タイヤの滑り止め装置
【課題】自動車タイヤの周方向に配列した滑り止め体は連結分離を容易にする。タイヤ回転による遠心力で分離し難くする。
【解決手段】前後の滑り止め体を連結する連結具は、孔付きと棒付きにして滑り止め体の外側部の前後に付け、棒付き連結具22は先端側に連結棒32をタイヤ軸心方向に設け、孔付き連結具21は先端側に連結孔29をタイヤ軸心方向に開口し、孔付き連結具は、先端側をタイヤ軸心方向に移動可能にして可動連結具にし、先端側をタイヤ側に移動する力を与える弾性部材30を設け、棒付き連結具は先端側をタイヤ軸心方向に移動不能にして不動連結具にし、連結時に、可動連結具の先端側をタイヤと反対側に移動し、可動連結具の先端側とタイヤの間に不動連結具の先端側を配置し、可動連結具の先端側をタイヤ側に移動し、連結棒を連結孔に挿入し、分離時に、可動連結具の先端側をタイヤと反対側に移動し、連結棒を連結孔から抜き出す。
【解決手段】前後の滑り止め体を連結する連結具は、孔付きと棒付きにして滑り止め体の外側部の前後に付け、棒付き連結具22は先端側に連結棒32をタイヤ軸心方向に設け、孔付き連結具21は先端側に連結孔29をタイヤ軸心方向に開口し、孔付き連結具は、先端側をタイヤ軸心方向に移動可能にして可動連結具にし、先端側をタイヤ側に移動する力を与える弾性部材30を設け、棒付き連結具は先端側をタイヤ軸心方向に移動不能にして不動連結具にし、連結時に、可動連結具の先端側をタイヤと反対側に移動し、可動連結具の先端側とタイヤの間に不動連結具の先端側を配置し、可動連結具の先端側をタイヤ側に移動し、連結棒を連結孔に挿入し、分離時に、可動連結具の先端側をタイヤと反対側に移動し、連結棒を連結孔から抜き出す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のタイヤに装着する滑り止め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1〜3に例示されるタイヤの滑り止め装置は、自動車のタイヤにU形状断面の滑り止め体を嵌め込む。滑り止め体は、数個をタイヤの全周にほぼ等間隔に配列し、隣同士を連結する。数個の滑り止め体は、輪になってタイヤに装着される。滑り止め装置をタイヤから取り外すときには、滑り止め体の隣同士を分離し、滑り止め体をタイヤから抜き取る。
【0003】
滑り止め体は、自動車前進時のタイヤ回転方向の前側のU形状部材と後側のU形状部材、及び、タイヤの内側面に沿う内側の線状部材を備えている。前側と後側のU形状部材は、それぞれ、タイヤの接地面を横断する横断部、タイヤの外側面に沿う外側部と、タイヤの内側面に沿う内側部を有している。内側の線状部材は、前側のU形状部材と後側のU形状部材の内側部同士を連結している。
【0004】
滑り止め体の外側部は、タイヤの周方向の前側と後側にそれぞれ連結具を取り付けている。タイヤの周方向に配列した滑り止め体を連結する際、滑り止め体の後側の連結具と後隣の滑り止め体の前側の連結具を分離可能に連結する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3557464号公報
【特許文献2】特許第3718779号公報
【特許文献3】特開2007−290627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
1.課 題
上記のようなタイヤの滑り止め装置は、タイヤの周方向に配列した滑り止め体を連結する際、連結作業が簡単であることが望まれる。分離作業も同様である。連結具は、連結分離操作を容易にする。
また、連結具は、自動車の走行中に分離しないことが必要である。タイヤの回転による遠心力によって分離しない構成にする。
また、自動車のタイヤは、外径が使用によって小さくなり、新品への取り替えによって大きくなる。タイヤの外径が変化しても、滑り止め装置は使用可能にする。
【0007】
2.着 想
2.1 連結具は、棒と孔の挿入式にする。
連結具は、棒付き連結具と孔付き連結具にし、棒付き連結具の連結棒を孔付き連結具の連結孔に挿入する方式にする。
棒付き連結具は、取付端を滑り止め体の外側部の前側と後側の一方に取り付ける。孔付き連結具は、取付端を滑り止め体の外側部の前側と後側の他方に取り付ける。
棒付き連結具は、先端側部分に連結棒を設け、連結棒をタイヤの軸心方向に沿って配置する。孔付き連結具は、先端側部分に連結孔を設け、連結孔をタイヤの軸心方向に沿って開口する。
孔付き連結具は、先端側部分をタイヤのほぼ軸心方向に移動可能にする。可動連結具にする。棒付き連結具は、先端側部分をタイヤの軸心方向に移動不能にする。不動連結具にする。
棒付き連結具の先端側部分は、タイヤの外側面と孔付き連結具の先端側部分との間に配置し、孔付き連結具の先端側部分をタイヤの外側面側に移動する連結操作時に、連結孔に連結棒が挿入する構成にする。孔付き連結具の先端側部分をタイヤの外側面と反対側に移動する分離操作時に、連結孔から連結棒が抜け出る構成にする。
孔付き連結具の先端側部分をタイヤの外側面側に移動する力を与える弾性部材を設ける。
【0008】
棒付き連結具と孔付き連結具を連結する時には、孔付き連結具の先端側部分を弾性部材に抗してタイヤの外側面と反対側に移動する。待避させる。待避状態の孔付き連結具の先端側部分とタイヤの外側面との間に棒付き連結具の先端側部分を配置する。次に、孔付き連結具の先端側部分は、弾性部材の弾性力で待避位置からタイヤの外側面側に移動する。すると、孔付き連結具の連結孔に棒付き連結具の連結棒が挿入する。連結孔に連結棒が引っ掛かる。棒付き連結具と孔付き連結具が連結する。
棒付き連結具と孔付き連結具を分離する時には、孔付き連結具の先端側部分を弾性部材に抗してタイヤの外側面と反対側に移動する。すると、孔付き連結具の連結孔から棒付き連結具の連結棒が抜け出る。棒付き連結具と孔付き連結具が分離する。
【0009】
連結具の連結分離操作は、孔付き連結具の先端側部分をタイヤの外側面側に又はその反対側に移動して行われる。多くの手間が掛らない。容易である。
また、連結具の分離操作は、孔付き連結具の先端側部分をタイヤのほぼ軸心方向に移動して行われる。タイヤの回転による遠心力は、タイヤの径方向に作用し、タイヤの軸心方向には作用しない。連結具は、タイヤの回転による遠心力で分離し難い。連結具は、自動車の走行中に分離し難い。
【0010】
2.2 連結具は、連結長さを調節可能にする。
棒付き連結具は、連結棒を複数にして前後方向に沿って等間隔又は不等間隔に配置する。複数の連結棒のうち、棒付き連結具の取付端側の連結棒を孔付き連結具の連結孔に挿入すると、棒付き連結具と孔付き連結具の連結長さが短くなる。棒付き連結具の先端側の連結棒を孔付き連結具の連結孔に挿入すると、棒付き連結具と孔付き連結具の連結長さが長くなる。複数の連結棒から連結孔に挿入する連結棒を選択することで、棒付き連結具と孔付き連結具の連結長さ、滑り止め体の隣同士の間隔を調節する。
タイヤの外径ないし外周長さに合わせて、連結孔に挿入する連結棒を選択する。滑り止め装置は、タイヤの外径が変化しても、使用可能になる。
【0011】
2.3 連結具は、可動連結具と不動連結具を換える。
上記2.1の着想例は、孔付き連結具を可動連結具にし、棒付き連結具を不動連結具にする。これを逆にする。棒付き連結具は、可動連結具にし、先端側部分をタイヤのほぼ軸心方向に移動可能にする。孔付き連結具は、不動連結具にし、先端側部分をタイヤの軸心方向に移動不能にする。
【0012】
