説明

タバコ製品とプロセス

タバコ製品は、少なくとも1つのアントシアニン化合物又はその誘導体を組み入れる。アントシアニン化合物は、紙巻きタバコのマウスエンドピースのフィルタ要素又は他のコンポーネントに組み入れられることが可能である。タバコ製品はまた無煙形式を有することも可能であり、かつ「スヌース」として特徴づけられる無煙のタバコ製品であることも可能であって、この無煙のタバコ組成物又は配合にアントシアニン化合物が組み入れられる。緑色又は黄色形態のタバコは、まずこのタバコを少なくとも1つの糖類及び/又は塩類の間近に置き、かつこのタバコを乾燥加工状態にすることによって乾燥加工されることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタバコ製品に関し、かつ具体的には、様々な成分を組み入れるタバコ製品配合物に関する。
【背景技術】
【0002】
タバコは、紙巻きタバコ、葉巻及びパイプ等の喫煙物品を用いる結果として楽しまれてきた。タバコは、いわゆる「無煙」形式でも楽しまれている。特に人気のある無煙タバコ製品は、何らかの形式の加工されたタバコ又はタバコ含有の配合物をユーザの口内へ挿入することによって使用される。
【0003】
紙巻きタバコは、概して略円筒ロッド形の構造を有し、かつ巻紙により包囲される細かく刻まれたタバコ(例えば、カットフィラ形式)等の喫煙可能材料の充填材、ロール又はカラムを含み、よっていわゆる「喫煙可能ロッド」又は「タバコロッド」が形成される。通常、紙巻きタバコは、タバコロッドと端同士を突き合わせて整列される円筒形のフィルタエレメントを有する。典型的には、フィルタエレメントはトリアセチンを用いて可塑化される酢酸セルロースタウを含み、このタウは「プラグラップ」として知られる紙材料によって外接される。紙巻きタバコは、複数のセグメントを有するフィルタエレメントを備えることができ、これらのセグメントのうちの1つは活性炭粒子を備えることができる。フィルタエレメントは、いわゆる「フィルタ付き紙巻きタバコ」を提供するために、「チップペーパ」として知られる外接巻紙材料を用いてタバコロッドの一方の端へ付着される場合がある。また、例によっては、吸い込まれる主流煙を周囲空気で希釈させるためにチップ材料及びプラグラップに穴を開けることも望ましくなってきている。紙巻きタバコ及びその様々な構成要素については、Davisら(編)「Tobacco Production,Chemistry and Technology」(1999年)に説明が記載されている。最終製品である紙巻きタバコは、喫煙者により、その一端に点火してタバコロッドを燃やすことによって使用される。次に喫煙者は、紙巻きタバコの反対側の端(例えば、フィルタ端部)を吸うことによって主流煙をその口内へ受け入れる。
【0004】
様々なタイプの無煙タバコ製品が、Schwartzによる米国特許第1,376,586号明細書、Pittmanらによる米国特許第4,513,756号明細書、Sensabaugh,Jr.らによる米国特許第4,528,993号明細書、Storyらによる米国特許第4,624,269号明細書、Townsendによる米国特許第4,987,907号明細書、Sprinkle,IIIらによる米国特許第5,092,352号明細書、Whiteらによる米国特許第5,387,416号明細書及びHowardによる米国意匠特許第335,934号、Stricklandらによる米国特許出願公開第2005/0244521号明細書、Winnらによる米国特許出願公開第2006/0162732号明細書、Stricklandらによる米国特許出願公開第2006/0191548号明細書、Wintersonらによる米国特許出願公開第2007/0261707号明細書、Holton,Jr.らによる米国特許出願公開第2007/0062549号明細書、Holton,Jrらによる米国特許出願公開第2007/0186941号明細書、Wintersonらによる米国特許出願公開第2008/0156338号明細書及びRoushによる米国特許出願公開第2008/0166395号明細書、及びArnarpらによるPCT国際公開第04/095959号、Atchleyらによる国際公開第05/063060号、Engtromによる国際公開第06/004480号、Quinterらによる国際公開第05/041699号及びWrennらによる国際公開第07/138484号、及びDubeらによる米国特許出願第11/781,604号明細書に記載されている。これらの文献は各々、参照により本明細書に組み込まれる。無煙タバコ製品の1つのタイプは、「嗅ぎタバコ」と称される。嗅ぎタバコは、典型的には「湿った」又は「乾いた」形式で配合される。
【0005】
代表的な無煙タバコ製品は、House of Oliver Twist A/SからOliver Twistの商標名で、U.S.Smokeless Tobacco
Co.からCopenhagen、Skoal、SkoalDry、Rooster、Red Seal、Husky及びRevelの商品名で、Philip Morris USAから「taboka」の商品名で、Conwood Sales Co.,L.P.からLevi Garrett、Peachy、Taylor’s Pride、Kodiak、Hawken Wintergreen、Grizzly、Dental、Kentucky King、Mammoth Caveの商品名で、Brown&Williamson Tobacco Corp.からIntervalの商品名で、及びStar Scientific Inc.からAriva及びStonewallの商品名で市販されている。
【0006】
一般に「スヌース」と称される嗅ぎタバコ製品の代表的なタイプは欧州において、具体的にはスウェーデンにおいて、Swedish Match AB、Fiedler&Lundgren AB、Gustavus AB、Skandinavisk Tobakskompagni A/S及びRocker Production AB等の企業により、又はこれらの企業を介して製造されている。米国で入手可能なスヌース製品は、R.J.Reynolds Tobacco CompanyからCamel Snus Frost、Camel Snus Original及びCamel Snus Spiceの商品名で市販されている。これらのタイプの製品の様々な包装タイプは、共にSjobergらによるPCT国際公開第08/066450号及び国際公開第08/066451号、Robinsonらによる米国特許出願公開第2008/0173317号明細書及び共にPatelらによる米国特許出願第29/297,520号明細書及び米国特許出願第29/297,517号明細書に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第1,376,586号明細書
