説明

タバコアルカロイド放出チューインガム

【課題】消費者が喫煙する際に得る放出及び吸収に相当するタバコアルカロイド放出を得るチューインガムを提供する。
【解決手段】タバコアルカロイド放出チューインガムに関する。チューインガムはタバコアルカロイドと、ガムベースと、チューインガム成分とを含み、当該ガムベースがチューインガムの約2〜20重量%の範囲の量を構成するエラストマー化合物及び樹脂化合物を含む。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[発明の背景]
チューインガムの薬学的使用は、様々な目的で知られている。これらの目的の1つには、ニコチン放出チューインガムの使用が挙げられ、一般的に、一定時間にわたって消費者の口内でニコチンを放出する目的のために適用される。ここで、取り上げられるべき問題は、消費者がシガレット(cigarette:タバコ)を吸う際のシガレットのニコチン放出及び口腔知覚を模倣するということである。
【0002】
ニコチンの混合又は初期調製(initial preparation)によってニコチンをチューインガム中に組み込む様々な方法が、従来技術に開示されている。
【0003】
これらの従来技術の開示の1つには、US 5,488,962 Aが挙げられ、この開示は、血液及び唾液中のニコチン滞留レベルに関して喫煙を擬似する問題を取り上げている。この開示によれば、血液中のニコチンレベルの初期ピークは、喫煙時に相当するニコチン吸収と同様に得られる。一定時間後に到達するレベルは、従来のニコチン保有チューインガムに相当する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、問題は、初期放出を変更すると、一般的に長期放出も変更されるということである。
【0005】
本発明の目的は、消費者が喫煙する際に得る放出及び吸収に相当するタバコアルカロイド放出を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[発明の概要]
本発明は、タバコアルカロイド放出チューインガムであって、タバコアルカロイドと、ガムベースと、チューインガム成分とを含み、当該ガムベースが、当該チューインガムの約2〜20重量%の範囲の量を構成するエラストマー化合物及び樹脂化合物を含むタバコアルカロイド放出チューインガムに関する。
【0007】
一般的に、「タバコアルカロイド」という用語は、ニコチン又はニコチン代替物(substitutes:置換体)を表わす。
【0008】
本発明の諸条件に従い、重量%は、エラストマー化合物及び樹脂化合物(elastomer- and resin compounds)を含むチューインガム(すなわち、通常コーティングされていないチューインガムの中央部、例えば、マルチモジュール型チューインガム等の1つ又は複数のガムベース含有部分(複数可))の部(複数可)を表わす。
【0009】
「樹脂化合物」という用語は、天然樹脂及び合成樹脂の両方、並びに「エラストマー可塑剤」として表わされる化合物、すなわちエラストマー用の可塑剤として作用する(implemented)ポリマー化合物をも含む。
【0010】
本明細書中で、「ガムベース」という用語は、個別に製造されるガムベース混合物、及びこのようなガムベース成分の両方を表わす。言い換えると、チューインガムは、最初にガムベースを混合し、その後、ガムベースとチューインガム成分とを混合することにより二段階で製造されてもよく、またそうする代わりに、チューインガムは、WO 02/076229に開示されるような、例えば一段階バッチプロセスにより、また、例えば押出により一段階で製造されてもよい。一段階法では、ガムベース成分はチューインガム中に添加されるが、ガムベースは個別に混合されない。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、チューインガムは通常、任意に設けることができるコーティングを含んで0.1g〜10gの範囲の重量であるが、他の重量であっても用いることができる。
【0012】
本発明の一実施形態では、上記チューインガムは、タバコアルカロイドを0.1mg〜10mgの量で含む。
【0013】
本発明の一実施形態では、タバコアルカロイドの有益な濃度は、チューインガム1個(piece:1つ)当たり0.1mg〜10mgの範囲内であり、これより、チューインガム中のタバコアルカロイドの適用量、咀嚼中におけるタバコアルカロイドの所望の放出量、タバコアルカロイドの所望の口腔内受容(oral reception)、及び許容可能なテクスチャー特性の間のつり合いがとれる。
【0014】
本発明の一実施形態では、上記チューインガムは、チューインガムのガムベース含有部分(複数可)中に、タバコアルカロイドを0.1mg〜10mgの量で含む。
【0015】
チューインガムのガムベース含有部分は通常、チューインガムの中央部又は中心部、すなわちコアであり、これは基本的には、チューインガムベース及びさらなる成分から形成されるチューインガム組成物全体を本質的に含む、コーティングされていないチューインガム切片を形成する。チューインガムの中央部は、外部コーティングを備えていてもよい。本発明のさらなる実施形態では、ガムベース含有部分(複数可)は、チューインガムのモジュール、例えば層であり、コーティングをも含んでもよい。
【0016】
本発明の一実施形態では、上記タバコアルカロイドは、タバコアルカロイド塩、複合体中に結合されるタバコアルカロイド、又はそれらの任意の組み合わせから選択される形態である。
【0017】
本発明の一実施形態では、上記タバコアルカロイドはニコチンである。
【0018】
本発明の一実施形態では、上記ニコチンが、ニコチン塩、ニコチン遊離塩基、複合体中に結合されるニコチン、又はそれらの任意の組み合わせから選択される形態である。
【0019】
本発明の一実施形態では、上記複合体は、イオン交換樹脂を含む。
【0020】
本発明の一実施形態では、上記イオン交換樹脂は、弱酸性カチオン交換樹脂である。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、弱酸性カチオン交換樹脂の好ましい例は、USP24に記載されたポラクリレックス(polacrilex)である。
【0022】
本発明の一実施形態では、上記複合体は、吸着剤を含む。
【0023】
本発明の一実施形態では、上記吸着剤は、微細ケイ酸、非晶質シリカ、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、カオリン、クレイ、結晶性アルミノケイ酸塩、マカロイドベントナイト、活性炭素、アルミナ、ヒドロキシルアパタイト、微結晶性セルロース、又はそれらの任意の組み合わせから成る群より選択される。
【0024】
本発明の一実施形態では、上記ニコチン塩は、塩酸ニコチン、二塩酸ニコチン、一酒石酸ニコチン、二酒石酸ニコチン、硫酸ニコチン、塩化亜鉛ニコチン、サリチル酸ニコチン、又はそれらの任意の組み合わせから成る群より選択される。
【0025】
本発明の一実施形態では、上記チューインガムは、上記チューインガムの0.1重量%〜25重量%の範囲内の量で乳化剤を含む。
【0026】
本明細書でいう「乳化剤」という用語は、「可溶化剤」という用語を包含する。
【0027】
本発明の一実施形態では、上記乳化剤の少なくとも50%は、上記ガムベース中に含まれる。
【0028】
本発明の一実施形態では、上記乳化剤は、シクロデキストリン、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、マクロゴールアルキルエーテル、酸化エチレンと酸化プロピレンとのブロックコポリマー、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、ステアリン酸ポリオキシエチレン、ソルビタンエステル、モノグリセリド又は乳酸化モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステル、又はそれらの任意の組み合わせから成る群より選択される。
【0029】
本発明の一実施形態では、上記チューインガムは、7以下のHLB値を有する1つ又は複数の乳化剤を含む。
【0030】
本発明によれば、親水性油性バランス(HLB)値が7未満、又はさらには5未満の乳化剤が、特にチューインガムのガムベース部分を軟化する有益な軟化特性を有する。
【0031】
本発明の一実施形態では、上記チューインガムは、少なくとも7のHLB値を有する1つ又は複数の乳化剤を含む。
【0032】
本発明によれば、HLB値が約5を超える、好ましくは約7を超える乳化剤が、タバコアルカロイドの放出を増大する有益な特性を有する。本発明によれば、これらの比較的大きいHLB値の乳化剤は、好ましくは、チューインガム製造プロセス中にタバコアルカロイドと同時に添加される。
【0033】
本発明の一実施形態では、上記チューインガムは、少なくとも10、好ましくは少なくとも14のHLB値を有する1つ又は複数の乳化剤を含む。
【0034】
本発明の一実施形態では、上記チューインガムは、HLB値が約7未満の1つ又は複数の乳化剤、及びHLB値が約7を超える1つ又は複数の乳化剤を含み、HLB値が約7未満の上記乳化剤は、ガムベースに適用され、HLB値が約7を超える上記乳化剤は、チューインガム成分とともに最終チューインガム組成物に適用される。
【0035】
本発明の一実施形態では、上記樹脂化合物は、上記チューインガムの0.1〜20重量%の範囲の量を構成する天然樹脂を含む。
【0036】
本発明の一実施形態では、上記樹脂化合物は、上記チューインガムの1〜15重量%の範囲の量を構成する天然樹脂を含む。
【0037】
本発明の一実施形態では、上記天然樹脂は、エステルガムを含む。
【0038】
本発明の一実施形態では、上記樹脂化合物は、上記チューインガムの0.1〜20重量%の範囲の量を構成する合成樹脂を含む。
【0039】
本発明の一実施形態では、上記樹脂化合物は、上記チューインガムの1〜15重量%の範囲の量を構成する合成樹脂を含む。
【0040】
本発明の一実施形態では、上記合成樹脂は、α−ピネン、β−ピネン及び/又はd−リモネンに由来のテルペン樹脂を含む。
【0041】
本発明の一実施形態では、上記合成樹脂は、ポリ酢酸ビニル(PVAc)を含む。
【0042】
本発明の一実施形態では、上記エラストマー化合物は、上記チューインガムの少なくとも1重量%、好ましくは上記チューインガムの2重量%を構成する。
【0043】
本発明の一実施形態によれば、エラストマーの有益な量は、チューインガムの少なくとも1重量%であり、これにより、チューインガム中のタバコアルカロイドの適用量、咀嚼中におけるタバコアルカロイドの所望の放出、タバコアルカロイドの所望の口腔内受容、及び許容可能なテクスチャー特性の間のつり合いがとれる。
【0044】
本発明の一実施形態では、上記エラストマー化合物は、上記チューインガムの20重量%未満、好ましくは上記チューインガムの約15重量%未満、最も好ましくは上記チューインガムの10重量%未満を構成する。
【0045】
本発明の一実施形態によれば、初期の咀嚼抵抗性が大きいと、得られるタバコアルカロイドの放出に対抗する恐れがあるので、特にチューインガムの初期咀嚼に関する所望のガム特性を得るために、エラストマーの量を注意深く制御しなければならない。
【0046】
本発明の一実施形態では、上記エラストマー化合物は、上記チューインガムの約0.001〜20重量%の範囲、好ましくは上記チューインガムの約0.001〜15重量%の範囲内、最も好ましくは上記チューインガムの約0.001〜10重量%の範囲内の量を構成する。
【0047】
本発明の一実施形態では、軽い咀嚼感に関し、且つ大量のエラストマーによる、特に初期咀嚼、それゆえ初期咀嚼に伴う特にタバコアルカロイドの放出への対抗を回避することに関する両方の所望のガム特性を得るために、エラストマーの量を注意深く制御しなければならない。
【0048】
本発明の一実施形態では、上記エラストマー化合物は、ブタジエン−スチレンコポリマー、ポリイソブタジエン、イソブチレン−イソプレンコポリマー、ブチルゴム、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、酢酸ビニル/ラウリン酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル/ステアリン酸ビニルコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルアルコール、又はそれらの任意の誘導体若しくは混合物から成る群より選択される合成エラストマーである。
【0049】
