説明

ダイヤルにニードルを備えた、ソックス用サーキュラー編み機

【解決手段】ダイヤルにニードルを備えた、男性ソックス用サーキュラー編み機であって、ダイヤルニードルを選択的に移動させて、その選択されたダイヤルニードルをステッチの形成に従事させ且つ選択されなかったダイヤルニードルをステッチの形成から除外させることの可能なダイヤルニードルセレクター機構を有している。更に、この編み機は、シリンダーからダイヤルへステッチの移送を繰り返し実施することができる。また、この編み機は、形成されたソックスを引っ張るための機械的牽引機構を備えている。更に、この編み機は、セレクターロッドの変形を規制し且つアクチュエーターに及ぼされる不都合な影響又はステッチの形成における欠点を低減させる手段を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイヤルにニードルを備えたタイプの、男性ソックス用のサーキュラー編み機(circular knitting machine)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
公知のように、男性ソックス用のサーキュラー編み機は、単一シリンダーを備えたタイプのものと、ダブルシリンダーを備えたタイプのものとに主として大別することができる。
【0003】
単一シリンダーを備えたタイプの編み機は、簡単な機能システムを有し、安価に製造及びメインテナンスすることができるが、ダブルシリンダーを備えたタイプのものと相違して、或る種のステッチ(stitch)を再現することができない。
【0004】
ダイヤルにニードルを備えた単一シリンダータイプの編み機は、簡単な単一シリンダー編み機と比較して広範囲な編みを実施することができるが、ダブルシリンダー編み機で可能なあらゆる種類の編みを実施することはできない。
【0005】
然しながら、多色デコレーションパターンを有するニット地の製造に関連するような或る種の製造においては、着色されたヤーンを切断することが必要とされ、それは、単一シリンダータイプの編み機がシリンダーの上にカッターを備えているために、単一のシリンダータイプの編み機においてのみ可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、広範な範囲の編み処理を可能にして、この種の編み機の利点を維持しつつ上述の欠点を克服することを可能にさせる、ダイヤル上にニードルを備えた、男性ソックス用サーキュラー編み機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、特許請求の範囲の請求項1に記載の、ダイヤル上にニードルを備えた単一シリンダー編み機によって達成される。請求項1に従属する請求項には、本発明による編み機の様々な実施形態が記載されている。
【0008】
本発明による編み機の特徴及び利点については、添付図面を用いて後述した、本発明を何ら限定するものではない実施形態についての説明を参酌することにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る編み機の断面図である。
【図2】図2は、図1に示した編み機のセレクターロッドの端部を示した図である。
【図3】図3は、ダイヤルニードルを動かすための機構を含んだ、図1に示した編み機のアップツイスターを示した図である。
【図4a−4f】図4a〜4fは、一つのソックスの製造中にステッチをシリンダーからダイヤルへの移送を繰り返し実施することの可能な、本発明の実施形態の変形例に係る編み機の一連の編み加工処理を示した図である。
【図5−6b】図5,6a及び6bは、本発明による実施形態の別の変形例に係る編み機を示した図である。
【図7a−11b】図7a,7b,8,9,10a,10b,11a及び11bは、本発明による実施形態の更に別の変形例に係る編み機を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付図面を参照すると、本発明による、男性ソックスを製造するためのサーキュラー編み機全体が参照符号1で示されている。
【0011】
