説明

タバコ属由来のシトクロムp450遺伝子のクローニング

【課題】タバコ属において報告されているシトクロムp450タンパク質はごく少数にすぎない。植物中のp450酵素およびそれらのp450酵素に関連する核酸配列を同定することが要望されている。
【解決手段】タバコ属のp450酵素、およびp450酵素をコードする核酸配列、ならびにこれらの酵素のアミノ酸配列をを決定した。さらに植物表現型の変更に使用する方法を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコ属(Nicotiana)植物中のシトクロムp450酵素(以下、p450およびp450酵素と呼ぶ)をコードする核酸配列、およびこれらの核酸配列を用いて植物表現型を変化させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
シトクロムp450は、化学的に異なる広範な基質について、内因性物質および異生物的物質の酸化、過酸化および還元代謝を含めた酵素反応を触媒する。植物においてp450は、フェニルプロパノイド、アルカロイド、テルペノイド、脂質、青酸配糖体、およびグルコシノラートなどの植物産物の合成を含めた生化学的経路に関与する(Chappel, Annu. Rev. Plant Physiol. Plant Mol. Biol. 198,49: 311-343(非特許文献1))。シトクロムp450はp450ヘム-チオラートタンパク質としても知られ、通常は、p450含有モノオキシゲナーゼ系と呼ばれる多成分電子伝達鎖においてターミナルオキシダーゼとして作用する。触媒される具体的反応には、脱メチル、ヒドロキシル化、エポキシド化、N-酸化、スルホ酸化、N-、S-およびO-脱アルキル、脱硫酸、脱アミノ、ならびにアゾ、ニトロおよびN-オキシド基の還元が含まれる。
【0003】
フェニルプロパノイド、アルカロイド、テルペノイド、脂質、青酸配糖体、グルコシノラートならびに他の多数の化学物質など多様な植物代謝産物に対する影響において、タバコ属植物p450酵素の広範な役割が示唆されている。近年、あるp450酵素が植物において植物代謝産物の組成に影響を及ぼす可能性のあることが次第に明らかになりつつある。たとえば、特定の脂肪酸のプロフィールを品種改良により変化させることによってある植物のフレーバーおよび芳香を改良することが、長い間望まれていた;しかし、これらの葉成分のレベルの制御に関与する機序については、ごくわずかしか分かっていない。脂肪酸の修飾に関連するp450酵素のダウンレギュレーションは、目的脂肪酸の蓄積を促進し、より好ましい性質の葉表現型を生じる可能性がある。植物成分におけるp450酵素の機能およびそれらの広範な役割は、なお探索中である。たとえばある特殊なクラスのp450酵素は、脂肪酸から果実および野菜の”フレッシュグリーン”臭に関係する主な物質である揮発性C6-およびC9-アルデヒドおよび-アルコールへの分解を触媒することが見いだされた。タバコ属の葉において他の新たな標的p450のレベルを変化させて脂質組成および関連の分解代謝産物を改変することにより、葉成分の性質を向上させるように変更することができる。これらの葉成分のうち幾つかは、葉の質的特性の熟成を刺激する老化(senescence)により影響される。さらに他の報告は、植物病原体との相互作用および疾病抵抗性に関与する脂肪酸の変化に際してp450酵素が機能的役割をもつことを示した。
【0004】
他の場合、p450酵素はアルカロイドの生合成に関与することが示唆された。ノルニコチンはニコチアナ・タバセウム(Nicotiana tabaceum)中にみられる副アルカロイドである。それはニコチンのp450仲介脱メチルにより産生され、続いてN位におけるアシル化およ
びニトロソ化により一連のN-アシルノルニコチンおよびN-ニトロソノルニコチンが生成すると推定されている。推定p450デメチラーゼにより仲介されるN-脱メチルは、タバコ属における主要なノルニコチン生合成の供給源であると考えられる。この酵素はミクロソーム系であると考えられるが、これまでニコチンデメチラーゼ酵素の精製は成功しておらず、関与する遺伝子も単離されていない。
【0005】
さらに、p450酵素の活性は遺伝的に制御され、環境因子によっても強い影響を受けると仮定されているが、証明されていない。たとえば、タバコ属におけるニコチンの脱メチルは、植物が成熟段階に達したとき実質的に増大すると考えられる。さらに、デメチラーゼ遺伝子は、存在する場合にはRNAの翻訳を阻害する可能性のある転位因子を含むと仮定されているが、まだ証明されていない。
【0006】
p450酵素形態の多様性が大きく、それらの構造および機能が異なるため、タバコ属p450酵素に関する研究は本発明以前はきわめて困難であった。さらに、少なくとも一部は、これらの膜局在タンパク質は一般に低い量で存在し、しばしば精製に対して不安定であるという理由から、p450酵素のクローニングが妨げられてきた。したがって、植物中のp450酵素およびそれらのp450酵素に関連する核酸配列を同定することが要望されている。特に、タバコ属において報告されているシトクロムp450タンパク質はごく少数にすぎない。本明細書に記載する本発明は、幾つかのグループのp450種に対応する多数のシトクロムp450フラグメントをそれらの配列同一性に基づいて見いだした。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Chappel, Annu. Rev. Plant Physiol. Plant Mol. Biol. 198,49: 311-343
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
概要
本発明は、植物p450酵素に関する。本発明はさらに、タバコ属由来の植物p450酵素に関する。本発明はまた、エチレンおよび/または植物老化により発現が誘発される植物p450酵素に関する。本発明はさらに、たとえばオキシゲナーゼ、デメチラーゼなどのカテゴリーに属する酵素活性をもつ植物核酸配列、およびそれらの配列を用いて遺伝子の発現または過剰発現を低下または沈黙させることに関する。本発明はまた、低いノルニコチンレベルを示す植物より高レベルのノルニコチンを含む植物中にみられるp450酵素に関する。
【0009】
第1態様において本発明は、
【0010】
【化1】

【0011】
に記載する核酸配列に関する。
第2の関連態様においては、75%を超える核酸配列同一性を構成するフラグメントを、シトクロムp450モチーフGXRXCX(G/A)に続く第1核酸から終止コドンまでに対応する領域におけるそれらの同一性に応じて分類した。代表的な核酸グループおよびそれぞれの種を表Iに示す。
【0012】
第3態様において本発明は、
【0013】
【化2】

【0014】
に記載するアミノ酸配列に関する。
第4の関連態様においては、71%を超えるアミノ酸配列同一性を構成するフラグメントを、シトクロムp450モチーフGXRXCX(G/A)に続く第1アミノ酸から終止コドンまでに対応する領域におけるそれら相互の同一性に応じて分類した。代表的なアミノ酸グループおよびそれぞれの種を表IIに示す。
【0015】
第5態様において本発明は、
【0016】
【化3】

【0017】
に記載する、全長遺伝子のアミノ酸配列に関する。
第6の関連態様においては、85%以上のアミノ酸配列同一性を構成する全長遺伝子を、相互の同一性に応じて分類した。代表的なアミノ酸グループおよびそれぞれの種を表IIIに示す。
【0018】
第7態様において本発明は、SEQ.ID.No. 299〜357に記載したフラグメントのアミノ酸配列に関する。
第8の関連態様においては、90%以上のアミノ酸配列同一性を構成するフラグメントを、第1シトクロムp450ドメインUXXRXXZから第3シトクロムドメインGXRXO(これらにおいて、UはEまたはKであり、Xは任意のアミノ酸であり、ZはR、T、SまたはMである)までに対応する領域におけるそれら相互の同一性に応じて分類した。代表的なアミノ酸グループおよびそれぞれの種を表IVに示す。
【0019】
第9の関連態様においては、RNAウイルス系を用いてタバコ属植物におけるp450酵素の減少、排除または過剰発現を一過性で達成できる。
得られる形質転換または感染した植物を、それらの表現型について評価する。これには当業者が一般に利用できる、内因性p450 RNA転写体、p450発現ペプチド、および植物代謝産物濃度の分析が含まれるが、これらに限定されない。
【0020】
第10の重要な態様において本発明はまた、p450酵素活性レベルが変化したトランスジェニックタバコ属系の作製に関する。本発明によれば、これらのトランスジェニック系は、ある酵素の発現を低下もしくは沈黙または増大させることによりタバコ属において表現型効果をもたらすのに有効な核酸配列を含む。そのような核酸配列には、
【0021】
【化4】

【0022】
が含まれる。
本発明のきわめて重要な第11態様において、全長遺伝子もしくはそのフラグメントによるダウンレギュレーション能力または全長遺伝子による過剰発現能力をもつ本発明核酸を含む植物変種は、対照植物と比較して変化した代謝プロフィールをもつであろう。
【0023】
本発明の第12態様において、植物由来または植物外部からの代謝産物の生合成または分解を改変する際に、全長遺伝子もしくはそのフラグメントを用いた本発明核酸を含む植物変種は、内因性化学物質または植物有害生物に耐容するのに利用できるであろう。そのような核酸配列には、
【0024】
【化5】

【0025】
が含まれる。
第13態様において本発明は、教示した核酸配列に対する実質的な核酸同一性をもつ遺伝子を含む植物、より好ましくはタバコ属のスクリーニングに関する。そのような植物が従来法による変種もしくはトランスジェニック変種を得るための品種改良プログラム、変異誘発プログラム、または天然の多様な植物集団の一部である場合、本発明の利用は厳密または実質的な同一性をもつ核酸配列を含む植物を同定および選択するのに有利であろう。実質的な核酸同一性についての植物スクリーニングは、核酸ハイブリダイゼーションおよびPCR分析を含めた(これらに限定されない)核酸検出プロトコルと共に核酸プローブを用いて植物核酸材料を評価することにより達成してもよい。核酸プローブは、
【0026】
【化6】

【0027】
に対応する教示した核酸配列またはそのフラグメントを含むことができる。
第14態様において本発明は、教示した核酸配列に対応する実質的なアミノ酸同一性をもつ植物遺伝子、より好ましくはタバコ属遺伝子の同定に関する。植物遺伝子(cDNAクローンおよびゲノムクローンが共に含まれる)、それらのcDNAおよびゲノムクローン、より好ましくはタバコ属に由来するものの同定は、核酸ハイブリダイゼーションおよびPCR分析を含めた(これらに限定されない)核酸検出プロトコルと共に核酸プローブを用いて植物cDNAライブラリーをスクリーニングすることにより達成してもよい。核酸プローブは、
【0028】
【化7】

【0029】
に対応する核酸配列またはそのフラグメントを含むことができる。
他の第15態様においては、教示したアミノ酸配列の一部または全体に対する抗体を用いて、ペプチドを発現するcDNA発現ライブラリーをスクリーニングしてもよい。そのような核酸配列には、
【0030】
【化8】

【0031】
が含まれる。
重要な第16態様において本発明はまた、過剰発現したp450酵素活性レベルをもつトランスジェニックタバコ属系の作製に関する。本発明によれば、これらのトランスジェニック系は、ある酵素の発現を増大させ、したがってタバコ属において表現型効果をもたらすのに有効な、全長遺伝子のアミノ酸配列をコードするすべての核酸配列を含む。そのような核酸配列には、
【0032】
【化9】

