説明

ソーシャル・ネットワーキングを使用したリアルタイム言語翻訳のための方法及びそのシステム

【課題】言語翻訳を取得するシステム及び方法を提供する。
【解決手段】発信者は、翻訳すべき文章の一節をサーバーに送信することにより、翻訳を依頼してもよい。サーバーは、送信された一節を、翻訳候補者に同報通信する。翻訳者は、発信者と接続されていてもよく及び/又は互いにソーシャルネットワークを通じて繋がっていてもよい。一部の又は全ての翻訳候補者が、サーバーを通じて、発信者に、一節の翻訳を返信する。発信者は、最も望ましい翻訳を選択して、それをサーバーに知らせる。交換取引又はバーター取引の一部として、翻訳サービスが提供されてもよい。サーバーは、選択された翻訳を行った翻訳者にクレジットを付与してもよい。翻訳者は、後に行われる取引又は他の取引において、このクレジットを利用してもよい。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
外国語の話し言葉又は書き言葉の理解は、昔から存在する問題である。仕事、学術又は社交の場において言語を理解できないことは、人間関係の進展を妨げ、狭めてしまう。
【0002】
この問題ついて現在の対処法では、スピードが遅く、高価で、必ずしも効果的ではなかった。言語を習得するには、何年にもわたる学習を必要とし、莫大な投資が必要となるので、実用的な解決方法とは言えない。他の解決方法としては、手動で、個々の単語又はフレーズの訳文を調べる方法がある。しかしながら、この方法では、良くても翻訳が不自然になる場合があり、最悪の場合、不正確になってしまうことがある。また、慣用表現集又はオンライン辞書へのアクセスなど、翻訳するためのリソースが限られてしまっている。このような手法では、スピードが遅く、面倒であり、また、間違いが起き易い。また、このような手法では、ユーザーの側が予備知識を持つ必要がある場合がある。外国語の文法を理解せずに、文章の一説を、一語ずつ翻訳しても意味を成さない場合がある。加えて、アルファベットが外国のものである場合、例えば、キリル文字や、日本語のように言語が文字ベースである場合は、検索プロセスが不可能である場合もある。これまで、機械ベースの様々な解決方法が提案されているが、いずれも翻訳精度が悪く、不正確になりがちであり、これは、部分的には、自然言語処理の自動化が難しいことに起因する。
【0003】
つまり、外国語の翻訳は、コストがかかり、また、不正確になってしまう可能性がある。翻訳に必要とされる時間的支出及び労力は、大きなものとなる一方で、得られる結果は信頼できないものとなってしまう場合があった。特に、文章の一節を要約文として翻訳する場合に、上記のような問題が顕著になる。このように、一段落又は一文を翻訳するだけでも、多大な作業が必要となる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】一実施形態に係る本明細書に記載されるシステムを概略的に示したブロック図である。
【図2】一実施形態に係る本明細書に記載される処理を概略的に示したフローチャートである。
【図3】一実施形態に係る本明細書に記載されるシステムのオペレーションを概略的に示したブロック図である。
【図4】一実施形態に係る翻訳依頼の発信者の観点から見た本明細書に記載される処理を示したフローチャートである。
【図5】一実施形態に係る発信者によって使用される通信装置におけるソフトウェア要素を示したブロック図である。
【図6】一実施形態に係るサーバーの観点から見た本明細書に記載される処理を示したフローチャートである。
【図7】一実施形態に係るサーバーにおける翻訳依頼の処理を示したフローチャートである。
【図8】一実施形態に係るサーバーにおける翻訳依頼の処理を示したフローチャートである。
【図9】一実施形態に係るサーバーにおけるソフトウェア要素を示したブロック図である。
【図10】一実施形態に係る翻訳者における処理を示したフローチャートである。
【0005】
添付の図面において、参照番号の最も左に位置する桁の数字が、図面番号を表している。
【発明を実施するための形態】
【0006】