【特許文献2】米国特許第4,513,756号明細書
【特許文献3】米国特許第4,528,993号明細書
【特許文献4】米国特許第4,624,269号明細書
【特許文献5】米国特許第4,987,907号明細書
【特許文献6】米国特許第5,092,352号明細書
【特許文献7】米国特許第5,387,416号明細書
【特許文献8】米国意匠特許第335,934号
【特許文献9】米国特許出願公開第2005/0244521号明細書
【特許文献10】米国特許出願公開第2006/0162732号明細書
【特許文献11】米国特許出願公開第2006/0191548号明細書
【特許文献12】米国特許出願公開第2007/0261707号明細書
【特許文献13】米国特許出願公開第2007/0062549号明細書
【特許文献14】米国特許出願公開第2007/0186941号明細書
【特許文献15】米国特許出願公開第2008/0156338号明細書
【特許文献16】米国特許出願公開第2008/0166395号明細書
【特許文献17】国際公開第04/095959号
【特許文献18】国際公開第05/063060号
【特許文献19】国際公開第06/004480号
【特許文献20】国際公開第05/041699号
【特許文献21】国際公開第07/138484号
【特許文献22】国際公開第08/066450号
【特許文献23】国際公開第08/066451号
【特許文献24】米国特許出願公開第2008/0173317号明細書
【特許文献25】米国特許出願公開第2008/0029118号明細書
【特許文献26】米国特許出願公開第2004/0118422号明細書
【特許文献27】米国特許第4,607,479号明細書
【特許文献28】米国特許第4,631,899号明細書
【特許文献29】米国特許第5,346,734号明細書
【特許文献30】米国特許第6,162,516号明細書
【特許文献31】米国特許出願公開第2005/0061339号明細書
【特許文献32】米国特許第5,167,244号明細書
【特許文献33】米国特許出願公開第2008/0029110号明細書
【特許文献34】米国特許第4,660,577号明細書
【特許文献35】米国特許第6,730,832号明細書
【特許文献36】米国特許第7,025,066号明細書
【特許文献37】国際公開第2007/089613号
【特許文献38】米国特許第7,304,207号明細書
【特許文献39】米国特許出願公開第2006/0242735号明細書
【特許文献40】米国特許第6,895,974号明細書
【特許文献41】米国特許第6,834,654号明細書
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Davisら(編)「Tobacco Production,Chemistry and Technology」(1999年)
【非特許文献2】Wangら著「Cancer Letters」269(2008年)281〜290
【非特許文献3】Butelliら著「Nature Biotechnology Advance Online Publication」(2008年10月26日)、doi:10.1038/nbt.1506
【非特許文献4】Nestorら著「Beitrage Tabakforsch.Int.」20(2003年)467〜475
【非特許文献5】Rotonら著「Beitrage Tabakforsch.Int.」21(2005年)305〜320
【非特許文献6】Staafら著「Beitrage Tabakforsch.Int.」21(2005年)321〜330
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
よって、これらの製品が喫煙者によって用いられる際に、楽しさと満足とを提供する構成要素を組み入れるタバコ製品を提供することが望ましいと思われる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、タバコ製品に関する。タバコ製品は喫煙物品の形式を有することが可能であり、かつこの喫煙物品内部には一定量のアントシアニン又はその誘導体が組み入れられる。例えば、少なくとも1つのアントシアニン又はその誘導体は、紙巻きタバコのマウスエンドピースのフィルタ要素又は他のコンポーネントに組み入れられることが可能である。また、タバコ製品は無煙形式を有することも可能であり、かつ「スヌース」として特徴づけられる無煙タバコ製品であることも可能であって、この無煙タバコの組成物又は配合物に一定量のアントシアニン又はその誘導体が組み入れられる。ある例示的な無煙タバコ配合物は何らかの形式の少なくとも1つのタイプのタバコを含み、かつ少なくとも1つのアントシアニン型化合物に加えて、塩類、甘味料、結合剤、着色剤、pH調整剤、充填剤、香味剤、分解助剤、酸化防止剤、保湿剤及び防腐剤等の他の成分を含んでもよい。
【0011】
また、本発明は、タバコの花、タバコの花からの抽出精油又は他の化学物質又は人工的に合成されたタバコの花の揮発性物質又はタバコの花に存在するタバコの化学物質を含むタバコ製品又はタバコ配合物にも関する。
【0012】
タバコ製品又はタバコ配合物は、タバコ植物の花、又はタバコの花から抽出される精油又は他の化学物質も組み入れることができる。タバコの花から分離され得る代表的な化学物質は当業者に知られており、Pherobase.com等のオンラインデータベースにおいてGenus Nicotianaで入手可能である。タバコ又はタバコ配合物へは、香味を加えるために自然発生的な、又は人工的に合成されるタバコの花の揮発性物質及び他の化学物質が添加されてもよい。花は、香味及び/又はきめを加えるために、加工された上でタバコ製品又はタバコ配合物へ添加されてもよい。香味を足すために、抽出精油も添加されてもよい。
【0013】
また本発明は、乾燥加工タバコ及び乾燥加工タバコを提供するためのプロセスにも関する。緑色又は黄色形態のタバコは、まずこのタバコを少なくとも1つの糖類及び/又は塩類の間近に置き、かつこのタバコを乾燥加工状態にすることによって乾燥加工されることが可能である。このようにして提供される最終的な乾燥加工タバコは、タバコ製品及び具体的には無煙のタバコ製品を製造するために用いられることが可能である。
【0014】
ある態様において、タバコ製品は、外生的な量の少なくとも1つのアントシアニン型化合物を組み入れる。
【0015】
ある態様において、タバコ製品は、製品のユーザの口内へ挿入するように構成され、かつ顆粒状のタバコ組成物及び外生的な量のアントシアニン型化合物を含むタバコ配合物を包含する透水性のパウチを備える。
【0016】
ある態様において、タバコ製品は、製品のユーザの口内へ挿入するように構成され、かつアントシアニン型化合物と反応して透水性パウチ内へ封入されている顆粒状のタバコ組成物を備える。
