タンク用計測装置
【課題】計測器本体が液中を沈降する際の沈降速度を遅くでき、タンク底部または計測器本体が損傷するのを防ぐことができるタンク用計測装置を提供する。
【解決手段】タンク１内に索３を介して吊り下げられ上下方向に延びるロッド状に形成された計測器本体４と、計測器本体４の側面の外側にヒンジ１０を介して取り付けられ、計測器本体４の側面に沿う閉状態と計測器本体４に対して水平方向に開く展開状態とに回動可能な複数の支柱１１と、タンク１内に索３を介して吊り下げられているときには支柱１１を閉状態に保持し、計測器本体４が落下してタンク１内の液面５に衝突したとき支柱１１を展開状態とする展開機構１３と、支柱１１に支柱１１同士を繋ぐように設けられ、支柱１１が閉状態のとき折り畳まれ支柱１１が展開状態となったときに広がって計測器本体４がタンク１内の液体６を沈降する際の抵抗となる膜１２とを備えたものである。
【解決手段】タンク１内に索３を介して吊り下げられ上下方向に延びるロッド状に形成された計測器本体４と、計測器本体４の側面の外側にヒンジ１０を介して取り付けられ、計測器本体４の側面に沿う閉状態と計測器本体４に対して水平方向に開く展開状態とに回動可能な複数の支柱１１と、タンク１内に索３を介して吊り下げられているときには支柱１１を閉状態に保持し、計測器本体４が落下してタンク１内の液面５に衝突したとき支柱１１を展開状態とする展開機構１３と、支柱１１に支柱１１同士を繋ぐように設けられ、支柱１１が閉状態のとき折り畳まれ支柱１１が展開状態となったときに広がって計測器本体４がタンク１内の液体６を沈降する際の抵抗となる膜１２とを備えたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、タンク内に索を介して吊り下げられ、タンク内の液位等を測定するタンク用計測装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
図１に示すように、ＬＮＧ、オイル等の液体が収容されたタンク１内の天井部２に、索（ロープ、ワイヤ等）３を介して、タンク１内の液位を測定するセンサを有する計測器本体４Ｊを吊り下げた液位計測装置が知られている。センサは、例えば、自身から液面５までの距離を測定する距離センサ等からなり、求めた距離に基づき図示しない演算部によってタンク１内の液位が算出されるようになっている。
【０００３】
なお、タンク１用の液位計測装置として特許文献１、２等に開示されたものが知られているが、これらは計測器本体をタンク内の天井部に索を介して吊り下げたものではなく本発明と直接的な関係はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開平６−３３７７２１号公報
【特許文献２】特開２０００−５６０６４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
ところで、図１にて、計測器本体４Ｊを吊り下げている索３が調整作業中の作業ミス等で切れる場合がある。この場合、計測器本体４Ｊは、落下してタンク１内の液体６を沈降する。従来の計測器本体４Ｊは、液体６を沈降する際の抵抗については特に考慮されていなかった。
【０００６】
計測器本体４Ｊのような三次元物体は、形状及び沈降姿勢によっては沈降する際の抵抗係数が非常に小さくなる。そのため、液体６中を沈降する計測器本体４Ｊは、それほど減速されることなくある程度の速度でタンク底部７に衝突する可能性があり、タンク底部７または計測器本体４Ｊが損傷する虞があった。
【０００７】
そこで、本発明の目的は上記課題を解決し、計測器本体が液中を沈降する際の沈降速度を遅くでき、タンク底部または計測器本体が損傷するのを防ぐことができるタンク用計測装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上記目的を達成するために本発明は、タンク内に索を介して吊り下げられ上下方向に延びるロッド状に形成された計測器本体と、該計測器本体の側面の外側にヒンジを介して取り付けられ、前記計測器本体の側面に沿う閉状態と前記計測器本体に対して水平方向に開く展開状態とに回動可能な複数の支柱と、タンク内に索を介して吊り下げられているときには前記支柱を閉状態に保持し、前記計測器本体が落下して前記タンク内の液面に衝突したとき前記支柱を展開状態とする展開機構と、前記支柱に支柱同士を繋ぐように設けられ、前記支柱が閉状態のとき折り畳まれ前記支柱が展開状態となったときに広がって前記計測器本体が前記タンク内の液体を沈降する際の抵抗となる膜とを備えたものである。
【０００９】
前記ヒンジが前記計測器本体の下部に設けられ、前記支柱が前記計測器本体に対して略直角に開いて展開状態となるものであってもよい。
【００１０】
前記展開機構が、前記計測器本体に対して上下方向に移動可能であり、下降時に前記支柱の先端を保持して前記支柱を閉状態とし、上昇時に前記支柱の先端を解放して前記支柱が展開状態となることを許容する保持解放部材と、前記計測器本体の下方に配置され、前記計測器本体が落下したとき前記タンク内の液面に衝突して上昇する受圧板と、該受圧板と前記保持解放部材とを連結する連結部材とを有していてもよい。
【００１１】
前記支柱が一旦展開状態となった後に閉状態に戻ることを防止する戻り防止機構を更に備えていてもよい。
【００１２】