【0033】
が含まれる。
詳細な説明
定義
別途定義しない限り、本明細書中で用いるすべての技術用語および科学用語は本発明の属する技術分野の当業者が一般に理解しているものと同じ意味をもつ。Singleton et al.(1994) Dictionary of Microbiology and Molecular Biology, 第2版, John Wiley and Sons(ニューヨーク)は、当業者にとって本発明に用いる多くの用語の一般的な辞書となる。本明細書に述べるすべての特許および刊行物を本明細書に参照により援用する。本発明の目的に関して、下記の用語を以下に定義する。
【0034】
”酵素活性”は、脱メチル、ヒドロキシル化、エポキシド化、N-酸化、スルホ酸化、N-、S-およびO-脱アルキル、脱硫酸、脱アミノ、ならびにアゾ、ニトロおよびN-オキシド基の還元を含むものとする。用語”核酸”は、一本鎖または二本鎖、センスまたはアンチセンスのいずれかの形のデオキシリボヌクレオチドポリマーまたはリボヌクレオチドポリマーを表わし、別途限定しない限り、天然ヌクレオチドと同様な様式で核酸にハイブリダイズする既知の天然ヌクレオチドの類似体を含む。別途限定しない限り、具体的な核酸配列にはその相補体が含まれる。
【0035】
用語”作動可能な状態で結合した”、”作動可能な組合わせにある”、”作動可能な順序で”は、核酸発現制御配列(たとえばプロモーター、シグナル配列、または転写因子結合部位のアレイ)と第2核酸配列の機能的結合を表わし、その際、発現制御配列は第2配列に対応する核酸の転写および/または翻訳に影響を及ぼす。
【0036】
用語”組換え体”を細胞に関して用いた場合、その細胞はヘテロロガス核酸を複製し、その核酸を発現し、あるいはヘテロロガス核酸がコードするペプチド、ヘテロロガスペプチドまたはタンパク質を発現することを示す。組換え細胞は、天然(非組換え)形の細胞内にみられないセンス形またはアンチセンス形の遺伝子または遺伝子フラグメントを発現することができる。組換え細胞は、天然形の細胞中にみられる遺伝子であるが人為的手段で修飾されて再導入されたものである遺伝子も発現することができる。
【0037】
”構造遺伝子”は、タンパク質、ポリペプチドまたはその一部をコードするDNAセグメントを含み、転写の開始を誘導する5'側配列を除いた、遺伝子部分である。あるいは、構造遺伝子は翻訳できない生成物をコードしてもよい。構造遺伝子は、細胞中に普通にみられるものであるか、あるいはその細胞またはそれを導入した細胞部位には普通はみられないものであり、この場合、それは”ヘテロロガス遺伝子”と呼ばれる。ヘテロロガス遺伝子は、全体または一部が、当技術分野で知られているいずれの供給源に由来するものであってもよい。これには、細菌性ゲノムもしくはエピソーム、真核細胞、核もしくはプラスミドのDNA、cDNA、ウイルスDNA、または化学合成DNAが含まれる。構造遺伝子は、生物活性もしくはその特性、発現生成物の生物活性もしくは化学構造、発現速度または発現制御様式に影響を及ぼす1以上の修飾を含むことができる。そのような修飾には1個以上のヌクレオチドの変異、挿入、欠失および置換が含まれるが、これらに限定されない。構造遺伝子は中断されていないコード配列を構成するか、あるいは適宜なスプライスジャンクションが結合した1以上のイントロンを含んでもよい。構造遺伝子は、翻訳可能または翻訳不可能な場合があり、アンチセンス配向のものも含まれる。構造遺伝子は、複数の供給源または複数の遺伝子配列(天然または合成;ここで合成とは化学的に合成されたDNAを表わす)に由来するセグメントの複合体であってもよい。
【0038】
”に由来する(誘導される)”は、ある供給源(化学的または生物学的)から採取、入手、受容、追跡、複製または伝承したことを表わすために用いられる。誘導体は、元の供給源の化学的または生物学的操作(置換、付加、挿入、欠失、抽出、単離、変異形成および複製が含まれるが、これらに限定されない)により調製してもよい。
【0039】
DNA配列に関して”化学的に合成した”とは、成分ヌクレオチドの部分がインビトロで組み立てられたことを意味する。手動によるDNAの化学合成は、十分に確立された方法を用いて達成できる(Caruthers, Methodology of DNA and RNA Sequencing, (1983), Weisman(編)、Praeger Publishers、ニューヨーク、1章);自動化学合成は、多数の市販機器のいずれかを用いて実施できる。
【0040】
比較のための最適アラインメントは、Smith and Waterman, Adv.Appl.Math. 2:482 (1981)の局部相同アルゴリズム、Needleman and Wunsch, J.Mol.Biol. 48:443 (1970)の相同アラインメントアルゴリズム、Pearson and Lipman, Proc.Natl.Acad.Sci. (U.S.A.) 85:2444 (1988)の類似体探索法、これらのアルゴリズムを電子化した処理系(GAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA;Wisconsin Genetics Software Package、Genetics Computer Group、575 Science Dr., Madison, Wis.)、またはインスペクションにより行うことができる。
【0041】
NCBI Basic Local Alignment Search Tool(BLAST)(Altschul et al., 1990)は、National Center for Biological Information(NCBI、メリーランド州ベセスダ)を含めた幾つかの供給業者から、またインターネット上で配列分析プログラムblastp、blastn、blastx、tblastn、tblastxと組み合わせて使用するものとして入手できる。これは、htp://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/においてアクセスできる。このプログラムを用いて配列同一性を決定する方法の説明は、htp://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/blast help.htmlにおいて入手できる。
【0042】
本明細書中で用いる、アミノ酸配列に適用した用語”実質的なアミノ酸同一性”または”実質的なアミノ酸配列同一性”は、ポリペプチドの特徴を表わすものであり、その際ペプチドは、翻訳されたペプチドのシトクロムp450モチーフGXRXCX(G/A)に続く第1アミノ酸から終止コドンまでに対応する領域にわたる参照グループと対比して、少なくとも70%の配列同一性、好ましくは少なくとも80%の配列同一性、より好ましくは少なくとも90%の配列同一性、最も好ましくは少なくとも99〜100%の配列同一性をもつ配列を含む。
【0043】
本明細書中で用いる、核酸配列に適用した用語”実質的な核酸同一性”または”実質的な核酸配列同一性”は、ポリヌクレオチドの特徴を表わすものであり、その際ポリヌクレオチドは、翻訳されたペプチドのシトクロムp450モチーフGXRXCX(G/A)に続く第1核酸から終止コドンまでに対応する領域にわたる参照グループと対比して、少なくとも75%の配列同一性、好ましくは少なくとも81%の配列同一性、より好ましくは少なくとも91%の配列同一性、最も好ましくは少なくとも99〜100%の配列同一性をもつ配列を含む。
【0044】
ヌクレオチド配列が実質的に同一であることの他の指標は、ストリンジェント条件下で2分子が互いにハイブリダイズするかどうかである。ストリンジェント条件は配列依存性であり、異なる状況では異なるであろう。一般にストリンジェント条件は、定められたイオン強度およびpHで、個々の配列の熱融解温度(Tm)より約5〜約20℃低く、通常は約10〜約15℃低くなるように選択される。Tmは(定められたイオン強度およびpH下で)、ターゲット配列の50%が適正対合プローブにハイブリダイズする温度である。一般にストリンジェント条件は、塩濃度が約0.02M、pH7、温度が少なくとも約60℃の条件であろう。たとえば標準サザンブロット法において、ストリンジェント条件は6×SSC中、42℃での初期洗浄、続いて0.2×SSC中、少なくとも約55℃、一般に約60℃、しばしば約65℃の温度で1回以上の追加洗浄を含むであろう。
【0045】
ヌクレオチド配列は、それらがコードするポリペプチドおよび/またはタンパク質が実質的に同一である場合にも、本発明の目的に関して実質的に同一である。したがって、第1核酸配列が第2核酸配列と本質的に同じポリペプチドをコードする場合、第2核酸配列は、遺伝子コードにより許容される縮重のためストリンジェント条件下でハイブリダイズしなくても、実質的に同一である(コドン縮重および遺伝子コードの説明についてはDarnell et al. (1990) Molecular Cell Biology, 第2版を参照、Scientific American Books W.H.Freeman and Company、ニューヨーク)。タンパク質の純度または均一性は、当技術分野で周知のいくらかの手段で、たとえばタンパク質試料のポリアクリルアミドゲル電気泳動、続いて染色に際しての視覚化により示すことができる。特定の目的には高分解能が必要な場合があり、HPLCまたはこれに類する精製手段を利用してもよい。
【0046】
本明細書中で用いる用語”ベクター”は、DNAセグメント(1以上)を細胞へ伝達する核酸分子に関して使用される。ベクターはDNAを複製するために使用してもよく、宿主細胞内で独立して増殖してもよい。用語”ビヒクル”が、時には”ベクター”と互換性をもって用いられる。本明細書中で用いる用語”発現ベクター”は、目的とするコード配列および作動可能な状態で結合したコード配列をその宿主生物において発現するのに必要な適切な核酸配列を含む、組換えDNA分子を表わす。真核細胞において発現するのに必要な核酸配列は、通常はプロモーター、オペレーター(場合による)、およびリボソーム結合部位、ならびにしばしば他の配列を含む。真核細胞にはプロモーター、エンハンサー、ならびに終止およびポリアデニル化シグナルが使われることが知られている。
【0047】
遺伝子工学的に作製した、根をもつ完全な植物を再生する目的で、たとえばインビボ接種またはいずれか既知のインビトロ組織培養法などいずれかの方法で核酸を植物細胞に挿入して、完全な植物に再生できる形質転換植物細胞を作製することができる。よって、たとえば、植物細胞への挿入は病原性または非病原性アグロバクテリウム・ツメファシエンス(A.tumefaciens)によるインビトロ接種であってもよい。他のそのような組織培養法も採用してもよい。
【0048】
”植物組織”には、分化および未分化の植物組織が含まれ、これには根、茎、葉、花粉、種子、腫瘍組織、および多様な形態の培養細胞、たとえば単細胞、プロトプラスト、胚芽およびカルス組織が含まれるが、これらに限定されない。植物組織は、in planta、または器官、組織または細胞培養の状態であってよい。
【0049】
本明細書中で用いる用語”植物細胞”には、in planta植物細胞、ならびに培養されている植物細胞およびプロトプラストが含まれる。
”cDNA”または”相補的DNA”は、一般にRNA分子に相補的なヌクレオチド配列をもつ一本鎖DNA分子を表わす。cDNAは、酵素である逆転写酵素のRNA鋳型上での作用により形成される。
【0050】
核酸配列を得る方法
本発明によれば、コンバーター(converter)および非コンバーター(non-converter)タバコ属系のタバコ属組織からRNAを抽出した。次いで抽出RNAを用いてcDNAを作製した。次いで本発明の核酸配列を2方法で作製した。
【0051】
第1法では、ポリA富化RNAを植物組織から抽出し、逆転写PCRによりcDNAを作製した。次いでこの一本鎖cDNAを用い、ディジェネレートプライマーとオリゴd(T)リバースプライマーを使用して、p450特異的PCR集団を作製した。このプライマー設計は、p450の高度保存モチーフに基づいた。特異的ディジェネレートプライマーの例を図1に示す。適切なサイズの挿入配列を含むプラスミドからの配列フラグメントを、さらに分析した。これらのサイズの挿入配列は、用いるプライマーに応じて一般に約300〜約800ヌクレオチドであった。
【0052】
第2法では、まずcDNAライブラリーを構築した。プラスミド中のcDNAを用い、ディジェネレートプライマーとリバースプライマーとしてのプラスミド中T7プライマーを使用して、p450特異的PCR集団を作製した。第1法と同様に、適切なサイズの挿入配列を含むプラスミドからの配列フラグメントを、さらに分析した。
【0053】
高レベルのノルニコチンを産生することが知られているタバコ属植物系(コンバーター)および検出できないレベルのノルニコチンを含む植物系を出発材料として使用できる。
次いで植物から葉を切り取り、エチレンで処理して、本明細書に定めるp450酵素活性を高める。当技術分野で公知の方法により全RNAを抽出する。次いでPCR(RT-PCR)により、図153に記載したオリゴd(T)プライマーを用いて、cDNAフラグメントを形成することができる。次いで、本明細書の実施例に詳述するように、cDNAライブラリーを構築できる。
【0054】
p450型酵素の保存領域をディジェネレートプライマーの鋳型として使用できる(図75)。ディジェネレートプライマーを用いて、p450特異的バンドをPCRにより増幅すること
ができる。p450様の酵素を指示するバンドをDNA配列決定法により同定できる。PCRフラグメントをBLAST検索、アラインメントまたは他のツールにより解明して、適切な候補を同定することができる。
【0055】
同定したフラグメントからの配列情報を用いて、PCRプライマーを開発できる。これらのプライマーをcDNAライブラリー中のプラスミドプライマーと組み合わせ用いて、全長p450遺伝子をクローニングすることができる。大規模サザン逆分析を実施して、得られたすべてのフラグメントクローンおよび場合により全長クローンについて、差異発現を調べることができる。本発明のこの態様においては、クローン化したすべての挿入配列をスクリーニングするために、クローン化DNAフラグメントとハイブリダイズするプローブとして種々の組織に由来する標識した全cDNAを用いて、これらの大規模サザン逆アッセイを実施できる。
【0056】
非放射性および放射性(P32)ノーザンブロットアッセイ法を用いて、クローン化p450フラグメントおよび全長クローンを解明することもできる。
数種類の全長クローンに対して、それらのアミノ酸配列を誘導し、抗原性でありかつ他のクローンと対比してユニークであるペプチド領域を選択することにより、ペプチド特異的抗体を生成した。キャリヤータンパク質に結合した合成ペプチドに対するウサギ抗体を形成した。これらの抗体を用いて、植物組織についてウェスタンブロット分析または他の免疫学的方法を実施した。
【0057】
前記により同定した核酸配列を、ウイルス誘発による遺伝子サイレンシング法により検査することができる(VIGS、Baulcombe, Current Opinions in Plant Biology, 1999, 2:109-113)。
【0058】
数種類の全長クローンについて、それらのアミノ酸配列を誘導し、潜在的に抗原性でありかつ他のクローンと対比してユニークであるペプチド領域を選択することにより、ペプチド特異的抗体を生成した。キャリヤータンパク質に結合した合成ペプチドに対するウサギ抗体を形成した。これらの抗体を用いて、ウェスタンブロット分析を実施した。
【0059】
本発明の他の態様において、干渉RNA法(RNAi)を用いて、本発明のタバコ属植物におけるシトクロムp450酵素活性をさらに解明した。この方法について記載した下記の参考文献を本明細書に参照により援用する:
【0060】
【化10】