【0017】
ある態様において、製品のユーザの口内へ挿入されるように構成されるタバコ製品は、アントシアニン型化合物で被覆されて透水性パウチ内に封入された顆粒状のタバコ組成物を含む。
【0018】
ある態様において、タバコを乾燥加工する方法は、タバコ材料を準備するステップと、タバコ材料の表面を一定量の少なくとも1つの糖類を含む一定量の乾燥加工添加剤に接触させるステップと、乾燥加工タバコを製造するに足る温度状態下及び時間でタバコ材料を乾燥加工するステップとを含む。
【0019】
ある態様において、タバコを乾燥加工する方法は、タバコ材料を準備するステップと、前記タバコ材料の表面を少なくとも1つの糖類と少なくとも1つの塩類との一定量の混合物に接触させるステップと、乾燥加工タバコを製造するに足る温度状態下及び時間でタバコ材料を乾燥加工するステップとを含む。
【0020】
ある態様において、タバコ製品はタバコの花を組み入れる。
【0021】
ある態様において、タバコ製品は、タバコの花から分離される少なくとも1つの化合物を組み入れる。
【0022】
ある態様において、タバコ製品は、人工的に合成されたタバコの花に存在する少なくとも1つの化合物を組み入れる。
【0023】
以下、本発明の実施形態の理解を促すために添付の図面を参照する。諸図を通じて、参照数字は、説明されている本発明の例示的実施形態の構成要素を指す。図面は単に例示であり、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】紙巻きタバコの形式を有する喫煙物品を示す分解斜視図である。
【図2】スヌース型製品形式の無煙タバコ製品を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以後、添付の図面を参照して、本発明をさらに詳しく説明する。本発明は多くの異なる形態で具現されてもよいが、本明細書で記述される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、どちらかと言えばこれらの実施形態は、この開示が適用可能な法的要件を満たすようにして提示される。本明細書を通じて、類似する数字は類似するエレメントを指す。本明細書及び請求の範囲では、定冠詞及び不定冠詞の単数形は、文脈により別段の指示が明らかでない限り、複数形の言及を含んでいる。
【0026】
タバコ製品又はタバコ配合物は、少なくとも1つのアントシアニン及び/又は少なくとも1つのその誘導体(例えば、アントシアニングリコシド等のアントシアニン糖類)を組み入れる。例示的なアントシアニン型化合物には、ペラルゴニジン、ペオニジン、シアニジン、デルフィニジン及びマルビジン及びこれらの配糖体(例えば、シアニジン3−グルコピラノシド及びデルフィニジン3−グルコピラノシド)が含まれる。アントシアニン型化合物は、ビルベリ、ブルーベリ、ブラックベリ、ラズベリ、ボイゼンベリ、スイートチェリ、ホーソン、クランベリ及びストロベリ等の自然源から取得されることが可能である(例えば、これらの自然源から取得される抽出物の成分のようなもの)。シアニジン3−グルコピラノシド及びデルフィニジン3−グルコピラノシド等のアントシアニン化合物は、合成して製造される。例示的なアントシアニン組成物は、ノルウェイのBiolink Group ASからMP865として市販されている。例えば、Wangら著「Cancer Letters」269(2008年)281〜290、も参照されたい。
【0027】
また、タバコ製品又はタバコ配合物は、タバコ植物の花又はタバコの花から抽出される精油又は他の化学物質も組み入れることができる。タバコの花から分離され得る代表的な化学物質は当業者に知られており、Pherobase.com等のオンラインデータベースにおいてGenus Nicotianaで入手可能である。タバコ又はタバコ配合物へは、香味を加えるために自然発生的な、又は人工的に合成されるタバコの花の揮発性物質及び他の化学物質が添加されてもよい。花は、香味及び/又はきめを加えるために、加工された上でタバコ製品又はタバコ配合物へ添加されてもよい。香味を足すために、抽出精油も添加されてもよい。
【0028】
図1を参照すると、紙巻きタバコの形式でありかつ本発明による喫煙物品の所定の代表的な構成要素を有する喫煙物品10が示されている。紙巻きタバコ10は、外接巻紙材料16内に含まれる充填材の略円筒形ロッド12又は喫煙可能なフィラ材24のロールを含む。ロッド12は、従来、「タバコロッド」と称される。タバコロッド12の両端は、喫煙可能な充填材を露出するために開いている。紙巻きタバコ10は、巻紙材料16へ付される1つの任意選択のバンド22(例えば、でんぷん、エチルセルロース又はアルギン酸ナトリウム等の膜形成剤を含む印刷されたコーティング)を有するものとして示され、このバンド22はタバコロッド12と紙巻きタバコ10の長手軸を横断する方向に外接する。即ち、バンド22は、紙巻きタバコ10の長手軸に対して横断方向の領域を提供する。バンド22は、巻紙材料の内面へ(即ち、喫煙可能な充填材に面して)印刷されることが可能であり、又はあまり好適ではないが、巻紙材料の外面へ印刷されることが可能である。紙巻きタバコは、任意選択である1つのバンドを有する巻紙材料を有することが可能であるが、2つ、3つ又はそれ以上である任意選択のさらなる離隔されたバンドを有する巻紙材料を有することも可能である。
【0029】
タバコロッド12の一方の端には点火端部18が存在し、かつ口元端部20にはフィルタロッド26が位置合わせされる。フィルタロッド26は、フィルタロッド26とタバコロッド12とが軸方向へ端と端とを突き合わせて、好適には互いに当接して整列されるように、タバコロッド12の一方の端に隣接して位置合わせされる。フィルタロッド26は略円筒形状を有してもよく、その直径はタバコロッドの直径に略等しくてもよい。フィルタロッド26の両端は、空気及び煙を通過させる。タバコの種類、タバコのブレンド、最上層及びケーシング材料、ブレンド詰め密度及びタバコロッドの巻紙材料タイプを含む紙巻きタバコの構成要素は様々なタイプが使用可能であり、様々なタイプのフィルタ成分又はセグメントが使用可能である。これらの喫煙物品の構成要素及び喫煙物品の設計、形式、構成及び特性については、例えば、Nelsonらによる米国特許出願公開第2008/0029118号明細書記載及び言及を参照されたい。上記公報は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0030】