前記戻り防止機構が、前記支柱に長手方向に沿って形成された溝と、ロッド状に形成され一端が前記計測器本体に回動可能に取り付けられたサポート部材と、該サポート部材の他端に回動可能に取り付けられ前記溝に移動可能に収容されたブロックと、前記溝内に設けられ前記支柱が展開する際に前記ブロックが前記溝内を前記ヒンジに近づく方向に移動することを許容し前記支柱が展開した後に前記ブロックが前記溝内を前記ヒンジから遠ざかる方向に移動することを防止するストッパとを有していてもよい。
【発明の効果】
【００１３】
本発明によれば、計測器本体が液中を沈降する際の沈降速度を遅くでき、タンク底部または計測器本体が損傷するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】タンク及び液位計測装置の概略説明図である。
【図２】本発明の一実施形態に係る液位計測装置の作動説明図であり、（ａ）は支柱が閉状態の液位計測装置、（ｂ）は支柱が展開状態となった液位計測装置を示す。
【図３】本発明の一実施形態に係る液位計測装置の説明図であり、（ａ）は平面図、（ｂ）は（ａ）のIII−III線断面図である。
【図４】図３（ｂ）に示す支柱が展開状態となった液位計測装置の側断面図である。
【図５】（ａ）は図４の部分拡大破断図、（ｂ）は（ａ）のVII−VII線矢視図、（ｃ）は（ａ）のVIII−VIII線断面図である。
【図６】本発明の変形実施形態を示すタンク用液位計測装置の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
本発明の好適実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【００１６】
図１、図２（ａ）、図２（ｂ）に示すように、液位計測装置８は、タンク１内に索３を介して吊り下げられた計測器本体４と、計測器本体４に夫々ヒンジ１０を介して回動可能に取り付けられた複数の支柱１１と、支柱１１同士を繋いで設けられた膜１２とを備えている。
【００１７】
計測器本体４は、上下方向（鉛直方向）に延びるロッド状に形成され、その頂部が索３を介してタンク１内の天井部２に吊り下げられている。計測器本体４の下部には、タンク１内の液位を測定するセンサ９が設けられている。センサ９は、例えば、自身から液面５までの距離を測定する距離センサ等からなる。センサ９で求めた距離は、図示しない演算部に送信され、予め求めておいたセンサ９からタンク底部７までの距離からセンサ９で求めた距離を減ずることで、タンク１内の液位が算出されるようになっている。
【００１８】
ヒンジ１０は、計測器本体４の側面の外側下部に周方向に間隔を隔てて複数設けられている。これらヒンジ１０には、ロッド状に形成された支柱１１の基端が、計測器本体４の側面に沿う閉状態と計測器本体４に対して略直角（水平方向）に開く展開状態とに、上下方向に回動可能に取り付けられている。なお、ヒンジ１０及び支柱１１の数は５個であるが、３個以上の複数であれば構わない。
【００１９】
各支柱１１同士の間には、膜１２が設けられている。膜１２は、支柱１１が閉状態のとき傘が窄まったときのようにコンパクトに折り畳まれ、支柱１１が展開状態となったときに傘が開いたときのように扇型に広がって計測器本体４がタンク１内の液体６中を沈降する際の抵抗となる。膜１２の材質は、低温でも脆化等で破損しない布等が用いられる。なお、タンク１内の液体が低温液体でないなど、膜１２が破損しないようなものである場合には伸縮性のあるゴム等であってもよい。また、膜１２は、各支柱１１同士の間のものが繋がった一体品でもよい。
【００２０】
また、液位計測装置８は、図３（ａ）、図３（ｂ）に示すように、通常時には支柱１１を閉状態に保持し、計測器本体４が落下してタンク１内の液面５に衝突したとき、図４に示すように、支柱１１を展開状態とする展開機構１３を備えている。
【００２１】
展開機構１３は、計測器本体４の上部に挿通された保持解放部材１４と、計測器本体４の下方に配置された受圧板１５と、受圧板１５と保持解放部材１４とを連結する連結部材１６とを有する。
【００２２】
保持解放部材１４は、リング状に形成されると共に径方向内方に延出された延出部１４ｂを有し、計測器本体４の上部に上下方向に移動可能に挿通されている。保持解放部材１４は、下降時には各支柱１１の先端を収容して支柱１１を閉状態に保持し、上昇時には各支柱１１の先端から離脱して支柱１１が展開状態となることを許容するようになっている。なお、保持解放部材１４は、板材に計測器本体４が上下方向に移動可能に挿通される孔を形成すると共に各支柱１１の先端が挿通される孔を複数形成してなるものとしてもよい。
【００２３】
受圧板１５は、図３（ｂ）に示すように計測器本体４の下面から間隔を隔てて水平に配置された板（円板、矩形板等）からなり、計測器本体４が液面５上に落下したとき、液体からの抵抗を受けて上昇するようになっている。受圧板１５には、センサ９の距離計測機能を確保するための窓１７が上下に貫通して設けられている。
【００２４】
受圧板１５と保持解放部材１４とは、連結部材１６によって連結されている。連結部材１６は、図３（ａ）、図３（ｂ）に示すように、上下方向に延びるロッド状に形成されており、計測器本体４の側面を囲むように周方向に間隔を隔てて複数配置されている。連結部材１６の数は、図３（ａ）においては５本であるが、３本以上の複数であれば構わない。