2.4 連結具は、連結長さの調節に連結孔を選択する。
上記2.2の着想例は、連結棒を複数にし、連結棒を選択して、棒付き連結具と孔付き連結具の連結長さを調節する。これに替えて、連結孔を複数にし、連結孔を選択して、棒付き連結具と孔付き連結具の連結長さを調節する。
【0013】
2.5 連結具は、連結時、連結孔とこれに挿入する連結棒との対を複数にする。
棒付き連結具は、連結棒を複数にする。孔付き連結具も、連結孔を複数にする。連結時、連結孔とこれに挿入して引っ掛ける連結棒との対を複数にする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
1.滑り止め体は、自動車のタイヤに嵌め込んで数個をタイヤの全周にほぼ等間隔に配列し、各滑り止め体はそれぞれ隣の滑り止め体に連結する構成にし、
滑り止め体は、自動車前進時のタイヤ回転方向の前側のU形状部材と後側のU形状部材、及び、タイヤの内側面に沿う内側の線状部材を備え、前側のU形状部材と後側のU形状部材は、タイヤの接地面を横断する横断部、タイヤの外側面に沿う外側部と、タイヤの内側面に沿う内側部を有し、内側部同士を内側の線状部材で連結し、
滑り止め体の外側部は、タイヤの周方向の前側と後側にそれぞれ連結具を取り付け、滑り止め体の後側の連結具と後隣の滑り止め体の前側の連結具を分離可能に連結する構成にした滑り止め装置において、
連結具は、棒付き連結具と孔付き連結具にし、
棒付き連結具は取付端を滑り止め体の外側部の前側と後側の一方に取り付け、孔付き連結具は取付端を滑り止め体の外側部の前側と後側の他方に取り付け、
棒付き連結具は、先端側部分に連結棒を設け、連結棒をタイヤの軸心方向に沿って配置し、孔付き連結具は、先端側部分に連結孔を設け、連結孔をタイヤの軸心方向に沿って開口し、
棒付き連結具と孔付き連結具の一方は、先端側部分をタイヤのほぼ軸心方向に移動可能にして可動連結具にし、棒付き連結具と孔付き連結具の他方は、先端側部分をタイヤの軸心方向に移動不能にして不動連結具にし、
可動連結具の先端側部分をタイヤの外側面側に移動する力を与える弾性部材を設け、
棒付き連結具と孔付き連結具を連結する時には、可動連結具の先端側部分を弾性部材に抗してタイヤの外側面と反対側に移動して待避させ、可動連結具の先端側部分とタイヤの外側面との間に不動連結具の先端側部分を配置し、可動連結具の先端側部分を弾性部材の弾性力でタイヤの外側面側に移動し、連結棒を連結孔に挿入する構成にし、
棒付き連結具と孔付き連結具を分離する時には、可動連結具の先端側部分を弾性部材に抗してタイヤの外側面と反対側に移動し、連結棒を連結孔から抜き出す構成にしたことを特徴とするタイヤの滑り止め装置。
2.上記のタイヤの滑り止め装置において、
棒付き連結具は連結棒を又は孔付き連結具は連結孔を複数にして前後方向に沿って間隔を置いて配置し、
連結孔に挿入する連結棒又は連結棒を挿入する連結孔を選択することで、棒付き連結具と孔付き連結具の連結長さを調節する構成にしたことを特徴とする。
3.上記のタイヤの滑り止め装置において、
棒付き連結具は連結棒を複数にし、孔付き連結具は連結孔を複数にし、棒付き連結具と孔付き連結具を連結する時に、連結孔とこれに挿入して引っ掛ける連結棒との対を複数にする構成にしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
連結具は、連結分離操作が容易である。また、タイヤの回転による遠心力で分離し難い。
タイヤの滑り止め装置は、タイヤの外径が変化しても、使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態の第1例におけるタイヤの滑り止め装置のタイヤ装着状態の正面図。
【図2】図1中の第1滑り止め体の拡大正面図。
【図3】同第1滑り止め体の拡大平面図。
【図4】図2のA−A線断面拡大図。
【図5】図1中の第1滑り止め体と第2滑り止め体の連結部分の拡大正面図。
【図6】同連結部分の拡大平面図。
【図7】同連結部分の連結具の孔付き連結具の先端側部分がタイヤ外側面と反対側に移動した状態を示す図であり、図7と同様な平面図。
【図8】同連結具の孔付き連結具先端側部分がタイヤ外側面と反対側に移動して孔付き連結具と棒付き連結具が離れた状態を示す図であり、図7と同様な平面図。
【図9】実施形態の第2例における滑り止め装置の連結部分の正面図。
【図10】同連結部分の平面図。
【図11】実施形態の第3例における滑り止め装置の連結部分の正面図。
【図12】同連結部分の平面図。
【図13】実施形態の第4例における滑り止め装置の連結部分の正面図。
【図14】同連結部分の平面図。
【図15】同連結部分の連結具の連結長さを図13におけるのより長くした状態を示す図であり、図13と同様な正面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1例(図1〜図8参照)]
本例のタイヤの滑り止め装置は、自動車のタイヤTに装着した状態を自動車の外側から視た正面図を図1に示す。この滑り止め装置は、第1滑り止め体1a、第2滑り止め体1bと第3滑り止め体1cをタイヤTの周方向に等間隔に連結している。3個の滑り止め体1a〜1c、1は、同一構造にしている。第1滑り止め体1aについて説明する。
【0018】
第1滑り止め体1、1aは、タイヤTの上部に装着した時の姿態で図2と図3に拡大して示す。図2は、自動車の外側から視た正面図である。図3は、上側から視た平面図である。図4は、図2のA−A線断面拡大図である。
【0019】
第1滑り止め体1、1aは、前側のU形状部材2と後側のU形状部材3及び内側の線状部材4を備えている。ここで、前側とは、図1に矢印で示す自動車前進時のタイヤTの正回転方向の前側、図1、図2と図3の第1滑り止め体1aの左側である。後側とは、タイヤTの正回転方向の後側、図1、図2と図3の第1滑り止め体1aの右側である。内側とは、自動車の内部側、図1に破線で示す側である。
【0020】
前側と後側のU形状部材2、3は、図1〜図3に示すように、対称構造にし、丸棒をタイヤTの外周側に嵌め込むU形状に湾曲している。U形状部材2、3は、タイヤTの接地面を横断する横断部2a、3a、タイヤTの外側面に沿う外側部2b、3bと、タイヤTの内側面に沿う内側部2c、3cを有している。前側と後側のU形状部材2、3は、タイヤTに60度位の中心角をなして嵌合する。
【0021】
前側のU形状部材2は、外側部2bをタイヤTの径方向に配置し、外側部2bの端側の部分を前側に折り曲げて突出している。外側部2bの前側突出部分は、タイヤTの周方向に沿って配置している。また、前側のU形状部材2は、内側部2cをタイヤTの径方向に配置し、内側部2cの端側の部分を後側に折り曲げて突出している。内側部2cの後側突出部分は、タイヤTの周方向に沿って配置している。
【0022】
後側のU形状部材3は、外側部3bをタイヤTの径方向に配置し、外側部3bの端側の部分を後側に折り曲げて突出している。外側部3bの後側突出部分は、タイヤTの周方向に沿って配置している。また、後側のU形状部材3は、内側部3cをタイヤTの径方向に配置し、内側部3cの端側の部分を前側に折り曲げて突出している。内側部3cの前側突出部分は、タイヤTの周方向に沿って配置している。
【0023】
内側の線状部材4は、鎖にしている。この鎖4は、複数の板状リンクをピンで回転可能に繋いで紐状にしている。リーフチェーンにしている。
【0024】
