説明

タイヤ使用の自動誘導都市交通機関の乗物の軌道用プレハブユニット

【課題】都市交通機関の乗物の軌道を形成するための軌道用プレハブユニット(1)であり、
【解決手段】同ユニットは、上面(5)が同乗物の車輪のための軌道になる2の側方縦まくら木(4)を含むコンクリート製の単一ブロック状担持用構造体(2)、ならびに縦まくら木をほぼ平行に維持しながら同縦まくら木を連結する連結用横まくら木(8)を含んでおり、縦まくら木と連結用横まくら木の下面(6,39)が地面への支承面であり、および対称的で、断面がI字型であり、下部が被覆材13で被覆してあることが好ましい誘導用レール(3)の短幹が担持用構造体上に組み立ててある。直線状または曲線状の同ユニットが、既存の車道上に、または締め固めた溝の底部に、軌道を形成するように、順次組み立ててある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤで移動する自動誘導都市交通機関の乗物の軌道用プレハブユニットおよび同種の一連の複数のプレハブユニットで形成する軌道に関する。
【背景技術】
【0002】
余りにも多い自動車の通行で詰まっている都心の渋滞を緩和すべく、現在の都市政策は、公共交通機関を普及させる傾向にある。大都会は、電車やトロリーバスや地下鉄型の乗り物をますます備えるようにしている。
【0003】
その中でも、中小都市にとって、タイヤ使用の自動誘導電車が特に有利である。事実、少なくとも所によって、普通の乗り物と車道を共同使用することができる。タイヤ使用の自動誘導電車は、インフラの作業を少しだけ必要としており、比較的狭い道路でも通行できる。更にバスよりもずっと多い容積があり、速度が速く、専用路を通行するとき、都市の交通渋滞にわずらわされない。
【0004】
しかしながら、タイヤ使用の自動誘導電車は、例えば道路の中央部における軌道と誘導用レールを含む、特別に整備された軌道上を走行しなければならない。したがって、都心でのその設置には幾つかの作業を必要とする。
【0005】
それを実施するには、溝を十分に掘り、現存管路を移動させて土地を整備し、路床のコンクリートを流し込み、軌道の各構成要素のための見取り図を作成し、各種要素を設置してその連結を行い、動力と信号機に必要な電気接続を行い、軌道の要素に隣接する区域の埋め戻しと整備を行い、工事による破損箇所を補修し、交差点と信号機の整備等をする期間中、1または複数の道路をかなりの期間封鎖しなければならない。
【0006】
住民と商店にとって、そして、工事で通行止めになる道路を利用しようとする人たちにとっても長期間、大きな迷惑になるこのすべての作業は、もちろん、通行、駐車、商店への出入りと買い物、騒音、ほこり等の問題を生じる。
【0007】
したがって、軌道の設置のこのすべての工事で生ずる迷惑をなるべく短期間で済むようにすることが関心事になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、設置が単純化され、必要な工事がずっと短期間で済む軌道を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この技術上の問題点を解決するために、本発明による軌道は、順次連続的に地面に置いて、隣接ユニットと現場で連結するために、工場で製作し、組み立てた、それぞれが完全な短幹になるプレハブユニットの形を呈する。
【0010】
このことから、土地を整備した後で、ユニットを順次連続的に連結し、埋め戻し、補修および整備をするだけで済む。とりわけコンクリートの凝固で生ずる待ち時間のような待機段階など、多数の段階が都市空間ではなく、工場で行われるので、工事場における作業期間が著しく短縮され、発生する迷惑も大幅に減少する。
【0011】
本発明による軌道のユニットは、若干厚さが増すが、既存車道上に直接置くか、または通行路が車道と同一平面になるように、基礎工事を必要とすることなく、単に土地を整備し、締め固めするだけで設置することができて、工事期間を更に著しく減少させることができる。
【0012】
