説明

タッチスイッチ用中間体およびタッチスイッチ用中間体製造方法

【課題】コストの低減および信頼性の向上を実現し得る静電容量式のタッチスイッチ用中間体を提供する。
【解決手段】 ベースフィルム31上に透明導電膜33が形成されたインモールドフィルムを用いたインモールド成形によって成形された板状のパネル部2と、インモールド成形によってパネル部2に配設された透明導電膜33とを備え、透明導電膜33は、パネル部2の厚み方向における中間部位に位置するようにパネル部2内に配設されている

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネル部とパネル部に配設された透明導電膜とを備えた静電容量式のタッチスイッチ用中間体、およびそのタッチスイッチ用中間体を製造するタッチスイッチ用中間体製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯情報端末や現金自動預け払い機等の数多くの電気機器には、指先を触れる(タッチする)ことによって入力を行うことが可能なタッチ式の操作部が設けられている。このタッチ式の操作部は、光透過性を有するパネル部の一面に透明導電膜を配設して構成されて、CRTやLCD等のディスプレイ上に取り付けられるタッチスイッチ(タッチパネル)を備えて構成されている。また、静電容量の変化に基づいてタッチの有無やタッチ位置を検出する静電容量式のタッチスイッチは、透明導電膜が配設された面がディスプレイ側に位置し、透明導電膜が配設されていない面(指先が触れられるタッチ面)が表側に位置するように取り付けられる。この場合、透明導電膜が露出した状態では、透明導電膜が損傷し易く、また、温度や湿度等の周囲の環境変化による影響も受け易い。このため、これらに起因して、透明導電膜の表面電気抵抗値つまりタッチスイッチの特性(アンテナ特性等)が変化して、誤作動するおそれがある。このような不都合を解消可能なタッチスイッチとして、透明導電膜の上に透明の基板や保護層を配設したタッチスイッチ(例えば、特開平5−324203号公報に開示されたタッチパネル)が知られている。この場合、上記公報に開示されたタッチパネルは、透明導電膜、保護膜および電極端子を設けたガラス基板と、グレア防止膜及び保護膜を設けたガラス基板とを透明接着材を用いて貼り合わせることによって構成されている。
【特許文献1】特開平5−324203号公報(第2−3頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上記のタッチパネルには、以下の問題点がある。すなわち、このタッチパネルは、2枚のガラス基板を貼り合わせることによって構成されている。このため、このタッチパネルには、貼り合わせの工程が必要な分、製造工程が複雑で、製造コストの低減が困難であるという問題点が存在する。
【0004】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、コストの低減を実現し得るタッチスイッチ用中間体およびタッチスイッチ用中間体製造方法を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成すべく本発明に係るタッチスイッチ用中間体は、ベースフィルム上に透明導電膜が形成されたインモールドフィルムを用いたインモールド成形によって成形された板状のパネル部と、前記インモールド成形によって前記パネル部に配設された前記透明導電膜とを備えた静電容量式のタッチスイッチ用中間体であって、前記透明導電膜は、前記パネル部の厚み方向における中間部位に位置するように前記パネル部内に配設されている。
【0006】
この場合、前記パネル部における互いに対向する一対の側面よりも内側に位置するように前記透明導電膜を配設し、前記パネル部を構成する樹脂で前記各側面において前記透明導電膜を覆うようにして当該パネル部を構成することができる。
【0007】
また、孔または切り欠きの少なくとも一方で構成される連結部を前記ベースフィルムに形成し、前記連結部に前記パネル部を構成する樹脂を充填することによって当該パネル部における前記厚み方向において当該連結部を挟んで対向する部位同士を連結させることができる。
【0008】
また、前記ベースフィルムの互いに対向する縁部領域に前記連結部をそれぞれ形成し、前記ベースフィルムの前記両縁部領域の間の中央部領域において前記透明導電膜を帯状に形成することができる。
【0009】
さらに、前記透明導電膜上に保護膜を有して前記インモールドフィルムを構成し、前記保護膜を前記透明導電膜と共に前記パネル部内に配設することができる。
【0010】
また、前記パネル部の厚み方向における前記中間部位よりも上側または下側が切り欠かれた段差部を当該パネル部の端部に形成し、前記段差部を構成する段差面に前記透明導電膜の端部の一面を接触させると共に当該端部の他面を前記パネル部から露出させることができる。
【0011】