前側のU形状部材2は、外側部2bの前側突出部分と内側部2cの後側突出部分に、それぞれ、図1〜図3に示すように、筒形状の当て部材6を嵌合して取り付けている。また、後側のU形状部材3は、外側部3bの後側突出部分と内側部3cの前側突出部分に、それぞれ、筒形状の当て部材6を嵌合して取り付けている。筒形状の当て部材6は、それぞれ、タイヤTの周方向に沿って配置している。当て部材6は、ゴムのような弾性材料製にし、円筒形状にしている。外側の当て部材6の外周面は、タイヤTの外側面に当る構成にしている。内側の当て部材6の外周面は、タイヤTの内側面に当る構成にしている。また、外側の当て部材6と内側の当て部材6は、それぞれ、タイヤTの外側面の内周側、内側面の内周側に当る構成にしている。筒形状の当て部材6は、その軸心の周りに回転可能にしている。
【0025】
内側の線状部材4は、図3と図4に示すように、前端を前側のU形状部材2の内側部2cの端にボルト7、ナット8で取り付けている。また、前端と同様に、後端を後側のU形状部材3の内側部3cの端にボルト7、ナット8で取り付けている。ボルト7は、タイヤTの軸心方向に沿って配置している。
【0026】
前側のU形状部材2の外側部2bは、前端に前側の連結部材11をボルト7、ナット8で取り付けている。後側のU形状部材3の外側部3bは、後端に後側の連結部材12をボルト7、ナット8で取り付けている。前側と後側の連結部材11、12は、それぞれ、タイヤTの軸心方向に沿うボルト7の周りに回転可能にしている。タイヤTの径方向の周りに回転不能にしている。また、鎖の板状リンクにしている。前側の連結部材11は、前端に孔付き連結具21を取り付けている。後側の連結部材12は、後端に棒付き連結具22を取り付けている。孔付き連結具21と棒付き連結具22は、連結可能で分離可能にしている。
【0027】
滑り止め体1は、タイヤTに嵌め込むU形状断面の構造にしている。U形状断面の滑り止め体1は、前側と後側のU形状部材2、3の横断部2a、3aで、タイヤTの接地面を横断する横断部を構成している。前側と後側のU形状部材2、3の外側部2b、3bで、タイヤTの外側面に沿う外側部を構成している。前側と後側のU形状部材2、3の内側部2c、3cと内側の線状部材4で、タイヤTの内側面に沿う内側部を構成している。滑り止め体1の外側部は、タイヤTの周方向の前側と後側に、それぞれ、前側の連結部材11と後側の連結部材12を介して、孔付き連結具21と棒付き連結具22を取り付けている。
【0028】
3個の滑り止め体1a〜1cを連結する孔付き連結具21と棒付き連結具22は、3組になる。3組の連結具21、22は、同一構造にしている。図5と図6は、図1中の第1滑り止め体1aと第2滑り止め体1bの連結部分を水平に配置して示す。その連結部分の孔付き連結具21と棒付き連結具22について、図5〜図8を参照して説明する。
【0029】
孔付き連結具21は、取付端を構成する取付片25に、先端側部分を構成する先端側部材26を軸27でタイヤTの径方向の周りに回転可能に取り付けている。この孔付き連結具21は、先端側部分をタイヤTのほぼ軸心方向に移動可能にして可動連結具にしている。
【0030】
取付片25は、後端の取付端を前側の連結部材11の前端にピン28で取り付けている。ピン28は、タイヤTの軸心方向に沿って配置している。取付片25は、タイヤTの軸心方向の周りに回転可能にしている。タイヤTの径方向の周りに回転不能にしている。先端側部材26は、帯状板をU形状に湾曲し、U形状の両端部分の間に取付片25を配置している。軸27は、先端側部材26の両端部分と取付片25を貫通し、タイヤTの径方向に沿って配置している。先端側部材26は、軸27の周り、タイヤTの径方向の周りに回転可能にしている。先端側部材26は、U形状の内側先端側を連結孔29にしている。連結孔29は、タイヤTの軸心方向に沿って開口している。
【0031】
孔付き連結具21は、先端側部分をタイヤTの外側面側に移動する力を与える弾性部材30を取り付けている。弾性部材30は、ばね線にしている。ばね線30は、中央部を取付片25の表側面、タイヤT外側面と反対側の面に軸27と平行に配置している。ばね線30の両端部分は、それぞれ、軸27の両端部分に巻き付けて先端側部材26の両端部分の表側面、タイヤT外側面と反対側の面に掛け留めている。
【0032】
棒付き連結具22は、帯状板31に連結棒32を固定している。帯状板31は、前端の取付端を後側の連結部材12の後端にピン33で取り付けている。ピン33は、タイヤTの軸心方向に沿って配置している。帯状板31は、タイヤTの軸心方向の周りに回転可能にしている。棒付き連結具22は、帯状板31をタイヤTの径方向の周りに回転不能にし、先端側部分をタイヤTの軸心方向に移動不能にして不動連結具にしている。
【0033】
帯状板31は、先端側部分に連結棒32を表側、タイヤT外側面と反対側に突出している。連結棒32は、タイヤTの軸心方向に沿って配置している。この連結棒32は、複数本にし、帯状板31の長手方向、前後方向に沿って等間隔に配列している。
【0034】
孔付き連結具21と棒付き連結具22を連結する時には、図7と図8に示すように、孔付き連結具21の先端側部分を弾性部材30に抗してタイヤTの外側面と反対側に移動して待避させる。待避状態の孔付き連結具21の先端側部分とタイヤTの外側面との間には、図7に示すように、棒付き連結具22の先端側部分を配置する。次に、孔付き連結具の先端側部分26は、弾性部材30の弾性力で待避位置からタイヤTの外側面側に移動する。すると、図5と図6に示すように、孔付き連結具の連結孔29に棒付き連結具の連結棒32が挿入して引っ掛かる。孔付き連結具21と棒付き連結具22が連結する。なお、連結孔29に複数の連結棒32が挿入したときは、棒付き連結具22の取付端に最も近い位置の連結棒32が連結孔29に引っ掛かる。
【0035】
孔付き連結具の連結孔29に棒付き連結具の連結棒32を挿入する際、図5と図6に示すように、棒付き連結具22の取付端に近い位置の連結棒32を連結孔29に挿入して引っ掛けると、孔付き連結具21と棒付き連結具22の連結長さが短くなる。逆に、棒付き連結具22の先端に近い位置の連結棒32を連結孔29に挿入して引っ掛けると、孔付き連結具21と棒付き連結具22の連結長さが長くなる。連結孔29に挿入して引っ掛ける連結棒32は、タイヤTの外径ないし外周長さに合わせて選択する。
【0036】
孔付き連結具21と棒付き連結具22を分離する時には、図7に示すように、孔付き連結具21の先端側部分を弾性部材30に抗してタイヤTの外側面と反対側に移動する。すると、孔付き連結具の連結孔29から棒付き連結具の連結棒32が抜け出る。孔付き連結具21と棒付き連結具22が分離する。
【0037】
[第2例(図9と図10参照)]
本例のタイヤの滑り止め装置は、第1例における孔付き連結具21の構造を変更している。
孔付き連結具21は、第1例における先端側部材26と軸27を一体化したような構造の先端側部材36にしている。先端側部材36は、図9と図10に示すように、1本の丸棒で構成している。丸棒は、U形状に湾曲し、U形状の両端部分を内側に折り曲げて軸27にし取付片25の軸孔に挿入している。先端側部材36は、その軸27の周り、タイヤTの径方向の周りに回転可能に取付片25に取り付けている。
【0038】
この孔付き連結具21は、先端側部分をタイヤTのほぼ軸心方向に移動可能にして可動連結具にしている。また、先端側部分をタイヤTの外側面側に移動する力を与える弾性部材30を第1例におけるのと同様に取り付けている。なお、丸棒の先端側部材36は、U形状の内側先端側を連結孔29にしている。連結孔29は、タイヤTの軸心方向に沿って開口している。
