説明

ソリッドケーブル

【課題】導体が捩れ難いソリッドケーブルを提供する。
【解決手段】ソリッドケーブル1は、断面円形状の中心素線11の外周に、複数の断面扇状の異形素線12を同心円状に撚り合わせて構成される多層構造の導体10と、この導体10の外周に絶縁材を巻回して構成される絶縁層21とを具える。導体10において、最外層を構成する異形素線の厚さが、最外層の直下の層を構成する異形素線の厚さよりも薄い。また、最外層を構成する異形素線のピッチ倍率(設定ピッチ/当該層の外径)が、最外層の直下の層を構成する異形素線のピッチ倍率よりも小さい。この構成により、最外層の回転角を小さくして、導体を捩れ難くすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の素線を撚り合わせて構成される導体の外周に、絶縁材を巻回して構成される絶縁層を具えるソリッドケーブルに関する。特に、ケーブルを引っ張った際などで導体が捩れ難いソリッドケーブルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
長距離大容量の直流電力ケーブルとして、導体の外周にクラフト紙を巻回して、高粘度の絶縁油を含浸させた絶縁層を具えるソリッドケーブルが利用されている。また、使用温度の更なる高温化、大容量化を図ることが可能なソリッドケーブルとして、ポリプロピレンとクラフト紙との複合テープを巻回して、中粘度の絶縁油を含浸させた絶縁層を具えるソリッドケーブルが提案されている(特許文献1)。
【0003】
上記ソリッドケーブルの導体10には、図1に示すように、断面円形状の中心素線11の外周に、組み合わせると断面円環状となる断面扇状の異形素線12を同心円状に撚り合わせて多層構造とした、キーストン導体と呼ばれる構造のものがある。各層は、交互に異形素線12の撚り方向を異ならせて、撚り戻りを抑制している。
【0004】
上記導体10を構成する異形素線12には、その厚さtがほぼ同じものが用いられる。また、各層を構成する異形素線の撚りピッチPiは、各層がつくる円環の外径Dioutに比例した大きさであって、ピッチ倍率=Pi/Dioutが一定となるように設定される。
【0005】
【特許文献1】特開平11-224546号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来のソリッドケーブルでは、ケーブルの絶縁層を構成する上述の複合テープなどの絶縁材や、ケーブル同士を接続するために工場内で形成した中間接続部(FJ:factory joint)の絶縁層を構成する絶縁材が緩んだり、捩れたりすることがある。
【0007】
上記FJを製造する際やケーブルを搬送する際などでケーブルの一端側を引っ張ったとき、他端側は固定された状態に近いことから、導体を構成する異形素線は捩れる、特に、異形素線の撚りが戻る方向に捩れると考えられる。この導体の捩れにより、導体の外周側に巻回された絶縁材も緩んだり、捩れたりすると考えられる。
【0008】
そこで、本発明の目的は、導体の捩れを抑制することで、絶縁材の緩みや捩れを抑制することができるソリッドケーブルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、導体を構成する異形素線の厚さがほぼ等しく、ピッチ倍率を一定にして構成した導体を引っ張ると、特に、最外層を構成する異形素線が撚り戻る方向に最も大きく回転する、即ち、最外層のねじりモーメント(トルク)が最も大きい、との知見を得た。このように各層のトルクが異なることから、各層のトルクを打ち消すことができる構成、少なくとも最外層のトルクを小さくすることができる構成とすれば、導体全体の回転による捩れを抑制できると考えられる。最外層のトルクを小さくするには、(1)最外層を構成する異形素線の厚さを薄くすること、(2)最外層を構成する異形素線のピッチ倍率を小さくすることが効果的であるとの知見を得た。そこで、本発明では、(1)異形素線の厚さを調整すること、(2)ピッチ倍率を調整することを提案する。
【0010】
本発明のソリッドケーブルは、中心素線の外周に、複数の断面扇状の異形素線を同心円状に撚り合わせて構成される多層構造の導体と、この導体の外周に絶縁材を巻回して構成される絶縁層とを具えるものであり、以下の(1)及び(2)の少なくとも一方を満たす。
(1)厚さ特性:上記導体の最外層を構成する異形素線の厚さが、上記最外層の直下の層を構成する異形素線の厚さよりも薄い。
(2)ピッチ特性:上記導体の最外層を構成する異形素線のピッチ倍率が、上記最外層の直下の層を構成する異形素線のピッチ倍率よりも小さい。
なお、各層におけるピッチ倍率とは、設定ピッチを当該層の外径で割った値とする。
【0011】
上記構成を具える本発明ソリッドケーブルによれば、導体を構成する各層のうち、発生トルクが最も大きい最外層のトルクを効果的に低減させることができる。本発明ソリッドケーブルは、上述のように導体の回転に伴う捩れを抑制することができるため、この導体の捩れに基づく絶縁層の緩みや捩れを低減することができると期待される。そして、絶縁層の緩みなどによる絶縁特性の劣化を抑制することができると期待される。以下、本発明をより詳細に説明する。
