説明

タクシー管理業務の方法とシステム

【課題】 復路の有料のサービス注文を営業地域外にいるサービス提供者に割り当てる方法を提供する。
【解決手段】 本発明の前記超地域サービス・センタは、(a)サービス注文を受領するステップと、(前記サービス注文は、前記サービス注文のサービス時間、ピックアップ場所、前記ピックアップ場所とは異なる営業地域内の目的地を含み、)(b)前記営業地域外を移動するサービス提供者の場所と利用可能性に関するデータを受領するステップと、(c)前記サービス注文を前記サービス提供者に、以下のデータに従って、割り当てるステップと、(前記データは、ピックアップ場所、サービス時間、前記場所と利用可能性に関するデータを含む)を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輸送の分野に関し、特にタクシー会社、運送業者、引っ越し業者等の車両の運行管理に関する。輸送の分野においては、地域に根ざしたサービス提供者(タクシー会社、運送業者、引っ越し業者)が営業地域外にサービスを提供した後、その復路(帰り道)を有効活用できる(空で帰ってこない)ようにする輸送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自分の営業区域外の目的地まで乗客(荷物)を運送するタクシー運転手(運送業者)は、所要時間の半分しか利用できない。このような非効率性は復路は乗客がいないことが原因である。そして自分の営業区域内では多くの注文があるが、遠い目的地までの注文はあまり多くない。
【0003】
同様な非効率性は、宅配業者、引っ越し業者、トラック運転手、移動サービス提供者等が提供するサービスでも発生する。本明細書は、タクシー運転手或いはタクシー会社を例に説明するが、本発明はそれに限定されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、目的地データがドライブ用のタクシーを選択する際のスタートポイントとなるようなタクシーの管理システムと方法を提供することである。このようなシステムは、遠くの目的地からの空の復路を有料ドライブに変えることにより、より効率的となる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施例によれば、復路の有料のサービス注文を営業地域外にいるサービス提供者に割り当てる超地域サービス・センタにおいて、前記超地域サービス・センタは、
(a)前記サービス注文を受領するステップ、
前記サービス注文は、前記注文のサービス時間、ピックアップ場所、前記ピックアップ場所とは異なる営業地域内の目的地を含み、
(b)前記営業地域外を移動するサービス提供者の場所と利用可能性に関するデータを受領するステップと、
(c)前記サービス注文を前記サービス提供者に、以下のデータに従って、割り当てるステップと、
前記データは、前記サービス注文のピックアップ場所、前記サービス注文のサービス時間、前記サービス提供者の居場所と利用可能性に関するデータを含む
を実行する。
本発明の一実施例によれば、前記超地域サービス・センタは、WANにリンクされている。
本発明の一実施例によれば、前記超地域サービス・センタは、前記サービス注文をクライアントから、以下の(i)と(ii)を使用して、受領するオーダーインターフェースを含む。
(i)インターネット、電話システム、携帯電話システムからなるチャネル群の内の1つのチャネル、
(ii)前記ピックアップ場所に関連する営業地域と前記目的地に関連する営業地域の一方にいる地域配送業者。
【0006】
本発明の一実施例によれば、前記超地域サービス・センタは、サービス提供者インターフェースを有し、前記営業地域外を移動するサービス提供者の居場所と利用可能性に関するデータを受領する。
本発明の一実施例によれば、前記データは、前記サービス提供者から、前記サービス提供者に関連する位置特定通信手段を用いて、直接受領する。
本発明の一実施例によれば、前記データは、前記サービス提供者から、地域配送業者を介して間接的に受領し、前記地域配送業者は、前記サービス提供者と超地域サービス・センタに接続されている。
本発明の一実施例によれば、前記位置特定通信手段は、GPS装置と携帯モデムの少なくとも一方を含む。