言語翻訳を取得するシステム及び方法を開示する。発信者は、翻訳すべき文章の一節をサーバーに送信することにより、翻訳を依頼してもよい。そして、サーバーは、送信された一節を、翻訳候補者に同報通信してもよい。ある実施形態では、翻訳者は、発信者と接続されていてもよく及び/又は互いにソーシャルネットワークを通じて接続されていてもよい。一部の又は全ての翻訳候補者が、サーバーを通じて、発信者に一節の翻訳を返信する。発信者は、最も望ましい翻訳を選択して、それをサーバーに知らせる。ある実施形態では、交換取引又はバーター取引の一部として、翻訳サービスが提供されてもよい。サーバーは、選択された翻訳を行った翻訳者に、クレジットを付与してもよい。翻訳者は、後に行われる取引又は他の取引において、このクレジットを使用してもよい。
【0007】
ここに記載されるシステムの一実施形態の概略が、図1に示されている。システム100は、これに限定されないが、言語翻訳依頼処理サーバー130及びネットワーク140通じて、発信者110の通信装置と、一人又は複数の翻訳候補者120の通信装置との間の通信を提供してもよい。図では、二つ翻訳者の通信装置が示されているが、これに限定されず、幾つの翻訳者通信装置が存在していてもよい。
【0008】
発信者110の通信装置は、翻訳依頼を生成して、それを言語翻訳依頼処理サーバー130に送信してもよい。翻訳依頼は、翻訳すべきテキスト又は音声を含んでもよい。そして、サーバー130は、翻訳依頼に基づいて、依頼同報通信を構築し、この依頼同報通信を、翻訳者120それぞれの通信装置に送信する。一人又は複数の翻訳者が翻訳を行い、その翻訳がサーバーに返信されてもよく、サーバー130は、受信した翻訳を発信者110の通信装置に送信する。例示された実施形態では、発信者110の通信装置、翻訳者120の通信装置、及びサーバー130の間の通信を、通信ネットワーク140を通じて行ってもよい。
【0009】
他の実施形態では、サーバー130が、必ずしも翻訳候補者120にコンタクトする必要はない。また、頻繁に依頼される翻訳については、サーバー130にキャッシュしておいてもよい。例えば、翻訳されるべき文章の一節が、以前に依頼された翻訳の対象であった場合、この一節の以前の翻訳を、サーバー130のキャッシュに保存してもよい。この場合、サーバーは、依頼された翻訳がキャッシュに存在するかまず確認し、存在する場合には、キャッシュされた一つ又は複数の翻訳を、発信者110に直接応答する。また、サーバーは、保存されているデジタル辞書を使用してサーバーで自動的に翻訳を行う機能を有していてもよい。翻訳すべき一節が高頻度で使用される言葉やフレーズを含む場合、後者の実施形態の方が実用的であると考えられる。
【0010】
一実施形態では、ネットワーク140は、インターネット、一つ又は複数の広域ネットワーク、一つ又は複数のローカルエリアネットワーク、若しくはこれらの組み合わせを含んでも良い。通信は、ショート・メッセージング・システム(SMS)メッセージ及び/又はマルチメディア・メッセージング・システム(MMS)メッセージの形で行われてもよい。
【0011】
一実施形態による、システム100の処理を、図2のフローチャート200に示す。210において、発信者は自身の通信装置を通じて翻訳を依頼する。テキスト又は音声を、翻訳依頼の形で、サーバーに提供してもよい。220では、サーバーがこの依頼を受信する。以下に記載するような方法で翻訳依頼が処理された後、230において、サーバーは、依頼同報通信を翻訳候補者の通信装置に送信する。翻訳を実行した後、240において、翻訳者は翻訳をサーバーに提供する。250において、サーバーは翻訳を受信する。260において、翻訳が発信者の通信装置に転送される。二つ以上の翻訳が存在する場合、270において、発信者は、好みの翻訳を選択する。一実施形態では、発信者は、選択した翻訳をサーバーに通知し、サーバーは、選択された翻訳者にクレジットを付与してもよい。例えば、交換やバーターのような次に行われる取引において、翻訳者がこのクレジットを使用してもよい。280において、プロセスが終了する。
【0012】
一実施形態による処理を、図3のシステム300として、詳細に説明する。図1と同様、システム300は、これに限定されないが、発信者の通信装置110、言語翻訳依頼処理サーバー130及び複数の翻訳候補者120の通信装置を含む。簡略化のため、図3には示されていないが、これらの通信装置及びサーバー間の通信は、ネットワーク140を通じて行われてもよい。
【0013】