更に、軌道のプレハブユニットを工場内で製作するので、複製できる、良質の製品を保証でき、現場で製作する通常の軌道のような気候・天候条件の変動と土地から生ずる技術上の困難に遭遇することがない。
【0013】
他方では、軌道のその後の保守も、同様に著しく簡単になる。必要の場合,破損したユニットは、単に撤去し、以前の技術で連続的に製作してある軌道全体に関わる問題に遭遇することなく、新しいユニットと置き換えることができる。
【0014】
この目的を達成すべく、本発明は、タイヤ使用の自動誘導型都市交通機関のための軌道を形成するために、順次連続的設置用軌道ユニットを供給する。
【0015】
本発明に応じて、同ユニットは、工場内であらかじめ製作してあり、それぞれ下記のものを含む。すなわち、
− 上面がほぼ平坦で、都市交通機関の乗物のタイヤのための軌道になる、2の側方縦まくら木を含むコンクリート製単一ブロック状担持用構造体、ならびに側方縦まくら木を連結し、ほぼ平行に維持する連結用横まくら木。側方縦まくら木の下面と連結用横まくら木の下面は、地面における支承用面になる。
− 都市交通機関の乗物の誘導を可能にする、ほぼ中央位置にあることが好ましい担持用構造体に乗っている誘導用レールの短幹。
【0016】
担持用構造体は、より頑丈になるように、全体または部分的に鉄筋コンクリート製にすると有利である。
【0017】
本発明のプレハブユニットは、直線状要素の形状および任意の設計の軌道を製作することを可能にする湾曲要素の形状を呈している。
【0018】
設計の湾曲部分は、ほぼ梯形の形状をした、より小型の梯形要素を基にして製作することもでき、同要素を連続的に設置することによって、後部車輪の方向転換の要求を満たす、「多面からなる」と言われている、部分からなるカーブを製作できる。
【0019】
本発明の第1の実施態様によれば、誘導用レールの短幹は、各横まくら木のレベルで、適切な固定用部材を使用して、担持用構造体に固定できる。レールの短幹を関連する横まくら木にねじ止めした2の同固定用部材間に挟み込むことによって固定を実施することが好ましい。
【0020】
本発明の第2の実施態様によれば、コンクリート製単一ブロック状担持用構造体は、誘導用レールの短幹が上に乗っている補足的中間縦まくら木を含むことができ、同縦まくら木は、2の側方縦まくら木間に位置し、同側方縦まくら木の真ん中に位置するのが好ましい。
【0021】
この場合、誘導用レールの短幹は、適切な固定用部材を使用して、中間縦まくら木に固定できる。
【0022】
代替法として、中間縦まくら木に配設した補足的形状の溝内に嵌合することもできる。
【0023】
本発明の好ましい変形態様によれば、誘導用レールは、一般的に骨状またはI字状の形状の断面を呈する。その両端、すなわち乗物の誘導用ローラーのための回転用トラックになる頭部および足部は、対称的であり、好ましいことに、I字状の軸になる、巾が狭く、長い芯部で連結されている。
【0024】
この好ましいレールは、下部支承用の大きいシューを含んでおらず、大きい側方慣性が無い。したがって、同レールは、比較的柔軟で、真っ直ぐな短幹に製造してから、湾曲ユニットの製造時に、別個の補足的湾曲段階無く、設置時に容易に湾曲できる。
【0025】
誘導用レールの短幹の下部は、部分的または完全なコーテイングになる被覆材で被覆することが好ましく、同被覆材の少なくとも1の側方延長部は、同被覆材とレールの頭部とで誘導用側方狭小部を画定する。
【0026】
利用する被覆材の材質は、ローラーの通行時に、誘導用側方狭小部内に物体があるとすれば、同物体の排除、押し込みまたは沈積が有利に行われるように圧縮性を有する。
【発明の効果】
【0027】
ユニット間の連結は、きわめて限定的で、特にボルト締めまたは溶接で、誘導用レールの相次ぐ短幹の連結だけからなることができ、縦まくら木を単に順次合わせて置くだけである。
【0028】
誘導用レールも、担持用構造体の設置後に置くことができるので、誘導用レールのレベルで完全な曲線状に、およびより制約の少ない軌道になる縦まくら木のレベルでほぼ類似する曲線状に製作することができる。
【0029】