【0012】
本発明における導体は、銅といった導電性材料からなる複数の素線を撚り合わせて構成される撚り線構造である。中心素線は、断面円形状のもの、異形素線は、断面扇状、即ち、同心に配置された外周側円弧及び内周側円弧と、これら二つの円弧を繋ぐ直線(半径の一部をつくる直線)とで囲まれる形状のものであって、組み合わせると円環を構成するものが利用できる。異形素線により構成される層の数は特に問わない。また、各層をつくる異形素線の撚り方向は、交互に反対方向となっていると、つまり、S撚りとZ撚りとが交互に現れた多層構造であると、撚り戻りを抑制することができて好ましい。なお、異形素線の厚さとは、上記外周側円弧の接線と、この接線に平行な内周側円弧の接線との間の距離とする(図1(B)参照)。
【0013】
上記導体の外周に設けられる絶縁層の構成材料は、クラフト紙といった絶縁紙や、絶縁紙とプラスチック層とを有する複合テープ、具体的には絶縁紙の一面にプラスチック層を具えるものや、二枚の絶縁紙の間にプラスチック層を具えるものが利用できる。複合テープは、クラフト紙よりも絶縁特性に優れ、特に、プラスチック層の厚さの割合(k値)が高いものは抵抗率ρがより大きい。k値の高い複合テープは、例えばスーパーカレンダー加工を施すことで製造することができる。
【0014】
上記絶縁層には、絶縁油を含浸させる。絶縁油は、例えば、60℃における動粘度が10mm2/s(10cst)以上500mm2/s(500cst)未満である中粘度油、例えば、ポリスチレン系絶縁油、鉱油、アルキルベンゼン主体の合成油、及び重質アルキレートから選択される1種、或いは、これら2種以上の混合油などが利用できる。このような中粘度油を用いると、従来の高粘度油と比較して絶縁層に含浸させ易い上に、この絶縁層を上記複合テープで構成すると、ケーブルの使用温度の高温化により大容量化が図れる。60℃における動粘度が500mm2/s以上である高粘度油を利用してもよい。
【0015】
多層構造の導体が、上述の(1)厚さ特性、及び(2)ピッチ特性の少なくとも一方を満たすことで、最外層のトルクを低減することができるが、(1)及び(2)の双方を満たすと、最外層のトルクをより低減することができて好ましい。
【0016】
本発明の一形態として、(1)’厚さ特性:最外層よりも内側の層であって、最外層を構成する異形素線と同じ撚り方向である層を構成する異形素線の厚さが、この異形素線がつくる層の直下の層を構成する異形素線の厚さよりも薄いこと、を満たす形態が挙げられる。
【0017】
導体を構成する各層の異形素線の撚り方向が交互に異なっている(交互に反対になっている)場合、上述の(1)厚さ特性や(2)ピッチ特性に加えて、上記(1)’厚さ特性を満たす、即ち、最外層と異なる撚り方向の異形素線の厚さを薄くすることで、各層のトルクを打ち消し易く、導体全体の捩れをより効果的に抑制することができる。
【0018】
本発明の一形態として、(2)’ピッチ特性:最外層よりも内側の層であって、最外層を構成する異形素線と同じ撚り方向である層を構成する異形素線のピッチ倍率が、この異形素線がつくる層の直下の層を構成する異形素線のピッチ倍率よりも小さいこと、を満たす形態が挙げられる。
【0019】
導体を構成する各層の異形素線の撚り方向が交互に異なっている場合、上述の(1)厚さ特性や(2)ピッチ特性に加えて、上記(2)’ピッチ特性を満たす、即ち、最外層と異なる撚り方向の異形素線のピッチ倍率を小さくすることで、各層のトルクを打ち消し易く、導体全体の捩れをより効果的に抑制することができる。特に、上述の(1)’厚さ特性と、この(2)’ピッチ特性との双方を満たすと、導体全体の捩れを更に効果的に抑制できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明ソリッドケーブルは、ケーブルを引っ張った際などで、導体の回転に伴う捩れを抑制できるため、導体の捩れに基づく絶縁層の緩みや捩れを低減できると期待される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
断面円形状の中心素線の外周に、複数の断面扇状の異形素線を同心円状に撚り合わせて構成される多層構造の導体を引っ張ったときの導体の回転状態を模擬して、導体全体の回転角(ねじれ角)θを求めた。回転角θは、以下のように求めた。
【0022】
(導体全体の回転角θの求め方)
図2(A)に示すように外径がD、導体の軸方向の長さがLの円柱状の導体の一端面を完全に固定し、他端側を回転させながら、導体の中心軸(図2(A)において一点鎖線で示す)に所定の引張荷重を加えたとき、他端面における回転角θ0が導体全体の回転角θに相当する。そこで、図2に示すモデルを用いて、回転角θを求める。
【0023】
上記引張荷重を加えたとき、導体を構成する異形素線がつくる第i層(ここではi=1,2,3,4)の回転角をθi、第i層のねじりモーメントをTi、第i層がつくる円環の外径をdiout、第i層がつくる円環の内径をdiinとする。また、横弾性係数をGとする。このとき、中実丸棒におけるねじりの弾性変形の関係から、次の式[1]が成立する。
【数1】

