説明

タグ情報通知プログラムおよびリーダライタ

【課題】悪質な業者による廃棄物の不法投棄などを防止すること。
【解決手段】剥離検知リーダライタ100bは、廃棄物を最終処分(または中間処理)するとき以外は剥離検知タグ70を剥離しないという運用のもとで、剥離検知処理部130が廃棄物60に貼付された剥離検知タグ70の剥離を検知した場合に、位置特定処理部140が該剥離検知タグの剥離を検知した位置を特定し、時刻特定処理部150が剥離検知タグ70の剥離を検知した時刻を特定し、書込み・読込み処理部160が、剥離検知タグ70に記憶された情報を読み取り、読み取った情報、剥離位置情報および剥離時刻情報を、最終処分端末装置80eを介して情報センターサーバ200に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、運送物に貼付された剥離検知タグに記憶された情報をリーダライタを利用して読み取り、該読み取った情報を運送物に係る情報を管理する管理サーバに通知するタグ情報通知プログラムなどに関し、特に悪質な業者による廃棄物の不法投棄などを防止することができるタグ情報通知プログラムおよびリーダライタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、有害な産業廃棄物や医療用廃棄物など(以下、単に廃棄物と表記する)を処分する場合には、廃棄物は、排出事業者、運搬業者、中間処理業者などを介して最終処分処理業者まで運搬され、最終処分業者によって適切な場所で焼却処理や埋め立て処理が行われている。
【0003】
しかし、悪質な業者による廃棄物の不法投棄などが後をたたないため、マニフェスト(産業廃棄物管理票)が各業者間で利用されている。ここで、マニフェストは、廃棄物を処理した業者(以下、廃棄物処理業者)を特定する情報や、廃棄物処理業者が行った廃棄物の処理内容の情報などが、廃棄物処理業者自身によって記入された票である。
【0004】
すなわち、廃棄物の処分か終了し、廃棄物処理業者によって必要事項が記入されたマニフェストを、廃棄物を委託した業者(以下、委託業者と表記する)が受け取ることによって、委託業者は、廃棄物が契約どおり処理されたかを把握することができるので、悪質な業者による不正を防止することができた。
【0005】
なお、非特許文献1には、マニフェストを電子的に管理する情報管理サーバをネットワーク上に設置し、廃棄物処理業者は端末装置を利用して情報管理サーバにアクセスし、廃棄物処理業者を特定する情報や廃棄物の処理内容等の情報を送受信することによって、紙マニフェストの運用にかかる煩雑さを無くすことができる技術が公開されている。
【0006】
【非特許文献1】財団法人日本産業廃棄物処理振興センター、“JWNETの基本運用”、[online]、[平成16年10月16日検索]、インターネット<URL: HYPERLINK "http://www.jwnet.or.jp/jwnet/seido_gaiyou.html" http://www.jwnet.or.jp/jwnet/seido_gaiyou.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、かかる従来の技術では、委託業者は廃棄物に対する処理経過を正確に把握することができず、悪質な業者による廃棄物の不法投棄などを完全に防止することができないという問題があった。
【0008】
なぜなら、マニフェストに廃棄物の処理内容を記入するのは、廃棄物処理業者自身であるため、廃棄物処理業者は、マニフェストの記入事項を改竄することが可能であり、廃棄物を不法投棄した場合であっても、契約どおりの処理を行ったと嘘の報告を委託業者に行えば、委託業者は不正を見破ることができないからである。
【0009】
また、非特許文献1のように、情報管理サーバを利用して、マニフェストを電子的に管理する場合であっても、廃棄物処理業者自身が廃棄物の処理内容の情報を、情報管理サーバに送信するため、紙によるマニフェストの場合と同様、悪質な業者の不正を防止することができなかった。
【0010】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、悪質な業者による廃棄物の不法投棄などを防止することができるタグ情報通知プログラム、リーダライタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明に係るタグ情報通知プログラムは、運送物に貼付された剥離検知タグに記憶された情報をリーダライタを利用して読み取り、該読み取った情報を運送物に係る情報を管理する管理サーバに通知するタグ情報通知プログラムであって、前記運送物を処分するとき以外は前記剥離検知タグを剥離させないという運用のもとで、前記剥離検知タグの剥離を検知する剥離検知手順と、前記剥離検知手順が前記剥離検知タグの剥離を検知した場合に、前記剥離検知タグが剥離された位置を特定する剥離位置特定手順と、前記剥離位置特定手順によって特定された位置を剥離位置情報として前記管理サーバに通知する通知手順と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0012】
この請求項1の発明によれば、タグ情報通知プログラムは、前記運送物を処分するとき以外は前記剥離検知タグを剥離させないという運用のもとで、運送物に貼付された剥離検知タグの剥離を検知した場合に、剥離検知タグが剥離された位置を特定し、特定した位置を剥離位置情報として、運送物に係る情報を管理する管理サーバに通知する。
【0013】
また、請求項2の発明に係るタグ情報通知プログラムは、請求項1の発明において、前記剥離検知手順が前記剥離検知タグの剥離を検知した場合に、該剥離検知タグの剥離を検知した時刻を特定する剥離時刻特定手順をさらにコンピュータに実行させ、前記通知手順は、前記剥離時刻特定手順によって特定された時刻を剥離時刻情報として前記管理サーバにさらに通知することを特徴とする。
【0014】
この請求項2の発明によれば、タグ情報通知プログラムは、運送物に貼付された剥離検知タグの剥離を検知した場合に、剥離検知タグが剥離された時刻を特定し、特定した時刻を剥離時刻情報として、運送物にかかる情報を管理する管理サーバにさらに通知する。
【0015】
また、請求項3の発明に係るタグ情報通知プログラムは、請求項1または2の発明において、前記剥離検知タグに書込む情報である書込み情報を取得した場合に、該書込み情報を暗号化する暗号化手順と、前記暗号化手順によって暗号化された書込み情報を前記剥離検知タグに書き込む書込手順とをさらにコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0016】
