説明

タバコケース

【課題】 予め設定された時間の経過前はケース内に収容されたタバコを取り出すことができず、設定された時間の経過後はタバコを一度に1本だけ取り出すことができるタバコケースを提供する。
【解決手段】 本タバコケース1は、タバコAを収納するために上方に開口部18を有するケース2と、ケース2の開口部18の一側縁にその一端側が回転自在に固定され、且つ、その他端側にタバコ取出口4を有するケース蓋3と、ケース蓋3の他端側が施解錠自在となるように設けられた係止部15と、ケース蓋3のタバコ取出口4の下方にケース内の1本のタバコAの上方のみを囲い込む区切りスペースを形成するように上下動自在に設けた移動仕切板5と、移動仕切板5の上下動と連動してタバコ取出口4を開閉する移動蓋6と、予め設定された時間91だけ移動仕切板5を上方へ移動できないように施錠する移動仕切板施錠部13と、を具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコを収納するタバコケースに関し、詳しくは、禁煙や節煙に有効なタバコケースに関する。
【背景技術】
【0002】
喫煙者の中には、健康への配慮やタバコの購入費用の節約などさまざまな理由により禁煙や節煙を始める人がいるが、タバコは常習性が強く、長年喫煙してきた人にとっては、よほど意志が強くなければ喫煙をやめるのは困難を伴うものである。
【0003】
このため、従来より禁煙や節煙を補助する機能を有する用具が提案されており、その中にタバコを収容するケースの蓋に施錠装置を設けたタバコケースがある(例えば、特許文献1参照)。このタバコケースによると、タバコをケースに収容して蓋を閉じると、予め設定された時間内は施錠装置により蓋が施錠されるためケースからタバコを取り出すことができず、設定時間が経過した後は蓋が解錠されるため蓋を開けてタバコを取り出すことができる。これにより、設定時間内の禁煙が可能となる。
【特許文献1】特開2003−219857号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記したタバコケースでは、蓋を開けた際にケース内からタバコを一度に複数本取り出すことが可能という問題点があった。このため、自制心の弱い喫煙者であれば蓋を開けた際に複数本のタバコを取り出して喫煙することが懸念される。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、予め設定された時間の経過前はケース内に収容されたタバコを取り出すことができず、設定された時間の経過後はタバコを一度に1本だけ取り出すことができるタバコケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1記載のタバコケースは、タバコを収納するために上方に開口部を有するケースと、該ケースの開口部の一側縁にその一端側が回転自在に固定され、且つ、その他端側にタバコ取出口を有するケース蓋と、前記ケースの開口部の他側縁において前記ケース蓋の他端側が施錠及び解錠自在となるように設けられた係止部と、前記ケース蓋のタバコ取出口の下方にケース内の1本のタバコの上方のみを囲い込む区切りスペースを形成するように上下動自在に設けた移動仕切板と、該移動仕切板が上方へ移動した際には前記タバコ取出口を閉じ、前記移動仕切板が下方へ移動した際には前記タバコ取出口を開ける移動蓋と、前記移動仕切板が下方へ移動した時点から予め設定された時間だけ該移動仕切板を上方へ移動できないように施錠する移動仕切板施錠部と、を具備してなることを特徴としている。
【0007】
請求項2記載のタバコケースは、請求項1記載のタバコケースにおいて、前記移動蓋が、透明であることを特徴としている。
【0008】
請求項3記載のタバコケースは、請求項1又は2記載のタバコケースにおいて、前記係止部が、前記ケース内のタバコの有無を検出するセンサがタバコを検出する時に前記ケース蓋を施錠し、検出しない時に前記ケース蓋を解錠するものであることを特徴としている。
【0009】
請求項4記載のタバコケースは、請求項1又は2記載のタバコケースにおいて、前記係止部が、所定時間経過後に前記ケース蓋を解錠するものであることを特徴としている。
【0010】