また、本発明に係るタッチスイッチ用中間体製造方法は、ベースフィルム上に透明導電膜が形成されたインモールドフィルムを挟み込んだ状態のインモールド成形用の金型のキャビティに対して樹脂を射出して板状のパネル部を成形すると共に当該パネル部に前記透明導電膜を配設するインモールド成形によって静電容量式のタッチスイッチ用中間体を製造するタッチスイッチ用中間体製造方法であって、前記インモールドフィルムの両面側から前記キャビティに前記樹脂を射出可能な前記金型を用いて前記インモールド成形を行うことによって前記パネル部の厚み方向における中間部位に位置するように前記透明導電膜を当該パネル部内に配設する。
【0012】
この場合、前記ベースフィルムの所定部分を他の部分から切り離すための切り込みが形成された前記インモールドフィルムと、前記所定部分が前記パネル部から露出するように成形可能な前記金型とを用いて前記インモールド成形を行った後に、前記所定部分を切り離して前記透明導電膜の端部を前記パネル部から露出させることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るタッチスイッチ用中間体およびタッチスイッチ用中間体製造方法によれば、パネル部の厚み方向における中間部位に位置するように透明導電膜をパネル部内に配設することにより、従来のタッチパネルおよび製造方法とは異なり、2枚のガラス基板を貼り合わせる煩雑な工程を省略することができるため、製造工程を簡略することができる結果、製造コストを低減することができる。また、従来のタッチパネルおよび製造方法では、両ガラス基板を隙間なく貼り合わせるのに高度な技術を要するため、両者の間に隙間が生じ易く、温度や湿度等の周囲の環境変化による影響を十分に少なく抑えるのが困難な結果、誤作動が十分に少なく信頼性の高いタッチパネルの実現が困難である。これに対して、このタッチスイッチ用中間体およびタッチスイッチ用中間体製造方法では、インモールド成形によってインモールドフィルムつまり透明導電膜が樹脂で確実に覆われる。したがって、このタッチスイッチ用中間体およびタッチスイッチ用中間体製造方法によれば、2枚のガラス基板の間に隙間の生じるおそれのある従来のタッチパネルおよび製造方法とは異なり、温度や湿度等の周囲の環境変化による影響を十分に少なく抑えることができる結果、誤作動が十分に少なく信頼性の高いタッチスイッチを構成することができる。さらに、従来のタッチパネルおよび製造方法では、ガラス基板を用いているため、ATMなどのような比較的大型で特定の箇所に設置するような設備の入力装置に用いるのには適しているものの、携帯型の機器の入力装置としては、重量が大きくなるという問題点や、落下や衝撃によって破損し易いという問題点がある。これに対して、このタッチスイッチ用中間体およびタッチスイッチ用中間体製造方法では、インモールド成形によってパネル部を樹脂で形成することができる。したがって、このタッチスイッチ用中間体およびタッチスイッチ用中間体製造方法によれば、重量が軽くしかも破損し難いタッチスイッチを構成することができる。
【0014】
また、本発明に係るタッチスイッチ用中間体によれば、透明導電膜をパネル部の側面よりも内側に位置するように配設して、パネル部を構成する樹脂で各側面において透明導電膜を覆うようにしてパネル部を構成したことにより、パネル部の側面からの空気や水分の侵入を確実に防止することができるため、温度や湿度等の周囲の環境変化による影響をさらに十分に少なく抑えることができる。
【0015】
また、本発明に係るタッチスイッチ用中間体によれば、インモールドフィルムのベースフィルムに形成された連結部に充填された樹脂によってパネル部の厚み方向において連結部を挟んで対向する部位同士を連結したことにより、パネル部に挟み込まれたインモールドフィルムのパネル部に対する相対的な移動を確実に防止することができる。
【0016】
さらに、本発明に係るタッチスイッチ用中間体によれば、連結部が形成されたベースフィルムの両縁部領域の間の中央部領域において透明導電膜を帯状に形成したことにより、透明導電膜に孔や切り欠きが形成されている構成とは異なり、静電容量の変化に基づくタッチの有無やタッチ位置を正確に検出することができる。
【0017】
また、本発明に係るタッチスイッチ用中間体によれば、透明導電膜上に保護膜を有してインモールドフィルムを構成し、保護膜を透明導電膜と共にパネル部内に配設したことにより、透明導電膜がベースフィルムと保護膜とによって挟み込まれているため、インモールド成形の際に、射出の際の樹脂圧によって透明導電膜が剥がされる事態を確実に防止することができる。
【0018】
また、本発明に係るタッチスイッチ用中間体によれば、パネル部の端部に形成した段差部の段差面に透明導電膜における端部の一面を接触させると共に端部の他面をパネル部から露出させたことにより、タッチスイッチ用中間体を用いてタッチスイッチを製造する際に、段差部において露出させた透明導電膜の端部を、僅かな加工で電極として使用することができるため、タッチスイッチの製造工程を十分に簡略化することができる。
【0019】
また、本発明に係るタッチスイッチ用中間体製造方法によれば、ベースフィルムに切り込みを形成したインモールドフィルムを用いてインモールド成形を行った後に、ベースフィルムの所定部分を切り離して透明導電膜の端部をパネル部から露出させることにより、切り取り用の器具を用いることなく、ベースフィルムの所定部分を容易に切り取ることができる結果、製造効率を十分に向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係るタッチスイッチ用中間体およびタッチスイッチ用中間体製造方法の最良の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0021】