この請求項3の発明によれば、タグ情報通知プログラムは、剥離検知タグに書込む情報である書込み情報を取得した場合に、取得した書込み情報を暗号化し、暗号化した書込み情報を剥離検知タグに書込む。
【0017】
また、請求項4の発明に係るリーダライタは、運送物に貼付された剥離検知タグに記憶された情報を読み取り、該読み取った情報を運送物に係る情報を管理する管理サーバに通知するリーダライタであって、前記運送物を処分するとき以外は前記剥離検知タグを剥離させないという運用のもとで、前記剥離検知タグの剥離を検知する剥離検知手段と、前記剥離検知手段が前記剥離検知タグの剥離を検知した場合に、前記剥離検知タグが剥離された位置を特定する剥離位置特定手段と、前記剥離位置特定手段によって特定された位置を剥離位置情報として前記管理サーバに通知する通知手段と、を備えたことを特徴とする。
【0018】
この請求項4の発明によれば、リーダライタは、前記運送物を処分するとき以外は前記剥離検知タグを剥離させないという運用のもとで、運送物に貼付された剥離検知タグの剥離を検知した場合に、剥離検知タグが剥離された位置を特定し、特定した位置を剥離位置情報として、運送物に係る情報を管理する管理サーバに通知する。
【0019】
また、請求項5の発明に係るリーダライタは、請求項4の発明において、前記剥離検知手段が前記剥離検知タグの剥離を検知した場合に、該剥離検知タグの剥離を検知した時刻を特定する剥離時刻特定手段をさらに備え、前記通知手段は、前記剥離時刻特定手段によって特定された時刻を剥離時刻情報として前記管理サーバにさらに通知することを特徴とする。
【0020】
この請求項5の発明によれば、リーダライタは、運送物に貼付された剥離検知タグの剥離を検知した場合に、剥離検知タグが剥離された時刻を特定し、特定した時刻を剥離時刻情報として、運送物にかかる情報を管理する管理サーバにさらに通知する。
【発明の効果】
【0021】
請求項1の発明によれば、タグ情報通知プログラムは、前記運送物を処分するとき以外は前記剥離検知タグを剥離させないという運用のもとで、運送物に貼付された剥離検知タグの剥離を検知した場合に、剥離検知タグが剥離された位置を特定し、特定した位置を剥離位置情報として、運送物に係る情報を管理する管理サーバに通知するので、業者が廃棄物を処分した位置を正確に特定することができ、廃棄物の不法投棄などを防止することができる(処分前に剥離検知タグが剥離していれば不正を検出することができる)。
【0022】
また、請求項2の発明によれば、タグ情報通知プログラムは、運送物を処分するとき以外は剥離検知タグを剥離させないという運用のもとで、運送物に貼付された剥離検知タグの剥離を検知した場合に、剥離検知タグが剥離された時刻を特定し、特定した時刻を剥離時刻情報として、運送物にかかる情報を管理する管理サーバにさらに通知するので、業者が廃棄物を処分した位置や時刻を正確に特定することができ、廃棄物の不法投棄などを防止することができる。
【0023】
また、請求項3の発明によれば、タグ情報通知プログラムは、剥離検知タグに書込む情報である書込み情報を取得した場合に、取得した書込み情報を暗号化し、暗号化した書込み情報を剥離検知タグに書込むので、剥離検知タグに記憶された情報の改竄を防ぐことができる。
【0024】
また、請求項4の発明によれば、リーダライタは、運送物を処分するとき以外は剥離検知タグを剥離させないという運用のもとで、運送物に貼付された剥離検知タグの剥離を検知した場合に、剥離検知タグが剥離された位置を特定し、特定した位置を剥離位置情報として、運送物に係る情報を管理する管理サーバに通知するので、業者が廃棄物を処分した位置を正確に特定することができ、廃棄物の不法投棄などを防止することができる(処分前に剥離検知タグが剥離していれば不正を検出することができる)。
【0025】
また、請求項5の発明によれば、リーダライタは、運送物を処分するとき以外は剥離検知タグを剥離させないという運用のもとで、運送物に貼付された剥離検知タグの剥離を検知した場合に、剥離検知タグが剥離された時刻を特定し、特定した時刻を剥離時刻情報として、運送物にかかる情報を管理する管理サーバにさらに通知するので、業者が廃棄物を処分した位置や時刻を正確に特定することができ、廃棄物の不法投棄などを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に添付図面を参照して、この発明に係るタグ情報通知プログラムおよびリーダライタの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【実施例】
【0027】
本実施例に示す剥離検知リーダライタは、産業廃棄物や医療用廃棄物等(以下、単に廃棄物と表記する)を最終処分(または中間処理)するとき以外は剥離検知タグを剥離しないという運用のもとで、廃棄物に貼付された剥離検知タグの剥離を検知した場合に、剥離を検知した位置や時刻などを特定し、特定した情報および剥離検知タグに記憶された情報を情報管理センターに通知することで、悪質な業者による廃棄物の不法投棄などを防ぐ。
【0028】
次に、本実施例に係るタグ情報管理システムのシステム構成について説明する。図1は、本実施例に係るタグ情報管理システムのシステム構成を示すブロック図である。同図に示すように、このタグ情報管理システムは、排出事業者端末装置80a、運搬業者端末装置80b,80d、中間処理業者端末装置80c、最終処分業者端末装置80eおよび情報処理センターサーバ200が、ネットワーク50に接続されている。
【0029】
また、リーダライタ90aが排出事業者端末装置80aに接続され、リーダライタ90bが運搬業者端末装置80bに接続され、剥離検知リーダライタ100aが中間処理業者端末装置80cに接続され、リーダライタ90cが運搬業者端末装置80dに接続され、剥離検知リーダライタ100bが最終処分業者端末装置80eに接続されている。
【0030】
また、廃棄物60は、剥離検知タグ70が貼付されており、排出事業者、運搬業者、中間処理業者、運搬業者、最終処分業者の順に運搬され、廃棄物60は、最終処分業者によって最終処分されることになる。ここで、剥離検知タグ70は、貼付された位置から剥離した場合に、剥離したことを検知可能とするIC(Integrated Circuit)タグである。
【0031】