茲で、「男性ソックス用編み機」とは、ステッチ(stitch)の寸法に対する、用いられる糸又はヤーンの公称寸法の割合が、高レベルのカバー範囲(coverage)を備えた、換言すると、典型的な婦人ストッキングのシームレスと反対の特徴を備えたニット地を作り出しているような製品を生産することのできるようなタイプの、靴下類用編み機を意味する。換言すると、用語「男性ソックス」とは、製造された製品の固有の特性に係るもので、その製品の現実の使用に係るものではない。
【0012】
編み機1は、中空のシリンダー2を有し、そのシリンダー2は、回転軸Xを中心に制御可能な態様で回転することができ、その外表面に複数の軸線方向の溝4を有している。
【0013】
また、編み機1は、シリンダー2の軸線方向溝4に沿ってスライド可能なように保持された複数のシリンダーニードル6を有している。
【0014】
更に、編み機1は、シリンダー2と同軸的にシリンダー2の外部に配置されたドラム(図示せず)を有し、このドラムはシリンダーの回りを回転することができるように構成されている。
【0015】
また、編み機1は、シリンダーニードルを移動させるための駆動機構を有し、この機構は、シリンダーニードル6を、下限位置と下限位置よりも軸線方向で高い位置である上限位置との間を交互に並進させることができるよう構成されている。
【0016】
駆動機構は、ドラムに連結された複数のカムを有し、これらカムは、シリンダーニードルと確実に係合して必要に応じてシリンダーニードルを昇降動させる作動面を有している。
【0017】
更に、編み機1は、シリンダー2を同軸的に取り囲んでいる固定外部クラウン8(fixed external crown)を有し、この外部クラウン8は、回転軸Xに対して放射方向に位置した複数のクラウン溝10を有している。
【0018】
加えて、編み機1は、クラウン溝10に沿ってスライド可能に保持された複数のシンカー(sinker)12と、それらシンカー12を後方限度位置と後方限度位置よりも放射方向内側の位置である前方限度位置との間を交互に並進させることの可能な駆動機構を有している。
【0019】
更に、編み機1は、シリンダー2上に同軸的に載置されるように配置されたダイヤル14を有し、そのダイヤル14はシリンダー2の回転軸Xを中心にして回転できるようになっている。
【0020】
より詳しくは、編み機1は、回転軸Xに沿って伸びてダイヤル14上に載置されたダイヤルシャフト15を有し、このダイヤルシャフト15は、ダイヤル14を回転させるためにダイヤル14の下端に連結され、ダイヤルシャフトの他端はモータを備えた手段に係合されている。
【0021】
ダイヤル14は、例えば、シリンダーニードルと同数の複数のダイヤルニードル18に加えて、放射方向に伸びてシリンダー2の外表面の仮想の軸線方向延長線の内側内に形成された放射方向溝16を有している。ダイヤルニードル18は、ダイヤル14の放射方向溝16に沿ってスライド可能なように保持されている。
【0022】
更に、編み機1は、ダイヤルニードル18を移動させるための駆動機構を有している。この駆動機構は、ダイヤルニードルと係合して、ダイヤルニードルを、後方限度位置と後方限度位置よりも放射方向外側の位置である前方限度位置との間を交互に並進させることができるように構成されている。
【0023】
例えば、編み機1は、ダイヤル14の上に同軸的に固定配置された環状カバー20を有し、ダイヤルニードルを移動させるための駆動機構は、カバー20に取り付けられた複数のカム22を有し、それ故、ダイヤルが回転させられると、カム22がダイヤルニードルと係合してダイヤルニードルを放射方向へ並進させる。
【0024】
加えて、編み機1は、ソックスを製造するための少なくとも一つのヤーンを供給することのできる少なくとも一つのヤーン−フィンガー(図示せず)を有している。
【0025】
シリンダーニードル6とダイヤルニードル18とシンカー12は協働してヤーンをより合わせて、ソックスを構成するステッチを形成する。
【0026】
更に、編み機1は、ダイヤルニードルセレクター(dial needleselectors)を有している。このダイヤルニードルセレクターは、ダイヤルニードルを選択的に移動させて解除位置から係合位置へと並進させることができるよう構成されている。その係合位置においてダイヤルニードルがダイヤルニードルを移動させるための駆動機構と係合させられて、選択されたニードルがステッチの形成に従事させられ、選択されなかったダイヤルニードルは排除される。