図2を参照すると、透湿性パウチ48を含む無煙タバコ製品38の実施形態が示されている。パウチ48は、重なり合う領域52においてその長さに沿って封止される。重なり合う領域は、パウチ48の一方の縁の底部をそのパウチの反対側の縁の上部を覆って(例えば、熱融着、適切な接着剤又は他の適切な手段によって)封止することにより形成されてもよい。例示的なフリース材料には、BFFのSDH27 Natural Grade及びBFFのSDH27 Brownが含まれる。固体タバコ材料55は、パウチ48内部に配置される。
【0031】
無煙タバコ製品の製造に使用されるタイプの適切なパケット、パウチ又は容器は、「taboka」、CatchDry、Ettan、General、Granit、Goteborgs Rape、GrovSnus White、Metropol Kaktus、Mocca Anis、Mocca Mint、Mocca Wintergreen、Kicks、Probe、Prince、Skruf、TreAnkrare、Camel Snus Original、Camel Snus Frost及びCamel Snus Spiceの商品名で市販されている。タバコ配合物は、従来のスヌース製品の製造に用いられる方法で、かつ前記製造に用いられるタイプの構成要素を使用してパウチ内へ包含されかつ詰め込まれてもよい。パウチ又はフリースは、性質がティーバッグの構成に用いられるメッシュ状タイプの材料に類似すると考えられ得るタイプの液体を透す容器を提供する。緩く配列された粒状タバコ配合物の構成要素は、パウチ78を介してユーザの口内へ容易に拡散する。
【0032】
スヌース製品の様々な構成要素及びこれらの構成要素の説明も、Lundinらによる米国特許出願公開第2004/0118422号明細書に記載されている。上記公報は、参照により本明細書に組み込まれる。また、例えば、Lindenによる米国特許第4,607,479号明細書、Nielsenによる米国特許第4,631,899号明細書、Wydickらによる米国特許第5,346,734号明細書及びDerrによる米国特許第6,162,516号明細書、及びHanssonらによる米国特許出願公開第2005/0061339号明細書及びBrinkleyらによる米国特許出願第12/181,051号明細書も参照されたい。これらの文献は各々、参照により本明細書に組み込まれる。また、Kjerstadによる米国特許第5,167,244号明細書に記載されている代表的なタイプのパウチ及びパウチ材料又はフリースも参照されたい。上記特許は、参照により本明細書に組み込まれる。スヌース製品は、Merz Verpackungmaschinen GmBHからSB51−1/T、SBL50及びSB53−2/Tとして市販されているもの等の器具を用いて製造されることが可能である。イタリアのG.D SpAも、タバコのパウチ器具を供給している。
【0033】
無煙タバコ製品の他のタイプ又は形式及びその調合方法は、Pittmanらによる米国特許第4,513,756号明細書及びWhiteらによる米国特許第5,387,416号明細書、Stricklandらによる米国特許出願公開第2006/0191548号明細書及びDubeらによる米国特許出願公開第2008/0029110号明細書、及びMuaらによる米国特許出願第11/781,666号明細書及びBrinkleyらによる米国特許出願第12/181,051号明細書に記載されている。上記文献は各々、参照により本明細書に組み込まれる。
【0034】
タバコ製品の製造に用いられるタバコは、変わる可能性がある。タバコには、熱風乾燥タバコ、バーレー種タバコ、オリエンタルタバコ、メリーランドタバコ、暗色タバコ、暗色火力乾燥タバコ、暗色空気乾燥タバコ及び日干乾燥タバコ、並びに様々なタバコ属タバコ及びルスチカタバコ、並びに様々な珍種又は特殊タバコ等のタイプのタバコが含まれ得る。様々なタイプのタバコ、栽培実務、収穫実務及び乾燥加工実務についての説明は、Davisら(編)「Tobacco Production,Chemistry and Technology」(1999年)、に記載されている。上記文献は、参照により本明細書に組み込まれる。また、Sensabaugh,Jr.らによる米国特許第4,660,577号明細書、Whiteらによる米国特許第5,387,416号明細書、Dominguezらによる米国特許第6,730,832号明細書及びLawsonらによる米国特許第7,025,066号明細書、Holton,Jr.らによる米国特許出願公開第2007/0062549号明細書、Holton,Jrらによる米国特許出願公開第2007/0186941号明細書、及びMuaらによる米国特許出願第11/781,666号明細書及びBrinkleyらによる米国特許出願第12/181,051号明細書に記載されているタバコのタイプについても参照されたい。上記特許文献は各々、参照により本明細書に組み込まれる。また、LawrenceらによるPCT国際公開第2007/089613号も参照されたい。上記特許文献も、参照により本明細書に組み込まれる。タバコは、(例えば、1つのタバコタイプとしての)いわゆる「ストレートグレード」形式で、又は様々な量の異なるタバコタイプのブレンドとして使用されることが可能である。
【0035】
タバコは、遺伝学的に変更され、交配され、又は栽培されることが可能である。例えば、タバコは、植物の例えば花、葉、茎、柄、根又は他の部分を含む任意の、又は全ての部分において比較的高レベルである少なくとも1つのアントシアニン型化合物を有するように、遺伝学的に変更され、交配され、又は栽培されることが可能である。例えば、Connorsらによる米国特許第7,304,207号明細書及びFaderらによる米国特許出願公開第2006/0242735号明細書に記載されている技術タイプを参照されたい。これらの特許文献は、参照により本明細書に組み込まれる。また、Butelliらによる「Nature Biotechnology Advance Online Publication」(2008年10月26日)、doi:10.1038/nbt.1506、も参照されたい。
【0036】
最も好適には、タバコ材料は、適切に乾燥加工されて熟成されたものである。様々なタイプのタバコに関する様々なタイプの乾燥加工及び熟成実務の説明は、Davisら(編)「Tobacco Production,Chemistry and Technology」(1999年)に記載されている。例えば、タバコは熱風乾燥され、空気乾燥され、日干乾燥されかつ火力乾燥されることが可能である。タバコ熟成の状態及び技術は、タバコ製品製造業の当業者には明らかであろう。
【0037】