本発明の一実施例によれば、前記位置特定通信手段は、超地域サービス・センタの位置を報告するために使用され、前記報告された位置を、超地域サービス・センタが用いて、トラフィック負荷の解析と計算を行う。
本発明の一実施例によれば、前記位置特定通信手段は、前記サービス提供者の利用可能性を示すステータスインディケータを有し、前記ステータス・インディケータは、前記超地域サービス・センタに転送される。
本発明の一実施例によれば、前記位置特定通信手段は、前記データを、前記超地域サービス・センタのデータベースに送る。
【0007】
本発明の一実施例によれば、前記超地域サービス・センタは、割り当てモジュールを有し、前記割り当てモジュールは、以下のステップの内の少なくとも1つを実行する。
(i)前記ピックアップ場所に関連する適宜のサービス提供者と、前記ピックアップ場所の周囲を徐々に広げるゾーンで少なくとも1つのサービス時間をサーチするステップ、
(ii)適宜のサービス提供者とをサーチするステップ、
前記適宜のサービス提供者は、前記目的地位置の周囲の徐々に広がるゾーン内で営業地域を有し、
(iii)2つの場所の間の移動時間を、利用可能な道路とトラフィックデータに基づいて、計算するステップ、
(iv)サービス提供者に、前記サービス提供者の居場所と営業地域との間の距離に応じて、優先権を与えるステップ。
本発明の一実施例によれば、前記割り当てモジュールは、2つの場所の間の移動時間を計算する移動時間計算ユニットを有する。
本発明の一実施例によれば、前記超地域サービス・センタは、サービス提供者データベースに関連し、前記サービス提供者の居場所と利用可能性に関するデータを受領する。
本発明の一実施例によれば、前記超地域サービス・センタは、超地域手配業者用のインターフェースを有し、前記インターフェースは、ヒューマンインターフェースにリンクし、前記超地域手配業者は、前記ヒューマンインターフェースを用いて、前記超地域サービス・センタをモニタし管理する。
【0008】
本発明の一実施例によれば、復路の有料のサービス注文を営業地域外にいるサービス提供者に割り当てる方法は、
(a)前記サービス注文を受領するステップ、
前記サービス注文は、前記注文のサービス時間、ピックアップ場所、前記ピックアップ場所とは異なる営業地域内の目的地を含み、
(b)前記営業地域外を移動するサービス提供者の場所と利用可能性に関するデータを受領するステップと、
(c)前記サービス注文を前記サービス提供者に、以下のデータに従って、割り当てるステップと、
前記データは、前記サービス注文のピックアップ場所、前記サービス注文のサービス時間、前記サービス提供者の居場所と利用可能性に関するデータを含む
を有する。
【0009】
本発明の一実施例によれば、本発明の方法は、WANに接続されたサーバを用いてコンピュータで行われる。
本発明の一実施例によれば、前記サービス注文は、クライアントからインターネット、電話システム、携帯電話ネットワークからなる複数のチャネルの内の1つのチャネルを用いて、直接受領される。
本発明の一実施例によれば、営業地域外を移動するサービス提供者の場所と利用可能性に関連するデータは、前記サービス提供者から、位置特定通信手段を用いて直接受領される。
本発明の一実施例によれば、営業地域外を移動するサービス提供者の場所と利用可能性に関連するデータは、サービス提供者に関連する一領域手配業者を介して、位置特定通信手段を用いて間接的に受領される。
【0010】
本発明の一実施例によれば、前記(c)ステップは、前記ピックアップ場所の周囲で徐々に広がるゾーン内を移動する適宜のサービス提供者をサーチするステップを含む。
本発明の一実施例によれば、前記(c)ステップは、前記目的地の周囲で徐々に広がるゾーン内にある営業地域を有する適宜のサービス提供者をサーチするステップを含む。
本発明の一実施例によれば、上記の方法を実行するために、コンピュータ装置で実行出来るインストラクションのプログラムを実現するコンピュータ装置により読みとり可能なプログラム記憶媒体である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】複数の営業地域を表す地図。
【図2】地域超越型のサービス・センタによりサービスされる領域を表す地図。