最初に、本発明に係るタッチスイッチ用中間体の一例としてのタッチスイッチ用中間体1(以下、単に「中間体1」ともいう)の構成について、図面を参照して説明する。
【0022】
図1に示す中間体1は、例えば、電気機器等におけるタッチ式の操作部として機能する静電容量式のタッチスイッチに用いられる中間体であって、同図に示すように、パネル部2およびインモールドフィルム3を備えて構成され、後述するインモールド金型102(図3参照:以下、単に「金型102」ともいう)を用いたインモールド成形によって製造される。
【0023】
パネル部2は、図1に示すように、例えば矩形の板状に構成され、金型102のキャビティ102a(図10参照)に透明性を有する樹脂(一例として、アクリル樹脂)を射出することによって成形される。また、パネル部2における互いに対向する一対の端部21には、パネル部2の厚み方向における中間部位(具体的には、インモールドフィルム3の配設部位)よりも上側(本発明における上側または下側の一例)が切り欠かれた段差部22が形成されている。
【0024】
インモールドフィルム3は、後述する帯状のインモールドフィルム30の一部で構成されている。具体的には、インモールドフィルム3は、図6に示すように、ベースフィルム31、アンカー層32、透明導電膜33および熱溶融性樹脂層34で構成されている。なお、インモールドフィルム3を構成する各構成要素の材料や形成方法等については後に詳述する。この場合、インモールドフィルム3は、図1に示すように、パネル部2の厚み方向における中間部位に位置するように配設(埋設)されている。つまり、透明導電膜33は、後述する端部33a,33aの部位を除いて、ベースフィルム31と共に上記の中間部位に位置するようにしてパネル部2内に配設されている。
【0025】
また、インモールドフィルム3は、パネル部2における互いに対向する一対の側面23,23よりも内側に位置するように配設されている。したがって、パネル部2は、パネル部2を構成する樹脂で各側面23,23において透明導電膜33を覆うようにして構成されている。また、ベースフィルム31における互いに対向する縁部領域には、図2に示すように、4つの孔31b(本発明における連結部の一例)が形成されており、この孔31bにパネル部2を構成する樹脂が充填されることで、パネル部2の厚み方向において、孔31bを挟んで対向する部位同士が連結されている(繋げられている)。この構成により、パネル部2に対するインモールドフィルム3の相対的な移動が確実に防止されている。
【0026】
透明導電膜33は、図2に示すように、ベースフィルム31における孔31bが形成された両縁部領域の間の中央部領域において帯状に形成されている。このため、透明導電膜33に孔や切り欠きが形成されている構成とは異なり、静電容量の変化に基づくタッチの有無やタッチ位置を正確に検出することが可能となっている。また、透明導電膜33における互いに対向する一対の端部33a,33aは、その一面(図1における下面)がパネル部2の段差部22を構成する段差面24に熱溶融性樹脂層34によって貼合させられる(接触させられる)と共に、その他面(同図における上面)が段差部22においてパネル部2から露出させられている。この構成により、中間体1を用いてタッチスイッチを製造する際に、段差部22において露出させられている透明導電膜33の端部33a,33aを、僅かな加工で電極とすることができるため、タッチスイッチの製造工程を簡略化することが可能となっている。
【0027】
次に、製造装置101の構成について、図面を参照して説明する。
【0028】
製造装置101は、図3に示すように、金型102、インモールドフィルム移動装置103および射出成形機104を備えて構成されている。金型102は、本発明に係るタッチスイッチ用中間体製造方法に従ってインモールド成形によって中間体1を製造可能な金型であって、固定側金型111および移動側金型121を備えて構成されている。この場合、金型102は、射出成形機104による1回の成形工程(1ショット)で4つの中間体1を成形可能(4個取り)に構成されている。また、金型102は、インモールドフィルム移動装置103によって移動させられるインモールドフィルム30を挟み込んだ状態で(図10参照)、固定側金型111の本体部113と移動側金型121の本体部123とが接合可能に構成されている。
【0029】
固定側金型111は、図4に示すように、ベース部112および本体部113を備えて構成されている。ベース部112は、板状に形成されて、射出成形機104の固定側取付部(図示せず)に取り付け可能に構成されている。本体部113は、ベース部112に固定されて、図10に示すように、インモールドフィルム30を挟み込んだ状態で、移動側金型121の本体部123と接合可能に構成されている。また、本体部113の金型面113aには、図4,9,10に示すように、キャビティ102aの一部分(主として、図1に示すパネル部2の上側2aを成形する部分)を構成する凹部113bが4つ形成されている。また、本体部113には、スプルー113fと凹部113bの縁部に形成されたゲート113cとを繋ぐランナーを構成する溝113dが形成されている。
