説明

ゾル−ゲル相可逆的ヒドロゲルテンプレート及びその用途

ゾル−ゲル相可逆的ヒドロゲルテンプレートを使用して、予め定められた大きさ及び形状の分離されたマイクロ構造物を製造する。ヒドロゲル形成物質の水溶液をピラーなどの予め定められたマイクロ構造を有するマイクロ加工されたシリコンウエハーマスターテンプレート上に覆う。ヒドロゲルテンプレートは、一般に温度を低くして製造し、シリコンマスターテンプレートから製造されたヒドロゲルテンプレートを剥がす。ヒドロゲルテンプレート上にある予め定められた大きさ及び形状のウェルは非水溶性重合体の溶液またはペーストで充填し、固形構造物を形成するために溶媒を除去する。製造されたマイクロ構造物は、水で容易にヒドロゲルテンプレートを溶解させて、ヒドロゲルテンプレートから放出させる。マイクロ構造物は遠心分離して得る。この方法で製造されたマイクロ構造物は、ヒドロゲルテンプレートのマイクロウェルに正確に相応する予め定められた大きさ及び形状を有する。ヒドロゲルテンプレートに基づいたマイクロ構造物の製造方法は、簡単で、大量のマイクロ構造物を容易に生産することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2007年9月27日付で出願された米国仮出願番号60/995,693及び2008年2月19日付で出願された米国仮出願番号61/066,376の優先権利を主張し、その内容は全てここに参考文献として挿入される。
本発明は、ヒドロゲルテンプレート、及び薬剤学的活性成分及び診断剤を含むナノ/マイクロ構造物を加工するためのヒドロゲルテンプレートの用途に関するものである。
【背景技術】
【0002】
数日乃至数カ月に至る長期間の薬物伝達のために、ナノまたはマイクロ規模粒子の非経口投与が幅広く使用されてきた。ナノ/マイクロ粒子は、従来のニードルによる投与が容易である。それらは、また、多様な薬物の経口投与のために使用されてきた。ナノ/マイクロ粒子システムの広範囲な適用にもかかわらず、臨床的に有用な製品の開発が遅れたため、制限された数の臨床的製品のみが利用可能である。ここで使用された「ナノ」とは、ナノ粒子及び規模が1ナノメートル(nm)乃至1マイクロメートル(μm)に至る工程を称する。ここで使用された「マイクロ」とは、1μm乃至1000μmの範囲の粒子及び工程を称する。ナノ及びマイクロの大きさを区別する必要がない場合、「マイクロ」は、ナノ及びマイクロの大きさの全ての範囲に相当する対象を称するために一般的に使用される。
【0003】
臨床的に成功的な剤形の開発の遅れは、いくつかの理由に起因する。例えば、マイクロ粒子内の薬物積載効率は一般に非常に低い(大部分の薬物、特に蛋白質薬物に対して一般に10%未満である)。高い積載効率、例えば10〜20%の効率の薬物でさえ、その薬物の大部分が製造中に損失される。これは、低価な薬物では許容されるかも知れないが、大部分の蛋白質薬物は非常に高価であるため、このような損失はいかなる剤形でも許容されない。このような損失の理由の一つは、マイクロ粒子がマイクロ粒子の製造のための最も一般的な方法であるエマルジョン方法によって製造される間に、固形化される前に、マイクロ粒子内の水溶性薬物が多量の水に放出されるためである。さらに、現在のエマルジョン方法は、大量生産のためのスケールアップが難しく、異質的な粒子の大きさの分布をもたらす。ナノ技術、特にナノ/マイクロ加工(一括してマイクロ加工)及び製造工程における最近の進展は、薬剤学的剤形の製造の新たな方法を提供した。
【0004】
高解像度マイクロ加工技術の発達は、マイクロエレクトロニクス及びマイクロデバイス産業に大変革を起こした。フォトリソグラフィー及び電子ビーム(E−beam)リソグラフィーなどのマイクロ加工方法を利用して、マイクロ及びナノ構造物を含むシリコン及びガラステンプレートが開発されてきた。去る数年間、いくつかのマイクロ加工方法は、電子ビーム及びフォトリソグラフィーに対して構造物本来の状態の損傷なく高解像度を達成することができる代案として開発されてきた。さらに、このような方法は、シリコン基盤マイクロ加工技術より大きな素材内の多機能性及び処理接近性を有する。このような新たな印刷方法は、ナノインプリントリソグラフィー[H.Schift]、ステップアンドフラッシュインプリントリソグラフィー[V.Truskett, et al.]、モレキュラートランスファーリソグラフィー[C. Schaper]、及びソフトリソグラフィー[Y.Xia, et al.]を含む。このような方法は、多様な基板にパターンを形成するために、マイクロ加工されたシリコンまたはガラステンプレート、または特別な特性を有する重合体テンプレートを使用する。
【0005】
ナノインプリントリソグラフィー(NIL)は、高解像度パターン化方法であって、機械的接触及び3次元的素材変位によってスタンプの表面パターンが素材内に複製される。NILの重要な長所は、高速及び低費用で大面積の上部に25nm以下の構造物をパターン化する能力である。ステップアンドフラッシュインプリントリソグラフィー(S−FIL)は、重合体コートされたウエハーの熱支援式成形技術というよりは、光硬化性液を成形するUV支援式ナノインプリント(UV−assisted nanoimprint)技術という点で、NILと区別される。
【0006】
モレキュラートランスファリソグラフィー(MxL)は、水溶性テンプレートであって、表面パターンの複製に使用される。テンプレートは、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)溶液をシリコンマスターパターンにスピンキャスティングして製造される。その結果として製造された水溶性テンプレートは、乾燥された後、光硬化、熱硬化、または二つの部分の反応性構造(two−part reactive schemes)によって固形化される中間接着層を利用して他の基板に結合される。そのテンプレートは、形成されたパターンを接着層内に排出しつつ水に溶解されて、化学的に除去される。例えば、シャーパー(Schaper)の下記の特許文献1を参照することができる。
【0007】
ソフトリソグラフィーは、マイクロ構造物を生成するための顕著な特性を有する弾性重合体スタンプを使用する非フォトリソグラフィーマイクロ加工技術グループを包括する名称である。ソフトリソグラフィー技術のうちのマイクロコンタクトプリンティング[Yan et al.]、マイクロトランスファモールディング[Zhao et al.]、及びマイクロフルーイドコンタクトプリンティング[Wang et al.]は、分離された重合体構造物を製造してきた。ソフトリソグラフィー方法は、インプリンティングのために疎水性重合体(例えばポリ(ジメチルシロキサン)またはPDMS)テンプレートを使用する。このような方法は、有機重合体、生物重合体、及び無機物を使用した軟質材テンプレートの製造を可能にする。
【0008】
現在可能であるナノ及びマイクロ微粒子からなる薬物伝達体系は、主にエマルジョン方法によって製造される。エマルジョン方法は、高度に多重分散された粒子の集団を形成し、これらの理化学的特性、分解速度、物質特性、及び薬物放出分析表は単に粒子の平均値のみを示す。粒子は非常に異質的なものであって、粒子の大きさの分布が広いため、生物学的反応に及ぼす大きさの影響は測定が難しい。さらに、平均の大きさより遥かに大きい粒子の存在は、臨床的に有用な薬物伝達体系の開発を難しくする。