【0024】
上記式[1]から、異形素線がつくる第i層のねじりモーメント:Tiは、次の式[2]で表される。
【数2】

【0025】
上記式[2]から、異形素線がつくる各層のねじりモーメント:Tiの総和:Ttotalは、次の式[3]で表される。
【数3】

【0026】
一方、外径がD、長さがLの中実丸棒のねじりモーメント:Tは、回転角をθとするとき、T=C1×D4×θで表される。従って、この回転角θは、次の式[4]で表される。
【数4】

【0027】
上記式[4]の回転角θは、上述した外径:D、長さ:Lの導体全体の回転角θに相当する。また、上記式[4]のねじりモーメント:Tは、導体全体のねじりモーメントに相当し、各層のねじりモーメントTiの総和Ttotalに等しい。従って、導体全体の回転角θは、次の式[5]で表される。
【数5】

【0028】
次に、図2(B)を参照して、導体を構成する異形素線がつくる第i層の回転角θiを考える。直径:diの円柱の外周に異形素線を撚りピッチ:Piで巻回したとき、1ピッチあたりの異形素線の長さLpは、次の式[6]で表される。
【数6】

【0029】
上記式[6]より、第i層の異形素線の全長Liは、撚りピッチの全長をLzとするとき、以下の式[7]で表される。
【数7】

【0030】
導体を構成する異形素線の全長Li及び直径diが変わらないように、上述のように導体の一端面を固定した状態で他端側を回転させながら引っ張ったとき、異形素線の全長Liについて、以下の式[8]で示す関係が成り立つ。なお、回転前の撚りピッチの全長をLzf、回転前の異形素線の撚りピッチをPf、回転後の撚りピッチの全長をLzd、回転後の異形素線の撚りピッチをPdとする。
【数8】