【0030】
移動側金型121は、図5に示すように、ベース部122、本体部123、スペーサブロック124およびイジェクトプレート125を備えて構成されている。ベース部122は、板状に形成されて、射出成形機104における移動側取付部(図示せず)に取り付け可能に構成されている。本体部123は、スペーサブロック124を介してベース部122に固定されている。また、本体部123の金型面123aには、図5,9,10に示すように、キャビティ102aの一部分(主として、図1に示すパネル部2の下側2bを成形する部分)を構成する凹部123bが4つ形成されている。また、本体部123には、上記したスプルー113fと凹部123bの縁部に形成されたゲート123cとを繋ぐランナーを構成する溝123dが形成されている。イジェクトプレート125は、ベース部122と本体部123との間に配設されて、射出成形機104によってベース部122と本体部123との間を移動させられることにより、図外のイジェクトピンを本体部123の前方に突き出させる。
【0031】
インモールドフィルム移動装置103は、図3に示すように、固定側金型111と移動側金型121との間において、1回のインモールド成形(1ショット)毎に所定の長さ(例えば、図7,8に示す長さL)だけインモールドフィルム30を移動させる。
【0032】
ここで、インモールドフィルム30は、図6,7に示すように、上記したベースフィルム31、アンカー層32、透明導電膜33および熱溶融性樹脂層34で構成されている。ベースフィルム31は、透明性および可撓性を有する樹脂フィルムであって、帯状に形成されている。この場合、ベースフィルム31の材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ナイロンフィルム、アクリルフィルム、セロハンフィルム、およびノルボルネンフィルム(一例として、JSR(株)製「アートン」(登録商標))等を用いることができる。また、ベースフィルム31の厚みは、5〜100μmが好ましく、取り扱い容易性や成形安定性を考慮すると15〜75μmがより好ましい。
【0033】
また、図7,8に示すように、ベースフィルム31には、円形の孔31a,31b、および略長方形の孔31cが形成されている。この場合、孔31aは、インモールド成形の際に金型102に対するインモールドフィルム30の位置決めを行うための孔であって、一例として、1回の成形工程でインモールドフィルム移動装置103によって移動させられる長さL分の領域Aに4つずつ形成されている。また、孔31bは、上記したように、インモールド成形の際に樹脂が充填されることによってパネル部2に挟み込まれたインモールドフィルム3の移動を規制するための孔であって、一例として、各パネル部2によって挟み込まれる部位に4つずつ(領域Aに合計16個)形成されている。この場合、孔31bは、4つに切り離された中間体1の状態では、互いに対向する縁部領域(中間体1の側面23に沿った縁部領域)に列状に形成されることとなる。また、孔31cは、1回の成形工程で成形される4つの中間体1を切り離すための孔であって、上記した領域Aに3つずつ形成されている。この場合、各孔31cは、図8に示すように、各々の縁部が金型102のキャビティ102a(同図に一点鎖線で示す)の縁部よりも内側に位置ようにその大きさや形成位置が規定されている。さらに、図8に示すように、ベースフィルム31には、中間体1が成形された状態においてパネル部2から露出した端部31e(図13参照:本発明における所定部分)を切り取るための切り込み31dが形成されている。
【0034】
アンカー層32は、剥離性を有する層であって、例えば、シリコーン系、アクリル系およびメラミン系等の各種の熱硬化型ハードコート剤を溶剤に溶解した液体をベースフィルム31の上に塗布して、乾燥させることによって形成されている。この場合、高い硬度が得られる点で優れているシリコーン系ハードコート剤を用いるのが好ましい。また、不飽和ポリエステル樹脂系およびアクリル系等のラジカル重合性ハードコート剤、並びにエポキシ系およびビニルエーテル系等のカチオン重合性ハードコート剤などの各種の紫外線硬化型ハードコート剤を熱硬化型ハードコート剤に代えて用いることもできる。この場合、硬化反応性や表面硬度の点で優れているアクリル系のラジカル重合性ハードコート剤を用いるのが望ましい。また、アンカー層32の形成部位は、図7,8に示すように、ベースフィルム31の一面における各孔31bが形成された縁部領域の間の帯状の中央部領域に形成されている。
【0035】