【0009】
マイクロ加工技術は、単分散粒子の製造を可能にする。いくつかのソフトリソグラフィー基盤戦略は、均質な粒子を製造するために、リフトオフ接近方法と結合して発達してきた。このような戦略は、このような工程が多量で容易な収集のための実質的改善を必要とするにもかかわらず、薬物を含む重合体から製造されたマイクロ構造物の加工を可能にする。
【0010】
マイクロコンタクトホットプリンティング(μCHP)は、熱可塑性重合体を使用して輪郭が明確な薄膜マイクロ粒子を製造するために開発されてきた[Guan, et al.]。この方法は、重合体構造物をスタンプ上の連続的な膜から基板に選択的に移動させる。この方法によって、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)(PLGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、及びポリスチレンなどの熱可塑性重合体のマイクロ粒子が製造されてきた[See, e.g., U.S.Pat. Pub. 2004/0115279]。しかし、この方法は、いくつかの制限があるため困難である。第一に、マイクロ粒子の厚さの調節はPDMSスタンプから放出スライドへの重合体溶液の完全な移動によるので非常に難しい。これは、不均一な厚さのマイクロ粒子の形成をもたらす。たとえマイクロ粒子の水平的大きさが調節されるとしても、マイクロ粒子の垂直的大きさ(例えば厚さ)は正確に調節することができない。第二に、この方法は、重合体溶液を使用してテンプレートのマイクロウェルを充填するので、希釈された重合体溶液(1−7%)によってのみ有用である。重合体溶液は高濃度で高度に粘性があり、テンプレートの表面上に連続的重合体膜を形成しようとする傾向があるため、ウェルを充填するのが難しい。第三に、大部分の重合体は有機溶媒でのみ溶解されるため、溶媒がPDMS基質内に拡散してスタンプを損傷させ、ウェルからマイクロ粒子の円滑な放出を妨害する恐れがある。
【0011】
ステップアンドフラッシュインプリントリソグラフィー(S−FIL)は、精密な大きさのナノ粒子の加工のために使用されてきた。S−FILは、通常使用することができるナノ成形工程によってUV架橋結合が可能な巨大単量体をシリコンウエハー上のパターンの内部に成形するために、石英テンプレートのトポグラフィーを活用する[下記の特許文献2を参照]。この方法は、ナノ粒子を生成するにもかかわらず、深刻な制限がある。第一に、この方法は、石英テンプレート内に局限的な巨大単量体の光重合を含む。これは、臨床的適用のための粒子生成物の純度に対する憂慮をもたらすようになる。第二に、いくつかの光開始剤分子はナノ粒子内で活性化されたままで残るようになるが、これは人体内に存在する他の生体分子と反応することがあるため、潜在的に深刻な副作用に繋がる恐れがある。第三に、分離される間にインプリントされた粒子の酸素プラズマに対する露出は、ナノ粒子上に反応性イオンの形成をもたらし、薬物分子を減少させる恐れもある。
【0012】
非湿潤テンプレート内の粒子の複製(Particle replication in nonwetting templates(PRINT))は、フッ素重合体基盤テンプレートを使用したマイクロ粒子の製造のために開発されてきた。200nm以下からミクロン規模の構造物に至るポリ(エチレングリコールジアクリレート)、トリアクリレート樹脂、ポリ(乳酸)(PLA)、及びポリピロールの単分散重合体粒子がこの方法によって加工されてきた。PRINTは化学的耐性のあるフッ素重合体を成形素材として使用し、これは成形された対象の間で残余連結膜の形成を除去する[例えば、下記の特許文献3(2007/0264481)を参照]。PRINT鋳型は、重合体及び蛋白質マイクロ粒子の加工に使用されてきた[Rolland, et al., Kelly et al.]。
【0013】
PRINT方法は、多様に適用するためのマイクロ粒子の加工のために、フッ素重合体に基づいた非湿潤テンプレートの使用を明示した。しかし、PRINT方法の実質的適用は、PEPEテンプレートの製造が多段階であり、粒子の獲得方法が難しいことによって制限される。例えば、PRINT粒子は、外科用刃物で物理的に削ったり、またはガラススライドを使用した剪断力によってウエハーから獲得されるが、どちらも全て有用でなく、粒子を損傷させることもあるので、それらは大規模製造には適していない。また、限定されて重合されるシアノアクリレート獲得膜を使用して獲得されるPRINT粒子は、表面の汚染をもたらすPRINT粒子の上部に反応性単量体の吸着をもたらす恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許第7,125,639号
【特許文献2】米国特許公開番号2007/0031505
【特許文献3】米国特許公開番号2007/0264481
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
前述の方法、つまり μCHP、S−FIL、及びPRINTは、均一な大きさ及び形状のマイクロ及びナノ粒子を製造することができるが、臨床的に有用な薬物伝達粒子の開発への実質的な適用のためには、いくつかの制限がある。第一に、S−FIL及びPRINTで見たように、一般にテンプレートウェルの内部に巨大単量体の局限的な重合が要求される。これは、人間に適用するための粒子の純度に憂慮をもたらす。第二に、μCHPで見たように、マイクロ粒子の厚さを調節することができない。第三に、単に特定の素材のみに符合する。第四に、多段階及び困難なマイクロ粒子の獲得過程が要求される。加工されたマイクロ粒子を溶液内に放出するために使用される非常に活動的な溶液及び上昇した温度を含む厳しい条件は、マイクロ粒子内に含まれている壊れ易い化合物に損傷を与える恐れがある。したがって、マイクロ構造物の製造のために現在利用可能な加工方法を使用するのには相当な制限がある。要するに、薬物伝達に適用するための多様な大きさ及び形状が均一なマイクロ構造物の加工に使用するための新規のテンプレートの製造方法及び素材の開発に対する重大な要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の原理により、マイクロ粒子は、複数のウェル/空洞を含むゾル−ゲル相可逆的ヒドロゲルテンプレートを使用して製造される。本発明のヒドロゲルテンプレートは、マスターテンプレートから最終的に製造され、前記マスターテンプレートは、好ましくは従来のフォトリソグラフィー技術を使用するシリコンウエハーから製造される。このようなエッチング技術は、例えば円形、長方形、ダイヤモンド形などの広範囲な多様な形状のマスターテンプレートピラー(pillers)を設計するために使用され、その結果、ヒドロゲルテンプレートがシリコンマスターテンプレート内のピラーと同一な形状のウェルを含むようにする。本発明のヒドロゲルテンプレートは、(i)シリコンマスターテンプレートから直接的に製造されたり、または(ii)中間重合体テンプレートを媒介として間接的に製造される。ヒドロゲルテンプレートは、陽画の所望の複数のウェルを含むものと見なすので、オプション(i)では、陰画のマスターテンプレートを形成することを伴う。オプション(ii)では、マスターテンプレートがヒドロゲルテンプレートと実質的に同一な陽画を有する。陰画を有する中間重合体テンプレートは、ポリ(ジメチルシロキサン)またはPDMSなどの従来の鋳型重合体から容易に形成される。