【0027】
換言すると、ダイヤルニードルを移動させるための駆動機構は、ダイヤルニードル、特に、ダイヤルニードルのヒール(heel)が、所定の放射方向位置即ち係合位置の外側にある時にのみ作動機能を発揮するが、ダイヤルニードル即ちダイヤルニードルのヒールが所定の放射方向位置の内側にある時は、ダイヤルニードルを移動させるための駆動機構は、非作動、換言すると、ダイヤルニードルと係合することができない。
【0028】
ダイヤルニードルセレクターは、ダイヤルニードル18を選択的に(即ち、ダイヤルニードル18の幾つかだけ又は全て)を並進させることができるので、その選択されたダイヤルニードルは、ダイヤルニードルを移動させるための駆動機構によって係合させられることができる。
【0029】
本発明の好ましい実施形態によれば、セレクターは、命令に従って振動する複数のセレクターロッド30を含んでいて、これらセレクターロッド30は、ダイヤルニードル18の幾つかをセンタするようにダイヤルニードルと係合することができる。
【0030】
これらセレクターロッド30は、好ましくは、ダイヤルニードルと同数採用されていて、シリンダー2とダイヤルの上に配置され、シリンダー2の回転軸線Xを中心としてリング状に配列されている。
【0031】
セレクターロッド30は、ダイヤルニードル18の少なくとも一つと係合可能な係合端32aにおいて終端している係合部32を有しているのが好ましい。
【0032】
ダイヤル14の上に配置された環状アップツイスター(uptwister)20は、ダイヤルニードル即ちダイヤルニードルのヒールまで伸びた係合部32の係合端32aによって特に用いられる開口20aを有している。
【0033】
更に、セレクターロッド30は、係合部32に接続されたコマンド部34を有している。各ロッド30のコマンド部34は、シリンダー2の回転軸線に対して外方へ突出したボス36を有している。複数のロッド30のこれらボス36は、互いに比較すると、例えば、軸線方向で互いにずれている(図2)。
【0034】
好ましくは、セレクターは、対応のダイヤルニードルを選択するためにロッド30の少なくとも一つを選択的に移動させることのできる選択コマンド装置を含んでいる。
【0035】
例えば、選択コマンド装置は、複数のアクチュエーターレバー40を含んでいる。これらアクチュエーターレバー40は、選択的に命令されて突出して、ロッド30のボス36と同様に軸線方向に互いにずれて、複数のロッド30の一つのボス36と係合し、そのロッドを振動させてダイヤルニードルを選択することができるよう構成されている。
【0036】
好ましくは、ダイヤルニードル18は、ステッチを形成するための編み部と、ダイヤルニードルを移動させるための駆動機構と係合可能な移動部を有している。
【0037】
本発明の一実施形態によれば、複数のダイヤルニードルの移動部は、シリンダーニードルの数と同じ数のダイヤルニードルをダイヤル上に放射方向に配列させることを可能にさせるために、軸線方向で、例えば、二つの異なった高さを持ってずれている。
【0038】
好ましくは、編み機1は、アップツイスター20の上に配置されてヤーンを切断することの可能な切断装置を更に有している。
【0039】
本発明の別の実施形態によれば、シリンダーニードル6は、a)シリンダーニードルを移動させるための駆動機構によって作用させられる下端(ヒール)50aと、ダイヤルニードル18とシンカー12と係合してステッチを形成することの可能な上端50bとの間で回転軸線Xに沿って伸びているスピンドル50と、
b)スピンドル50の上端50bに設けられたフック及びタブと、
c)スピンドル50から外方へ突出した移送ボス60を含んでいる。タブは、ヤーンのためのスペースを形成するためにフックを開閉成可能なようにヒンジポイントでスピンドル50に旋回自在に支持されている。移送ボス60はタブのヒンジポイントの下方に配置されて、上限位置と下限位置との間の移動中にステッチと係合することができるよう構成されている。
【0040】
