説明

ターボ機械の圧縮機に流入する空気流をサンプリングするためのシステム

【課題】本発明の実施形態は、吸入システム(100)内を流れる空気流中の腐食成分を測定する空気サンプリングシステム(200)を提供する。
【解決手段】本空気サンプリングシステム(200)は、その中に複数のサンプリングクーポン(265)を固定した空気サンプリングユニット(230)を含むことができる。空気サンプリングシステム(200)の一部は、吸入システム(100)に対して外部から取付けて、該吸入システム(100)を作動させながら、オペレータがサンプリングクーポン(265)にアクセスするのを可能にすることができる。作動中に、本発明の実施形態は、空気サンプリングシステム(200)に連結されたサンプリング管路を有し、サンプリング管路内を流れる空気流は、サンプリングクーポン(265)上を通過し、次に吸入システム(100)に還流する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、総括的にはターボ機械に流入する空気に関し、より具体的には、吸入システムに流入する空気流をサンプリングするためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
それに限定されないが、ガスタービン及び航空機転用エンジンのような幾つかのターボ機械は、流入空気流を圧縮機に向かって送る空気吸入システムを有する。吸入システムは通常、異物及びその他の望ましくない物質を含む空気流を選別除去するフィルタセクションを有する。一般的に、吸入システム及び圧縮機は、その中でターボ機械が作動する環境(周囲条件など)により腐食する可能性がある金属で形成される。工業規格では、環境による腐食速度をモニタする方法が示されている。
【0003】
これらのターボ機械では、その中で該ターボ機械が作動する周囲条件と関連した微小環境を開発することができる。加速空気流量及び圧力を有するこれらの微小環境は一般的に、圧縮機の部品の腐食速度を増大させる。従って、腐食速度を正確に求めるためには、単に周囲条件を測定して、空気流及び微小環境に対する結論を出してはならない。フィルタセクションの下流の空気流をモニタして、圧縮機部品に対する空気流の環境作用を判定すべきである。
【0004】
微小環境内で腐食速度を求める1つの方法は、空気流内にストリップ(以下においては「クーポン」)を配置することである。時間の経過と共に、クーポンは、腐食状態になりかつ破損する。使用者は、クーポン及び破損時点をモニタする。クーポンを試験室に送って、破損を引き起こした1種以上の腐食成分を判定することができる。
【0005】
腐食速度を求める上記の方法について幾つかの懸案事項が存在する。吸入システム内のクーポンは、吸気中で腐食し、遊離しかつ投射物となり、場合によっては圧縮機部品に対して損傷を生じさせる可能性がある。さらに、吸入チャネル内にクーポンを配置することにより、流動歪み波を発生させる可能性があり、この流動歪み波もまたターボ機械部品を損傷させるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4978506号明細書
【特許文献2】米国特許第5353650号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述の理由により、吸入システム内を流れる空気流中の腐食成分を測定するシステムに対する必要性が存在する。そのシステムは、吸入システムの腐食速度をモニタするものでなければならない。そのシステムは、使用時に歪み波を発生させてはならない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態では、吸入システム用のサンプリングシステムを提供し、本サンプリングシステムは、吸入システム内を流れる空気流中の腐食成分を測定する1以上のサンプリングユニットを含み、1以上のサンプリングユニットは、該1以上のサンプリングユニットの内部部分にアクセスする蓋と、内部部分内に設けられたサンプリング室と、サンプリング室を通る空気流を移動させるのを助ける空気増幅器とを含み、サンプリング室は、1以上の位置を定めかつ該1以上の位置に1以上のサンプリングクーポンを取付けることができるように、該1以上のサンプリングクーポンを固定する取付けシステムと、供給管路に隣接して設置された上流部分及び吐出管路に隣接して設置された下流部分を含みかつ該上流及び下流部分が略サンプリング室の幅にわたって延びるようにして、1以上のサンプリングクーポン上を流れるように空気流を導く整流器と、その深さが略サンプリング室の深さに等しくかつ整流器の下流部分と吐出管路との間に設置されるようにして、空気流から異物を濾過するフローバランサとを含み、空気流の一部分が、供給管路に流入し、サンプリング室を通って流れ、吐出管路を介して流出しかつ吸入システムに再流入するようになる。