なお、廃棄物60に貼付された剥離検知タグ70は、廃棄物60が中間処理業者まで運搬された時点で一旦剥離される。そして、剥離検知タグ70が剥離された廃棄物60は、中間処理業者によって詰め替え処理が行われる。そして、詰め替え処理が行われた廃棄物60には新たな剥離検知タグ70が貼付されることになる。
【0032】
なお、排出事業者端末装置80aは排出事業者に管理され、運搬業者端末装置80b,80dは運搬業者に管理され、中間処理業者端末装置80cは中間処理業者に管理され、最終処分業者端末装置80eは最終処分業者に管理される。
【0033】
排出事業者端末装置80aは、リーダライタ90aを利用して、業者識別情報、装置識別情報、場所情報および時刻情報を廃棄物60に貼付された剥離検知タグ70に書き込む装置である。ここで、リーダライタ90aは、剥離検知タグ70に対する情報の書き込みまたは剥離検知タグ70に記憶された情報の読み取りを行う装置である。なお、リーダライタ90bおよび90cは、リーダライタ90aと同様であるため説明を省略する。
【0034】
また、業者識別情報は、剥離検知タグ70に情報を書き込んだ業者を識別するための情報であり、装置識別情報は、剥離検知タグ70に情報を書き込んだリーダライタを識別するための情報であり、場所情報は、剥離検知タグ70に情報を書き込んだ場所の情報であり、時刻情報は、剥離検知タグ70に情報を書き込んだ時刻の情報である。
【0035】
また、排出事業者端末装置80aは、情報処理センターサーバ200から廃棄物60に係る情報を取得した場合に、図示しないディスプレイを利用して、排出事業者端末装置80aを管理する排出事業者等に取得した情報を通知する。
【0036】
運搬業者端末装置80bは、リーダライタ90bを利用して、業者識別情報、装置識別情報、場所情報および時刻情報を廃棄物60に貼付された剥離検知タグ70に書き込む装置である。また、運搬業者端末装置90bは、運搬業者が廃棄物60を中間処理業者に渡した旨の情報を、入力装置(図示しない)を介して入力された場合に、入力された情報を情報処理センターサーバ200に通知する。なお、運搬業者端末装置80dは、運搬業者端末装置80bと同様であるため説明を省略する。
【0037】
中間処理業者端末装置80cは、剥離検知タグ70が剥離した場合に、剥離検知タグ70に記憶された情報、剥離位置情報および剥離時刻情報を、剥離検知リーダライタ100aから取得し、剥離検知タグ70に記憶された情報、剥離位置情報および剥離時刻情報を情報処理センターサーバ200に送信する装置である。ここで、剥離位置情報は、剥離検知タグ70の剥離した位置を特定する情報であり、剥離時刻情報は、剥離検知タグ70が剥離した時刻を特定する情報である。
【0038】
また、中間処理業者端末装置80cは、詰め替え処理が行われた廃棄物60に新たな剥離検知タグ70が貼付された場合に、剥離検知リーダライタ100aを利用して、剥離される前の剥離検知タグ70に記録された情報、業者識別情報、装置識別情報、場所情報および時刻情報を、新たに貼付された剥離検知タグ70に書き込む。
【0039】
剥離検知リーダライタ100aは、剥離検知タグ70の剥離を検知した場合に、剥離位置情報および剥離時刻情報を特定し、特定した剥離位置情報、剥離時刻情報および剥離検知タグ70に記憶された情報を中間処理業者端末装置80cに渡す装置である。
【0040】
このように、剥離検知リーダライタ100aは、剥離検知タグ70が剥離された時点での剥離位置情報および剥離時刻情報を特定するので、中間処理業者が廃棄物60の詰め替え処理を行った位置・時刻や、最終処分業者が廃棄物60を処分した位置・時刻を正確に特定することができ、中間処理業者や最終処分業者等の不正行為を防ぐことができる。なお、剥離検知リーダライタ100bは、剥離検知リーダライタ100aとほぼ同様であるため説明を省略する。
【0041】
最終処分業者端末装置80eは、廃棄物60に貼付された剥離検知タグ70が剥離した場合に、剥離検知タグ70に記憶された情報、剥離位置情報および剥離時刻情報を、剥離検知リーダライタ100bから取得し、取得した剥離検知タグ70に記憶された情報、剥離位置情報および剥離時刻情報を情報処理センターサーバ200に通知する装置である。
【0042】
情報処理センターサーバ200は、排出事業者端末装置80a、運搬業者端末装置80b,80d、中間処理業者端末装置80cおよび最終処分業者端末装置80eから送信される情報を管理する装置である。
【0043】
また、情報処理センターサーバ200は、中間処理業者端末装置80cから剥離検知タグ70に記憶された情報、剥離位置情報および剥離時刻情報を受信した場合には、中間処理(廃棄物の詰め替え処理など)が行われたものと判定し、中間処理が行われた旨の情報、中間処理業者の業者識別情報、剥離位置情報および剥離時刻情報を排出事業者端末装置80aに通知する。
【0044】
また、情報管理センターサーバ200は、最終処分業者端末装置80eから剥離検知タグ70に記憶された情報、剥離位置情報および剥離時刻情報を受信した場合には、最終処理(廃棄物の焼却処理など)が行われたものと判定し、最終処理が行われた旨の情報、最終処理業者の業者識別情報、剥離位置情報および剥離時刻情報などを排出事業者端末装置80aおよび中間処理業者端末装置80cに通知する。
【0045】
次に、図1に示した剥離検知リーダライタ100aの構成について説明する(剥離検知リーダライタ100bは剥離検知リーダライタ100aと同様であるため説明を省略する)。図2は、図1に示した剥離検知リーダライタ100aの構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、この剥離検知リーダライタ100aは、アンテナ110および中間処理業者端末装置80c(図示しない)に接続されている(剥離検知リーダライタ100bは最終処分端末装置80eに接続されている)。
【0046】
また、剥離検知リーダライタ100aは、電波インターフェース部120と、剥離検知処理部130と、位置特定処理部140と、時刻特定処理部150と、書込み・読込み処理部160と、インターフェース部170と、暗号化処理部180と、記憶部190とを有する。
【0047】
電波インターフェース部120は、アンテナ110を利用して、剥離検知タグ70に対するデータ送信と、剥離検知タグ70に記憶されたデータの受信とを行う処理部である。なお、電波インターフェース部120は、搬送波として高周波を発生し、アンテナ110に供給する。そして、アンテナ110から放射される電界によって剥離検知タグ70はデータの送受信などに必要な電力を得ることができる。