透明導電膜33は、透明性および導電性を有する薄膜であって、アンカー層32の上、つまり上記した各孔31bが形成された縁部領域の間の帯状の中央部領域において帯状に形成されている。透明導電膜33の材料としては、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、ガリウムドープ酸化インジウムおよび亜鉛ドープ酸化インジウム等の酸化インジウムの微粒子、アンチモンドープ酸化錫(ATO)およびフッ素ドープ酸化錫(FTO)等の酸化錫の微粒子、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)、フッ素ドープ酸化亜鉛、インジウムドープ酸化亜鉛および硼素ドープ酸化亜鉛等の酸化亜鉛の微粒子、並びに酸化カドミウムなどの各種の導電性無機微粒子を用いることができる。この場合、優れた導電性が得られる点でITOを用いるのが好ましい。あるいは、ITOやATOを硫酸バリウム等の透明性を有する微粒子の表面にコーティングしたものを用いることもできる。また、これら微粒子の粒子径は、要求される光学特性および電気特性に応じて任意に規定することができるが、良好な光学特性(ヘイズ値)を得るためには、1.0μm以下に規定するのが好ましく、1nm〜100nmに規定するのがより好ましく、5nm〜100nmに規定するのがさらに好ましい。
【0036】
熱溶融性樹脂層34は、所定の温度(例えば90℃程度)で溶融状態となる樹脂材料を透明導電膜33の上に溶融した状態で塗布することによって形成されている。熱溶融性樹脂層34に用いる樹脂材料としては、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、オレフィン系樹脂、硝化綿系樹脂、ポリウレタン系樹脂、塩化ゴム系樹脂、ポリアミド系樹脂および塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体等を用いることができる。なお、これらの中で、パネル部2を構成する樹脂(一例として、アクリル樹脂)との相溶性の良好なものを熱溶融性樹脂層34用の樹脂として用いるが好ましい。この場合、熱溶融性樹脂層34の形成過程において、上記した溶融した熱溶融性樹脂層34用の樹脂を透明導電膜33の上に塗布した際に、透明導電膜33を構成する微粒子間の隙間に樹脂が含浸される。このため、このインモールドフィルム30では、透明導電膜33が柔軟性を有して構成される。
【0037】
射出成形機104は、一例として、横型の射出成形機であって、固定側取付部、移動側取付部、型締め機構、射出機構およびイジェクト機構(いずれも図示せず)などを備えて構成されている。
【0038】
次に、製造装置101(金型102)を用いて本発明に係るタッチスイッチ用中間体製造方法に従って中間体1を製造する工程について、図面を参照して説明する。
【0039】
まず、図3に示すように、射出成形機104における図外の固定側取付部および移動側取付部に金型102の固定側金型111および移動側金型121をそれぞれ取り付ける。次いで、ベースフィルム31を固定側金型111の金型面113aに対向させるようにして、インモールドフィルム30をインモールドフィルム移動装置103にセットして、インモールドフィルム移動装置103を作動させる。この際に、インモールドフィルム移動装置103が、金型102の固定側金型111と移動側金型121との間においてインモールドフィルム30を所定の長さだけ移動させる。続いて、射出成形機104を作動させる。この際に、射出成形機104の型締め機構が移動側取付部を固定側取付部に向けて移動させることにより、図10に示すように、固定側金型111と移動側金型121とがインモールドフィルム30を挟み込んだ状態で互いに接合させられる。
【0040】
次いで、射出成形機104の射出機構が、流動状態の樹脂を圧送する。この際に、射出成形機104から圧送された樹脂がスプルー113fおよびランナーを通り、固定側金型111における本体部113に形成されているゲート113c、および移動側金型121の本体部123に形成されているゲート123cからキャビティ102a内に射出される。この場合、インモールドフィルム30が固定側金型111と移動側金型121とによって挟み込まれているため、ゲート113cがインモールドフィルム30の一面側に位置し、ゲート123cがインモールドフィルム30の他面側に位置している。したがって、樹脂がインモールドフィルム30の両面側からキャビティ102a内に射出される結果、キャビティ102aの中間部位に位置した状態に維持される。
【0041】
また、射出された樹脂がベースフィルム31に形成されている孔31bに充填される。このため、成形後のパネル部2の厚み方向において孔31bを挟んで対向する部位が繋がった(連結された)状態となるため、パネル部2に対するインモールドフィルム3の相対的な移動が確実に防止される。また、図8に示すように、ベースフィルム31に孔31cが形成されているため、孔31cを形成する縁部、つまり後に切り離されることによってインモールドフィルム3の縁部となる部分がキャビティ102aにおけるパネル部2の側面23を成形するキャビティ面よりも内側に位置している。このため、このインモールドフィルム3の縁部の外側に樹脂が充填されて、図2に示すように、成形後のパネル部2の各側面23,23において透明導電膜33が樹脂によって覆われる。したがって、各側面23,23において透明導電膜33が露出していない状態にパネル部2が成形される。また、射出された樹脂の熱によってインモールドフィルム30の熱溶融性樹脂層34が溶融して樹脂との間で相溶状態となる。このため、成形後のパネル部2における段差部22の段差面24に熱溶融性樹脂層34を介して透明導電膜33の一面が確実に貼合される。