【0009】
本発明のこれらの及びその他の特徴、態様並びに利点は、図面全体を通して同じ参照符号が同様の要素を表わしている添付図面を参照して以下の詳細な説明を読むことにより、一層良好に理解されるようになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態が作動することができる環境を示す概略図。
【図2】本発明の実施形態による空気サンプリングシステムの斜視図を示す概略図。
【図3】本発明の実施形態による、サンプリングクーポンを取付けていない状態での空気サンプリングシステムの斜視図を示す概略図。
【図4】本発明の実施形態による、サンプリングクーポンを取付けた状態での空気サンプリングシステムの斜視図を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
好ましい実施形態の以下の詳細な説明は、本発明の特定の実施形態を示す添付図面を参照している。異なる構造及び作動を有するその他の実施形態も、本発明の技術的範囲から逸脱するものではない。
【0012】
本明細書では、専ら読者の便宜のために特定の用語を使用しており、本発明の技術的範囲に対する限定として捉えるべきではない。例えば、「上部」、「下部」、「左側」、「右側」、「前方」、「後方」、「頂部」、「底部」、「水平方向」、「垂直方向」、「上流側」、「下流側」、「前部」、「後部」及び同様のもののような用語は、図に示す構成を単に説明しているに過ぎない。実際に、本発明の実施形態の1以上の要素は、あらゆる方向に配向することができ、従って、特に明記しない限り、この用語は、種々の変形形態を含むものとして理解されたい。
【0013】
本発明の実施形態は、ターボ機械の吸入システム内を流れる空気流中の腐食成分を測定する空気サンプリングシステムを提供する。本空気サンプリングシステムは、その内部に複数のサンプリングクーポンを固定した空気サンプリングユニットを含むことができる。空気サンプリングユニットの一部は、吸入システムに対して外部から取付けて、ターボ機械が作動状態にある間に、オペレータがサンプリングクーポンにアクセスするのを可能にすることができる。
【0014】
作動中に、本発明の実施形態は、空気サンプリングユニットに連結されたサンプリング管路を有し、サンプリング管路内を流れる空気流は、サンプリングクーポン上を通過し、次に吸入システムに還流する。クーポンは、モニタされ、次に空気流中の腐食成分のレベルを判定するために取り外される。クーポンの腐食速度は、ブレード及びその他の部品のような圧縮機部品上に発生した点食(ピッチング)に相関させることができる。この相関関係は、ターボ機械の保守整備スケジュールなどを作成するのに役立てることができる。
【0015】
次に、幾つかの図全体を通して様々な参照符号が同様の要素を表わしている図を参照すると、図1は、本発明の実施形態が作動することができる環境を示す概略図である。図1は、一般的にはターボ機械(図示せず)の圧縮機145と統合されている吸入システム100を示す。以下の説明は、吸入システム100の一般的な構成の概要を示しているが、本発明は、図には示していない吸入システム100のその他の構成で使用することもできる。
【0016】
吸入システム100には、圧縮機145によって引き込まれた空気流が流れる。空気流は通常、その中でターボ機械が作動する環境から供給される。最初に、空気流は、ウェザフード105の周りを流れ、ウェザフード105は、雨、雪などのような気候要素が圧縮機145に流入するのを防止することができる。空気流は次に、吸入フィルタハウジング110を通って流れ、吸入フィルタハウジング110により一般的に、空気流から異物及び塵を除去することができる。次に、空気流は、それに限定されないが、水洗システムのような冷却モジュール115を通って流れることができる。次に、空気流は、トランジションピース120及び吸入ダクト125を通って流れ、これらの部品により、空気流の速度及び圧力を調整することができる。次に、空気流は、消音器セクション130を通って流れることができる。次に、空気流は、吸入ブリード加熱システム135を通って流れ、吸入ブリード加熱システム135により一般的に、該空気流の温度を上昇させた後に圧縮機145に流入させることができる。塵よけスクリーン140又は同様のものは、吸入ダクト125の下流に設置することができ、一般的には塵が圧縮機145に流入するのを防止する働きをする。