【0061】
RNAi法、アンチセンス法、または記載された他の多様な方法を用いて、植物を形質転換することができる。
外来遺伝子材料を植物細胞に導入し、導入した遺伝子を安定に保持して発現する植物を得るための方法が幾つかある。そのような方法には、微粒子に被覆した遺伝子材料を細胞内へ直接に加速挿入するものが含まれる(USP 4,945,050(Cornell)および5,141,131(DowElanco))。アグロバクテリウム法により植物を形質転換することができる;参照:USP 5,177,010(University of Tredo)、5,104,310(Texas A&M)、欧州特許出願0131624B1、欧州特許出願120516、159418B1、欧州特許出願120516、159418B1および176,112(Schilperoot)、USP 5,149,645、5,469,976、5,464,763および4,940,838および4,693,976(Schilperoot)、欧州特許出願116718、290799、320500(すべてMaxPlanck)、欧州特許出願604662および627752(Japan Nicotiana)、欧州特許出願0267159および0292435ならびにUSP 5,231,019(すべてCiba Geigy)、USP 5,463,174および4,762,785(両方ともCalgene)、ならびにUSP 5,004,863および5,159,135(両方ともAgracetus)。他の形質転換法には、ホイスカー(whisker)法が含まれる;参照:USP 5,302,523および5,464,765(両方ともZeneca)。エレクトロポレーション法も植物の形質転換に用いられている;参照:WO87/06614(Boyce Thompson Institute)、5,472,869および5,384,253(両方ともDekalb)、WO 9209696およびWO 9321335(両方ともPGS)。これらすべての形質転換特許および刊行物を本明細書に参照により援用する。多数の植物形質転換方法のほか、外来遺伝子と接触させる組織のタイプも多様であってよい。そのような組織には胚芽形成組織、カルス組織IおよびII型、幼茎(hypocotyl)、分裂組織(meristem)などが含まれるが、これらに限定されない。ほとんどすべての植物組織は、脱分化の間に、当業者に自明の適切な方法で形質転換することができる。
【0062】
植物に導入する外来遺伝子材料は、選択マーカーを含んでもよい。特定のマーカーの好みは当業者の裁量によるが、選択マーカーとして機能できる本明細書に挙げていない他のいずれかの遺伝子のほか、下記のいずれかの選択マーカー使用できる。そのような選択マーカーには下記のものが含まれるが、これらに限定されない:抗生物質カナマイシン、ネオマイシンおよびG418に対する耐性をコードするトランスポゾンTn5(Aph II)のアミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ遺伝子;ならびに下記に対する耐性または耐容性をコードする遺伝子:グリホセート(glyphosate);ハイグロマイシン;メトトレキセート;ホスフィノスライシン(phophinothricin)(bar);イミダゾリノン類;スルホニル尿素類、およびトリアゾロピリミジン系除草剤、たとえばクロロスルフロン(chlorosulfuron);ブロモキシニル(bromoxynil)、ダラポン(dalapon)など。
【0063】
選択マーカーのほか、レポーター遺伝子を用いることが望ましいであろう。場合により、選択マーカーなしにレポーター遺伝子を使用してもよい。レポーター遺伝子は、レシピエント生物または組織中に一般に存在または発現しない遺伝子である。レポーター遺伝子は一般に、ある表現型変化または酵素特性をもたらすタンパク質をコードする。そのような遺伝子の例はK.Weisung et al. Ann.Rev.Genetics, 22,421 (1988)に示されており、これを本明細書に援用する。好ましいレポーター遺伝子には、グルクロニダーゼ(GUS)遺伝子およびGFP遺伝子が含まれるが、これらに限定されない。
【0064】
植物組織に導入すると、構造遺伝子の発現を当技術分野で公知のいずれかの手段でアッセイしてもよく、そして発現を、転写されたmRNA、合成されたタンパク質、または起きる遺伝子サイレンシングの量として測定してもよい(参照:USP 5,583,021、これを本明細書に参照により援用する)。植物組織をインビトロ培養し、そしていくらかの場合、全植物体に再生するための方法は、公知である(欧州特許出願88810309.0)。導入した発現複合体を商業的に有用な栽培品種に伝達する方法は当業者に既知である。
【0065】
目的レベルのp450酵素を発現する植物細胞が得られると、当技術分野で周知の方法および技術により、これから植物組織および全植物体を再生することができる。次いで一般的な植物栽培技術により再生植物を増殖させ、そして導入した遺伝子を他の株および栽培品種に一般的な植物育種技術により伝達することができる。
【0066】
以下の実施例は本発明の実施方法を説明するためのものであり、特許請求の範囲に定めた本発明の範囲を限定するものではなく、説明するものと解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】図1は、核酸SEQ.ID.No. 1およびアミノ酸SEQ.ID.No. 2を示す。
【図2】図2は、核酸SEQ.ID.No. 3およびアミノ酸SEQ.ID.No. 4を示す。
【図3】図3は、核酸SEQ.ID.No. 5およびアミノ酸SEQ.ID.No. 6を示す。
【図4】図4は、核酸SEQ.ID.No. 7およびアミノ酸SEQ.ID.No. 8を示す。
【図5】図5は、核酸SEQ.ID.No. 9およびアミノ酸SEQ.ID.No. 10を示す。
【図6】図6は、核酸SEQ.ID.No. 11およびアミノ酸SEQ.ID.No. 12を示す。
【図7】図7は、核酸SEQ.ID.No. 13およびアミノ酸SEQ.ID.No. 14を示す。
【図8】図8は、核酸SEQ.ID.No. 15およびアミノ酸SEQ.ID.No. 16を示す。
【図9】図9は、核酸SEQ.ID.No. 17およびアミノ酸SEQ.ID.No. 18を示す。
【図10】図10は、核酸SEQ.ID.No. 19およびアミノ酸SEQ.ID.No. 20を示す。
【図11】図11は、核酸SEQ.ID.No. 21およびアミノ酸SEQ.ID.No. 22を示す。
【図12】図12は、核酸SEQ.ID.No. 23およびアミノ酸SEQ.ID.No. 24を示す。
【図13】図13は、核酸SEQ.ID.No. 25およびアミノ酸SEQ.ID.No. 26を示す。
【図14】図14は、核酸SEQ.ID.No. 27およびアミノ酸SEQ.ID.No. 28を示す。
【図15】図15は、核酸SEQ.ID.No. 29およびアミノ酸SEQ.ID.No. 30を示す。
【図16】図16は、核酸SEQ.ID.No. 31およびアミノ酸SEQ.ID.No. 32を示す。
【図17】図17は、核酸SEQ.ID.No. 33およびアミノ酸SEQ.ID.No. 34を示す。
【図18】図18は、核酸SEQ.ID.No. 35およびアミノ酸SEQ.ID.No. 36を示す。
【図19】図19は、核酸SEQ.ID.No. 37およびアミノ酸SEQ.ID.No. 38を示す。
【図20】図20は、核酸SEQ.ID.No. 39およびアミノ酸SEQ.ID.No. 40を示す。
【図21】図21は、核酸SEQ.ID.No. 41およびアミノ酸SEQ.ID.No. 42を示す。
【図22】図22は、核酸SEQ.ID.No. 43およびアミノ酸SEQ.ID.No. 44を示す。
【図23】図23は、核酸SEQ.ID.No. 45およびアミノ酸SEQ.ID.No. 46を示す。
【図24】図24は、核酸SEQ.ID.No. 47およびアミノ酸SEQ.ID.No. 48を示す。
【図25】図25は、核酸SEQ.ID.No. 49およびアミノ酸SEQ.ID.No. 50を示す。
【図26】図26は、核酸SEQ.ID.No. 51およびアミノ酸SEQ.ID.No. 52を示す。
【図27】図27は、核酸SEQ.ID.No. 53およびアミノ酸SEQ.ID.No. 54を示す。
【図28】図28は、核酸SEQ.ID.No. 55およびアミノ酸SEQ.ID.No. 56を示す。
【図29】図29は、核酸SEQ.ID.No. 57およびアミノ酸SEQ.ID.No. 58を示す。
【図30】図30は、核酸SEQ.ID.No. 59およびアミノ酸SEQ.ID.No. 60を示す。
【図31】図31は、核酸SEQ.ID.No. 61およびアミノ酸SEQ.ID.No. 62を示す。
【図32】図32は、核酸SEQ.ID.No. 63およびアミノ酸SEQ.ID.No. 64を示す。
【図33】図33は、核酸SEQ.ID.No. 65およびアミノ酸SEQ.ID.No. 66を示す。
【図34】図34は、核酸SEQ.ID.No. 67およびアミノ酸SEQ.ID.No. 68を示す。
【図35】図35は、核酸SEQ.ID.No. 69およびアミノ酸SEQ.ID.No. 70を示す。
【図36】図36は、核酸SEQ.ID.No. 71およびアミノ酸SEQ.ID.No. 72を示す。
【図37】図37は、核酸SEQ.ID.No. 73およびアミノ酸SEQ.ID.No. 74を示す。
【図38】図38は、核酸SEQ.ID.No. 75およびアミノ酸SEQ.ID.No. 76を示す。
【図39】図39は、核酸SEQ.ID.No. 77およびアミノ酸SEQ.ID.No. 78を示す。
【図40】図40は、核酸SEQ.ID.No. 79およびアミノ酸SEQ.ID.No. 80を示す。
【図41】図41は、核酸SEQ.ID.No. 81およびアミノ酸SEQ.ID.No. 82を示す。
【図42】図42は、核酸SEQ.ID.No. 83およびアミノ酸SEQ.ID.No. 84を示す。
【図43】図43は、核酸SEQ.ID.No. 85およびアミノ酸SEQ.ID.No. 86を示す。
【図44】図44は、核酸SEQ.ID.No. 87およびアミノ酸SEQ.ID.No. 88を示す。
【図45】図45は、核酸SEQ.ID.No. 89およびアミノ酸SEQ.ID.No. 90を示す。
【図46】図46は、核酸SEQ.ID.No. 91およびアミノ酸SEQ.ID.No. 92を示す。
【図47】図47は、核酸SEQ.ID.No. 93およびアミノ酸SEQ.ID.No. 94を示す。
【図48】図48は、核酸SEQ.ID.No. 95およびアミノ酸SEQ.ID.No. 96を示す。
【図49】図49は、核酸SEQ.ID.No. 97およびアミノ酸SEQ.ID.No. 98を示す。
【図50】図50は、核酸SEQ.ID.No. 99およびアミノ酸SEQ.ID.No. 100を示す。
【図51】図51は、核酸SEQ.ID.No. 101およびアミノ酸SEQ.ID.No. 102を示す。
【図52】図52は、核酸SEQ.ID.No. 103およびアミノ酸SEQ.ID.No. 104を示す。
【図53】図53は、核酸SEQ.ID.No. 105およびアミノ酸SEQ.ID.No. 106を示す。
【図54】図54は、核酸SEQ.ID.No. 107およびアミノ酸SEQ.ID.No. 108を示す。
【図55】図55は、核酸SEQ.ID.No. 109およびアミノ酸SEQ.ID.No. 110を示す。
【図56】図56は、核酸SEQ.ID.No. 111およびアミノ酸SEQ.ID.No. 112を示す。
【図57】図57は、核酸SEQ.ID.No. 113およびアミノ酸SEQ.ID.No. 114を示す。
【図58】図58は、核酸SEQ.ID.No. 115およびアミノ酸SEQ.ID.No. 116を示す。
【図59】図59は、核酸SEQ.ID.No. 117およびアミノ酸SEQ.ID.No. 118を示す。
【図60】図60は、核酸SEQ.ID.No. 119およびアミノ酸SEQ.ID.No. 120を示す。
【図61】図61は、核酸SEQ.ID.No. 121およびアミノ酸SEQ.ID.No. 122を示す。
【図62】図62は、核酸SEQ.ID.No. 123およびアミノ酸SEQ.ID.No. 124を示す。
【図63】図63は、核酸SEQ.ID.No. 125およびアミノ酸SEQ.ID.No. 126を示す。
【図64】図64は、核酸SEQ.ID.No. 127およびアミノ酸SEQ.ID.No. 128を示す。
【図65】図65は、核酸SEQ.ID.No. 129およびアミノ酸SEQ.ID.No. 130を示す。
【図66】図66は、核酸SEQ.ID.No. 131およびアミノ酸SEQ.ID.No. 132を示す。
【図67】図67は、核酸SEQ.ID.No. 133およびアミノ酸SEQ.ID.No. 134を示す。
【図68】図68は、核酸SEQ.ID.No. 135およびアミノ酸SEQ.ID.No. 136を示す。
【図69】図69は、核酸SEQ.ID.No. 137およびアミノ酸SEQ.ID.No. 138を示す。
【図70】図70は、核酸SEQ.ID.No. 139およびアミノ酸SEQ.ID.No. 140を示す。
【図71】図71は、核酸SEQ.ID.No. 141およびアミノ酸SEQ.ID.No. 142を示す。
【図72】図72は、核酸SEQ.ID.No. 143およびアミノ酸SEQ.ID.No. 144を示す。
【図73】図73は、核酸SEQ.ID.No. 145およびアミノ酸SEQ.ID.No. 146を示す。
【図74】図74は、核酸SEQ.ID.No. 147およびアミノ酸SEQ.ID.No. 148を示す。
【図75】図75は、核酸SEQ.ID.No. 149およびアミノ酸SEQ.ID.No. 150を示す。
【図76】図76は、核酸SEQ.ID.No. 151およびアミノ酸SEQ.ID.No. 152を示す。
【図77】図77は、核酸SEQ.ID.No. 153およびアミノ酸SEQ.ID.No. 154を示す。
【図78】図78は、核酸SEQ.ID.No. 155およびアミノ酸SEQ.ID.No. 156を示す。
【図79】図79は、核酸SEQ.ID.No. 157およびアミノ酸SEQ.ID.No. 158を示す。
【図80】図80は、核酸SEQ.ID.No. 159およびアミノ酸SEQ.ID.No. 160を示す。
【図81】図81は、核酸SEQ.ID.No. 161およびアミノ酸SEQ.ID.No. 162を示す。
【図82】図82は、核酸SEQ.ID.No. 163およびアミノ酸SEQ.ID.No. 164を示す。
【図83】図83は、核酸SEQ.ID.No. 165およびアミノ酸SEQ.ID.No. 166を示す。
【図84】図84は、核酸SEQ.ID.No. 167およびアミノ酸SEQ.ID.No. 168を示す。
【図85】図85は、核酸SEQ.ID.No. 169およびアミノ酸SEQ.ID.No. 170を示す。
【図86】図86は、核酸SEQ.ID.No. 171およびアミノ酸SEQ.ID.No. 172を示す。
【図87】図87は、核酸SEQ.ID.No. 173およびアミノ酸SEQ.ID.No. 174を示す。
【図88】図88は、核酸SEQ.ID.No. 175およびアミノ酸SEQ.ID.No. 176を示す。
【図89】図89は、核酸SEQ.ID.No. 177およびアミノ酸SEQ.ID.No. 178を示す。
【図90】図90は、核酸SEQ.ID.No. 179およびアミノ酸SEQ.ID.No. 180を示す。
【図91】図91は、核酸SEQ.ID.No. 181およびアミノ酸SEQ.ID.No. 182を示す。
【図92】図92は、核酸SEQ.ID.No. 183およびアミノ酸SEQ.ID.No. 184を示す。
【図93】図93は、核酸SEQ.ID.No. 185およびアミノ酸SEQ.ID.No. 186を示す。
【図94】図94は、核酸SEQ.ID.No. 187およびアミノ酸SEQ.ID.No. 188を示す。
【図95】図95は、核酸SEQ.ID.No. 189およびアミノ酸SEQ.ID.No. 190を示す。
【図96】図96は、核酸SEQ.ID.No. 191およびアミノ酸SEQ.ID.No. 192を示す。
【図97】図97は、核酸SEQ.ID.No. 193およびアミノ酸SEQ.ID.No. 194を示す。
【図98】図98は、核酸SEQ.ID.No. 195およびアミノ酸SEQ.ID.No. 196を示す。
【図99】図99は、核酸SEQ.ID.No. 197およびアミノ酸SEQ.ID.No. 198を示す。
【図100】図100は、核酸SEQ.ID.No. 199およびアミノ酸SEQ.ID.No. 200を示す。
【図101】図101は、核酸SEQ.ID.No. 201およびアミノ酸SEQ.ID.No. 202を示す。
【図102】図102は、核酸SEQ.ID.No. 203およびアミノ酸SEQ.ID.No. 204を示す。
【図103】図103は、核酸SEQ.ID.No. 205およびアミノ酸SEQ.ID.No. 206を示す。
【図104】図104は、核酸SEQ.ID.No. 207およびアミノ酸SEQ.ID.No. 208を示す。
【図105】図105は、核酸SEQ.ID.No. 209およびアミノ酸SEQ.ID.No. 209を示す。
【図106】図106は、核酸SEQ.ID.No. 211およびアミノ酸SEQ.ID.No. 212を示す。
【図107】図107は、核酸SEQ.ID.No. 213およびアミノ酸SEQ.ID.No. 214を示す。
【図108】図108は、核酸SEQ.ID.No. 215およびアミノ酸SEQ.ID.No. 216を示す。
【図109】図109は、核酸SEQ.ID.No. 217およびアミノ酸SEQ.ID.No. 218を示す。
【図110】図110は、核酸SEQ.ID.No. 219およびアミノ酸SEQ.ID.No. 220を示す。
【図111】図111は、核酸SEQ.ID.No. 221およびアミノ酸SEQ.ID.No. 222を示す。
【図112】図112は、核酸SEQ.ID.No. 223およびアミノ酸SEQ.ID.No. 224を示す。
【図113】図113は、核酸SEQ.ID.No. 225およびアミノ酸SEQ.ID.No. 226を示す。
【図114】図114は、核酸SEQ.ID.No. 227およびアミノ酸SEQ.ID.No. 228を示す。
【図115】図115は、核酸SEQ.ID.No. 229およびアミノ酸SEQ.ID.No. 230を示す。
【図116】図116は、核酸SEQ.ID.No. 231およびアミノ酸SEQ.ID.No. 232を示す。
【図117】図117は、核酸SEQ.ID.No. 233およびアミノ酸SEQ.ID.No. 234を示す。
【図118】図118は、核酸SEQ.ID.No. 235およびアミノ酸SEQ.ID.No. 236を示す。
【図119】図119は、核酸SEQ.ID.No. 237およびアミノ酸SEQ.ID.No. 238を示す。
【図120】図120は、核酸SEQ.ID.No. 239およびアミノ酸SEQ.ID.No. 240を示す。
【図121】図121は、核酸SEQ.ID.No. 241およびアミノ酸SEQ.ID.No. 242を示す。
【図122】図122は、核酸SEQ.ID.No. 243およびアミノ酸SEQ.ID.No. 244を示す。
【図123】図123は、核酸SEQ.ID.No. 245およびアミノ酸SEQ.ID.No. 246を示す。
【図124】図124は、核酸SEQ.ID.No. 247およびアミノ酸SEQ.ID.No. 248を示す。
【図125】図125は、核酸SEQ.ID.No. 249およびアミノ酸SEQ.ID.No. 250を示す。
【図126】図126は、核酸SEQ.ID.No. 251およびアミノ酸SEQ.ID.No. 252を示す。
【図127】図127は、核酸SEQ.ID.No. 253およびアミノ酸SEQ.ID.No. 254を示す。
【図128】図128は、核酸SEQ.ID.No. 255およびアミノ酸SEQ.ID.No. 256を示す。
【図129】図129は、核酸SEQ.ID.No. 257およびアミノ酸SEQ.ID.No. 258を示す。
【図130】図130は、核酸SEQ.ID.No. 259およびアミノ酸SEQ.ID.No. 260を示す。
【図131】図131は、核酸SEQ.ID.No. 261およびアミノ酸SEQ.ID.No. 262を示す。
【図132】図132は、核酸SEQ.ID.No. 263およびアミノ酸SEQ.ID.No. 264を示す。
【図133】図133は、核酸SEQ.ID.No. 265およびアミノ酸SEQ.ID.No. 266を示す。
【図134】図134は、核酸SEQ.ID.No. 267およびアミノ酸SEQ.ID.No. 268を示す。
【図135】図135は、核酸SEQ.ID.No. 269およびアミノ酸SEQ.ID.No. 270を示す。
【図136】図136は、核酸SEQ.ID.No. 271およびアミノ酸SEQ.ID.No. 272を示す。
【図137】図137は、核酸SEQ.ID.No. 273およびアミノ酸SEQ.ID.No. 274を示す。
【図138】図138は、核酸SEQ.ID.No. 275およびアミノ酸SEQ.ID.No. 276を示す。
【図139】図139は、核酸SEQ.ID.No. 277およびアミノ酸SEQ.ID.No. 278を示す。
【図140】図140は、核酸SEQ.ID.No. 279およびアミノ酸SEQ.ID.No. 280を示す。
【図141】図141は、核酸SEQ.ID.No. 281およびアミノ酸SEQ.ID.No. 282を示す。
【図142】図142は、核酸SEQ.ID.No. 283およびアミノ酸SEQ.ID.No. 284を示す。
【図143】図143は、核酸SEQ.ID.No. 285およびアミノ酸SEQ.ID.No. 286を示す。
【図144】図144は、核酸SEQ.ID.No. 287およびアミノ酸SEQ.ID.No. 288を示す。
【図145】図145は、核酸SEQ.ID.No. 289およびアミノ酸SEQ.ID.No. 290を示す。
【図146】図146は、核酸SEQ.ID.No. 291およびアミノ酸SEQ.ID.No. 292を示す。
【図147】図147は、核酸SEQ.ID.No. 293およびアミノ酸SEQ.ID.No. 294を示す。
【図148】図148は、核酸SEQ.ID.No. 295およびアミノ酸SEQ.ID.No. 296を示す。
【図149】図149は、核酸SEQ.ID.No. 297およびアミノ酸SEQ.ID.No. 298を示す。
【図150−1】図150−1は、グループメンバーのアミノ酸同一性を示す。
【図150−2】図150−2は、グループメンバーのアミノ酸同一性を示す。
【図150−3】図150−3は、グループメンバーのアミノ酸同一性を示す。
【図150−4】図150−4は、グループメンバーのアミノ酸同一性を示す。
【図151−1】図151−1は、配列グループ間の比較を示す。