【図3】乗客(クライアント)、タクシー運転手(サービス提供者)、タクシー会社(地域手配会社)に関連する地域超越型のサービス・センタの構成要素のブロック図。
【図4】復路の有料注文をサービス提供者に割り当てる方法のフローチャート図。
【図5】サービス注文をサービス提供者に割り当てるステップに含まれる幾つかのアクションを表す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
自分の営業地域外の目的地までお客を運ぶタクシー運転手は、使用時間の半分の時間しか有効活用できない。図1の地図10は代表的な営業地域20を示す。通常この営業地域20内で、タクシー会社は乗客にサービスを提供している。時にタクシー会社は、乗客を200km離れた別の営業地域30まで送り届けるサービス注文を受注することがある。その場合、タクシー会社は、サービス注文を自分に関連するタクシー運転手に割り当てる。そのタクシー運転手が、サービスを営業地域30内で完了させる(乗客を送り届ける)が、しかし営業地域20内にいるタクシー会社は、彼に営業地域20内に戻る有料サービス注文を提供できない。かくしてタクシー運転手には、自分が移動した道の半分の料金しか支払われず、復路にかかる時間やガソリンの有効活用が出来ない。この非効率性は好ましいものではない。営業地域外へ行こうとする乗客は、少なくとも一部、復路の時間とガソリン代を払わなければいけないが、サービス提供者は、復路にかかる時間とガソリンの全てを乗客に要求するのを回避できると、競争力がつく。また、ガソリンは、経済的な利点無しに使用され、二酸化炭素の無駄な放出につながる。
【0013】
図2の於いて、総括営業地域40は、地図10の上にアウトラインが示され、図1の全ての営業地域のサービス提供者に合法的かつ実際にアクセス可能な領域をカバーしている。図3は、超区域サービス・センタ60のブロック図であり、課金可能な(有料の)復路の注文を、営業地域20、30外で移動しているサービス提供者(タクシー運転手)70に割り当てることができる。超区域サービス・センタ60は、サービス注文を受領し、サービス提供者70の居場所と利用可能性に関するデータを受領し、それに基づいて、サービス注文をサービス提供者(タクシー運転手)に割り当てる。即ち、この割り当ては、サービス注文とサービス提供者の居場所と利用可能性に関するデータに基づいて、行われる。一般的なサービス注文は、ピックアップ時間/場所、営業地域20又は80内の目的地とそこへの到着時間を含む。。
【0014】
超区域サービス・センタ60は、WAN、インターネット90,電話ネットワーク、携帯電話ネットワークにリンクしている。
超区域サービス・センタ60は、オーダ・インターフェース100を含み、インターネット90、電話ネットワーク、携帯電話ネットワークを用いて、クライアントからのサービス注文を受領する。サービス注文は、オペレータによる電話を用いて或いは自動音声応答システムで受領することもできる。更に、オーダ・インターフェース100は、クライアントから、営業地域30(ここにピックアップ場所がある)にいるタクシー会社(地域手配業者)120を介して間接的に、或いは営業地域80(目的地がここにある)にいるタクシー会社を介して注文を受領するこもできる。受領した注文は、オーダ・データベース125内に記憶される。
【0015】
超区域サービス・センタ60は、サービス提供者インターフェース130を含む。このインターフェース130は、営業地域外を移動するサービス提供者(タクシー運転手)70の居場所と利用可能性に関連するデータを受領する。このデータは、将来の運行の詳細、運行中の詳細、終了した運行の詳細を含む。データは、また遠距離出張に関連しない場所と利用可能性の詳細を含む。例えば、子供を営業地域30内にある飛行場に運ぶタクシー運転手は、営業地域20に戻る間サービス注文を受領することができ、そして超区域サービス・センタ60に対しサービス注文を得たい旨を通知する。超区域サービス・センタ60に接続しているタクシー運転手は、タクシー会社を介して或いは乗客を道でピックアップすることにより仕事を取り(乗客を拾い)、その目的地をGPS装置71入れる。このGPS装置71が、タクシーの現在の居場所と目的地を超区域サービス・センタ60に与える。移動時間が計算され、利用可能な時間と場所が、データベース140に記憶される。
