説明

タイヤ交換受台

【課題】容易,且つ安全にタイヤ交換が可能なタイヤ交換受け台を提供する。
【解決手段】一対のローラ36を備える載置部30を,支持部20に設けた間欠回転停止機構を備えるカム軸25に挿着したカム板26により,回動自在に支持部20上に装着する。上向きコ字状の前記支持部20に設けた載置部にタイヤを回転自在に保持する前記一対のローラと,タイヤがこのローラを介して連続して転動する上面34,34’を備え,前記支持部に前記載置部の他端側を回動自在に連結し,前記カム軸には,前記載置部30の一端側の上面34の裏面に摺接して前記載置部の一端側を昇降させるカム26を設ける。また,支持部の両端側にタイヤを転動させる傾斜面24,24’を形成しこの傾斜面に連続して,前記上面及びローラ上をタイヤが転動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,自動車タイヤの交換作業の安全容易化を図ったタイヤ交換受台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のタイヤ交換作業を,実施形態を示す図1を参照して説明すると,タイヤTの交換は,先ず,ホイールW上でハブボルト13に螺合されているホイールナット11をある程度緩め,車体19をジャッキJで押し上げてタイヤTを浮かし,ホイールナット11を外してから,タイヤTを手で持ち抱えて取り外す。
【0003】
タイヤTの取り付けは,タイヤを持ち抱え上げながらハブボルト13にボルト孔12を合わせ,タイヤを押し込み,ホイールナット11を仮締めし,ジャッキJを回転して車体19を下降させ,ホイールナット11を適正に締め付けて終了する。
【0004】
上述の如くタイヤの交換は,重いタイヤを直接手で持ち抱え上げながらの不安定な作業であり,安全性だけでなく,衣服の汚れ等にも問題があった。
【0005】
従来,その解決策として,昇降機構を備えたタイヤ交換補助具(例えば,特許文献1参照),或いはキャスター付きのタイヤ交換補助台(例えば,特許文献2参照)等々が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−64615号公報
【特許文献2】特開2007−1557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1及び2記載の補助具にあっては,結局,タイヤを手で支えて持ち上げ,ローラないしパイプ上に載置せねばならず,ジャッキにより車体を浮かせて行う,従来のタイヤ交換作業と同様,重量からくる疲労,衣服の汚れ,安全性など多くの点に問題があった。
【0008】
本発明は,このような従来煩雑な作業を強いられたタイヤ交換作業の問題点を解決しようとするものであり,衣服を汚すことなく,小さな力で,容易に,そして安全に,タイヤ交換作業を行うことを可能としたタイヤ交換受け台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下に,課題を解決するための手段を,発明を実施するための形態を参照し,そこで使用する符号と共に記載する。下記記載は,符号を含め,特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態の記載との対応を明らかにするためのものであり,言うまでもなく,本願発明の特許請求の範囲の技術的範囲の解釈に制限的に用いられるものではない。
【0010】
上記課題を解決するために本発明のタイヤ交換受台10は,
支持部20と,該支持部上に配置される載置部30とから成り,上向きコ字状の前記支持部20にカム軸25を有し,
前記載置部30は,タイヤを回転自在に保持する一対のローラ36,36’と,タイヤTがそれぞれ前記ローラ36,36’に連続して転動される上面34,34’を備えると共に,
前記支持部に,実施形態では,前記載置部の他端側の上面34’を回動自在に連結され,前記支持部のカム軸25は,正逆転方向に間欠回転し所望の回転位置で停止する機構から成る間欠回転停止機構40を備え,前記載置部30の一端側の上面34の裏面に摺接して前記載置部の一端側を昇降させるカム26を設けたことを特徴とする(請求項1)。