【図151−2】図151−2は、配列グループ間の比較を示す。
【図151−3】図151−3は、配列グループ間の比較を示す。
【図151−4】図151−4は、配列グループ間の比較を示す。
【図151−5】図151−5は、配列グループ間の比較を示す。
【図151−6】図151−6は、配列グループ間の比較を示す。
【図151−7】図151−7は、配列グループ間の比較を示す。
【図151−8】図151−8は、配列グループ間の比較を示す。
【図151−9】図151−9は、配列グループ間の比較を示す。
【図151−10】図151−10は、配列グループ間の比較を示す。
【図151−11】図151−11は、配列グループ間の比較を示す。
【図152−1】図152−1は、全長クローンのアラインメントを表わす。
【図152−2】図152−2は、全長クローンのアラインメントを表わす。
【図152−3】図152−3は、全長クローンのアラインメントを表わす。
【図152−4】図152−4は、全長クローンのアラインメントを表わす。
【図152−5】図152−5は、全長クローンのアラインメントを表わす。
【図153】図153は、PCRによるシトクロムp450 cDNAフラグメントのクローニングに用いた手順を示す。
【実施例】
【0068】
実施例
実施例1:植物組織の発生およびエチレン処理
植物の生育
植物をポットに播種し、温室内で4週間生育させた。4週令の幼植物を個別のポットに移植し、温室内で2カ月間生育させた。生育中は、1日2回、150ppmのNPK肥料を入れた水を植物に施した。広がった緑葉を植物から切り取り、下記のエチレン処理を行った。
【0069】
細胞系78379
Univesity of Kentuckyが公開したバーレー種タバコ系であるタバコ78379系を植物材料源として用いた。タバコ栽培技術分野の標準法に従って100本の植物を栽培し、移植し、識別番号(1〜100)のタグを付けた。施肥および野外管理を推奨に従って実施した。
【0070】
100本の植物のうち3/4が、20〜100%のニコチンをノルニコチンに変換した。100本の植物のうち1/4は、5%未満のニコチンをノルニコチンに変換した。植物番号87は最小変換率(2%)、植物番号21は100%の変換率を示した。変換率3%未満の植物を非コンバーターと分類した。植物番号87および植物番号21の自家受粉種子、ならびに交配(21×87、および87×21)種子を作り、遺伝子および表現型の相異を調べた。自家受粉した21からの植物はコンバーターであり、87からの自家受粉体の99%は非コンバーターであった。87からの植物の他の1%は低い変換率(5〜15%)を示した。相互交配体からの植物はすべてコンバーターであった。
【0071】
細胞系4407
バーレー系であるタバコ4407系を植物材料源として用いた。均一な代表的植物(100本)を選び、タグを付けた。100本の植物のうち97本が非コンバーターであり、3本はコンバーターであった。植物番号56は最小量の変換(1.2%)、植物番号58は最高レベル変換率(96%)を示した。これら2本の植物で自家受粉種子と交配種子を作った。
【0072】
自家受粉した58からの植物は、3:1のコンバーター対非コンバーター比で分離した。植物58-33および58-25を、それぞれホモ接合コンバーターおよび非コンバーター植物系と同定した。58-33の次世代子孫の分析により、その安定な変換を確認した。
【0073】
細胞系PBLB01
PBLB01は、ProfiGen Inc.が開発したバーレー系であり、これを植物材料源として用いた。コンバーター植物をPBLB01の原種から選択した。
【0074】
エチレン処理法
温室内で2〜3カ月間生育させた植物から緑葉を切り取り、0.3%エチレン溶液(製品名Ethephon(Rhone-Poulenc))を噴霧した。噴霧した葉をそれぞれ加湿器付き熟成ラックに吊るし、プラスチックでカバーした。処理期間中、試料葉に定期的にエチレン溶液を噴霧した。エチレン処理の約24〜48時間後、RNA抽出用の葉を採集した。他のサブサンプルを、葉の代謝産物濃度およびより具体的な目的成分、たとえば多様なアルカロイドを測定するための代謝成分分析用に採取した。
【0075】
一例として、アルカロイド分析を下記に従って実施した。試料(0.1g)を、0.5mlの2N NaOHおよび5mlの抽出溶液(内標準としてのキノリン、およびメチルt-ブチルエーテルを含有)と共に150rpmで振とうした。FID検出器を備えたHP 6890 GCにより試料を分析した。検出器およびインジェクターに250℃の温度を用いた。5%フェノールおよび95%メチルシリコーンで架橋した融解シリカを含有するHPカラム(30m-0.32nm-1・m)を、110〜185℃、10℃/分の温度勾配で用いた。100℃、流速1.7 cm3 min-1、スプリット比40:1で、キャリヤーガスとしてヘリウムを用い、2・lの注入体積でカラムを操作した。
【0076】
実施例2:RNAの単離
RNA抽出のために、2カ月齢の温室生育植物からの中間葉を、前記に従ってエチレンで処理した。0時間目および24〜48時間目の試料をRNA抽出に用いた。場合により、花頭除去後10日目の植物から老化過程下の葉試料を採取した。これらの試料も抽出に用いた。RneasyPlant Mini Kit(登録商標)(Quiagen Inc.、カリフォルニア州バレンシア)により、製造業者のプロトコルに従って全RNAを単離した。
【0077】
組織試料をDEPC処理した乳鉢と乳棒により液体窒素下で粉砕して微粉末にした。約100 mgの粉砕組織を無菌の1.5mlエッペンドルフ試験管に移した。すべての試料を採集するまで、この試料試験管を液体窒素下に置いた。次いで、キットで提供された緩衝液RLT(メルカプトエタノールを添加)450μlを個々の試験管に添加した。試料を56℃で3分間、激しく渦撹拌およびインキュベートした。次いで2mlの採集管内に置いたQIAshredder(商標)スピンカラムに溶解液を入れ、最大速度で2分間、遠心分離した。フロースルーを採集し、この清澄な溶解液に0.5体積のエタノールを添加した。試料を十分に混合し、2mlの採集管内に置いたRneasy(登録商標)ミニスピンカラムに移した。試料を10,000 rpmで1分間、遠心分離した。次いで700μlの緩衝液RW1をピペットでRneasy(登録商標)カラムに装入し、10,000 rpmで1分間、遠心分離した。緩衝液RPEをピペットで新たな採集管内のRneasy(登録商標)カラムに装入し、10,000 rpmで1分間、遠心分離した。緩衝液RPEを再びRneasy(登録商標)スピンカラムに添加し、最大速度で2分間、遠心分離して、膜を乾燥させた。エタノールのキャリーオーバーを排除するために、膜を別の採集管に入れ、最大速度でさらに1分間、遠心分離した。Rneasy(登録商標)カラムを新たな1.5mlの採集管内に移し、Rnaseを含有しない水40μlをピペットで直接Rneasy(登録商標)膜に乗せた。この最終溶出管を10,000 rpmで1分間、遠心分離した。変性ホルムアルデヒドゲルおよび分光光度計により、全RNAの品質および量を分析した。
【0078】
Oligotex(商標)ポリA+RNA精製キット(Quiagen Inc.)を用いて、製造業者のプロトコルに従ってポリ(A)RNAを単離した。約200μgの全RNAを最大体積250μlで用いた。体積250μlの緩衝液OBBおよび15μlのOligotex(商標)懸濁液を、250μlの全RNAに添加した。内容物をピペッティングによって十分に混合し、加熱ブロック上、70℃で3分間インキュベートした。次いで試料を約20分間、室温に置いた。Oligotex:mRNA複合体を最大速度で2分間の遠心分離によりペレット化した。50μl以外のすべての上清をミクロ遠心管から除去した。試料をさらにOBB緩衝液で処理した。Oligotex:mRNAペレットを400μlの緩衝液OW2に渦撹拌により再懸濁した。この混合物を、新たな試験管に入れた小スピンカラムに移し、最大速度で1分間、遠心分離した。スピンカラムを新たな試験管に移し、さらに400μlの緩衝液OW2をカラムに添加した。次いで試験管を最大速度で1分間、遠心分離した。スピンカラムを1.5mlの最終ミクロ遠心管に移した。試料を60ulの熱(70℃)緩衝液OEBで溶離した。ポリA生成物を変性ホルムアルデヒドゲルおよび分光光度計により分析した。
【0079】
実施例3:逆転写PCR
SuperScript逆転写酵素を用い、製造業者(Invitrogen、カリフォルニア州カールスバッド)のプロトコルに従って第1鎖cDNAを調製した。ポリA+富化RNA/オリゴdTプライマーミックスは、5μg未満の全RNA、1μlの10mM dNTPミックス、1μlのオリゴd(T)12-18(0.5μg/μl)、および10μlに至るまでのDEPC処理水からなっていた。各試料を65℃で5分間インキュベートし、次いで少なくとも1分間、氷上に置いた。下記の各成分を順に添加することにより反応混合物を調製した:2μlの10×RT緩衝液、4μlの25mM MgCl2、2μlの0.1M DTT、および1μlのRNase OUT Recombinant RNase阻害剤。9μlの反応混合物をピペットで各RNA/プライマー混合物に添加し、穏やかに混合した。これを42℃で2分間インキュベートし、1μlのSuperScript II(商標)RTを各試験管に添加した。試験管を42℃で50分間インキュベートした。70℃で15分間、反応を停止し、氷冷した。試料を遠心分離により採集し、1μlのRNase Hを各試験管に添加し、37℃で20分間インキュベートした。200pmolのフォワードプライマー(図75のディジェネレートプライマー、SEQ.ID.No. 149−156)および100pmolのリバースプライマー(18ntオリゴd(T)の後に1個のランダム塩基をもつものの混合物)を用いて、2回目のPCRを実施した。
【0080】
反応条件は94℃で2分間の後、40サイクルのPCRを実施した:94℃で1分間、45〜60℃で2分間、72℃で3分間、さらに72℃で10分間の伸長。
増幅試料10μlを、1%アガロースゲルを用いる電気泳動により分析した。適正サイズのフラグメントをアガロースゲルから精製した。
【0081】
実施例4:PCRフラグメント集団の作製
実施例3からのPCRフラグメントを、製造業者の指示に従ってpGEM-T(登録商標)Easy Vector(Promega、ウィスコンシン州マディソン)にライゲートした。ライゲート生成物をJM109コンピテント細胞に形質転換し、ブルー/ホワイトセレクション用のLB培地プレートに接種した。コロニーを選択し、1.2mlのLB培地を含む96ウェルプレート内で、37℃において一夜増殖させた。選択したすべてのコロニーについて凍結原液を調製した。プレートからのプラスミドDNAを、BeckmanのBiomeck 2000 miniprep roboticsにより、WizardSV Miniprep(登録商標)キット(Promega)を用いて精製した。プラスミドDNAを100μlの水で溶離し、96ウェルプレートに保存した。プラスミドをEcoR1で消化し、1%アガロースゲルを用いて分析し、DNA量および挿入配列のサイズを確認した。400〜600bpの挿入配列を含有するプラスミドを、CEQ 2000シークエンサー(Beckman、カリフォルニア州フラートン)により配列決定した。これらの配列を、BLAST検索によりGenBankデータベースとアラインさせた。p450関連フラグメントを同定し、さらに分析した。あるいは、p450フラグメントをサブストラクションライブラリーから単離した。これらのフラグメントも前記と同様に分析した。
【0082】
実施例5:cDNAライブラリーの構築
エチレン処理した葉から下記に従って全RNAを調製することにより、cDNAライブラリーを構築した。まず、エチレン処理したタバコ58-33系の葉から、改変した酸性フェノールおよびクロロホルム抽出プロトコルにより全RNAを抽出した。プロトコルを改変して、1gの粉砕組織を用い、次いで5mlのフェノール(pH5.5)および5mlのクロロホルムを添加した抽出用緩衝液(100mM トリス-HCl、pH8.5;200mM NaCl;10mM EDTA;0.5% SDS)5ml中で渦撹拌した。抽出試料を遠心分離し、上清を蓄えた。上清が透明に見えるまで、この抽出工程をさらに2〜3回繰り返した。約5mlのクロロホルムを添加して、痕跡量のフェノールを除去した。3倍体積のETOHおよび1/10体積の3M NaOAc(pH5.2)を添加して-20℃に1時間保存することにより、合わせた上清画分からRNAを沈殿させた。Corexガラス容器に移した後、RNA画分を9,000 RPM、4℃で45分間、遠心分離した。ペレットを70%エタノールで洗浄し、9,000 RPM、4℃で5分間、遠心分離した。ペレットの乾燥後、RNaseを含まない水0.5mlにペレット状RNAを溶解した。RNaseを含まない水0.5mlにペレット状RNAを溶解した。全RNAの品質および量を、それぞれ変性ホルムアルデヒドゲルおよび分光光度計により分析した。
【0083】
得られた全RNAから、オリゴ(dT)セルロースプロトコル(Invitrogen)およびMicrocentrifugeスピンカラム(Invitrogen)により、下記のプロトコルに従ってポリA+RNAを単離した。約20gの全RNAを2回精製して、高品質ポリA+RNAを得た。変性ホルムアルデヒドゲル、続いて既知の全長遺伝子のRT-PCRを実施することにより、ポリA+RNA生成物を分析し、高品質のmRNAであることを確認した。
【0084】
次いでポリA+RNAを鋳型として用い、cDNA合成キットであるZAP-cDNA(登録商標)合成キット、およびZAP-cDNA(登録商標)Gigapack(登録商標)III金クローニングキット(Stratagene、カリフォルニア州ラ・ホーヤ)を使用して、cDNAライブラリーを作製した。この方法は、詳述するように製造業者のプロトコルに従って行われた。約8μgのポリA+RNAをcDNAライブラリーの構築に用いた。一次ライブラリーの分析により、約2.5×106〜1×107pfuであることが明らかになった。このライブラリーの品質バックグラウンド試験は、IPTGおよびX-galを用いる相補性アッセイにより行われ、組換えプラークはバックグラウンド反応より100倍高く表示された。
【0085】
ランダムPCRによる、より定量的なライブラリー分析は、挿入cDNAの平均サイズが約1.2kbであることを示した。この方法には、下記の2工程PCR法を用いた。第1工程として、p450フラグメントからの予備配列情報に基づいてリバースプライマーを設計した。設計したリバースプライマーおよびT3(フォワード)プライマーを用いて、cDNAライブラリーから対応する遺伝子を増幅した。PCR反応物をアガロース電気泳動し、対応する高分子量バンドを切り取り、精製、クローニングおよび配列決定した。第2工程では、フォワードプライマーとしてのp450の5'UTRまたは開始コード領域から設計した新たなプライマーをリバースプライマー(p450の3'UTRから設計)と共に後続PCRに用いて、全長p450クローンを得た。
【0086】
構築したcDNAライブラリーから、リバースプライマー以外は実施例3の記載に従ってPCR増幅によりp450フラグメントを生成した。プラスミド上、cDNA挿入配列の下流に位置するT7プライマー(図75参照)を、リバースプライマーとして用いた。実施例4の記載に従ってPCRフラグメントを単離、クローニングおよび配列決定した。
【0087】
構築したcDNAライブラリーから、PCR法により全長p450遺伝子を単離した。遺伝子特異的リバースプライマー(p450フラグメントの下流配列から設計)およびフォワードプライマー(ライブラリープラスミド上のT3)を用いて、全長遺伝子をクローニングした。PCRフラグメントを単離、クローニングおよび配列決定した。必要であれば、第2工程PCRを適用した。第2工程では、クローン化p450の5'UTRから設計した新たなフォワードプライマーを、p450クローンの3'UTRから設計したリバースプライマーと共に後続PCRに用いて、全長p450クローンを得た。次いでこれらのクローンを配列決定した。
【0088】
実施例6:クローン化フラグメントの解明−逆サザンブロット分析
前記の各実施例において同定したすべてのp450クローンについて、非放射性大規模逆サザンブロットアッセイを実施し、差異発現を検出した。異なるp450クラスター間で発現レベルが著しく異なることが認められた。高発現のものについては、さらにリアルタイム検出を実施した。
【0089】
下記に従って非放射性大規模逆サザンブロット法を実施した:
1)エチレン処理および非処理コンバーター(58-33)および非コンバーター(58-25)の葉から、実施例2の記載に従ってQuiagen Rnaeasyキットを用いて全RNAを抽出した。
【0090】
2)前記工程で調製したポリA+富化RNA由来の一本鎖cDNAをビオチン−テイル標識することにより、プローブを作製した。この標識一本鎖cDNAは、実施例3の記載に従い、ただし、ビオチニル化オリゴdT(Promega)をプライマーとして用いて、コンバーターおよび非コンバーター全RNAのRT-PCR(Invitrogen)により作製された。これらをプローブとして用いて、クローン化DNAとハイブリダイズさせた。
【0091】
3)プラスミドDNAを制限酵素EcoR1で消化し、アガロースゲルに流した。同時にゲルを乾燥させ、2枚のナイロン膜(Biodyne B、登録商標)にトランスファーした。1枚の膜をコンバータープローブと、他方を非コンバータープローブとハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーションの前に、膜をUV架橋させた(自己架橋設定、254nm、Stratagene、Stratalinker)。
【0092】
あるいは、p-GEMプラスミド、T3およびSP6の両アームに位置する配列をプライマーとして用いて、各プラスミドから挿入配列をPCR増幅した。96ウェルReady-to-runアガロースゲルに流すことにより、PCR生成物を分析した。確認された挿入配列を2枚のナイロン膜にドットした。1枚の膜をコンバータープローブと、他方を非コンバータープローブとハイブリダイズさせた。
【0093】
4)膜をハイブリダイズさせ、製造業者の指示に従って洗浄ストリンジェンシーの改変法により洗浄した(Enzo MaxSence(商標)キット、Enzo Diagnostics Inc.、ニューヨーク州ファーミングデール)。膜を42℃で30分間、ハイブリダイゼーション緩衝液(2×SSC緩衝化ホルムアミド;界面活性剤およびハイブリダイゼーション促進剤を含有)と予備ハイブリダイズさせ、10μlの変性プローブと42℃で一夜ハイブリダイズさせた。次いで膜を1×ハイブリダイゼーション洗浄用緩衝液により洗浄した;室温で10分間を1回、68℃で15分間を4回。膜は検出できる状態となった。
【0094】
5)洗浄した膜を、アルカリホスファターゼ標識、続いてNBT/BCIP比色検出により、製造業者(Enzo Diagnostics Inc.)の検出操作に従って検出した。膜を室温で1×ブロッキング溶液により1時間ブロックし、洗浄し(1×検出試薬により10分間を3回、1×予備現像反応用緩衝液により5分間を2回)、次いでブロットを現像液中で30〜45分間、ドットが現われるまで現像した。すべての試薬を製造業者(Enzo Diagnostics Inc.)から得た。さらに、KPLサザンハイブリダイゼーションおよび検出用キット(商標)を用い、製造業者(KPL、メリーランド州ガイザースバーグ)の指示に従って、大規模逆サザンアッセイも実施した。
【0095】
実施例7:クローンの解明−ノーザンブロット分析
サザンブロット分析の代わりに、若干の膜をノーザンブロットアッセイ法の例に記載したようにハイブリダイゼーションおよび検出した。ノーザンハイブリダイゼーションを用い、下記に従って、タバコ属に差異発現するmRNAを検出した。
【0096】
ランダムプライミング法を用いて、クローン化p450からプローブを作製した(Megaprime(商標)DNA標識システム、Amersham Biosciences)。
下記の成分を混合した:25ngの変性DNA鋳型;4ulの各非標識dTTP、dGTPおよびdCTP;5ulの反応用緩衝液;32P-標識dATPおよび2ulのクレノーI;ならびに反応物を50μlにする量のH2O。混合物を37℃で1〜4時間インキュベートし、次いで2μlの0.5M EDTAで停止した。プローブを使用前に95℃で5分間インキュベートすることにより変性させた。
【0097】
数対のタバコ系の新鮮な葉をエチレン処理したものおよび処理しないものから、RNA試料を調製した。若干例では、ポリA+富化RNAを用いた。約15μgの全RNAまたは1.8μgのmRNA(RNAおよびmRNAの抽出法は実施例5に記載)を、DEPC H2O(5〜10μl)で等体積にし
た。同体積の装填用緩衝液(1×MOPS;18.5%のホルムアルデヒド;50%のホルムアミド;4%のFicol1400;ブロモフェノールブルー)および0.5μlのEtBr(0.5μg/μl)を添加した。次いで、電気泳動によるRNA分離のための調製物中で試料を変性させた。
【0098】
ホルムアルデヒドゲル(1%アガロース、1×MOPS、0.6Mホルムアルデヒド)上で1×MOP緩衝液(0.4Mモルホリノプロパンスルホン酸;0.1M酢酸ナトリウム-3×H2O;10mM EDTA;NaOHでpH7.2に調整)を用いて試料を電気泳動した。10×SSC緩衝液(1.5M NaCl;0.15Mクエン酸ナトリウム)中で24時間の毛管法により、RNAをHybond-N+膜(ナイロン、Amersham Pharmacia Biotech)にトランスファーした。RNA試料を含む膜を、ハイブリダイゼーションの前にUV架橋させた(自己架橋設定、254nm、Stratagene、Stratalinker)。
【0099】
膜を42℃で1〜4時間、5〜10mlの予備ハイブリダイゼーション緩衝液(5×SSC;50%のホルムアミド;5×デンハート液;1%のSDS;100μg/mlの熱変性剪断した非相同DNA)と予備ハイブリダイズさせた。使用済みの予備ハイブリダイゼーション緩衝液を廃棄し、新たな予備ハイブリダイゼーション緩衝液およびプローブを添加した。42℃で一夜、ハイブリダイゼーションを実施した。膜を2×SSCにより室温で15分間洗浄し、続いて2×SSCにより洗浄した。
【0100】
本発明の主な焦点は、エチレン処理の結果誘導される可能性のある、またはタバコの葉の品質および成分に重要な役割をもつ、新規な遺伝子の発見であった。次表に示すように、ノーザンブロット法および逆サザンブロット法は、非誘導植物と対比してエチレン処理により誘導された遺伝子を判定するのに有用であった。興味深いことに、コンバーターおよび非コンバーターにおいて、必ずしもすべてのフラグメントが同様に影響を受けたわけではない。目的とするシトクロムp450フラグメントを部分配列決定して、それらの構造関係を判定した。次いでこの情報を用いて、目的とする全長遺伝子クローンを単離および解明した。
【0101】
【表1】