発信者の通信装置110は、翻訳依頼310をサーバー130に送信してもよい。発信者の通信装置110は、例えば、スマートフォンや他の携帯インターネットデバイスのようなモバイル通信装置であってもよい。ある実施形態では、翻訳依頼310は、発信者の通信装置110で動作するアプリケーションに含まれるテンプレート又はフォームを使用して構築されていてもよい。フォームでは、例えば、希望する言語を尋ねてもよく、また、翻訳すべきテキスト又は音声を取り込むようにしてもよい。あるいは、翻訳すべきテキスト又は音声は、フォームに添付されるようにしてもよい。翻訳依頼310は、テキスト又は音声を有する完成済みフォームを含んでもよく、また、一つ又は複数のSMSメッセージ又はMMSメッセージとして、サーバー130に送信されてもよい。
【0014】
サーバー130は、翻訳依頼310を受信してもよい。一実施形態では、翻訳依頼310は、サーバー130による認証が必要であってもよい。翻訳依頼は、例えば、デジタル署名が添付されていてもよい。このようなデジタル署名は、例えば、公開鍵技術又は対称鍵技術を使用した暗号に基づいていてもよく、処理を継続する前にサーバー130による認証を必要としてもよい。
【0015】
一実施形態では、サーバー130は、中傷する言葉又は不適切な言葉を検知するために、翻訳依頼310の構文解析を行ってもよい。これは、問題となる言葉やフレーズを特定するため、例えば、辞書参照プロセスを使用して行なってもよい。不適切な言葉が発見された場合は、サーバー130は、翻訳依頼310を拒否してもよい。不適切な言葉が発見されなかった場合は、サーバー130は、翻訳依頼310に基づく依頼同報通信315を構築してもよい。そして、依頼同報通信315は、翻訳候補者120の一つ又は複数の通信装置のそれぞれに送信される。一実施形態では、あるグループの翻訳者が翻訳依頼310において特定されていてもよい。あるいは、翻訳者のグループが予め決められており、翻訳者のIDがサーバー130に保存されていてもよい。翻訳者は、例えば、LinkedIn又はFacebookのようなソーシャル・ネットワーキング・サービスを通じて、発信者110と関連付けられてもよく、及び/又は特定の言語と関連付けられてもよい。ある実施形態では、サーバー130は、発信者のソーシャルネットワークを検索することにより、翻訳候補者120のリストを導出してもよい。この検索は、サーバー130の受信と共に行われてもよし、事前に行っておいてもよい。
【0016】
翻訳者の通信装置120それぞれが、サーバー130に対して翻訳320を返信する。返信された翻訳320はそれぞれ、翻訳を表す音声データを含んでいてもよい。一実施形態では、サーバー130は、中傷する言葉、攻撃的な言葉又は不適切な言葉が含まれていないか特定するため、翻訳320の一部又は全ての構文解析を行ってもよい。不適切な翻訳は、削除される。一実施形態では、次いで、構文解析プロセスの後に削除されなかった翻訳320が、一つ又は複数のMMSメッセージとして、発信者の通信デバイス110に送信されるようにしてもよい。
【0017】
そして、発信者は、翻訳320を評価して好ましい翻訳を選択してもよい。例示した実施形態では、選択された翻訳の識別子340が、サーバー130に送信される。サーバー130は、この識別子340を使用して該当する翻訳者を特定してもよい。翻訳者には、発信者又はその他の者と後に行われる他の取引、例えば、交換取引やバーター取引で利用できるクレジットが与えられてもよい。
【0018】
一実施形態による、発信者において実行される処理を、プロセス400として図4に示す。410では、発信者は、翻訳依頼を構築する。例示された実施形態において、発信者の通信装置で動作するアプリケーションにおけるテンプレート又はフォームを全て記入することにより、翻訳依頼が構築されてもよい。420では、翻訳依頼は、一つ又は複数のSMSメッセージ及び/又はMMSメッセージとして、サーバーに送信される。翻訳依頼は、テキストデータ又は音声データ、若しくはその両方を含んでもよい。一実施形態では、翻訳依頼は、430で示されるように、認証のためにデジタル署名を含んでいてもよい。
【0019】
440において、発信者の通信装置は、サーバーから一つ又は複数の翻訳を受信する。一実施形態では、翻訳を一つ又は複数のMMSメッセージとして受信してもよい。450において、二つ以上の翻訳が受信されたと判断された場合は、460において、発信者の通信装置を通じて、翻訳が発信者に提示される。これにより、発信者は異なる翻訳を評価することができる。発信者は、次いで、自身の通信装置を通して翻訳を一つ選択してもよく、470において、通信デバイスのユーザーインターフェースが、選択した翻訳の情報を受信する。一実施形態では、この選択情報がサーバーに送信されることによって、選択された翻訳が特定されるようにしてもよい。450において、一つの翻訳のみが利用可能であると判断された場合は、評価を行う必要はなく、455において、一つの翻訳のみが発信者に提示されてもよい。455で、プロセスは終了する。