【0048】
剥離検知処理部130は、廃棄物60に貼付された剥離検知タグ70の剥離を検知する処理部である。また、剥離検知処理部130は、廃棄物60に貼付された剥離検知タグ70の剥離を検知した場合に、剥離検知タグ70が剥離した旨の情報を位置特定処理部140および時刻特定処理部150に通知する。
【0049】
なお、剥離検知処理部130は、廃棄物60に対する最終処分(または中間処理)をおこなうとき以外に剥離検知タグ70の剥離を検知した場合には、不正が行われたと判定し、不正が行われた旨を情報処理センターサーバ200に通知することになる。
【0050】
位置特定処理部140は、剥離検知処理部130から剥離検知タグ70の剥離を検知した旨の情報を受付けた場合に、アンテナ110を利用して人工衛星と通信を行い、剥離検知リーダライタ100aの位置を特定する処理部である。また、位置特定情報140は、特定した位置の情報である剥離位置情報を書き込み・読込み処理部160に渡す。
【0051】
時刻特定処理部150は、剥離検知処理部130から剥離検知タグ70の剥離を検知した旨の情報を受付けた場合に、該情報を受付けた時刻を特定する処理部である。また、時刻特定処理部150は、特定した時刻の情報である剥離時刻情報を書込み・読込み処理部160に渡す。
【0052】
書込み・読込み処理部160は、位置特定処理部140から剥離位置情報を取得し、時刻特定処理部150から剥離時刻情報を取得した場合に、電波インターフェース120およびアンテナ110を利用して、剥離検知タグ70に記憶された情報を読み取り、剥離検知タグ70に記憶された情報、剥離位置情報、剥離時刻情報および装置識別情報を、インターフェース部170を介して中間処理業者端末装置80cに通知する処理部である。ここで、インターフェース部170は、所定の通信プロトコルを用いて中間処理業者端末装置80cと通信を行う処理部である。
【0053】
なお、書込み・読込み処理部160は、剥離検知リーダライタ100aの装置識別情報を記憶部190から取得する。記憶部190は、剥離検知リーダライタ100aの装置識別情報190aを記憶する記憶部である。
【0054】
また、書込み・読込み処理部160は、中間処理業者端末装置80cから剥離検知タグ70に書き込む情報(以下、書込み情報と表記する)を受信した場合には、書込みデータを暗号化処理部180に渡す。なお、この書込みデータは、中間処理業者の業者識別情報、装置識別情報、場所情報、時刻情報、剥離位置情報、剥離時刻情報および剥離される前の剥離検知タグ70に記憶されていた情報を有する。
【0055】
ここで、剥離される前の剥離検知タグ70に記憶された情報は、排出事業者および運搬業者の業者識別情報と、リーダライタ90a,90bの装置識別情報と、リーダライタ90aを用いて剥離検知タグ70に情報を書き込んだ場所情報と、リーダライタ90bを用いて剥離検知タグ70に情報を書き込んだ場所情報と、リーダライタ90aを用いて剥離検知タグ70に情報を書き込んだ時刻情報と、リーダライタ90bを用いて剥離検知タグ70に情報を書き込んだ時刻情報とを有する。
【0056】
暗号化処理部180は、書込み・読込み処理部160から渡される書込みデータを暗号化する処理部である。そして、暗号化処理部180は、暗号化した書込みデータを書込み・読込み処理部160に渡し、書込み・読込み処理部160は、暗号化された書込みデータを電波インターフェース120およびアンテナ110を利用して、剥離検知タグ70に書き込む。
【0057】
次に、剥離検知タグ70についての説明を行う。図3は、剥離検知タグ70の平面図であり、図4は、剥離検知タグ70の断面図である。図3および図4では、主に150kHz以下、あるいは13.56MHzの周波数を使用する電磁誘導方式の剥離検知タグの例を示している。
【0058】
剥離検知タグ70は、ICチップ1にアンテナコイル2と破断スイッチ3をPETフィルムなどの基板4上で接合してインレット5を形成する。破断スイッチ3は、所定以上の張力が加わると破断して回路を遮断する構造になっている。
【0059】
インレット5は、基板4上面の外周と破断スイッチ3の頂面に粘着材aを塗布して上面を表面シール6で被覆し、下面全体に粘着材aを塗布して下面をシリコンの剥離処理を施した剥離紙7に支持する。このインレット5を剥離紙7から引き剥がして廃棄物60に貼付する。
【0060】
ここで、破断スイッチ3に関する説明を行う。図5は、破断スイッチの平面図であり、図6は、破断スイッチの断面図である。図5および図6に示すように、破断スイッチ3は、厚膜印刷技術を用いて基板4上にメンブレン31を成膜し、その上を脆弱な材料のパッキング32で被膜して袋状の液貯蔵庫33を形成し、その中に導電性のインク液bを入れる。
【0061】
液貯蔵庫33の両端には電極34を配置し、リード線35を介してICチップ1に接続する。なお、破断スイッチ3の底面が接する基板4には予め×印などの形の切り込みcを入れておく。これにより、インレット5を引き剥がそうとすると、基板4が引っ張られて切り込みcの切れ幅が拡大し、基板4と一体の破断スイッチ3の破断を確実にする。この切り込みcは、360°いかなる方向から引っ張られても切れ幅が拡大するようになっている。
【0062】
また、基板4表面の破断スイッチ3周辺あるいは基板4表面全体に網点形状などの表面加工を施してインク液bの吸収を容易にする。なお、表面加工の他に、基板4平面にインク液bを吸収する塗料を塗布したり、インク液bを吸着する紙や布などのテープを貼っても良い。これにより、破断の際に漏出したインク液bが周辺の基板4表面に付着するので、破断スイッチ3が破断したことを容易に目視確認できるようになる。
【0063】
ところで、破断スイッチ3は、図7に示すように、液貯蔵庫33の両端を導電性の細線dで結んで通電させても良い。あるいは、メンブレン31やパッキング32をアルミなどの金属箔で形成して通電させても良い。この場合、液貯蔵庫33の中には目視可能な塗料の入った通常のインクを入れる。
【0064】
次に、剥離検知タグ70の構成について説明する。図8は、剥離検知タグ70の構成を示す機能ブロック図である。剥離検知タグ70は、ICチップ1のアンテナ接続部にアンテナコイル2を接続し、ICチップ1のデータ入力部に破断スイッチ3を接続する構成である。
【0065】
ICチップ1は、アンテナコイル2に接続する整流回路11、復調回路12、変調回路13およびクロック回路14からなるアナログ回路部と、CPU(Central Processing Unit)15とメモリ16からなるデジタル回路部で構成される。