熱風乾燥タバコの乾燥加工の場合の特に好適な技術及び状態は、Nestorら著「Beitrage Tabakforsch.Int.」20(2003年)467〜475及びPeeleによる米国特許第6,895,974号明細書に記載されている。これらの文献は、参照により本明細書に組み込まれる。空気乾燥タバコの場合の代表的な技術及び状態は、Rotonら著「Beitrage Tabakforsch.Int.」21(2005年)305〜320及びStaafら著「Beitrage Tabakforsch.Int.」21(2005年)321〜330、に記載されている。これらの文献は、参照により本明細書に組み込まれる。また、Williamsによる米国特許第6,834,654号明細書も参照されたい。
【0038】
タバコ乾燥技術の1つのタイプは、いわゆる「砂糖乾燥」方法論の使用を含む。タバコは、いわゆる緑葉又は黄変した形で収穫される。例えば、バージニアタバコの葉及び/又はバーレー種タバコの柄付きの葉は、伝統的な収穫技術を用いて柄から取り除かれることが可能である。収穫されたタバコは、緑色の形態である場合もあれば黄色の形態である場合もあり、かつ一枚ずつの葉(茎を含む)である場合も、除茎された葉身である場合もある。緑タバコは、収穫された植物又は植物部分内の細胞が著しい細胞死又は実質上の細胞死を受けておらず、よって細胞呼吸がある程度まで発生し得るような形を有するタバコとして特徴づけられることが可能である。必要でもなく好適でもないが、所望されれば、タバコは、砂糖乾燥より前に従来的な乾燥加工技術を用いてある程度まで乾燥加工されることが可能である。
【0039】
収穫されたタバコは、次に、伝統的な空気乾燥、熱風乾燥、日干乾燥又は火力乾燥技術ではなく砂糖乾燥技術で処理される。収穫と砂糖乾燥開始との間の時間期間は変わる可能性があるが、典型的には、収穫と伝統的な空気乾燥、熱風乾燥、日干乾燥又は火力乾燥技術との間の時間期間に比肩し得る時間期間である。タバコは、適切な容器、器又は乾燥プロセスの間にタバコを保持するための他の適切な手段へと導入される。例えば、タバコは、空気の流れ及びタバコからの湿気の除去を促進するために、木製スラット又はワイヤメッシュから構築される蓋付きの容器内に置かれることが可能である。或いは、タバコは、タバコからの湿気の除去を促進するために負圧が印加される場合がある密封容器内に入れられることも可能である。タバコは、密に詰められる、又は圧縮される、緩く詰められる、又は乾燥状態の間の移動又はかくはんを見込むように配置されることが可能である。
【0040】
容器内へタバコを配置する間、タバコは、そのタバコの乾燥を促進するに足る一定量の砂糖又は糖類の混合体に直近して配置される。例えば、砂糖結晶がタバコの表面上へ振りかけられ、砂糖シロップがタバコ上にかけられ、又は濃縮砂糖水溶液(例えば、砂糖と水との重量比がほぼ等しい)がタバコの表面上に噴霧される。次に、タバコ及び有効量の砂糖乾燥添加剤が乾燥状態に置かれる。
【0041】
乾燥状態は、周囲状態又は周囲温度に近い状態、又は周囲とは異なる状態であることが可能である。タバコは、乾燥状態の間に冷却される場合もある。好適には、タバコは乾燥状態の間に(例えば、典型的には約200°Fを超えない、しばしば約160゜Fを超えない、かつ高頻度で約130°Fを超えない温度まで)加熱される。乾燥前の緑又は黄変タバコは、典型的には重量比で約80パーセントより高い含水量を有する。
【0042】
乾燥状態は、緑又は黄色のタバコの含水量を重量比で約20パーセント未満、高頻度で約15パーセント未満、しばしば約10パーセント未満まで下げさせるに足る時間に渡って実行される。乾燥状態は、約120日未満、かつしばしば約100日未満であることが可能であるが、典型的な乾燥状態は、少なくとも約7日に渡って、通常は少なくとも約20日、高頻度で少なくとも約30日、しばしば少なくとも約40日に渡って発生する。乾燥時間枠及び乾燥状態は、タバコを十分に脱水するに足る、かつ乾燥されたものとして特徴づけられ得るタバコを生み出すに足るものである。乾燥加工の完了後、タバコは乾燥容器から取り出される。乾燥されたタバコは、乾燥されたタバコの表面に接触している所定量の残留乾燥添加剤から分離されることが可能である。乾燥されたタバコは、次に熟成されるか、そうでなければタバコ製品の製造に使用されることが可能である。
【0043】
別のタイプのタバコ乾燥技術は、いわゆる「塩乾燥」方法論の使用を含む。収穫されたタバコは、次に、伝統的な空気乾燥、熱風乾燥、日干乾燥又は火力乾燥技術ではなく塩乾燥技術で処理される。収穫と塩乾燥開始との間の時間期間は変わる可能性があるが、典型的には、収穫と伝統的な空気乾燥、熱風乾燥、日干乾燥又は火力乾燥技術との間の時間期間に比肩し得る時間期間である。タバコは、適切な容器、器又は乾燥プロセスの間にタバコを保持するための他の適切な手段へと導入される。例えば、タバコは、空気の流れ及びタバコからの湿気の除去を促進するために、木製スラット又はワイヤメッシュから構築される蓋付きの容器内に置かれることが可能である。或いは、タバコは、タバコからの湿気の除去を促進するために負圧が印加される場合がある密封容器内に入れられることも可能である。タバコは、密に詰められる、又は圧縮される、緩く詰められる、又は乾燥状態の間の移動又はかくはんを見込むように配置されることが可能である。
【0044】
容器内へタバコを配置する間、タバコは、そのタバコの乾燥を促進するに足る一定量の塩又は塩類の混合体に直近して配置される。例えば、塩結晶がタバコの表面上へ振りかけられ、又は濃縮塩水(例えば、塩と水との重量比がほぼ等しい)がタバコの表面上に噴霧される。次に、タバコ及び有効量の塩乾燥添加剤が乾燥状態に置かれる。
【0045】
乾燥状態は、周囲状態又は周囲温度に近い状態、又は周囲とは異なる状態であることが可能である。タバコは、乾燥状態の間に冷却される場合もある。好適には、タバコは乾燥状態の間に(例えば、典型的には約200゜Fを超えない、しばしば約160゜Fを超えない、かつ高頻度で約130゜Fを超えない温度まで)加熱される。乾燥前の緑又は黄変タバコは、典型的には重量比で約80パーセントより高い含水量を有する。
【0046】
乾燥状態は、緑又は黄色のタバコの含水量を重量比で約20パーセント未満、高頻度で約15パーセント未満、しばしば約10パーセント未満まで下げさせるに足る時間に渡って実行される。乾燥状態は、約120日未満、かつしばしば約100日未満であることが可能であるが、典型的な乾燥状態は、少なくとも約7日に渡って、通常は少なくとも約20日、高頻度で少なくとも約30日、しばしば少なくとも約40日に渡って発生する。乾燥時間枠及び乾燥状態は、タバコを十分に脱水するに足る、かつ乾燥されたものとして特徴づけられ得るタバコを生み出すに足るものである。乾燥加工の完了後、タバコは乾燥容器から取り出される。乾燥されたタバコは、乾燥されたタバコの表面に接触している所定量の残留乾燥添加剤から分離されることが可能である。乾燥されたタバコは、次に熟成されるか、そうでなければタバコ製品の製造に使用されることが可能である。
【0047】