移送ボス60は、シリンダーニードルの上限位置において、ダイヤルニードル18の加工端の上に位置してステッチをシリンダー2からダイヤル14へ移送することができるように、スピンドル50に沿って配置されている(図4d)。
【0041】
好ましくは、シリンダーニードル6は、スピンドル50の下端に設けられた第一のヒール50bと、第一のヒール50bと移送ボス60との間に配置された第二のヒール50cを有している。第二のヒール50cは、シリンダーニードルを移動させるための駆動機構によって係合されて、シリンダーニードル6を上限位置まで移動させ、及び、ステッチをシリンダーニードルからダイヤルニードルへ移送させるのに最適な位置までシリンダーニードル6を上昇させることができる。
【0042】
好ましくは、シリンダーニードルを移動させるための駆動機構は、少なくとも一つのジャック(jack)を有し、シリンダーニードルの下方のシリンダー2の軸線方向溝4内に配置されている。
【0043】
特に、本発明に係る実施形態の一変形例によれば、シリンダーニードルを移動させるための駆動機構は、シリンダー2の同一の軸線方向溝4内で上下に配置された二つのジャック70,80を有している。
【0044】
更に、シリンダーニードルを移動させるための駆動機構は、ドラムに連結された複数のカムユニットを有し、第一のカムユニット90は、並進のためにシリンダーニードル6にのみ係合することができ、別のカムユニット100,110は並進のためにジャック70,80と係合することができる(図4a)。
【0045】
本発明に係る実施形態の別の変形例によれば、シリンダーニードルを移動させるための駆動機構は、ステッチをシリンダーからダイヤルへ移送させるための位置までシリンダーニードルを上昇させることの可能な極端に急勾配になったカムを有している。
【0046】
好ましくは、編み機1は、牽引のための吸引手段を更に有している。この吸引手段は、ダイヤルが載置されている中空シリンダー2の上部から底部に向けてシリンダー2内に吸引される空気流によって、製造されたソックスに引っ張り効果を及ぼすことができるように構成されている。
【0047】
より詳述すると、この吸引手段は、シリンダー2内に挿入されてシリンダー2と一緒になって回転する吸引チューブ120を含んでいる。この吸引チューブ120は、ダイヤル14の真下に位置するシリンダー2の上部からシリンダーの底部まで伸びている。
【0048】
特に、チューブ120は、円錐状壁を形成するようにシリンダー2の壁上で外方へ折り返された上端部122を有している。チューブ120のこの上端部122は、円錐台状に形成されてチューブ120の上端部122から軸線方向で離間したダイヤル14の底部と一緒になって、環状のエントランスチャネル124を形成している。そのエントランスチャネル124から、製造されたソックスがチューブ120内に入って、吸引に晒される。
【0049】
本発明に係る実施形態の変形例によれば、編み機1は、機械的牽引手段を有している。この機械的牽引手段は、製造されたソックスを機械的に把持して、シリンダー2の底部に向けて引っ張ることによりソックスに引っ張り効果を及ぼすことができるよう構成されている。
【0050】
換言すると、この機械的牽引手段は、製造されたソックスを機械的に摘まんで、シリンダーの底部方向へ引っ張って、必要に応じてソックスをぴんと張った状態に維持させることができる。
【0051】
機械的牽引手段は、吸引チューブ120内に配置された一つの筒状ブッシュ200を含んでいる。この筒状ブッシュ200は、(シリンダー2と一緒に回転する)チューブ120と共に回転するが、チューブ120内で軸線方向へスライドするよう構成されている。
【0052】
例えは、ブッシュ200は、ブッシュの外側に配置されてチューブ120と係合するタブによってチューブ120に取り付けられる。そのタブの構造に関する実施形態としては、ブッシュを回転させるように引っ張るが、ブッシュ200のチューブ120内での軸線方向のスライドを許容するような構成のものである。
【0053】
従って、ブッシュ200は、上限位置から下限位置へとスライド移動することができる。
【0054】