関連するタクシー会社の営業地域20外を出ているサービス提供者(タクシー運転手)70は、超区域サービス・センタ60を用いて、家と営業地域20との間を行ったり来たりするサービス注文を得ることができる。
【0016】
データは、サービス提供者から位置特定通信手段を用いて直接受領される。この位置特定通信手段の一例は、GPS装置71と携帯モデム73である。これ等の装置は、データをサービス提供者・データベース140に与える。データベース140は、超区域サービス・センタ60内に含まれ、そこからインターフェース130がデータを取り出す。更にGPS装置71に基づいて、デバイスは、サービス注文の目的地を得て、到着予測時間を計算し、それをデータベース140に与える。インターフェース130は、サービス提供者の現在の居場所と将来の予想居場所と利用可能性に関するデータを、データベース140内に記憶する。
【0017】
更にサービス提供者70の利用可能性に関するデータを、サービス提供者(タクシー運転手)70から、サービス提供者70の営業地域20にサービスを提供するタクシー会社(地域手配業者)120を介して、間接的に受領する。地域手配業者120は、長期にわたり或いはオーダー毎に、超区域サービス・センタ60に関連付けられる。何れの場合も、地方手配業者と超区域手配業者は、サービス提供者70又はクライアント110により支払われる料金を、分け合う。
【0018】
サービス提供者70の利用可能性に関するデータは、ステータ・スフラッグを含む。このステータ・スフラッグは、複数の状態の内の1つの状態に対応する。複数の状態とは、例えば、現在利用可能である状態、将来利用可能となる状態、電話による予約が確認された状態、乗客のピックアップが確認された状態(超区域サービス・センタ60により割り当てられた注文)等である。超区域サービス・センタであるタクシー管理システム60に接続しているサービス提供者(タクシー運転手)70は、自分がタクシー管理システム(超区域サービス・センタ)60に、サービスを提供できる時間帯を自由に制御できる。これにより、サービス提供者(タクシー運転手)70は、様々な方法で自分に関連する乗客にサービスを提供したり、或いは更に地方のサービスセンタに接続される。タクシー運転手は、自分が利用可能(空車)になると、超区域サービス・センタ60に接続された端末で自分の状態を、「利用可能」に変更する。従って、システム60は、データの一部を現在の場所と地域手配業者120の場所を組み合わせて、タクシー運転手と乗客とマッチさせる。
【0019】
サービス提供者70は、彼が得たあらゆる目的地をGPSベースの端末に入力し、この端末が、到着予測時間を計算し、そのデータを超区域サービス・センタ60に与える。
【0020】
超区域サービス・センタ60は割当モジュール150を有する。この割当モジュール150は、指定されたピックアップ場所とピックアップ時間に関連する適宜のサービス提供者(タクシー運転手)70をサーチし、目的地近傍にあるそれぞれの営業地域20を有するサービス提供者70をサーチし、利用可能な道路と交通事情データに基づいて、2つの場所の間の移動時間を計算し、目的地と営業地域20(又は80)の間の距離に基づいて、適切なサービス提供者(タクシー運転手)に優先権を与える。
【0021】
別の構成として、優先権は、ピックアップ場所と営業地域20(又は80)の間の距離に応じて決定してもよい。割当モジュール150は、移動時間を計算するユニット160を有する。
【0022】
図3の超区域サービス・センタ60は、ヒューマン・インターフェース180にリンクした超区域手配業者用のインターフェース170を有する。このインターフェース170を超区域手配業者が用いて、超区域サービス・センタ60を監視し操作する。
【0023】
超区域サービス・センタ60と、サービス提供者70と、地域手配業者120との間を接続をした構成において、タクシーの管理を例に説明する。タクシー管理システム(超区域サービス・センタ)60に関連するサービス提供者(タクシー運転手)70は、独立したタクシー運転手或いは地域手配業者120に帰属するタクシー運転手である。一実施例において、地域手配業者120は、管理システムに、地域手配業者として参加する。優先ルールが、タクシー管理システム60と地域手配業者120の間に基づいて、合意される。次にその優先ルールの一例を示す。