【0017】
本発明の実施形態では、複数の空気サンプリングシステム200を設けることができ、各システム200は、吸入システム100上の様々な位置に配置される。図1に示すように、第1の空気サンプリングシステム200は、吸入フィルタハウジング110の上流に配置することができ、第2の空気サンプリングシステム200は、吸入フィルタハウジング110の下流に配置することができ、また第3の空気サンプリングシステム200は、吸入消音器セクション130の下流に配置することができる。
【0018】
図2は、本発明の実施形態による空気サンプリングシステム200の斜視図を示す概略図である。空気サンプリングシステム200の実施形態の部品には、複数の換気孔210を有することができるウェザフード205と、空気流供給管路215と、空気増幅器220と、空気流吐出管路225と、蓋235を有するサンプリングユニット230とを含むことができる。
【0019】
図2〜図4に示すように、ウェザフード205は、それに限定されないが、太陽、雨、みぞれ、雪、あられ又は同様のもののような要素からサンプリングユニット230の一部分を遮蔽することができる。換気孔210は、ウェザフード205の一側面又は両側面上に存在させることができ、サンプリングユニット230の周りでの空気循環を増加させることができる。ウェザフード205は、その中にサンプリングユニット230が露出した環境に耐えることができるあらゆる材料で形成することができる。例えば、それに限定されないが、ウェザフード205は、ステンレス鋼、プラスチック又は同様のもので形成することができる。
【0020】
供給管路215は、吸入システム100の内部部分をサンプリングユニット230と結合する働きをする。供給管路215は、吸入システム100に連結された第1の端部及びサンプリングユニット230の吸入部分に連結された第2の端部を含むことができる。供給管路215は、吸入システム100及び空気サンプリングシステム200の作動環境に耐えることができるあらゆる材料で形成することができる。供給管路215は、サンプリングユニット230に流入する空気流の所望の圧力、流量及び速度が得られるような寸法にすることができる。
【0021】
吐出管路225は、サンプリングユニット230の吐出部分を吸入システム100と結合する働きをする。吐出管路225は、吸入システム100に連結された第1の端部及びサンプリングユニット230の出口部分に連結された第2の端部を含むことができる。吐出管路225は、吸入システム100及び空気サンプリングシステム200の作動環境に耐えることができるあらゆる材料で形成することができる。吐出管路225は、サンプリングユニット230から流出する空気流の所望の圧力、流量及び速度が得られるような寸法にすることができる。本発明の実施形態は、空気増幅器220を備えた吐出管路225を含むことができる。空気増幅器220は、サンプリングユニット230を通して空気流を移動させる働きをする。空気増幅器220は、例えば、それに限定されないが、図3及び図4に示しかつ下記に説明するサンプリングクーポン265上に空気流を引き込むサクションファンの形態を取ることができる。空気増幅器220の物理的特性は一般的に、その中で空気サンプリングシステム200が作動する吸入システム100及びターボ機械のタイプによって決定される。本発明の実施形態では、空気増幅器220は、ターボ機械サイトでは普通である加圧空気供給源のみを必要とすることになる。
【0022】
サンプリングユニット230により、空気サンプリングシステム200が吸入システム100から空気流を取出し、該空気流を複数のサンプリングクーポン265上に分配し、次に該空気流を吸入システム100内に再噴射することが可能になる。蓋235により、サンプリングユニット230が空気流中の腐食成分を測定するためのシール環境を形成することが可能になる。本発明の実施形態では、蓋235は、透明な材料で形成することができる。この場合、使用者は、蓋235を開かない状態でサンプリングクーポン265を観察することができる。蓋235はまた、ターボ機械が作動している間に使用者がサンプリングクーポン265を取り外し及び/又は交換するのを可能にする。
【0023】