好ましくは、ブッシュ200の上端部は円錐台状の面202を有するように形成されているので、ブッシュ200が上限位置にある時に、円錐台状面202が、製造されたソックスがブッシュの内部に下降するのに何ら妨げとならない、チャネル124の延長部を構成する。
【0055】
より詳述すると、円錐台状面202は、チューブ120の上端部122の理想的な延長線上に主として位置している。
【0056】
更に、好ましくは、機械的牽引手段は、ブッシュ200を上限位置と下限位置との間を移動させることのできる、ブッシュを移動させるための機構(図示せず)を有している。
【0057】
ブッシュを移動させるための機構は、例えば、シリンダー−ピストンシステム、好ましくは、空気圧式シリンダー−ピストンシステムを含んでいる。
【0058】
機械的牽引手段は、吸引チューブ内を並進可能な把持装置204を含んでいる。その把持装置は、製造されたソックスの少なくとも一部をブッシュ200に対して引っ張って機械的に把持するような可動把持素子を形成するように構成することができる。
【0059】
本発明の一実施形態によれば、把持装置204は、ブッシュ200内に配置された可撓性・膨脹可能な環状壁206と、その環状壁206が気密な態様で接続された支持本体208を有している。
【0060】
環状壁206は膨脹可能であるため、膨脹して、その場合には、単独で、製造されたソックスの一部をブッシュ200に対して押し付けて把持させる把持素子を構成する。
【0061】
本発明の別の実施形態によれば、把持装置204は、複数のスライドピストン210と、それらスライドピストン210が放射方向へスライド自在に支持された支持本体212を有している(図6a及び図6b)。
【0062】
ピストン210はスライド自在になっているので、ピストン210は、支持本体212から外方へ出て、製造されたソックスの一部をブッシュ200に押し付けて把持させる把持素子を構成する。
【0063】
好ましくは、把持装置204は、ピストン210がブッシュと係合して、製造されたソックスを把持する前方位置からピストンを後方位置へ自動的に戻すための戻し手段を含んでいる。
【0064】
例えば、その戻し手段は、ピストンに対して同心的に配置されてピストンのヘッドに係合された弾性部材214を含んでいる。
【0065】
更に、機械的牽引手段は、ダイヤルシャフト15内に配置されたスピンドル300を有し、このスピンドル300は、軸線方向にスライド自在で、ダイヤルシャフト15とは無関係に回転し、底部で把持装置204、即ち、把持装置の支持本体208,212に連結されている。
【0066】
より詳述すると、ソックスの製造中にスピンドル300は回転軸線Xを中心として回転しない一方、把持装置204は回転軸線Xを中心として回転して、製造されたソックス及びブッシュ200の自然な回転を調節するという点において、把持装置204は、専用のベアリングによってスピンドル300と一緒に旋回する。
【0067】
好ましくは、機械的牽引手段は、スピンドル300が把持装置204の上限位置に対応する上限位置にある時とスピンドル300が把持装置204の下限位置に対応する下限位置にある時に、夫々、位置信号を発することのできる一対のポジションセンサーを有している。
【0068】
好ましくは、スピンドル300は、圧縮空気を把持装置204、特に、把持装置204の支持本体208,212に送って、可撓性壁206を膨脹させ、又は、ピストン210を後方位置から前方把持位置まで移動させるための空気供給チャネル302を備えている。この空気供給チャネル302は、例えば、軸線方向の穴にて構成されている。
【0069】
空気供給のために穴が形成されたスピンドルは、圧縮空気を把持装置204へ供給することのできる空気供給機構の一実施形態を構成しているが、例えば、これに代えて、空気供給機構は、把持装置204に接続された可撓性チューブを有しているものであってもよい。
【0070】
本発明の好ましい実施形態によれば、吸引牽引機構は、同期機能を発揮するように、機械的牽引機構と作動的に接続されている。
【0071】
より詳述すると、ソックスの製造の初め、即ち、アンクルバンド(ankle band)の形成に対応する初期状態における編み機の通常の機能中に、ブッシュ200は、ブッシュを移動させる駆動機構によって上限位置へ移動させられている。把持装置204は、スピンドル300によって上限位置へ移動させられていて、従って、ブッシュ200内に位置している。