【0011】
また,前記支持部20の両端側の壁部22,22’の少なくとも一方に,タイヤTを転動させる傾斜面24(,及び/又は24’)を備え,前記載置部30には,タイヤTがそれぞれ前記ローラ36,36’及び上面34,34’を介して前記支持部の傾斜面24,24’の少なくともいずれか一方と連続して転動されることを特徴とする(請求項2)。
【0012】
また,本願発明の請求項3〜7に係る発明は,所定の剛性を有する支持部20と,載置部30から成り,
前記支持部20は,方形板体の略水平の底面21の両端を垂直に立ち上げて形成される壁部22,22’と,該壁部の同一高さに位置する上端縁23,23’から前記ローラ36,36’の軸直交方向外方にそれぞれ傾斜する傾斜面24,24’を対称に形成し,前記一の壁部22に近接してカム26を固着したカム軸25の両軸端側を軸受27,27’により軸承する。そして,前記カム軸の軸端は,間欠回転停止機構40のソケットに連結されている(請求項3)。
【0013】
そして,前記載置部30は,載置部30の底面33の一端から,前記カム板26の回動許容位置において上方に立ち上げて形成した一方の壁部31と,この壁部31を前記支持部20の壁部22,22’の上端縁23,23’と略同一高さで略直角に前記壁部の上端縁23,23’方向に折曲して形成した上面34を有し,前記載置部30の底面33の他端は,前記一方の壁部31に連続する上面34と略同一幅の上面34’に連続する他方の壁部31’を立ち上げる(請求項4)。前記上面34,34’の端縁は,前記支持部20の壁部22,22’に沿って,下端が前記支持部20の底面21に延び,もしくは該底面に当接する折曲片341,341’を備える(請求項5)。
【0014】
そして,実施形態では,前記支持部20の他方の上端縁23’に前記載置部30の他方の折曲片341’の上端縁を回動自在に連結する。前記載置部30の載置部底面33には,前記壁部31,31’に近接してこれらと平行にタイヤが載置される二のローラ36,36’を二対の軸受37,37’にそれぞれ軸承している。
【0015】
加えて,前記支持部20の底面21に,前記ローラの軸方向に突出する取手201を設けることができる(請求項6)。
【0016】
さらに,前記支持部20の底面21の裏面に,全体に薄い盃状,盆状あるいは偶角部に複数の円盤の膨出部28を形成することができる(請求項7)。
【0017】
さらに,前記軸受は,複数の軸受凹部371,371’をそれぞれ形成した対を成す軸受板370,370’を前記壁部31,31’及び底面33幅方向両端縁に任意幅にそれぞれ,又は一方の壁部31又は31’に固着して形成することができる(請求項8)。
【発明の効果】
【0018】
上記構成により,本発明のタイヤ交換受台10は,傾斜面24,24’を設けた場合は,これにより支持部20から載置部30のローラ36,36’までの高さを,これを設けない場合に比して,さらに,低く押さえることが可能となるため,タイヤ交換のための車体のジャッキアップ量及び本発明の載置部30の昇降距離も少なくてよく,その結果低い位置で安全なタイヤ交換作業が出来る。
【0019】
また,タイヤ交換受台10へのタイヤの載せ降ろしも,それぞれ,載置部30のローラ36,36’を介して上面34,34’を転動させることにより容易に,また,支持部20両端側の傾斜面24,24’のいずれか一方又は双方がある場合はさらに,容易且つ円滑に行うことが出来る。
【0020】
さらに,車体昇降用のジャッキに頼ることなく,間欠回転停止機構40を有するカム軸の駆動によるカムの回転運動により,ジャッキアップされたタイヤのハブボルト13に対する微小な昇降位置決めを前記ローラの回転と共に,迅速,簡単に可能とする。
【0021】
又,支持部20の底面21の裏面に膨出部28を設ければ,キャスターに依らず,受台10全体を,ジャッキアップ量を少なくすることに寄与する全高の低い構成にできると共に,抵抗なくより円滑に地上を摺動させ,例えば,支持部20に設けた取手201にてローラ36,36’上に載置した重いタイヤを軽く移動させることが出来る。