請求項5記載のタバコケースは、請求項1乃至4のいずれかに記載のタバコケースにおいて、前記移動仕切板が下方へ移動した時点からの前記予め設定された時間の残り時間を表示する表示部を備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載のタバコケースによれば、予め設定された時間が経過する前においては、移動仕切板施錠部により移動仕切板が施錠されているため、ケース内に収容されたタバコAを取り出すことができない。また、設定された時間の経過後においては、移動仕切板が解錠され、移動仕切板をケース蓋の上方に移動するとタバコを1本だけタバコ取出口の下方の区切りスペースに移動可能となるが、移動仕切板と連動してタバコ取出口を閉じる移動蓋によりタバコ取出口からタバコを取り出すことができない。タバコの移動後、移動仕切板を下方に移動すると該移動仕切板によりタバコ取出口の下方の区切りスペースにあるタバコとその他のタバコとが分けられるとともに、移動仕切板と連動して移動蓋が移動してタバコ取出口が開放されるため、予め設定された時間の経過後にケース内に収容されたタバコを一度に1本だけ取り出すことができる。
【0012】
請求項2記載のタバコケースによれば、請求項1記載のタバコケースの効果に加えて、タバコ取出口が移動蓋により閉じられた際に移動蓋の下方にタバコがあるか否かを確認することができる。
【0013】
請求項3記載のタバコケースによれば、請求項1又は2記載のタバコケースの効果に加えて、センサがケース内にタバコを検出する時は係止部がケース蓋を施錠するため、ケース蓋を開けてタバコを取り出すことができず、センサがケース内にタバコを検出しない時は係止部がケース蓋を解錠するため、ケース蓋を開けてケースにタバコを収容することができる。
【0014】
請求項4記載のタバコケースによれば、請求項1又は2記載のタバコケースの効果に加えて、所定時間経過する前は係止部がケース蓋を施錠するため、ケース蓋を開けてタバコを取り出すことができず、所定時間経過後は係止部がケース蓋を解錠するため、ケース蓋を開けてケースからタバコを取り出したり、ケースにタバコを収容したりできる。
【0015】
請求項5記載のタバコケースによれば、請求項1乃至4のいずれかに記載のタバコケースの効果に加えて、移動仕切板が下方へ移動した時点からの予め設定された時間の残り時間を表示する時間表示部を備えているため、次にタバコを取り出すことができるようになるまでの残り時間を確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の第1の実施の形態に係るタバコケースについて図面に基づいて説明する。
本実施の形態に係るタバコケース1は、図1及び図2に示すように、ケース2、ケース蓋3、タバコ取出口4、移動仕切板5、移動蓋6、制御部(制御手段)7、ROM8、RAM9、時間設定部10、時間表示部11、移動仕切板センサ12、移動仕切板施錠部13、タバコセンサ14、係止部15、及び電池16を主体に構成される。また、図7に示すように、制御部7、ROM8、RAM9、時間設定部10、時間表示部11、移動仕切板センサ12、移動仕切板施錠部13、タバコセンサ14、及び係止部15は、バス17によって通信可能に接続されている。
【0017】
ケース2は、図3に示すように、タバコAを収納するために上方に開口部18を有する筐体であり、一般的な紙巻きタバコAが20本入った包装箱Bごと収納可能な大きさに形成されている。このケース2の開口部18の一側縁には、ケース蓋3が丁番19を介してケース2の開口部18を開閉自在に固定されており、他側縁には施錠用孔20が穿設された受け部21が上方へ突出して設けてある。また、このケース2の下部には、制御部7、ROM8、及びRAM9が配設されており、さらに制御部7や時間表示部11、移動仕切板施錠部13、係止部15等に電力を供給する電池16が脱着自在に配設されている。
【0018】
ケース蓋3は、図1に示すように、丁番19を介してケース2に固定された一端側とは他端側にタバコ取出口4を有している。このタバコ取出口4は、図2に示すように、タバコAを1本取り出すのに十分な大きさであり、ケース2に収容されたタバコAの端の列からタバコAを取り出せるように、片側に寄って形成されている。また、タバコ取出口4に沿ってケース蓋3の下面に間仕切板31が突設されている。この間仕切板31は、ケース蓋3を閉じた際にタバコAを仕切って別の列のタバコAがタバコ取出口4の下方に移動しないようにするものである。
【0019】
移動仕切板5は、図4(a)に示すように、タバコ取出口4の近傍にケース蓋3を貫通するように設けられ、ケース蓋3のタバコ取出口4の下方にケース2内の1本のタバコAの上方のみを囲い込む区切りスペースを形成するためのものである。この移動仕切板5は、図示するように、ケース蓋3に設けられた貫通孔32に挿通された垂直板51と、その垂直板51の上端部に垂直に固定された第1水平板52と、その第1水平板52と所定間隔をあけて垂直板51に垂直に固定された第2水平板53を有した断面略F字形状をしており、下方に移動した状態においては第2水平板53がケース蓋3の上面に当接する。また、図2及び図5に示すように、上方に移動した際に貫通孔32から抜け出さないように垂直板51の下部の両側に突出部54を有している。また、垂直板51には、第2水平板53よりも下方に施錠用孔55が穿設されている。