興味深い1の変形態様によれば、誘導用レールの短幹の端部および側方縦まくら木の端部は、長手方向で長さが少し違っているようにすることが可能である。したがって、誘導用レールの相次ぐ2の短幹間の接続は、端部ではなく、例えば縦まくら木の中央で行われ、このとき、誘導用レールは、ユニット間の結合材として有利に機能する。
【0030】
誘導用レールの短幹も、特に曲線状のレベルで、担持用構造体よりも長い形に準備できるので、同じく縦まくら木間の結合材として役立つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本発明のその他の特性と利点は、添付図に照らして引き続き行う詳細な記述を読むことによって明らかになるだろう。その中で、
【図1】本発明の第1の変形態様による軌道用プレハブユニットの上面図である。
【図2】本発明の第1の変形態様による軌道用プレハブユニットの前部の斜視図で ある。
【図3】図2の円で囲んだ部分の拡大詳細斜視図である。レールのコーテイングは図示されていない。
【図4】本発明の第1の変形態様による軌道用プレハブユニットの後面図である。
【図5】本発明の第1の変形態様による軌道用プレハブユニットの横まくら木上の誘導用レールの固定法を示す細部の拡大斜視図である。
【図6】本発明の第2の変形態様による軌道用プレハブユニットの前部の斜視図である。
【図7】本発明の第2の変形態様による2の軌道用プレハブユニットの相次ぐ連続的設置と組み立ての各種段階を示す斜視図である。
【図8】本発明の第2の変形態様による2の軌道用プレハブユニットの相次ぐ連続的設置と組み立ての各種段階を示す斜視図である。
【図9】本発明の第2の変形態様による2の軌道用プレハブユニットの相次ぐ連続的設置と組み立ての各種段階を示す斜視図である。
【図10】本発明の第2の変形態様による2の軌道用プレハブユニットの相次ぐ連続的設置と組み立ての各種段階を示す斜視図である。
【図11】基礎用溝の底部に置いた、本発明の第2の変形態様による2の軌道用プレハブの2の平行なユニットを示す横断面図である。
【図12】中間空白部を適切な埋立て材で埋立てて、表面を装飾用被覆材で補完した、図11の類似図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0032】
本発明による軌道用プレハブユニットの主要な2の様式を図1から図12までに照らしてこれから詳細に記述することにする。ただし、それは、例として提示した本発明による好ましい変形態様であって、その範囲を限定するためでなく、同範囲は、添付した特許請求に明示してある。諸図に示した、対応する要素には同じ照会番号をつけておいた。
【0033】
本発明による軌道用プレハブユニットを諸添付図に示した。複数の同ユニット1を順次組み立てることによって、タイヤ使用の自動誘導都市交通機関の乗物のための軌道を製作できる。
【0034】
同軌道用ユニットは、都市交通機関の乗物の誘導を可能にする誘導用レール3の短幹が上に固定してある単一ブロック状担持用構造体2を含んでいる。
【0035】
担持用構造体2は、工場で単一部材として製造してある構造体である。同部材は、補強された、すなわちくず鉄または金属か金属以外のなんらかの適切な骨組みで補強しておくことが好ましいコンクリート製である。担持用構造体2の全体または特に必要な特定の箇所だけを強化して、したがって、もっと抵抗力があるようにすることができる。
【0036】
担持用構造体2は、ほぼ平行な形で構造体の両側に伸びている2の側方縦まくら木4を含んでいる。それは、都市交通機関の乗物の車輪の軌道になるためのほぼ平坦な上面5および同じくほぼ平坦であることが好ましい支承用下面6を有するコンクリート製の2の板である。
【0037】
側方縦まくら木4は、都市交通機関の乗物の通行に適する、耐久性のある担持路を提供するように設計してある。したがって、側方縦まくら木4の上面5は、困難な気象条件の場合、軌道上の乗物のタイヤのスリップ防止を向上させ、例えば、図示していないが、スリップ防止用の多数の筋状隆起があるように製作できる。
【0038】
側方縦まくら木4の上面5はまた、雨水の流出を容易にするために、軽く丸みを帯びているように設計できる。
【0039】