【００２５】
各連結部材１６の下端は受圧板１５の上面に取り付けられ、各連結部材１６の上端は保持解放部材１４の延出部１４ｂに取り付けられている。また、各連結部材１６は、支柱１１よりも径方向内方に配置されており、各支柱１１同士を繋ぐ膜１２は、各連結部材１６よりも径方向外方に配置されている。これにより、支柱１１が閉状態から展開状態となるとき、膜１２が連結部材１６と干渉しないようになっている。
【００２６】
図４に示すように、液位計測装置８は、支柱１１が一旦展開状態となった後に閉状態に戻ることを防止する戻り防止機構１８を備えている。
【００２７】
図５（ａ）、図５（ｂ）及び図５（ｃ）に示すように、戻り防止機構１８は、支柱１１に長手方向に沿って形成された溝１９と、ロッド状に形成され一端が計測器本体４の側部にヒンジ２３を介して回動可能に取り付けられたサポート部材２０と、サポート部材２０の他端に回動可能に取り付けられ溝１９内に移動可能に収容されたブロック２１と、溝１９内に設けられ支柱１１が展開するときブロック２１が支柱１１の先端側からヒンジ１０側に移動することを許容すると共に支柱１１が展開したあとブロック２１がヒンジ１０側から先端側（ヒンジ１０から遠ざかる方向）に移動するのを防止するストッパ２２とを有する。
【００２８】
溝１９は、支柱１１が展開したとき開口１９ａが上部に位置する断面矩形状に形成されると共に、開口１９ａが絞られている。すなわち、溝１９の開口１９ａの横幅は、溝１９の内部の横幅よりも狭く形成されている。
【００２９】
サポート部材２０は各支柱１１に対応するように支柱１１と同じ数だけ配設されている。
【００３０】
ブロック２１は、溝１９の開口１９ａから飛び出さないように開口１９ａよりも横幅が広い略直方体形状に形成されている。ブロック２１の上部には、サポート部材２０の他端にピン２４を介して回動可能に接続される接続部２１ａが上方に突出して形成されている。
【００３１】
ストッパ２２は溝の底部に設けられており、側面視三角形状に形成されている。具体的には、ストッパ２２は、支柱１１が展開する際に溝１９内を先端側からヒンジ１０に近づく方向に移動するブロック２１が乗り上がる斜面部２２ａと、支柱１１が展開状態となった後にブロック２１がヒンジ１０から遠ざかる方向に移動することを防止する垂直部２２ｂとを有する。斜面部２２ａの最頂部と溝１９の天井面１９ｂとの間には、ブロック２１の厚さ（上下方向の寸法）よりも大きな隙間が形成されており、ブロック２１が溝１９内にてストッパ２２を乗り越えられるようになっている。
【００３２】
ブロック２１は、支柱１１が閉状態のとき図５（ａ）にてストッパ２２の右方（ストッパ２２を挟んでヒンジ１０と反対側）に位置しており、支柱１１が展開状態に移行するとき左方（ヒンジ１０に近づく側）に移動してストッパ２２の斜面部２２ａに乗り上がり、支柱１１が完全に展開状態となったとき斜面部２２ａの最頂部を乗り越えて垂直部２２ｂの左方に至る。この垂直部２２ｂによってブロック２１がヒンジ１０から遠ざかる方向に移動することが防止され、一旦展開状態となった支柱１１が閉状態に戻ることが防止される。
【００３３】
本実施形態の作用を述べる。
【００３４】
本実施形態に係る液位計測装置８は、図２（ａ）、図３（ａ）、図３（ｂ）に示すように、支柱１１を閉状態としてタンク１内の天井部２に索３を介して吊り下げられる。支柱１１が閉状態の液位計測装置８は、コンパクトであり、タンク１の天井部２の開口から容易にタンク１の内部に搬入でき、狭隘な開口近傍であっても吊り下げ作業をスムーズに行うことができる。
【００３５】
吊り下げ作業における調整作業中の作業ミス等で索３が切れ、計測器本体４が落下した場合、図３（ｂ）に示すように、計測器本体４の下方に配置された受圧板１５がタンク１内の液面５に衝突し、液体から抵抗を受ける。図４に示すように、受圧板１５と連結部材１６と保持解放部材１４が上昇する。これにより、保持解放部材１４が支柱１１の上方に移動し、支柱１１の先端が保持解放部材１４から解放される。図４に示すように支柱１１が自重によって下方に回動し、水平な姿勢で止まって展開状態となる。なお、ヒンジ１０或いは支柱１１と計測器本体４との間に支柱１１を展開状態に付勢するバネ（図示せず）を設け、このバネの付勢力によって支柱１１を積極的に展開するようにしてもよい。一旦、展開状態となった支柱１１は、図４〜図５に示す戻り防止機構１８によって、既述のように閉状態に戻ることが防止され、展開状態に保持される。
【００３６】
支柱１１が展開状態になると、支柱１１に設けられた膜１２が、図２（ｂ）に示すように、計測器本体４の下部にて略水平に広がる。これにより、液位計測装置８が液体から受ける抵抗が増大して沈降速度が小さくなり、液位計測装置８がタンク底部７に衝突する際の速度が小さくなる。
【００３７】
このように、液位計測装置８がタンク底部７に衝突する際の衝突速度が低下するので、計測器本体４及びタンク底部７の双方の破損が抑制される。また、簡単な構造で計測器本体４及びタンク底部７の破損を抑制できる。また、支柱１１をバネ鋼や樹脂等の十分撓み性を有する材料で製造すれば、仮に液位計測装置８が多少傾いた姿勢でタンク底部７に衝突した場合でも、支柱１１が撓むことで衝撃力を吸収でき、計測器本体４及びタンク底部７の破損をより確実に抑制できる。
【００３８】
図６に本発明の変形実施形態を示す。