【0017】
マスターテンプレートまたは選択的な重合体テンプレートを使用して、その上にゾル層がコーティングされる。その後、ゾルはゲルに転換されてヒドロゲルテンプレートを形成し、ヒドロゲルテンプレートはマスターまたは重合体テンプレートから分離される。本発明は、大きさが約100nm乃至約1,000μm、好ましくは200nm乃至200μm、より好ましくは500nm乃至100μmの空洞を含むゾル−ゲル相可逆的ヒドロゲルテンプレートを提供する。
【0018】
本発明の他の様態において、ナノ粒子またはマイクロ粒子は、非水溶性重合体が溶解された、好ましくは生理活性剤を含む非水溶液でヒドロゲルテンプレート内の複数のウェルを充填することを含む方法によって製造される。非水溶液から溶媒を蒸発させることによって非水溶性重合体はウェルで固形化される。ナノ粒子またはマイクロ粒子は、その後、例えば水溶液にヒドロゲルを溶解させることによってヒドロゲルテンプレートから得られる。また他の実施様態において、マイクロ粒子を含むヒドロゲルテンプレートは、例えばガラス瓶内で適切な大きさに切断されて凍結乾燥(lyophilized)される。後者の実施様態は、水溶液を添加することによって再構成することを許容する。
【0019】
従来のマイクロ加工工程は、所望の大きさの範囲にマイクロ粒子を製造するためにヒドロゲルテンプレートを使用しなかった。本発明は、ナノ及びマイクロの大きさの粒子を製造するのをはるかに容易にし、単純な工程段階によってスケールアップを容易にする。さらに、本発明は、従来の方法では可能でなかった50%までという極めて高い薬物積載効率を提供する。粒子内に積載される好ましい生理活性剤は、例えば粉末形態で免疫グロブリン、成長因子、インシュリン、インターフェロン、及びエリスロポエチン(erythropoietin)を含む蛋白質薬物などの高分子量薬物だけでなく、パクリタキセル(paclitaxel)、シロリムス(sirolimus)、プロブコール(probucol)、グリセオフルビン(griseofulvin)などの低分子量薬物も含む。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の原理によるマイクロ粒子加工工程の図式的な描写を示した図面である。その順序は、シリコンウエハーマスターテンプレートの加工(A)、ヒドロゲルテンプレートの形成(B及びC)、ヒドロゲルテンプレート内の空洞の充填によるマイクロ構造物の形成(D)、水溶液内のヒドロゲルテンプレートの溶解(E)、及び各々のマイクロ構造物の収集(F)を示す。
【図2】中間重合体テンプレート及びヒドロゲルテンプレートを使用したマイクロ粒子加工工程の図式的な描写を示した図面である。その順序は、シリコンウエハーマスターテンプレートの加工(A)、例えばPDMSテンプレートなどの中間重合体テンプレートの形成(B)、中間重合体テンプレートを使用したヒドロゲルテンプレートの形成(C)、及びヒドロゲルテンプレート内の空洞の充填によるマイクロ構造物の形成(D)を示す。形成されたマイクロ構造物は、図1のE及びF段階で示されたように収集される。
【図3】水性中心部が例えばPLGAなどの非水溶性重合体で覆われたマイクロ粒子を製造するための加工工程の図式的な描写を示した図面である。その順序は、シリコンウエハーマスターテンプレートまたは中間重合体テンプレートを使用したヒドロゲルテンプレートの形成(A)、スピンコーティングまたはスプレーコーティングによる最初のPLGA層の形成(B)、水性液滴でウェルを充填(C)、及び水性中心部を密封するために2番目のPLGA層で空洞を覆うことを示す。形成されたマイクロ構造物は、図1に示されたように、ヒドロゲルテンプレートを溶解することによって収集される。
【図4】多様な構造のマイクロウェルを含むゼラチンヒドロゲルテンプレートの蛍光イメージを示した図面である。ウェルは、容易な視覚化のために、蛍光色素であるナイルレッド(nile red)が投与されたPLGA溶液で充填される。全てのウェルは、直径が50μmであり、深さが50μmである。
【図5】本発明の原理によって形成された二重層PLGAマイクロディスクの蛍光(左側)及び明視野(右側)イメージを示した図面である。マイクロディスクは、ナイルレッド色素(赤、上部)及びフェロジピン(felodipine)薬物(青、下部)の2種類の区別された層を含む。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、以下で図面及び実施例を参照して詳細に説明される。
【0022】
シリコンウエハーマスターテンプレートの製造
シリコンウエハーマスターテンプレートは、確立されている後述の技術によって加工される。清潔で酸化された(5000Å)ケイ素(Si)ウエハー上にフォトレジスト(ポジティブ、AZ−1518)をスピンコーターで塗布する。ポジティブフォトレジスト工程後に、Siウエハーは、二酸化ケイ素をエッチングするために緩衝されたフッ化水素酸溶液に挿入される。フォトレジストを除去した後、ウエハーは、シリコンをエッチングするためにテトラメチルアンモニウムヒドロキシドに浸漬される。エッチングされたSiウエハーマスターテンプレートは、その後の工程で使用される。Siウエハー上にエッチングされた孔の規模は、異なる直径及び深さの孔を得るために変更される。孔の規模だけでなく、形状も多様にすることができる。円形、三角形、四角形、及び星形などの多様な形状は、形状に基づく差が重要な部分に適用する際に非常に有用である。
【0023】
10μm及び50μmのパターンのためのUVフォトリソグラフィー
多様な大きさ及び形状(例えば円形、棒形、ダイヤモンド形、及び三角形)のフォトリソグラフィーマスクは、オートキャド2007プログラムで設計し、TRエレクトロマスクXX251機械で製造される。1μmの厚さのSiO層(University Wafer)で覆われた4″のシリコンウエハーがヘキサメチルジシラジン(Mallinckrodt)で3,500rpmの速度で30秒間スピンコーティングされる(Specialty coating systemsのP6708 spin coater)。その後、シリコンウエハーは、均一な10μmの厚さのフォトレジスト膜を形成するためにフォトレジストAZ9260(Microchemicals GmbH)で1000rpmの速度で30秒間スピンコーティングされる。その後、ウエハーは、溶媒及び水分を除去するために90℃で10分間軽く焼成される。フォトレジストが塗布されたシリコンウエハーは、マスクアライナ(Karl Suss MJB−3)を使用してUV光(23mW/cm)に26秒間露出され、続いてAZ400K現像液(Microchemicals GmbH)で2分間連続的に攪拌されて現像される。現像されたシリコンウエハーは水で洗浄され、窒素ガスによって乾燥される。
【0024】
50nm、100nm、300nm、500nm、及び1μmのパターンのための電子ビームリソグラフィー