本発明の一実施形態では、上記エラストマー化合物は、天然ゴム、ラテックス、グアユールゴム、天然ガム、ジェルトン(jelutong)、レッチェカスピ(lechi caspi)、ペリロ(perillo)、ソルバ(sorva)、マッサランドババラタ(massaranduba balata) 、マッサランドバチョコレート、ニスペロ(nispero)、ロジディンハ(rosidinha)、チクル、グッタペルカ、グッタカタイウ(gutta kataiu)、ニガーグッタ、ツヌー、チルテ、チクブル、グッタハンカン(gutta hang kang)、又はそれらの任意の組み合わせから成る群より選択される天然エラストマーである。
【0050】
本発明の一実施形態では、上記チューインガムは、pH制御成分を含む。
【0051】
本発明の一実施形態では、上記pH制御成分は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、リン酸二カリウム、クエン酸カリウム、又はそれらの任意の組み合わせから成る群より選択される。
【0052】
本発明の一実施形態では、上記pH制御成分は、上記チューインガムの0.1重量%〜5重量%の範囲の量を構成する。
【0053】
本発明の一実施形態では、上記pH制御成分は、上記チューインガムの消費者の口腔内で7.4〜10の範囲のpH値を示す。
【0054】
チューインガムからのニコチンの高速放出が、本発明によりもたらされるため、消費者が、放出されるニコチンの大部分を飲み込んでしまうという問題が生じる。飲み込まれるニコチン部分は、消耗されるため、消費者の血流中に吸収されない。本発明によれば、この問題を緩和する方法は、口内のpH値をニコチンの吸収を容易にする値にまで上げることである。したがって、消費者の口内の大きいpH値は、本発明によれば、高速放出を得るという利得を達成するために非常に重要な因子である。
【0055】
本発明の一実施形態では、上記タバコアルカロイド高速放出チューインガムは、コーティングを含む。
【0056】
本発明によれば、高速放出チューインガムが、タバコアルカロイドの保護を低減し、チューインガム中のタバコアルカロイドの安定性を低減する可能性があることが経験により分かった。低減した安定性は、タバコアルカロイド(例えば、ニコチン)のチューインガムからのその揮発性による流出、及びチューインガム組成物中に組み込まれるタバコアルカロイドへの酸素のアクセス(access:接近)の両方に関して観測され得る。しかしながら、本発明によれば、チューインガムのコーティングが、保護を改良し、且つチューインガム中のタバコアルカロイドの安定性を増大させることが分かった。
【0057】
改良された保護によって主に、揮発性タバコアルカロイドの流出が低減され、且つ光のアクセス及び空気からの酸素のアクセスが低減することが示されている。酸素のアクセスを低減することにより、酸素とニコチンとの反応が低減され、それによって、タバコアルカロイドを好ましい形態で維持する。同様に、タバコアルカロイドへの光のアクセスの低減により、ニコチン等のタバコアルカロイドの酸化、及びさらなる反応の発生が低減する。したがって、本発明によるコーティングを適用することにより得られる有意な利点は、タバコアルカロイドを含むチューインガムの保護に通常必要な梱包に比べて、より簡潔であまり高価でない包装又は梱包を適用することができるという点である。
【0058】
本発明の一実施形態では、上記コーティングは、ハードコーティングである。
【0059】
本発明によれば、特にハードコーティングが、チューインガム中のタバコアルカロイドの保護に関する保護特性が改良されたチューインガムを提供している。
【0060】
本発明の一実施形態では、上記コーティングは、ソフトコーティング又はフィルムコーティングである。
【0061】
また、本発明によれば、ソフトコーティング及びフィルムコーティングは、チューインガム中のタバコアルカロイド内容物の保護に寄与する。
【0062】
本発明の一実施形態では、上記コーティングは、さらなる量のタバコアルカロイドを含む。
【0063】
コーティングにタバコアルカロイドを組み込む場合、タバコアルカロイドの初期の超高速放出が得られる可能性がある。また、この利点は、タバコアルカロイドの初期突発放出が得られ、コーティングが溶解した後でもタバコアルカロイドの連続放出を維持する場合、基本的に、コーティングに取って代わり得る適用量の樹脂及びエラストマーの利益と併せて利用することができる。
【0064】
本発明の一実施形態では、上記コーティングは、20mgを超える、好ましくは50mgを超える、最も好ましくは100mgを超える重量を有する。
【0065】
本発明者によって実施される実験では、約20mgの重量を有するコーティングが、チューインガムの中央部に首尾良く適用されている。約100mgのコーティングを有するチューインガムにおいて、揮発性ニコチンをチューインガム内部に保持することで保護効果を観測した。
【0066】
コーティングされていないチューインガムの中央部の重量は、0.4g〜10gの範囲内であってもよい。
【0067】
本発明の一実施形態では、上記コーティングは、チューインガムの2重量%を超え、好ましくは5重量%を超え、最も好ましくは10重量%を超える量を構成する。
【0068】
本発明の一実施形態では、上記チューインガムは、少なくとも100mgの部分を構成するコーティングを含み、当該部分が高度甘味料を含む。
【0069】
本発明の一実施形態では、上記コーティングは、少なくとも100mgの部分を構成し、当該部分がバルク甘味料を含む。
【0070】
本発明の一実施形態では、上記コーティングは、少なくとも100mgの部分を構成し、当該部分が香味料を含む。
【0071】
本発明の一実施形態では、上記チューインガムは、甘味料を含む。
【0072】
本発明の一実施形態では、上記甘味料は、バルク甘味料、糖質甘味料、糖代替甘味料、人工甘味料、高度甘味料、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0073】
本発明の一実施形態では、上記チューインガムは、1つ又は複数の香味料を含む。
【0074】
本発明の一実施形態では、上記香味料は、天然香味料及び合成香味料を含む。
【0075】
本発明の一実施形態では、上記香味料は、精油、エッセンス、エキス、粉末、酸、ココナッツ、コーヒー、チョコレート、バニラ、グレープフルーツ、オレンジ、ライム、メントール、カンゾウ、カラメルアロマ、ハニーアロマ、ピーナッツ、クルミ、カシュー、ヘーゼルナッツ、アーモンド、パイナップル、ストロベリー、ラズベリー、リンゴ、ナシ、モモ、アプリコット、ブラックベリー、チェリー、パイナップル、プラムエッセンス、チョウジ油、ベイ油、アニス、タイム、シーダーリーフ油、ナツメグ、シナモン、ペパーミント、ウィンターグリーン、スペアミント、ユーカリ、ミント、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0076】
本発明の一実施形態では、上記チューインガムは、充填剤を含む。
【0077】
本発明の一実施形態では、上記充填剤は、上記ガムベース中に含まれる。
【0078】
本発明の一実施形態では、上記充填剤は、上記チューインガム成分とともに上記チューインガム中に組み込まれる。
【0079】
本発明の一実施形態では、上記チューインガムは、0.1〜10gの範囲の重量を有する。
【0080】
本発明の一実施形態では、上記チューインガムは、複数の構成要素からなるマルチモジュール(multimodular)型である。
【0081】
本発明の一実施形態では、上記チューインガムは、タバコアルカロイド高速放出モジュール、好ましくは実質的にガムベース未含有モジュールを含む。
【0082】
本発明の一実施形態では、上記チューインガムは、チューインガムタブレットである。
【0083】
一段階若しくは二段階での混合又は押出とは別に、本発明によるチューインガムは、タブレット成形によって、例えば、チューインガム成分の圧縮によって製造されてもよい。タブレット成形によって製造されるチューインガム片は、チューインガムタブレットともいってもよい。
【0084】
本発明の一実施形態では、上記チューインガムは、さらなる活性成分を含む。
【0085】
本発明の範囲内で適用可能なさらなる活性成分の例は、詳細な説明中に列挙される。
【0086】
本発明によれば、さらなる活性成分は、チューインガムの中央部、すなわちチューインガムのコア中に組み込まれる。これにより、タバコアルカロイドとさらなる活性成分との同時放出を本発明により得ることができる。このため、タバコアルカロイドの作用が、同時に増大し且つ補償され得る。
【0087】
本発明の一実施形態では、上記さらなる活性成分の量は、約0.01mg〜1,000mgの範囲内、好ましくは0.01mg〜500mgの範囲である。
【0088】
本発明の一実施形態では、上記さらなる活性成分は、歯科用作用物質、及び痛み、頭痛又は体重増加を処置する作用物質から成る群より選択される。このような活性成分は、詳細な説明中に列挙される。
【0089】
本発明の一実施の形態では、上記さらなる活性成分は、セチリジン、ロラチジン、フェニレフェリン(phenyleferin)、パラセタモール、シメチジン、ラニチジン、イブプロフェン、炭酸カルシウム(calciumcarbonat)、ビタミンD3、スマトリプタン、ケトプロフェン、ナプロキセン、モルフィン、シメチジン、ファモチジン、ラニチジン、クロルフェネラミン(chlorpheneramine)、デキストロメトルファン、メトフォルミン、又はそれらの任意の組み合わせから成る群より選択される。
【0090】
本発明の一実施形態では、上記乳化剤は、シクロデキストリン、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、ソルビタン脂肪酸エステル、オキシステアリン酸ポリエチレングリコールグリセロール、モノステアリン酸グリセロール、モノオレイン酸グリセロール、酸化エチレンと酸化プロピレンとのブロックコポリマー、又はそれらの混合物から成る群より選択される。
【0091】
その上、本発明は、請求項1〜60のいずれか1項に記載のタバコアルカロイド高速放出チューインガムを製造する方法に関する。
【0092】
本発明について、図面を参照して以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】種々のガムベース内容物を有するニコチン含有チューインガムに関して、時間の関数として放出割合を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0094】
[詳細な説明]
本発明により、タバコアルカロイド高速放出チューインガムが提供される。チューインガムは、咀嚼の最初の数分間にニコチン等のタバコアルカロイドの著しい放出の増大を示す。
【0095】
一般的に、チューインガム組成物は通常、水溶性バルク部分と、水不溶性の咀嚼可能なガムベース部分と、香味料とを含む。水溶性部分は、咀嚼時間にわたって香味料部分とともに分散する。ガムベース部分は、咀嚼の間中、口内に保持される。「チューインガム」という用語は、一般的な意味では、咀嚼型ガム及びバブル型ガムの両方についていう。
【0096】
ガムベースは、チューインガムの咀嚼物質であり、咀嚼特性を最終製品に付与する。ガムベースは通常、香味料及び甘味料の放出プロファイルを規定し、ガム製品の重要な役割を担う。
【0097】
ガムの不溶性部分は一般的に、エラストマー、ビニルポリマー、エラストマー可塑剤、蝋(ろう)、軟化剤、充填剤、及び着色剤及び酸化防止剤等の他の任意成分の任意の組み合わせを含有していてもよい。
【0098】
ガムベース処方物の組成は、実質的に、製造される特定の製品、及び最終製品の所望の咀嚼及び他の感覚特性に応じて変化し得る。しかしながら、上記のガムベース成分の一般的な範囲(ガムベースの重量%)は、1〜50%エラストマー化合物、5〜55%エラストマー可塑剤、0〜40%蝋、5〜35%軟化剤、0〜50%充填剤、及び0〜5%酸化防止剤又は着色剤等のその他の成分である。
【0099】
エラストマーは、このガムベース成分の化学構造、及び他の成分とどのように配合され得るかに応じて変化する、弾性及び粘着性をガムに与える。本発明のガムベース及びガムに好適なエラストマーは、天然型又は合成型を含み得る。
【0100】
エラストマーは、当該技術分野で既知の任意の水不溶性ポリマーであってもよく、食品医薬品局、連邦施行規則(CFR)、Title 21, Section 172,615に「天然植物由来の咀嚼物質(Masticatory Substances of Natural Vegetable Origin)」及び「合成物質由来の咀嚼物質(Masticatory Substances, Synthetic)」として挙げられるチューインガム及びバブルガムに利用されるそれらのガムポリマーを含む。
【0101】
有用な天然エラストマーには、くん煙されたラテックス又は液状ラテックス及びグアユールゴム等の天然ゴム;ジェルトン、レッチェカスピ、ペリロ、ソルバ、マッサランドババラタ、マッサランドバチョコレート、ニスペロ、ロジディンハ、チクル、グッタペルカ、グッタカタイウ、ニガーグッタ、ツヌー、チルテ、チクブル、グッタハンカン等の天然ガムが挙げられる。