本発明の別の実施形態では、蓋235は、外部セクション及び内部セクションを含む。この場合、外部セクションは、サンプリングユニット230を囲む働きをすることができ、全体的カバーとなる。外部セクションは、内部セクションを保護しかつサンプリングユニット230の内部部品を遮蔽する材料で形成することができる。この材料は、例えば、それに限定されないが、サンプリングユニット230の外部部分と同じ材料とすることができる。外部セクションは、サンプリングユニット230を露出させることができる環境作用から保護することができる。これらの作用は、例えば、それに限定されないが、紫外線、放射熱、塵、降水又はそれらの組合せである可能性がある。
【0024】
蓋235のこの実施形態の内部セクションは、サンプリングユニット230の外部セクションと内部部品との間でのシースルーバリヤとして機能させることができる。内部セクションは、サンプリングユニット230内のシーリング環境を維持するのを助けることができる。内部セクションは、環境に露出させないでサンプリング室の内部部品を観察するのを可能にする透明な材料で形成することができる。
【0025】
この別の実施形態では、空気サンプリングシステム200の一体性を損なわずに、使用者が、サンプリングユニット230の内部部品を観察することが可能になる。この場合、空気サンプリングシステム200のシーリングを維持することができる。
【0026】
次に図3及び図4を参照する。図3は、本発明の実施形態による、蓋235を取り外した状態でのかつサンプリングクーポン265を取付けていない状態での図2のサンプリングユニット230の斜視図を示す概略図である。図4は、本発明の実施形態による、蓋235を取り外した状態でのかつサンプリングクーポン265を取付けた状態での図2のサンプリングユニット230の斜視図を示す概略図である。
【0027】
サンプリングユニット230は、サンプリング室240と、取付けシステム245と、整流器250と、フローバランサ255と、断熱材260と、サンプリングクーポン265(図4に示す)とを含むことができる。サンプリング室240は、サンプリングユニット230内で空気流がサンプリングクーポン265と接触する領域と考えることができる。サンプリング室240は、1以上のサンプリングクーポン265を固定することができる1以上の取付けシステム245を有することができる。サンプリング室240は、空気流が各サンプリングクーポン265を横切って均一に流れるのを可能にするのに十分なほど大きい面積を含む。サンプリング室240は一般的に、空気流がその全体内に流れるのを可能にする。整流器250により、サンプリング室240の前部及び後部境界壁を形成することができる。整流器250は、サンプリングユニット230内での圧力低下を付加しかつ空気流の流量をバランスさせるのを助けて、サンプリングクーポン265を横切る均一な流れを可能にする。整流器250は、それに限定されないが、例えばメッシュスクリーン、ハニカム流れ分離器、有孔シート又は同様のものの形態を有することができる。整流器250の幅は、サンプリング室240の幅と同じとすることができる。
【0028】
本発明の別の実施形態では、整流器250は、前部部分と、後部部分と、前部及び後部部分間のフィルタセクションとを含む。この場合、フィルタセクションは、空気流中の及び/又はサンプリングクーポン265上の塵の幾らかを捕捉する働きをする。
【0029】
上流側フローバランサ255は、供給管路215に隣接して設置することができ、また下流側フローバランサ255は、吐出管路225(図2に示す)に隣接して設置することができる。各フローバランサ255は、例えば、それに限定されないが、ワイヤメッシュスクリーンの形態を有することができる。フローバランサ255は、流れを均一な状態でサンプリングクーポン265上に導くことができる。上流側フローバランサ255はまた、塵及びその他の異物がサンプリングクーポン265に衝突するのを防止することができる。下流側フローバランサ255もまた、サンプリングユニット230内の塵及びその他の異物がサンプリング室240から流出しかつ吸入システム100に流入するのを防止することができる。各フローバランサ255の寸法は、供給管路215又は吐出管路225の直径に対応するのに充分なものとすることができる。
【0030】