その他の点は、第1例におけるのと同様である。第1例におけるのと同様な部分には、図中、第1例におけるのと同一の符号を付ける。
【0039】
[第3例(図11と図12参照)]
本例のタイヤの滑り止め装置は、第1例、第2例における連結具の可動連結具と不動連結具を換えている。
第2例における可動連結具の孔付き連結具21は、可動連結具の棒付き連結具41にしている。第2例における不動連結具の棒付き連結具22は、不動連結具の孔付き連結具42にしている。
【0040】
可動連結具の棒付き連結具41は、取付片25に先端側部材36を軸27でタイヤTの径方向の周りに回転可能に取り付けている。先端側部分は、タイヤTのほぼ軸心方向に移動可能にしている。先端側部材36は、先端側部分に連結棒32を裏側、タイヤTの外側面側に突出して固定している。連結棒32は、タイヤTの軸心方向に沿って配置している。この連結棒32は、複数本にし、先端側部材36の長手方向、前後方向に沿って等間隔に配列している。先端側部分をタイヤTの外側面側に移動する力を与える弾性部材30を第2例におけるのと同様に取り付けている。
【0041】
不動連結具の棒付き連結具42は、タイヤTの径方向の周りに回転不能な帯状板31に連結孔29をタイヤTの軸心方向に沿って貫通している。連結孔29は、帯状板31の長手方向、前後方向に沿って長くしている。
その他の点は、第2例におけるのと同様である。第2例におけるのと同様な部分には、図中、第2例におけるのと同一の符号を付ける。
【0042】
[第4例(図13〜図15参照)]
本例のタイヤの滑り止め装置は、第1例における連結具の連結時の連結孔とこれに挿入して引っ掛ける連結棒との対を複数にしている。
第1例における可動連結具の孔付き連結具21は、タイヤTのほぼ軸心方向に移動可能な先端側部材46の先端側部分をコの字形の横断面形状にしている。先端側部材46の先端側部分は、連結孔47をタイヤTの軸心方向に沿って貫通している。連結孔47は、複数にし、先端側部材46の長手方向、前後方向に沿って等間隔に配列している。
【0043】
第1例における不動連結具の棒付き連結具22は、タイヤTの軸心方向に移動不能な帯状板31の先端側部分に連結棒32をタイヤTの軸心方向に沿って表側、タイヤT外側面と反対側に突出して固定している。連結棒32は、複数にし、帯状板31の長手方向、前後方向に沿って等間隔に配列している。
連結孔47と連結棒32は、個数と配列ピッチを同一にしている。
【0044】
孔付き連結具21の先端に最も近い位置の連結孔47に、棒付き連結具22の取付端に最も近い位置の連結棒32を挿入して引っ掛けると、図13と図14に示すように、すべての連結孔47にそれぞれ連結棒32が挿入して引っ掛かる。
孔付き連結具21の先端に最も近い位置の連結孔47に、棒付き連結具22の取付端に2番目に近い位置の連結棒32を挿入して引っ掛けると、図15に示すように、孔付き連結具21の取付端に最も近い位置の連結孔47以外のすべての連結孔47にそれぞれ連結棒32が挿入して引っ掛かる。
【0045】
連結孔47とこれに挿入して引っ掛ける連結棒32との対が複数になると、孔付き連結具21と棒付き連結具22は、連結が強固になる。その上、連結時に、連結孔47とこれに挿入して引っ掛けた連結棒32の位置で折れ曲がらず、直線状を維持する。
【0046】
[変形例]
上記の実施形態において、可動連結具21、41は、前側のU形状部材2の外側部2b又は後側のU形状部材3の外側部3bに、前側の連結部材11又は後側の連結部材12を介して取り付けているが、前側の連結部材11又は後側の連結部材12をなくし、直接取り付ける。
また、不動連結具22、42は、後側のU形状部材3の外側部3b又は前側のU形状部材2の外側部2bに、後側の連結部材12又は前側の連結部材11を介して取り付けているが、後側の連結部材12又は前側の連結部材11をなくし、直接取り付ける。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明のタイヤの滑り止め装置は、小型、中型、大型の乗用自動車や貨物自動車などの各種の自動車に使用される。
【符号の説明】
【0048】
T 自動車のタイヤ
1、1a〜1c 滑り止め体
1a 第1滑り止め体
1b 第2滑り止め体
1c 第3滑り止め体
2 前側のU形状部材
2a 横断部
2b 外側部
2c 内側部
3 後側のU形状部材
3a 横断部
3b 外側部
3c 内側部
4 内側の線状部材
2a、3a 滑り止め体の横断部
2b、3b 滑り止め体の外側部
2c、3c、4 滑り止め体の内側部
6 当て部材、外側の当て部材、内側の当て部材
7 ボルト
8 ナット
11 前側の連結部材
12 後側の連結部材
21、22 連結具
21 孔付き連結具、可動連結具
22 棒付き連結具、不動連結具
25 取付片
26 先端側部材
27 軸
28 ピン
29 連結孔
30 弾性部材、ばね線
31 帯状板
32 連結棒
33 ピン
36 先端側部材
41 棒付き連結具、可動連結具
42 孔付き連結具、不動連結具
46 先端側部材
47 連結孔
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のタイヤに装着する滑り止め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1〜3に例示されるタイヤの滑り止め装置は、自動車のタイヤにU形状断面の滑り止め体を嵌め込む。滑り止め体は、数個をタイヤの全周にほぼ等間隔に配列し、隣同士を連結する。数個の滑り止め体は、輪になってタイヤに装着される。滑り止め装置をタイヤから取り外すときには、滑り止め体の隣同士を分離し、滑り止め体をタイヤから抜き取る。
【0003】
滑り止め体は、自動車前進時のタイヤ回転方向の前側のU形状部材と後側のU形状部材、及び、タイヤの内側面に沿う内側の線状部材を備えている。前側と後側のU形状部材は、それぞれ、タイヤの接地面を横断する横断部、タイヤの外側面に沿う外側部と、タイヤの内側面に沿う内側部を有している。内側の線状部材は、前側のU形状部材と後側のU形状部材の内側部同士を連結している。
【0004】
滑り止め体の外側部は、タイヤの周方向の前側と後側にそれぞれ連結具を取り付けている。タイヤの周方向に配列した滑り止め体を連結する際、滑り止め体の後側の連結具と後隣の滑り止め体の前側の連結具を分離可能に連結する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3557464号公報
【特許文献2】特許第3718779号公報
【特許文献3】特開2007−290627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
1.課 題
上記のようなタイヤの滑り止め装置は、タイヤの周方向に配列した滑り止め体を連結する際、連結作業が簡単であることが望まれる。分離作業も同様である。連結具は、連結分離操作を容易にする。
また、連結具は、自動車の走行中に分離しないことが必要である。タイヤの回転による遠心力によって分離しない構成にする。
また、自動車のタイヤは、外径が使用によって小さくなり、新品への取り替えによって大きくなる。タイヤの外径が変化しても、滑り止め装置は使用可能にする。
【0007】
2.着 想
2.1 連結具は、棒と孔の挿入式にする。