【0102】
エチレン処理により誘導したコンバーターおよび非コンバーターバーリー系から得たタバコ組織について、全長クローンを用いてノーザン分析を実施した。その目的は、エチレン誘導した非コンバーターバーリー系と対比してエチレン誘導コンバーター系(と対比してエチレン誘導コンバーター系)において発現増大を示す全長クローンを同定することであった。これによって、コンバーター系と非コンバーター系の葉の成分の生化学的相異を比較することにより全長クローンの機能性関係を判定できる。次表に示すように、6クローンが、非コンバーターの処理組織(+により表わされる)より有意に高い発現(++および+++により表わされる)をコンバーターのエチレン処理組織において示した。これらのすべてのクローンが、エチレン処理しないコンバーター系および非コンバーター系において、ほとんどまたは全く発現を示さなかった。
【0103】
【表2】

【0104】
実施例8:クローン化遺伝子によりコードされるp450の免疫検出
3種類のp450クローンに由来する20〜22アミノ酸に対応するペプチド領域を、下記について選択した:1)他のクローンに対する相同性が低いか、または相同性がない、ならびに2)良好な親水性および抗原性をもつ。各p450クローンから選択したペプチド領域のアミノ酸配列を下記に挙げる。合成ペプチドをKHLと結合させ、次いでウサギに注射した。4回目の注射の後、2および4週目に抗血清を採集した(Alpha Diagnostic Intl. Inc.、テキサス州サン・アントニオ)。
【0105】
【化11】

