説明

タンクユニット

【課題】低コストかつ組み立て性能を向上させ、さらに循環ポンプの駆動時の運転音を低減させることができるタンクユニットを提供すること。
【解決手段】本発明のタンクユニットは、貯湯タンク1と、貯湯タンク1から取り出した温水と浴槽水との間で熱交換する熱交換器3と、浴槽水を熱交換器3に循環させる循環ポンプ4と、平面部を有する仕切り板6とを備え、循環ポンプ4は結束部材7を介して仕切り板6に固定されることにより、部品点数を最小限に抑えつつ、循環ポンプの駆動振動がタンクユニットの他の部品に伝わって共振することを抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽水を循環させる循環ポンプを内部に備えたタンクユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、貯湯タンク内の高温湯と浴槽内の湯水とを熱交換する追い焚き熱交換器を内部に備えたタンクユニットがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなタンクユニットを有する給湯機の場合、タンクユニットは屋外に設置されることが多く、タンクユニット内の追い焚き熱交換器の風呂側回路と、屋内の浴槽とを給湯配管によって接続し、循環ポンプを駆動することによって浴槽内の湯水を追い焚き熱交換器へ送るようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−3023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、タンクユニットの設置状況、屋内での浴槽の設置場所によっては、追い焚き熱交換器と浴槽とをつなぐ給湯配管の配管長は長くなってしまう場合があり、タンクユニットをどのような場所に設置したとしても、安定して浴槽から湯水を追い焚き熱交換器へ送るためには、大きな出力を持った循環ポンプをタンクユニット内に配設する必要があった。そのため出力が大きい循環ポンプを配設しているだけあって、循環ポンプの駆動によって、振動がタンクユニットの外装筐体などに伝わってしまい、大きな振動音が発生してしまうという課題を有していた。
【0006】
このような課題に対して、従来から図6に示すように振動を抑制するための防振ゴム101などを用いているが、防振ゴム101を介して循環ポンプ100を取り付けたとしても、循環ポンプ100の取り付け板102、循環ポンプ100を取り付け板102に固定するビス104、取り付け板102を防振ゴム101を介して取り付ける仕切り板105、押さえ金具103など部品点数が多くなってしまい、コストだけではなく組み立て工数も増大させてしまう。
【0007】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、低コストかつ組み立て性能を向上させ、さらに循環ポンプの駆動時の運転音を低減させることができるタンクユニットを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来の課題を解決するために、本発明のタンクユニットは、貯湯タンクと、貯湯タンクから取り出した温水と浴槽水との間で熱交換する熱交換器と、浴槽水を熱交換器に循環させる循環ポンプと、平面部を有する仕切り板とを備え、循環ポンプは結束部材を介して仕切り板に固定されることにより、部品点数を最小限に抑えつつ、循環ポンプの駆動振動がタンクユニットの他の部品に伝わって共振することを抑制することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、低コストかつ組み立て性能を向上させ、さらに循環ポンプの駆動時の運転音
を低減させることができるタンクユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1におけるタンクユニットの構成図
【図2】同実施の形態1における貯湯タンクの正面図
【図3】同実施の形態1における貯湯タンクの正面図
【図4】(a)同実施の形態1における結束部材の正面図(b)同実施の形態1における循環ポンプの正面図
【図5】(a)同実施の形態1における循環ポンプの取り付け図(b)同実施の形態1における取り付け要部拡大図
【図6】従来の循環ポンプの取り付け構成図
【発明を実施するための形態】
【0011】
第1の発明のタンクユニットは、貯湯タンクと、貯湯タンクから取り出した温水と浴槽水との間で熱交換する熱交換器と、浴槽水を熱交換器に循環させる循環ポンプと、平面部を有する仕切り板とを備え、循環ポンプは結束部材を介して仕切り板に固定されることにより、部品点数を最小限に抑えつつ、循環ポンプの駆動振動がタンクユニットの他の部品に伝わって共振することを抑制することができる。
【0012】
第2の発明のタンクユニットは、特に第1の発明において、結束部材の一端はパースロックとなっており、パースロックで循環ポンプに結束部材を取り付け、結束部材の他端を仕切り板に固定することにより、パースロックにて簡単に結束部材を循環ポンプに取り付けることができ、さらに結束部材の他端(パースロックと反対側)を仕切り板に設けた穴に挿入するだけで固定するようにしておけば、非常に組み立て性が向上する。