【0102】
有用な合成エラストマーには、ブタジエン−スチレンコポリマー、ポリイソブタジエン、及びイソブチレン−イソプレンコポリマー等の高分子量エラストマー;ポリブテン、ポリブタジエン及びポリイソブチレン等の低分子量エラストマー;ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン等のビニルポリマーエラストマー;酢酸ビニル/ラウリン酸ビニル、酢酸ビニル/ステアリン酸ビニル、エチレン/酢酸ビニル、ポリビニルアルコール等のビニルコポリマーエラストマー;又はそれらの混合物が挙げられる。
【0103】
ブタジエン−スチレン型エラストマー(いわゆるSBRと呼ぶこともある)は通常、約20:80〜60:40スチレン:ブタジエンモノマーのコポリマーである。これらのモノマーの比率は、ムーニー粘度で評価されるようなSBRの弾性に影響を与える。スチレン:ブタジエン比率が減少すると、ムーニー粘度も減少する。SBRの構造は通常、フェニルエチレン(スチレン)と共重合される直鎖1,3−ブタジエンから成り、このようなエラストマーの非直鎖分子的性質を与える。SBRの平均分子量は、600,000g/モル未満である。
【0104】
イソブチレン−イソプレン型エラストマー(いわゆるブチルと呼ぶこともある)は、イソプレンのモルパーセント量(level)が0.2〜4.0の範囲である。SBRと同様に、イソプレン:イソブチレン比率が減少すれば、ムーニー粘度によって測定される弾性も減少する。
【0105】
ブチルゴムの構造は通常、分岐2−メチルプロペン(イソブチレン)と共重合される分岐2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)から成り、SBRと同様に、この種の構造は、性質的に非直鎖である。SBRの平均分子量は、150,000g/モル〜1,000,000g/モルの範囲である。
【0106】
ポリイソブチレン(いわゆるPIBと呼ぶこともある)型エラストマーは、2−メチルプロペンのポリマーであり、SBR及びブチルと同様に、性質的に非直鎖である。低分子量エラストマーは、軟らかい咀嚼特性をガムベースに与え、さらに、他のエラストマーが与えるような弾性も与える。平均分子量は、約30,000〜120,000g/モルの範囲であってもよく、針入度(penetration)が、約4mm〜20mmの範囲であってもよい。針入度が大きくなるほど、PIBは軟らかくなる。SBR及びブチルと同様に、高分子量エラストマーは、弾性をガムに与える。平均分子量は、120,000〜1,000,000g/モルの範囲であってもよい。
【0107】
ポリブテンは、平均分子量が約5,000g/モル〜約30,000g/モルの範囲である。
【0108】
ビニルポリマー及びコポリマー型エラストマーは粘着抵抗性を与え、ビニルポリマーを有するガムベースから製造されるガムの咀嚼特性を変え、最終ガムの感覚受容に有益な親水性を呈する。
【0109】
ビニルコポリマー型に関して、ラウリン酸ビニル/酢酸ビニル(VL/VA)コポリマー、ステアリン酸ビニル/酢酸ビニル(VS/VA)コポリマー、又はエチレン/酢酸ビニル(EVA)コポリマー中に存在するラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル又はエチレンの量はそれぞれ一般的に、コポリマーの約10〜約60重量%の範囲である。これらのポリマーの平均分子量は、約2,000g/モル〜約100,000g/モルの範囲であってもよい。
【0110】
ポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニル等のビニルポリマーは、約8,000g/モル〜約65,000g/モルの平均分子量を有する。酢酸ビニルのポリマー(PVAc)は、性質的に分岐鎖である。酢酸ビニルモノマーが、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、エチレン等と共重合する場合、分岐度は増大する。分岐度が大くなるほど、直鎖アルカン型蝋及びイソアルカン型蝋と配合又は化合する場合、相溶性は大きくなる。
【0111】
例えば、高分子量エラストマー及び低分子量エラストマーを有する合成エラストマーをガムベース中に併用する(combine)ことは、当該産業において一般的である。合成エラストマーの現在好ましい組み合わせは、ポリイソブチレン及びスチレン−ブタジエンコポリマー、ポリイソブチレン及びポリイソプレン、ポリイソブチレン及びイソブチレン−イソプレンコポリマー(ブチルゴム)、並びにポリイソブチレン、スチレン−ブチレンコポリマー及びイソブチレン−イソプレンコポリマーの組み合わせ、並びにポリ酢酸ビニル又は酢酸ビニル−ラウリン酸ビニルコポリマーとそれぞれ混合される上記の別個の合成ポリマーの全て、並びにそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0112】
エラストマー可塑剤は、ガムベースの硬度を変える。エラストマーの変化する軟化点に従って切断(可塑化)するエラストマー内部分子鎖上の特異性は、最終ガムの硬度、及びベースに用いられる場合、相溶性の度合いを変化させる。これは、蝋のアルカン鎖に対してより多くのエラストマー鎖を露出させようと望む場合に重要となり得る。
【0113】
本発明で使用されるのに好適なエラストマー可塑剤は、エステルガムと称されることが多い天然ロジンエステルを含む。当該技術分野で既知であるこのようなエラストマー可塑剤は、ロジン及び変性ロジン(水素添加ロジン、二量化ロジン及び重合ロジン等)のメチル、グリセロール及びペンタエリスリトールエステルである。例えば、ウッドロジン及びガムロジンのグリセロールエステル、部分水素添加ウッドロジン及びガムロジンのグリセロールエステル、重合ウッドロジン及びガムロジンのグリセロールエステル、部分二量化ウッドロジン及びガムロジンのグリセロールエステル、トール油ロジンのグリセロールエステル、ウッドロジン及びガムロジンのペンタエリスリトールエステル、部分及び完全水素添加ウッドロジン及びガムロジンのペンタエリスリトールエステル、ウッドロジン及びガムロジンのメチルエステル、並びにウッドロジン及びガムロジンの部分及び完全水素添加メチルエステルである。
【0114】
合成エラストマー可塑剤は、α−ピネン、β−ピネン及び/又はd−リモネンに由来のテルペン樹脂を含む。
【0115】
使用されるエラストマー可塑剤は、1種類であっても、2種類以上の組み合わせであってもよい。通常、エラストマー可塑剤同士の比率は、エラストマー可塑剤がガムにもたらす各軟化点、香味放出の効果、及び各粘度のそれぞれに応じる。上記のロジンエステル型のボールアンドリング軟化点は、約45℃〜約120℃の範囲であり得る。テルペン樹脂の軟化点は、60℃〜約130℃の範囲であり得る。
【0116】
石油蝋は、ガムベースから製造される完成したガムの硬化を助け、並びに保存期間及びテクスチャーを改良する。蝋の結晶サイズは、香味の放出に影響を与える。イソアルカンが大きい石油蝋は、直鎖アルカンが大きい石油蝋、特に炭素数が30未満の直鎖アルカンを有する石油蝋よりも小さい結晶サイズを有する。結晶サイズが小さければ、より大きい結晶サイズを有する蝋に対して、この蝋からの香味の流出を妨げるため、香味をより穏徐に放出することができる。直鎖アルカン型蝋を用いて生成されるガムベースの相溶性は、イソアルカン型蝋で生成されるガムベースと比べて乏しい。
【0117】
石油蝋(精製パラフィン及びマイクロクリスタリンワックス)及びパラフィン蝋は、主に直鎖状直鎖アルカン(straight-chained normal-alkanes)及び分岐イソアルカンから成る。直鎖アルカンとイソアルカンとの比率は変化する。
【0118】
直鎖アルカン型蝋は通常、C18を超える炭素鎖長を有するが、この長さは主にC30よりも長くない。分岐鎖構造及び環状構造が、主に直鎖アルカン型であるこれらの蝋の鎖末端付近に位置する。直鎖アルカン型蝋の粘度は10mm2/s未満(100℃)であり、全数平均分子量は600g/モル未満である。
【0119】
イソアルカン型蝋は通常、主にC30より長い炭素鎖を有する。分岐鎖構造及び環状構造が、主にイソアルカン型であるこれらの蝋中の炭素鎖に沿ってランダムに位置する。イソアルカン型蝋は、10mm2/s(100℃)より大きく、全数平均分子量は、600g/モルより大きい。
【0120】
合成蝋は、石油蝋の製造とは異型の方法で製造され、それゆえ、石油蝋とみなされない。合成蝋は、分岐アルカンを含有し且つモノマー(例えば、限定されるものではないが、プロピレン及びポリエチレン等)と共重合される蝋、並びにFischer Tropsch型蝋を含んでいてもよい。ポリエチレン蝋は、エチレンモノマーが結合して長さを変えるアルカン単位を含有する合成蝋である。
【0121】
天然蝋には、米ぬか蝋、蜜蝋、カルナウバ蝋又はカンデリラ蝋が挙げられ得る。蝋は、単独で又は組み合わせて用いてもよい。
【0122】
軟化剤の選択は、ベースの軟らかさに対して影響を与える。軟化剤は、テクスチャーを改質し、ベースの疎水性成分及び親水性成分を混和させ、さらに、ガムベースの合成エラストマーを可塑化し得る。乳化剤は、軟化剤の群に属し、ガムベースに水結合性を付与し、ガムベースに心地良い滑らかな表面を与え、ガムベースの粘着特性を低減する。
【0123】
ガムベースに使用されるのに好適な軟化剤は、非水素添加型、部分水素添加型及び完全水素添加型植物油並びに獣脂、ココアバター及び脱脂ココアパウダーのトリグリセリド、並びにこれらに加えて乳化剤を含む。
【0124】
トリグリセリドの群には、綿実、パーム、パーム核、ココナッツ、ベニバナ、ナタネ、ヒマワリ、獣脂、ダイズ、ココアバター、中鎖トリグリセリド等が含まれる。
【0125】
トリグリセリドのカプロン脂肪酸、カプリル脂肪酸、カプリン脂肪酸、ミリスチン脂肪酸、ラウリン脂肪酸及びパルミチン脂肪酸は、ステアリン脂肪酸を主に含有するトリグリセリドよりも合成エラストマーを可塑化する傾向がある。
【0126】
乳化剤の群には、モノグリセリド、ジグリセリド、アセチル化モノグリセリド及びアセチル化ジグリセリド、蒸留モノグリセリド及び蒸留ジグリセリド、グリセロールモノステアリン酸塩、プロピレングリコールモノステアリン酸塩、Na−、K−、Mg−及びCa−ステアリン酸塩、グリセロールトリアセテート、脂肪酸モノグリセリド(例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸及びリノール酸)、モノグリセリド及びジグリセリドの乳酸エステル及び酢酸エステル、WO 00/25598に記載されるものを含むスクロースポリエステルとも称される食用脂肪酸の糖エステル、レシチン及びヒドロキシル化レシチンが属しており、これらの多くが、それらの製造処理より、トリグリセリド量を2重量%未満で含んでいる可能性がある。
【0127】
乳化剤を含む軟化剤は、単独で又は少なくとも2つ以上を組み合わせて用いてもよい。
【0128】
ガムベースに用いられる充填剤は、ガムベースのテクスチャーを改質し、処理を促進させる。粒径は、ガムベースの粘着性、密度及び処理特性、並びにその配合に対して影響を与える。粒径が小さいほど、最終ガムベースの密度及び粘着性が大きくなる。また、それらの粒径分布に基づき充填剤を選択することによって、初期塊(initial mass)の配合を変えることができ、したがって、ガムベース処理中の初期塊の配合特性、及び最終的に、これらのガムベースから製造されるガムの最終咀嚼特性を変えることができる。
【0129】
チューインガムに使用されるのに好適な充填剤には、炭酸マグネシウム及び炭酸カルシウム、粉末状石灰石、並びにケイ酸マグネシウム及びケイ酸アルミニウム等のケイ酸塩化合物、カオリン及びクレイ、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、タルク、並びに酸化チタン、リン酸一カルシウム、リン酸二カルシウム及びリン酸三カルシウム、硫酸ナトリウム、セルロースポリマー(エチル、メチル及び木質部等)又はそれらの混合物が挙げられる。
【0130】
タルク充填剤は本発明のチューインガムで使用することができ、酸性香味料と接触するか若しくは酸味を採用するか、又は炭酸カルシウム型充填剤と反応させることで人工甘味料の分解を防止するのに必要とされる酸性環境を提供する。炭酸カルシウム型充填剤及びタルク充填剤の平均粒径は、一般的には約0.1μm(ミクロン)〜約15μm(ミクロン)の範囲である。
【0131】
充填剤にはまた、果菜繊維等の天然有機繊維、穀物、コメ、セルロース、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0132】
酸化防止剤は、脂肪及び香味油を含むガムベース、最終ガム又はこれらの各成分の保存期間及び貯蔵を延長させる。
【0133】