【００３９】
この変形実施形態に係るタンク用液位計測装置８ａは、展開機構１３ａ以外は前述の実施形態と同様の構成である。前述の実施形態と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略し、相違点である展開機構１３ａについてのみ述べる。
【００４０】
この変形実施形態に係る展開機構１３ａの機能は前実施形態と同様である。すなわち、この展開機構１３ａも、通常時には支柱１１を閉状態に保持し、計測器本体４が落下してタンク１内の液面５に衝突したとき支柱１１を展開状態とする機能を有する。
【００４１】
かかる展開機構１３ａは、計測器本体４の上部に、上下方向に移動可能に被嵌された保持解放部材２５と、計測器本体４がタンク１内の液面５に衝突したことを検出するためのセンサ９ａと、計測器本体４がタンク１内の液面５に衝突したことをセンサ９ａが検出したとき、保持解放部材２５を上昇させる上昇手段２６とを有する。
【００４２】
保持解放部材２５は、計測器本体４を内包するように環状に形成されたリング部２５ａと、計測器本体４の側面にスライド可能に被嵌された筒状のガイド部２５ｂと、ガイド部２５ｂとリング部２５ａと連結する連結部（図示せず）を有する。保持解放部材２５は、下降時にリング部２５ａの内部に各支柱１１の先端を収容して支柱１１を閉状態に保持し、上昇時にリング部２５ａが各支柱１１の先端から離脱して支柱１１が展開状態となることを許容する。なお、保持解放部材２５は、板材に計測器本体４が上下方向に移動可能に挿通される孔を形成すると共に各支柱１１の先端が挿通される孔を複数形成してなるものとしてもよい。
【００４３】
センサ９ａは、計測器本体４がタンク１内の液面５に衝突した際の衝撃を検出する加速度センサを用いてもよいが、タンク１内の液位を検出するために備えられている距離センサを用い、そのセンサから液面までの距離が零となったときに計測器本体４がタンク１内の液面５に衝突したと判断するようにしてもよい。
【００４４】
上昇手段２６は、センサ９ａの出力に応じて作動されるモータ２７と、モータ２７の回転軸に取り付けられたウォームホイール（はすば歯車）２８と、計測器本体４に上下軸（鉛直軸）周りに回転可能に取り付けられたウォーム（ねじ歯車）２９とを有する。ウォーム２９とウォームホイール２８とは噛み合っており、ウォームギヤを構成する。
【００４５】
なお、上昇手段２６は、モータ２７の回転軸に取り付けられたピニオンと、計測器本体４に取り付けられたラックとから構成されるラック・アンド・ピニオンを用いてもよい。
【００４６】
この変形実施形態に係るタンク１用の液位計測装置８ａにおいても、通常時には支柱１１が閉状態に保持され、計測器本体４が落下してセンサ９ａが液面５に対する衝突を検出したときには支柱１１が展開されるので、前実施形態と同様の作用効果を奏する。
【００４７】
また、計測装置がタンク１内の液位を計測する液位計測装置８、８ａである場合について説明したが、タンク用計測装置はこれに限るものではない。タンク用計測装置はタンク１内に索３を介して吊り下げられる計測装置であれば圧力計測装置等の他のものであってもよい。
【符号の説明】
【００４８】
１ タンク
３ 索
４ 計測器本体
６ 液体
８ 液位計測装置
８ａ 液位計測装置
９ センサ
９ａ センサ
１０ ヒンジ
１１ 支柱
１２ 膜
１３ 展開機構
１４ 保持解放部材
１５ 受圧板
１６ 連結部材
１８ 戻り防止機構
１９ 溝
２０ サポート部材
２１ ブロック
２２ ストッパ
【技術分野】
【０００１】
本発明は、タンク内に索を介して吊り下げられ、タンク内の液位等を測定するタンク用計測装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
図１に示すように、ＬＮＧ、オイル等の液体が収容されたタンク１内の天井部２に、索（ロープ、ワイヤ等）３を介して、タンク１内の液位を測定するセンサを有する計測器本体４Ｊを吊り下げた液位計測装置が知られている。センサは、例えば、自身から液面５までの距離を測定する距離センサ等からなり、求めた距離に基づき図示しない演算部によってタンク１内の液位が算出されるようになっている。
【０００３】
なお、タンク１用の液位計測装置として特許文献１、２等に開示されたものが知られているが、これらは計測器本体をタンク内の天井部に索を介して吊り下げたものではなく本発明と直接的な関係はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開平６−３３７７２１号公報
【特許文献２】特開２０００−５６０６４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
ところで、図１にて、計測器本体４Ｊを吊り下げている索３が調整作業中の作業ミス等で切れる場合がある。この場合、計測器本体４Ｊは、落下してタンク１内の液体６を沈降する。従来の計測器本体４Ｊは、液体６を沈降する際の抵抗については特に考慮されていなかった。
【０００６】
計測器本体４Ｊのような三次元物体は、形状及び沈降姿勢によっては沈降する際の抵抗係数が非常に小さくなる。そのため、液体６中を沈降する計測器本体４Ｊは、それほど減速されることなくある程度の速度でタンク底部７に衝突する可能性があり、タンク底部７または計測器本体４Ｊが損傷する虞があった。