【0013】
第3の発明のタンクユニットは、特に第1または第2の発明において、結束部材は、循環ポンプを仕切り板に固定した時に、循環ポンプと仕切り板とが接触しない程度に剛性を有していることにより、循環ポンプを取り付けたときに結束部材がたわんで、循環ポンプと仕切り板とが接触しない程度の剛性を有していれば、循環ポンプの駆動振動が仕切り板に直接伝わることがないので、タンクユニット内の他部品との共振を防ぎ、運転音の発生を防止することができる。
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0015】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるタンクユニットの構成外略図である。図1において、タンクユニットの外装筐体5の内部には、高温湯を貯える貯湯タンク1と、浴槽2内の湯水と貯湯タンク1内の高温湯とを熱交換する追い焚き熱交換器3と、浴槽2内の湯水を追い焚き熱交換器3へ搬送する循環ポンプ4とを有している。
【0016】
図2は、循環ポンプ4が取り付けられた貯湯タンクの外観図である。図2に示すように貯湯タンク1の側壁に仕切り板6が溶接されており、仕切り板6の中ほどに循環ポンプ4が取り付けられている。
【0017】
図3、図4は、各構成部品の正面図であり、図3は、貯湯タンク1に仕切り板6のみを取り付けた正面図、図4(a)は、循環ポンプ4と仕切り板6とを締結固定する結束部材の正面図、図4(b)は、循環ポンプ4の正面図である。図3、図4に示すように、結束部材7は樹脂材料で形成されており、結束部材7の一端はパースロック形状になっており、結束部材7の他端は穴に挿入するだけで取り付けることができる構成になっており、一
度穴に挿入すると抜けなくなる構成となっている。
【0018】
そして図4(b)に示すように循環ポンプ4には、一定の径からなる取り付け部8を形成しており、取り付け部8にパースロックにて結束部材7の一端が取り付けられる。
【0019】
図5(a)は、仕切り板6に循環ポンプ4を取り付けた正面図、図5(b)は、取り付け要部拡大図である。図5(a)、(b)に示すように、取り付け部8にパースロックで結束部材7が取り付けられ、結束部材7の他端を仕切り板6に設けた取り付け穴に差し込むことで、循環ポンプ4を仕切り板6に取り付けることができる。
【0020】
さらに、循環ポンプ4を仕切り板6に取り付けたときには、結束部材7がたわんでしまって循環ポンプ4と仕切り板6とが接触してしまうことがないように、結束部材7に十分な剛性を持たせている。そのため、確実に循環ポンプ4が駆動しても結束部材7がたわんでしまい仕切り板6と接触してしまうことがないので、他の構成機器との共振を防ぎ、運転動作音の発生を抑制することができる。
【0021】
以上のように、本発明のタンクユニットにおいて、循環ポンプ4と仕切り板6とを結束部材を介して取り付けることで、循環ポンプ4の運転によって他の機器が共振することを抑制し、かつ、循環ポンプ4の取り付けに掛かる部品点数が大幅に減るため、コストが減るだけでなく、組み立て工数も低減させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
以上のように、本発明のタンクユニットは、浴槽循環時のポンプ運転音の低減を実現しつつ、部品点数削減によるコストと工数の低減を可能とした。
【符号の説明】
【0023】
1 貯湯タンク
2 浴槽
3 追い焚き熱交換器
4 循環ポンプ
5 外装筐体
6 仕切り板
7 結束部材
8 取り付け部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯湯タンクと、前記貯湯タンクから取り出した温水と浴槽水との間で熱交換する熱交換器と、前記浴槽水を前記熱交換器に循環させる循環ポンプと、平面部を有する仕切り板とを備え、前記循環ポンプは結束部材を介して前記仕切り板に固定されることを特徴とするタンクユニット。
【請求項2】
前記結束部材の一端はパースロックとなっており、パースロックで前記循環ポンプに前記結束部材を取り付け、前記結束部材の他端を前記仕切り板に固定することを特徴とする請求項1に記載のタンクユニット。
【請求項3】
前記結束部材は、前記循環ポンプを前記仕切り板に固定した時に、前記循環ポンプと前記仕切り板とが接触しない程度に剛性を有していることを特徴とする請求項1または2に記載のタンクユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−276205(P2010−276205A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−126074(P2009−126074)
【出願日】平成21年5月26日(2009.5.26)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】