部14の内部に釣り糸18を通す貫通孔20を形成するものである。また、本発明のソフトルアー用補助具10は、釣り糸18には固定されない、遊動仕掛けのものである(図1(b))。
図1において、パイプ部16はソフトルアー用補助具10に内蔵されており(図1(b))、パイプ部16の中空部が貫通孔20を形成する。なお、浮き部12の孔部12aおよび錘部14の孔部14aは、パイプ部16を挿入又は嵌入して取り付け、ソフトルアー用補助具10を組み立てるための孔部である。
また、パイプ部16は、鉛や樹脂等で形成されている。
【0017】
ソフトルアー用補助具10の全体重量は、水の比重1に対して0.9以上1未満になるように設定されている。当該重量に設定することにより、比較的重い重量を確保することができ、ワーム24(図2、図3)のみをキャストする場合に比べ、ワーム24の遠投が可能になる。
【0018】
また、図1において、弾性部材22(クッション部材)は、リング形状のものであり、その孔に釣り糸18を通す(図1(b))。弾性部材22は、釣り糸18と釣り針(フック)とを結ぶ部分(結び目)の摩擦を抑制し、釣り糸18が切断されることを防止するものである。
【0019】
次に、着水時のソフトルアー用補助具およびワームの状態を図2に基づいて説明する。図2は、着水時の図1のソフトルアー用補助具およびワームの状態を表わす図である。
ソフトルアー用補助具10は、着水時において、浮き部12の頭部(尖がった部分)が水面上に現れ、錘部14が水中に沈んだ状態になり、浮き部12を上にし錘部14を下にして水面に対し垂直に浮く。
釣り糸18に取り付けられたワーム24は、着水後それ自体の重さで水中に沈む。このとき、遊動仕掛けのソフトルアー用補助具10は水面に対し垂直に浮いているため、釣り糸18は補助具10からスムーズに引き出される。
従って、ソフトルアー用補助具10を用いることにより、ワーム24をワーム24自体の重みで自然に沈めることができる。これにより、ワーム24を魚の遊泳層まで沈めることができ、魚をおびき寄せることができる。
【0020】
次に、釣り糸を巻くときのソフトルアー用補助具およびワームの状態を図3に基づいて説明する。図3は、釣り糸を巻くときの図1のソフトルアー用補助具およびワームの状態を表わす図である。
釣り糸を巻き取る際、水面に浮くソフトルアー用補助具10は、浮き部12の頭部(尖がった部分)が水面の上方に位置し、底部の錘部14が水面又はきわめて浅い水中に位置する。また、遊動仕掛けのソフトルアー用補助具10は、釣り糸を巻き取る際水の抵抗を受けるためワーム24側に移動し、底部の錘部14はワーム24と連結した状態となる。このとき、ワーム24は錘部14とともに水面および極めて浅い水中を移動する。このように、釣り糸18に遊動仕掛けのソフトルアー用補助具10を設けることにより、ワーム24を水面又は極めて浅い水中に浮かせた状態で釣り糸を巻き取ることができる。すなわち、ワーム24によるトップウォーターフィッシングが可能となる。
また、図3において、ソフトルアー用補助具10の進行によって生じる水流26は、図1の逆円錐台形状の錘部14を通過し、ワーム24に対しワーム24の進行方向に垂直で上向きに作用する揚力を生じさせる。同時に、ワーム24は、水流26の抵抗を受けて、ワーム24の動作特性を最大限に発揮する。このように、錘部14を逆円錐台形状とすることにより、ワーム24を水面に浮かばせ魚が食いたくなるような動作をさせることが可能となることから、十分な釣果が期待できる。
【0021】
以上のように、本発明によると、ソフトルアーによるトップウォーターフィッシングを提供することができ、また釣果も期待できる。本発明によるトップウォーターフィッシングは、初心者からベテランまで幅広い層で楽しめるものである。また、使用するソフトルアー(ワーム)の種類は限定されないため、本発明を利用する者(釣り人)は多様なワーム類の中から好みのものを状況に応じて選択することができる。
【符号の説明】
【0022】
10 ソフトルアー用補助具
12 浮き部
14 錘部
18 釣り糸
20 貫通孔
24 ソフトルアー


【特許請求の範囲】
【請求項1】
着水時に水面に浮く浮き部と、その浮き部の底部を形成し着水時に水中に沈む錘部とを備えるものであって、浮き部および錘部の内部に釣り糸を通すための貫通孔を形成することを特徴とするソフトルアー用補助具。
【請求項2】
前記補助具を砲弾形状に形成することを特徴とする請求項1記載のソフトルアー用補助具。
【請求項3】
前記錘部を逆円錐台形状に形成することを特徴とする請求項2記載のソフトルアー用補助具。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−223093(P2012−223093A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90501(P2011−90501)
【出願日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(511094761)株式会社リオグランデ (2)
【Fターム(参考)】