【０００７】
そこで、本発明の目的は上記課題を解決し、計測器本体が液中を沈降する際の沈降速度を遅くでき、タンク底部または計測器本体が損傷するのを防ぐことができるタンク用計測装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上記目的を達成するために本発明は、タンク内に索を介して吊り下げられ上下方向に延びるロッド状に形成された計測器本体と、該計測器本体の側面の外側にヒンジを介して取り付けられ、前記計測器本体の側面に沿う閉状態と前記計測器本体に対して水平方向に開く展開状態とに回動可能な複数の支柱と、タンク内に索を介して吊り下げられているときには前記支柱を閉状態に保持し、前記計測器本体が落下して前記タンク内の液面に衝突したとき前記支柱を展開状態とする展開機構と、前記支柱に支柱同士を繋ぐように設けられ、前記支柱が閉状態のとき折り畳まれ前記支柱が展開状態となったときに広がって前記計測器本体が前記タンク内の液体を沈降する際の抵抗となる膜とを備えたものである。
【０００９】
前記ヒンジが前記計測器本体の下部に設けられ、前記支柱が前記計測器本体に対して略直角に開いて展開状態となるものであってもよい。
【００１０】
前記展開機構が、前記計測器本体に対して上下方向に移動可能であり、下降時に前記支柱の先端を保持して前記支柱を閉状態とし、上昇時に前記支柱の先端を解放して前記支柱が展開状態となることを許容する保持解放部材と、前記計測器本体の下方に配置され、前記計測器本体が落下したとき前記タンク内の液面に衝突して上昇する受圧板と、該受圧板と前記保持解放部材とを連結する連結部材とを有していてもよい。
【００１１】
前記支柱が一旦展開状態となった後に閉状態に戻ることを防止する戻り防止機構を更に備えていてもよい。
【００１２】
前記戻り防止機構が、前記支柱に長手方向に沿って形成された溝と、ロッド状に形成され一端が前記計測器本体に回動可能に取り付けられたサポート部材と、該サポート部材の他端に回動可能に取り付けられ前記溝に移動可能に収容されたブロックと、前記溝内に設けられ前記支柱が展開する際に前記ブロックが前記溝内を前記ヒンジに近づく方向に移動することを許容し前記支柱が展開した後に前記ブロックが前記溝内を前記ヒンジから遠ざかる方向に移動することを防止するストッパとを有していてもよい。
【発明の効果】
【００１３】
本発明によれば、計測器本体が液中を沈降する際の沈降速度を遅くでき、タンク底部または計測器本体が損傷するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】タンク及び液位計測装置の概略説明図である。
【図２】本発明の一実施形態に係る液位計測装置の作動説明図であり、（ａ）は支柱が閉状態の液位計測装置、（ｂ）は支柱が展開状態となった液位計測装置を示す。
【図３】本発明の一実施形態に係る液位計測装置の説明図であり、（ａ）は平面図、（ｂ）は（ａ）のIII−III線断面図である。
【図４】図３（ｂ）に示す支柱が展開状態となった液位計測装置の側断面図である。
【図５】（ａ）は図４の部分拡大破断図、（ｂ）は（ａ）のVII−VII線矢視図、（ｃ）は（ａ）のVIII−VIII線断面図である。
【図６】本発明の変形実施形態を示すタンク用液位計測装置の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
本発明の好適実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【００１６】
図１、図２（ａ）、図２（ｂ）に示すように、液位計測装置８は、タンク１内に索３を介して吊り下げられた計測器本体４と、計測器本体４に夫々ヒンジ１０を介して回動可能に取り付けられた複数の支柱１１と、支柱１１同士を繋いで設けられた膜１２とを備えている。
【００１７】
計測器本体４は、上下方向（鉛直方向）に延びるロッド状に形成され、その頂部が索３を介してタンク１内の天井部２に吊り下げられている。計測器本体４の下部には、タンク１内の液位を測定するセンサ９が設けられている。センサ９は、例えば、自身から液面５までの距離を測定する距離センサ等からなる。センサ９で求めた距離は、図示しない演算部に送信され、予め求めておいたセンサ９からタンク底部７までの距離からセンサ９で求めた距離を減ずることで、タンク１内の液位が算出されるようになっている。
【００１８】
ヒンジ１０は、計測器本体４の側面の外側下部に周方向に間隔を隔てて複数設けられている。これらヒンジ１０には、ロッド状に形成された支柱１１の基端が、計測器本体４の側面に沿う閉状態と計測器本体４に対して略直角（水平方向）に開く展開状態とに、上下方向に回動可能に取り付けられている。なお、ヒンジ１０及び支柱１１の数は５個であるが、３個以上の複数であれば構わない。
【００１９】
各支柱１１同士の間には、膜１２が設けられている。膜１２は、支柱１１が閉状態のとき傘が窄まったときのようにコンパクトに折り畳まれ、支柱１１が展開状態となったときに傘が開いたときのように扇型に広がって計測器本体４がタンク１内の液体６中を沈降する際の抵抗となる。膜１２の材質は、低温でも脆化等で破損しない布等が用いられる。なお、タンク１内の液体が低温液体でないなど、膜１２が破損しないようなものである場合には伸縮性のあるゴム等であってもよい。また、膜１２は、各支柱１１同士の間のものが繋がった一体品でもよい。
