説明

タンク及び給湯機

【課題】本発明は、タンク本体内に夾雑物が存在する場合であっても、タンク本体の底部から上方に突出させて設けられる給液体からタンク本体内に良好に液体を供給することができるタンク及び給湯機を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係るタンク及び給湯機は、液体を貯留するタンク本体と、前記タンク本体内に液体を供給する給液体を備え、前記給液体は、タンク本体の底部から上方に突出させて設けられ、前記給液体には、鉛直方向斜め下方に向かって液体を吐出する吐出部が設けられることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンク及び給湯機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、冷水の噴出口としてパイプに孔を設けてタンク本体に対して水平方向に流出させる形状を開示している。これにより、タンク本体内で急激な攪拌が起こらないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−20040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これでは、タンク本体内に存在する沈殿物等の夾雑物が底部に向かって落下する際に孔を塞いでしまい、目詰まりして、良好な給水を妨げるおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、タンク本体内に夾雑物が存在する場合であっても、タンク本体の底部から上方に突出させて設けられる給液体からタンク本体内に良好に液体を供給することができるタンク及び給湯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るタンクは、液体を貯留するタンク本体と、前記タンク本体内に液体を供給する給液体を備え、前記給液体は、タンク本体の底部から上方に突出させて設けられ、前記給液体には、鉛直方向斜め下方に向かって液体を吐出する吐出部が設けられることを特徴とする。
【0007】
或いは、本発明に係る給湯機は、液体を加熱する加熱手段と、前記加熱手段によって加熱された高温の液体を貯留するタンク本体と、前記タンク本体から高温の液体を取り出す取出し部と、タンク本体内に低温の液体を供給する給液体とを備え、前記給液体は、タンク本体の底部から上方に突出させて設けられ、前記給液体には、鉛直方向斜め下方に向かって液体を吐出する吐出部が設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る給湯機によれば、タンク本体内に夾雑物が存在する場合であっても、タンク本体の底部から上方に突出させて設けられる給液体からタンク本体内に良好に液体を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施例に係る給湯機を示す。
【図2】本発明の一実施例に係る給湯機のタンク本体の下部詳細図を示す。
【図3】本発明の一実施例に係る給湯機の管状部材を示す。
【図4】本発明の一実施例に係る給湯機の管状部材の拡大図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の給湯機の実施形態を、図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0011】
図1に、本発明の給湯機の実施例を示す。
【0012】
本実施例に係る給湯機は、液体を加熱する加熱手段と、前記加熱手段によって加熱された高温の液体を貯留するタンク本体1と、前記タンク本体1から高温の液体を取り出す取出し部8と、タンク本体1内に低温の液体を供給する給液体とを備え、前記給液体は、タンク本体1の底部から上方に突出させて設けられ、前記給液体には、鉛直方向斜め下方に向かって液体を吐出する吐出部が設けられる。
【0013】
具体的には、前記給液体は、管状部材(パイプ)2によって構成され、前記吐出部は、前記管状部材2の壁面6を貫通する孔7によって構成される。
【0014】
図1を用いて具体的に説明すると、この給湯機は、タンク本体1内に高温の液体としての湯を貯留するものであり、このようなタンク本体1は、一般的には貯湯タンクと呼ばれる。また、給湯口5で温水を出湯すると、低温の液体としての冷水が出湯量に応じて給水源4からタンク本体1の下部へ供給される。
【0015】
図2は、タンク本体1の下部詳細図である。図2に示すように、給水源4から供給される冷水は、管状部材2を介してタンク本体1に流入する。管状部材2は、タンク本体1のソケット3に下方から挿入され固定されている。図2の矢印で示すように、管状部材2の給水はタンク本体1底部方向(斜め下方向)に流出される。
【0016】
具体的には、図3の詳細図に示すように、管状部材2は、円筒形状を有する。また、管状部材2の壁面6には、穴径6mmの4個の孔7が90度間隔で設けられている。
【0017】
また、孔7は、図4の拡大図に示すように、壁面6の内側6aから外側6bに向かって下がるように形成される。具体的には、給液体の孔を画成する面のうち鉛直方向上方を向く面は、前記管状部材2の内側6aから外側6bへ向かって下がるように傾斜する。より具体的には、管状部材2に孔7を斜め下方向に30度の角度で設けている。従って、タンク本体1底部に沈殿物が落下しても孔7を塞ぐことがない。
【0018】
上記構成からなる給湯機によれば、タンク本体1内に夾雑物が存在する場合であっても、タンク本体1の底部から上方に突出させて設けられる給液体からタンク本体1内に良好に液体を供給することができる。
【0019】
また、孔7を水平方向でなく斜め下方向に空けることで、沈殿物で孔7を塞ぐことなくタンク底部に落下させることができる。
【0020】
また、加熱手段の具体例としては、図示しないが、タンク本体1の下部から取り出された低温の液体を加熱した後にタンク本体1の上部に戻すヒートポンプが考えられる。この他にも、加熱手段は、タンク本体1内に備えられるヒータであってもよい。このような加熱手段によって加熱された高温の液体は、タンク本体1の上部に溜まり、低温の液体とは層状に分かれて存在している。従って、本構造のように、液体を鉛直方向斜め下方に向かって吐出することにより、高温の液体と低温の液体との攪拌を防止することができる。
【0021】
また、孔7を複数個空けることにより、孔7を通過する流速を小さくすることができ、温水と冷水の急激な攪拌を更に良好に防止することができる。
【0022】
以上、本発明の給湯機について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【0023】
例えば、本実施例においては、管状部材2の壁面6に穴径6mmの孔7を90度間隔で4個、斜め下方向に30度の角度で設けているが、孔7の穴径や数,位置,角度などはこれに限定するものではない。
【符号の説明】
【0024】
1 タンク本体
2 管状部材
3 ソケット
4 給水源
5 給湯口
6 壁面
6a 内側
6b 外側
7 孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を貯留するタンク本体と、
前記タンク本体内に液体を供給する給液体を備え、
前記給液体は、タンク本体の底部から上方に突出させて設けられ、
前記給液体には、鉛直方向斜め下方に向かって液体を吐出する吐出部が設けられることを特徴とするタンク。
【請求項2】
前記給液体は、管状部材によって構成され、
前記吐出部は、前記管状部材の壁面を貫通する孔によって構成され、
孔を画成する面のうち鉛直方向上方を向く面は、前記管状部材の内側から外側へ向かって下がるように傾斜することを特徴とする請求項1に記載のタンク。
【請求項3】
液体を加熱する加熱手段と、
前記加熱手段によって加熱された高温の液体を貯留するタンク本体と、
前記タンク本体から高温の液体を取り出す取出し部と、
タンク本体内に低温の液体を供給する給液体とを備え、
前記給液体は、タンク本体の底部から上方に突出させて設けられ、
前記給液体には、鉛直方向斜め下方に向かって液体を吐出する吐出部が設けられることを特徴とする給湯機。
【請求項4】
前記給液体は、管状部材によって構成され、
前記吐出部は、前記管状部材の壁面を貫通する孔によって構成され、
孔を画成する面のうち鉛直方向上方を向く面は、前記管状部材の内側から外側へ向かって下がるように傾斜することを特徴とする請求項3に記載の給湯機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−19580(P2013−19580A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152450(P2011−152450)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(399048917)日立アプライアンス株式会社 (3,043)
【Fターム(参考)】