ガムベースに使用されるのに好適な酸化防止剤には、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、βカロテン、トコフェロール、ビタミンC等の酸味料、没食子酸プロピル、他の合成化合物及び他の天然化合物、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0134】
香味料及び着色剤は、特性を付与するか、又は望ましくない特性を取り除くか若しくはマスキング(mask)する。着色剤には通常、FD&C型レーキ、植物エキス、果菜エキス及び二酸化チタンが挙げられ、香味料には通常、ココアパウダー、熱変性アミノ酸及び他の野菜エキスが挙げられる。
【0135】
ガムベースは通常、或る量のエラストマー、エラストマー可塑剤及び充填剤、並びに時々ビニルポリマーを、前後速度比が約1.2:1〜約2:1の加熱(10℃〜120℃)されたシグマブレードミキサーに添加することにより調製され、通常、より大きい速度比が、エラストマーのより厳密な配合を必要とするガムベースのために使用される。
【0136】
初期塊から成る成分の初期量は、適切な粘稠度を達成するために混合ケトルの作業能率によって、エラストマーを破壊し且つ鎖の分岐を増大するのに望ましい配合度によって決定される。特定の粒径分布を有する充填剤の開始又は選択時の充填剤の量が大きくなるほど、配合度は大きくなり、且つそれゆえ破壊されるエラストマー鎖の架橋が多くなり、エラストマーのより多くの分岐が起こり、それゆえガムベースが低粘度となるため、このようなガムベースから製造される最終ガムベース及びガムがより軟らかくなる。配合時間が長いほど、低分子量又はより低い軟化点のガムベース成分を使用することになるので、最終ガムベースの粘度及び硬度が小さくなる。
【0137】
成分を一塊にすれば、配合は一般的に効果的になる。15分〜90分のいずれでも配合時間としてよい。
【0138】
好ましくは、配合時間は20分から約60分である。添加されるエラストマー可塑剤の量は、存在するエラストマー及び充填剤の量に応じて変化する。エラストマー可塑剤が多く添加され過ぎれば、初期塊は、過度に可塑化されてしまい、均質にならない。
【0139】
初期成分を均質に一塊にし、所望の時間配合した後、ガムベース成分の残りを、完全に均質な溶融塊が得られるまで、順次添加する。通常、エラストマー、エラストマー可塑剤、ビニルポリマー及び充填剤の全ての残渣を、初期配合時間後60分以内に添加する。充填剤及びエラストマー可塑剤は通常、個別に秤量され、この時間の間に分割して添加される。任意選択的な蝋及び軟化剤は通常、エラストマー及びエラストマー可塑剤の後60分以内に添加される。したがって、塊は投入前に均質になる。
【0140】
一般的なガムベース処理時間は、配合(formulation)に応じて約1〜約3時間、好ましくは約1.5〜2.5時間で変化させてもよい。投入時の最終塊温度は、70℃〜130℃、好ましくは100℃〜120℃であってもよい。完成した溶融塊は、混合ケトルから被覆パン又は裏打ちパンに取り出され、任意の所望の形状に押出又は流し込まれ、冷却及び凝固され得る。当業者は、上記の手順の多くの変形形態もとり得ること(followed)を理解するであろう。
【0141】
チューインガムの水溶性部分は、軟化剤、甘味料、高度甘味料、香味料、酸味料、充填剤、酸化防止剤、及び所望の性状を付与する他の成分等のチューインガム成分を含んでいてもよい。軟化剤は通常、チューインガムの約0.5重量%〜約25.0重量%を構成する。増量剤は一般的に、チューインガムの約5%〜約90%、好ましくは約20%〜約80%を構成する。ガム中の高度甘味料は一般的に、約0.01〜0.50重量%の範囲であり得る。香味料は、ガムの約0.1〜約30.0重量%の範囲内の量でチューインガム中に存在し得る。
【0142】
本発明によれば、「タバコアルカロイド」という用語は、ニコチン及びニコチン様アルカロイドの両方が含まれ、遊離塩基形態又は薬学的に許容可能な酸付加塩形態で存在し得る。
【0143】
本発明によれば、ニコチン又は他のタバコアルカロイドは、咀嚼中にそれらが急速に放出するチューインガムに適用され得る。「ニコチン」という用語には、ジプロトン化ニコチン、モノプロトン化ニコチン並びにニコチン遊離塩基が含まれる。ニコチンに取って代わり得るさらなるタバコアルカロイドには、コチニン、ノルコチニン、ノルニコチン、ロベリン、ロベリンの誘導体、ニコチンN−オキシド、コチニンN−オキシド、3−ヒドロキシコチニン、5−ヒドロキシコチニン、エピバチジンの誘導体、コリン又はアセチルコリン等のN−メチルカルバミルエステル又はN−メチルチオ(methylthi-O-)カルバミルエステルのような化合物が挙げられる。
【0144】
本発明による好ましいニコチン代替物には、ニコチン及びノルニコチンの原料であるニコチアナ種から得られる植物アルカロイド、並びにロベリンの原料であるロベリア属及びミゾカクシ科(Lobeliaceae:キキョウ科)(ロベリアソウ(Indian tobacco))から得られる植物アルカロイドが挙げられる。
【0145】
タバコアルカロイド、すなわちニコチン、又は代替物はそれゆえ、好ましくは、チューインガム成分をガムベースと混合する段階でチューインガム中に添加されてもよい。しかしながら、ニコチンをガムベース中に混合することは本発明の範囲内である。ニコチンは好ましくは、チューインガム中で又はチューインガムの一部で実質的に均質に分配される。
【0146】
チューインガム中に添加されるニコチン又は他のタバコアルカロイドの量は、本発明によれば、0.1mg〜10mg、好ましくは0.5mg〜5mg、最も好ましくは1mg〜4mgの範囲内であり得る。ニコチンチューインガム中の一般的な用量である2mg及び4mgのニコチンも本発明の実施形態に適用され得る。
【0147】
本発明の好ましい実施形態によれば、ニコチンは、タバコアルカロイドとして適用され得る。ニコチンは、遊離塩基形態で添加されてもよいが、好ましくは、チューインガム混合物中に添加される前に塩として且つ/又は複合体中で結合される。吸収及び吸着の両方とも、ニコチンを好適な複合体又は化合物へと結合させるのに好適な方法であり得る。
【0148】
ニコチン含有複合体において、ニコチンは、カチオン交換樹脂に結合され得る。カチオン交換基は、官能基の由来の酸に基づき、強酸、中程度の酸、又は弱酸であってもよい。好適な酸性基の例には、カルボン酸、スルホン酸、亜ホスホン酸(phophonous)、リン酸、イミノ二酢酸及びフェノール酸が挙げられる。イオン交換樹脂が、アニオン性基をさらに含む場合、高分子両性電解質が得られ、また対イオンの好適な混合物を用いて放出特性を変化させることができる。
【0149】
本発明によるイオン交換樹脂は酸性イオンを含み、この酸性イオンは、架橋ポリマー又は直鎖ポリマー等のポリマーと結合する。例えば、スチレンとジビニルベンゼンとの付加ポリマー、ジビニルベンゼンとメタクリル酸又はアクリル酸との付加ポリマー、フェノール樹脂及びセルロース等が挙げられる。
【0150】
適用可能なイオン交換樹脂についてのさらなる詳細は、US 3,845,217及びUS 3,901,248に概要が述べられており、本明細書中で参照により援用されている。
【0151】
チューインガム中に添加される前にニコチンと結合する好ましい複合体は、USP24(米国薬局方番号24)によるポラクリレックス等の弱酸性カチオン交換樹脂であり、これは、Amberlite IRP64として入手可能である。
【0152】
本発明により適用され得るさらなる好適な代替的な複合体は、吸着剤複合体であり、吸着剤複合体中で、ニコチン又は別のアルカロイドは、微細ケイ酸、非晶質シリカ、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、カオリン、クレイ、結晶性アルミノケイ酸塩、マカロイドベントナイト、活性炭素、アルミナ、ヒドロキシルアパタイト、微結晶性セルロース等の吸着剤に結合されるか又はそれらの吸着剤上に吸着されている。
【0153】
本発明のさらなる実施形態によれば、様々なタバコアルカロイドが、同時にチューインガムに適用され、上記の吸着剤又はイオン交換樹脂等の同一複合体中で結合されていてもよい。
【0154】
本発明の実施形態によれば、ニコチンは本発明の高速放出チューインガムに適応する好ましいタバコアルカロイドである。したがって、一般的にはニコチンは好ましいタバコアルカロイドであることを留意すべきである。しかし、願望(craving)とは異なるが、特にニコチンを活性剤とみなす具体例及び具体的な説明が、同じ特定の目的に対する他のタバコアルカロイドの使用に関して本発明の範囲を決して制限するものではないということもさらに留意すべきである。本願におけるあらゆる場所でのニコチンの具体的な言及は、代替的な機能的に同等な物を除く目的ではなく、具体的な方法で本発明を例示する目的のためだけに用いられる。
【0155】
さらに、本発明によれば、「ニコチン」という用語は、例えば、非結晶、結晶、多形等のような物理的形態、若しくは異性体及びエナンチオマー等の化学的形態等の任意の形態でのニコチン又はニコチン誘導体、並びにそれらの任意の薬学的に許容可能な塩、複合体又は溶媒和物を包含し得る。ニコチンは、ニコチン塩基、塩酸ニコチン、二塩酸ニコチン、一酒石酸ニコチン、二酒石酸ニコチン、硫酸ニコチン、塩化亜鉛一水和物等の塩化亜鉛ニコチン、及びサリチル酸ニコチンから選択することができる。
【0156】
軟化剤は、ガムの歯応え及び口触りを最適化するためにチューインガムに付与される。
【0157】
ガムにおける使用が検討される軟化剤には、グリセリン、変性レシチン及びそれらの組み合わせが挙げられる。さらに、ソルビトール、水素添加デンプン加水分解物、コーンシロップ及びこれらの組み合わせ等の甘味料水溶液を軟化剤として用いることができる。
【0158】
バルク甘味料は、糖及び非糖成分を含んでいる。バルク甘味料は、一般的には、チューインガムの5〜約95重量%、より一般的には20〜約80重量%、及びより一般的にはガムの30〜60重量%を構成し得る。
【0159】
甘味料は、しばしばガムにおいて増量剤の役割を果たす。甘味料はガムのみずみずしさを改良し、ガムの香味プロファイルを支持している。糖質甘味料は一般的には、スクロース、デキストロース、マルトース、サッカロース、ラクトース、ソルボース、デキストリン、トレハロース、D−タガトース、乾燥した転化糖、フルクトース、レブロース、ガラクトース、コーンシロップ固形物、グルコースシロップ及び水素添加グルコースシロップ等のチューインガム技術分野において一般的に既知であるサッカライド含有成分を単独で、又は組み合わせて含むが、これらに限定されない。
【0160】
甘味料は、非糖質甘味料と組み合わせて用いることができる。
【0161】
一般的に非糖質甘味料は、甘味特性を有するが、一般的に既知の糖を欠いている成分を含み、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、水素添加デンプン加水分解物、マルチトール、イソマルト、エリスリトール及びラクチトール等の糖アルコールを単独で、又は組み合わせて含むが、これらに限定されない。
【0162】
具体的な甘味放出プロファイル及び必要とされる保存期間の安定性に応じて、バルク甘味料はまた、高度甘味料と組み合わせて用いることができる。
【0163】
好ましい高度甘味料には、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファム塩、アリテーム、サッカリン及びその塩、シクラミン酸及びその塩、シクラメート、グリチルリジン、ジヒドロカルコン類、タウマチン、モネリン、ステビオシド(sterioside)等の単独又は組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。甘さと香味感がより長く持続するように、人工甘味料の少なくとも一部を封入することが、また封入しない場合でも放出を制御することが望ましい場合がある。湿式造粒、ワックス造粒、噴霧乾燥、噴霧冷却、流動床コーティング、コアセルベーション、酵母細胞内封入及び繊維状押出等の技術を使用して、所望の放出特性を得ることができる。甘味料の封入は、樹脂等の別の材料で行うこともできる。
【0164】
人工甘味料の使用量は、著しく相違し、且つ甘味料の性能、放出速度、所望の製品甘味度、使用する香味料の量と種類、及びコスト的な配慮等の要因によって、変化する。したがって、人工甘味料の活性レベルは、0.02〜約8%で変化し得る。封入のために用いられる担体も含めるならば、封入される甘味料の使用量はそれに比例してより高くなる。糖質甘味料及び/又は非糖質甘味料の組み合わせもチューインガムに使用できる。
【0165】
さらに、水性糖又はアルジトール等の軟化剤を使用する場合、軟化剤はまた、さらなる甘味を与えることができる。
【0166】