【００２０】
また、液位計測装置８は、図３（ａ）、図３（ｂ）に示すように、通常時には支柱１１を閉状態に保持し、計測器本体４が落下してタンク１内の液面５に衝突したとき、図４に示すように、支柱１１を展開状態とする展開機構１３を備えている。
【００２１】
展開機構１３は、計測器本体４の上部に挿通された保持解放部材１４と、計測器本体４の下方に配置された受圧板１５と、受圧板１５と保持解放部材１４とを連結する連結部材１６とを有する。
【００２２】
保持解放部材１４は、リング状に形成されると共に径方向内方に延出された延出部１４ｂを有し、計測器本体４の上部に上下方向に移動可能に挿通されている。保持解放部材１４は、下降時には各支柱１１の先端を収容して支柱１１を閉状態に保持し、上昇時には各支柱１１の先端から離脱して支柱１１が展開状態となることを許容するようになっている。なお、保持解放部材１４は、板材に計測器本体４が上下方向に移動可能に挿通される孔を形成すると共に各支柱１１の先端が挿通される孔を複数形成してなるものとしてもよい。
【００２３】
受圧板１５は、図３（ｂ）に示すように計測器本体４の下面から間隔を隔てて水平に配置された板（円板、矩形板等）からなり、計測器本体４が液面５上に落下したとき、液体からの抵抗を受けて上昇するようになっている。受圧板１５には、センサ９の距離計測機能を確保するための窓１７が上下に貫通して設けられている。
【００２４】
受圧板１５と保持解放部材１４とは、連結部材１６によって連結されている。連結部材１６は、図３（ａ）、図３（ｂ）に示すように、上下方向に延びるロッド状に形成されており、計測器本体４の側面を囲むように周方向に間隔を隔てて複数配置されている。連結部材１６の数は、図３（ａ）においては５本であるが、３本以上の複数であれば構わない。
【００２５】
各連結部材１６の下端は受圧板１５の上面に取り付けられ、各連結部材１６の上端は保持解放部材１４の延出部１４ｂに取り付けられている。また、各連結部材１６は、支柱１１よりも径方向内方に配置されており、各支柱１１同士を繋ぐ膜１２は、各連結部材１６よりも径方向外方に配置されている。これにより、支柱１１が閉状態から展開状態となるとき、膜１２が連結部材１６と干渉しないようになっている。
【００２６】
図４に示すように、液位計測装置８は、支柱１１が一旦展開状態となった後に閉状態に戻ることを防止する戻り防止機構１８を備えている。
【００２７】
図５（ａ）、図５（ｂ）及び図５（ｃ）に示すように、戻り防止機構１８は、支柱１１に長手方向に沿って形成された溝１９と、ロッド状に形成され一端が計測器本体４の側部にヒンジ２３を介して回動可能に取り付けられたサポート部材２０と、サポート部材２０の他端に回動可能に取り付けられ溝１９内に移動可能に収容されたブロック２１と、溝１９内に設けられ支柱１１が展開するときブロック２１が支柱１１の先端側からヒンジ１０側に移動することを許容すると共に支柱１１が展開したあとブロック２１がヒンジ１０側から先端側（ヒンジ１０から遠ざかる方向）に移動するのを防止するストッパ２２とを有する。
【００２８】
溝１９は、支柱１１が展開したとき開口１９ａが上部に位置する断面矩形状に形成されると共に、開口１９ａが絞られている。すなわち、溝１９の開口１９ａの横幅は、溝１９の内部の横幅よりも狭く形成されている。
【００２９】
サポート部材２０は各支柱１１に対応するように支柱１１と同じ数だけ配設されている。
【００３０】
ブロック２１は、溝１９の開口１９ａから飛び出さないように開口１９ａよりも横幅が広い略直方体形状に形成されている。ブロック２１の上部には、サポート部材２０の他端にピン２４を介して回動可能に接続される接続部２１ａが上方に突出して形成されている。
【００３１】
ストッパ２２は溝の底部に設けられており、側面視三角形状に形成されている。具体的には、ストッパ２２は、支柱１１が展開する際に溝１９内を先端側からヒンジ１０に近づく方向に移動するブロック２１が乗り上がる斜面部２２ａと、支柱１１が展開状態となった後にブロック２１がヒンジ１０から遠ざかる方向に移動することを防止する垂直部２２ｂとを有する。斜面部２２ａの最頂部と溝１９の天井面１９ｂとの間には、ブロック２１の厚さ（上下方向の寸法）よりも大きな隙間が形成されており、ブロック２１が溝１９内にてストッパ２２を乗り越えられるようになっている。
【００３２】
ブロック２１は、支柱１１が閉状態のとき図５（ａ）にてストッパ２２の右方（ストッパ２２を挟んでヒンジ１０と反対側）に位置しており、支柱１１が展開状態に移行するとき左方（ヒンジ１０に近づく側）に移動してストッパ２２の斜面部２２ａに乗り上がり、支柱１１が完全に展開状態となったとき斜面部２２ａの最頂部を乗り越えて垂直部２２ｂの左方に至る。この垂直部２２ｂによってブロック２１がヒンジ１０から遠ざかる方向に移動することが防止され、一旦展開状態となった支柱１１が閉状態に戻ることが防止される。
【００３３】
本実施形態の作用を述べる。
【００３４】
本実施形態に係る液位計測装置８は、図２（ａ）、図３（ａ）、図３（ｂ）に示すように、支柱１１を閉状態としてタンク１内の天井部２に索３を介して吊り下げられる。支柱１１が閉状態の液位計測装置８は、コンパクトであり、タンク１の天井部２の開口から容易にタンク１の内部に搬入でき、狭隘な開口近傍であっても吊り下げ作業をスムーズに行うことができる。