砂糖乾燥用の砂糖は、粉末又は結晶形式で、シロップ(例えば、高果糖コーンシロップ)の形式で、又は水溶液内で用いられることが可能である。砂糖は、いわゆる還元糖又は非還元糖であることが可能である。例示的な好ましい糖類には、蔗糖、果糖及びブドウ糖が含まれ、他の糖類には、ラムノース、キシロース及び麦芽糖が含まれる。糖類の混合体も使用されることが可能であり、又は比較的純粋な形の1種類の糖(例えば、蔗糖結晶)が使用されてもよい。
【0048】
塩乾燥用の塩は、粉末又は結晶形式で、又は水溶液内で用いられることが可能である。例示的な好ましい塩類には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム及び塩化アンモニウムが含まれる。塩類の混合体も使用されることが可能であり、又は比較的純粋な形の1種類の塩(例えば、塩化ナトリウムのみ)が使用されてもよい。
【0049】
前述の砂糖及び塩乾燥プロセスでは、塩類及び糖類の混合体の使用が可能である。塩(又は塩類の混合体)の量は、塩及び糖による乾燥添加剤混合体における砂糖(又は糖類の混合体)の量より多い量から少ない量まで幅がある可能性がある。例えば、乾燥配合物は、重量比約9対1の塩及び砂糖、重量比3対1の塩及び砂糖、重量比1対1の塩及び砂糖、重量比1対3の塩及び砂糖又は重量比1対9の塩及び砂糖を含むことが可能である。ある例示的な乾燥添加剤は、塩化ナトリウムと蔗糖との組合せによって提供されることが可能であって、結果的に生じる混合体は固体、結晶混合体又は水溶液内で使用されることが可能である。或いは、例えば、乾燥添加剤を形成するために塩化カリウムと高果糖コーンシロップとが組み合わされることも可能である。
【0050】
使用される乾燥添加剤の量は、変化する可能性がある。典型的には、使用される乾燥添加剤の量は、乾燥されるタバコの乾燥重量を基礎として少なくとも約5パーセント、しばしば少なくとも約10パーセントである。典型的には、使用される乾燥添加剤の量は、乾燥開始前の緑又は黄変タバコの総重量の約20パーセントを超えず、しばしば約10パーセントを超えない。乾燥添加剤の量は、好適には、乾燥プロセスの間にタバコの化学的性質に影響を与えるに足るものである。また乾燥添加剤の量は、好適には、乾燥プロセスの間のタバコの脱水制御にも助力する。
【0051】
また、タバコは油でフライプロセスを受ける可能性もある。タバコは、いわゆる緑葉又は黄変した形で収穫される。例えば、バージニアタバコの葉及び/又はバーレー種タバコの柄付きの葉は、伝統的な収穫技術を用いて柄から取り除かれることが可能である。収穫されたタバコは、緑色の形態である場合もあれば黄色の形態である場合もあり、かつ一枚ずつの葉(茎を含む)である場合も、除茎された葉身である場合もある。緑タバコは、収穫された植物又は植物部分内の細胞が著しい細胞死又は実質上の細胞死を受けておらず、よって細胞呼吸がある程度まで発生し得るような形を有するタバコとして特徴づけられることが可能である。所望されれば、収穫されたタバコは、フリーズドライされ、フラッシュドライされ、又は他の方法で冷凍されることが可能である。或いは、タバコは乾燥されることが可能である。タバコは次に、フライ技術を施される。タバコは、好適には従来タイプのフライ用デバイス及びフライする条件を用いて熱い油の中へ置かれる(例えば、沈められる)。例示的な油は、好適には、カノーラ、紅花、ココナツ、ピーナツ、ひまわり及び他の植物由来油等の油である。フライは、タバコを脱水するに足る時間期間に渡って、最も好適にはそのタバコを乾燥させ過ぎず、炭化させず、又は燃やすことなく実行される。フライする温度は、典型的には、ジャガイモ、ほうれん草、ズッキーニ又はこれらに類似するもの等の野菜をフライする間に用いられる温度と比肩し得るものである。フライされたタバコは、フライされたタバコの表面に接触している残留油量から分離されることが可能である。フライされたタバコは、次に熟成されるか、そうでなければタバコ製品の製造に使用されることが可能である。柄又は花も、フライプロセスを実施され、後にタバコ製品内へ組み入れられてもよい。
【0052】
タバコ製品の製造に用いられるタバコは、好適には細断、粉砕、粒状、微粒子又は粉末形式で準備される。タバコは、加工されたタバコ部分又はタバコ片、基本的に自然な葉身又は茎の形である乾燥され熟成されたタバコ、タバコ抽出物、(例えば、水を溶媒として用いて)抽出されたタバコパルプ又は前出のものの混合体(例えば、抽出されたタバコパルプと粒状化されて乾燥熟成された自然のタバコ葉身とが結合した混合体)の形式を有することが可能である。
【0053】
タバコ製品の製造に用いられるタバコは、他の材料又は成分と共に加工され、ブレンドされ、配合され、組み合わされかつ混合されることも可能である。例えば、タバコ組成物は、塩類、甘味料、結合剤、着色剤、pH調整剤又は緩衝剤、充填剤、香味剤、分解助剤、酸化防止剤、保湿剤及び防腐剤を組み入れることができる。例えば、Holton,Jrらによる米国特許出願公開第2007/0062549号明細書、Holton,Jrらによる米国特許出願公開第2007/0186941号明細書及びDubeらによる米国特許出願公開第2008/0029110号明細書、及びMuaらによる米国特許出願第11/781,666号明細書及びBrinkleyらによる米国特許出願第12/181,051号明細書に記載されている代表的な構成要素、構成要素の組合せ、タバコに対するこれらの構成要素及び添加物の相対量及びこれらの構成要素を使用する方式及び方法を参照されたい。上記特許文献は各々、参照により本明細書に組み込まれる。
【0054】
典型的には、所定の実施形態の場合、無煙タバコの個々の部分の一部におけるタバコ材料の量は、乾燥重量で少なくとも約10mg、しばしば少なくとも約40mg、高頻度で少なくとも約40mgである可能性があり、一方でこの量は、典型的には、約200mg未満であり、しばしば約150mg未満、高頻度で約100mg未満である。
【0055】
典型的には、他の所定の実施形態の場合、無煙タバコの個々の部分の一部におけるタバコ材料の量は、乾燥重量で少なくとも約100mg、しばしば少なくとも約150mg、高頻度で少なくとも約200mgである可能性があり、一方でこの量は、典型的には、約800mg未満であり、しばしば約700mg未満、高頻度で約600mg未満である。
【0056】
タバコ製品又はタバコ配合物に組み入れられるアントシアニン型化合物の量は、変わる可能性がある。アントシアニン型化合物の量は、好適には、アントシアニン型化合物を組み入れているタバコ製品のユーザがタバコ製品を24時間使用した結果として、約1000mg未満、高頻度で約500mg未満、しばしば約300mg未満又はさらに約200mg未満のアントシアニン型化合物に曝されるというような類のものであることが可能である。
【0057】