側方縦まくら木4の下面は、地面への担持用構造体2の支承用面である。係留用構造体もまた、地面への担持用構造体2の係留を向上させるために、縦まくら木の下面6に設けることができる。
【0040】
側方縦まくら木4は、好ましいことに、ほぼ長方形の断面を有する。ユニットが地面に継ぎ足した状態に配置されるとき、同断面は、担持用構造体2の座りの安定性を高め、または側面7のレベルで、次第に傾斜しているように、例えば梯形であることもできる。
【0041】
担持用構造体2は、側方縦まくら木4をほぼ平行に保持しながら連結する、一連の連結用横まくら木も含んでいる。
【0042】
有利なことに、同連結用横まくら木8は、図4と図11に見られるように、地面に対する担持用構造体2のための支承面にも役立っている。
【0043】
したがって、コンクリート製の単一ブロック状担持用構造体2の集合体は、担持用、すなわち地面に支承されている。都市交通機関の乗物の通行時の加重は、側方縦まくら木4および一連の連結用横まくら木8に分散されるので、有利なことに圧力か減少して、地面内への沈下が避けられる。
【0044】
この独特な着想で、担持用構造体2は、限られた掘削作業で、地表に対して同一高さになるように設置でき、有利なことに、担持用構造体2全体に分散されている加重に耐えられる充分な硬直性がありながら、単に締め固めた地面で充分に弾力性があって、通常の路上乗物が通過するのに十分に精密に製作できる。
【0045】
横まくら木8は、例えばほぼ長方形の断面を有し、間隔が平均的で、例えば1メートルであることが好ましい。
【0046】
図1から図5に示した本発明による軌道用ユニット1の第1の実施態様では、同横まくら木8は、2の側方縦まくら木4を直接連結し、好ましいことに、同横まくら木8がその中央部で、都市交通機関の乗物の誘導を可能にする誘導用レール3の短幹を担持する。
【0047】
図示した誘導用レール3は、普通の形状がI字形の断面を呈しており、その両端である頭部9と足部10が対称的であることが好ましく、I字形の軸になる細長芯部11で連結されている。
【0048】
レールの頭部9は、乗物の誘導用ローラー、例えば、タイヤ使用の電車の車両列の頭部車両の誘導用アームのV字形に傾斜している2の誘導用ローラーのための回転用トラックになる1または複数の適切な側面12の形態を有する。
【0049】
図示のレール3は十分に高く、下部には大きな支承用シューを含んでいない。したがって、比較的柔軟で、設計の曲線状に容易に適応できる。有利なことに、真っ直ぐな短幹だけに製造して、必要があれば、湾曲ユニットのレベルで、予定されている設計図にしたがって、設置時に曲げることができる。
【0050】
誘導用レール3の形状は、湾曲部に設置するとき、レールの横倒れまたは捻れを避けるために、同レールの中央長手方向面に対して、左右相称であることが好ましい。
【0051】
しかしながら、誘導用レール3の形態は、レールが果たすべき誘導機能に適していれば、図示とは異なる形態を有することができる。
【0052】
有利なことに、誘導用レール3の短幹は、同短幹の中央下部のレベル、すなわち足部10と芯部11のレベルで、図示した変形態様通りに、被覆材13の塊で被覆できる。
【0053】
同被覆材13は、レールの周囲に沿うコーテイング14になるが、誘導用レール3の機能区域に干渉することなく、また、レールの側面12へのアクセスを妨げる
ことがないように、同レールの上部、特に頭部9をそのままに残しておく。
【0054】
コーテイング14は、被覆材8の側方延長部15で、上方が好ましい方向に伸びていることが好ましく、同側方延長部15に、誘導用ローラーの動的かみ合わせを妨げないように側方狭小部16を設けておく。
【0055】
レール3の典型とその応用によれば、このような側方延長部15は、レール3の両側に用意できる。
【0056】
被覆材13は、誘導用ローラーの通行時に、誘導用側方狭小部内にあったりする物の排除、押し込みまたは沈積ができるように、充分な弾力性を有するなんらかの適切な合成物質である。同被覆材13は、利用条件および外方の気象条件に耐えることができ、有利なことに、電気的に絶縁性を有することができる。
【0057】