【0072】
ソックスの製造が開始されて、空気牽引機構が駆動すると、既に製造されたソックスの一部がチャネル124を通ってブッシュ200内に入って、空気流によって下方へ吸引される。
【0073】
形成された、アンクルバンドの長さよりも短い所定長さのソックス部分が把持装置204とブッシュ200との間に位置して、機械的牽引機構が駆動させられる。
【0074】
より詳述すると、圧縮空気がスピンドル300を介して供給される。
【0075】
そのバリエーションに応じて、可撓性壁206が膨脹して、既に形成されたソックスの一部をブッシュ200に対して押し付けて機械的に拘束させ、又は、ピストン210が外方へ並進して、既に形成されたソックスの一部をブッシュ200に対して締め付ける。
【0076】
空気牽引機構は非駆動状態にされ、ブッシュを移動させる機構は下限位置につく。
【0077】
ソックスの製造を続けると、スピンドル300によって移動させられた把持装置204が下方へ並進して、ブッシュ200を引っ張る。
【0078】
こうして、スピンドル300の有効なストロークに少なくとも相当する長さのソックスの一部を作ることができる。
【0079】
スピンドル300が下限位置に達した時に、ポジションセンサーによって発せられる位置信号に応じて吸引牽引機構が再駆動させられ、ステッチを形成している要素が停止され、可撓性壁が萎み又はピストンが後方位置へ戻されるように空気供給機構が非駆動状態にさせられ、把持装置204がスピンドル300によって上限位置に戻され、ブッシュ200がブッシュを移動させる駆動機構によって上限位置に戻され、可撓性壁が膨脹し又はピストンが前方位置へ戻って製造されたソックスをブッシュに対して再び押し付けるように空気供給機構が再び起動され、吸引牽引機構が非作動状態にされ、ステッチを形成する要素が再駆動させられて、ソックスの製造が再開される。
【0080】
この機能的な方法は、明らかに、ソックスのレッグ、バック及びつま先部分がスピンドル300の有効なストロークよりも長い場合に有益である。
【0081】
斬新なことに、本発明による編み機は、ダイヤルニードルの幾つかをステッチ形成処理に従事させ或いはその従事から除外させることを可能にして、可能な編み処理の範囲を拡大させる。
【0082】
有益なことに、本発明による編み機は、更に、ステッチをシリンダーからダイヤルへ及びダイヤルからシリンダーへ移動させることでステッチ形成処理を実施することが可能で、一つのソックスの製造中にステッチを必要に応じて繰り返し移動させる場合であっても、その繰り返し移動によってステッチ形成処理を実施することができる。
【0083】
そのような有益な面によれば、シリンダーニードルを移動させるための駆動機構は、ステッチをシリンダーニードルからダイヤルニードルへ移送するのに最適な高さまでシリンダーニードルを上昇させるのに必要な軸線方向のスペースの問題を除去することを可能にさせる。
【0084】
推測することができるように、本発明による編み機は、ダブルシリンダー編み機が実施することができる種類の編み加工を含むような広範な範囲の編み加工を実施することができる。
【0085】
有益なことに、本発明による編み機は、更に、皺が寄り易いステッチの編み加工であってもソックスをぴんと引っ張った状態に維持させるように、男性ソックス用の公知の単一シリンダータイプの編み機よりも強く、製造されたソックスを引っ張ることを可能にする。
【0086】
本発明に係る実施形態の一変形例によれば、ダイヤルニードルセレクターは、セレクターロッド30と、例えば、アクチュエーターレバー40を備えたアクチュエーター302のような選択コマンド機構との間に配置された中間のセレクターカム500を有している(図7a及び図7b)。
【0087】
更に、ダイヤルニードルセレクターは、セレクターロッド30毎に一つ設けられた、複数の中間セレクターレバー304を有し、それら中間セレクターレバー304は、放射方向に、例えば、セレクターロッド30の外側に配列されている。
【0088】
好ましくは、中間セレクターレバー304は、振動してアクチュエーター302のアクチュエーターレバー40と当接するように、クラウン306にバネ付きヒンジ枢着されている(spring−hinged)。