【0106】
タバコ植物組織由来のターゲットタンパク質に対する交差反応性について、抗血清をウェスタンブロット分析により検査した。エチレン処理(0〜40時間)したコンバーター系および非コンバーター系の中間葉から粗製タンパク質抽出物を得た。抽出物のタンパク質濃度を、RC DCタンパク質アッセイキット(BIO-RAD)により、製造業者のプロトコルに従って測定した。
【0107】
Laemmli SDS-PAGEシステムを用い、2μgのタンパク質を各列に装填して、10%〜20%勾配ゲル上でタンパク質を分離した。タンパク質をゲルからPROTRAN(登録商標)ニトロセルローストランスファー膜(Schleicher & Schuell)へ、Trans-Blot(登録商標)Semi-Dryセル(BIO-RAD)によりトランスファーした。ECL Advance(商標)ウェスタンブロッティング検出キット(Amersham Biosciences)により、ターゲットp450タンパク質を検出および視覚化した。合成KLH結合体に対する一次抗体をウサギにおいて形成させた。ペルオキシダーゼと結合したウサギIgGに対する二次抗体をSigmaから購入した。一次抗体および二次抗体を共に1:1000の希釈度で使用した。抗体は、ウェスタンブロット上の単一バンドに対して強い反応性を示し、これは、抗血清は目的とするターゲットペプチドに対して単一特異性であったことを示している。抗血清は、KLHに結合した合成ペプチドとも交差反応性であった。
【0108】
実施例9:単離核酸フラグメントの核酸同一性および構造関連性
100を超えるクローン化p450フラグメントをノーザンブロット分析と組み合わせて配列決定し、それらの構造関連性を判定した。用いた方法には、p450遺伝子のカルボキシル末端付近に位置する2つの共通p450モチーフのいずれかに基づくフォワードプライマーを使用した。これらのフォワードプライマーは、シトクロムp450モチーフFXPERFまたはGRRXCP(A/G)に対応していた(図1に記載)。リバースプライマーには、プラスミド(pGEM(登録商標)プラスミドの両アーム上に位置するSP6もしくはT7)、またはポリAテイルに由来する標準プライマーを用いた。用いたプロトコルを以下に記載する。
【0109】
分光光度計を用い、製造業者(Beckman Coulter)のプロトコルに従って、出発二本鎖DNAの濃度を推定した。鋳型を水で適宜な濃度に希釈し、95℃に2分間加熱することにより変性させ、次いで氷に乗せた。氷上で、0.5〜10μlの変性DNA鋳型、2μlの1.6pmolフォワードプライマー、8μlのDTCS Quick Start Master Mixを用い、水で全体積を20μlにして、配列決定反応物を調製した。サーモサイクリングプログラムは、下記のサイクル30回からなっていた:96℃で20秒間、50℃で20秒間、60℃で4分間、続いて4℃に保持。
【0110】
5μlの停止用緩衝液(等体積の3M NaOAcおよび100mM EDTA、ならびに1μlの20mg/mlグリコーゲン)の添加により配列決定を停止した。試料を60μlの冷95%エタノールで沈殿させ、6000gで6分間、遠心分離した。エタノールを廃棄した。ペレットを200μlの冷70%エタノールで2回洗浄した。ペレットが乾燥した後、40μlのSLS溶液を添加し、ペレットを再懸濁した。鉱油の層を乗せた。次いで試料をさらに分析するためにCEQ 8000自動シークエンサーに装入した。
【0111】
核酸配列を確認するために、p450遺伝子のFXPERFもしくはGRRXCP(A/G)領域に対するフォワードプライマー、またはプラスミドもしくはポリAテイルに対するリバースプライマーを用いて、両方向に核酸配列を再決定した。すべての配列決定を、両方向に少なくとも2回実施した。
【0112】
シトクロムp450フラグメントの核酸配列を、GRRXCP(A/G)モチーフをコードする領域の後の第1核酸に対応するコード領域から終止コドンまで、互いに比較した。この領域を、p450タンパク質間の遺伝的多様性の指標として選択した。他の植物種の場合と同様に、70種類を超える遺伝的に異なる多数のp450遺伝子が観察された。核酸配列を比較すると、これらの遺伝子はそれらの配列同一性に基づいて異なる配列グループに分類できることが認められた。最良のユニークな分類によるp450メンバーは、75%以上の核酸同一性をもつ配列であると判定されるものであることが見いだされた(表Iに示す)。同一性%を下げると、有意に大きなグループになった。好ましい分類は81%以上の核酸同一性をもつ配列、より好ましい分類は91%以上の核酸同一性をもつ配列、最も好ましい分類は99%以上の核酸同一性をもつ配列について認められた。大部分のグループが少なくとも2つのメンバー、しばしば3つ以上のメンバーを含んでいた。他は繰り返して見いだされず、採用した方法は、用いた組織において低発現および高発現する両方のmRNAを単離できたことを示唆する。
【0113】
75%以上の核酸同一性に基づけば、2つのシトクロムp450グループが、そのグループ内のものと遺伝的に異なる従来のタバコシトクロム遺伝子に対して核酸配列同一性を含むことが見いだされた。グループ23は、表Iに用いたパラメーター内で、それぞれCzernicら、およびRalstonらの従来のGenBank配列GI:1171579(CAA64635)およびGI:14423327(AAK62346)に対して、核酸同一性を示した。GI:1171579はグループ23のメンバーに対して96.9〜99.5%の核酸同一性をもち(グループ23のメンバーに対する同一性)、一方GI:14423327はこのグループのメンバーに対して95.4〜96.9%の核酸同一性をもっていた。グループ31のメンバーは、RalstonらによるGenBank報告配列GI:14423319(AAK62342)に対して76.7〜97.8%の同一性をもっていた。表Iの他のp450同一性グループはいずれも、Ralstonら、Czernicら、Wangら、またはLaRosaおよびSmigockiが報告したタバコ属p450遺伝子に対して、表Iで用いたパラメーター同一性を含まなかった。
【0114】
図76に示すように、タバコ属植物からの各グループの他のメンバーを優先的に同定および単離するために、グループに適切な核酸縮重プローブとのコンセンサス配列を誘導できる。
【0115】
【表3】