【００３５】
吊り下げ作業における調整作業中の作業ミス等で索３が切れ、計測器本体４が落下した場合、図３（ｂ）に示すように、計測器本体４の下方に配置された受圧板１５がタンク１内の液面５に衝突し、液体から抵抗を受ける。図４に示すように、受圧板１５と連結部材１６と保持解放部材１４が上昇する。これにより、保持解放部材１４が支柱１１の上方に移動し、支柱１１の先端が保持解放部材１４から解放される。図４に示すように支柱１１が自重によって下方に回動し、水平な姿勢で止まって展開状態となる。なお、ヒンジ１０或いは支柱１１と計測器本体４との間に支柱１１を展開状態に付勢するバネ（図示せず）を設け、このバネの付勢力によって支柱１１を積極的に展開するようにしてもよい。一旦、展開状態となった支柱１１は、図４〜図５に示す戻り防止機構１８によって、既述のように閉状態に戻ることが防止され、展開状態に保持される。
【００３６】
支柱１１が展開状態になると、支柱１１に設けられた膜１２が、図２（ｂ）に示すように、計測器本体４の下部にて略水平に広がる。これにより、液位計測装置８が液体から受ける抵抗が増大して沈降速度が小さくなり、液位計測装置８がタンク底部７に衝突する際の速度が小さくなる。
【００３７】
このように、液位計測装置８がタンク底部７に衝突する際の衝突速度が低下するので、計測器本体４及びタンク底部７の双方の破損が抑制される。また、簡単な構造で計測器本体４及びタンク底部７の破損を抑制できる。また、支柱１１をバネ鋼や樹脂等の十分撓み性を有する材料で製造すれば、仮に液位計測装置８が多少傾いた姿勢でタンク底部７に衝突した場合でも、支柱１１が撓むことで衝撃力を吸収でき、計測器本体４及びタンク底部７の破損をより確実に抑制できる。
【００３８】
図６に本発明の変形実施形態を示す。
【００３９】
この変形実施形態に係るタンク用液位計測装置８ａは、展開機構１３ａ以外は前述の実施形態と同様の構成である。前述の実施形態と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略し、相違点である展開機構１３ａについてのみ述べる。
【００４０】
この変形実施形態に係る展開機構１３ａの機能は前実施形態と同様である。すなわち、この展開機構１３ａも、通常時には支柱１１を閉状態に保持し、計測器本体４が落下してタンク１内の液面５に衝突したとき支柱１１を展開状態とする機能を有する。
【００４１】
かかる展開機構１３ａは、計測器本体４の上部に、上下方向に移動可能に被嵌された保持解放部材２５と、計測器本体４がタンク１内の液面５に衝突したことを検出するためのセンサ９ａと、計測器本体４がタンク１内の液面５に衝突したことをセンサ９ａが検出したとき、保持解放部材２５を上昇させる上昇手段２６とを有する。
【００４２】
保持解放部材２５は、計測器本体４を内包するように環状に形成されたリング部２５ａと、計測器本体４の側面にスライド可能に被嵌された筒状のガイド部２５ｂと、ガイド部２５ｂとリング部２５ａと連結する連結部（図示せず）を有する。保持解放部材２５は、下降時にリング部２５ａの内部に各支柱１１の先端を収容して支柱１１を閉状態に保持し、上昇時にリング部２５ａが各支柱１１の先端から離脱して支柱１１が展開状態となることを許容する。なお、保持解放部材２５は、板材に計測器本体４が上下方向に移動可能に挿通される孔を形成すると共に各支柱１１の先端が挿通される孔を複数形成してなるものとしてもよい。
【００４３】
センサ９ａは、計測器本体４がタンク１内の液面５に衝突した際の衝撃を検出する加速度センサを用いてもよいが、タンク１内の液位を検出するために備えられている距離センサを用い、そのセンサから液面までの距離が零となったときに計測器本体４がタンク１内の液面５に衝突したと判断するようにしてもよい。
【００４４】
上昇手段２６は、センサ９ａの出力に応じて作動されるモータ２７と、モータ２７の回転軸に取り付けられたウォームホイール（はすば歯車）２８と、計測器本体４に上下軸（鉛直軸）周りに回転可能に取り付けられたウォーム（ねじ歯車）２９とを有する。ウォーム２９とウォームホイール２８とは噛み合っており、ウォームギヤを構成する。
【００４５】
なお、上昇手段２６は、モータ２７の回転軸に取り付けられたピニオンと、計測器本体４に取り付けられたラックとから構成されるラック・アンド・ピニオンを用いてもよい。
【００４６】
この変形実施形態に係るタンク１用の液位計測装置８ａにおいても、通常時には支柱１１が閉状態に保持され、計測器本体４が落下してセンサ９ａが液面５に対する衝突を検出したときには支柱１１が展開されるので、前実施形態と同様の作用効果を奏する。
【００４７】
また、計測装置がタンク１内の液位を計測する液位計測装置８、８ａである場合について説明したが、タンク用計測装置はこれに限るものではない。タンク用計測装置はタンク１内に索３を介して吊り下げられる計測装置であれば圧力計測装置等の他のものであってもよい。
【符号の説明】
【００４８】
１ タンク
３ 索
４ 計測器本体
６ 液体
８ 液位計測装置
８ａ 液位計測装置
９ センサ
９ａ センサ
１０ ヒンジ
１１ 支柱
１２ 膜
１３ 展開機構
１４ 保持解放部材
１５ 受圧板
１６ 連結部材
１８ 戻り防止機構
１９ 溝
２０ サポート部材
２１ ブロック