サンプリングユニット230は、前述の部品を収納するボックスの形態を有することができる。本発明の別の実施形態では、サンプリングユニット230は、双設壁間に断熱材260を備えた二重壁構造の形態を有することができる。この場合、図3及び図4に示すように、金属フランジが双設壁を結合しかつ断熱材260の一部分を覆うことができる。断熱材260により、外部熱からサンプリング室240を断熱するのを保証することができる。断熱材260は、サンプリング室240を、空気流が導出される吸入システム100の領域と同じ温度及び湿度に維持するのを助けることができる。断熱材260は、例えば、それに限定されないが、ロックウールタイプの材料又は同様のものの形態を有することができる。本発明の実施形態では、断熱材260は、約25ミリメートル〜約75ミリメートルの厚さを有することができる。
【0031】
図4に示すように、サンプリングクーポン265は、矩形形状を有することができ、かつ取付けシステム245に取付けられる。取付けシステム245は、サンプリングクーポン265を、各サンプリングクーポン265が他のサンプリングクーポン265から電気的に絶縁されるように配置することができる。取付けシステム245の実施形態は、サンプリングクーポン265を、例えば、それに限定されないが、垂直構成として配置することができる。
【0032】
本発明の実施形態は、それに限定されないが、炭素鋼、合金鋼、銅、アルミニウム、亜鉛、その他の合金又は同様のもののような材料で製作したサンプリングクーポン265を使用することができる。本発明の実施形態では、約50個のサンプリングクーポン265を固定することができる取付けシステム245を備えたサンプリングユニット230を設けることができる。本発明の実施形態のサンプリングユニット230は、異なるタイプの材料で形成された様々なタイプのサンプリングクーポン265を含むことができる。このことは、使用者が、空気流中に存在する様々なタイプの腐食成分についてのデータを収集するのを可能にすることができる。このことはまた、使用者が、圧縮機145部品材料で形成したサンプリングクーポン265を使用するのを可能にすることができる。
【0033】
使用中に、吸入システム100の一部分、サンプリングユニット230、供給管路215及び吐出管路225は、閉ループ流れ経路を形成するように連結される。空気増幅器220は一般的に、サンプリングユニット230を、吸入システム100内の圧力と同じ圧力に保つようにする。サンプリングユニット230は、各サンプリングクーポン265上を流れる空気流の僅かな部分を受けることができる。最終的に、空気流中の腐食成分は、サンプリングクーポン265を破損させることになる。フローバランサ255により、1以上の破損サンプリングクーポン265が吸入システム100に流入するのが防止される。ターボ機械が作動している状態で、使用者は、その破損クーポン265を新しいクーポン265と交換することができる。破損クーポン265を分析して、例えば、それに限定されないが、空気流中の腐食成分のタイプ及び過酷度を判定することができる。
【0034】
本発明の実施形態では、供給管路からの空気流の流量は、約100lb/sec〜約2000lb/secの範囲にある。供給管路215がサンプリング室240に流入する場所に隣接した位置における圧力は、およそ周囲圧力〜約0.5インチ水柱の範囲にすることができる。サンプリングユニット230に吐出管路225を連結した場所に隣接した位置における圧力は、約1.0インチ水柱〜約3.0インチ水柱の範囲にすることができる。サンプリング室240内における空気流の流量は、ボックス内のサンプリングクーポン265の数に応じて変化し、約10CFM〜約100CFMの範囲にすることができる。サンプリングユニット230は、前述の圧力及び流量、並びにそれに対してサンプリングユニット230を露出させることができる環境要素に耐えることができる1つの又は複数のあらゆる材料で形成することができる。例えば、それに限定されないが、サンプリングユニット230の実施形態は、ステンレス鋼で形成することができる。
【0035】
本発明はその幾つかの例示的な実施形態のみに関してかなり詳細に図示しかつ説明してきたが、本発明の新規な教示及び利点から実質的に逸脱することなく、特に前述の教示に照らして、開示した実施形態に対して様々な変更、省略及び付加を行うことができるので、本発明をそれらの実施形態に限定することを意図するものではないことを当業者には理解されたい。従って、提出した特許請求の範囲で定まる本発明の技術思想及び技術的範囲内に含むことができる全てのそのような変更、省略、付加及び均等物を保護することを意図している。
【符号の説明】
【0036】
100 吸入システム
105 ウェザフード
110 吸入フィルタハウジング
115 冷却モジュール
120 トランジションピース
125 吸入ダクト