【0020】
移動蓋6は、図5に示すように、略T字形状をしており、透明で、可撓性を有した板状部材であり、下方の幅狭な部分61の下端部が移動仕切板5の垂直板51の下部に固定されており、上方の幅広な部分62の両側端がケース蓋3の下面にタバコ取出口4に沿って形成された溝33に嵌め込まれている。この移動蓋8は、図4(b)に示すように、移動仕切板5が図中イ方向で示す上方に移動すると、それに連動して溝33をスライドしてタバコ取出口4を閉じる。このため、移動仕切板5が上方に移動した状態のときはタバコAをケース2から取り出すことができない。また、図4(c)に示すように、移動仕切板5が図中ニ方向で示す下方に移動すると、それに連動して溝33をスライドしてタバコ取出口4を開ける。このため、移動仕切板5が下方に移動した状態のときはタバコ取出口4からタバコAを取り出すことができる。
【0021】
制御部7は、時間設定部10、時間表示部11、移動仕切板センサ12、移動仕切板施錠部13、タバコセンサ14、及び係止部15の各部の制御を行うものである。また、制御部7は、時間の経過を計時するタイマ71を有している。
【0022】
ROM8は、制御部7によって時間設定部10、時間表示部11、移動仕切板センサ12、移動仕切板施錠部13、タバコセンサ14、及び係止部15の各部が制御されるための制御プログラムを記憶している。
【0023】
RAM9は、制御部7の主メモリ、ワークエリア等として機能し、時間表示部11や移動仕切板施錠部13の処理動作に用いる設定時間91を読み出し及び書き込み可能な状態で記憶している。この設定時間91は、移動仕切板5の移動仕切板施錠部13による施錠が解かれるまでの時間であり、すなわち禁煙間隔を示すものである。
【0024】
時間設定部10は、設定時間91を入力するためのものであり、図1に示すように、ケース2側面に設けられた増加設定部101と減少設定部102からなる。この時間設定部10から入力される設定時間91は、増加設定部101を押すことにより増え、減少設定部102を押すことにより減るようになっており、0時間0分から99時間59分まで設定することができる。0時間0分に設定すると、移動仕切板施錠部13は解錠されたままとなる。なお、時間設定部10は、増加設定部101及び減少設定部102からなるものとしたが、時間と分に対してそれぞれに増加と減少を入力できるようにしてもよい。
【0025】
時間表示部11は、制御部7のタイマ71により経過が計時される設定時間91の残り時間を表示するものであり、図1に示すように、ケース2側面に設けられた時間設定部10の近傍に設けられている。この時間表示部11により、次にタバコを取り出すことができるようになるまでの残り時間を確認することができる。
【0026】
移動仕切板センサ12は、移動仕切板5がケース蓋3の上方に移動した後に再び下方に移動したか否かを検出するセンサであり、例えば反射型光センサなどである。この移動仕切板センサ12は、図2及び図4(a)に示すように、移動仕切板5が下方に移動した際に第2水平板53の下面に当接するようにケース蓋3に配設される。反射型光センサを用いる場合、移動仕切板5の第2水平板53の下面に照射した光の反射距離を計測することにより移動仕切板5の上下動を検出する。
【0027】
移動仕切板施錠部13は、永久磁石131と電磁石132を備え、通電されることにより電磁石132に磁力が発生し、その磁力を利用して永久磁石131を駆動させて移動仕切板5の施錠用孔55に嵌合させることによって移動仕切板5を動かないようにするためのものである。電磁石132は、コイルに電流が流れることにより鉄芯の両端部に夫々磁極が形成される。例えば、永久磁石131のN極が電磁石132側にある場合は、通電されることにより電磁石132の永久磁石131側にN極が形成されるようにすることにより、N極同士の反発力によって永久磁石131が電磁石132と反対側に駆動して施錠用孔55に嵌合して移動仕切板5を施錠する。通電が止められると、電磁石132の鉄心にN極が形成されず、永久磁石131が電磁石132側に駆動して移動仕切板5を解錠する。
【0028】
タバコセンサ14は、図2及び図4(a)に示すように、間仕切板31の下端部の丁番18側に取り付けられてケース2内のタバコAの有無を検出するセンサであり、例えば反射型光センサ等が用いられる。このタバコセンサ14は、ケース2内に照射した光の反射距離を計測することによりケース2内のタバコAの有無を検出する。
【0029】
係止部15は、移動仕切板施錠部13と同様に、永久磁石151と電磁石152を備え、通電されることにより電磁石152に磁力が発生し、その磁力を利用して永久磁石151を駆動させることによってケース蓋3を施錠するものである。すなわち、永久磁石151が受け部21の施錠用孔20に嵌合することにより、ケース蓋3を施錠する。