アントシアニン型化合物の量は、好適には、アントシアニン型化合物を組み入れているタバコ製品のユーザが、タバコユーザが使用するタバコ製品の各部分(例えば、各スヌースパウチ、圧縮された各タバコペレット、再構成された各タバコシート又はストリップ又は押出された各タバコスティック内、又は喫煙可能なものにより運ばれる主流煙で変質された)において少なくとも約0.5mg、高頻度で少なくとも約1mg、しばしば少なくとも約5mg又はさらに少なくとも約10mgのアントシアニン型化合物に曝されるというような類のものであることが可能である。
【0058】
アントシアニン型化合物の量は、好適には、アントシアニン型化合物を組み入れている無煙タバコ製品が、タバコ配合物内のタバコの乾燥重量を基礎として少なくとも約1パーセント、高頻度で少なくとも約5パーセント、しばしば少なくとも約10パーセント、かつさらに少なくとも約20パーセントのアントシアニン型化合物を有するような類のものであることが可能である。
【0059】
アントシアニン型化合物は、タバコ製品又はタバコ配合物へ様々な方法で組み入れられることが可能である。アントシアニン型化合物は、タバコ配合物の構成要素に対して内生的である可能性があり、かつその配合物内に存在するタバコに対して内生的である可能性があり、アントシアニン型化合物はタバコ配合物に対して外生的である可能性がある(即ち、アントシアニン型化合物はタバコ配合物へ添加されることが可能である)。アントシアニン型化合物は、噴霧技術によってタバコへ、又はケーシング内又は最上層の配合物内へ付着されることが可能である。アントシアニン型化合物は再構成されるタバコ内へ封入されて組み入れられる、又は別の形でタバコ組成物内へ組み入れられることが可能である。アントシアニン型化合物は、紙、フィルタ材料、壊れやすいカプセル、スヌースフリース又は他のタバコ製品構成要素内へ組み入れられる、又は付着されることが可能である。タバコ製品内へ外生的なアントシアニン型化合物を組み入れるための技術は、タバコ製品製造分野における当業者には容易に明らかであろう。アントシアニン型化合物がタバコ自体に添加されるとすれば、添加されるアントシアニン型化合物の代表的な量は、タバコの総乾燥重量の少なくとも約1パーセントから3パーセント、しばしばタバコ乾燥重量の約3パーセントから5パーセント、高頻度でタバコ乾燥重量の少なくとも5パーセントである。
【0060】
配合物の消費者が使用する前の無煙タバコ配合物の含水量は、変わる場合がある。典型的には、タバコユーザの口内へ挿入される前のタバコ配合物の含水量は、タバコ配合物の総重量を基礎として約55パーセント未満、概して約50パーセント未満、しばしば約45パーセント未満である。湿った嗅ぎタバコ又はスヌース型タバコの組成物を組み入れているもの等の所定のタバコ製品の場合、含水量は20重量パーセントを超えることが可能であり、かつしばしば30重量パーセントを超えることが可能であり、かつ典型的なスヌース型タバコの組成物は約25重量パーセントから約50重量パーセントまで、しばしば約25重量パーセントから約40重量パーセントまでの含水量を有することが可能である。しかしながら、所定のタイプのタバコ配合物は、使用前に、タバコ配合物の総重量を基礎として約15パーセント未満、高頻度で約10パーセント未満、しばしば約5パーセント未満の含水量を有する。圧縮又は押し出されたタバコ配合物等の所定のタバコ製品の場合、含水量は約5重量パーセントから約20重量パーセントまで、しばしば約8重量パーセントから約15重量パーセントまでの範囲である可能性がある。
【0061】
タバコ配合物の酸又は塩基含有は、配合物にpHを生成する能力を与える。本出願における「タバコのpH」は、タバコが所定のpHレベルを生み出す能力を指す。ある好適な無煙タバコ配合物のpHは、変わる可能性がある。典型的には、この配合物のpHは少なくとも約6.5であり、好適には少なくとも約7.5である。典型的には、この配合物のpHは約9を超えず、しばしば約8.5を超えない。代表的なタバコ配合物は、約6.8から約8.2までのpHを呈する。タバコ配合物のpHを決定するための代表的な技術は、10mlの高性能液体クロマトグラフィ水にこの配合物2gを分散させることと、結果的に生じる懸濁液/溶液のpHを(例えば、pH計で)測定することを含む。タバコの酸又は塩基含有量を変えるための様々な緩衝化合物及び配合物は、Brinkleyらによる米国特許出願第12/181,051号明細書に記載されている。例えば、例示的な緩衝化合物には、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム及び重炭酸アンモニウムが含まれる。
【0062】
所望されれば、無煙タバコ配合物の製造前に、タバコ部分又はタバコ片は照射されてもよく、又はこれらの部分及び片は低温殺菌されても、他に制御された熱処理を受けてもよい。或いは、所望されれば、配合物の全て又は一部の製造後に、構成要素材料は照射されてもよく、又はこれらの構成要素材料は低温殺菌されても、他に制御された熱処理を受けてもよい。例えば、配合物は、照射又は低温殺菌された後に製造されてもよく、次いで香味成分が配合物に付着されてもよい。或いは、タバコ配合物は、タバコ配合物が形成又は成形された後に(例えば、圧縮ペレット、押出しスティック又はストリップを形成するように、又はシート状の形状に形成されるように)照射又は低温殺菌されることが可能であり、又は(例えば、スヌース型無煙タバコ製品の個々の容器を提供するように)透湿性パケット又はパウチ内に組み込まれることが可能である。
【0063】
典型的には、個々の各部分内(例えば、各スヌース型パウチ内)のタバコ配合物の量は、乾燥重量タバコの少なくとも約50mg、しばしば少なくとも約150mg、高頻度で少なくとも約250mgが存在し、かつ乾燥重量タバコの約700mg未満、しばしば約500mg未満、高頻度で約300mg未満が存在するような類のものである。例えば、スヌース型無煙タバコ製品は、いわゆる「部分スヌース」の形式を有することが可能である。
【0064】
典型的には、個々の各部分内(例えば、各圧縮タバコペレット、押出しスティック又は形成シート又はストリップ内)のタバコ配合物の量は、乾燥重量タバコの少なくとも約10mg、しばしば少なくとも約20mg、高頻度で少なくとも約30mgが存在し、かつ乾燥重量タバコの約200mg未満、しばしば約150mg未満、高頻度で約100mg未満が存在するような類のものである。
【0065】
本実施形態に対しては、請求されている発明の範囲を逸脱することなく広範な変更が行われ得ることは留意されるべきである。従って、これまでに述べた詳細な説明は、限定ではなく例示として見なされること、及び本発明の精神及び範囲を規定すべく意図されるものは全ての同等物を含む以下の請求の範囲である点は理解されるように意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外生的な量の少なくとも1つのアントシアニン型化合物を組み入れているタバコ製品。