【0116】
【表4】

【0117】
実施例10:単離した核酸フラグメントの関連アミノ酸配列同一性
実施例8からのシトクロムp450フラグメントについて得た核酸配列のアミノ酸配列を推定した。推定領域は、GXRXCP(A/G)配列モチーフ直後のアミノ酸からカルボキシル末端の末尾または終止コドンまでに対応していた。フラグメントの配列同一性を比較すると、70%以上のアミノ酸同一性をもつ配列についてユニークな分類がみられた。80%以上のアミノ酸同一性をもつ配列について好ましい分類がみられ、90%以上のアミノ酸同一性をもつ配列についてより好ましい分類、99%以上のアミノ酸同一性をもつ配列について最も好ましい分類がみられた。これらのグループおよびグループメンバーの対応するアミノ酸配列を図2に示す。幾つかのユニーク核酸配列は他のフラグメントに対して完全なアミノ酸同一性をもつことが認められ、したがって同一アミノ酸をもつ1メンバーのみを報告した。
【0118】
表IIのグループ19のアミノ酸同一性は、それらの核酸配列に基づけば3つの異なるグループに対応していた。各グループメンバーのアミノ酸配列およびそれらの同一性を図77に示す。アミノ酸の相異は適宜マークしてある。
【0119】
各アミノ酸同一性グループの少なくとも1メンバーを、遺伝子クローニングおよび植物を用いた機能試験のために選択した。さらに、エチレン処理によって異なる影響を受けたグループメンバー、またはノーザンおよびサザン分析により評価した他の生物学的相異をもつメンバーを、遺伝子クローニングおよび機能試験のために選択した。遺伝子クローニング、発現試験および全植物体評価を補助するために、配列同一性および差異配列に基づいてペプチド特異的抗体を作製する。
【0120】
【表5】

【0121】
【表6】

【0122】
実施例11:全長クローンの関連アミノ酸配列同一性
実施例5においてクローニングした全長タバコ属遺伝子の核酸配列からそれらの全アミノ酸配列を推定した。シトクロムp450遺伝子を3つの保存p450ドメインモチーフの存在により同定した;これらはカルボキシル末端のUXXRXXZ、PXRFXFまたはGXRXCに対応し、これらにおいてUはEまたはKであり、Xは任意のアミノ酸であり、ZはP、T、SまたはMである。これらのクローンのうち2つ、D130-AA1およびD101-BA2はほぼ完全であるが、適切な終止コドンを欠如し、ただし両方とも3つすべてのp450シトクロムドメインを含むことも認められた。BLASTプログラムを用い、それらの全長配列を相互および既知のタバコ遺伝子と比較して、すべてのp450遺伝子のアミノ酸同一性を解明した。このプログラムにはNCBI特殊BLASTツールを用いた(2配列をアラインする(b12seq)、htp://www.ncbi.nlm.nih.gov/blast/b12seq/b12.html)。2配列を、核酸配列についてはフィルターなしBLASTN、アミノ酸配列についてはBLASTP下でアラインさせた。それらのアミノ酸同一性%に基づいて、各配列を同一性グループに分類した。この分類は、他のメンバーとの少なくとも85%の同一性をもつメンバーを含んでいた。90%以上のアミノ酸同一性をもつ配列について好ましい分類がみられ、95%以上のアミノ酸同一性をもつ配列についてより好ましい分類、99%以上のアミノ酸同一性をもつ配列について最も好ましい分類がみられた。これらの基準を用いて、25のユニークなグループを同定し、表IIIに示した。
【0123】
アミノ酸同一性について表IIIに用いたパラメーター内で、3グループが既知のタバコ遺伝子に対して85%以上の同一性を含むことが見いだされた。グループ5のメンバーは、Ralstonらによる従来のGenBank配列GI:14423327(またはAAK62346)に対して最高96%のアミノ酸同一性をもっていた。グループ23は、RalstonらによるGI:14423328(またはAAK62347)に対して最高93%のアミノ酸同一性をもっていた。グループ24は、RalstonらによるGI:14423318(またはAAK62343)に対して92%のアミノ酸同一性をもっていた。
【0124】
【表7】