【0066】
剥離検知タグ70は、以上のような構成であり、剥離検知リーダライタ100aがIDの読み取り信号変調してアンテナ110に印加すると、誘導電磁界が発生してタグ側のアンテナ110に誘起電圧が発生する。この誘起電圧を整流回路11が整流して動作電源とし、クロック回路14がその周波数を用いてIC同期用のクロックを生成する。
【0067】
これにより、IC回路に電力とクロックが供給されると、復調回路12がクロックに同期させながら剥離検知リーダライタ100aから受信した読み取り信号を復調し、CPU15が読み取り信号を解析してメモリ16からIDを読み出し、読み出したIDを変調回路13が変調してアンテナ110から送信する。このとき、CPU15は、破断スイッチ3の入力処理を行い、入力したスイッチの状態をIDに付加して剥離検知リーダライタ110に送信する。
【0068】
インレット5を他の物品などに付け替える場合、インレット5を引き剥がそうとすると、フィルム状の基板4が引っ張られて基板4に入れた切り込みcが拡大する。図9は、破断スイッチの破断状態を示す図である。
【0069】
図9に示すように、いずれかの切り込みcに沿って、引き裂き力が作用し、破断スイッチ3が破断する。このとき、中に入れた導電性のインク液bが漏出して破断スイッチ3周辺の基板4表面にインク液bが付着する。そのため、剥離検知リーダライタ100aがIDを読み取る前にインレット5が引き剥がされたことを目視で確認することが出来る。
【0070】
また、中に入れた導電性のインク液bが漏出すると破断スイッチ3がオフとなる。したがって、IDの読み取り時に付加されるスイッチの状態を識別して剥離検知リーダライタ100a側でもインレット5が引き剥がされたことを検知できるようになる。すなわち、剥離検知タグ70が廃棄物60から剥離したことを剥離検知リーダライタ100aは検知することが可能となる。
【0071】
図10は、破断スイッチの変形例に係る破断状態を示す図である。図10に示すように、液貯蔵層33の両端を細線dで結ぶ破断スイッチ3が破断した場合には、中に入れた通常のインク液bが漏出して、破断スイッチ3周辺の基板4表面にインク液bが付着する。また、破断スイッチ3の破断と共に中の細線dが断線し、同様に破断スイッチ3がオフになる。
【0072】
また、インレット5の表面シール6を他の表面シール6に張り替える場合、表面シール6を引き剥がそうとすると、底面を基板4に固着し、頂面を表面シール6に粘着する破断スイッチ3が上方に引っ張られて破断する。そのため、インレット5を引き剥がそうとする場合と同様に、破断スイッチ3周辺の基板4表面にインク液bが付着し、破断スイッチ3がオフとなり、剥離検知タグ70が剥離したことを検知することができる。
【0073】
次に、本実施例に係るタグ情報管理システムの処理について説明する。図11は、本実施例に係るタグ情報管理システムの処理手順を示すフローチャートである。図11に示すように、まず、排出事業者端末装置80aがリーダライタ90aを利用して、排出事業者の業者識別情報、リーダライタ90aの装置識別情報、排出事業者の場所情報および時刻情報(以下、排出事業者情報と表記する)を剥離検知タグ70に書き込むと共に、排出事業者情報を情報処理センターサーバ200に送信し、情報処理センターサーバ200は、受信した排出事業者情報を登録する(ステップS101)。
【0074】
続いて、廃棄物60が運搬業者に運搬された場合に、運搬業者端末装置80bが、リーダライタ90bを利用して、運搬業者の業者識別情報、リーダライタ90bの装置識別情報、運搬業者の場所情報および時刻情報(以下、第一運搬業者情報)を剥離検知タグ70に追加書き込みし、廃棄物60を中間処理業者に渡した旨の情報を受け取った場合には、運搬業者が中間処理業者に廃棄物60を渡した旨の情報を情報処理センターサーバ200に送信する(ステップS102)。
【0075】
そして、中間処理業者によって廃棄物60の詰め替えが行われ、廃棄物60に貼付された剥離検知タグ70が剥離した場合に、剥離検知リーダライタ100aが、剥離位置情報および剥離時刻情報を特定すると共に、剥離検知タグ70に記憶された排出事業者情報と第一運搬業者情報とを読み取り、剥離位置情報、剥離時刻情報、排出事業者情報、第一運搬業者情報および剥離検知リーダライタ100aの装置識別情報を中間処理業者端末装置80cに渡す。
【0076】
そして、中間処理業者端末装置80cは、剥離位置情報、剥離時刻情報、排出事業者情報、第一運搬業者情報および中間処理業者情報を情報処理センターサーバ200に送信する(ステップS103)。ここで、中間処理業者情報は、中間処理業者の業者識別情報、剥離検知リーダライタ100aの装置識別情報、中間処理業者の場所情報および時刻情報を示す。
【0077】
情報処理センターサーバ200は、中間処理業者端末装置80cから剥離位置情報、剥離時刻情報、排出事業者情報、第一運搬業者情報および中間処理業者情報を受信した場合に、受信した各情報を登録すると共に、中間処理が終了した旨の情報を排出事業者端末装置80aに送信する(ステップS104)。
【0078】
そして、詰め替えが完了した廃棄物60に、新たな剥離検知タグ70が貼付された場合に、中間処理業者端末装置80cは、剥離検知リーダライタ100aを利用して、排出事業者情報、第一運搬業者情報および中間処理業者情報を剥離検知タグ70に書き込む(ステップS105)。
【0079】
続いて、廃棄物60が運搬業者に運搬された場合に、運搬業者端末装置80dが、リーダライタ90cを利用して、運搬業者の業者識別情報、リーダライタ90cの装置識別情報、運搬業者の場所情報および時刻情報(以下、第二運搬業者情報)を剥離検知タグ70に追加書き込みし、廃棄物60を最終処分業者に渡した旨の情報を受け取った場合には、運搬業者が最終処分業者に廃棄物60を渡した旨の情報を情報処理センターサーバ200に送信する(ステップS106)。
【0080】
そして、最終処分業者が廃棄物60に貼付された剥離検知タグ70を剥離した場合に、剥離検知リーダライタ100bが、剥離位置情報および剥離時刻情報を特定すると共に、剥離検知タグ70に記憶された排出事業者情報、第一運搬業者情報、中間処理業者情報および第二運搬業者情報を読み取り、剥離位置情報、剥離時刻情報、排出事業者情報、第一運搬業者情報、中間処理業者情報、第二運搬業者情報および剥離検知リーダライタ100bの装置識別情報を最終処分業者端末装置80eに渡す。
【0081】