同コーテイング14は、レールのっ製造時またはその後に、レール3の周囲に、例えば被覆材13を押出し成型で形成し、または付け加えることが好ましい。
【0058】
コーテイング14は、特にその側方延長部15のレベルで、金属製または金属製でない、内部骨格で補強できる。
【0059】
同骨格は、留め金17、とりわけ図3に示したように、有利なことに、例えばコンクリート用鉄の形を呈することができる。好ましい同留め金17を用いて、平均的間隔であることが好ましい、レールに対するコーテイングの挟み込みを行うことによって、誘導用レール3の短幹の保持を更に高めることができる。
【0060】
コーテイング14で被覆された誘導用レール3の短幹は、次に、担持用構造体2上に設置される。
【0061】
そのために、本発明による軌道用ユニット1の第1変形態様は、誘導用レール3の短幹を各連結用横まくら木8に固定するための固定用部材18を含んでいる。
【0062】
固定用部材18は、図に示したように、例えば、連結用横まくら木8上に乗るためのほぼ平坦な基部の壁面19および被覆材13でコーテイングされたことが好ましい、誘導用レール3の短幹にぴったり付けるための支承用側方壁面20を含む、ほぼ楔状の部材である。
【0063】
したがって、支承用側方壁面20は、コーテイングしてあることが好ましい誘導用レール3の側方形状に適する補完的形態を呈する。
【0064】
固定用部材18は、基部の壁面19を支承用側方壁面20に連結して、3面角式に固定用部材18の片側を閉鎖する硬化用側壁21で補完することが好ましい。
【0065】
2の同固定用部材18は、誘導用レール3のレールの短幹を同2の部材の間に挟み込んで側方を保持するように、同誘導用レール3の短幹に各々1つづつ、各横まくら木8のレベルに用意する。
【0066】
誘導用レール3の短幹の両側がほぼ対称的であるので、レールの両側に使用する固定用部材18は、一方が他方に対して、単に裏返しにするだけであるので、有利なことに、同一形であることができる。
【0067】
誘導8用レール3の短幹のしっかりした固定は、例えば固定用部材18の基部の壁面19を貫通する1または複数の固定用ボルト22で、各固定用部材18を、対応する横まくら木8にねじ止めすることで確立される。
【0068】
図6から図12までに示した、本発明による第2の実施態様では、担持用構造体2は、2の側方縦まくら木4間に位置する、補完的中間縦まくら木23を更に含んでいる。同中間縦まくら木23は、好ましいことに、2の側方縦まくら木4のほぼ中間に伸びている。
【0069】
この場合、横まくら木8は、2の縦まくら木4を直接相互に連結しない。各横まくら木8は、2の横梁24からなり、それぞれが側方縦まくら木4を中間縦まくら木23に連結する。
【0070】
この実施態様では、誘導用レール3の短幹は、中間縦まくら木23に乗っている。そのために、誘導用レール3の短幹は、例えば、中間縦まくら木23に固定されるか、または同中間縦まくら木23内に配設してある補完的形状の溝25内に嵌合される。
【0071】
溝25は、中間縦まくら木23の上面のレベルに、長手方向に開口しており、誘導用レール3の頭部9が、都市交通機関の乗物の誘導が満足にできる、担持用構造体2の上面のレベルでほぼ同一面になる適切な深さにする。
【0072】
本発明による軌道用プレハブユニット1は、約10ないし12メートルが好ましいいろいろな長さの直線状、場合によって曲線状の短幹の形状を有する。
【0073】
同プレハブユニット1は、タイヤ使用の自動誘導都市交通機関の乗物の軌道を本発明にしたがって作成するために、直接または適切な中間材を利用して相互に連結される。
【0074】
連続する2のユニットのコンクリート製縦まくら木は、図6から図10までに示した、同ユニットに設けた、例えば、ボルト締めの連結用板26で、または連結用中間部材28を相次ぐ2の縦まくら木間に取り付けることを可能にする、中間縦まくら木23の端部に設置した横溝27で、特に自動的に連結できる。
【0075】
図示されていない別の変形態様によれば、相次ぐ2のユニットの縦まくら木は、相互に連結することなく、延長する形で、単に連続的に置くだけで、2のユニット間の接続は、誘導用レール3だけに行うことができる。