(a)地域手配業者120は、タクシー運転手が自分の地域手配業者120の電話の依頼にサービスする必要がない時には、タクシー運転手が超区域サービス・センタ60にサービスを提供しようとすることを許可する。
(b)超区域サービス・センタ60は、地域手配業者120に対し、以下の条件に合う乗客に関し優先権を与える。この条件に合う乗客とは、他の営業地域ではなくその地域手配業者の営業地域内にピックアップ場所を有する乗客である。しかし復路のサービス注文を必要とする離れた営業地域からのタクシーには優先権を与えない。
【0024】
図4を参照すると、本発明の方法200のフローチャートは、有料の復路サービスを提供するサービス注文を、営業地域20、80外を移動するサービス提供者70に割り当てる。ステップ210でサービス注文を受領する。ステップ220でサービス提供者70の居場所と利用可能性に関するデータを受領する。ステップ230でサービス注文をサービス提供者に割り当てる。サービス注文の情報は、関連するサービス時間、ピックアップ場所、ピックアップ場所の営業地域とは別の営業地域にある目的地を含む。サービス注文は、ピックアップ場所と同一営業地域内にある目的地に対するサービス注文を含んでもよい。超区域サービス・センタ60は、営業地域20の地域手配業者と、営業地域20で発生したサービス注文を競わないという合意を結んでもよい。しかしこのような合意は営業地域80による地域手配業者とは結ばないこともできる。斯くして、営業地域80内でサービス注文を得て、それを関連するサービス提供者70に与えることができる。ステップ230は、ピックアップ場所、サービス時間、サービス提供者の居場所と利用可能性に関するデータに従って、行われる。
【0025】
本発明の方法200は、WANに接続されたサーバを、超区域サービス・センタ60として用いるコンピュータで実行される方法である。サービス注文は、クライアントから、インターネット、電話回線、携帯電話回線を介して、直接受領する。或いは、サービス注文は、クライアントから、ピックアップ場所の営業地域の地域手配業者或いは目的地の営業地域の地域手配業者を介して、間接的に受領してもよい。
【0026】
一実施例において、営業地域外を移動するサービス提供者の場所と利用可能性に関するデータは、サービス提供者(タクシー運転手)70から、このサービス提供者70に関連する地域手配業者120を介して、間接的に受領する。
【0027】
サービス注文をサービス提供者に割り当てるステップ230は、4つのアクションを含む。これを図5に示す。
【0028】
1.アクション250は、ピックアップ場所の周りで徐々に拡げる移動時間のゾーンに含まれる適宜のサービス提供者を、段階的にサーチする。
移動時間のゾーンは、様々な方法で計算できる。最も簡単な方法は、ピックアップ場所の周りの空間距離を使用し、同心円のゾーンを得ることである。拡げるゾーン領域をアウトラインするより複雑な方法は、利用可能な道路に従って距離を計算することである。最も複雑な方法は、利用可能な道路に基づいて移動時間を計算し、それに応じてゾーン境界のアウトラインを描くことである。
【0029】
2.アクション260は、ピックアップ場所の周りで徐々に拡げる移動時間のゾーンに含まれる営業地域を有する適宜のサービス提供者を、段階的にサーチする。
【0030】
3.アクション270は、利用可能な道路とトラフィックデータに基づいて、2つの場所の間の移動時間を計算する。このアクションは、2人のサービス提供者の利用可能時間を計算することである。当該2人のサービス提供者は、サービス注文に対するピックアップ場所近傍の別々の場所と時間で現在のサービス注文を実行しようとしているサービス提供者である。各サービス提供者にとって、現在の場所からサービス注文の目的地までの移動時間と、目的地からサービス注文のピックアップ場所への移動時間とを加える。
道路状況等に関するデータは、様々なソースから得られる。例えば、無線局、国道の制御室、サービス提供者・データベース140に自動的に供給されるサービス提供者のロケーションデータから得られる。
【0031】