【0020】
図4を参照して説明された上述の論理は、ディスクリート回路又は集積回路論理、特定用途向け集積回路(ASIC)論理及びマイクロコントローラ、領域特化型集積回路パッケージの一部、又は集積回路パッケージの組み合わせのようなハードウェア、ファームウェア、又はソフトウェア、若しくはこれらの組み合わせによって、実装されてもよい。また、ここで使用されている"ソフトウェア"という言葉は、コンピュータプログラム論理を記憶するコンピュータ可読媒体であって、コンピュータシステムに1つ又は複数の特徴及び/又はここに開示される特徴の組み合わせを実行させるコンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム物品を指す。
【0021】
図5は、図4の論理のソフトウェア又はファームウェアの実施形態を示したものである。システム500は、発信者の通信装置に組み込まれていてもよく、例えば、スマートフォンや他の携帯インターネットデバイスに組み込まれていてもよい。システム500は、これに限定されないが、プロセッサ506と通信可能な一つ又は複数のメモリ要素502、及び図では集合的にI/O504として示されている複数の入出力デバイス又はポートを含んでもよい。
【0022】
メモリ502は、プロセッサ506によって実行される命令を、関連するデータと共に保存していてもよい。メモリ502は、当業者にとって明白なように、コンピュータ可読媒体に実装されてもよい。媒体の例としては、これらに限定されないが、例えば、不揮発性メモリデバイス、ハードドライブ、コンパクトディスクドライブによって読み出されるコンパクトディスク、又は他の機械可読メモリデバイスが挙げられる。実行可能な命令は、コンピュータプログラム論理508として図示されている。コンピュータプログラム論理508は、図では、モジュール510‐560として示される幾つかのモジュールを含んでもよいが、必ずしもこれらのモジュールに限定されない。幾つかのモジュールは、入力オプションを発信者に提示し、この入力を受信して、発信者にデータを提示する発信者ユーザーインターフェース(UI)510を含んでもよい。翻訳依頼ユーザーインターフェース520は、最終的にサーバーに送信可能な翻訳依頼を生成するのに、発信者の入力を使用してもよい。この場合、入力は、翻訳すべきテキストデータ又は音声データの指示を含んでもよい。翻訳受信モジュール530は、翻訳を受信し、受信した翻訳を発信者に提示する役割を担ってもよい。特定の翻訳が、発信者ユーザーインターフェース510を通じて発信者によって選択されてもよい。
【0023】
例示した実施形態では、システム500は、上記の発信者のための論理に加えて、翻訳者によって使用される機能を含んでも良い。この場合、両方のユーザーが一つの通信装置を使用可能であってもよい。翻訳者のオペレーションに関するコンピュータプログラム論理モジュール540‐560を、以下に詳述する。
【0024】
ある実施形態において、サーバーにおいて行われる処理を、プロセス600として図6に示す。610において、サーバーは、発信者の通信装置から翻訳依頼を受信する。上述したように、翻訳依頼は、一つ又は複数のSMSメッセージ又はMMSメッセージであってもよく、翻訳すべき一節のテキスト又は音声を含んでも良い。615において、翻訳依頼がサーバーで処理される。処理は、構文解析、承認及び他の管理機能を含んでもよく、これらは図7を参照して以下に詳述する。620では、615の処理結果に応じて、プロセスを続行するか否かを判断する。続行すると判断された場合、プロセス処理600は625に進み、続行しないと判断された場合は、640において処理の停止を発信者に通知し、プロセス600は、670で終了する。
【0025】