連結具は、棒付き連結具と孔付き連結具にし、棒付き連結具の連結棒を孔付き連結具の連結孔に挿入する方式にする。
棒付き連結具は、取付端を滑り止め体の外側部の前側と後側の一方に取り付ける。孔付き連結具は、取付端を滑り止め体の外側部の前側と後側の他方に取り付ける。
棒付き連結具は、先端側部分に連結棒を設け、連結棒をタイヤの軸心方向に沿って配置する。孔付き連結具は、先端側部分に連結孔を設け、連結孔をタイヤの軸心方向に沿って開口する。
孔付き連結具は、先端側部分をタイヤのほぼ軸心方向に移動可能にする。可動連結具にする。棒付き連結具は、先端側部分をタイヤの軸心方向に移動不能にする。不動連結具にする。
棒付き連結具の先端側部分は、タイヤの外側面と孔付き連結具の先端側部分との間に配置し、孔付き連結具の先端側部分をタイヤの外側面側に移動する連結操作時に、連結孔に連結棒が挿入する構成にする。孔付き連結具の先端側部分をタイヤの外側面と反対側に移動する分離操作時に、連結孔から連結棒が抜け出る構成にする。
孔付き連結具の先端側部分をタイヤの外側面側に移動する力を与える弾性部材を設ける。
【0008】
棒付き連結具と孔付き連結具を連結する時には、孔付き連結具の先端側部分を弾性部材に抗してタイヤの外側面と反対側に移動する。待避させる。待避状態の孔付き連結具の先端側部分とタイヤの外側面との間に棒付き連結具の先端側部分を配置する。次に、孔付き連結具の先端側部分は、弾性部材の弾性力で待避位置からタイヤの外側面側に移動する。すると、孔付き連結具の連結孔に棒付き連結具の連結棒が挿入する。連結孔に連結棒が引っ掛かる。棒付き連結具と孔付き連結具が連結する。
棒付き連結具と孔付き連結具を分離する時には、孔付き連結具の先端側部分を弾性部材に抗してタイヤの外側面と反対側に移動する。すると、孔付き連結具の連結孔から棒付き連結具の連結棒が抜け出る。棒付き連結具と孔付き連結具が分離する。
【0009】
連結具の連結分離操作は、孔付き連結具の先端側部分をタイヤの外側面側に又はその反対側に移動して行われる。多くの手間が掛らない。容易である。
また、連結具の分離操作は、孔付き連結具の先端側部分をタイヤのほぼ軸心方向に移動して行われる。タイヤの回転による遠心力は、タイヤの径方向に作用し、タイヤの軸心方向には作用しない。連結具は、タイヤの回転による遠心力で分離し難い。連結具は、自動車の走行中に分離し難い。
【0010】
2.2 連結具は、連結長さを調節可能にする。
棒付き連結具は、連結棒を複数にして前後方向に沿って等間隔又は不等間隔に配置する。複数の連結棒のうち、棒付き連結具の取付端側の連結棒を孔付き連結具の連結孔に挿入すると、棒付き連結具と孔付き連結具の連結長さが短くなる。棒付き連結具の先端側の連結棒を孔付き連結具の連結孔に挿入すると、棒付き連結具と孔付き連結具の連結長さが長くなる。複数の連結棒から連結孔に挿入する連結棒を選択することで、棒付き連結具と孔付き連結具の連結長さ、滑り止め体の隣同士の間隔を調節する。
タイヤの外径ないし外周長さに合わせて、連結孔に挿入する連結棒を選択する。滑り止め装置は、タイヤの外径が変化しても、使用可能になる。
【0011】
2.3 連結具は、可動連結具と不動連結具を換える。
上記2.1の着想例は、孔付き連結具を可動連結具にし、棒付き連結具を不動連結具にする。これを逆にする。棒付き連結具は、可動連結具にし、先端側部分をタイヤのほぼ軸心方向に移動可能にする。孔付き連結具は、不動連結具にし、先端側部分をタイヤの軸心方向に移動不能にする。
【0012】
2.4 連結具は、連結長さの調節に連結孔を選択する。
上記2.2の着想例は、連結棒を複数にし、連結棒を選択して、棒付き連結具と孔付き連結具の連結長さを調節する。これに替えて、連結孔を複数にし、連結孔を選択して、棒付き連結具と孔付き連結具の連結長さを調節する。
【0013】
2.5 連結具は、連結時、連結孔とこれに挿入する連結棒との対を複数にする。
棒付き連結具は、連結棒を複数にする。孔付き連結具も、連結孔を複数にする。連結時、連結孔とこれに挿入して引っ掛ける連結棒との対を複数にする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
1.滑り止め体は、自動車のタイヤに嵌め込んで数個をタイヤの全周にほぼ等間隔に配列し、各滑り止め体はそれぞれ隣の滑り止め体に連結する構成にし、
滑り止め体は、自動車前進時のタイヤ回転方向の前側のU形状部材と後側のU形状部材、及び、タイヤの内側面に沿う内側の線状部材を備え、前側のU形状部材と後側のU形状部材は、タイヤの接地面を横断する横断部、タイヤの外側面に沿う外側部と、タイヤの内側面に沿う内側部を有し、内側部同士を内側の線状部材で連結し、
滑り止め体の外側部は、タイヤの周方向の前側と後側にそれぞれ連結具を取り付け、滑り止め体の後側の連結具と後隣の滑り止め体の前側の連結具を分離可能に連結する構成にした滑り止め装置において、
連結具は、棒付き連結具と孔付き連結具にし、
棒付き連結具は取付端を滑り止め体の外側部の前側と後側の一方に取り付け、孔付き連結具は取付端を滑り止め体の外側部の前側と後側の他方に取り付け、
棒付き連結具は、先端側部分に連結棒を設け、連結棒をタイヤの軸心方向に沿って配置し、孔付き連結具は、先端側部分に連結孔を設け、連結孔をタイヤの軸心方向に沿って開口し、
棒付き連結具と孔付き連結具の一方は、先端側部分をタイヤのほぼ軸心方向に移動可能にして可動連結具にし、棒付き連結具と孔付き連結具の他方は、先端側部分をタイヤの軸心方向に移動不能にして不動連結具にし、
可動連結具の先端側部分をタイヤの外側面側に移動する力を与える弾性部材を設け、
棒付き連結具と孔付き連結具を連結する時には、可動連結具の先端側部分を弾性部材に抗してタイヤの外側面と反対側に移動して待避させ、可動連結具の先端側部分とタイヤの外側面との間に不動連結具の先端側部分を配置し、可動連結具の先端側部分を弾性部材の弾性力でタイヤの外側面側に移動し、連結棒を連結孔に挿入する構成にし、
棒付き連結具と孔付き連結具を分離する時には、可動連結具の先端側部分を弾性部材に抗してタイヤの外側面と反対側に移動し、連結棒を連結孔から抜き出す構成にしたことを特徴とするタイヤの滑り止め装置。
2.上記のタイヤの滑り止め装置において、
棒付き連結具は連結棒を又は孔付き連結具は連結孔を複数にして前後方向に沿って間隔を置いて配置し、
連結孔に挿入する連結棒又は連結棒を挿入する連結孔を選択することで、棒付き連結具と孔付き連結具の連結長さを調節する構成にしたことを特徴とする。
3.上記のタイヤの滑り止め装置において、
棒付き連結具は連結棒を複数にし、孔付き連結具は連結孔を複数にし、棒付き連結具と孔付き連結具を連結する時に、連結孔とこれに挿入して引っ掛ける連結棒との対を複数にする構成にしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
連結具は、連結分離操作が容易である。また、タイヤの回転による遠心力で分離し難い。
タイヤの滑り止め装置は、タイヤの外径が変化しても、使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態の第1例におけるタイヤの滑り止め装置のタイヤ装着状態の正面図。
【図2】図1中の第1滑り止め体の拡大正面図。
【図3】同第1滑り止め体の拡大平面図。
【図4】図2のA−A線断面拡大図。
【図5】図1中の第1滑り止め体と第2滑り止め体の連結部分の拡大正面図。
【図6】同連結部分の拡大平面図。