そして、最終処分端末装置80eは、剥離位置情報、剥離時刻情報、排出事業者情報、第一運搬業者情報、中間処理業者情報、第二運搬業者情報および最終処分業者情報を情報処理センターサーバ200に送信する(ステップS107)。ここで、最終処分業者情報は、最終処分業者の業者識別情報、剥離検知リーダライタ100bの装置識別情報、最終処分業者の場所情報および時刻情報を示す。
【0082】
情報処理センターサーバ200は、最終処分業者端末装置80eから剥離位置情報、剥離時刻情報、排出事業者情報、第一運搬業者情報、中間処理業者情報、第二運搬業者情報および最終処分業者情報を受信した場合に、受信した各情報を登録すると共に、最終処理が終了した旨の情報を排出事業者端末装置80aおよび中間処理業者端末装置80cに送信する(ステップS108)。
【0083】
なお、情報処理センターサーバ200は、中間処理業者端末装置80cから剥離時刻情報を受け取った後、この剥離時刻情報によって特定される時刻から所定時間以上経過したにもかかわらず、運搬業者端末装置80dから最終処分業者に廃棄物60を渡した旨の情報を受信しない場合には、警告を運搬業者端末装置80dに送信する。
【0084】
このように、タグ情報管理システムは、廃棄物60を取り扱った業者や、廃棄物を処分した場所や時刻を特定することができるので、業者の廃棄物に対する不法投棄などを防止することができる。
【0085】
次に、剥離検知リーダライタ100bが剥離検知タグ70の剥離を検知した場合の処理について説明する。図12は、剥離検知リーダライタ100bが剥離検知タグ70の剥離を検知した場合の処理手順を示すフローチャートである。
【0086】
図12に示すように、剥離検知リーダライタ100bは、剥離検知処理部130が剥離検知タグ70の剥離を検知し(ステップS201)、位置特定処理部140が剥離検知リーダライタ100bの位置を特定する(ステップS202)。
【0087】
そして、時刻特定処理部150が剥離を検知した時刻を特定し(ステップS203)、書込み・読込み処理部160が剥離検知タグ70に記憶された情報(排出事業者情報、第一運搬業者情報、中間処理業者情報、第二運搬業者情報)を読み取り(ステップS204)、該読み取った情報、剥離位置情報、剥離時刻情報および剥離検知リーダライタ100bの装置識別情報を最終処分業者端末装置80eに渡す(ステップS205)。
【0088】
なお、剥離の検知については、以下のようにすることも可能である。即ち、剥離検知リーダライタを利用者が操作することによって、剥離検知タグに対するポーリングを開始する。このポーリングとは一定間隔を空けて数回繰り返され、剥離検知タグの剥離が検知されたことをもってステップS202の処理に移る。このようにすることで、剥離検知の時間をより確実に把握することが可能となる。
【0089】
このように、剥離検知リーダライタ100bは、廃棄物60に貼付された剥離検知タグ70が剥離した場合に、剥離検知リーダライタ100bの位置および剥離を検知した時刻を特定することができるので、最終処分業者などが廃棄物を処分した位置および時刻を正確に把握でき、最終処分業者などの不正行為を防ぐことができる。
【0090】
次に、剥離検知リーダライタ100aが、書込みデータを剥離検知タグ70に書き込む処理について説明する。図13は、剥離検知リーダライタ100aが、書き込みデータを剥離検知タグ70に書き込む処理手順を示すフローチャートである。
【0091】
図13に示すように、剥離検知リーダライタ100aは、書込み・読込み処理部160が書込みデータを取得し(ステップS301)、暗号化処理部180が書込みデータを暗号化し(ステップS302)、書込み・読込み処理部160が暗号化した書込みデータを剥離検知タグ70に書込む(ステップS303)。
【0092】
このように、剥離検知リーダライタ100aは、剥離検知タグ70にデータを書き込む場合に、書き込むデータを暗号化するので、剥離検知タグ70に書き込まれたデータの改竄を防止することができる。
【0093】
上述してきたように、本実施例に係る剥離検知リーダライタ100bは、廃棄物を最終処分(または中間処理)するとき以外は剥離検知タグ70を剥離しないという運用のもとで、剥離検知処理部130が廃棄物60に貼付された剥離検知タグ70の剥離を検知した場合に、位置特定処理部140が該剥離検知タグの剥離を検知した位置を特定し、時刻特定処理部150が剥離検知タグ70の剥離を検知した時刻を特定し、書込み・読込み処理部160が、剥離検知タグ70に記憶された情報を読み取り、読み取った情報、剥離位置情報および剥離時刻情報を、最終処分端末装置80eを介して情報センターサーバ200に送信するので、委託業者は最終処分業者が廃棄物を処分した位置や時刻を正確に特定することができ、最終処分業者などによる廃棄物の不法投棄を防止することができる。逆に、最終処分または中間処理前に剥離検知タグ70が剥離していれば不正を検知することができる。
【0094】
なお、本実施例では、中間処理業者が廃棄物60の詰め替えを行う場合に、廃棄物60に貼付された剥離検知タグ70を剥離していたが、たとえば、剥離検知リーダライタ100aが、剥離検知タグ70を電子的に無効にするための電波を送信し、廃棄物60に貼付された剥離検知タグ70を無効にしてもよい。
【0095】
また、本実施例では、剥離検知タグ70を廃棄物60に貼付する場合を示したがこれに限定されるものではなく、紙のマニフェストなどに剥離検知タグ70を貼付して、マニフェストを廃棄物60と共に移動させることで、上述した実施例と同じ効果を得ることができる。
【0096】
また、本実施例に示したリーダライタ90a,90b,90c、剥離検知リーダライタ100a,100bは、剥離検知タグ70に書き込む情報として、廃棄物の処理内容や、廃棄物の処理方法などをさらに書き込んでもよい。
【0097】
ところで、上記の実施例で説明した各種の処理は、あらかじめ用意されたプログラムをコンピュータで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、図14を用いて、上記の実施例と同様の機能を有するタグ情報通知プログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。図14は、タグ情報通知プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【0098】