UVフォトリソグラフィーは1μmの大きさの解像度の制限があるため、1μm未満の構造物のナノ加工には有用でない。反面、電子ビームリソグラフィーは解像度の範囲が1μmから10nmの間である。電子ビームリソグラフィーは、非常に高い解像度で非常に精密な特性を記録することができる非常に高度に集束された電子ビームを算出するために、高電力電子ビームを使用する。電子ビームリソグラフィーを使用したシリコンマスターテンプレートの加工のために、後述の工程が使用される。1μmの厚さのSiO層(University Wafer)で覆われた3″のシリコンウエハーが3,500rpmの速度で30秒間スピンコーターを使用して厚さが300nmの層のポリ(メチルメタクリレート(PMMA、Microchem)フォトレジストにスピンコーティングされる。コーティングされたPMMAフォトレジスト層は、ライカVB6超高解像度(Leica VB−6 Ultra−High Resolution)、超広角フィールド電子ビームリソグラフィーツール(Extra−Wide Field Electron Beam Lithography Tool)(100KV、伝送率25MHz、電流5nAで作動)を使用して、予めプログラムされたパターンで電子ビームに露出される。電子ビームリソグラフィー後に、シリコンウエハーは、3:1の混合比でイソプロパノール:メチルイソブチルケトンが混合された溶液内で現像される。5nmのCr(クロム)及び20nmのAu(金)がバリアン(Varian)電子ビーム蒸発器を使用して前記パターン上に塗布され、続いて還流アセトンによって残っているPMMA膜を除去する。前記パターンは、反応性イオンエッチング方法(STS Reactive Ion Etch(RIE) Systems)によって下部のシリコンオキシドに移動する。シリコンマスターテンプレートは、パターンの大きさ、形状、及び無欠性をテストするために、電界放出走査電子顕微鏡(FESEM、Hitachi S−4800)で検査する。
【0025】
ヒドロゲルテンプレートから予め定められた構造(Geometries)のマイクロ粒子の製造
本発明の重要な様態は、マイクロ構造物を製造するためのゾル−ゲル相可逆的ヒドロゲルテンプレートを活用することである。製造されたマイクロ構造物の容易な獲得のためのヒドロゲルテンプレートの製造の概括的な工程が図1に模式的に例示される。A〜F段階は、ヒドロゲルテンプレートを使用してマスターテンプレートからマイクロ粒子をマイクロ加工する工程を示す:(A)シリコンウエハーマスターテンプレート上にパターンが形成される;(B)ヒドロゲルインプリントを形成するために、ゼラチン溶液をマスターテンプレートの上部に位置させ、温度を低くする。(ゾルからゲルへ相転移が起こる);(C)ゼラチン層が固形化された後で空洞を露出させ、ゼラチン鋳型が剥がされる;(D)ヒドロゲル鋳型内の空洞がブレード(blade)で薬物/PLGA溶液またはペーストを塗抹して充填される;(E)恒温水槽内で温度を上昇させることによってゼラチン鋳型が溶解する(ゲルからゾルへ相転移が起こる);そして(F)遠心分離によって各々の粒子が収集される。
【0026】
図1に記載された方法の変形として、ヒドロゲルテンプレートの製造前に、PDMS中間テンプレートなどの中間重合体テンプレートが製造されてもよい。図2に示されているように、中間重合体テンプレートは、ポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS)(Sylgard(登録商標)184 silicone elastomer)などの重合体を使用して製造される。10:1(w/w)の比率でエラストマー単量体及び硬化剤の混合物が完全に混合される。混合物は、例えばガラスペトリ皿などの容器内でシリコンウエハーマスターテンプレートの上部に注がれる。その後、気泡を除去するために容器を真空室内に10分間放置した後、30分間硬化するために70℃のチャンバーに移す。PDMS中間テンプレートはSiマスターテンプレートから剥がされて(図2B)、ヒドロゲルテンプレートを製造するために使用される(図2C)。
【0027】
ヒドロゲルテンプレートは、ヒドロゲル形成物質の溶液をマスターテンプレート表面または中間重合体テンプレート表面に適用することによって形成される。ヒドロゲルテンプレートは、表面で起こるゾル−ゲル相転移を経て形成される。ゾル−ゲル転換は、例えば温度を変化させること、多原子がイオンを導入すること、または乾燥することによって誘導される。一度ヒドロゲルテンプレートが形成されると、ヒドロゲルテンプレートはマスターテンプレートまたは中間テンプレートから容易に剥がされる。このような方法で形成されたヒドロゲルテンプレートの例としては、ゼラチン、アガロース、キトサン、及びアルジネートなどの天然重合体を含むことができる。
【0028】
図1に示されているように、本発明によるマイクロ粒子の製造方法の一つは、ウェルが薬物/重合体混合物で充填されるように、非水性溶媒に溶解されている生理活性剤及び重合体の混合物をヒドロゲルテンプレートの複数のウェルに塗ることを含む。薬物/重合体の混合物は、例えば溶媒蒸発などによって硬化される溶液またはペースト形態で塗布される。ペースト形態は高濃度の生理活性剤及び重合体の混合を許容し、ペーストはヒドロゲルテンプレートのウェルの内部に圧着されて充填される。充填されたヒドロゲルテンプレートは、その後、各々の薬物/重合体マイクロ構造物を放出するようにゲルからゾルへ相転移を誘導するために水溶液内に位置され、その後で濾過及び/または遠心分離によって収集される。これによって加工されたマイクロ構造物は、ヒドロゲルテンプレートのマイクロウェルに正確に符合する明確な構造を示す。一般に、マイクロ構造物は、直径が約100nm乃至約1000μm、好ましくは約200nm乃至約200μm、より好ましくは約500nm乃至約100μm、そして最も好ましくは約1μm乃至約50μmの範囲である。
【0029】
図3に示されているように、本発明によるナノ及び/またはマイクロ粒子のまた他の製造方法は、ウェルが重合体でコーティングされるように、有機溶媒に溶解されている重合体をヒドロゲルテンプレートの複数のウェルの内側表面にコーティングすることを含む。溶液内に溶解されている生理活性剤を含む一つ以上の水性液滴がコーティングされたウェルの内部に例えば超音波噴霧器を使用して提供される。例えば、本出願の参照文献として併合されたUS6,767,637を参照すれば、重合体によって水性液滴がカプセル化されるように、有機溶媒に溶解された重合体で前記ウェルを充填する。これについては、本出願の参照文献として併合されたUS6,599,627を参照する。最後に、重合体にカプセル化された水性液滴は、例えばテンプレートを水に溶解する方法によってヒドロゲルテンプレートから除去されて、粒子が得られる。
【0030】