２２ ストッパ
【特許請求の範囲】
【請求項１】
タンク内に索を介して吊り下げられ上下方向に延びるロッド状に形成された計測器本体と、該計測器本体の側面の外側にヒンジを介して取り付けられ、前記計測器本体の側面に沿う閉状態と前記計測器本体に対して水平方向に開く展開状態とに回動可能な複数の支柱と、タンク内に索を介して吊り下げられているときには前記支柱を閉状態に保持し、前記計測器本体が落下して前記タンク内の液面に衝突したとき前記支柱を展開状態とする展開機構と、前記支柱に支柱同士を繋ぐように設けられ、前記支柱が閉状態のとき折り畳まれ前記支柱が展開状態となったときに広がって前記計測器本体が前記タンク内の液体を沈降する際の抵抗となる膜とを備えたことを特徴とするタンク用計測装置。
【請求項２】
前記ヒンジが前記計測器本体の下部に設けられ、前記支柱が前記計測器本体に対して略直角に開いて展開状態となる請求項１に記載のタンク用計測装置。
【請求項３】
前記展開機構が、前記計測器本体に対して上下方向に移動可能であり、下降時に前記支柱の先端を保持して前記支柱を閉状態とし、上昇時に前記支柱の先端を解放して前記支柱が展開状態となることを許容する保持解放部材と、前記計測器本体の下方に配置され、前記計測器本体が落下したとき前記タンク内の液面に衝突して上昇する受圧板と、該受圧板と前記保持解放部材とを連結する連結部材とを有する請求項１又は２に記載のタンク用計測装置。
【請求項４】
前記支柱が一旦展開状態となった後に閉状態に戻ることを防止する戻り防止機構を備えた請求項１乃至３のいずれかに記載のタンク用計測装置。
【請求項５】
前記戻り防止機構が、前記支柱に長手方向に沿って形成された溝と、ロッド状に形成され一端が前記計測器本体に回動可能に取り付けられたサポート部材と、該サポート部材の他端に回動可能に取り付けられ前記溝に移動可能に収容されたブロックと、前記溝内に設けられ前記支柱が展開する際に前記ブロックが前記溝内を前記ヒンジに近づく方向に移動することを許容し前記支柱が展開した後に前記ブロックが前記溝内を前記ヒンジから遠ざかる方向に移動することを防止するストッパとを有する請求項４に記載のタンク用計測装置。
【請求項１】
タンク内に索を介して吊り下げられ上下方向に延びるロッド状に形成された計測器本体と、該計測器本体の側面の外側にヒンジを介して取り付けられ、前記計測器本体の側面に沿う閉状態と前記計測器本体に対して水平方向に開く展開状態とに回動可能な複数の支柱と、タンク内に索を介して吊り下げられているときには前記支柱を閉状態に保持し、前記計測器本体が落下して前記タンク内の液面に衝突したとき前記支柱を展開状態とする展開機構と、前記支柱に支柱同士を繋ぐように設けられ、前記支柱が閉状態のとき折り畳まれ前記支柱が展開状態となったときに広がって前記計測器本体が前記タンク内の液体を沈降する際の抵抗となる膜とを備えたことを特徴とするタンク用計測装置。
【請求項２】
前記ヒンジが前記計測器本体の下部に設けられ、前記支柱が前記計測器本体に対して略直角に開いて展開状態となる請求項１に記載のタンク用計測装置。
【請求項３】
前記展開機構が、前記計測器本体に対して上下方向に移動可能であり、下降時に前記支柱の先端を保持して前記支柱を閉状態とし、上昇時に前記支柱の先端を解放して前記支柱が展開状態となることを許容する保持解放部材と、前記計測器本体の下方に配置され、前記計測器本体が落下したとき前記タンク内の液面に衝突して上昇する受圧板と、該受圧板と前記保持解放部材とを連結する連結部材とを有する請求項１又は２に記載のタンク用計測装置。
【請求項４】
前記支柱が一旦展開状態となった後に閉状態に戻ることを防止する戻り防止機構を備えた請求項１乃至３のいずれかに記載のタンク用計測装置。
【請求項５】
前記戻り防止機構が、前記支柱に長手方向に沿って形成された溝と、ロッド状に形成され一端が前記計測器本体に回動可能に取り付けられたサポート部材と、該サポート部材の他端に回動可能に取り付けられ前記溝に移動可能に収容されたブロックと、前記溝内に設けられ前記支柱が展開する際に前記ブロックが前記溝内を前記ヒンジに近づく方向に移動することを許容し前記支柱が展開した後に前記ブロックが前記溝内を前記ヒンジから遠ざかる方向に移動することを防止するストッパとを有する請求項４に記載のタンク用計測装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２０１１−１７４８０４（Ｐ２０１１−１７４８０４Ａ）
【公開日】平成２３年９月８日（２０１１．９．８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−３８８０１（Ｐ２０１０−３８８０１）
【出願日】平成２２年２月２４日（２０１０．２．２４）
【出願人】（０００００００９９）株式会社ＩＨＩ (5,014)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年９月８日（２０１１．９．８）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年２月２４日（２０１０．２．２４）
【出願人】（０００００００９９）株式会社ＩＨＩ (5,014)
【Ｆターム（参考）】
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