4.アクション280は、サービス提供者70に対し、ある場所と営業地域の間の距離に応じて、優先権を与える。例えば、2人のサービス提供者が、営業地域30内にピックアップ場所を有し営業地域300内に目的地を有するサービス注文を得るのに、現れたとする。第1と第2のサービス提供者の営業地域は、それぞれ営業地域310と営業地域20とすると、割当モジュール150は、このサービス注文を第1のサービス提供者(営業地域310を有する)に割り当てる。この割り当ては、無駄な復路を短くする観点から決められたものである。
【0032】
タクシー管理システムである超区域サービス・センタ60を参照すると、乗客とサービス提供者70とをマッチさせる優先アルゴリズムを適用する。代表的な優先アルゴリズムは、以下の状況を考慮に入れて、決められる。
*乗客のニーズとタクシーのパラメータとの一致。
*自分の営業地域にに近い、或いは仕事の終わりの時にタクシー運転手の家に近い場所にある目的地へ無駄に移動しているタクシーの特定。
*タクシーから乗客のピックアップ場所までの移動時間と距離。
*タクシー管理システムに関連する営業地域に接続されたタクシーの優先。
*タクシー運転手の乗客待ち時間。
*優良なタクシー運転手の優先、各付けシステムは、乗客の不満(即ちそれが無いこと)及びタクシー管理システムのニーズとの適合性に基づいて決定される。
【0033】
タクシー管理システム60は、タクシーの居場所を例えば50秒毎或いはタクシーが500m走る毎に更新する。
【0034】
段階的なサーチは、ピックアップ場所で半径を徐々に拡げることにより行われる。タクシー管理システム(超区域サービス・センタ)60は、適宜のタクシー運転手を見つけ出すために何回か例えば5回このプロセスを繰り返す。これにより、乗客をピックアップする場所の周囲及び目的地の周りのサーチ範囲の半径を50%広げる。最初のサーチ半径は、ピックアップ場所と目的地に対し異なる。代表的な半径は、ピックアップ場所に対しては400−600mで、目的地に対しては3−6kmである。復路のタクシーと乗客とのマッチが見出されない場合には、タクシー管理システムは、その乗客のニーズに最適にマッチできる別のタクシーを呼び出す。
【0035】
サービス提供者70が、サービス注文に適合し、このサービス注文が彼に割り当てられると、超区域サービス・センタ60は、タクシー運転手に、乗客の詳細、携帯電話或いはその名前を送り、ピックアップ位置と目的地を、サービス提供者(タクシー)70に搭載されたGPS装置に与える。更に道路に関する詳細が、GPS装置に与えられ、このGPS装置が、次にタクシー運転手に対し道路に従ってナビゲートする。他の方向に関しては、GPS装置は、ロケーションデータを頻繁に超区域サービス・センタ60に送り、リアルタイムのトラフィック道路をマッピングする。
超区域サービス・センタ60は、タクシーを、ピックアップ場所までの道路にそって、その後目的地までの道路にそって、方向付ける。必要によっては、サービス注文が実行されるように仲介する。例えば、ピックアップ場所の途上にありサービス注文を実行しようとするタクシーに重大故障が発生した場合には、それは別のサービス提供者70に送られる。
【0036】
以上の説明は、本発明の一実施例に関するもので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。特許請求の範囲の構成要素の後に記載した括弧内の番号は、図面の部品番号に対応し、発明の容易なる理解の為に付したものであり、発明を限定的に解釈するために用いてはならない。また、同一番号でも明細書と特許請求の範囲の部品名は必ずしも同一ではない。これは上記した理由による。用語「又は」に関して、例えば「A又はB」は、「Aのみ」、「Bのみ」ならず、「AとBの両方」を選択することも含む。特に記載のない限り、装置又は手段の数は、単数か複数かを問わない。特許請求の範囲に記載したステップは、特に記載のない限り、記載した順に必ずしも実施されなくてもよい。
【符号の説明】
【0037】
10 地図
20 営業地域
30 営業地域
80 営業地域
40 総括営業地域
60 サービス・センタ
70 サービス提供者
71 GPS装置
73 携帯モデム
90 インターネット
100 オーダ・インターフェース
110 クライアント
120 地域手配業者
140 サービス提供者・データベース
170 インターフェース
180 ヒューマン・インターフェース
図4
200:有料復路オーダを営業地域外にいるサービス提供者に割当てる方法