図1乃至3に示されているように、前記形成されたマイクロ構造物は、ヒドロゲルテンプレートを水溶液内に溶解することによって容易に収集され、この工程はいかなる従来の方法よりもマイクロ構造物の大量生産をより簡便で容易にする。この方法によって生成されたマイクロ構造物は、仮に汚染物質が存在するとしても、ゼラチンなどの生適合性ヒドロゲル形成重合体を使用するので、無視できる程度の量の汚染物質を含み、真空蒸着によって除去される少量の有機溶媒内の薬物/PLGAを含む。本明細書に記載されたマイクロ構造物の製造は、開放された鋳型の充填を含む。開放された鋳型とは、ヒドロゲルテンプレート内のウェルが薬物/重合体溶液の充填のために開放されたもの、及び使用された有機溶媒の蒸発のために開放されたものを意味する。例えば、S−FIL方法などの現在使用可能な方法において、ガラステンプレートは、閉鎖された鋳型を形成して単量体溶液内に圧縮され、その後に光重合される。この閉鎖された鋳型は、その後にいくつかの段階が要求され、したがってマイクロ構造物の生成効率を減少させると共に、膜の形成をもたらす。開放された鋳型成形は、マイクロ構造物の成形中に要求される事件の順序及び段階の数を減少させることができ、前駆体物質からの溶媒の蒸発率を向上させることができるので、マイクロ構造物の生成率及び効率を増加させる。
【0031】
調整可能な融点を有するヒドロゲルテンプレートの加工
蛋白質薬物、酵素、DNA、及びsiRNAなどの親水性巨大分子薬物を含むマイクロ構造物の大量生産は、前記生体分子が例えば高温または有機溶媒に長期間露出されるなどの製造条件に高度に敏感であるため、非常に難しい。本ヒドロゲルテンプレート戦略は、精密で完璧にこのような争点に対応し、敏感な生体分子のマイクロ粒子の大量生産のために、それらを変性させずにそのまま使用することができる。ヒドロゲル形成ゼラチン溶液に何らかの無機塩、合成重合体、または生体分子を微量添加することによって、特定のマイクロ粒子の生産要求に適合するようにゼラチンテンプレートの融点を調節することができる。さらに、粒子収得段階は、水または水性緩衝溶液で行われるので、マイクロ粒子内の敏感な生体分子の変性を最小化または防止して、生物学的活性を保有することができる。ヒドロゲル形成溶液に他の物質を微量添加することによって、ゼラチンヒドロゲルテンプレートの融点を低くすることができる。したがって、無機塩(LiCl、NaCl、KCl、CaCl、及びMgClなど)、合成重合体(PVA、PEG、ポリエチレンイミン、及びポリ(アクリル酸)など)、並びに生体分子(ウシ血清アルブミン及びヒスチジンなど)は、下記の例に示されたようにゼラチンテンプレートの融点を低くすることができる。
【0032】
結果及び討論
薬物伝達適用に対するマイクロ加工技術の成功的な転換は、温和な工程条件のみを利用し、生体に適した物質を使用して、スケールアップ生産のために十分に簡単な新たな方法の開発を必要とする。前記方法は、また、薬物積載効率が高くなければならず、薬物放出特性を調節する能力がなければならない。生理活性剤は、約1乃至80wt%、好ましくは約5乃至50wt%の範囲内でマイクロ粒子内に積載される。本発明は、予め定められた大きさ及び形状の重合体マイクロ構造物の加工のために、予想外に簡単で安価で効果的なヒドロゲルテンプレート戦略を提供する。ヒドロゲル形成物質は、均一な大きさ及び形状の各々のマイクロ構造物の加工のためのインプリントされたテンプレートの製造に初めて使用された。
【0033】
ゾル−ゲル相可逆的ヒドロゲルを形成することができるいかなる物質でも、本発明のヒドロゲルテンプレートを製造するのに使用することができる。ゲルの好ましい例としては、ゼラチン、アガロース、及びペクチンを含む。ある重合体は、より高い温度でヒドロゲルを形成し、より低い温度で溶解する。これらは逆熱可逆的ヒドロゲルと呼ばれ、例としては、メチルセルロース及びポリ(エチレンオキシド)/ポリ(プロピレンオキシド)/ポリ(エチレンオキシド)の3ブロック共重合体を含む。カルシウムイオンの存在下でアルギン酸ナトリウムのヒドロゲルの形成と同様に、有機塩の存在下で可逆的ヒドロゲルを形成することができる他の重合体も、ヒドロゲルテンプレートの製造に使用することができる。ゼラチンがヒドロゲルテンプレート方法を使用するマイクロ構造物の加工に理想的な特性を有しているので、好ましくはゼラチンが使用される。ゼラチンは、水溶液の可逆的なゲルからゾルへの転移、冷たい水では溶解しないが暖かい水では完全に溶解する、そして保護用コロイドのように作用する能力などの属性の組み合わせを有している。保護用コロイドのように作用する能力はゼラチンの非常に有用な特性であり、ゼラチンが立体反発力による水溶液内の統合からそれらを保護するためにマイクロ構造物の表面に吸着することができるので、ヒドロゲルテンプレート方法を使用するマイクロ構造物のマイクロ加工において非常に有用である。
【0034】
ヒドロゲル形成物質は、組織工学、薬物伝達、診断学で使用されてきたもので、医学的及び生物学的センサーとして使用されてきた。しかし、ヒドロゲル物質は、マイクロパターン化された犠牲部材型テンプレートを形成するためには使用されたことがなかった。一般に、ヒドロゲルは、機械的に非常に弱くて、マイクロ構造物の製造のためのテンプレートとして使用されないと考えられてきた。ヒドロゲルは、通常は水を10%またはそれより多く含んでいて、水を95%より多く含むヒドロゲルは、超吸収剤として知られている。ゼラチンヒドロゲルは40−90%の水を含む。多量の水が存在するため、ヒドロゲルは、通常は非常に弱いものと仮定されており、したがってヒドロゲルはマイクロ粒子の製造のためのテンプレートとしては使用されないと考えられてきた。しかし、驚くべきことに、ゼラチンヒドロゲルは、製造工程のために十分な機械的強度を提供する。
【0035】
ヒドロゲルテンプレート戦略の主要な長所は下記の通りである。(1)ゾル−ゲル相可逆的本性、つまりヒドロゲル形成物質の熱可逆的、またはpH可逆的、または磁極反応的特性は、より簡単なテンプレートの製造及び粒子の回収方法を可能にする。(2)ヒドロゲルテンプレートは、変形及び破損によく耐えるように、高度に弾性があって、機械的に剛健に形成され、したがってテンプレートの製造及び充填に要求されるこれらの操作を許容する。(3)ヒドロゲルテンプレートの3次元的ネットワークが薬物、蛋白質、DNA、siRNA、及び重合体前駆体のマイクロウェルからテンプレートの内部への拡散を徹底的に遅延させる。(4)ヒドロゲルテンプレート方法は、多様な重合体及びヒドロゲルを溶解させたり溶解させない条件下に限定されて重合可能な物質に適用可能である。(5)pH敏感性及び温度敏感性などのテンプレートの製造及び粒子の放出のために要求される機能的特性を有する可逆的物理的ゲルの使用は、戦略の多能性を増進させる。
【0036】
下記の代表的な例は、即刻的なヒドロゲルテンプレート方法を使用したマイクロ構造物の加工を論証する。多様な変化、変更、及び修正が本発明に公開された技術要旨の範疇から逸脱しない限り使用される。
【0037】
この新規の接近方法は、マイクロ粒子の加工のためにヒドロゲルテンプレートを使用する。ヒドロゲルテンプレートは、マイクロ粒子の製造のためのテンプレートの役割を果たすだけでなく、工程の最後で水溶液内に浮かんでいるマイクロ粒子のための安定化成分の役割も果たす。この接近方法の他の重要な工程は、生物分解性がある重合体がヒドロゲルテンプレートのマイクロ空洞内にある間に固形化させるものである。この接近方法は、各々のマイクロ粒子を放出するために、全てのヒドロゲルテンプレートが溶解される最後の段階まで水と最小限に接触する。この特有の工程が粒子内の薬物の高い積載効率を担当する。生物分解性がある重合体だけでなく、ポリ(エチレン−コ−ビニルアセテート)、ナイロン、シリコンゴム、及びポリスチレンなどの不活性重合体も適切な応用によって粒子の形成に使用される。