【0030】
次に、以上のように構成されたタバコケース1の使用方法を説明する。なお、このタバコケース1の時間設定部10、時間表示部11、移動仕切板センサ12、移動仕切板施錠部13、タバコセンサ14、及び係止部15の各部の処理動作は、ROM8に格納されている制御プログラムに基づいて制御部7が発行する制御命令に従って行われる。
【0031】
まず、図3に示すように、ケース蓋3を開き、タバコAをケース2内に収納する。この際、図示するように、包装箱Bごとケース2内に収納してもよいし、包装箱BからタバコAを取り出して収納してもよい。ただし、包装箱Bごと収納する際は、包装箱Bがソフトタイプの場合は封をはがしてから、包装箱Bがボックスタイプの場合は上の蓋を取り外してからケース2内に収納する。タバコAの収納後、移動仕切板5を上方に移動した状態でケース蓋3を閉じる。
【0032】
次いで、時間設定部10から設定時間91を入力する。設定時間91の入力前は、時間表示部11には「00:00」と表示されており、例えば、禁煙間隔を1時間30分と設定する場合は、「01:30」と表示されるまで増加設定部101を押して設定時間91を入力する。なお、時間表示部11に表示された時間が、所望の設定時間91を超えた場合は、減少設定部102を押して所望の設定時間91に合わせる。
【0033】
設定時間91の入力後、移動仕切板5の第2水平板がケース蓋3及び移動仕切板センサ12に当接するまで下方に移動すると、移動仕切板センサ12は、移動仕切板5が下方に移動したことを検出する。また、その検出信号を受信した制御部7は、時間設定部10から入力された設定時間91の経過をタイマ71により計時開始するとともに、移動仕切板施錠部13により移動仕切板5を施錠させる。この際、制御部7は、移動仕切板施錠部13の電磁石132に通電させ、電磁石132に磁力を発生させることにより永久磁石131を駆動して移動仕切板5の施錠用孔55に嵌合させる。また、制御部7は、図6(a)に示すように、移動仕切板施錠部13と同様に、係止部15によりケース蓋3を施錠させる。時間表示部11には、タイマ71により経過が計時される設定時間91の残り時間が表示される。
【0034】
そして、制御部7は、タイマ71により計時した時間が設定時間91を経過したと判断した場合、移動仕切板施錠部13の電磁石132への通電を止めさせ、移動仕切板5を解錠させる。すなわち、電磁石132への通電が止まると、永久磁石131が電磁石132方向に移動し、施錠用孔55から永久磁石131が外れる。これにより、移動仕切板5が解錠されて任意に上方へ移動することが可能な状態となる。
【0035】
移動仕切板5の解錠後、ケース2からタバコを取り出す場合は、図4(b)に示すように、移動仕切板5を図中イ方向で示す上方に移動して、タバコケース1を傾ける等してタバコ取出口4の下方の区切りスペースへタバコAをロ方向に移動させる。この際、移動蓋6がタバコ取出口4を遮断しているため、タバコAを取り出すことはできないが、移動蓋6が透明な材質であるので、タバコ取出口4の下方の区切りスペースにタバコAが移動したか否かを確認することができる。
【0036】
タバコ取出口4の下方の区切りスペースにタバコAが移動したことを確認した後、図4(c)に示すように、移動仕切板5の第2水平板53がケース蓋3及び移動仕切板センサ12に当接するまで移動仕切板5を図中ニ方向で示す下方に移動すると、移動蓋6が移動仕切板5と連動して溝33をスライドし、タバコ取出口4が開放され、タバコ取出口4からタバコAを1本だけ図中ハ方向に取り出すことができる。また、移動仕切板センサ12は、移動仕切板5がニ方向である下方に移動したことを検出し、その検出信号を受信した制御部7は、設定時間91の経過を再び計時開始するとともに、移動仕切板施錠部13により移動仕切板5を施錠させる。
【0037】
上記の動作を繰り返してタバコAをケース2内から全て取り出し、タバコセンサ14がケース2内にタバコAが無いことを検出した場合、制御部7は、係止部15の電磁石152への通電を止めさせてケース蓋3を解錠させる。すなわち、電磁石152への通電が止まると、図6(b)に示すように、永久磁石151が電磁石152方向に移動して、受け部21の施錠用孔20から永久磁石151が外れる。これにより、ケース蓋3は、解錠されて任意に開放可能な状態となり、ケース蓋3を開けて開口部18からタバコAを再度収納することができる。
【0038】
以上の説明から明らかなように、本発明の実施の形態に係るタバコケース1によれば、予め入力された設定時間91が経過する前はケース2内に収容されたタバコAを取り出すことができず、設定時間91の経過後は、タバコAを一度に1本だけ取り出すことができる。また、タバコセンサ14がケース2内にタバコAが無いことを検出した場合、ケース蓋3は解錠されるため、ケース蓋3を開けてタバコAをケース2に収納することができる。