同図に示すように、タグ情報通知プログラムを実行するコンピュータ300は、電波インターフェース装置320、インターフェース装置330、ROM340、HDD350およびCPU360をバス370で接続して構成される。ここで、電波インターフェース装置320は、図2に示した電波インターフェース部120に対応し、インターフェース装置330は、同じくインターフェース部170に対応する。なお、電波インターフェース装置320は、アンテナ310に接続される。このアンテナ310は、図2に示したアンテナ110に対応する。
【0099】
そして、HDD350には、上記の実施例と同様の機能を発揮するタグ情報通知プログラム、つまり、図14に示すように、剥離検知プログラム350a、位置特定プログラム350b、時刻特定プログラム350c、書込み・読込みプログラム350d、暗号化プログラム350eが予め記憶されている。なお、プログラム350a〜350eについては、図2に示した剥離検知リーダライタ100aと同様、適宜統合または分散してもよい。
【0100】
そして、CPU360が、これらのプログラム350a〜350eをHDD350から読み出して実行することで、図14に示すように、各プログラム350a〜350eは、剥離検知プロセス360a、位置特定プロセス360b、時刻特定プロセス360c、書込み・読込みプロセス360d、暗号化プロセス360eとして機能するようになる。各プロセス360a〜360eは、図2に示した剥離検知処理部130、位置特定処理部140、時刻特定処理部150、書込み・読込み処理部160、暗号化処理部180にそれぞれ対応する。
【0101】
また、ROM340には装置識別情報340aが記憶される。この装置識別情報340aは、図2に示した装置識別情報190に対応する。そして、CPU360は装置識別情報340aを読み出して、読み出した装置識別情報を外部装置に通知する。
【0102】
ところで、上記した各プログラム350a〜350eについては、必ずしも最初からHDD350に記憶させておく必要はなく、例えば、コンピュータ300に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MOディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」、または、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ300に接続される「他のコンピュータ(またはサーバ)」などに各プログラムを記憶させておき、コンピュータ300がこれらから各プログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
【0103】
(付記1)運送物に貼付された剥離検知タグに記憶された情報をリーダライタを利用して読み取り、該読み取った情報を運送物に係る情報を管理する管理サーバに通知するタグ情報通知プログラムであって、
前記運送物を処分するとき以外は前記剥離検知タグを剥離させないという運用のもとで、前記剥離検知タグの剥離を検知する剥離検知手順と、
前記剥離検知手順が前記剥離検知タグの剥離を検知した場合に、前記剥離検知タグが剥離された位置を特定する剥離位置特定手順と、
前記剥離位置特定手順によって特定された位置を剥離位置情報として前記管理サーバに通知する通知手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするタグ情報通知プログラム。
【0104】
(付記2)前記剥離検知手順が前記剥離検知タグの剥離を検知した場合に、該剥離検知タグの剥離を検知した時刻を特定する剥離時刻特定手順をさらにコンピュータに実行させ、前記通知手順は、前記剥離時刻特定手順によって特定された時刻を剥離時刻情報として前記管理サーバにさらに通知することを特徴とする付記1に記載のタグ情報通知プログラム。
【0105】
(付記3)前記剥離検知タグは、前記運送物に関わった業者を識別する業者識別情報および前記剥離検知タグに情報の書込みを行ったリーダライタを識別する装置識別情報を少なくとも記憶し、前記通知手順は前記剥離検知手順が前記剥離検知タグの剥離を検知した場合に、前記業者識別情報、前記装置識別情報、前記剥離位置情報および前記剥離時刻情報を前記管理サーバに通知することを特徴とする付記2に記載のタグ情報通知プログラム。
【0106】
(付記4)前記剥離検知タグに書込む情報である書込み情報を取得した場合に、該書込み情報を暗号化する暗号化手順と、前記暗号化手順によって暗号化された書込み情報を前記剥離検知タグに書き込む書込手順とをさらにコンピュータに実行させることを特徴とする付記1、2または3に記載のタグ情報通知プログラム。
【0107】
(付記5)前記書込み情報は、前記業者識別情報と、前記装置識別情報と、前記剥離位置情報と、前記剥離時刻情報と、前記運送物の処理内容とを含んでいることを特徴とする付記4に記載のタグ情報通知プログラム。
【0108】
(付記6)運送物に貼付された剥離検知タグに記憶された情報を読み取り、該読み取った情報を運送物に係る情報を管理する管理サーバに通知するリーダライタであって、
前記運送物を処分するとき以外は前記剥離検知タグを剥離させないという運用のもとで、前記剥離検知タグの剥離を検知する剥離検知手段と、
前記剥離検知手段が前記剥離検知タグの剥離を検知した場合に、前記剥離検知タグが剥離された位置を特定する剥離位置特定手段と、
前記剥離位置特定手段によって特定された位置を剥離位置情報として前記管理サーバに通知する通知手段と、
を備えたことを特徴とするリーダライタ。
【0109】
(付記7)前記剥離検知手段が前記剥離検知タグの剥離を検知した場合に、該剥離検知タグの剥離を検知した時刻を特定する剥離時刻特定手段をさらに備え、前記通知手段は、前記剥離時刻特定手段によって特定された時刻を剥離時刻情報として前記管理サーバにさらに通知することを特徴とする付記6に記載のリーダライタ。
【0110】
(付記8)前記剥離検知タグは、前記運送物に関わった業者を識別する業者識別情報および前記剥離検知タグに情報の書込みを行ったリーダライタを識別する装置識別情報を少なくとも記憶し、前記通知手段は前記剥離検知手段が前記剥離検知タグの剥離を検知した場合に、前記業者識別情報、前記装置識別情報、前記剥離位置情報および前記剥離時刻情報を前記管理サーバに通知することを特徴とする付記7に記載のリーダライタ。
【0111】
(付記9)前記剥離検知タグに書込む情報である書込み情報を取得した場合に、該書込み情報を暗号化する暗号化手段と、前記暗号化手段によって暗号化された書込み情報を前記剥離検知タグに書き込む書込手段とをさらに備えたことを特徴とする付記6、7または8に記載のリーダライタ。