低カロリーガムが必要とされるのであれば、低カロリーの増量剤を使用できる。低カロリー増量剤の例としては、ポリデキストロース、ラフチロース、ラフチリン、フルクトオリゴ糖(NutraFlora@)、パラチノースオリゴ糖、グアーガム加水分解物(Sun Fiber@)又は非消化性デキストリン(Fibersol)等がある。しかし、その他の低カロリー増量剤も使用できる。
【0167】
本発明で提供されるチューインガムの中央部は、香料と、味覚プロファイルに効果を及ぼすことのできる酸及び他の物質を含む、例えば天然植物性成分、精油、エッセンス、エキス、粉末の形態で天然香味料又は合成香味料を含む香味料とを含有することができる。液体又は粉末状の香味料の例として、ココナッツ、コーヒー、チョコレート、バニラ、グレープフルーツ、オレンジ、ライム、メントール、カンゾウ、カラメルアロマ、ハニーアロマ、ピーナッツ、クルミ、カシュー、ヘーゼルナッツ、アーモンド、パイナップル、ストロベリー、ラズベリー、トロピカルフルーツ類、チェリー類、シナモン、ペパーミント、ウィンターグリーン、スペアミント、ユーカリ、ミント、並びにリンゴ、ナシ、モモ、ストロベリー、アンズ、ラズベリー、チェリー、パイナップル等由来の果実エッセンス及びプラムエッセンスが挙げられる。精油には、ペパーミント、スペアミント、メントール、ユーカリ、チョウジ油、ベイ油、アニス、タイム、シーダーリーフ油、ナツメグ及び上記の果実(例えば、レモン、ベルガモット及びオレンジ)の油が含まれる。
【0168】
チューインガムの香味料は天然香味料であってもよく、それは凍結乾燥され、好ましくは粉末、スライス若しくは小片、又はこれらを組み合わせた形態である。粒径は、粒子の最長寸法で算出すると3mm未満、好ましくは2mm未満、より好ましくは1mm未満であり得る。天然香味料は、粒径が約3μm〜2mm、例えば4μm〜1mmの形態であってもよい。好ましい天然香味料には、ストロベリー、ブラックベリー及びラズベリー等の果物の種が挙げられる。
【0169】
混合したフルーツ香味料等、様々な合成香味料も本発明のチューインガムの中央部に使用できる。香料は従来使用されている量よりも少ない量で使用される。香料及び/又は香味料は、使用する香料及び/又は香味料の所望の強度に応じて、最終製品の0.01〜約30重量%(好ましくは、0.01〜約15重量%)の量で使用できる。好ましくは、香料/香味料の含量は、全組成物の0.2〜3重量%の範囲である。
【0170】
アジピン酸、コハク酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、酢酸、乳酸、リン酸及びグルタル酸又はそれらの塩等の様々な酸もまた一般的に、フルーツ香味料と組み合わせて使用される。これらは、一般的には0.01〜10%の量で添加される。
【0171】
チューインガムはまた、特に活性成分が存在する場合、以下の界面活性剤及び/又は可溶化剤を含んでいてもよい。本発明によるチューインガム組成物における可溶化剤として使用される界面活性剤の種類の例は、H. P. Fiedler, Lexikon der Hilfstoffe fur Pharmacie, Kosmetik und Angrenzende Gebiete,63〜64頁(1981)及び個々の国の承認された食品乳化剤のリストに記述されている。本明細書中に言及される可溶化剤はまた、「乳化剤」という用語によって認識される。
【0172】
アニオン性可溶化剤、カチオン性可溶化剤、両性可溶化剤及び非イオン性可溶化剤の全てを使用することができるが、通常使用される可溶化剤、すなわち乳化剤はアニオン性又は非イオン性のいずれかである。これは、主にこのような可溶化剤が食品又は薬品における使用のために認められるからである。活性剤が反応性である場合、あまり反応性がなく、それゆえ活性剤の安定化に悪影響を与えないように、通常、非イオン性可溶化剤を使用することが好都合である。
【0173】
好適な可溶化剤には、レシチン、ステアリン酸ポリオキシエチレン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸塩、食用脂肪酸のモノグリセリド及びジグリセリドのモノアセチル酒石酸エステル及びジアセチル酒石酸エステル、食用脂肪酸のモノグリセリド及びジグリセリドのクエン酸エステル、脂肪酸のショ糖エステル、脂肪酸のポリグリセロールエステル、相互エステル化ヒマシ油酸のポリグリセロールエステル(E476)、ステアロイル乳酸(stearoyllatylate)ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、及び脂肪酸のソルビタンエステル(この可溶化剤は全て、食品乳化剤として使用するためのものとして既知である)及びポリオキシエチル化水素添加ヒマシ油(例えば、CREMOPHORの商品名で販売されているようなもの)、酸化エチレンと酸化プロピレンとのブロックコポリマー(例えば、PLURONICの商品名又はPOLOXAMERの商品名で販売されているようなもの)、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸のソルビタンエステル及びポリオキシエチレンステアリン酸エステルが挙げられ、これらは全て薬学的−美容的乳化剤として使用するためにEECにおいて既知である。
【0174】
適用可能な可溶化剤のさらなる例は、ポリオキシエチレン(8)ステアレート及びポリオキシエチレン(40)ステアレート等のステアリン酸ポリオキシエチレン、例えばTWEEN20(モノラウリン酸塩)、TWEEN80(モノオレイン酸塩)、TWEEN40(モノパルミチン酸塩)、TWEEN60(モノステアリン酸塩)又はTWEEN65(トリステアリン酸塩)等のTWEENの商品名で販売されているオリオキシエチレン(olyoxyethylene)ソルビタン脂肪酸エステル、食用脂肪酸のモノグリセリド及びジグリセリドのモノアセチル酒石酸エステル及びジアセチル酒石酸エステル、食用脂肪酸のモノグリセリド及びジグリセリドのクエン酸エステル、ステアロイル乳酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチル化水素添加ヒマシ油、酸化エチレンと酸化プロピレンとのブロックコポリマー、及びポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテルである。可溶化剤は、単独の化合物でも、又は数種の化合物を組み合わせたものでもよい。「可溶化剤」という表現は、使用される可溶化剤が、食品及び/又は薬品に使用されるのに好適なものでなければならないという両方の可能性を記載するために、本明細書の文章において使用される。
【0175】
本発明による好ましい可溶化剤には、Atmos300NL、CremophorEL、CremophorA6、レシチン、変性レシチン、Poloxamer188、Poloxamer124、Poloxamer237、Ploxamer338、ポリオキシル10オレイルエーテル、ポリオキシル20セトステアリルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリソルベート20、ポリソルベート80、オリオキシ40ステアレート、ポリオキシル50ステアレート、RS−55−40、ラウリル硫酸ナトリウム、モノラウリル酸ソルビタン、Panodan165、LactodanB30、DimodanPV、ArtodanSP55及びTriodanR90が挙げられる。本発明による最も好ましい可溶化剤には、シクロデキストリン、CremophorRH40、Poloxamer407、ポリソルベート60、モノオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン及びトリオレイン酸ソルビタンが挙げられる。
【0176】
本発明によれば、チューインガムの消費者によって咀嚼されるとすぐに、ニコチン等のタバコアルカロイドを放出するチューインガムが提供される。非常に大量のニコチンが一度に放出される効果を得るために、大量のニコチンを吸収する状態も提供されることが重要である。そうでなければ、不要な大部分の高速放出ニコチンが例えば、消費者によって飲み込まれて消耗されるおそれがある。本発明によれば、消費者の毛細血管及び血流へのニコチンの吸収の増大を、pHを調節するための成分を添加することで得ることができる。このような成分は緩衝剤と称され、消費者の唾液中の通常のヒト口内pHより大きいpHに上昇させるために適用することができる。これによって、ニコチンは大量に(to larger extent)イオン性ニコチンから非イオン性ニコチンに変換され、これは消費者の頬粘膜をより迅速に横断する(crossing)。したがって、直接口腔から血流へのニコチンの吸収を増加させ、一部の消耗されるニコチンを減少させる。
【0177】
pHを調節するための成分には、イオン交換樹脂及び緩衝剤等のさらなる成分が挙げられる。緩衝剤は、チューインガムの0.1重量%〜10重量%、好ましくは0.5重量%〜5重量%の範囲の量で、チューインガム中に適応され得る。本発明によるチューインガムを咀嚼している間、それにより唾液のpHは、7.5〜10の範囲、好ましくは8〜9.5の範囲内で値が上がり得る。約9.5〜10のような大きすぎるpHは、チューインガムの消費者によって比較的不快なセッケン様の体験(soap-like experience:ぬめり)を引き起こす恐れがあることに留意すべきである。本発明によれば、ニコチンはこの咀嚼期間の間に迅速に放出されるので、初めの1〜15分、特に初めの1〜10分の間、大きいレベルでpHを維持することが重要である。本発明の好ましい実施形態によれば、チューインガムのニコチン含量の半分を超えた量が、初めの5分以内でチューインガムから放出され得る。
【0178】
口腔内のpHを調節する成分の例には、例えば、アジピン酸、コハク酸、フマル酸等の許容可能な酸若しくはそれらの塩、又はクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、酢酸、乳酸、リン酸及びグルタル酸の塩、並びに許容可能な塩基、例えばナトリウム、カリウム、アンモニウム、マグネシウム又はカルシウム、特にマグネシウム及びカルシウムの炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、硫酸塩又は酸化物が挙げられる。
【0179】
本発明によれば、pHを調節するのに好ましい緩衝剤には、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム、クエン酸カリウム、グリシン酸ナトリウム及びそれらの組み合わせが挙げられる。本発明によれば、最も好ましい緩衝化剤は、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属リン酸塩である。
【0180】
チューインガムに使用されるのに好適な充填剤には、炭酸マグネシウム及び炭酸カルシウム、粉末状石灰石、並びにケイ酸マグネシウム及びケイ酸アルミニウム等のケイ酸塩化合物、カオリン及びクレイ、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、タルク、並びに酸化チタン、リン酸一カルシウム、リン酸二カルシウム及びリン酸三カルシウム、硫酸ナトリウム、セルロースポリマー(エチル、メチル及び木質部等)又はそれらの混合物が挙げられる。
【0181】
タルク充填剤は本発明のチューインガムで使用することができ、酸性香味料と接触するか若しくは酸味を採用するか、又は炭酸カルシウム型充填剤と反応させることで人工甘味料の分解を防止するのに必要とされる酸性環境を提供する。炭酸カルシウム型充填剤及びタルク充填剤の平均粒径は、一般的には約0.1μm(ミクロン)〜約15μm(ミクロン)の範囲である。
【0182】
充填剤にはまた、果菜繊維等の天然有機繊維、穀物、コメ、セルロース、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0183】
酸化防止剤は、脂肪及び香味油を含むガムベース、最終ガム又はこれらの各成分の保存期間及び貯蔵を延長させる。
【0184】
ガムベースに使用されるのに好適な酸化防止剤には、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、βカロテン、トコフェロール、ビタミンC等の酸味料、没食子酸プロピル、他の合成化合物及び他の天然化合物、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0185】
着色剤及び増白剤には、FD&C型染料及びレーキ、果菜エキス、二酸化チタン並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0186】
味覚マスキング剤は、製品の感覚刺激性を改良する。マスキング剤には、スクラロース、グルコン酸亜鉛、エチルマルトール、グリシン、アセスルファムK、アスパルテーム、サッカリン、フルクトース、キシリトール、噴霧乾燥したカンゾウ、グリセルヒジン(glycerrhizine)、デキストロース、グルコン酸ナトリウム、グルコノデルタ−ラクトン、エチルバニリン、バニリン、通常の甘味料、及び高度甘味料、並びに様々な適切な香味料が挙げられる。
