説明

タイヤ交換補助装置

【課題】 タイヤを手で持ち上げ保持することなく、また、装置のどの部位も上下に移動させることなく、簡単にかつ安全で短時間にタイヤ交換脱着作業を行う。
【解決手段】 2つのローラー12a、12b間の距離は、ピニオン6とラック2、及びピニオンに噛み合う爪8により調節され、装置のどの部位も上下に移動することなく、2つのローラーに垂直に立てられたタイヤを上下に移動させる事ができる。また、タイヤはタイヤホイール軸を中心にローラー上で回転できるため、タイヤホイール穴と車体側取付ボルトの位置関係を一致させることができる。
キャスター13は装置全体が床上を自由に移動でき、かつ2つのローラー支持台3、5間の距離を円滑に調節するためのものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車タイヤの交換補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タイヤの交換に際しては、タイヤホイールの穴と車体側取付けボルトの位置を合わせる為に、タイヤを載せた装置の一部を上下に移動させるか、または交換補助装置に載せられたタイヤのホイール穴に、車体を上下に移動して調整するものである。
【0003】
なお、本願発明に関連する公知技術として次の特許文献1及び特許文献2を挙げることが出来る。
【0004】
【特許文献1】 特開2005ー219701
【特許文献2】 特開2007−001557
【発明の開示】

【本発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の如く、従来技術のタイヤ交換装置(以下、装置という)は、重量物であるタイヤの昇降と保持の為に装置の1部を上下に移動させるか、または車体を上下に移動させることにより、車体側取付けボルトと装置上のタイヤホイールの穴を合わせ、挿通するものである。従って装置の部品数が多く構造が複雑となり、コンパクト性が失われるか、又は大きな労力を要し、安全かつ迅速性に乏しいものである。
【0006】
本発明は、このような点を鑑みて成されたものであり、その目的は装置の構造を簡単にして、かつタイヤ交換の労力軽減と安全で迅速な作業を行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成する本発明の装置は、キャスターを有するローラー支持台に取り付けられた互いに平行な2本のローラー間の距離を、ピニオンとラックを以て調節することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように本発明の装置は、ローラー支持台は床上の移動だけであり、ローラー支持台に取付けられたローラーは、ローラー支持台と同じ床上に沿った移動のみである。従って装置のいずれの部位をも上下に移動させることなく、ローラーに載せたタイヤを上下に移動、かつタイヤをローラー上でタイヤ軸を中心に回転できるのものである。本装置は構造が簡単であるため製造コストを小さくする事が出来る。また、装置の上下移動がないために作業の労力軽減と安全に極めて有効であり、手軽にタイヤ交換ができるものである。
【本発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0010】
図1、図2、図3はそれぞれ本発明の正面図、平面図、右側面図を表したものである。
【0011】
図4、図5は本発明の実施の形態で、図4は2つのローラー支持台間の距離を拡げ、タイヤを2つのローラーに垂直に立てた状態図で、図5はピニオン及びラックを以て2つのローラー支持台間の距離が狭められ、タイヤが上方に移動した時の状態図である。
【0012】
図1、図2、図3に示すように本装置1はラック2、ラックに接続されたローラー支持台3、ラックに直線運動をさせる為のラックガイド4、ラックガイドに取り付けられたローラー支持台5から成る。ラックガイドは、ピニオン6とラックが噛み合う部分の一部が開放された中空棒、又はラックの運動方向に溝を持つ棒である。
【0013】
図1に示すように、ラックガイドにはピニオン軸受け7、及び爪軸受け9を設ける。
【0014】
図1に示すように、爪8はタイヤの自重により2つのローラー支持台3と5の距離が広がらないようにピニオンの回転を制御できる方向に取り付ける。
【0015】
図2に示すようにピニオン軸10はピニオンを回転駆動するためのものであり、軸端にはハンドル14が取り付けられるようにする。
【0016】
図2、図3に示すように、ローラー支持台3及びローラー支持台5にはそれぞれローラー軸受け11が接続され、それぞれのローラー軸受けにはローラー12が取り付けられる。
【0017】
図1、図3に示すように、ローラー支持台3及びローラー支持台5には、このローラー支持台間の距離が円滑に調節が出来るように、かつ装置全体が床上を自由に移動可能となるようにキャスター13が取り付けられる。
【0018】
図4、図5に示すように、ローラー支持台3とローラー支持台5の距離が近づく方向にピニオンを回転させることにより、ローラーに載せられたタイヤは上方に持ち上げられる。
【0019】
車体側取付けボルトとホイール穴の高さが適切になった時、タイヤをローラー上で回転させて車体側取付けボルトとタイヤホイール穴を一致させ、装置を車体側取付けボルト側に移動させ、タイヤホイール穴に車体側取付けボルトを挿通させる。
【0020】
挿通後は、爪とピニオンの噛み合いを開放し、2つのローラー支持台の間の距離を広げ、装置をタイヤから取り外す。
【実施例】
【0021】
本装置は、タイヤ交換を目的としたものに限らず、円盤状の重量物を持ち上げ、保持することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明は、車の保守・点検の産業分野で利用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】 本発明のタイヤ交換補助装置の正面図である。
【図2】 本発明のタイヤ交換補助装置の平面図である
【図3】 本発明のタイヤ交換補助装置の右側面図である。
【図4】 2つのローラ支持台が充分に離れている状態で、タイヤを2つのローラー上に載せ、垂直に立てた状態の略図である。
【図5】 本発明の実施の形態で、2つのローラー支持台を近づけることにより、2つのローラー上に垂直に立てられたタイヤが上方に移動した状態の略図である
【符号の説明】
【0024】
1 タイヤ交換補助装置本体
2 ラック
3,5 ローラー支持台
4 ラックガイド
6 ピニオン
7 ピニオン軸受け
8 爪
9 爪軸受け
10 ピニオン軸
11 ローラー軸受け
12 ローラー
13 キャスター
14 ハンドル
15 タイヤ
16 タイヤホイール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャスターを有するローラー支持台に取り付けられた互いに平行な2本のローラー間の距離を、ピニオンとラックを以て調節するタイヤ交換補助装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−241405(P2010−241405A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−111562(P2009−111562)
【出願日】平成21年4月8日(2009.4.8)
【出願人】(503370930)