【0089】
更に、ダイヤルニードルセレクターは、セレクターロッド30毎に一つ設けられた複数のスラストレバー(thrust lever)308を有している。
【0090】
スラストレバー308は可動性のもので、特に、カム500と係合することの可能な係合位置と解除位置との間を揺動することができる。
【0091】
更に、スラストレバー308は、セレクターロッド30に作用する作動位置と非作動位置との間を中間レバー304に相対して放射方向にスライド移動する。
【0092】
アクチュエーター302のコマンドに従って、幾つかのアクチュエーターレバー40が中間レバー304に作用してそれらを下降させ、それにより、対応のスラストレバー308が下降させられて、セレクターカム500によって作用をされることの可能な係合位置に移動する。
【0093】
カム500を回転させることにより、選択されたスラストレバー308、換言すると、下降されたスラストレバー308が、放射方向へ押し出されて、セレクターロッドに作用し、セレクターロッドは揺動して所望のダイヤルニードル18を選択する。
【0094】
アクチュエーター302は、シリンダー2の回転軸線X即ち縦軸に平行な駆動軸を有している。
【0095】
有益なことに、所望のダイヤルニードル18を選択するようにセレクターロッド30を移動させるのに必要な動作は、カム500が放射方向でそのような動作に接して、中間のセレクターロッド304に相対してスライドする一方、アクチュエーターレバー40が軸線方向へ動くという点において、アクチュエーター302のアクチュエーターレバー40に作用するようなものではない。
【0096】
換言すると、セレクターカム500は、それがスラストレバー308と係合した時に、セレクターロッド30の動作に接する。
【0097】
有益なことに、そのような構造は、アクチュエーターの歪を抑えることと移動の高レベルの反復可能性とを考慮に入れると、信頼性がある。
【0098】
本発明に係る実施形態の別の変形例によれば、セレクターロッド30は、軸線方向に伸びて互いに係合可能な少なくとも三つの部分に分割されている(図8)。
【0099】
より詳述すると、セレクターロッド30は、バネ付きヒンジ枢着されてアクチュエーター302のアクチュエーターレバー40の作用下で揺動する上側部320と、上側部320の作用下で放射方向へ移動する中間部322と、バネ付きヒンジ枢着されて中間部322の作用下で揺動する下側部324を有している。
【0100】
アクチュエーター302は、回転軸線Xと交差する駆動軸線Y、例えば、回転軸線Xと直交する、即ち水平な駆動軸線Yを有している。
【0101】
セレクターは、軸線方向の移動中に中間部322と係合するようにセレクターロッド30の放射方向外側に配置されたセレクターカム326を有している。
【0102】
アクチュエーターコマンドに従って、幾つかのアクチュエーターレバー40がセレクターロッド30、より詳述すると、セレクターロッドの上側部320に作用して、セレクターロッ30の揺動を完了させる。その揺動に追従して、中間部322が、放射方向へ変位し、セレクターカム326によって係合されるのに好適な位置を占める。
【0103】
カム326が回転した時に、幾つかの中間部322がカム326によって係合されて、セレクターロッド30の下側部324に向かって軸線方向へ並進させられる。
【0104】
下側部324と係合した中間部326が下側部324を揺動させ、従って、所望のダイヤルニードル18に作用する。
【0105】
所望のダイヤルニードル18を適所に維持させるために中間部322に及ぼされる軸線方向の移動操作は、カム326上に解放されて、カム326が中間部322と係合した時に、カム326は、中間部322の軸線方向の移動と当接する軸線方向の動きとして動作する。
【0106】
有益なことに、そのような構造は、アクチュエーターの歪を抑えることと移動の高レベルの反復可能性とを考慮に入れると、信頼性がある。
【0107】
更に有益なことに、下側部324は、限定された寸法に形成されていて、従って、僅かに変形し易いが、ダイヤルニードルの正確な移動を妨げない。
【0108】