【0022】
以上の一連の操作により,従来最も厄介なハブボルト13ヘのボルト孔12の位置決め,嵌め合わせ作業も簡単に行うことが出来る。
【0023】
依って,本発明のタイヤ交換受台によれば,上述した各機能の連動作用により,タイヤの交換作業を,衣服を汚すことなく,小さな力で,容易かつ,安全に行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係るタイヤ交換受台の一実施形態を示す斜視図で、載置部30の同図紙面下方の上面34近傍を一部切欠いて示している。
【図2】本発明に係るタイヤ交換受台の載置部を下降した原位置の状態を示す斜視図である。
【図3】(A)本発明に係るタイヤ交換受台の載置部を上昇した状態を示す部分斜視図である。同図(B)は,ローラの軸受の他の実施形態を示す。
【図4】(A)は,本発明に係るタイヤ交換受台の一部縦断面図で,同図(A)は,載置部を下降させた状態,同図(B)は,載置部を上昇した状態を示す。
【図5】本発明に係るタイヤ交換受台の支持部底面の裏面からの膨出部他の構成を示す,間欠回転停止機構を省略した図で,同図(A)は,裏面からの斜視図,同図(B)は,底面図,同図(C)は,同図(B)C−C線断面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下,本発明の実施の一形態の詳細を添付図面に基づいて説明する。
【0026】
図1〜図5において,本発明に係るタイヤ交換受台10の全体構成は,所定の剛性を有する金属製の支持部20と,載置部30から構成される。
【0027】
前記支持部20は,その両端側に形成されタイヤTを転動させる傾斜面24,24’と,前記支持部に配置され,後述載置部の一端側の上面34の裏面に摺接して,載置部の一端側を昇降させるカム例えば,円板カムなどのカム26を備えるカム軸25と,前記載置部30の底面33の長手方向両端に平行に配置されタイヤを回転自在に保持する一対のローラ36,36’と,タイヤTが前記支持部20の傾斜面24,24’に連続して転動される上面34,34’を備えている。すなわち,タイヤTは,例えば,傾斜面24から上面34,ローラ36〜36’から上面34’そして傾斜面24’と転動させる。
【0028】
なお,前記傾斜面24,24’は,本願発明において支持部20の底面21から載置部30上のローラまでの移動を大きな力を加えずに,距離を極めて低く構成することができるが,作業現場の床あるいは地上から載置部30の上面34までの高さは,タイヤが転動して容易に載置されることができる高さであり,この傾斜面24,24’は,いずれか一方のみを設け,あるいは両者を設けないなど,必須のものではない。
【0029】
図示の実施形態では,前記支持部20は,全体として,上向きコ字状の鋼板の両上端縁23,23’から相互に反対方向へ,底面21まで傾斜して両傾斜面24,24’を形成している。
【0030】
すなわち,前記支持部20の略水平の底面21の両端を垂直に立ち上げて形成される壁部22,22’と,該壁部の同一高さに位置する上端縁23,23’から前記ローラの軸直交方向外方にそれぞれ傾斜する傾斜面24,24’を対称に形成している。そして,一方の傾斜面24側の底面21より垂直に立ち上がる壁部22の内側にカム軸25を,両軸端側を軸受27,27’により支持している。
【0031】
また,カム軸25の軸端部は,間欠回転停止機構40に連結されている。この機構40は,実施形態では,正逆転方向に間欠回転し,所望の回転位置で停止するラチェット機構から成る。
【0032】
これに限定されるわけではないが,実施形態では,図1〜3に示すように,両口ソケット41を有するラチェットレンチ,所謂両口ラチェットレンチの切換爪ないしは切換ピン42迄の機構部分(本願明細書において,「間欠回転停止機構」ないし「ラチェット機構」という)を,直方体状のブラケット43の側辺に溶接等で固着し,このブラケット43の上辺を前記傾斜面24の裏面に溶接等で固着している。
【0033】
両口ソケット41のカム軸側41’には,カム軸25の先端を6角形等に加工し挿着している。