210:サービス注文を受領する
220:サービス提供者の居場所と利用可能性に関するデータを受領する
230:サービス注文をサービス提供者に割り当てる
図5
230:サービス注文をサービス提供者に割り当てる
250:ピックアップ場所の周りのサービス提供者を段階的にサーチする
260:営業地域の周りのサービス提供者を段階的にサーチする
270:2つの場所の間の移動時間を計算する
280:ある居場所とそれぞれの営業地域の間の距離により、サービス提供者を優先する

【特許請求の範囲】
【請求項1】
復路の有料のサービス注文を営業地域外にいるサービス提供者に割り当てる超地域サービス・センタにおいて、前記超地域サービス・センタは、
(a)前記サービス注文を受領するステップと、
前記サービス注文は、前記サービス注文のサービス時間、ピックアップ場所、前記ピックアップ場所とは異なる営業地域内の目的地を含み、
(b)前記営業地域外を移動するサービス提供者の場所と利用可能性に関するデータを受領するステップと、
(c)前記サービス注文を前記サービス提供者に、以下のデータに従って、割り当てるステップと、
前記データは、前記サービス注文のピックアップ場所、前記サービス注文のサービス時間、前記サービス提供者の居場所と利用可能性に関するデータを含む
を実行する
ことを特徴とする超地域サービス・センタ。
【請求項2】
前記超地域サービス・センタは、WANにリンクされている
ことを特徴とする請求項1記載の超地域サービス・センタ。
【請求項3】
前記超地域サービス・センタは、前記サービス注文をクライアントから、以下の(i)と(ii)を使用して、受領するオーダーインターフェースを含む、
(i)インターネット、電話システム、携帯電話システムからなるチャネル群の内の1つのチャネル、
(ii)前記ピックアップ場所に関連する営業地域と前記目的地に関連する営業地域の一方にいる地域配送業者、
ことを特徴とする請求項1記載の超地域サービス・センタ。
【請求項4】
前記超地域サービス・センタは、サービス提供者インターフェースを有し、前記営業地域外を移動するサービス提供者の居場所と利用可能性に関するデータを受領する
ことを特徴とする請求項1記載の超地域サービス・センタ。
【請求項5】
前記データは、前記サービス提供者から、前記サービス提供者に関連する位置特定通信手段を用いて、直接受領される
ことを特徴とする請求項4記載の超地域サービス・センタ。
【請求項6】
前記データは、前記サービス提供者から、地域配送業者を介して間接的に受領される、
前記地域配送業者は、前記サービス提供者と超地域サービス・センタに接続されている
ことを特徴とする請求項4記載の超地域サービス・センタ。
【請求項7】
前記位置特定通信手段は、GPS装置と携帯モデムの少なくとも一方を含む
ことを特徴とする請求項5記載の超地域サービス・センタ。
【請求項8】
前記位置特定通信手段は、前記超地域サービス・センタの位置を報告するために使用され、
前記報告された位置を、前記超地域サービス・センタが用いて、トラフィック負荷の解析と計算を行う
ことを特徴とする請求項5記載の超地域サービス・センタ。
【請求項9】
前記位置特定通信手段は、前記サービス提供者の利用可能性を示すステータスインディケータを有し、
前記ステータス・インディケータは、前記超地域サービス・センタに転送される
ことを特徴とする請求項5記載の超地域サービス・センタ。
【請求項10】
前記位置特定通信手段は、前記データを、前記超地域サービス・センタのデータベースに送る
ことを特徴とする請求項5記載の超地域サービス・センタ。
【請求項11】
前記超地域サービス・センタは、割り当てモジュールを有し、
前記割り当てモジュールは、以下のステップの内の少なくとも1つを実行する
(i)前記ピックアップ場所に関連する適宜のサービス提供者と、前記ピックアップ場所の周囲を徐々に広げるゾーンでサービス時間をサーチするステップ、
(ii)適宜のサービス提供者をサーチするステップ、
前記適宜のサービス提供者は、前記目的地位置の周囲の徐々に広がるゾーン内に営業地域を有し、
(iii)2つの場所の間の移動時間を、利用可能な道路とトラフィックデータに基づいて、計算するステップ、
(iv)サービス提供者に、前記サービス提供者の居場所と営業地域との間の距離に応じて、優先権を与えるステップ