130 消音器セクション
135 吸入ブリード加熱
140 塵よけスクリーン
145 圧縮機
200 空気サンプリングシステム
205 ウェザフード
210 換気孔
215 供給管路
220 空気増幅器
225 吐出管路
230 サンプリングユニット
235 蓋
240 サンプリング室
245 マウント
250 整流器
255 フローバランサ
260 断熱材
265 サンプリングクーポン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入システム(100)用のサンプリングシステム(200)であって、
前記吸入システム(100)内を流れる空気流中の腐食成分を測定する1以上のサンプリングユニット(230)を含み、前記1以上のサンプリングユニット(230)が、
該1以上のサンプリングユニット(230)の内部部分にアクセスする蓋(235)と、
前記内部部分内に設けられたサンプリング室(240)と、
前記サンプリング室(240)を通る空気流を移動させるのを助ける空気増幅器(220)と、
を含み、前記サンプリング室(240)が、
1以上の位置を定めかつ該1以上の位置に1以上のサンプリングクーポン(265)を取付けることができるように、該1以上のサンプリングクーポン(265)を固定する取付けシステム(245)と、
供給管路(215)に隣接して設置された上流部分及び吐出管路(225)に隣接して設置された下流部分を含みかつ該上流及び下流部分が略前記サンプリング室(240)の幅にわたって延びるようにして、前記1以上のサンプリングクーポン上を流れるように前記空気流を導く整流器(250)と、
その深さが略前記サンプリング室(240)の深さに等しくかつ前記整流器(250)の下流部分と前記吐出管路(225)との間に設置されるようにして、前記空気流から異物を濾過するフローバランサ(255)と、を含み、
前記空気流の一部分が、前記供給管路(215)に流入し、前記サンプリング室(240)を通って流れ、前記吐出管路(225)を介して流出しかつ前記吸入システム(100)に再流入するようになる、
システム。
【請求項2】
前記1以上のサンプリングユニット(230)の外周辺部と前記サンプリング室(240)の境界部との間に配置されるようにして、該サンプリング室(240)の環境に対する外部気象条件の影響を減少させる断熱材(260)をさらに含む、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記蓋(235)が外部セクション及び内部セクションを含み、
前記外部セクションが前記サンプリングユニット(230)を囲みかつ前記内部セクションを遮蔽する、
請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記内部セクションが、前記蓋(235)を閉鎖した状態で前記サンプリング室(240)を観察するのを可能にする透明材料で構成される、請求項3記載のシステム。
【請求項5】
該サンプリングシステム(200)が、前記吸入システム(100)の外側に取付けられる、請求項1記載のシステム。
【請求項6】
前記取付けシステム(245)が前記サンプリング室(240)内に複数のサンプリングクーポン(265)を取付けることができる1以上のシェルフを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項7】
前記空気流の圧力が約0.5インチ水柱〜約マイナス5.0インチ水柱の範囲を含む、請求項1記載のシステム。
【請求項8】
前記取付けシステム(245)が各サンプリングクーポン(265)を他のサンプリングクーポン(265)から電気的に絶縁する、請求項6記載のシステム。
【請求項9】
前記整流器(250)の上流部分と前記供給管路(215)との間に設置された第2のフローバランサ(255)をさらに含む、請求項1記載のシステム。
【請求項10】
前記複数のサンプリングクーポン(265)が該複数のサンプリングクーポン(265)の各々に前記空気流が均一に流れるように配置される、請求項6記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−25935(P2010−25935A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−166225(P2009−166225)
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】