【0042】
続いて、所定の冷却時間が経過した後に、射出成形機104の型締め機構が固定側取付部から離反する向きに移動側取付部を移動させることにより、固定側金型111と移動側金型121との接合が解除されて、移動側金型121が固定側金型111から離反させられる。この際に、射出された樹脂が固化することによって成形された成形品(インモールドフィルム30を挟み込んだ状態の4つのパネル部2)が移動側金型121と共に固定側金型111から引き離される。次いで、射出成形機104のイジェクト機構が移動側金型121のイジェクトプレート125を本体部123側に移動させることにより、図外のイジェクトピンが本体部123の前方に突き出されて、成形されたパネル部2がインモールドフィルム30と共に移動側金型121から取り出される。これにより、インモールドフィルム30を介して繋がった状態の4つの中間体1の成形が完了する。
【0043】
この場合、この中間体1およびタッチスイッチ用中間体製造方法では、インモールドフィルム30を挟み込んでインモールド成形を行うことで、パネル部2の厚み方向における中間部位に位置するように透明導電膜33がベースフィルム31と共にパネル部2内に配設される。このため、従来のタッチパネルおよび製造方法とは異なり、2枚のガラス基板を貼り合わせる煩雑な工程を省略することができるため、製造工程が簡略化される結果、製造コストの低減が可能となっている。また、従来のタッチパネルおよび製造方法では、両ガラス基板を隙間なく貼り合わせるのに高度な技術を要するため、両者の間に隙間が生じ易く、温度や湿度等の周囲の環境変化による影響を十分に少なく抑えるのが困難な結果、誤作動が十分に少なく信頼性の高いタッチパネルの実現が困難である。これに対して、この中間体1およびタッチスイッチ用中間体製造方法では、インモールド成形によってインモールドフィルム3(つまり透明導電膜33)が樹脂で確実に覆われる。このため、2枚のガラス基板の間に隙間の生じるおそれのある従来のタッチパネルおよび製造方法とは異なり、温度や湿度等の周囲の環境変化による影響を十分に少なく抑えることが可能な結果、誤作動が十分に少なく信頼性の高いタッチスイッチを構成することが可能となっている。さらに、従来のタッチパネルおよび製造方法では、ガラス基板を用いているため、ATMなどのような比較的大型で特定の箇所に設置するような設備の入力装置に用いるのには適しているものの、携帯型の機器の入力装置としては、重量が大きくなるという問題点や、落下や衝撃によって破損し易いという問題点がある。これに対して、この中間体1およびタッチスイッチ用中間体製造方法では、パネル部2がインモールド成形によって樹脂で形成されている。したがって、この中間体1およびこのタッチスイッチ用中間体製造方法によれば、重量が軽くしかも破損し難いタッチスイッチを構成することが可能となっている。
【0044】
次いで、インモールドフィルム移動装置103が、インモールドフィルム30を所定の長さだけ移動させる。続いて、例えば、図11に示す破線の部分でインモールドフィルム30を切断する。これにより、図12に示すように、インモールドフィルム3を挟み込んだ4つのパネル部2が切り離される。次いで、図13に示すように、段差部22の段差面24に突出しているベースフィルム31の端部31eを切り取ることにより、その部分の透明導電膜33(つまり透明導電膜33の端部33a)を露出させる。これにより、中間体1の製造が完了する。この場合、このインモールドフィルム30では、ベースフィルム31に切り込み31dが予め形成されているため、切り取り用の器具を用いることなく、ベースフィルム31の端部31eを容易に切り取ることができる。また、熱溶融性樹脂層34によって透明導電膜33が段差面24に確実に貼合されている(貼り付いている)。このため、ベースフィルム31の端部31eの切り取りに伴って透明導電膜33が段差面24から剥がされる事態が確実に防止される。
【0045】
続いて、中間体1におけるパネル部2の外面25(タッチ面となる面)に傷付き防止用のハードコート加工、および反射防止加工を施す。次いで、パネル部2における段差面24に露出した透明導電膜33に金属膜を形成して電極とし、この電極と駆動用の回路とを接続する。以上によりタッチスイッチが完成する。
【0046】
このように、この中間体1およびタッチスイッチ用中間体製造方法によれば、パネル部2の厚み方向における中間部位に位置するように透明導電膜33をベースフィルム31と共にパネル部2内に配設したことにより、従来のタッチパネルおよび製造方法とは異なり、2枚のガラス基板を貼り合わせる煩雑な工程を省略することができるため、製造工程を簡略することができる結果、製造コストを低減することができる。また、この中間体1およびタッチスイッチ用中間体製造方法によれば、インモールド成形によってインモールドフィルム3(つまり透明導電膜33)が樹脂で確実に覆われるため、2枚のガラス基板の間に隙間の生じるおそれのある従来のタッチパネルおよび製造方法とは異なり、温度や湿度等の周囲の環境変化による影響を十分に少なく抑えることができる結果、誤作動が十分に少なく信頼性の高いタッチスイッチを構成することができる。さらに、この中間体1およびタッチスイッチ用中間体製造方法によれば、ガラス基板を用いる従来のタッチパネルおよび製造方法とは異なり、パネル部2をインモールド成形によって樹脂で形成することができるため、重量が軽くしかも破損し難いタッチスイッチを構成することができる。