ある実施形態では、615の処理は、翻訳すべき一節がすでに翻訳済みであることを、例えば他の発信者に明らかにしてもよい。また、以前翻訳されたものを、サーバーにキャッシュしてもよい。このような実施形態の場合、翻訳候補者に翻訳要請をせずに、この一節の一つ又は複数のキャッシュされた翻訳を、発信者に送信してもよい。または、サーバーが、保存されたデジタル辞書又は以前に翻訳され収集された翻訳の他の形態を使用して、サーバーにおいて自動化された方法で翻訳を行うことを可能とする機能を有していてもよい。一節が、高頻度で使用される言葉及びフレーズを含む場合、後者の実施形態が実用的であると考えられる。
【0026】
625において、サーバーは、受信した翻訳依頼に基づいて依頼同報通信を構築する。630では、依頼同報通信が、対応する一連の翻訳候補者の通信装置に送信されてもよい。635において、翻訳者から翻訳を受信したか否かが判断される。受信されていない場合、640において、発信者にその旨が通知され、プロセスが終了する。一つ又は複数の翻訳が受信されている場合は、プロセスは645に進む。ある実施形態では、翻訳は、音声データを含むMMSメッセージの形式であってもよい。645において、中傷や攻撃的な言葉が存在しないか否かを判断するために、翻訳を構文解析してもよい。不適切な言葉を含む翻訳は、650において削除されるようにしてもよく、削除されなかった残りの翻訳が発信者に転送される。
【0027】
例示した実施形態では、660において、サーバーが、発信者が選択した翻訳の識別子を発信者から受信してもよい。665において、サーバーは、選択された翻訳を行った翻訳者にクレジットを付与してもよい。670において、プロセスは終了する。
【0028】
一実施形態による、翻訳依頼(図6の615)の処理を、図7を参照して詳細に説明する。710では、発信者を認証するため、翻訳依頼に添付された署名の照合を行ってもよい。署名及びその照合プロセスは、暗号化ベースで行われてもよく、公開鍵暗号化又は対称鍵暗号化を利用してもよい。720において、認証が成功したか否かを判断する。成功しなかった場合、740において、処理を停止する。620(図6参照)において、プロセスを続行しない決定を行ってもよく、640においてその旨を発信者に通知してもよい。
【0029】
成功した場合、プロセスは続行され、730に進み、翻訳依頼の構文解析を行う。サーバーは、中傷する言葉又は攻撃的な言葉が含まれているか否かを判断するため、翻訳依頼を構文解析してもよい。ある実施形態では、保存された言葉又はフレーズの辞書を使用して、構文解析される言葉に対応する言葉を辞書で参照することにより、解析を行ってもよい。750において、上記のような不適切な言葉が存在するか否かが判断される。このような言葉が存在する場合、翻訳依頼は承認されず、処理を740で中断する。この場合、図6に示すように、620において、プロセスを続行しないと判断される。
【0030】
翻訳依頼が承認された場合、処理が継続され、760に進む。ここで、翻訳依頼に識別子が添付されていてもよい。770において、翻訳依頼に関連する様々なデータが記録されてもよい。このデータには、発信者の電話番号、発信者の通信装置の国際移動体装置識別番号(IMEI)、依頼の日付及び時間、並びに発信者の位置情報が含まれていてもよい。サーバーが、発信者に翻訳を転送する時に、この情報を使用してもよい。780において、プロセスが終了する。
【0031】
他の実施形態では、発信者のみが翻訳を評価する者でなくてもよい。この場合、翻訳を評価のために公開し、サーバーにログオンする第三者によって、すでに翻訳された翻訳を再チェックしてもよい。第三者は、提供された翻訳の格付け又はランク付けを行ってもよい。該当する一節が以前に翻訳され、サーバーにキャッシュされて、さらに格付けされている場合、後に翻訳を依頼する発信者は、翻訳者の選択又は翻訳の選択にこれらの評価を利用できる。この評価を、翻訳者に付与されたクレジットの量を決定するのに使用してもよい。
【0032】
一実施形態による、上記の実施例のサーバーにおける処理を図8に示す。810において、サーバーは、評価を行う候補者を認証してもよい。認証は、パスワードによる認証及び/又は評価者が提示したデジタル署名の照合を含んでもよい。署名は、例えば、公開鍵技術又は対象鍵技術に基づくものであってもよい。評価者が、特定の翻訳依頼に関連付けられた翻訳にアクセスし、評価を行った後、820においてその評価を受信してもよい。830において、追加の翻訳を受信してもよい。840において、受信した評価が、一つ又は複数の特定の翻訳依頼に関連付けられてもよい。850において、評価と共に、実際の翻訳が発信者に送信されてもよい。860において、プロセスが終了する。