【0076】
しかしながら、相次ぐユニット間の連結は、長期的には、このレベルで地面を掘削するのを避ける上で好ましく、このような掘削は、ユニットの移動に至ることがあり得るからである。この理由により、掘削の関係で、機械的結合を縦まくら木間に設けることが好ましい。
【0077】
端部では、誘導用レールの短幹は、次の誘導用レールの短幹との連結材を含むことが好ましい。
【0078】
図示の諸例では、誘導用レール3の短幹の2の端部29は、誘導用レールの隣接短幹との連結が容易になるように、自由なまま、すなわちコーテイング14無しになっている。両端部は、誘導用レール3を担持する中間縦まくら木23の対応する端部を超えて、片持ち梁状に伸びており、中間縦まくら木23の端部は、側方縦まくら木4の端部に比して、少し短い。
【0079】
レール3の自由な端部29は、隣接している短幹の自由端部29のレベルで、同じ型のボルト締めで、次のレール3の短幹との結合を確立する、誘導用レールの芯部11の両側に配設してある2の連結用差込具30のボルト締めができるように穿孔してある。
【0080】
考慮できる別の変形態様によれば、誘導用レール3の相次ぐ短幹の連結は、例えば溶接で実施できる。
【0081】
図7から図10までは、本発明による第2の実施態様に基づく、2の軌道用プレハブユニット1間の連結の主要段階を示している。
【0082】
第1の軌道用プレハブユニット1は、まず、図7に示したように、その設置場所に置いてある。
【0083】
図8に見られるように、第1のユニットと同一または異なるユニットであるが、第1のユニットと親和する第2のユニットに続けて連続的に設置してある。両ユニットは、相互に正確に一直線状に並べてある。
【0084】
軌道の連続性を確立するために、次に両ユニットは、相互に組み合わされる。図9に示した例では、同組み立ては、各側方縦まくら木4の端部の連結用板26の2つずつのボルト締めによる。各長手方向軸4の端部の連結用板26の後ろに準備してある、ボルト締め用溝状くり抜き部31で、同ボルト締めを実施できる。
【0085】
誘導用レール3の2の短幹の端部も、前述の如く、2の連結用差込具30で、相互に連結される。
【0086】
図10は、相次ぐ2のユニットの中間縦まくら木23間の連続性を確立するために、2の短幹間のレベルで、連結用中間部材28が誘導用レール3の周囲に組み立ててある、レールの仕上がり段階を示している。同連結用中間部材28は、連結用中間縦まくら木23の端部に設けた横溝27を使って固定される。
【0087】
工場内で製造されるプレハブユニット1は、有利なことに、トラックでその据付場所に運搬でき、適切な巻上げ機で積み下ろされて、据付られることができる。
【0088】
軌道用プレハブユニット1は基礎用溝32内に固定されるか、例えば車道のような既存の完成地面上に嵩上げ状に置くことができる。
【0089】
図11と図12の例のように、本発明による軌道が基礎用溝32内に設置されるとき、従来の技術のようにコンクリートの基礎工事または基盤上に置かれる必要がない。都市配管類33を避けた後、土の締め固めによる基礎用溝32の底部34の簡単な準備で十分である。側方縦まくら木4が乗物の重量および走行に関連する応力を支えるからである。
【0090】
この実施態様の例によれば、基礎用溝32の下部は、適切な暗渠用埋立て材35、例えば未処理砂利で、適切な高さまで充填してある。それを平坦で安定した固定用平面になる砂の層36で被覆し、その上に軌道用プレハブユニット1を乗せる。
【0091】
軌道用ユニットを連結した後、担持用構造体を十分に固定するのに適した埋立て用材料37で、一定の高さまで埋立てる。2の側方縦まくら木4の間に含まれている空間も、同埋立て用材料37で充填する。
【0092】
基礎用溝の深さおよび縦まくら木4の高さは、軌道になる縦まくら木4の上面5および誘導用レール3の頭部9が地面のレベルで、ほぼ同一高さになるように選定すると有利である。
【0093】
その全体は、表面を装飾性被覆材38または技術的な覆い、あるいは芝生などで補うことができる。この被覆材38は、例えば板状の敷石、石畳、タイルまたは芝生の形を呈するものが好ましく、同じく砂の層36に置かれるのが好ましい。
