説明

タオル

【課題】 衣服を濡らすことなく、従来よりも長い時間、患部を温めることができるタオルを提供すること。
【解決手段】 吸水性を有する第1の層と、最外層として防水性を有する第2の層とを備えることを特徴とする。これによれば、タオルにおける通常の機能である吸水性を有する層で温水を蓄えつつ、最外層に防水性を有する層を設けることで、衣服を濡らすことなく、首、肩、腰等の患部を温めることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一方の面が防水性を有するタオルに関する。
【背景技術】
【0002】
加齢による筋肉の柔軟性の低下により、関節を曲げる際に痛みを感じる人は多い。特に気温の低い冬場は顕著である。これに対し、筋肉の柔軟性を回復させる目的で、温水で濡らしたタオルを首、肩、腰等にあてることが日常的に行われている。
【0003】
濡れタオルを患部にあてる行為は、一定の効果があるが、問題点として、衣服を濡らしてしまう、直ぐに冷めてしまう、といった不自由さがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような従来有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、衣服を濡らすことなく、従来よりも長い時間、患部を温めることができるタオルを提供することにある。
【0005】
なお、本発明における周辺技術として床敷きマットがある(例えば、特許文献1)。しかし、用途および課題も全く異なることから、発明としては異質なものといえる。
【特許文献1】特開2003−153785(請求項1、図2)
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、タオルの一方の面に防水性をもたせることによって、上記課題を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明によれば、以下に示すタオルが提供される。
【0007】
本発明によれば、吸水性を有する第1の層と、最外層として防水性を有する第2の層とを備えるタオルが提供される。
【0008】
これによれば、タオルにおける通常の機能である吸水性を有する層で温水を蓄えつつ、最外層に防水性を有する層を設けることで、衣服を濡らすことなく、首、肩、腰等の患部を温めることが可能となる。
【0009】
ここでいう防水性を有する層とは、非透水性と撥水性とを備える層をいい、より具体的には、吸水性を有する層で蓄えた水分を層内で透過することがなく、また、タオル表面を構成する層表面において撥水性を示すものをいう。
【0010】
ここで、第1の層を構成する部材は、第2の層を構成する部材よりも積層面における面積が小さく、第2の層を構成する部材の周縁より内側に配置されるのが好ましい。こうすることで、第1の層で蓄えた水分は、第2の層で全て覆われるため、衣服と接触することがなくなるからである。
【0011】
本発明においては、第1の層と第2の層との間に第3の層を設けてもよい。
【0012】
第3の層を設けることで上述した防水性以外の付加機能を加えることができるからである。したがって、第3の層は、第1の層及び第2の層と材料、構造が異なるものであってもよい。
【0013】
例えば、第3の層は第1の層よりも空隙が多くともよい。この構成により断熱性が向上し、より長い時間、患部を温めることができると考えられる。
【0014】
また、第3の層は少なくとも金属を含む材料から構成されていてもよい。これによれば、金属が蓄熱することで、より長い時間、患部を温めることができると考えられる。
【0015】
この場合、第3の層は、金属薄膜がコーティングされた繊維によって形成された布又は直接コーティングされた布が好適である。タオルとして絞り易いからである。
【0016】
第3の層が吸水性を有する場合は、第3の層を構成する部材は、第2の層を構成する部材よりも積層面における面積が小さく、第2の層を構成する部材の周縁より内側に配置されるのが好ましい。一方、第3の層が吸水性を有しない場合は、上記面積は第2の層と同一又はそれ以下とすればよい。
【0017】
本発明を構成する部材の材料については、第1の層は、繊維、不織布又はスポンジが好適である。
【0018】
また、第2の層は、防水性のある生地若しくはシート、又は、防水加工された生地若しくはシートが好適である。
【発明の効果】
【0019】
以上、本発明によれば、衣服を濡らすことなく、従来よりも長い時間、患部を温めることができるタオルを提供することができる。
【0020】