【0033】
図6及び図7に示す論理のソフトウェア又はファームウェアの実施形態を、図9に示す。システム900は、例えば、図1及び図3に示した言語翻訳依頼処理サーバー130のようなサーバーに組み込まれていてもよい。システム900は、これに限定されないが、プロセッサ906と通信可能な一つ又は複数のメモリ要素902、及び図では集合的にI/O904として示されている複数の入出力デバイス又は入出力ポートを含んでもよい。
【0034】
メモリ902は、プロセッサ906によって実行される命令を、関連するデータと共に保存していてもよい。メモリ902は、当業者にとって明白なように、コンピュータ可読媒体に実装されてもよい。この媒体の例としては、これらに限定されないが、例えば、不揮発性メモリデバイス、ハードドライブ、コンパクトディスクドライブによって読み出されるコンパクトディスク、又は他の機械可読メモリデバイスが挙げられる。
【0035】
実行可能な命令は、コンピュータプログラム論理910として図示されている。コンピュータプログラム論理910は、図では、モジュール920‐990として示される幾つかのモジュールを含んでもよいが、必ずしも、これらのモジュールに限定されない。これらのモジュールは、依頼処理論理920を含む。このモジュールは、翻訳依頼を受信し、例えば610、615及び図7で述べたような処理を実行し、認証を受信し、翻訳依頼を構文解析し、関連する管理データを記録する役割を担ってもよい。
【0036】
依頼同報通信構築論理930は、翻訳依頼に基づく依頼同報通信を構築する役割を担ってもよい。同報通信論理940は、翻訳を要請する翻訳候補者を決定し、候補者に同報通信を送信する役割を担ってもよい。上述したように、翻訳者のIDがサーバーに保存され、翻訳者が予め決定されていてもよく、または、翻訳依頼の受信時に決定されてもよい。翻訳者のIDは、ソーシャル・ネットワーキング・サービスにおける発信者のコンタクトリストを検索することにより決定してもよい。あるいは、発信者が、翻訳依頼において、翻訳者を特定してもよい。
【0037】
翻訳受信論理950は、サーバーにおいて翻訳を受信する役割を担ってもよい。翻訳を受信した後、上述したように、翻訳構文解析論理960が、翻訳の構文解析を行ってもよい。構文解析プロセスにおいて、不合格とならなかった翻訳は、翻訳送信論理970によって、発信者に転送される。
【0038】
選択受信論理980は、発信者によって選択された翻訳に対する識別子を受信する役割を担ってもよい。クレジット割り当て論理990は、選択された翻訳を行った翻訳者にクレジットを発行する役割を担ってもよい。
【0039】
例示した実施形態では、メモリ902は、以前に翻訳された翻訳995のためのストレージを含んでもよい。以前に翻訳された翻訳によってデジタル辞書を構成してもよく、サーバーが、自動化された方法で依頼された翻訳の翻訳を行うことを可能とする、又は対象の一節の以前に依頼された翻訳を利用可能とするデジタル辞書であってもよい。このような参照又は翻訳は、サーバー翻訳論理975を使用して、サーバーにおいて行ってもよい。あるいは、以前に翻訳された翻訳995は、メモリ902以外の異なるメモリ要素又は媒体に存在していてもよい。
【0040】
図10は、一実施形態による、翻訳者によって実行されるプロセス1000を示している。1010において、翻訳者の通信装置が、サーバーから依頼同報通信を受信する。1020において、翻訳が実行される。1030において、1020で生成された翻訳が、サーバーに送信される。そして、1040でプロセスが終了する。
【0041】
ある実施形態では、翻訳者の通信装置を、プロセス1000で使用してもよい。特に、依頼同報通信は、このような装置を通じて受信されてもよく、翻訳はコンピュータデバイスを通じてサーバーに送信されてもよい。さらに、装置は、携帯通信デバイスであってもよい。翻訳者を支援する機能が、発信者をサポートする機能と共に、通信装置に組み込まれていてもよい。この場合、装置は、発信者又は翻訳者の役目を果たす者によって使用されてもよい。このような実施例は、図5に示されている。図5では、機能が、ソフトウェア又はファームウェアに実装されているが、これらの機能は、ハードウェア、若しくはソフトウェア、ファームウェア又はハードウェアの組み合わせに実装されてもよい。
【0042】