【請求項2】
前記外生的な量の前記少なくとも1つのアントシアニン型化合物が、前記タバコ製品におけるタバコの乾燥重量の少なくとも1から3パーセントである、請求項1に記載のタバコ製品。
【請求項3】
前記外生的な量の前記少なくとも1つのアントシアニン型化合物が、前記タバコ製品におけるタバコの乾燥重量の少なくとも3から5パーセントである、請求項1に記載のタバコ製品。
【請求項4】
前記外生的な量の前記少なくとも1つのアントシアニン型化合物が、前記タバコ製品におけるタバコの乾燥重量の少なくとも約5パーセントである、請求項1に記載のタバコ製品。
【請求項5】
前記タバコ製品のユーザが、24時間期間に渡って約1000mg未満の前記アントシアニン型化合物に曝される、請求項1に記載のタバコ製品。
【請求項6】
前記タバコ製品のユーザが、24時間期間に渡って約500mg未満の前記アントシアニン型化合物に曝される、請求項1に記載のタバコ製品。
【請求項7】
前記タバコ製品のユーザが、24時間期間に渡って約300mg未満の前記アントシアニン型化合物に曝される、請求項1に記載のタバコ製品。
【請求項8】
前記タバコ製品のユーザが、24時間期間に渡って約200mg未満の前記アントシアニン型化合物に曝される、請求項1に記載のタバコ製品。
【請求項9】
前記タバコ製品のユーザが、前記タバコ製品の各部分において少なくとも約0.5mgの前記アントシアニン型化合物に曝される、請求項1に記載のタバコ製品。
【請求項10】
前記タバコ製品のユーザが、前記タバコ製品の各部分において少なくとも約1.0mgの前記アントシアニン型化合物に曝される、請求項1に記載のタバコ製品。
【請求項11】
前記タバコ製品のユーザが、前記タバコ製品の各部分において少なくとも約5.0mgの前記アントシアニン型化合物に曝される、請求項1に記載のタバコ製品。
【請求項12】
製品をユーザの口内へ挿入するように構成されるタバコ製品であって、
タバコ配合物を含む透水性のパウチを備え、タバコ配合物が粒状のタバコ組成物及び外生的な量のアントシアニン型化合物を含むタバコ製品。
【請求項13】
製品をユーザの口内へ挿入するように構成されるタバコ製品であって、
透水性のパウチ内に囲まれる粒状のタバコ組成物を含むタバコ配合物を備え、前記透水性のパウチがアントシアニン型化合物と反応しているタバコ製品。
【請求項14】
製品のユーザの口内へ挿入するように構成されるタバコ製品であって、
透水性のパウチ内に囲まれる粒状のタバコ組成物を含むタバコ配合物を備え、前記透水性のパウチがアントシアニン型化合物で被覆されるタバコ製品。
【請求項15】
タバコを乾燥加工する方法であって、
タバコ材料を準備するステップと、
前記タバコ材料の表面を一定量の少なくとも1つの糖を含む一定量の乾燥添加剤と接触させるステップと、
タバコ材料を乾燥されたタバコを生成するに足る温度状態下及び時間で乾燥させるステップとを含む方法。
【請求項16】
前記乾燥添加剤がさらに一定量の少なくとも1つの塩を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記量の糖が前記タバコと化学反応するに足る、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記糖が、蔗糖、果糖、ブドウ糖、ラムノース、キシロース、麦芽糖又はこれらの組合せを含む群から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記塩が、塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、塩化アンモニウム又はこれらの組合せを含む群から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記糖がシロップの形式である、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記糖が水溶液の形式である、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記塩が水溶液の形式である、請求項16に記載の方法。
【請求項23】
前記塩と前記糖との比が約9対1である、請求項16に記載の方法。
【請求項24】
前記塩と前記糖との比が約3対1である、請求項16に記載の方法。
【請求項25】
前記塩と前記糖との比が約1対1である、請求項16に記載の方法。
【請求項26】
前記塩と前記糖との比が約1対9である、請求項16に記載の方法。
【請求項27】
前記塩と前記糖との比が約1対3である、請求項16に記載の方法。
【請求項28】
前記乾燥添加剤の前記量が前記タバコの乾燥重量の少なくとも約5パーセントである、請求項15に記載の方法。
【請求項29】
前記乾燥添加剤の前記量が前記タバコの乾燥重量の少なくとも約10パーセントである、請求項15に記載の方法。
【請求項30】
前記乾燥添加剤の前記量が前記タバコの乾燥重量の約20パーセントを超えない、請求項15に記載の方法。
【請求項31】
前記乾燥添加剤の前記量が前記タバコの乾燥重量の約10パーセントを超えない、請求項15に記載の方法。
【請求項32】
前記乾燥されたタバコから前記乾燥添加剤の少なくとも一部分を分離するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項33】
タバコを乾燥加工する方法であって、
タバコ材料を準備するステップと、
前記タバコ材料の表面を一定量の少なくとも1つの糖と少なくとも1つの塩との混合物と接触させるステップと、
タバコ材料を乾燥されたタバコを生成するに足る温度状態下及び時間で乾燥させるステップとを含む方法。
【請求項34】
タバコの花を組み入れるタバコ製品。
【請求項35】
タバコの花から分離される少なくとも1つの化合物を組み入れるタバコ製品。
【請求項36】
タバコの花に存在する少なくとも1つの人工的に合成される化合物を組み入れるタバコ製品。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−508021(P2012−508021A)
【公表日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−535689(P2011−535689)
【出願日】平成21年11月6日(2009.11.6)
【国際出願番号】PCT/US2009/063557
【国際公開番号】WO2010/054198
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(505191869)アール・ジエイ・レイノルズ・タバコ・カンパニー (36)
【Fターム(参考)】