【0034】
なお,前記間欠回転停止機構40は,本実施形態では,如上のように,傾斜面24の裏面に設けたブラケット43に固着する構成としたが,支持部20の壁部22に,傾斜面24を連続形成しないときは,ブラケットを傾斜面24裏面に固着できないため,図示は省略するが,ラチェット機構40すなわち,両口ソケット41を有する両口ラチェットレンチの切換爪42の部分迄を,図3(A)においてカム軸を中心に反時計回り方向に180°回転させ,同図紙面右下方,支持部20の底面21の,載置部30の上面34下方の空間で他部材に干渉しない位置に,ブラケット43を固着し,これに取り付けることも出来る。ラチェット機構における切換爪等42は,他端が同図裏面側にも突出しているので,操作に支障は来さない。
【0035】
前記載置部30は,全体として,前記支持部20の壁部22,22’間に装着され,上向きコ字状を成す鋼板の底面33の両端側に前記上面34,34’が形成される。前記底面33の他方には,この底面と一体の下向きコ字状を形成する他方の壁部31’,上面34’,折曲片341’が形成され,底面33の一方には,一方の壁部31から一体の,一方の壁部31,上面34及び必要に応じて折曲片341から成る。
【0036】
すなわち,前記載置部30の底面33の他端から,前記支持部20の壁部22’と平行に立ち上げた壁部31’を前記支持部20の壁部22’の上端縁23’と同一高さで,この上端縁方向に折曲して,他方の上面34’を形成している。そして,実施形態においては,前記他方の上面34’の端縁を前記支持部20の壁部22’に近接して平行に折曲して形成した折曲片341’の下端を支持部20の底面21方向に延長している(図5(C))。なお,折曲片341’の下端を支持部底面21に当接しても良い。
【0037】
一方,前記載置部30の底面33の一端から,前記カム板26の回動許容位置において上方に立ち上げて形成した一方の壁部31と,この壁部31を前記支持部20の壁部22の上端縁23と略同一高さで略直角に前記壁部の上端縁23方向に折曲して形成した一方の上面34を形成している。さらに,前記上面34の端縁で長手方向の中央部分を前記支持部20の一方の壁部22に近接して平行に折曲した折曲片341を形成し,下端を支持部20の底面21に延び又は当接している(図2)。これは,後述カム板26の取付部や,カム軸25の軸受27(,27’)に干渉しないためであり,前記載置部30の一方の上面34の幅を,その長手方向端縁が前記支持部20の一方の壁部22の上端縁23に載置係止される幅に形成することにより,前記折曲片341を省略することも出来る。
【0038】
折曲片341’については,上面34’の端縁に設けた連結部35により,前記支持部20の他方の壁部22’の上端縁23’に連結して,折曲片341’を省略しても良い。すなわち,前記壁部22’の上端縁23’に,前記載置部30の上面34’の前記端縁又は折曲片341’の上端縁を,蝶番等から成る連結部35を介して連結することにより載置部30を支持部20に対して回動自在に連結する。
【0039】
また,前記載置部30の底面33には,タイヤが載置される二のローラ36,36’を前記壁部31,31’に平行に,前記壁部に固着した軸受37,37’に軸承している。
【0040】
この軸受は,図3(B)に示すように,所定間隔で,複数の軸受凹部371,371’をそれぞれ形成した軸受板370,370’を前記壁部31,31’及び底面33幅方向両端縁に任意幅にそれぞれ,一対ずつ,又は一方の壁部31又は31’に,前記軸受37(及び/又は37’)と同様に固着し,前記複数の軸受凹部371,371’にローラ36,36’のいずれか又は双方の軸を軸承することもできる。これにより,タイヤサイズの異なるタイヤ交換に際してローラ36,36’間の間隔を調整できる。
【0041】
前記カム板26は,原節が卵形等の円板カムを偏心軸承しており,前記カム軸25の軸端部は,間欠回転停止機構40の一方向への回転により,回転して前記載置部30の一方の上面34の裏面にカム板26の凸部が押圧して,載置部30を前記他方の上面34’の連結部35を支点として,一方の上面34を昇降させる。