【図7】同連結部分の連結具の孔付き連結具の先端側部分がタイヤ外側面と反対側に移動した状態を示す図であり、図7と同様な平面図。
【図8】同連結具の孔付き連結具先端側部分がタイヤ外側面と反対側に移動して孔付き連結具と棒付き連結具が離れた状態を示す図であり、図7と同様な平面図。
【図9】実施形態の第2例における滑り止め装置の連結部分の正面図。
【図10】同連結部分の平面図。
【図11】実施形態の第3例における滑り止め装置の連結部分の正面図。
【図12】同連結部分の平面図。
【図13】実施形態の第4例における滑り止め装置の連結部分の正面図。
【図14】同連結部分の平面図。
【図15】同連結部分の連結具の連結長さを図13におけるのより長くした状態を示す図であり、図13と同様な正面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1例(図1〜図8参照)]
本例のタイヤの滑り止め装置は、自動車のタイヤTに装着した状態を自動車の外側から視た正面図を図1に示す。この滑り止め装置は、第1滑り止め体1a、第2滑り止め体1bと第3滑り止め体1cをタイヤTの周方向に等間隔に連結している。3個の滑り止め体1a〜1c、1は、同一構造にしている。第1滑り止め体1aについて説明する。
【0018】
第1滑り止め体1、1aは、タイヤTの上部に装着した時の姿態で図2と図3に拡大して示す。図2は、自動車の外側から視た正面図である。図3は、上側から視た平面図である。図4は、図2のA−A線断面拡大図である。
【0019】
第1滑り止め体1、1aは、前側のU形状部材2と後側のU形状部材3及び内側の線状部材4を備えている。ここで、前側とは、図1に矢印で示す自動車前進時のタイヤTの正回転方向の前側、図1、図2と図3の第1滑り止め体1aの左側である。後側とは、タイヤTの正回転方向の後側、図1、図2と図3の第1滑り止め体1aの右側である。内側とは、自動車の内部側、図1に破線で示す側である。
【0020】
前側と後側のU形状部材2、3は、図1〜図3に示すように、対称構造にし、丸棒をタイヤTの外周側に嵌め込むU形状に湾曲している。U形状部材2、3は、タイヤTの接地面を横断する横断部2a、3a、タイヤTの外側面に沿う外側部2b、3bと、タイヤTの内側面に沿う内側部2c、3cを有している。前側と後側のU形状部材2、3は、タイヤTに60度位の中心角をなして嵌合する。
【0021】
前側のU形状部材2は、外側部2bをタイヤTの径方向に配置し、外側部2bの端側の部分を前側に折り曲げて突出している。外側部2bの前側突出部分は、タイヤTの周方向に沿って配置している。また、前側のU形状部材2は、内側部2cをタイヤTの径方向に配置し、内側部2cの端側の部分を後側に折り曲げて突出している。内側部2cの後側突出部分は、タイヤTの周方向に沿って配置している。
【0022】
後側のU形状部材3は、外側部3bをタイヤTの径方向に配置し、外側部3bの端側の部分を後側に折り曲げて突出している。外側部3bの後側突出部分は、タイヤTの周方向に沿って配置している。また、後側のU形状部材3は、内側部3cをタイヤTの径方向に配置し、内側部3cの端側の部分を前側に折り曲げて突出している。内側部3cの前側突出部分は、タイヤTの周方向に沿って配置している。
【0023】
内側の線状部材4は、鎖にしている。この鎖4は、複数の板状リンクをピンで回転可能に繋いで紐状にしている。リーフチェーンにしている。
【0024】
前側のU形状部材2は、外側部2bの前側突出部分と内側部2cの後側突出部分に、それぞれ、図1〜図3に示すように、筒形状の当て部材6を嵌合して取り付けている。また、後側のU形状部材3は、外側部3bの後側突出部分と内側部3cの前側突出部分に、それぞれ、筒形状の当て部材6を嵌合して取り付けている。筒形状の当て部材6は、それぞれ、タイヤTの周方向に沿って配置している。当て部材6は、ゴムのような弾性材料製にし、円筒形状にしている。外側の当て部材6の外周面は、タイヤTの外側面に当る構成にしている。内側の当て部材6の外周面は、タイヤTの内側面に当る構成にしている。また、外側の当て部材6と内側の当て部材6は、それぞれ、タイヤTの外側面の内周側、内側面の内周側に当る構成にしている。筒形状の当て部材6は、その軸心の周りに回転可能にしている。
【0025】
内側の線状部材4は、図3と図4に示すように、前端を前側のU形状部材2の内側部2cの端にボルト7、ナット8で取り付けている。また、前端と同様に、後端を後側のU形状部材3の内側部3cの端にボルト7、ナット8で取り付けている。ボルト7は、タイヤTの軸心方向に沿って配置している。
【0026】
前側のU形状部材2の外側部2bは、前端に前側の連結部材11をボルト7、ナット8で取り付けている。後側のU形状部材3の外側部3bは、後端に後側の連結部材12をボルト7、ナット8で取り付けている。前側と後側の連結部材11、12は、それぞれ、タイヤTの軸心方向に沿うボルト7の周りに回転可能にしている。タイヤTの径方向の周りに回転不能にしている。また、鎖の板状リンクにしている。前側の連結部材11は、前端に孔付き連結具21を取り付けている。後側の連結部材12は、後端に棒付き連結具22を取り付けている。孔付き連結具21と棒付き連結具22は、連結可能で分離可能にしている。
【0027】
滑り止め体1は、タイヤTに嵌め込むU形状断面の構造にしている。U形状断面の滑り止め体1は、前側と後側のU形状部材2、3の横断部2a、3aで、タイヤTの接地面を横断する横断部を構成している。前側と後側のU形状部材2、3の外側部2b、3bで、タイヤTの外側面に沿う外側部を構成している。前側と後側のU形状部材2、3の内側部2c、3cと内側の線状部材4で、タイヤTの内側面に沿う内側部を構成している。滑り止め体1の外側部は、タイヤTの周方向の前側と後側に、それぞれ、前側の連結部材11と後側の連結部材12を介して、孔付き連結具21と棒付き連結具22を取り付けている。
【0028】
3個の滑り止め体1a〜1cを連結する孔付き連結具21と棒付き連結具22は、3組になる。3組の連結具21、22は、同一構造にしている。図5と図6は、図1中の第1滑り止め体1aと第2滑り止め体1bの連結部分を水平に配置して示す。その連結部分の孔付き連結具21と棒付き連結具22について、図5〜図8を参照して説明する。
【0029】
孔付き連結具21は、取付端を構成する取付片25に、先端側部分を構成する先端側部材26を軸27でタイヤTの径方向の周りに回転可能に取り付けている。この孔付き連結具21は、先端側部分をタイヤTのほぼ軸心方向に移動可能にして可動連結具にしている。
【0030】
取付片25は、後端の取付端を前側の連結部材11の前端にピン28で取り付けている。ピン28は、タイヤTの軸心方向に沿って配置している。取付片25は、タイヤTの軸心方向の周りに回転可能にしている。タイヤTの径方向の周りに回転不能にしている。先端側部材26は、帯状板をU形状に湾曲し、U形状の両端部分の間に取付片25を配置している。軸27は、先端側部材26の両端部分と取付片25を貫通し、タイヤTの径方向に沿って配置している。先端側部材26は、軸27の周り、タイヤTの径方向の周りに回転可能にしている。先端側部材26は、U形状の内側先端側を連結孔29にしている。連結孔29は、タイヤTの軸心方向に沿って開口している。
【0031】