【0039】
次に、本発明の第2の実施形態に係るタバコケースについて説明するが、この第2の実施形態のタバコケース1は、上記した第1の実施の形態のタバコケース1のタバコセンサ14を除いたものと同様の構成であって、係止部15が所定時間経過後にケース蓋3を解錠するものである。例えば、ケース蓋3を閉じてから24時間後に解錠されたり、あるいは、設定時間91に1ケースのタバコAの本数である20を乗じた時間が経過した後に解錠されるものであり、所定時間は適宜設定される。
【0040】
以上の説明から明らかなように、本発明の第2の実施の形態に係るタバコケース1によれば、所定時間経過する前は係止部15がケース蓋3を施錠するため、ケース蓋3を開けてタバコAを取り出すことができず、所定時間経過後は係止部15がケース蓋3を解錠するため、ケース蓋3を開けてケース2からタバコAを取り出したり、ケース2にタバコAを収容したりできる。
【0041】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、移動仕切板5は、ケース蓋3より上方に第1水平部52及び第2水平部53を有しているが、ケース蓋3に係止可能で、且つ、上下動することができるものであれば、特にこの形状でなくてよい。また、移動蓋6は、タバコ取出口4を閉じた際にタバコAが移動蓋6の下方にあるか否かを確認できるように透明な部材としたが、移動蓋6に開口部を設けてタバコAが移動蓋6の下方にあるか否かを確認できるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施の形態に係るタバコケースの概略構成の一例を示す斜視図である。
【図2】図1のC部の拡大斜視図である。
【図3】タバコケースのケース蓋が開いた状態を示す正面図である。
【図4】X−X’断面を示す断面図である。
【図5】Y−Y’断面を示す断面図である。
【図6】Z−Z’断面を示すを示す断面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るタバコケースのハードウェアの構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0043】
1 タバコケース
2 ケース
3 ケース蓋
4 タバコ取出口
5 移動仕切板
6 移動蓋
11 時間表示部
13 移動仕切板施錠部
15 係止部
18 開口部
91 設定時間
A タバコ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコを収納するために上方に開口部を有するケースと、
該ケースの開口部の一側縁にその一端側が回転自在に固定され、且つ、その他端側にタバコ取出口を有するケース蓋と、
前記ケースの開口部の他側縁において前記ケース蓋の他端側が施錠及び解錠自在となるように設けられた係止部と、
前記ケース蓋のタバコ取出口の下方にケース内の1本のタバコの上方のみを囲い込む区切りスペースを形成するように上下動自在に設けた移動仕切板と、
該移動仕切板が上方へ移動した際には前記タバコ取出口を閉じ、前記移動仕切板が下方へ移動した際には前記タバコ取出口を開ける移動蓋と、
前記移動仕切板が下方へ移動した時点から予め設定された時間だけ該移動仕切板を上方へ移動できないように施錠する移動仕切板施錠部と、
を具備してなることを特徴とするタバコケース。
【請求項2】
前記移動蓋が、透明であることを特徴とする請求項1記載のタバコケース。
【請求項3】
前記係止部が、前記ケース内のタバコの有無を検出するセンサがタバコを検出する時に前記ケース蓋を施錠し、検出しない時に前記ケース蓋を解錠するものであることを特徴とする請求項1又は2記載のタバコケース。
【請求項4】
前記係止部が、所定時間経過後に前記ケース蓋を解錠するものであることを特徴とする請求項1又は2記載のタバコケース。
【請求項5】
前記移動仕切板が下方へ移動した時点からの前記予め設定した時間の残り時間を表示する時間表示部を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のタバコケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−311808(P2006−311808A)
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−134798(P2005−134798)
【出願日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(505166339)島電工業株式会社 (1)