【0042】
先ずタイヤTの取り外し作業は,始めに全てのホイールナット11をある程度緩める。
【0043】
次に,載置部30を下降した原位置の状態(図2,図4(A))の本発明のタイヤ交換受台10を,タイヤTの下に挿入出来る高さまで,車体19をジャッキJにてジャッキアップして,本発明のタイヤ交換受台10をタイヤTの下に矢印A(図1)に沿って,取手201を手で把持して支持部20の底面21裏面を地面に対して摺動して移動する。
【0044】
このとき,支持部20の底面21の裏面に膨出部28,例えば,底面21の裏面中央から裏面方向へ,薄い,例えば,約5mm以下の厚さで上下逆の,盃状,盆状ないしは有底箱状に全体的に略同一の高さで(図4),あるいは,円弧の一部である膨出形状に形成し,又は,支持部20の底面の裏面の偶角部近傍の4カ所に円盤状の膨出部28を形成することにより(図5),前記支持部20の摺動が円滑となり,タイヤ下方からの取り出し及び下方への移動,配置が容易である。
【0045】
本発明に係るタイヤ交換受台10の載置部30を上昇した状態を示す部分斜視図及び一部縦断面図である図3(A)及び図4(B)において,載置部の昇降は2枚のカム板26,26にて行われていることを示している。
【0046】
カム軸25の先端の間欠回転停止機構40のソケット41に6角レンチなどのレンチHを挿着して回転し,載置部30は,該載置部30の一方の上面34側を上昇移動させて,タイヤTを前記ローラ36,36’上で支持し,全てのホイールナット11を緩めて取り外す。そして,タイヤTを一方の手で支えながら他方の手で取手201を把持して前記ローラ36,36’上のタイヤTを矢印Bに沿って引き出した後,載置部30の他方の上面34’を転動させて,支持部20の他方の傾斜面24’上を転動させながら地上におろす。
【0047】
図2及び図4(A)は,本発明に係るタイヤ交換受台10の載置部30を下降した状態を示す斜視図及び一部縦断面図である。
【0048】
交換タイヤの取り付け作業は,間欠回転停止機構40の切換爪等42で回転方向を切換え,レンチを回転させて,載置部30の一方の上面34を下降する。取手201を把持して,ジャッキアップされた車体19のホイールナット下方近傍に移動する。そして,タイヤ交換受台10の支持部20の傾斜面24を介してあるいは直接,載置部30の一方の上面34を経てタイヤTをローラ36,36’上に載せ,タイヤTを一方の手で支えながら他方の手で取手201によりホイールナット下方に移動する。
【0049】
次に,間欠回転停止機構40の回転方向を切換え,本発明のタイヤ交換受台10のローラ36,36’に載せたタイヤTを,レンチHを回転して上昇させ,ボルト孔12をハブボルト13に合わせる。そして,本発明のタイヤ交換受台10を矢印Aに沿って押進して,ハブボルト13にボルト孔12を嵌め合わせる。
【0050】
次に,全てのホイールナット11を順次仮締めして,間欠回転停止機構40の回転方向を切換え,ローラ36,36’上のタイヤTを,レンチHを回転して載置部30を下降させ,ついで,取手201により矢印Bに沿ってタイヤ交換受台10を抜き取る。
【0051】
そしてジャッキJにより,タイヤ従って,車体19を着地させて全てのホイールナット11を適正に締め付ける。
【0052】
尚,図示は省略するが,載置部30に装着したローラ36及び/又は36’の一方の軸先端を6角形などに形成し,該部をソケットレンチ挿着部とし,タイヤ交換作業時にローラ36,36’の回転を制御したい事態が生じた場合にレンチHを使用できるようにするものである。
【符号の説明】
【0053】
10 タイヤ交換受台
11 ホイールナット
12 ボルト孔
13 ハブボルト
19 車体
20 支持部
201 取手
21 底面
22,22’ 壁部
23,23’ 上端縁
24,24’ 傾斜面
25 カム軸
26,26 カム(板)
27,27’ 軸受(カム軸25の)
28 膨出部
30 載置部
33 底面(載置部30の)
31,31’ 壁部(載置部30の)
34,34’ 上面(載置部30の)