【0125】
【表8】

【0126】
全長遺伝子を、カルボキシル末端の末尾付近のUXXRXXZ p450ドメインとGXRXC p450ドメイン間の高度保存アミノ酸相同性に基づいてさらに分類した。図3に示すように、個々のクローンの保存ドメイン間の配列相同性を調べるために相互にアラインし、個別の同一性グループに入れた。数例において、そのクローンの核酸配列はユニークであるが、その領域に関するアミノ酸配列は同一であった。90%以上のアミノ酸同一性をもつ配列について好ましい分類がみられ、より好ましいグループは95%以上のアミノ酸同一性をもち、最も好ましいグループは99%以上のアミノ酸同一性をもっていた。最終分類は、クローンの全アミノ酸配列についての同一性%に基づくものに類似していた。ただしグループ17(表IIIの)を除く。これは2つの別個のグループに分類された。
【0127】
アミノ酸同一性について表IVに用いたパラメーター内で、3グループが既知のタバコ遺伝子に対して90%以上の同一性を含むことが見いだされた。グループ5のメンバーは、Ralstonらによる従来のGenBank配列GI:14423326(またはAAK62346)に対して最高93.4%のアミノ酸同一性をもっていた。グループ23は、RalstonらによるGI:14423328(またはAAK62347)に対して最高91.8%のアミノ酸同一性をもっていた。グループ24は、RalstonらによるGI:14423318(またはAAK62342)に対して98.8%のアミノ酸同一性をもっていた。
【0128】
表IV:タバコ属p450遺伝子の保存ドメイン間のアミノ酸配列同一性グループ
【0129】
【表9】

【0130】
【表10】

【0131】
実施例12:1以上のタバコシトクロムp450特異的ドメインを欠如するタバコ属シトクロムp450クローン
4クローンが、表IIIに報告した他のタバコシトクロム遺伝子に対して核酸相同性90〜99%に及ぶ高度の核酸相同性をもっていた。これらの4クローンには、D136-AD5、D138-AD12、D243-AB3およびD250-AC11が含まれていた。しかし、ヌクレオチドフレームシフトのため、これらの遺伝子はシトクロムp450の3つのC-末端ドメイン1以上を欠如し、表IIIまたは表IVに示す同一性グループから除外された。
【0132】
1つのクローンD95-AG1のアミノ酸同一性は、表IIIまたは表IVのp450タバコ遺伝子に用いた第3ドメインGXRXCを含まなかった。このクローンの核酸相同性は、他のタバコシトクロム遺伝子に対する相同性が低かった。このクローンは、タバコ属の新規な異なるシトクロムp450遺伝子グループである。
【0133】
実施例13:タバコ特性の調節変更における、タバコ属シトクロムp450フラグメントおよびクローンの使用
タバコp450核酸フラグメントまたは全遺伝子の使用は、タバコ表現型またはタバコ成分が変化した植物、より重要な例では代謝が変化した植物を、同定および選択するのに有用である。本明細書に報告するものから選択される核酸フラグメントまたは全長遺伝子を、ダウンレギュレーション配向(たとえばアンチセンス配向)、または過剰発現(たとえばセンス配向)で含む多様な形質転換系により、トランスジェニックタバコ植物を作製する。全長遺伝子の過剰発現のためには、本発明に記載する全長遺伝子のアミノ酸配列の全体または機能性部分をコードする核酸配列が望ましい。これらはある酵素の発現を増大させるのに有効であり、したがってタバコ属の表現型効果をもたらす。ホモ接合系であるタバコ属系を一連の戻し交配により得て、内因性p450 RNA、転写体、p450発現ペプチド、および植物代謝産物の濃度の分析を含めて(これらに限定されない)、当業者が一般に利用できる方法で、表現型の変化を評価する。タバコ植物において示される変化は、選択した当該遺伝子の機能的役割についての情報を提供し、あるいは好ましいタバコ属植物種として有用である。
【0134】
以上の詳細な本発明の記載を考慮すると、当業者は本発明を実施する際に多数の改変および変更をなしうると予想される。したがってそのような改変および変更は本発明の特許請求の範囲に含まれるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコ属(Nicotiana)から単離された核酸分子であって、
【化1】

よりなる群から選択される核酸配列を含む核酸分子。
【請求項2】
タバコ属(Nicotiana)から単離された核酸分子であって、SEQ.ID.No. 299ないしSEQ.ID.No. 357よりなる群から選択される核酸配列を含む核酸分子。
【請求項3】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、
【化2】

よりなる群から選択されるアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項4】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 180またはSEQ.ID.No. 182、SEQ.ID.No. 184またはSEQ.ID.No. 224に対する少なくとも85%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項5】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 218またはSEQ.ID.No. 246に対する少なくとも85%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項6】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 168に対する少なくとも85%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項7】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 202、204またはSEQ.ID.No. 276に対する少なくとも85%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項8】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 20、SEQ.ID.No. 260またはSEQ.ID.No. 268に対する少なくとも85%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項9】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 256およびSEQ.ID.No. 254に対する少なくとも85%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項10】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 266またはSEQ.ID.No. 240に対する少なくとも85%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項11】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 172、SEQ.ID.No. 190またはSEQ.ID.No. 220に対する少なくとも85%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項12】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 216またはSEQ.ID.No. 262に対する少なくとも85%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項13】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 50、SEQ.ID.No. 152、SEQ.ID.No. 196またはSEQ.ID.No. 198に対する少なくとも85%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項14】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 296、SEQ.ID.No. 160、SEQ.ID.No. 158、SEQ.ID.No. 204、SEQ.ID.No. 206およびSEQ.ID.No. 208に対する少なくとも85%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項15】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 162またはSEQ.ID.No. 164に対する少なくとも85%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項16】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 212、214、238または254に対する少なくとも85%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項17】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 188または170に対する少なくとも85%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項18】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 214、241、258または252に対する少なくとも85%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項19】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 186、SEQ.ID.No. 248またはSEQ.ID.No. 228に対する少なくとも85%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項20】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 298またはSEQ.ID.No. 176に対する少なくとも85%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項21】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 234に対する少なくとも85%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項22】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 236に対する少なくとも85%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項23】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 230に対する少なくとも85%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項24】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 174に対する少なくとも85%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項25】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 174に対する少なくとも85%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項26】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 226に対する少なくとも85%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項27】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 178に対する少なくとも85%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項28】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 272に対する少なくとも85%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項29】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 180またはSEQ.ID.No. 182、SEQ.ID.No. 184またはSEQ.ID.No. 224に対する少なくとも90%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項30】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 218またはSEQ.ID.No. 246に対する少なくとも90%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項31】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 168に対する少なくとも90%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項32】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 202、204またはSEQ.ID.No. 276に対する少なくとも90%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項33】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 20、SEQ.ID.No. 260またはSEQ.ID.No. 268に対する少なくとも90%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項34】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 256およびSEQ.ID.No. 254に対する少なくとも90%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項35】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 266またはSEQ.ID.No. 240に対する少なくとも85%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項36】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 172、SEQ.ID.No. 190またはSEQ.ID.No. 220に対する少なくとも90%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項37】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 216またはSEQ.ID.No. 262に対する少なくとも90%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項38】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 50、SEQ.ID.No. 152、SEQ.ID.No. 196またはSEQ.ID.No. 198に対する少なくとも90%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項39】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 296、SEQ.ID.No. 160、SEQ.ID.No. 158、SEQ.ID.No. 204、SEQ.ID.No. 206およびSEQ.ID.No. 208に対する少なくとも90%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項40】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 162またはSEQ.ID.No. 164に対する少なくとも90%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項41】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 212、214、238または254に対する少なくとも90%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項42】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 188または170に対する少なくとも90%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項43】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 214、241、258または252に対する少なくとも90%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項44】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 186、SEQ.ID.No. 248またはSEQ.ID.No. 228に対する少なくとも90%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項45】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 298またはSEQ.ID.No. 176に対する少なくとも90%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項46】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 234に対する少なくとも90%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項47】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 236に対する少なくとも90%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項48】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 230に対する少なくとも90%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項49】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 174に対する少なくとも90%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項50】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 174に対する少なくとも90%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項51】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 226に対する少なくとも90%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項52】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 178に対する少なくとも90%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項53】
タバコ属(Nicotiana)から単離されたタンパク質であって、SEQ.ID.No. 272に対する少なくとも90%のアミノ酸同一性を構成するアミノ酸配列を含むタンパク質。
【請求項54】
トランスジェニック植物であって、請求項1または2に記載の核酸分子を含むトランスジェニック植物。
【請求項55】
植物がタバコ植物である、請求項54に記載のトランスジェニック植物。
【請求項56】
トランスジェニック植物の作製方法であって、
(i)請求項1または2に記載の核酸分子を、該植物において機能性であるプロモーターと作動可能な状態で結合させて、植物形質転換用ベクターを作製し;
(ii)該植物を前記工程の植物形質転換用ベクターで形質転換し;
(iii)形質転換用ベクターで形質転換した植物細胞を選択し;そして
(iv)形質転換した植物細胞から形質転換植物を再生する
工程を含む方法。
【請求項57】
核酸分子がアンチセンス配向である、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
核酸分子がセンス配向である、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
核酸分子がRNA干渉配向である、請求項56に記載の方法。
【請求項60】
核酸分子が二本鎖RNA分子として発現する、請求項56に記載の方法。
【請求項61】
二本鎖RNA分子が約15〜25ヌクレオチドの長さである、請求項56に記載の方法。
【請求項62】
トランスジェニック植物がタバコ植物である、請求項56に記載の方法。
【請求項63】
ある核酸分子を含む植物を選択する方法であって、
【化3】

よりなる群から選択される核酸配列の存在について植物を分析することを含む方法。
【請求項64】
植物をDNAハイブリダイゼーションにより分析する、請求項63に記載の植物選択方法。
【請求項65】
DNAハイブリダイゼーションがサザンブロット分析である、請求項64に記載の植物選択方法。
【請求項66】
DNAハイブリダイゼーションがノーザンブロット分析である、請求項65に記載の植物選択方法。
【請求項67】
植物をPCR検出により分析する、請求項66に記載の植物選択方法。
【請求項68】
植物がタバコ植物である、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
DNAハイブリダイゼーションが核酸プローブを含み、該核酸プローブが
【化4】

よりなる群から選択される核酸配列を含む核酸フラグメントである、請求項85に記載の方法。
【請求項70】
植物がトランスジェニック植物である、請求項69に記載の植物選択方法。
【請求項71】
植物が変異誘発集団から選択される、請求項69に記載の植物選択方法。
【請求項72】
植物が育種集団から選択される、請求項69に記載の植物選択方法。
【請求項73】
植物がタバコ属(Nicotiana)から選択される、請求項69に記載の植物選択方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【図71】
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【図72】
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【図73】
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【図74】
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【図75】
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【図76】
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【図77】
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【図78】
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【図79】
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【図80】
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【図81】
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【図82】
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【図83】
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【図84】
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【図85】
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【図86】
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【図87】
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【図88】
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【図89】
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【図90】
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【図91】
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【図92】
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【図93】
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【図94】
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【図95】
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【図96】
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【図97】
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【図98】
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【図99】
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【図100】
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【図101】
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【図102】
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【図103】
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【図105】
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【図145】
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【図146】
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【図150−1】
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【図150−2】
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【図150−3】
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【図151−1】
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【図151−2】
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【図152−1】
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【図152−2】
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【図152−3】
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【図152−4】
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【図152−5】
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【図153】
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【公開番号】特開2010−142241(P2010−142241A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−19897(P2010−19897)
【出願日】平成22年2月1日(2010.2.1)
【分割の表示】特願2005−501429(P2005−501429)の分割
【原出願日】平成15年10月16日(2003.10.16)
【出願人】(398069229)ユーエス スモークレス タバコ カンパニー (20)
【Fターム(参考)】