【0112】
(付記10)運送物に貼付された剥離検知タグに記憶された情報をリーダライタを利用して読み取り、該読み取った情報を運送物に係る情報を管理する管理サーバに通知するタグ情報通知方法であって、
前記運送物を処分するとき以外は前記剥離検知タグを剥離させないという運用のもとで、前記剥離検知タグの剥離を検知する剥離検知工程と、
前記剥離検知工程が前記剥離検知タグの剥離を検知した場合に、前記剥離検知タグが剥離された位置を特定する剥離位置特定工程と、
前記剥離位置特定工程によって特定された位置を剥離位置情報として前記管理サーバに通知する通知工程と、
を含んだことを特徴とするタグ情報通知方法。
【0113】
(付記11)前記剥離検知工程が前記剥離検知タグの剥離を検知した場合に、該剥離検知タグの剥離を検知した時刻を特定する剥離時刻特定工程をさらに含み、前記通知工程は、前記剥離時刻特定工程によって特定された時刻を剥離時刻情報として前記管理サーバにさらに通知することを特徴とする付記10に記載のタグ情報通知方法。
【産業上の利用可能性】
【0114】
以上のように、本発明にかかるタグ情報通知プログラムおよびリーダライタは、廃棄物の処理経過などの情報を正確に管理する必要のあるに廃棄物情報管理システムなどに対して有用である。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本実施例に係るタグ情報管理システムのシステム構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した剥離検知リーダライタの構成を示す機能ブロック図である。
【図3】剥離検知タグの平面図である。
【図4】剥離検知タグの断面図である。
【図5】破断スイッチの平面図である。
【図6】破断スイッチの断面図である。
【図7】破断スイッチの変形例に係る平面図である。
【図8】剥離検知タグの構成を示す機能ブロック図である。
【図9】破断スイッチの破断情報を示す図である。
【図10】破断スイッチの変形例に係る破断状態を示す図である。
【図11】本実施例に係るタグ情報管理システムの処理手順を示すフローチャートである。
【図12】剥離検知リーダライタが剥離検知タグの剥離を検知した場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】剥離検知リーダライタが、書込みデータを剥離検知タグに書き込む処理手順を示すフローチャートである。
【図14】タグ情報通知プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【符号の説明】
【0116】
50 ネットワーク
60 廃棄物
70 剥離検知タグ
80a 排出事業者端末装置
80b,80d 運搬業者端末装置
80c 中間処理業者端末装置
80e 最終処分業者端末装置
90a,90b,90c リーダライタ
100a,100b 剥離検知リーダライタ
110 アンテナ
120 電波インターフェース部
130 剥離検知処理部
140 位置特定処理部
150 時刻特定処理部
160 書込み・読込み処理部
170 インターフェース部
180 暗号化処理部
190 記憶部
190a 装置識別情報
200 情報処理センターサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運送物に貼付された剥離検知タグに記憶された情報をリーダライタを利用して読み取り、該読み取った情報を運送物に係る情報を管理する管理サーバに通知するタグ情報通知プログラムであって、
前記運送物を処分するとき以外は前記剥離検知タグを剥離させないという運用のもとで、前記剥離検知タグの剥離を検知する剥離検知手順と、
前記剥離検知手順が前記剥離検知タグの剥離を検知した場合に、前記剥離検知タグが剥離された位置を特定する剥離位置特定手順と、
前記剥離位置特定手順によって特定された位置を剥離位置情報として前記管理サーバに通知する通知手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするタグ情報通知プログラム。
【請求項2】
前記剥離検知手順が前記剥離検知タグの剥離を検知した場合に、該剥離検知タグの剥離を検知した時刻を特定する剥離時刻特定手順をさらにコンピュータに実行させ、前記通知手順は、前記剥離時刻特定手順によって特定された時刻を剥離時刻情報として前記管理サーバにさらに通知することを特徴とする請求項1に記載のタグ情報通知プログラム。
【請求項3】
前記剥離検知タグに書込む情報である書込み情報を取得した場合に、該書込み情報を暗号化する暗号化手順と、前記暗号化手順によって暗号化された書込み情報を前記剥離検知タグに書き込む書込手順とをさらにコンピュータに実行させることを特徴とする請求項1または2に記載のタグ情報通知プログラム。
【請求項4】
運送物に貼付された剥離検知タグに記憶された情報を読み取り、該読み取った情報を運送物に係る情報を管理する管理サーバに通知するリーダライタであって、
前記運送物を処分するとき以外は前記剥離検知タグを剥離させないという運用のもとで、前記剥離検知タグの剥離を検知する剥離検知手段と、
前記剥離検知手段が前記剥離検知タグの剥離を検知した場合に、前記剥離検知タグが剥離された位置を特定する剥離位置特定手段と、
前記剥離位置特定手段によって特定された位置を剥離位置情報として前記管理サーバに通知する通知手段と、
を備えたことを特徴とするリーダライタ。
【請求項5】
前記剥離検知手段が前記剥離検知タグの剥離を検知した場合に、該剥離検知タグの剥離を検知した時刻を特定する剥離時刻特定手段をさらに備え、前記通知手段は、前記剥離時刻特定手段によって特定された時刻を剥離時刻情報として前記管理サーバにさらに通知することを特徴とする請求項4に記載のリーダライタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−127288(P2006−127288A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−316728(P2004−316728)
【出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【出願人】(000237156)株式会社エフ・エフ・シー (100)
【出願人】(504170816)株式会社ICブレインズ (20)
【Fターム(参考)】