孔付き連結具21は、先端側部分をタイヤTの外側面側に移動する力を与える弾性部材30を取り付けている。弾性部材30は、ばね線にしている。ばね線30は、中央部を取付片25の表側面、タイヤT外側面と反対側の面に軸27と平行に配置している。ばね線30の両端部分は、それぞれ、軸27の両端部分に巻き付けて先端側部材26の両端部分の表側面、タイヤT外側面と反対側の面に掛け留めている。
【0032】
棒付き連結具22は、帯状板31に連結棒32を固定している。帯状板31は、前端の取付端を後側の連結部材12の後端にピン33で取り付けている。ピン33は、タイヤTの軸心方向に沿って配置している。帯状板31は、タイヤTの軸心方向の周りに回転可能にしている。棒付き連結具22は、帯状板31をタイヤTの径方向の周りに回転不能にし、先端側部分をタイヤTの軸心方向に移動不能にして不動連結具にしている。
【0033】
帯状板31は、先端側部分に連結棒32を表側、タイヤT外側面と反対側に突出している。連結棒32は、タイヤTの軸心方向に沿って配置している。この連結棒32は、複数本にし、帯状板31の長手方向、前後方向に沿って等間隔に配列している。
【0034】
孔付き連結具21と棒付き連結具22を連結する時には、図7と図8に示すように、孔付き連結具21の先端側部分を弾性部材30に抗してタイヤTの外側面と反対側に移動して待避させる。待避状態の孔付き連結具21の先端側部分とタイヤTの外側面との間には、図7に示すように、棒付き連結具22の先端側部分を配置する。次に、孔付き連結具の先端側部分26は、弾性部材30の弾性力で待避位置からタイヤTの外側面側に移動する。すると、図5と図6に示すように、孔付き連結具の連結孔29に棒付き連結具の連結棒32が挿入して引っ掛かる。孔付き連結具21と棒付き連結具22が連結する。なお、連結孔29に複数の連結棒32が挿入したときは、棒付き連結具22の取付端に最も近い位置の連結棒32が連結孔29に引っ掛かる。
【0035】
孔付き連結具の連結孔29に棒付き連結具の連結棒32を挿入する際、図5と図6に示すように、棒付き連結具22の取付端に近い位置の連結棒32を連結孔29に挿入して引っ掛けると、孔付き連結具21と棒付き連結具22の連結長さが短くなる。逆に、棒付き連結具22の先端に近い位置の連結棒32を連結孔29に挿入して引っ掛けると、孔付き連結具21と棒付き連結具22の連結長さが長くなる。連結孔29に挿入して引っ掛ける連結棒32は、タイヤTの外径ないし外周長さに合わせて選択する。
【0036】
孔付き連結具21と棒付き連結具22を分離する時には、図7に示すように、孔付き連結具21の先端側部分を弾性部材30に抗してタイヤTの外側面と反対側に移動する。すると、孔付き連結具の連結孔29から棒付き連結具の連結棒32が抜け出る。孔付き連結具21と棒付き連結具22が分離する。
【0037】
[第2例(図9と図10参照)]
本例のタイヤの滑り止め装置は、第1例における孔付き連結具21の構造を変更している。
孔付き連結具21は、第1例における先端側部材26と軸27を一体化したような構造の先端側部材36にしている。先端側部材36は、図9と図10に示すように、1本の丸棒で構成している。丸棒は、U形状に湾曲し、U形状の両端部分を内側に折り曲げて軸27にし取付片25の軸孔に挿入している。先端側部材36は、その軸27の周り、タイヤTの径方向の周りに回転可能に取付片25に取り付けている。
【0038】
この孔付き連結具21は、先端側部分をタイヤTのほぼ軸心方向に移動可能にして可動連結具にしている。また、先端側部分をタイヤTの外側面側に移動する力を与える弾性部材30を第1例におけるのと同様に取り付けている。なお、丸棒の先端側部材36は、U形状の内側先端側を連結孔29にしている。連結孔29は、タイヤTの軸心方向に沿って開口している。
その他の点は、第1例におけるのと同様である。第1例におけるのと同様な部分には、図中、第1例におけるのと同一の符号を付ける。
【0039】
[第3例(図11と図12参照)]
本例のタイヤの滑り止め装置は、第1例、第2例における連結具の可動連結具と不動連結具を換えている。
第2例における可動連結具の孔付き連結具21は、可動連結具の棒付き連結具41にしている。第2例における不動連結具の棒付き連結具22は、不動連結具の孔付き連結具42にしている。
【0040】
可動連結具の棒付き連結具41は、取付片25に先端側部材36を軸27でタイヤTの径方向の周りに回転可能に取り付けている。先端側部分は、タイヤTのほぼ軸心方向に移動可能にしている。先端側部材36は、先端側部分に連結棒32を裏側、タイヤTの外側面側に突出して固定している。連結棒32は、タイヤTの軸心方向に沿って配置している。この連結棒32は、複数本にし、先端側部材36の長手方向、前後方向に沿って等間隔に配列している。先端側部分をタイヤTの外側面側に移動する力を与える弾性部材30を第2例におけるのと同様に取り付けている。
【0041】
不動連結具の棒付き連結具42は、タイヤTの径方向の周りに回転不能な帯状板31に連結孔29をタイヤTの軸心方向に沿って貫通している。連結孔29は、帯状板31の長手方向、前後方向に沿って長くしている。
その他の点は、第2例におけるのと同様である。第2例におけるのと同様な部分には、図中、第2例におけるのと同一の符号を付ける。
【0042】
[第4例(図13〜図15参照)]
本例のタイヤの滑り止め装置は、第1例における連結具の連結時の連結孔とこれに挿入して引っ掛ける連結棒との対を複数にしている。
第1例における可動連結具の孔付き連結具21は、タイヤTのほぼ軸心方向に移動可能な先端側部材46の先端側部分をコの字形の横断面形状にしている。先端側部材46の先端側部分は、連結孔47をタイヤTの軸心方向に沿って貫通している。連結孔47は、複数にし、先端側部材46の長手方向、前後方向に沿って等間隔に配列している。
【0043】
第1例における不動連結具の棒付き連結具22は、タイヤTの軸心方向に移動不能な帯状板31の先端側部分に連結棒32をタイヤTの軸心方向に沿って表側、タイヤT外側面と反対側に突出して固定している。連結棒32は、複数にし、帯状板31の長手方向、前後方向に沿って等間隔に配列している。
連結孔47と連結棒32は、個数と配列ピッチを同一にしている。
【0044】
孔付き連結具21の先端に最も近い位置の連結孔47に、棒付き連結具22の取付端に最も近い位置の連結棒32を挿入して引っ掛けると、図13と図14に示すように、すべての連結孔47にそれぞれ連結棒32が挿入して引っ掛かる。
孔付き連結具21の先端に最も近い位置の連結孔47に、棒付き連結具22の取付端に2番目に近い位置の連結棒32を挿入して引っ掛けると、図15に示すように、孔付き連結具21の取付端に最も近い位置の連結孔47以外のすべての連結孔47にそれぞれ連結棒32が挿入して引っ掛かる。
【0045】
連結孔47とこれに挿入して引っ掛ける連結棒32との対が複数になると、孔付き連結具21と棒付き連結具22は、連結が強固になる。その上、連結時に、連結孔47とこれに挿入して引っ掛けた連結棒32の位置で折れ曲がらず、直線状を維持する。
【0046】
[変形例]
上記の実施形態において、可動連結具21、41は、前側のU形状部材2の外側部2b又は後側のU形状部材3の外側部3bに、前側の連結部材11又は後側の連結部材12を介して取り付けているが、前側の連結部材11又は後側の連結部材12をなくし、直接取り付ける。