コンピュータプログラム論理508は、入力を受信し、情報を翻訳者に伝える翻訳応答ユーザーインターフェース520を含んでもよい。同報通信受信モジュール550は、サーバーから要求同報通信を受信する役割を担ってもよい。翻訳ユーザーインターフェース560は、翻訳者が、翻訳すべきテキスト又は音声にアクセス可能とし、翻訳者からの翻訳を受け取ってもよい。
【0043】
様々な実施形態がここに開示されたが、これらは例示されたに過ぎず、限定するものではない。ここに開示された方法及びシステムの範囲内で、形態及び細部についての様々な変更が可能であることは、当業者にとって明らかである。したがって、特許請求の範囲は、ここに開示された実施例によって限定されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバーで、翻訳依頼を受信する段階と、
前記翻訳依頼に基づいて、前記サーバーから依頼同報通信を送信する段階と、
前記サーバーにおいて、前記依頼同報通信に応答して一つ又は複数の翻訳を受信する段階と、
前記サーバーから、前記翻訳を前記翻訳依頼の発信者の通信装置に転送する段階と
を備える方法。
【請求項2】
前記翻訳依頼は、前記発信者によって記入されたフォームを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記翻訳依頼を、一つ又は複数のショート・メッセージ・サービス(SMS)メッセージとして受信する請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記依頼同報通信を送信する段階の前に、前記サーバーで受信した前記翻訳依頼を認証する段階をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記依頼同報通信を送信する段階の前に、前記サーバーにおいて、前記翻訳依頼を構文解析する段階をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記翻訳依頼を、前記発信者の前記通信装置から受信する請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記転送する段階の前に、前記一つ又は複数の翻訳を構文解析する段階をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記転送する段階の後に、前記一つの又は複数の翻訳の中から前記発信者によって選択された翻訳のIDを、前記サーバーにおいて受信する段階をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項9】
特定された前記翻訳の翻訳者に、後の取引において前記翻訳者が利用可能なクレジットを付与する段階をさらに備える請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記一つ又は複数の翻訳のそれぞれが、前記翻訳を表す音声データを含む請求項1に記載の方法。
【請求項11】
プロセッサと、
前記プロセッサと通信可能であり、複数の処理命令を記憶するメモリとを備えるシステムであって、
前記複数の処理命令は、前記プロセッサに、
翻訳依頼を受信させ、
前記翻訳依頼に基づいて依頼同報通信を送信させ、
前記依頼同報通信に応答して、一つ又は複数の翻訳を受信させ、
前記翻訳を、前記翻訳依頼の発信者に転送させるシステム。
【請求項12】
前記翻訳依頼は、一つ又は複数のショート・メッセージ・サービス(SMS)メッセージとして受信される請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記メモリは、前記プロセッサに、前記依頼同報通信を送信させる前に、前記受信した翻訳依頼を認証させる更なる命令を記憶する請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記メモリは、前記プロセッサに、前記依頼同報通信を送信させる前に、前記翻訳依頼の構文解析を行わせる更なる命令を記憶する請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記メモリは、前記プロセッサに、前記翻訳を転送させる前に、前記一つ又は複数の翻訳の構文解析を行わせる更なる命令を記憶する請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記メモリは、前記プロセッサに、前記一つ又は複数の翻訳から前記発信者によって選択された翻訳に関連付けられた翻訳者に対して、後の取引において前記翻訳者が利用可能なクレジットを付与させる更なる命令を記憶する請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記メモリは、以前に翻訳され前記発信者によってアクセス可能な言葉を記憶する請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