【0094】
本発明は、もちろん、図示し、上記に述べた好ましい実施態様に限定されているのではなく、当業者が容易に着想できる、本発明と同じ発想に属する数多くの変形態様と改定も等しく含むものとする。
【0095】
したがって、例えば、包括的に軌道用ユニット1を平面的かつ水平状に描写し、図示した。横断面から見て、ユニットが「山形」に傾斜しているように製作することを考慮すれば、雨水の排水がもっと容易になって、水溜りの形成が抑制される。
【0096】
考えやすい別の変形態様として、誘導用レールの他に、例えば側方に、都市交通機関の乗物のための電気供給用レールを含む軌道用プレハブユニットを製作できるだろう。
【符号の説明】
【0097】
1.軌道用ユニット
2.担持用構造体
3.誘導用レール
4.側方縦まくら木
5.平坦な上面
6.支承用下面
7.側面
8.横まくら木
9.レールの頭部
10.レールの足部
11.レールの芯部
12.レールの側面
13.被覆材
14.コーテイング
15.側方延長部
16.側方狭小部
17.留め金
18.固定用部材
19.基部の壁面
20.支承用壁面
21.硬化用側壁
22.固定用ボルト
23.中間縦まくら木
24.横梁
25.溝
26.連結用板
27.横溝
28.連結用中間部材
29.短幹の端部
30.連結用差込具
31.横溝状くり抜き部
32.基礎用溝
33.都市配管類
34.基礎用溝の底部
35.暗渠用埋立て材
36.砂の層
37.埋立て用材料
38.装飾性被覆材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工場内においてあらかじめ製作した、下記のものを含むことを特徴とする、タイヤ使用の自動誘導型都市交通機関の乗物の軌道を形成するために順次連続的に設置する軌道用ユニット(1)。すなわち、
− 都市交通機関の乗物のタイヤのための軌道になる上面(5)がほぼ平坦である2の側方縦まくら木(4)、および同側方縦まくら木をほぼ平行に維持しながら連結している連結用横まくら木(8)を含むコンクリート製の単一ブロック状の担持用構造体(2)。側方縦まくら木(4)の下面(6)と連結用横まくら木(8)の下面(39)は、地面に対する支承用面である。
− 都市交通機関の乗物の誘導を可能にする担持用構造体(2)上に乗っている誘導用レール(3)の短幹。
【請求項2】
ほぼ直線状、曲線状または全体の形状が梯形であることを特徴とする、請求項1に記載の軌道用ユニット(1)。
【請求項3】
担持用構造体(2)が全体的または部分的に鉄筋コンクリート製であることを特徴とする、請求項1または2にに記載の軌道用ユニット(1)。
【請求項4】
側方縦まくら木(4)がほぼ長方形の断面を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の軌道用ユニット(1)。
【請求項5】
側方縦まくら木(4)の上面(5)がほぼ凸型を呈するか、またはスリップ防止用の多数の筋状隆起を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の軌道用ユニット(1)。
【請求項6】
誘導用レール(3)の短幹が固定用部材(18)のほぼ中央に位置することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の軌道用ユニット(1)。
【請求項7】
誘導用レール(3)の短幹が各連結用横まくら木(8)のレベルで、固定用部材(18)によって担持用構造体(2)に固定してあることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の軌道用ユニット(1)。
【請求項8】
各横まくら木(8)のレベルで、誘導用レール(3)の短幹が、関係する横まくら木(8)にねじ止めしてある2の固定用部材(18)の間に挟まれていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の軌道用ユニット(1)。
【請求項9】