また、不動連結具22、42は、後側のU形状部材3の外側部3b又は前側のU形状部材2の外側部2bに、後側の連結部材12又は前側の連結部材11を介して取り付けているが、後側の連結部材12又は前側の連結部材11をなくし、直接取り付ける。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明のタイヤの滑り止め装置は、小型、中型、大型の乗用自動車や貨物自動車などの各種の自動車に使用される。
【符号の説明】
【0048】
T 自動車のタイヤ
1、1a〜1c 滑り止め体
1a 第1滑り止め体
1b 第2滑り止め体
1c 第3滑り止め体
2 前側のU形状部材
2a 横断部
2b 外側部
2c 内側部
3 後側のU形状部材
3a 横断部
3b 外側部
3c 内側部
4 内側の線状部材
2a、3a 滑り止め体の横断部
2b、3b 滑り止め体の外側部
2c、3c、4 滑り止め体の内側部
6 当て部材、外側の当て部材、内側の当て部材
7 ボルト
8 ナット
11 前側の連結部材
12 後側の連結部材
21、22 連結具
21 孔付き連結具、可動連結具
22 棒付き連結具、不動連結具
25 取付片
26 先端側部材
27 軸
28 ピン
29 連結孔
30 弾性部材、ばね線
31 帯状板
32 連結棒
33 ピン
36 先端側部材
41 棒付き連結具、可動連結具
42 孔付き連結具、不動連結具
46 先端側部材
47 連結孔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
滑り止め体は、自動車のタイヤに嵌め込んで数個をタイヤの全周にほぼ等間隔に配列し、各滑り止め体はそれぞれ隣の滑り止め体に連結する構成にし、
滑り止め体は、自動車前進時のタイヤ回転方向の前側のU形状部材と後側のU形状部材、及び、タイヤの内側面に沿う内側の線状部材を備え、前側のU形状部材と後側のU形状部材は、タイヤの接地面を横断する横断部、タイヤの外側面に沿う外側部と、タイヤの内側面に沿う内側部を有し、内側部同士を内側の線状部材で連結し、
滑り止め体の外側部は、タイヤの周方向の前側と後側にそれぞれ連結具を取り付け、滑り止め体の後側の連結具と後隣の滑り止め体の前側の連結具を分離可能に連結する構成にした滑り止め装置において、
連結具は、棒付き連結具と孔付き連結具にし、
棒付き連結具は取付端を滑り止め体の外側部の前側と後側の一方に取り付け、孔付き連結具は取付端を滑り止め体の外側部の前側と後側の他方に取り付け、
棒付き連結具は、先端側部分に連結棒を設け、連結棒をタイヤの軸心方向に沿って配置し、孔付き連結具は、先端側部分に連結孔を設け、連結孔をタイヤの軸心方向に沿って開口し、
棒付き連結具と孔付き連結具の一方は、先端側部分をタイヤのほぼ軸心方向に移動可能にして可動連結具にし、棒付き連結具と孔付き連結具の他方は、先端側部分をタイヤの軸心方向に移動不能にして不動連結具にし、
可動連結具の先端側部分をタイヤの外側面側に移動する力を与える弾性部材を設け、
棒付き連結具と孔付き連結具を連結する時には、可動連結具の先端側部分を弾性部材に抗してタイヤの外側面と反対側に移動して待避させ、可動連結具の先端側部分とタイヤの外側面との間に不動連結具の先端側部分を配置し、可動連結具の先端側部分を弾性部材の弾性力でタイヤの外側面側に移動し、連結棒を連結孔に挿入する構成にし、
棒付き連結具と孔付き連結具を分離する時には、可動連結具の先端側部分を弾性部材に抗してタイヤの外側面と反対側に移動し、連結棒を連結孔から抜き出す構成にしたことを特徴とするタイヤの滑り止め装置。
【請求項2】
棒付き連結具は連結棒を又は孔付き連結具は連結孔を複数にして前後方向に沿って間隔を置いて配置し、
連結孔に挿入する連結棒又は連結棒を挿入する連結孔を選択することで、棒付き連結具と孔付き連結具の連結長さを調節する構成にしたことを特徴とする請求項1に記載のタイヤの滑り止め装置。
【請求項3】
棒付き連結具は連結棒を複数にし、孔付き連結具は連結孔を複数にし、棒付き連結具と孔付き連結具を連結する時に、連結孔とこれに挿入して引っ掛ける連結棒との対を複数にする構成にしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤの滑り止め装置。
【請求項1】
滑り止め体は、自動車のタイヤに嵌め込んで数個をタイヤの全周にほぼ等間隔に配列し、各滑り止め体はそれぞれ隣の滑り止め体に連結する構成にし、
滑り止め体は、自動車前進時のタイヤ回転方向の前側のU形状部材と後側のU形状部材、及び、タイヤの内側面に沿う内側の線状部材を備え、前側のU形状部材と後側のU形状部材は、タイヤの接地面を横断する横断部、タイヤの外側面に沿う外側部と、タイヤの内側面に沿う内側部を有し、内側部同士を内側の線状部材で連結し、
滑り止め体の外側部は、タイヤの周方向の前側と後側にそれぞれ連結具を取り付け、滑り止め体の後側の連結具と後隣の滑り止め体の前側の連結具を分離可能に連結する構成にした滑り止め装置において、
連結具は、棒付き連結具と孔付き連結具にし、
棒付き連結具は取付端を滑り止め体の外側部の前側と後側の一方に取り付け、孔付き連結具は取付端を滑り止め体の外側部の前側と後側の他方に取り付け、
棒付き連結具は、先端側部分に連結棒を設け、連結棒をタイヤの軸心方向に沿って配置し、孔付き連結具は、先端側部分に連結孔を設け、連結孔をタイヤの軸心方向に沿って開口し、
棒付き連結具と孔付き連結具の一方は、先端側部分をタイヤのほぼ軸心方向に移動可能にして可動連結具にし、棒付き連結具と孔付き連結具の他方は、先端側部分をタイヤの軸心方向に移動不能にして不動連結具にし、
可動連結具の先端側部分をタイヤの外側面側に移動する力を与える弾性部材を設け、
棒付き連結具と孔付き連結具を連結する時には、可動連結具の先端側部分を弾性部材に抗してタイヤの外側面と反対側に移動して待避させ、可動連結具の先端側部分とタイヤの外側面との間に不動連結具の先端側部分を配置し、可動連結具の先端側部分を弾性部材の弾性力でタイヤの外側面側に移動し、連結棒を連結孔に挿入する構成にし、
棒付き連結具と孔付き連結具を分離する時には、可動連結具の先端側部分を弾性部材に抗してタイヤの外側面と反対側に移動し、連結棒を連結孔から抜き出す構成にしたことを特徴とするタイヤの滑り止め装置。
【請求項2】
棒付き連結具は連結棒を又は孔付き連結具は連結孔を複数にして前後方向に沿って間隔を置いて配置し、
連結孔に挿入する連結棒又は連結棒を挿入する連結孔を選択することで、棒付き連結具と孔付き連結具の連結長さを調節する構成にしたことを特徴とする請求項1に記載のタイヤの滑り止め装置。
【請求項3】
棒付き連結具は連結棒を複数にし、孔付き連結具は連結孔を複数にし、棒付き連結具と孔付き連結具を連結する時に、連結孔とこれに挿入して引っ掛ける連結棒との対を複数にする構成にしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤの滑り止め装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−218572(P2012−218572A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86189(P2011−86189)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(599038433)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(599038433)
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