説明

ダイヤモンドナイフ刃先保護用治具

【課題】本発明は、ウルトラミクロトーム用ダイヤモンドナイフについて、ダイヤモンド製の刃先が破損する危険を軽減することを課題する。
【解決手段】上記課題を解決するための手段として、本発明では、ウルトラミクロトーム用ダイヤモンドナイフの本体(3)に装着する治具(1,2)であって、ダイヤモンドナイフ転倒時にダイヤモンド製の刃先(4)を保護することを特徴とするダイヤモンドナイフ刃先保護用治具としたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子顕微鏡観察用の超薄切片試料を作製するに際して使用するウルトラミクロトーム(切片切断器)に使用される切削工具を保護する技術に関し、特に刃先をダイヤモンドで形成されたウルトラミクトーム用ダイヤモンドナイフを保護することに好適に使用できるものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ウルトラミクロトーム用ダイヤモンドナイフは生物試料、高分子試料、複合材料、軟らかい金属等の構造解析あるいは元素分析をするために、電子顕微鏡で観察する超薄切片試料を作製するための切断用具として用いられるものである。
【0003】
従来、ウルトラミクロトーム用ダイヤモンドナイフは、図2に示すように、本体3下部を固定して使用するため、下部より上部が大きくなっているものがあり、その形状から重心が高くなっているものがある。このため、重心の高い構造であると持ち運び時やミクロトームへの取り付け時に不安定になり、ダイヤモンドナイフが転倒し、ダイヤモンド製の刃先4に傷がつくことや、破損してしまう危険があった。また、取り扱い時の不注意により刃先4に触れてしまい、刃先4を傷つける危険があった。
【0004】
ウルトラミクトーム用ダイヤモンドナイフは数十nmの厚さに超薄切片を切削するため、数十nmの傷等があってはならない。
【0005】
従来、ウルトラミクトーム用ダイヤモンドナイフの転倒を防止するために、支持体の底辺部に支持体材料よりも比重の重い材質を挿入または接合することを図ることが行われている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】登録実用新案第3017316号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来、ウルトラミクトーム用ダイヤモンドナイフ本体に治具を取り付け、転倒した際でもダイヤモンド製の刃先がぶつからないように保護するものはなかった。
【0007】
本発明は斯かる従来技術に鑑みてなされたもので、ダイヤモンド製の刃先が破損する危険を軽減することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するものとして、請求項1に記載の本発明は、ウルトラミクロトーム用ダイヤモンドナイフの本体に装着する治具であって、ダイヤモンドナイフ転倒時にダイヤモンド製の刃先を保護することを特徴とするダイヤモンドナイフ刃先保護用治具である。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の本発明より、ウルトラミクロトーム用ダイヤモンドナイフにおいて、ナイフ本体に治具を装着することにより、ナイフ転倒時にダイヤモンド製の刃先を保護することができる。
【0010】
このため、ナイフ転倒等によるダイヤモンド製刃先の破損等を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、ウルトラミクロトーム用ダイヤモンドナイフに装着する刃先保護用の治具である。以下、本発明の実施形態を、実施例により具体的に説明する。
【実施例】
【0012】
本発明の実施例であるウルトラミクトーム用のダイヤモンドナイフ刃先保護用治具は、図1に示すように、ダイヤモンドナイフ本体3に装着する装着部1と刃先4を保護する保護部2からなり、これら装着部1と保護部2とを接合したものである。
【0013】
装着部1は、比重の重い材料、保護部2は、比重の軽い材料で構成することにより、本実施例のダイヤモンドナイフ刃先保護用治具を装着しても、ダイヤモンドナイフの重心が高くならない。
【0014】
比重の重い材料として鉄、ニッケル、タングステン等の金属または合金、タングステン重合金等がある。
【0015】
比重の軽い材料としてアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリエステル樹脂(PET,PBT,PCT,PEN)、アクリル樹脂等がある。
【0016】
装着部1をダイヤモンドナイフ本体3に装着する方法として、ゴム式、バネ式、ネジ式等がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施例の刃先保護用治具を装着したダイヤモンドナイフの、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図2】ダイヤモンドナイフの、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【符号の説明】
【0018】
1…装着部
2…保護部
3…ダイヤモンドナイフ本体
4…ダイヤモンド製刃先

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウルトラミクロトーム用ダイヤモンドナイフの本体に装着する治具であって、ダイヤモンドナイフ転倒時にダイヤモンド製の刃先を保護することを特徴とするダイヤモンドナイフ刃先保護用治具。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−47531(P2009−47531A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−213473(P2007−213473)
【出願日】平成19年8月20日(2007.8.20)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】