担持用構造体(2)が、2の側方縦まくら木(4)の間に位置している中間縦まくら木(23)を含んでおり、誘導用レール(3)が同中間縦まくら木上に取り付けてあることを特徴とする、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の軌道用ユニット(1)。
【請求項10】
誘導用レール(3)の短幹が、中間縦まくら木(23)内に設置された補完的形状の溝25内に嵌合してあることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の軌道用ユニット(1)。
【請求項11】
誘導用レール(3)の短幹が、乗物の誘導用ローラーのための頭部(9)および細長芯(11)で合わさっている足部10を有する、全体がIの字形断面を呈することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の軌道用ユニット(1)。
【請求項12】
誘導用レール(3)の短幹に大きい側方慣性が無く、同レールの頭部(9)と足部(10)がほぼ対称的であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の軌道用ユニット(1)。
【請求項13】
誘導用レール(3)の短幹の下部が、コーテイング(14)になる被覆材(13)で被覆してあり、同被覆材(13)が、同被覆材とレール(3)との間に側方狭小部(16)を画定する少なくとも1の側方延長部(15)で、上方に延長してあるコーテイング(14)になることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の軌道用ユニット(1)。
【請求項14】
誘導用レール(3)の短幹の端部と側方縦まくら木(4)の端部が長手方向で、長さが少し異なることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の軌道用ユニット(1)。
【請求項15】
誘導用レール(3)を担持用構造体(2)の後で設置することを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載の軌道用ユニット(1)。
【請求項16】
軌道用ユニット(1)を既存の車道または整備されている地面上に高さが少し加わる状態で直接設置するか、または下準備し、底部(34)を締め固めしただけの基礎用溝内に埋設することを特徴とする、請求項1〜15のいずれか1項に記載の軌道用ユニット(1)。
【請求項17】
2の側方縦まくら木(4)の間に含まれている空間を、適切な埋立て用材料(37)で埋立て、とりわけ板状の装飾的または技術的な被覆材(38)で表面を仕上げることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1項に記載の軌道用ユニット(1)。
【請求項18】
軌道用ユニット(1)が更に、都市交通機関の乗物のための電力補給用レールを含むことを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項に記載の軌道用ユニット(1)。
【請求項19】
横断面図を見ると、「凸状」に傾斜していることを特徴とする、請求項1〜18のいずれか1項に記載の軌道用ユニット(1)。
【請求項20】
請求項1〜19のいずれか1項に記載の一連の軌道用プレハブユニット(1)からなることを特徴とする、タイヤ使用の自動誘導型都市交通機関の乗物のための軌道。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2010−538184(P2010−538184A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−522413(P2010−522413)
【出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【国際出願番号】PCT/FR2008/001205
【国際公開番号】WO2009/060134
【国際公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(508160381)ロール インダストリー (11)