【0038】
マイクロ加工工程は、シリコンウエハーマスターテンプレートを使用して、シリコンテンプレート内に形成された空洞の形状及び大きさが容易に制御され、大きさの分布は非常に均質である。大きさはナノメートルからマイクロメートルまで多様であり、形状は単純なディスクから星または十字架などのより複雑な形状に至るまで多様である。マスターテンプレート、つまりヒドロゲル鋳型上で大きさ及び形状を調節する能力は、多様な活性成分を積載する能力と同様に、この新規のマイクロ加工方法を非常に有用にする。
【実施例】
【0039】
実施例1.特定の構造のウェルを含むゼラチンヒドロゲルテンプレートの加工
一般的なヒドロゲルテンプレートの加工において、ゼラチン(電気泳動タイプ1のために豚の皮膚から得たもの、300 Bloom、Sigma)30gを総量100mlの超純水(nanopure water)(150ml Pyrex瓶に入ったもの)に溶解して、ゼラチン溶液(30重量%)を製造して完全に混合した。蒸発を防止するために前記瓶を覆って、2時間または透明な溶液が形成されるまで65℃のオーブンにおいた。透明なゼラチン溶液は、ヒドロゲルテンプレートを製造するのに使用された。この温かくて透明なゼラチン溶液(10ml)をピペットで50μmの直径及び50μmの高さの円形ピラーを含むマイクロ加工されたシリコンウエハー(3″直径)上に移動させた(図1A)。ゼラチン溶液は、ウエハーを完全に覆う薄膜を形成するために均等に塗り広げた。このゼラチン膜を含むシリコンウエハーは、冷却装置内におくことによって5分間4℃で冷却した。冷却は、弾性があって機械的に剛健なゼラチンテンプレートの形成をもたらした。冷却後に、ゼラチンヒドロゲルテンプレートをシリコンウエハーから剥がした(図1B)。3″の直径のヒドロゲルテンプレートは、50μmの直径及び50μmの深さの円形ウェルを含む。ゼラチンヒドロゲルテンプレートの構造の健全性を糾明するために、ゼラチンヒドロゲルテンプレートを明視野反射顕微鏡下で測定した(図1C)。それによって、製造されたゼラチンヒドロゲルテンプレートは45℃で溶解する。
【0040】
実施例2.PLGAマイクロ粒子の加工
2gのPLGAを10mlのジクロロメタンに溶解して、20%のPLGA(MW 60,000;IV 0.8、Birmingham Polymers)溶液を製造した。50μmの直径及び50μmの深さの円形ウェルを含む3″直径のヒドロゲルテンプレート上に、20%のPLGA溶液200μlをピペットを使用して移動させた。前記PLGA溶液を45°の角度でかみそりで削って、ヒドロゲルテンプレート上に均等に塗り広げた。PLGA溶液がヒドロゲルテンプレートを変形させずに完全にウェルを充填させるように力を加えるために、軽い圧力を加えた(図1D)。かみそりで削るのは、ヒドロゲルテンプレートの表面上へのPLGA膜の形成を最小化するためである。PLGA溶液で円形のウェルが完全に充填されたもの及び分離されたマイクロ粒子を明視野及び蛍光顕微鏡(Olympus BX51 Microscope)下で観測した。
【0041】
実施例3.マイクロ粒子の収集
PLGAマイクロ粒子からジクロロメタンを除去するために、20%のPLGA溶液で充填されたヒドロゲルテンプレートを25℃で10分間露出させた。その後、45℃で25mlの超純水を含む50mlのビーカー内にゼラチンヒドロゲルテンプレートをおいて、ヒドロゲルテンプレートを完全に溶解するために2分間軽く振った(図1E)。ゼラチンヒドロゲルテンプレートを溶解するための温度は、KClなどの多様な物質を微量添加することによって低くすることができた。この段階は、各々のマイクロ粒子の完全な放出をもたらした。溶液を円錘形遠心分離用チューブ内に移動させて、5分間遠心分離し(Eppendorf Centrifuge 5804、Rotor A−4−44、at5,000rpm、19.1RCF)、上澄液を捨てて、ペレット(pellet)を収集した。遠心分離で得られたペレットは、凍結乾燥して冷却装置に保管した。1mlの超純水内の再懸濁上のペレットは、立体反発力によるコロイド安定剤として作用する表面吸着されたゼラチン分子の存在に起因した自由で分離されたマイクロ粒子の分散を形成した(図1F)。
【0042】
実施例4.シリコンマスターテンプレートからPDMSエラストマー鋳型の選択的形成
図2に示されているように、ポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS)(SYLGARD(登録商標)184 silicone elastomer)インプリント鋳型をSiウエハーマスターテンプレートの上部に準備する。10:1(w/w)の比率でエラストマー単量体及び硬化剤(Sylgard 184 Silicone Elastomer、DowCorning)の混合物を完全に混合する。前記混合物は、ペトリ皿内でSiウエハーマスターテンプレートの上部に注ぐ(図2A)。気泡を除去するためにペトリ皿を10分間真空室においた後、30分間硬化のために70℃チャンバーに移動させる。PDMSインプリント鋳型をSiマスターテンプレートから剥がして(図2B)、前記PDMSインプリント鋳型を実施例1乃至3に記載されたようなナノ/マイクロ粒子の製造に使用されるヒドロゲルテンプレートを製造するためのテンプレートとして使用する(図2C)。
【0043】
実施例5.ナノ/マイクロ単核カプセルの加工
生物分解性がある重合体膜で水性液滴を被覆して、水性単核中心部を有するナノ/マイクロカプセルを形成する。図3を参照してみれば、PLGAが代表的な重合体として使用される。PLGAを有機溶媒で溶解させ、その溶液をスピンコーターまたは超音波噴霧器を使用してヒドロゲル鋳型上に噴霧する(図3B)。PLGA溶液は、ヒドロゲル鋳型上に薄膜を形成する。水及び有機溶媒間の界面張力のために、大部分の有機溶媒がヒドロゲルの表面上に広がる。この工程に使用することができる溶媒は多数あるため、PLGA膜の形成に最も好ましい溶媒を見つけるために多くの溶媒を検査した。PLGA共重合体(75/25)を合成して、2%の溶液を製造するために多様な有機溶媒内で溶解した。ヒドロゲル鋳型は30%の濃度のゼラチンで製造する。
【0044】
まず、最初のPLGA膜をヒドロゲル鋳型上に形成した後に、薬剤学的活性成分または映像化剤を含む生理活性剤を含む水性液滴を最初のPLGA膜上に噴霧する(図3C)。水性液滴の高い表面張力のために、それらは各孔を充填した後に球形の水性液滴に維持される。一度孔が水溶液で満たされれば、他のPLGA膜を同一な工程で形成する(図3D)。これは、各々のウェル内のPLGA層によって囲まれた水性液滴、つまりPLGA膜によって囲まれた水性中心部を有するマイクロカプセルの形成をもたらす。
【0045】
2番目のPLGA膜を水性液滴上に形成した後には、PLGA膜がウェル間の空間を含み、ヒドロゲル鋳型全体を覆うことが可能である。この場合、各々のマイクロカプセルを分離するために、ヒドロゲル鋳型全体を酸素プラズマエッチングで露出させて、カプセル間の膜を除去する。数分間の酸素プラズマエッチングは、カプセルを元の状態にする反面、PLGAの薄層を削り取る。その後、ゼラチン鋳型を溶解するために、ウェル内にPLGAカプセルを含むヒドロゲル鋳型を恒温水槽内に入れる。ゼラチン鋳型が溶解されれば、ゼラチン分子は形成されたカプセルの統合に対抗する立体反発力を提供して、各々のカプセル表面に吸着することができる。現在使用可能である他の技術は、ヒドロゲル鋳型を使用するカプセルを安定化するいかなる手段も提供しない。