341,341’ 折曲片
35 連結部
36,36’ ローラ
37,37’ 軸受(ローラ36,36’の)
370,370’ 軸受板
371,371’ 軸受凹部
40 間欠回転停止機構
41 ソケット
41’ ソケットのカム軸側
42 切換爪(ピン)
43 ブラケット
W ホイール
H レンチ
T タイヤ
J ジャッキ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持部と,該支持部上に配置される載置部とから成り,
上向きコ字状の前記支持部にカム軸を有し,
前記載置部は,タイヤを回転自在に保持する一対のローラと,タイヤがそれぞれ前記ローラを介して連続して転動する上面を備えると共に,
前記支持部に,前記載置部の他端側を回動自在に連結され,前記カム軸に,前記載置部の一端側の上面の裏面に摺接して前記載置部の一端側を昇降させるカムを設けたことを特徴とするタイヤ交換受台。
【請求項2】
前記支持部の両端側の少なくともいずれか一方にタイヤを転動させる傾斜面を形成し,前記載置部の上面を介して前記一対のローラと,前記傾斜面に連続してタイヤを転動可能に設けたことを特徴とする請求項1記載のタイヤ交換受台。
【請求項3】
前記支持部は,底面の両端を垂直に立ち上げて形成される壁部と,該壁部の同一高さに位置する上端縁から前記ローラの軸直交方向外方にそれぞれ対称に形成された傾斜面を有し,前記一方の壁部に近接してカム板を固着したカム軸を軸承し,該カム軸の軸端を間欠回転停止機構に連結すると共に,
前記載置部は,載置部底面の一端から立ち上げて形成した一方の壁部と,この壁部を前記支持部の壁部上端縁方向に折曲して形成した上面を有し,前記載置部底面の他端は,前記一方の壁部に連続する上面と略同一平面に位置する上面に連続する壁部を立ち上げ,さらに,前記壁部に近接してタイヤが載置される二のローラを軸承し,
前記支持部に前記載置部の上面を回動自在に連結したことを特徴とする請求項2記載のタイヤ交換受台。
【請求項4】
前記載置部は,載置部底面の一端から,前記カム板の回動許容位置において上方に立ち上げて形成した一方の壁部と,この壁部を前記支持部の壁部の上端縁と略同一高さで略直角に前記壁部の上端縁方向に折曲して形成した上面を有し,前記載置部底面の他端は,前記一方の壁部に連続する上面と略同一平面に位置する上面に連続する壁部を立ち上げ,さらに,前記壁部に近接してこれらと平行にタイヤが載置される二のローラを軸受に軸承し,
前記支持部の上端縁に前記載置部の上面の端縁を回動自在に連結したことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載のタイヤ交換受台。
【請求項5】
前記載置部の上面の端縁は,それぞれ,前記支持部の壁部に沿って,下端が前記支持部の底面に延び又は前記底面に当接する折曲片を備えることを特徴とする請求項請求項1〜4いずれか1項記載のタイヤ交換受台。
【請求項6】
前記支持部の底面に,前記ローラの軸方向に突出する取手を設けたことを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載のタイヤ交換受台。
【請求項7】
前記支持部の底面の裏面に膨出部を形成したことを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載のタイヤ交換受台。
【請求項8】
前記載置部の軸受は,複数の軸受凹部をそれぞれ形成した対を成す軸受板を前記壁部及び底面幅方向両端縁に,任意幅で,それぞれ,又は一方の壁部に固着したことを特徴とする請求項4記載のタイヤ交換受台。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−106725(P2012−106725A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234043(P2011−234043)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(710012014)