プロセッサと、
前記プロセッサと通信可能であり、複数の処理命令を記憶するメモリとを備えるシステムであって、
前記複数の処理命令は、前記プロセッサに、
翻訳依頼をサーバーに送信させ、
一つ又は複数の翻訳を前記サーバーから受信させ、
前記翻訳依頼の発信者の通信装置に、前記翻訳を提示させ、
前記一つ又は複数の翻訳から前記発信者によって選択された最良の翻訳を示す情報を、前記発信者から受信させるシステム。
【請求項19】
前記翻訳依頼は、一つ又は複数のショート・メッセージ・サービス(SMS)メッセージである請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記一つ又は複数の翻訳は、前記サーバーから、一つ又は複数のマルチメディア・メッセージング・サービス(MMS)メッセージとして受信される請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記メモリは、前記プロセッサに、
前記一つ又は複数の翻訳から前記発信者によって選択された前記最良の翻訳のIDを前記サーバーに伝達させる更なる命令を記憶する請求項18に記載のシステム。
【請求項22】
前記一つ又は複数の翻訳はそれぞれ、前記翻訳を表す音声データを含む請求項18に記載のシステム。
【請求項23】
前記メモリは、前記プロセッサに、
前記一つ又は複数の翻訳を受信させる前に、前記システムに対応するデジタル署名を前記サーバーに送信させる更なる命令を記憶する請求項18に記載のシステム。
【請求項24】
前記発信者は、前記翻訳を生成する翻訳者と、ソーシャル・ネットワーキング・サービスを通じて接続される請求項18に記載のシステム。
【請求項25】
コンピュータプログラム論理が記憶されたコンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム物品であって、
前記コンピュータプログラム論理は、
プロセッサに、翻訳依頼をサーバーに送信させる論理と、
前記プロセッサに、前記サーバーから一つ又は複数の翻訳を受信させる論理と、
前記プロセッサに、前記翻訳依頼の発信者の通信装置に前記翻訳を提示させる論理と、
前記プロセッサに、前記一つ又は複数の翻訳から前記発信者によって選択された最良の翻訳を示す情報を、前記発信者から受信させる論理と
を含むコンピュータプログラム物品。
【請求項26】
前記翻訳依頼は、一つ又は複数のショート・メッセージ・サービス(SMS)メッセージとして受信される請求項25に記載のコンピュータプログラム物品。
【請求項27】
前記一つ又は複数の翻訳は、前記サーバーから、一つ又は複数のマルチメディア・メッセージング・システム(MMS)メッセージとして受信される請求項25に記載のコンピュータプログラム物品。
【請求項28】
前記コンピュータプログラム論理は、
前記一つ又は複数の翻訳から前記発信者によって選択された前記最良の翻訳のIDを、前記サーバーに伝える論理をさらに含む請求項25に記載のコンピュータプログラム物品。
【請求項29】
前記一つ又は複数の翻訳はそれぞれ、前記翻訳を表す音声データを含む請求項25に記載のコンピュータプログラム物品。
【請求項30】
前記コンピュータプログラム論理は、
前記一つ又は複数の翻訳を受信する前に、システムに対応するデジタル署名を前記サーバーに送信する論理をさらに含む請求項25に記載のコンピュータプログラム物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−123871(P2011−123871A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−209896(P2010−209896)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(591003943)インテル・コーポレーション (1,101)
【Fターム(参考)】