【0046】
実施例6.調整可能な融点を有するゼラチンヒドロゲルテンプレートの加工
ゼラチンゲルの融点を変化させることができる物質が添加されたゼラチンテンプレートの一般的な加工において、150mlのパイレックス(Pyrex)(登録商標)瓶内に含まれている超純水100mlに他の無機塩及び生物学的物質を溶解した。表1に他の物質を記載する。この溶液に30gのゼラチン(電気泳動タイプ1のために豚の皮膚から得たもの、300 Bloom、Sigma)を追加して完全に混合した。その瓶を蒸発を防止するために覆って、2時間または透明な溶液が形成されるまで55℃のオーブンにおいた。透明なゼラチン溶液は、ヒドロゲルテンプレートを製造するのに使用した。温かくて透明なゼラチン溶液(10ml)をピペットで50μmの直径及び50μmの高さの円形ピラーを含むマイクロ加工されたシリコンウエハー(3″直径)上に移動させた。ウエハーを完全に覆う薄膜を形成するために、前記ゼラチン溶液を均等に塗り広げた。ゼラチン膜を含むシリコンウエハーを冷却装置内におくことによって5分間4℃で冷却した。冷却は、弾性があって機械的に剛健なゼラチンテンプレートの形成をもたらした。冷却後、ゼラチンヒドロゲルテンプレートをシリコンウエハーから剥がした。3″直径のヒドロゲルテンプレートは、50μmの直径及び50μmの深さの円形ウェルを含む。ゼラチンヒドロゲルテンプレートの構造健全性を糾明するために、ゼラチンヒドロゲルテンプレートを明視野反射顕微鏡下で測定した。他の物質の存在下で製造されたゼラチンヒドロゲルテンプレートは、表1に示されているように45℃より低い温度で溶解した。
【0047】
【表1】

【0048】
実施例7.多様な形状へのPLGAマイクロ粒子の加工
多様な形状のマイクロ粒子を製造し、形状の好ましい例を図4に示した。図示されているように、環、パックマン(pacman)、三角形、星、十字架、及びダイヤモンド形状のマイクロ粒子を容易に製造することができた。このような形状だけでなく、通常の円形及び四角形などの他の形状のマイクロ粒子も容易に製造することができる。
【0049】
実施例8.ポリカプロラクトン(PCL)マイクロ粒子の加工
2gのPCLを10mlのジクロロメタンに溶解して、20%のPCL(d 1.145、Aldrich)溶液を製造した。マイクロ粒子の製造のために、実施例1乃至3に記載されたような工程を適用した。
【0050】
実施例9.異なる大きさのPLGAマイクロ粒子の加工
単純にシリコンマスターテンプレートのマイクロ構造物の大きさを変化させることによって、マイクロ粒子の大きさが1.2μmから50μmより大きいものに至るまで変化した。大きさを1.2μmからより大きいものに至るまで変化させることはUVフォトリソグラフィーを使用して容易にしたが、1.2μmより小さい大きさは電子ビームリソグラフィーを使用して形成した。
【0051】
実施例10.薬物が積載されたPLGAマイクロ構造物の加工
2gのPLGAを10mlのジクロロメタンに溶解して、20%のPLGA(MW 60,000;IV 0.8、Birmingham Polymers)溶液を製造した。この溶液に1mlのフェロジピンを添加して(CH2Cl2内 1g/ml)、フェロジピン/PLGA溶液(1:2w/w)を得るために、ボルテキシング(vortexing)して完全に混合した。50μmの直径及び50μmの深さの円形ウェルを含む3″直径のヒドロゲルテンプレート上にフェロジピン/PLGA溶液200μlをピペットを使用して移動させた。フェロジピン/PLGA溶液をかみそりで削って、ヒドロゲルテンプレート上に均等に塗り広げた。PLGA溶液がヒドロゲルテンプレートを変形させずにウェルを完全に充填させるように力を加えるために、軽い圧力を加えた。フェロジピンだけでなく、プロゲステロン、グリセオフルビン、プロブコール、及びパクリタキセルなどの他の薬物も、マイクロ構造物内に含ませることができた。
【0052】
実施例11.2種類の異なる薬物または色素の二重層を含むマイクロ構造物の加工
ゼラチンヒドロゲルテンプレートは、また、二つの異なる薬物、または一つの薬物及び一つの色素、または二つの異なる色素からなる二つの区別された層を有する二重層マイクロ構造物を加工するために使用された。フェロジピン薬物及びナイルレッド色素の二重層PLGAマイクロディスクを製造するために、実施例1乃至3に記載されたような方法を適用した。二重層マイクロ粒子は、現在使用可能な方法では製造するのが非常に難しいため、ヒドロゲルテンプレート接近方法の固有の特徴である。図5で蛍光及び明視野イメージが二つの鮮明に区別されるフェロジピン(青)及びナイルレッド(赤)層の存在を鮮明に示す。
【0053】
実施例12.ヒドロゲルテンプレート及びマイクロ構造物の大量生産
ゼラチン(電気泳動タイプ1のために豚の皮膚から得たもの、300 Bloom、Sigma)30gを100mlの超純水(150ml Pyrex(登録商標)瓶に入ったもの)に溶解して、ゼラチン溶液(30重量%)を製造して完全に混合した。この瓶を蒸発を防止するために覆って、2時間または透明な溶液が形成されるまで65℃のオーブンにおいた。それによって製造された透明なゼラチン溶液を薄層クロマトグラフィープレートコーター(Camag)内に充填させた。ゼラチンが充填されたプレートコーターを使用して、親水性プラスチックシート(20cm×20cm;3M Corporation)を300μmの厚さのゼラチン層でコーティングした。50μmの直径及び50μmの高さの円形ピラーを含むマイクロ加工されたシリコンウエハー(3″直径)をゼラチン膜内に圧着し、冷却装置内におくことによって5分間4℃で冷却した。冷却は、弾性があって機械的に剛健なゼラチンテンプレートの形成をもたらした。冷却後、シリコンウエハーからゼラチンヒドロゲルテンプレートを剥がした。それによって得られたヒドロゲルテンプレートは、大きさが20cm×20cmであり、50μmの直径及び50μmの高さの円形ウェルを含む。したがって、製造されたヒドロゲルテンプレートは重合体溶液で充填され、その後製造されたマイクロ粒子を収集するためにヒドロゲルテンプレートを溶解させた。
【0054】
下記の引用文献の関連部分が、参照としてここに編入される。

【0055】
本発明は、明確性及び理解のために特定の実施例を参照して説明した。添付された特許請求の範囲及びそれと同等な範囲内で一定の変更及び応用が熟練者によって経験から可能であるということが理解されなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)複数のマイクロ構造物を含むマスターテンプレートを形成し;
(b)選択的に前記マスターテンプレートの陰画として重合体テンプレートを形成し、マスターテンプレートから重合体テンプレートを分離し;
(c)ゾル層で前記マスターテンプレートまたは選択的に重合体テンプレートをコーティングし;
(d)前記ゾルをゲルに転換させてヒドロゲルテンプレートを形成し;