【0187】
本発明によるチューインガムは、ニコチン以外の活性剤を含んでいてもよい。本発明に関連して使用される活性剤は、チューインガムから放出されることが望まれる任意の物質であり得る。香味のために得られる効果に対応して、放出率が加速することが望ましい場合、第1の物質は、完全に水不溶性である物質を含む水溶性が限定された物質である(一般的には10g/100mlより小さい)。例えば、薬品、栄養補助食品、経口組成物、禁煙剤、高度甘味料、pH調節剤等である。
【0188】
活性成分のさらなる例には、パラセタモール、ベンゾカイン、シンナリジン、メントール、カルボン、カフェイン、二酢酸クロルヘキシジン、塩酸シクリジン、1,8−シネオール、ナンドロロン、ミコナゾール、ミステチン(mystatin)、アスパルテーム、ナトリウムフッ化物、ニコチン、サッカリン、塩化セチルピリジニウム、他の第四アンモニウム化合物、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンD、グリベンクラミド又はその誘導体、プロゲステロン、アセチルサリチル酸、ジメンヒドリナート、シクリジン、メトロニダゾール、炭酸水素ナトリウム、イチョウからの活性成分、プロポリスからの活性成分、朝鮮人参からの活性成分、メタドン、ペパーミントのオイル、サリチルアミド、ヒドロコルチゾン又はアステミゾールが挙げられる。
【0189】
栄養補助食品の形態での活性剤の例は、例えば、ビタミンB2(リボフラビン)、B12、フォリン酸、ナイアシン、ビオチン、難溶性グリセロリン酸塩、アミノ酸、ビタミンA、D、E及びK、塩、複合体及び化合物の形態でカルシウム、リン、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、ヨウ素、マンガン、クロム、セレン、モリブデン、カリウム、ナトリウム又はコバルトを含むミネラルの栄養効果を有する塩又は化合物である。
【0190】
さらに、例えば、米国法典の連邦規則(US code of Federal Regulation)、Title 21, Section 182.5013. 182 5997 and 182.8013-182.8997のように異なる国における権限によって許容される栄養素(nutritients)のリストに記述されている。
【0191】
口腔及び歯の手入れ及び処置のための化合物の形態における活性剤の例としては、例えば、結合された過酸化水素、及び咀嚼中に尿素を放出する能力のある化合物である。
【0192】
防腐剤の形態での活性剤の例には、例えば、グアニジン及びビグアニジン(例えば、二酢酸クロルヘキシジン)の塩及び化合物、並びに限定された水溶性を有する以下の種類の物質:第四アンモニウム化合物(例えば、セラミン、クロロキシレノール、クリスタルバイオレッド、クロルアミン)、アルデヒド(例えば、パラホルムアルデヒド)、デクアリン(dequalin)化合物、ポリノキシリン、フェノール(例えば、チモール、パラクロロフェノール、クレゾール)、ヘキサクロロフェン、サリチル酸アニリド化合物、トリクロサン、ハロゲン(ヨウ素、ヨードホレス、クロロアミン、ジクロロシアヌル酸塩)、アルクール(alcools)、(3,4ジクロロベンジルアルコール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、フェニルエタノール)、さらにMartindale, The Extra Pharmacopoeia,第28版,547〜578頁を参照;アルミニウム塩(例えば、硫酸アルミニウムカリウムAIK(S04)2、12H20)等の限定された水溶性を有する金属塩、複合体及び化合物、並びにさらに、ホウ素、バリウム、ストロンチウム、鉄、カルシウム、亜鉛(酢酸亜鉛、塩化亜鉛、グルコン酸亜鉛)、銅(塩化銅、硫酸銅、)、鉛、銀、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、モリブデン、バナジウムの塩、複合体及び化合物が挙げられてもよく、口及び歯の手入れ用の他の組成物には、例えば、フッ素を含有する塩、複合体及び化合物(例えば、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化アミノ、フッ化スズ)、リン酸塩、炭酸塩及びセレンが挙げられ得る。
【0193】
さらに、試験される化合物の幅広い範囲が述べられている、J. Dent. Res. Vol. 28 No.2,160〜171頁,1949を参照する。
【0194】
口腔におけるpH調節剤の形態での活性剤の例には、例えば、アジピン酸、コハク酸、フマル酸若しくはそれらの塩、又はクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、酢酸、乳酸、リン酸及びグルタル酸の塩等の許容可能な酸、並びにナトリウム、カリウム、アンモニウム、マグネシウム若しくはカルシウム、特にマグネシウム及びカルシウムの炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、硫酸塩又は酸化物等の許容可能な塩基が挙げられる。
【0195】
禁煙剤の形態での活性剤の例には、例えば、ニコチン、タバコ粉末及び銀塩(例えば、酢酸銀、炭酸銀及び硝酸銀)が挙げられる。
【0196】
薬品の形態での活性剤の例には、カフェイン、サリチル酸、サリチルアミド及びその関連の物質(アセチルサリチル酸、サリチル酸コリン、サリチル酸マグネシウム、サリチル酸ナトリウム)、パラセタモール、ペンタゾシンの塩(塩酸ペンタゾシン及び乳酸ペンタゾシン)、炭酸ブプレノルフィン、塩酸コデイン及びリン酸コデイン、モルフィン及びモルフィン塩(塩酸塩、硫酸塩、酒石酸塩)、塩酸メタドン、ケトベミドン及びケトベミドン塩(塩酸塩)、β阻害薬(プロプラノロール)、カルシウム拮抗薬、塩酸ベラパミル、ニフェジンピン(nifedinpine)並びにPharm. Int., Nov. 85, 267〜271頁, Barney H. Hunter and Robert L. Talbertで言及される好適な物質及びその塩、ニトログリセリン、四硝酸エリトリチル、ストリキニーネ及びその塩、リドカイン、塩酸テトラカイン、塩酸エトルフィン、アトロピン、インスリン、酵素(例えば、パパイン、トリプシン、アミログルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、ストレプトキナーゼ、ストレプトドルナーゼ、デキストラナーゼ、αアミラーゼ)、ポリペプチド(オキシトシン、ゴナドレリン(LH.RH)、酢酸デスモプレシン(DDAVP)、塩酸イソクスプリン、エルゴタミン化合物、クロロキン(リン酸塩、硫酸塩)、イソソルビド、デモキシトシン、ヘパリンが挙げられる。
【0197】
他の活性成分には、β−ルフェオール、レチゲン、クエン酸シルデナフィル及びこれらの誘導体が挙げられる。
【0198】
歯用製品には、カルバミド、CPPカセインホスホペプチド、クロルヘキシジン、二酢酸クロルヘキシジン、塩化クロルヘキシジン、二グルコン酸クロルヘキシジン、ヘキセテジン(hexetedine)、塩化ストロンチウム、塩化カリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、フッ素含有成分、フッ化物、フッ化ナトリウム、フッ化アルミニウム、フッ化アンモニウム、フッ化カルシウム、フッ化スズ、他のフッ素含有成分フルオロケイ酸アンモニウム、フルオロケイ酸カリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、モノフルオロリン酸アンモニウム、モノフルオロリン酸カルシウム、モノフルオロリン酸カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、オクタデセンチルフッ化アンモニウム、ステアリルトリヒドロキシエチルプロピレンジアミンジヒドロフッ化物が挙げられ、ビタミンにはA、B1、B2、B6、B12、葉酸、ナイアシン、パントセンシレ(pantothensyre)、ビオチン、C、D、E、Kが挙げられる。
【0199】
ミネラルには、カルシウム、リン、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、ロッド(lod)、マンガン、クロム、セレン、モリブデンが挙げられる。他の活性成分には、Q10@、すなわち酵素が挙げられる。天然の薬剤には、イチョウ葉、ジンジャー及び魚油が挙げられる。本発明は、セロトニン拮抗薬:スマトリプタン、ゾルミトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタン、エレトリプタン等の偏頭痛薬;シクリジン、シナリジン、ジメンヒドラミン、ジフェンヒドリナト(difenhydrinat)等の嘔吐薬;セトリジン、ロラチジン等の花粉症薬;ブプレノルフィン、トラマドール等の鎮痛薬;ミコナゾール、アンホテリシンB、トリアンシノロナセトン等の口腔疾患薬;及び薬剤であるシサプリド、ドンペリドン(domperidon)、メトクロプラミドの使用にも関する。
【0200】
一般的には、チューインガムは、当該技術分野で既知の市販のミキサーに様々なチューインガム成分を連続して添加することにより製造することができる。最初の成分を完全に混合した後、ガム塊をミキサーから取り出し、圧延によりシート状にし、また切断によりスティック状にし、押出により塊(chunks)にするか、又は流込みによりペレット状にすること等により所望の形状に形作られる。
【0201】
一般的に成分は、始めにガムベースを溶解させ、それを作動中のミキサーに添加することにより混合することができる。着色剤、活性剤及び/又は乳剤もまた、この時に添加し得る。グリセリン等の軟化剤もまた、シロップ及び増量剤/甘味料の一部とともにこの時に添加し得る。その後、増量剤/甘味料の追加分をミキサーに添加し得る。香味料は、通常、増量剤/甘味料の残りの(final)分とともに添加される。高度甘味料は好ましくは、増量剤の残りの分を添加した後に添加され、香味を付与する。
【0202】
通常、全混合手順は5〜15分で実行するが、それより長い混合時間が時には要求されることもある。当業者は、上記の手順の多くの変形形態もとり得ることを理解するであろう。米国特許出願第2004/0115305号に記載されている一段階方法が参照として本明細書中で援用される。
【0203】
本発明によれば、タバコアルカロイドチューインガムの形態及び形状は、任意の好適且つ消費者に親しみやすい構造であり得る。したがって、ガムの中央部又はガムは、例えばペレット、クッション型ペレット、スティック、錠剤、塊、香錠、丸薬(pill)、球状及び球形(sphere)から選択される形状であり得る。チューインガムは、押出、圧縮、圧延により形成され、任意の形状で液体及び/又は固体で中央部に充填することができる。
【0204】
本発明によれば、チューインガム成分(element)は、チューインガムの中央部上に付与される約0.1〜約75重量%の外部コーティングを含み得る。したがって、好適なコーティングの種類には、チューインガム、薬剤及び製菓、並びにこれらの任意の組み合わせのコーティングに現在用いられている組成物を含む任意の組成物のハードコーティング、フィルムコーティング及びソフトコーティングが挙げられる。
【0205】
現在好ましい外部コーティングの種類の1つはハードコーティングであり、ハードコーティングという用語は、糖コーティング及び糖を含まない(又は非糖)コーティング、並びにこれらの組み合わせを含むこの用語の従来の意味で用いられる。ハードコーティングの目的は、甘く歯応えのある層を得ることであり、これは消費者によって評価され、さらに様々な理由でガムの中央部を保護することができる。チューインガムの中央部に保護糖コーティングを付与する一般的なプロセスにおいて、ガムの中央部は、好適なコーティング装置において、スクロース又はデキストロース等の結晶化可能な糖の水溶液で連続的に処理され、この水溶液は、達せられる(reached)コーティングの段階によって、例えば、充填剤、結合剤、着色剤等の他の機能成分を含んでいてもよい。本発明の内容において、糖コーティングは香味化合物及び/又は薬学的に活性な化合物を含むさらなる機能的な化合物又は活性のある化合物を包含し得る。
【0206】
チューインガムの製造において、しかし、コーティング中の齲蝕原性糖化合物を齲蝕原性効果を有さない他の好ましくは結晶化可能な甘味料化合物で置き換えることが好ましい。従来技術分野では、通常、このようなコーティングは非糖コーティング又は糖を含まないコーティングと称される。現在好ましい非齲蝕原性ハードコーティング物質には、ポリオール、例えば、非齲蝕原性単糖類又は二糖類である、Dグルコース、マルトース、フルクトース又はレブロース、キシロース、エリトロース、ラクトース、イソマルツロース及びDガラクトースの水素添加による工業的方法によってそれぞれ得られるソルビトール、マルチトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、イソマルト及びタガトースが挙げられる。