【0031】
上記式[8]から、回転後の異形素線の撚りピッチ:Pdは以下の式[9]で表される。
【数9】

【0032】
一方、異形素線の全長に対して、撚りピッチをP、撚りピッチの全長をLzとするときの撚り角θ’は、次の式[10]で表される。
【数10】

【0033】
従って、異形素線がつくる第i層の回転角θiは、回転前の撚り角をθf、回転後の撚り角をθdとするとき、回転前の撚りピッチ:Pf及び撚りピッチの全長:Lzf、回転後の撚りピッチ:Pd及び撚りピッチの全長:Lzdを用いて、次の式[11]で表される。
【数11】

【0034】
上述のようにして求めた各層の回転角θiを用いることで、導体全体の回転角θが求められる。
【0035】
(模擬試験)
線径φ:10mmの中心素線の外周に、異形素線を同心円状に4層撚り合わせた導体モデルについて、各層を構成する異形素線の厚さやピッチ倍率を異ならせたときの最外層1ピッチでの導体全体の回転角(deg)、及びケーブル10mあたりの導体全体の回転角(deg)を求めた。最外層1ピッチでの導体全体の回転角は、回転前の最外層ピッチ長さでの各層の回転トルクを求め、その合計トルクを最外径と同じ外径の中実銅棒に与えたときの回転角で求めた。各試料の仕様及び回転角θを表1〜4に示す。第1層目が内側、第4層目が最外層であり、最外側から各層の撚り方向が交互に異なる。例えば、第1,3層がS撚り、第2,4層がZ撚りである。直径:diは、重心径:(diout+diin)/2とし、最外層の外径を外径:Dとする。また、回転前の撚りピッチの全長:LzfをPf=4と設定し、回転後における撚りピッチ:Lzdを引張荷重を加えたシミュレーション結果から伸び量(最外層1ピッチあたりの伸び)を考慮して、Lzd=Pf=4+伸び量と設定した。第i層の初期ピッチPiは設定ピッチである。
【0036】
【表1】