(e)前記マスターテンプレートまたは選択的に重合体テンプレートからヒドロゲルテンプレートを分離して、複数のマイクロ構造物を含むゾル−ゲル相可逆的ヒドロゲルテンプレートを収得する;段階を含む、複数のマイクロ構造物を含むゾル−ゲル相可逆的ヒドロゲルテンプレートの製造方法。
【請求項2】
前記マスターテンプレートはシリコンウエハーを含み、フォトリソグラフィーまたは電子ビームエッチングによって形成される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記重合体テンプレートはポリ(ジメチルシロキサン)を含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記ゾルは、温度変化によって相転移を誘導してゲルに転換される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記ヒドロゲルはゼラチンまたはその誘導体を含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
前記ヒドロゲルはアガロース、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、またはこれらの誘導体を含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
前記ゾルは、塩の付加、蛋白質の付加、または塩の原子価の変化によって相転移を誘導してゲルに転換される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項8】
前記ヒドロゲルはアルギネート(alginate)またはその誘導体を含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項9】
前記ヒドロゲルテンプレート内に形成されたマイクロ構造物は3次元構造である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項10】
前記ヒドロゲルテンプレートのマイクロ構造物は、直径が約100nm乃至約1000μmの範囲である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項11】
前記マイクロ構造物は、直径が約200nm乃至約200μmの範囲である、請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
前記マイクロ構造物は、直径が約500nm乃至約100μmの範囲である、請求項11に記載の製造方法。
【請求項13】
前記マイクロ構造物は、直径が約1μl乃至約50μmの範囲である、請求項12に記載の製造方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法で製造される、ヒドロゲルテンプレート。
【請求項15】
(a)非水溶性重合体が溶解されている非水溶液で請求項1に記載のヒドロゲルテンプレート内の複数のウェルを充填し;
(b)前記非水溶液から溶媒を蒸発させて、ウェル内の非水溶性重合体を固形化し;
(c)前記ヒドロゲルテンプレートからナノ粒子またはマイクロ粒子を得る;段階を含むナノ粒子またはマイクロ粒子の製造方法。
【請求項16】
前記非水溶液は、溶液内に溶解されている少なくとも一つの生理活性剤を含む、請求項15に記載の製造方法。
【請求項17】
前記生理活性剤は、約1乃至80wt%の範囲でナノ粒子またはマイクロ粒子内に存在する、請求項15に記載の製造方法。
【請求項18】
前記生理活性剤は、約5乃至50wt%の範囲でナノ粒子またはマイクロ粒子内に存在する、請求項15に記載の製造方法。
【請求項19】
前記非水溶性重合体はPLGAである、請求項15に記載の製造方法。
【請求項20】
前記非水溶液は、溶液内に溶解されている低分子量薬物または溶液内に分散している高分子量薬物を含む、請求項15に記載の製造方法。
【請求項21】
前記薬物は、パクリタキセル(paclitaxel)、シロリムス(sirolimus)、プロブコール(probucol)、グリセオフルビン(griseofulvin)、免疫グロブリン、成長因子、インシュリン、インターフェロン(interferon)、またはエリスロポエチン(erythropoietin)から選択される、請求項20に記載の製造方法。
【請求項22】
前記ナノ粒子またはマイクロ粒子は、水溶液にヒドロゲルテンプレートを溶解したり、または容器内でヒドロゲルテンプレートを凍結乾燥して得られる、請求項15に記載の製造方法。
【請求項23】
請求項15に記載の方法で製造される、ナノ粒子またはマイクロ粒子。
【請求項24】
前記粒子は、異なる物質を含む各々の層を含む少なくとも二つ以上の区別された層を含む、請求項22に記載のナノ粒子またはマイクロ粒子。
【請求項25】
(a)非水溶性重合体が溶解されている非水溶液で請求項1に記載のヒドロゲルテンプレート内の複数のウェル壁をコーティングし;
(b)前記コーティングされたウェルに水性液滴を添加し;
(c)前記水性液滴を非水溶性重合体が溶解されている非水溶液で覆い;
(d)前記ヒドロゲルテンプレートからナノ粒子またはマイクロ粒子を得る;段階を含むナノ粒子またはマイクロ粒子の製造方法。
【請求項26】
前記非水溶液は、溶液内に溶解されている少なくとも一つの生理活性剤を含む、請求項25に記載の製造方法。
【請求項27】
前記生理活性剤は、約1乃至80wt%の範囲でナノ粒子またはマイクロ粒子内に存在する、請求項25に記載の製造方法。
【請求項28】
前記生理活性剤は、約5乃至50wt%の範囲でナノ粒子またはマイクロ粒子内に存在する、請求項25に記載の製造方法。
【請求項29】
前記非水溶性重合体はPLGAである、請求項25に記載の製造方法。
【請求項30】
前記水溶液は、溶液内に溶解されている低分子量薬物または溶液内に分散している高分子量薬物を含む、請求項25に記載の製造方法。
【請求項31】
前記薬物は、パクリタキセル、シロリムス、プロブコール、グリセオフルビン、免疫グロブリン、成長因子、インシュリン、インターフェロン、またはエリスロポエチンから選択される、請求項30に記載の製造方法。
【請求項32】
前記ナノ粒子またはマイクロ粒子は、水溶液内でヒドロゲルテンプレートを溶解して回収される、請求項25に記載の方法。
【請求項33】
請求項25に記載の方法で製造される、ナノ粒子またはマイクロ粒子。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2010−540533(P2010−540533A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−526970(P2010−526970)
【出願日】平成20年9月27日(2008.9.27)
【国際出願番号】PCT/US2008/011260
【国際公開番号】WO2009/042231
【国際公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(505413381)アキナ、インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】