ことを特徴とする請求項1記載の超地域サービス・センタ。
【請求項12】
前記割り当てモジュールは、前記2つの場所の間の移動時間を計算する移動時間計算ユニットを有する
ことを特徴とする請求項11記載の超地域サービス・センタ。
【請求項13】
前記超地域サービス・センタは、サービス提供者データベースに関連し、前記サービス提供者の居場所と利用可能性に関するデータを受領する
ことを特徴とする請求項1記載の超地域サービス・センタ。
【請求項14】
前記超地域サービス・センタは、超地域手配業者用のインターフェースを有し、
前記インターフェースは、ヒューマンインターフェースにリンクし、
前記超地域手配業者は、前記ヒューマンインターフェースを用いて、前記超地域サービス・センタをモニタし管理する
ことを特徴とする請求項1記載の超地域サービス・センタ。
【請求項15】
復路の有料のサービス注文を営業地域外にいるサービス提供者に割り当てる方法において、
(a)前記サービス注文を受領するステップ、
前記サービス注文は、前記注文のサービス時間、ピックアップ場所、前記ピックアップ場所とは異なる営業地域内の目的地を含み、
(b)前記営業地域外を移動するサービス提供者の場所と利用可能性に関するデータを受領するステップと、
(c)前記サービス注文を前記サービス提供者に、下記のデータに従って、割り当てるステップと、
前記データは、前記サービス注文のピックアップ場所、前記サービス注文のサービス時間、前記サービス提供者の居場所と利用可能性に関するデータを含む
を有する
ことを特徴とする復路の有料注文を営業地域外にいるサービス提供者に割り当てる方法。
【請求項16】
本発明の方法は、WANに接続されたサーバを用いてコンピュータで実行される
ことを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記サービス注文は、クライアントからインターネット、電話システム、携帯電話ネットワークからなる複数のチャネルの内の1つのチャネルを用いて、直接受領される
ことを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項18】
営業地域外を移動するサービス提供者の場所と利用可能性に関連するデータは、前記サービス提供者から、位置特定通信手段を用いて直接受領される
ことを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項19】
営業地域外を移動するサービス提供者の場所と利用可能性に関連するデータは、サービス提供者に関連する一領域手配業者を介して、位置特定通信手段を用いて間接的に受領される
ことを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項20】
前記(c)ステップは、前記ピックアップ場所の周囲で徐々に広がるゾーン内を移動する適宜のサービス提供者をサーチするステップを含む
ことを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項21】
前記(c)ステップは、前記目的地の周囲で徐々に広がるゾーン内にある営業地域を有する適宜のサービス提供者をサーチするステップを含む
ことを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項22】
請求項13の方法を実行するために、コンピュータ装置で実行出来るインストラクションのプログラムを実現するコンピュータ装置により読みとり可能なプログラム記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−530730(P2011−530730A)
【公表日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−521668(P2011−521668)
【出願日】平成21年8月2日(2009.8.2)
【国際出願番号】PCT/IB2009/053353
【国際公開番号】WO2010/015984
【国際公開日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【出願人】(511031630)
【出願人】(511031641)
【Fターム(参考)】