【0207】
一般的なハードコーティングプロセスでは、以下に詳細に記載されるように、結晶化可能な糖及び/又はポリオールを含む懸濁液がガムの中央部上に塗布され、含まれる水は空気を吹き付けることにより蒸発させる。このサイクルは要求される膨張に達するために、複数回、通常3〜80回繰り返さなければならない。始めとの比較によってコーティング操作の終了時にコーティング製品の最終重量又は最終厚さに関して考えると、「膨張」という用語は製品の重量又は厚さの増加を言及する。本発明によれば、コーティング層は、最終チューインガム成分の約0.1〜約75重量%、例えば約15〜約50重量%を含む約10〜約60重量%を構成する。
【0208】
さらなる有用な実施形態では、本発明のチューインガム成分の外部コーティングはフィルムコーティングプロセスに付され、これにより1つ又は複数のフィルム形成高分子剤及び任意選択的に1つ又は複数の補助化合物(例えば、可塑剤、顔料及び乳白剤)を含有する。フィルムコーティングは任意の上記形態のチューインガムの中央部に付与される薄いポリマー系コーティングである。このようなコーティングの厚さは通常20〜100μmである。一般的には、フィルムコーティングは好適な水溶性溶媒ビヒクル(vehicle)又は有機溶媒ビヒクル中のコーティング物質の噴霧滴下でスプレー域にチューインガムの中央部を通すことで得られ、その後ガムの中央部に付着した材料は次のコーティング部分を受ける前に乾燥される。このサイクルはコーティングが終了するまで繰り返される。
【0209】
本発明の内容において、好適なフィルムコーティングポリマーには、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロール(HPC)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含むセルロースエーテル等の食用セルロース誘導体が挙げられる。他の有用なフィルムコーティング剤は、アクリルポリマー及びコポリマー、例えば、メチルアクリレートアミノエステルコポリマー又はセルロース誘導体とアクリルポリマーとの混合物である。機能性ポリマーとも称される、フィルムコーティングポリマーの具体的な群は、そのフィルム形成の特性に加えて、チューインガム処方物の活性成分について改変された放出能力を与えるポリマーである。放出を改変するこのようなポリマーには、メチルアクリレートエステルコポリマー、エチルセルロース(EC)及び酸性の胃環境で耐性を有し、十二指腸で容易に溶解するように設計された腸溶性のポリマーが挙げられる。ポリマーの後者の群には、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、酢酸フタル酸ポリビニル(PVAP)、セラック、メタアクリル酸コポリマー、酢酸トリメリット酸セルロース(CAT)及びHPMCが挙げられる。本発明による外部フィルムコーティングは上記のフィルムコーティングポリマーの任意の組み合わせを含み得るということが認識されるであろう。
【0210】
他の実施形態では、本発明によるチューインガム成分のフィルムコーティング層は、ポリマーの物理的特性を変更させ(alter)、その機能をフィルム形成材料として実行するのにポリマーをさらに有用にする能力を有する可塑剤を含む。一般的には、可塑剤分子自体を個々のポリマー鎖間に置くとポリマー−ポリマー相互作用を壊すため、可塑剤の効果としてはポリマーをより軟化及び成形しやすくするであろう。フィルムコーティングで使用される多くの可塑剤は、非晶質であるか、又はほとんど結晶化度を有さない。本発明の内容において、好適な可塑剤には、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、(例えばこのうち200〜6,000の重合度(grade:グレード)を有するもの)等のポリオール、フタル酸エステル、セバシン酸ジブチル、クエン酸エステル及びチアセチン等の有機エステル、ヒマシ油、アセチル化モノグリセリド及び分画化ココナッツ油を含むオイル/グリセリドが挙げられる。
【0211】
本発明のチューインガム成分の外部コーティングのためのフィルム形成ポリマー(複数可)及び可塑剤(複数可)の選択は、水蒸気及び気体のフィルムを通る溶出(dissolution)及び拡散に関するコーティングの実現し得る最良のバリア特性を達成するため、当然の考慮を伴って為される。
【0212】
チューインガム成分のフィルムコーティングはまた、1つ又は複数の着色剤又は乳白剤を含み得る。所望の色調を提供するのに加えて、このような着色剤又は乳白剤(opcifier)が光を反射し、水蒸気及び気体に対してバリアを形成することができる。好適な着色剤/乳白剤(pacifier)には、有機染料及びこれらのレーキ、無機着色剤、例えば、酸化チタン及びβ−カロテン又はクロロフィル等の天然着色剤が挙げられる。
【0213】
さらに、フィルムコーティングは、香味料及び蝋等の数種の補助物質、又はポリデキストロース、マルトデキストリンを含むデキストリン、ラクトース、変性デンプン、ゼラチン又はゼイン等のタンパク質、植物性ガム等の糖質化合物、及びこれらの任意の組み合わせの1つ又は複数を含み得る。
【0214】
或る特定の実施形態では、チューインガムの中央部は少なくとも片側に、フィルム形成剤、例えば、セルロース誘導体、変性デンプン、セラック、アラビアゴム、デキストリン、ゼラチン、ゲイン、植物性ガム、合成ポリマー及びこれらの任意の組み合わせ、並びに蜜蝋、カルナウバ蝋、マイクロクリスタリンワックス、パラフィン蝋及びこれらの組み合わせのコーティングの層を含む食用フィルムを備えるスティックの形態である。
【0215】
以下の実施例は、例示のために与えられるが、本発明を限定するものではない。
【実施例】
【0216】
[実施例1]
ガムベースの調製
以下の成分を含むガムベースが調製される。
成分 重量%
エラストマー 10
天然樹脂 28
合成樹脂 22
脂肪/蝋/乳化剤 23
充填剤 17
【0217】
数種類の他のガムベース組成物も本発明の範囲内で適用され得ることが強調されるべきである。
【0218】
エラストマー及び充填剤が、例えば、水平に置かれたZ型アームのような混合手段を備える混合ケトルに加えられる。ケトルを15分間約120℃の温度まで予熱した。ゴムは小片に裂いて、ケトル中の機械的動作で軟化させた。
【0219】
樹脂を、混合物が均質になるまで、エラストマーにゆっくりと加える。それから、残りの樹脂をケトルに加え、10〜20分間混合する。軟化成分を添加し、全混合物が均質になるまで20〜40分間混合する。
【0220】
その後、混合物をパンへ送り込み、送り込んだ温度120℃から室温まで冷却させる。
【0221】
[実施例2]
ニコチン含有チューインガムの調製
チューインガムは、実施例1におけるガムベースを使用し、以下に記載されるような適度な加熱使用時の従来の機械的混合手順に従って調製される。
ガムベース 57.4%
充填剤 14.6%
ニコチンポラクリレックス
ニコチン 0.2%
イオン交換樹脂 0.8%
緩衝剤
炭酸水素ナトリウム 1.0%
炭酸ナトリウム 2.0%
ソルビトール粉末 14.4%
液体甘味料 1.5%
高度甘味料 0.4%
香味料 7.7%
【0222】
ガムベース及び充填剤は、例えば、水平に置かれたZ型アームのような混合手段を備える混合ケトル中で混合される。ケトルを約50℃の温度まで予熱した。
【0223】
内容物が均質になったとき、他の成分を規定時間スケジュールに従って添加する。ニコチンを混合プロセスの前半で添加し、純粋なニコチンとして、ニコチン塩として、すなわちイオン交換樹脂、例えばAmberlite IRP64に結合させたものとして添加することができる。
【0224】
チューインガム片には、1つの片当たりニコチン0.1〜8mg、好ましくは2mg又は4mgが配合され得る。以下で評価される一つのチューインガム片は2mgのニコチン複合体を含む。
【0225】
[実施例3]
チューインガムは、実施例1におけるガムベースを使用し、実施例2に関連して説明及び記載される手順による、適度な加熱使用時の従来の機械的混合手順に従って調製される。
ガムベース 43.9%
充填剤 11.1%
ニコチンポラクリレックス
ニコチン 0.2%
イオン交換樹脂 0.8%
緩衝剤
炭酸水素ナトリウム 1.0%
炭酸ナトリウム 2.0%
ソルビトール粉末 31.4%
液体甘味料 1.5%
高度甘味料 0.4%
香味料 7.7%
【0226】
[実施例4]
チューインガムは、実施例1におけるガムベースを使用し、実施例2に関連して説明及び記載される手順による、適度な加熱使用時の従来の機械的混合手順に従って調製される。
ガムベース 31.9%
充填剤 8.1%
ニコチンポラクリレックス
ニコチン 0.2%
イオン交換樹脂 0.8%
緩衝剤
炭酸水素ナトリウム 1.0%
炭酸ナトリウム 2.0%
ソルビトール粉末 46.4%
液体甘味料 1.5%
高度甘味料 0.4%
香味料 7.7%
【0227】
[実施例5]
チューインガムは、実施例1におけるガムベースを使用して、実施例2に関連して説明及び記載される手順による、適度な加熱使用時の従来の機械的混合手順に従って調製される。
ガムベース 23.9%
充填剤 6.1%
ニコチンポラクリレックス
ニコチン 0.2%
イオン交換樹脂 0.8%
緩衝剤
炭酸水素ナトリウム 1.0%
炭酸ナトリウム 2.0%
ソルビトール粉末 56.4%
液体甘味料 1.5%
高度甘味料 0.4%
香味料 7.7%
【0228】
[実施例6〜実施例9]
実施例2〜実施例5のチューインガムにハードコーティングによってコーティングした。コーティングを適用した。
【0229】
コーティングは米国特許番号第6,627,234号に開示される方法に従って適用され、本細書中で参照により援用され得る。
【0230】
[実施例10]
実施例2〜実施例5のチューインガムの放出及び味覚マスキング(masking)の評価
下の表1は、実施例2〜実施例5のチューインガムのニコチン放出を示している。
【0231】
【表1】

表1 チューインガムに含まれるニコチン全量の割合におけるニコチンの放出
【0232】
さらに図1に結果を示す。また、図から明らかなように、26.3%から19.1%へとエラストマー化合物及び樹脂化合物(elastomer− and resin compounds)の割合を変えた結果として、十分な量の放出の増大が予想外に現れている。つまり、チューインガムの約20〜25重量%の領域でエラストマー化合物及び樹脂化合物の含量を減らすと、驚くほど増大した放出効果が得られる。
【0233】
以下の表2は実施例2〜実施例5のチューインガムのニコチン放出を示しており、実施例2のチューインガムより得られる放出割合が指数100で与えられ、実施例3〜実施例5のチューインガムにより得られる放出割合は、実施例2に関連して、実施例2に基づく指数で与えられる。
【0234】
【表2】

表2 実施例2に従って指数化されたニコチン放出の割合
【0235】
知覚的放出は放出されるニコチンの味覚に関して評価され、その結果は表3に与えられる。実施例2の従来の高ガムベースのニコチンチューインガムによる通常の放出に基準をおいてスケールが適用されている。
【0236】
ニコチン味覚マスキングの参照評価は、A=良好、B=許容可能、C=許容不可として表される。種々の時間でのニコチンの知覚的放出は「良好」等の評価に割り当てられ(mapped)、実施例3〜実施例5は実施例2と比較して評価される。
【0237】
【表3】

表3 実施例2〜実施例5のニコチン放出チューインガムの感覚評価
【0238】
放出されるニコチンの大きい初期レベルが知覚的評価に重要な影響を与えていることが表3から認められ得る。
【0239】
[実施例11]
実施例6〜実施例9のチューインガムの味覚マスキングの評価
知覚的放出が放出されるニコチンの味覚に関して評価され、その結果を表4に示す。実施例2の従来の高ガムベースのニコチンチューインガムによる通常の放出に基準をおいてスケールが適用されている。
【0240】
ニコチン味覚マスキングの参照評価は、A=良好、B=許容可能、C=許容不可として表される。種々の時間でのニコチンの知覚的放出は「良好」等の評価に割り当られ、実施例7〜実施例9は実施例2と比較して評価される。
【0241】
【表4】

表4 実施例6〜実施例9のニコチン放出チューインガムの感覚評価
【0242】
表4から読み取れるように、コーティング層が香味マスキング効果を有しており、その効果が咀嚼後の最初の5分以内に本発明の実施例8及び実施例9において見られるということが分かった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコアルカロイドと、ガムベースと、チューインガム成分とを含み、該ガムベースが、エラストマー化合物及び樹脂化合物を全量でチューインガムの約2〜20重量%の範囲の量を構成する量含むタバコアルカロイド放出チューインガムであって、