【0037】
【表2】

【0038】
【表3】

【0039】
【表4】

【0040】
表1〜4に示すように、最外層(ここでは第4層目)の異形素線の厚さをその直下の層(ここでは第3層目)の異形素線の厚さよりも薄くしたり、最外層の異形素線のピッチ倍率をその直下の層の異形素線のピッチ倍率よりも小さくすることで、導体全体の回転角を小さくできることが分かる。特に、最外層の異形素線を薄くすると共に、最外層の異形素線のピッチ倍率を小さくすると、回転角をより小さくできることが分かる。
【0041】
また、最外層の異形素線の厚さやピッチ倍率の調整に加えて、最外層よりも内側の層であって最外層を構成する異形素線の撚り方向と同じ撚り方向の層(ここでは第2層目)の異形素線の厚さをその直下の層(ここでは第1層目)の異形素線の厚さよりも小さくしたり、最外層よりも内側の層であって最外層を構成する異形素線の撚り方向と同じ撚り方向の異形素線のピッチ倍率をその直下の層の異形素線のピッチ倍率よりも小さくすることで、回転角をより小さくできることが分かる。即ち、外側に異形素線の薄い層、内側に厚い層が隣接した対となる層が二組存在する構成や、外側にピッチ倍率が小さい層、内側にピッチ倍率が大きい層が隣接した対となる層が二組存在する構成とすると、回転角を効果的に小さくすることができると期待される。
【0042】
<実施例>
上述した試料No.2〜4の導体は、例えば、図1に示すソリッドケーブルの導体に利用できる。なお、図1に示す導体は、異形素線の厚さが全て等しく、層数が3つのものを示す。ソリッドケーブル1の具体的な構成は、中心から順に、導体10、絶縁層21、金属シース22、防食層23、補強層24、外装25を具え、絶縁層21には、絶縁油が含浸される。金属シース22は、鉛により形成される。防食層23は、ポリエチレン(PE)といった樹脂により形成される。補強層24は、金属シース22にかかるフープストレスを分担する層であり、ステンレス鋼といった高抗張力材料などからなる帯状材を巻回して構成される。外装25は、鉄線が利用される。
【0043】
絶縁層21は、導体10側から順に内部半導電層(図示せず)、主絶縁層、外部半導電層(図示せず)を具えた構成が挙げられる。主絶縁層は、例えば、二枚の絶縁紙の間にプラスチック層を有する複合テープを螺旋状にギャップ巻きして構成される。複合テープは、二枚のクラフト紙の間にポリプロピレン(PP)層を有するPPLP(住友電気工業株式会社の登録商標)が利用できる。この複合テープは、PP層の厚さの割合(k値)が40〜90%である適宜なもの、例えば、スーパーカレンダー加工によりk値を高めたものを利用できる。
【0044】
なお、主絶縁層において内周側(導体直上)及び外周側(金属シースの直下)にクラフト紙を巻回してなる低ρ層を具える構成とすると、主絶縁層においてストレスが高く導体の影響を受け易い部分が受けるストレスを低減することができる。
【0045】
絶縁層21に含浸される絶縁油は、例えば、中粘度油の場合、40℃の動粘度:約650mm2/sのポリブテン油からなる日本石油化学株式会社製商品名:HV-15、高粘度油の場合、精製されたナフテン系油からなるダセック社製商品名:T2015(60℃における動粘度:1200mm2/s)などが利用できる。
【0046】
上記構成を具えるソリッドケーブルは、引っ張った際などで導体が回転し難く、この回転に伴う導体の捩れを低減することができる。そのため、このソリッドケーブルは、導体の捩れに基づく絶縁層の緩みなどを抑制することができると期待される。
【0047】
なお、上述した実施例は、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更することが可能であり、上述した構成に限定されるものではない。例えば、異形素線の厚さ、ピッチ倍率、導体をつくる各層の外径、層数、導体をつくる素線の撚り合わせ本数などを適宜変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明ソリッドケーブルは、電力供給線路、特に、長距離大容量の電力供給線路の構成部材に好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】(A)は、キーストン導体を具えるソリッドケーブルの断面模式図、(B)は、異形素線の断面模式図である。
【図2】(A)は、回転角θを説明する説明図、(B)は、異形素線の長さLpを説明する説明図である。
【符号の説明】
【0050】
1 ソリッドケーブル
10 導体 11 中心素線 12 異形素線 21 絶縁層 22 金属シース
23 防食層 24 補強層 25 外装

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心素線の外周に、複数の断面扇状の異形素線を同心円状に撚り合わせて構成される多層構造の導体と、この導体の外周に絶縁材を巻回して構成される絶縁層とを具えるソリッドケーブルであって、
以下の(1)及び(2)の少なくとも一方を満たすことを特徴とするソリッドケーブル。
(1) 前記導体の最外層を構成する異形素線の厚さが、前記最外層の直下の層を構成する異形素線の厚さよりも薄い。
(2) 前記導体の最外層を構成する異形素線のピッチ倍率が、前記最外層の直下の層を構成する異形素線のピッチ倍率よりも小さい。
なお、各層におけるピッチ倍率とは、設定ピッチを当該層の外径で割った値とする。
【請求項2】
前記ソリッドケーブルは、前記(1)及び(2)の双方を満たすことを特徴とする請求項1に記載のソリッドケーブル。
【請求項3】
前記導体を構成する各層は、交互に異形素線の撚り方向が異なっており、
前記最外層よりも内側の層であって、前記最外層を構成する異形素線と同じ撚り方向である層を構成する異形素線の厚さは、この異形素線がつくる層の直下の層を構成する異形素線の厚さよりも薄いことを特徴とする請求項1又は2に記載のソリッドケーブル。
【請求項4】
前記導体を構成する各層は、交互に異形素線の撚り方向が異なっており、
前記最外層よりも内側の層であって、前記最外層を構成する異形素線と同じ撚り方向である層を構成する異形素線のピッチ倍率は、この異形素線がつくる層の直下の層を構成する異形素線のピッチ倍率よりも小さいことを特徴とする請求項1〜3項のいずれか1項に記載のソリッドケーブル。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−118190(P2010−118190A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−289100(P2008−289100)
【出願日】平成20年11月11日(2008.11.11)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)