なお、上記では患部を温めることを主眼において説明したが、本発明におけるタオルは、冷水で濡らすことにより、冷やす目的で使用されてもよい。また、本発明の特徴はタオル表面が防水性を有することである。これによれば、タオルとして顔や物を拭く際に手が濡れないという特徴をも有する。従って、本発明は、患部を温める以外の用途でも好適であり、台拭きや手ぬぐいといった用途に使用されてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の最良の形態を図面を参照して説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
【0022】
図1は、本発明のタオルの一実施形態を模式的に示す斜視図である。図1における面Aはタオル100のある位置で切断した場合の切断面である。タオル100は、第1の層10と第2の層20とからなり、第1の層10と第2の層20は糸30により縫合されている。ここで、第1の層10は第2の層20に覆われるように配置されている。なお、各層(第3の層も含む。)の接合方法に特に限定はなく、糸のほか接着剤により接合されてもよく、また熱圧着等により接合されてもよい。
【0023】
第1の層10は吸水性を有する部材から構成されている。吸水性を有する部材として、不織布、スポンジ(ポリウレタン、PVA)、繊維(セルロース、コットン)等が挙げられる。
【0024】
第2の層20は防水性を有する部材から構成されている。防水性を有する部材は、防水性のある生地若しくはシート、又は、防水加工された生地若しくはシートから形成されている。
【0025】
ここで、防水性のある生地若しくはシートとしては、ポリクロロプレン生地、ビニールシート(ポリエチレン、ポリプロピレン)が挙げられる。また、断熱性を考慮すると、ラテックス、ゴム、金属薄膜がコーティングされた繊維によって形成された布又は直接コーティングされた布(例えば、アルミ蒸着されたナイロン、アクリル、ポリエステル)、ポリプロピレン不織布が挙げられる。なお、ここで挙げられた材料は第3の層として使用してもよい。
【0026】
防水加工された生地若しくはシートとしては、例えばポリエステル素材に防水加工を施したものが挙げられ、防水加工としてはシリコン、フッ素樹脂等でコートすることが挙げられる。
【0027】
タオル100の寸法に特に制限はなく、日常的に使用されるタオルにおける通常の寸法であればよい。本発明の機能を考慮すると折り畳まれることなく使用されることが想定されるため、比較的長細く小さいものが好ましいと考えられる。例えば、幅として5cm以上30cm以下、好ましくは15cm以下、長さとして15cm以上90cm以下、好ましくは45cm以下が挙げられる。タオル100の厚みも絞れる範囲であれば特に制限はない。蓄えられる水分量を考慮すると、タオル厚みは比較的厚い方が好ましいと考えられる。例えば、0.2cm以上2cm以下が挙げられる。
【0028】
上述のようにタオルの条件として、絞れること、水分を蓄えられることが必要である。この点を考慮すると、第1の層10は厚く、第2の層20はそれよりも薄く形成されるのが好ましい。特に第2の層20は、非透水性を有する必要があることから第1の層10よりも剛性の高い材料となり易い。これを考慮すると、第2の層20は、0.1以上2mm以下、好ましくは1mm以下とするのが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】 図1は、本発明のタオルの一実施形態を模式的に示す斜視図である。
【符号の説明】
【0030】
10…第1の層、20…第2の層、30…糸、100…タオル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸水性を有する第1の層と、最外層として防水性を有する第2の層とを備えるタオル。
【請求項2】
前記第1の層を構成する部材は、前記第2の層を構成する部材よりも積層面における面積が小さく、当該第2の層を構成する部材の周縁より内側に配置されている請求項1に記載のタオル。
【請求項3】
前記第1の層と前記第2の層との間に第3の層を設け、当該第3の層は当該第1の層よりも空隙が多い請求項1又は2に記載のタオル。
【請求項4】
前記第1の層と前記第2の層との間に第3の層を設け、当該第3の層は金属薄膜がコーティングされた布である請求項1又は2に記載のタオル。
【請求項5】
前記第1の層が、繊維、不織布又はスポンジからなる請求項1乃至4に記載のタオル。
【請求項6】
前記第2の層が、防水性のある生地若しくはシート、又は、防水加工された生地若しくはシートからなる請求項1乃至5に記載のタオル。

【図1】
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