【0047】
また、この中間体1およびタッチスイッチ用中間体製造方法によれば、透明導電膜33をパネル部2の側面23よりも内側に位置するようにパネル部2に配設(埋設)して、パネル部2を構成する樹脂で各側面23において透明導電膜33を覆うようにしてパネル部2を構成したことにより、パネル部2の側面23からの空気や水分の侵入を確実に防止することができるため、温度や湿度等の周囲の環境変化による影響をさらに十分に少なく抑えることができる。
【0048】
また、この中間体1およびタッチスイッチ用中間体製造方法によれば、インモールドフィルム3のベースフィルム31に形成された孔31bに充填された樹脂によってパネル部2の厚み方向において孔31bを挟んで対向する部位同士を連結したことにより、パネル部2に挟み込まれたインモールドフィルム3(ベースフィルム31および透明導電膜33)のパネル部2に対する相対的な移動を確実に防止することができる。
【0049】
また、この中間体1およびタッチスイッチ用中間体製造方法によれば、孔31bが形成されたベースフィルム31の両縁部領域の間の中央部領域において透明導電膜33を帯状に形成したことにより、透明導電膜33に孔や切り欠きが形成されている構成とは異なり、静電容量の変化に基づくタッチの有無やタッチ位置を正確に検出することができる。
【0050】
また、この中間体1およびタッチスイッチ用中間体製造方法によれば、パネル部2の端部21に段差部22を形成し、透明導電膜33における端部33aの一面を段差部22の段差面24に接触させると共に、端部33aの他面を段差部22においてパネル部2から露出させたことにより、中間体1を用いてタッチスイッチを製造する際に、段差部22において露出させられている透明導電膜33の端部33aを、僅かな加工で電極として使用することができるため、タッチスイッチの製造工程を十分に簡略化することができる。
【0051】
また、このタッチスイッチ用中間体製造方法によれば、ベースフィルム31に切り込み31dを形成したインモールドフィルム30を用いてインモールド成形を行った後に、パネル部2から露出したベースフィルム31の端部31eを切り離して透明導電膜33の端部33aを露出させることにより、切り取り用の器具を用いることなく、ベースフィルム31の端部31eを容易に切り取ることができる結果、製造効率を十分に向上させることができる。
【0052】
なお、本発明は上記の構成に限定されない。例えば、段差部22が形成されたパネル部2を備えた中間体1に適用した例について上記したが、図14に示すように、段差部22が形成されていないパネル部202を備えた中間体201に適用することもできる。また、上記したインモールドフィルム30に代えて、図15に示すインモールドフィルム330を用いてインモールド成形を行うこともできる。この場合、インモールドフィルム330は、同図に示すように、ベースフィルム31とベースフィルム31上に形成された透明導電膜33とで構成されている。
【0053】
また、図16に示すインモールドフィルム430を用いてインモールド成形を行うこともできる。このインモールドフィルム430は、同図に示すように、ベースフィルム31と、ベースフィルム31の上に直接(アンカー層32を介することなく)形成された透明導電膜33と、透明導電膜33の上に形成された微粘着層35と、微粘着層35の上に配設された保護フィルム(本発明における保護膜)36とで構成されている。つまり、このインモールドフィルム430では、透明導電膜33がベースフィルム31と保護フィルム36とによって挟み込まれている。この場合、微粘着層35は、シリコーン系およびアクリル系等の各種の熱硬化型ハードコート剤を溶剤に溶解した液体を透明導電膜33の上に塗布して、乾燥させることによって形成されている。また、保護フィルム36は、ベースフィルム31と同様に構成されている。このインモールドフィルム430を用いてインモールド成形を行う際には、金型102のキャビティ102aに樹脂が射出されたときに、透明導電膜33がベースフィルム31と保護フィルム36とによって挟み込まれているため、射出の際の樹脂圧によって透明導電膜33が剥がされる事態を確実に防止することができる。
【0054】
また、図17に示すように、孔31bに代えて切り欠き31f(本発明における連結部の一例)がベースフィルム31に形成されたインモールドフィルム530を用いてインモールド成形を行うこともできる。このインモールドフィルム530を用いてインモールド成形を行う際にも、金型102のキャビティ102aに射出された樹脂が切り欠き31fに充填される。このため、成形後のパネル部2の厚み方向において切り欠き31fを挟んで対向する部位同士が繋がった(連結された)状態となる結果、パネル部2に対するインモールドフィルム3の相対的な移動を確実に防止することができる。