該チューインガムが0.1〜10gの範囲の重量を有し、また、
該チューインガムがタバコアルカロイドを0.1mg〜10mgの量で含み、
該タバコアルカロイドがニコチンポラクリレックス樹脂を含み、
該チューインガムがpH制御成分を含むことを特徴とするタバコアルカロイド放出チューインガム。
【請求項2】
前記チューインガムのガムベース含有部分(複数可)中に、タバコアルカロイドを0.1mg〜10mgの量で含む、請求項1に記載のタバコアルカロイド放出チューインガム。
【請求項3】
ガムベースを含む粒子とチューインガム成分を含む粒子とタバコアルカロイドを含む粒子とを圧縮することによりチューインガムを製造する、請求項1又は2に記載のタバコアルカロイド放出チューインガム。
【請求項4】
マルチモジュール型である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のタバコアルカロイド放出チューインガム。
【請求項5】
タバコアルカロイド放出モジュール、好ましくは実質的にガムベース未含有モジュールを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のタバコアルカロイド放出チューインガム。
【請求項6】
チューインガムタブレットである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のタバコアルカロイド放出チューインガム。
【請求項7】
前記タバコアルカロイドが、タバコアルカロイド塩、複合体中に結合されるタバコアルカロイド、又はそれらの任意の組み合わせから選択される形態である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のタバコアルカロイド放出チューインガム。
【請求項8】
前記ニコチンが、ニコチン塩、ニコチン遊離塩基、複合体中に結合されるニコチン、又はそれらの任意の組み合わせから選択される形態である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のタバコアルカロイド放出チューインガム。
【請求項9】
前記チューインガムの0.1重量%〜25重量%の範囲内の量で乳化剤を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のタバコアルカロイド放出チューインガム。
【請求項10】
前記乳化剤の少なくとも50%が、前記ガムベース中に含まれる、請求項1〜9のいずれか1項に記載のタバコアルカロイド放出チューインガム。
【請求項11】
前記乳化剤が、シクロデキストリン、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、マクロゴールアルキルエーテル、酸化エチレンと酸化プロピレンとのブロックコポリマー、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、ステアリン酸ポリオキシエチレン、ソルビタンエステル、モノグリセリド又は乳酸化モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステル、又はそれらの任意の組み合わせから成る群より選択される、請求項1〜10のいずれか1項に記載のタバコアルカロイド放出チューインガム。
【請求項12】
7以下のHLB値を有する乳化剤を含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載のタバコアルカロイド放出チューインガム。
【請求項13】
少なくとも7のHLB値を有する1つ又は複数の乳化剤を含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載のタバコアルカロイド放出チューインガム。
【請求項14】
少なくとも10、好ましくは少なくとも14のHLB値を有する1つ又は複数の乳化剤を含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載のタバコアルカロイド放出チューインガム。
【請求項15】
前記チューインガムが、HLB値が約7未満の1つ又は複数の乳化剤、及びHLB値が約7を超える1つ又は複数の乳化剤を含み、HLB値が約7未満の前記乳化剤が、前記ガムベースに適用され、HLB値が約7を超える前記乳化剤が、前記チューインガム成分とともに最終のチューインガム組成物に適用される、請求項1〜14のいずれか1項に記載のタバコアルカロイド放出チューインガム。
【請求項16】
前記樹脂化合物が、前記チューインガムの0.1〜20重量%の範囲の量を構成する天然樹脂を含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載のタバコアルカロイド放出チューインガム。
【請求項17】
前記樹脂化合物が、前記チューインガムの1〜15重量%の範囲の量を構成する天然樹脂を含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載のタバコアルカロイド放出チューインガム。
【請求項18】
前記天然樹脂が、エステルガムを含む、請求項1〜17のいずれか1項に記載のタバコアルカロイド放出チューインガム。
【請求項19】
前記樹脂化合物が、前記チューインガムの0.1〜20重量%の範囲の量を構成する合成樹脂を含む、請求項1〜18のいずれか1項に記載のタバコアルカロイド放出チューインガム。
【請求項20】
前記樹脂化合物が、前記チューインガムの1〜15重量%の範囲の量を構成する合成樹脂を含む、請求項1〜19のいずれか1項に記載のタバコアルカロイド放出チューインガム。
【請求項21】
前記樹脂化合物が、α−ピネン、β−ピネン及び/又はd−リモネンに由来のテルペン樹脂を含む、請求項1〜20のいずれか1項に記載のタバコアルカロイド放出チューインガム。
【請求項22】
前記合成樹脂が、ポリ酢酸ビニル(PVAc)を含む、請求項1〜21のいずれか1項に記載のタバコアルカロイド放出チューインガム。
【請求項23】
前記エラストマー化合物が、前記チューインガムの少なくとも1重量%、好ましくは前記チューインガムの少なくとも2重量%を構成する、請求項1〜22のいずれか1項に記載のタバコアルカロイド放出チューインガム。
【請求項24】
前記エラストマー化合物が、前記チューインガムの20重量%未満、好ましくは前記チューインガムの約15重量%未満、最も好ましくは前記チューインガムの10重量%未満を構成する、請求項1〜23のいずれか1項に記載のタバコアルカロイド放出チューインガム。
【請求項25】
前記エラストマー化合物が、前記チューインガムの約0.001〜20重量%の範囲、好ましくは前記チューインガムの約0.001〜15重量%の範囲内、最も好ましくは前記チューインガムの約0.001〜10重量%の範囲内の量を構成する、請求項1〜24のいずれか1項に記載のタバコアルカロイド放出チューインガム。
【請求項26】
前記エラストマー化合物が、ブタジエン−スチレンコポリマー、ポリイソブタジエン、イソブチレン−イソプレンコポリマー、ブチルゴム、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、酢酸ビニル/ラウリン酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル/ステアリン酸ビニルコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルアルコール、又はそれらの任意の誘導体若しくは混合物から成る群より選択される合成エラストマーである、請求項1〜25のいずれか1項に記載のタバコアルカロイド放出チューインガム。
【請求項27】
前記エラストマー化合物が、天然ゴム、ラテックス、グアユールゴム、天然ガム、ジェルトン(jelutong)、レッチェカスピ(lechi caspi)、ペリロ(perillo)、ソルバ(sorva)、マッサランドババラタ(massaranduba balata)、マッサランドバチョコレート、ニスペロ(nispero)、ロジディンハ(rosidinha)、チクル、グッタペルカ、グッタカタイウ(gutta kataiu)、ニガーグッタ、ツヌー、チルテ、チクブル、グッタハンカン(gutta hang kang)、又はそれらの任意の組み合わせから成る群より選択される天然エラストマーである、請求項1〜26のいずれか1項に記載のタバコアルカロイド放出チューインガム。
【請求項28】
コーティングを含む、請求項1〜27のいずれか1項に記載のタバコアルカロイド放出チューインガム。
【請求項29】
前記コーティングが、さらなる量のタバコアルカロイドを含む、請求項1〜28のいずれか1項に記載のタバコアルカロイド放出チューインガム。
【請求項30】
前記コーティングの量が、前記チューインガムの2重量%を超え、好ましくは5重量%を超え、最も好ましくは10重量%を超える、請求項1〜29のいずれか1項に記載のタバコアルカロイド放出チューインガム。
【請求項31】
前記チューインガムが、精油、エッセンス、エキス、粉末、酸、ココナッツ、コーヒー、チョコレート、バニラ、グレープフルーツ、オレンジ、ライム、メントール、カンゾウ、カラメルアロマ、ハニーアロマ、ピーナッツ、クルミ、カシュー、ヘーゼルナッツ、アーモンド、パイナップル、ストロベリー、ラズベリー、リンゴ、ナシ、モモ、アプリコット、ブラックベリー、チェリー、パイナップル、プラムエッセンス、チョウジ油、ベイ油、アニス、タイム、シーダーリーフ油、ナツメグ、シナモン、ペパーミント、ウィンターグリーン、スペアミント、ユーカリ、ミント、又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される香味料を含む、請求項1〜30のいずれか1項に記載のタバコアルカロイド放出チューインガム。
【請求項32】
さらなる活性成分を含む、請求項1〜31のいずれか1項に記載のタバコアルカロイド放出チューインガム。
【請求項33】
前記さらなる活性成分の量が、約0.01mg〜1,000mgの範囲内、好ましくは0.01mg〜500mgの範囲である、請求項1〜32のいずれか1項に記載のタバコアルカロイド放出チューインガム。
【請求項34】
前記さらなる活性成分が、歯科用作用物質、及び痛み、頭痛又は体重増加を処置するための作用物質から成る群より選択される、請求項1〜33のいずれか1項に記載のタバコアルカロイド放出チューインガム。
【請求項35】
前記さらなる活性成分が、セチリジン、ロラチジン、フェニレフェリン(phenyleferin)、パラセタモール、シメチジン、ラニチジン、イブプロフェン、炭酸カルシウム(calciumcarbonat)、ビタミンD3、スマトリプタン、ケトプロフェン、ナプロキセン、モルフィン、シメチジン、ファモチジン、ラニチジン、クロルフェネラミン(chlorpheneramine)、デキストロメトルファン、メトフォルミン、又はそれらの任意の組み合わせから成る群より選択される、請求項1〜34のいずれか1項に記載のタバコアルカロイド放出チューインガム。
【請求項36】
前記乳化剤が、シクロデキストリン、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、ソルビタン脂肪酸エステル、オキシステアリン酸ポリエチレングリコールグリセロール、モノステアリン酸グリセロール、モノオレイン酸グリセロール、酸化エチレンと酸化プロピレンとのブロックコポリマー、又はそれらの混合物から成る群より選択される、請求項1〜35のいずれか1項に記載のタバコアルカロイド放出チューインガム。
【請求項37】
該チューインガムが、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、リン酸二カリウム、クエン酸カリウム、又はそれらの任意の組み合わせから成る群より選択されたpH制御成分を含み、
該pH制御成分はチューインガムの0.1重量%〜5重量%の範囲の量を構成する、請求項1〜36のいずれか1項に記載のタバコアルカロイド放出チューインガム。

【図1】
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【公開番号】特開2011−142926(P2011−142926A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−103591(P2011−103591)
【出願日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【分割の表示】特願2007−518452(P2007−518452)の分割
【原出願日】平成17年6月29日(2005.6.29)
【出願人】(507002103)
【Fターム(参考)】