【0055】
また、帯状のインモールドフィルム30を用いてインモールド成形を行った後にインモールドフィルム30を切断する例について上記したが、パネル部2に挟み込まれる大きさおよび形状に予め切断されたインモールドフィルム30,330,430,530(つまりインモールドフィルム3)を用いてインモールド成形を行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】タッチスイッチ用中間体1の構成を示す斜視図である。
【図2】タッチスイッチ用中間体1の平面図である。
【図3】製造装置101の構成を示す構成図である。
【図4】固定側金型111の斜視図である。
【図5】移動側金型121の斜視図である。
【図6】インモールドフィルム30の断面図である。
【図7】インモールドフィルム30の平面図である。
【図8】インモールドフィルム30の1つの領域Aの構成を示す平面図である。
【図9】金型102の断面図である。
【図10】固定側金型111と移動側金型121とを接合した状態の断面図である。
【図11】切り離し前の中間体1の平面図である。
【図12】切り離し後の中間体1の平面図である。
【図13】ベースフィルム31の端部31eを切り取っている状態の斜視図である。
【図14】タッチスイッチ用中間体201の斜視図である。
【図15】インモールドフィルム330の断面図である。
【図16】インモールドフィルム430の断面図である。
【図17】インモールドフィルム530の平面図である。
【符号の説明】
【0057】
1 タッチスイッチ用中間体
2 パネル部
3,30,330,430,530 インモールドフィルム
21 端部
22 段差部
23 側面
24 段差面
31 ベースフィルム
31d 切り込み
31e 端部
31f 切り欠き
33 透明導電膜
33a 端部
36 保護フィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースフィルム上に透明導電膜が形成されたインモールドフィルムを用いたインモールド成形によって成形された板状のパネル部と、前記インモールド成形によって前記パネル部に配設された前記透明導電膜とを備えた静電容量式のタッチスイッチ用中間体であって、
前記透明導電膜は、前記パネル部の厚み方向における中間部位に位置するように前記パネル部内に配設されているタッチスイッチ用中間体。
【請求項2】
前記透明導電膜は、前記パネル部における互いに対向する一対の側面よりも内側に位置するように配設され、
前記パネル部は、当該パネル部を構成する樹脂で前記各側面において前記透明導電膜を覆うようにして構成されている請求項1記載のタッチスイッチ用中間体。
【請求項3】
前記ベースフィルムには、孔または切り欠きの少なくとも一方で構成される連結部が形成され、
前記パネル部は、前記連結部に当該パネル部を構成する樹脂が充填されることによって前記厚み方向において当該連結部を挟んで対向する部位同士が連結されている請求項1または2記載のタッチスイッチ用中間体。
【請求項4】
前記連結部は、前記ベースフィルムの互いに対向する縁部領域にそれぞれ形成され、
前記透明導電膜は、前記ベースフィルムの前記両縁部領域の間の中央部領域において帯状に形成されている請求項3記載のタッチスイッチ用中間体。
【請求項5】
前記インモールドフィルムは、前記透明導電膜上に保護膜を有して構成され、
前記保護膜は、前記透明導電膜と共に前記パネル部内に配設されている請求項1から4のいずれかに記載のタッチスイッチ用中間体。
【請求項6】
前記パネル部の端部には、当該パネル部の厚み方向における前記中間部位よりも上側または下側が切り欠かれた段差部が形成され、
前記透明導電膜の端部は、前記段差部を構成する段差面にその一面が接触すると共にその他面が前記パネル部から露出させられている請求項1から5のいずれかに記載のタッチスイッチ用中間体。
【請求項7】
ベースフィルム上に透明導電膜が形成されたインモールドフィルムを挟み込んだ状態のインモールド成形用の金型のキャビティに対して樹脂を射出して板状のパネル部を成形すると共に当該パネル部に前記透明導電膜を配設するインモールド成形によって静電容量式のタッチスイッチ用中間体を製造するタッチスイッチ用中間体製造方法であって、
前記インモールドフィルムの両面側から前記キャビティに前記樹脂を射出可能な前記金型を用いて前記インモールド成形を行うことによって前記パネル部の厚み方向における中間部位に位置するように前記透明導電膜を当該パネル部内に配設するタッチスイッチ用中間体製造方法。
【請求項8】
前記ベースフィルムの所定部分を他の部分から切り離すための切り込みが形成された前記インモールドフィルムと、前記所定部分が前記パネル部から露出するように成形可能な前記金型とを用いて前記インモールド成形を行った後に、前記所定部分を切り離して前記透明導電膜の端部を前記パネル部から露出させる請求項7記載のタッチスイッチ用中間体製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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