本発明に係る実施形態の別の変形例によれば、セレクターは、三つの部分に分割されたセレクターロッド30を有し、このセレクターロッドにおいては、中間部322が下側部324にヒンジで枢着されている(図9)。
【0109】
そのような変形例は、図8に示した変形例に類似しているが、下側部324が、機械的に付勢される限りにおいてより良好に戻り揺動することを確実にさせるように中間部322にヒンジで枢着されている点において図8に示した変形例と相違している。
【0110】
本発明に係る実施形態の別の変形例によれば、セレクターロッド30は、軸線方向へ伸びた二つの個別の部分から構成されている(図10)。
【0111】
より詳述すると、セレクターロッド30は、水平な駆動軸線を備えたアクチュエーター302のアクチュエーターレバー40によって係合されることの可能な上方位置と、下方位置との間を軸線方向にスライド自在な主部330を有している。
【0112】
その主部330は切欠き331を有している。
【0113】
セレクターロッド30は、揺動して所望のダイヤルニードルと係合可能なバネ付きヒンジ枢着された下側部332を更に有している。
【0114】
更に、セレクターは、セレクターロッド30の主部330の切欠き331と係合可能なセレクターカム334を有している。
【0115】
アクチュエーターコマンドに従って、主部330が変位して、切欠き331がセレクターカム334によって係合される位置を占めるようになる。
【0116】
回転によって、セレクターカム334が主部330に作用して、主部330を下側部332に作用させるのに十分下降させて、下側部332が揺動して選択されたダイヤルニードル18を移動させる。
【0117】
本発明に係る実施形態の別の変形例によれば、セレクターは、ワンピースとして形成されたセレクターロッド30と、ダイヤルの近傍に配置されたセレクターカム350を有している(図11a及び図11b)。
【0118】
そのセレクターロッド30は、下端のフット(foot)352と、バネ付きヒンジ枢着された長尺部354を有している。
【0119】
長尺部354は、上端部において、水平方向の駆動軸線を有するアクチュエーター302のアクチュエーターレバー40と協働する。長尺部354は、下端部においてフット352に接続され、そのフット352は放射方向内側へ突出している。
【0120】
フット352はハンマー状に形成されて、ダイヤルニードル18に作用することの可能なノーズ356を有している。
【0121】
更に、フット352は、例えば、長尺部354との接続部に、セレクターロッド30の揺動のためにセレクターカム350と係合可能な切欠き358を有している。
【0122】
アクチュエーター302のコマンドに従って、幾つかのセレクターロッドが先ず揺動し、それ故、切欠き358がセレクターカム350によって係合されるのに好適な位置を占めるが、ノーズ356は、切欠き358との関係で放射方向後方に位置しているので、ダイヤルニードルからは依然として離間している。
【0123】
回転によって、セレクターカム350が切欠き358と係合し、ノーズ356が所望のダイヤルニードルに作用するように、セレクターロッドが先に揺動された方向と一致した方向にカム350によってセレクターロッドを揺動させる。
【0124】
換言すると、揺動セレクターロッドは、ダブル揺動を実施する。即ち、アクチュエーター302によって駆動される第一の揺動と、セレクターカム350によって駆動される第二の揺動である。
【0125】
切欠き358は、ノーズ356の基部近くに位置し、アクチュエーターレバー40との係合領域からは離れた場所に位置していて、フット352がダイヤルニードルに作用した時にフット352の変形を規制する。
【0126】
有益なことに、セレクターロッドがダイヤルニードルに作用した時に、セレクターカム350が、ニードルによって齎される動きに対して放射方向で当接し、従って、そのような動きは、セレクターロッドの長尺部354及びアクチュエーターレバー40へ伝達されない。
【0127】
有益なことに、本発明による編み機は、ステッチの形成における欠点又は瑕疵を規制又は克服することを可能にさせる。
【0128】
当業者が、付随的な及び特定の条件に適合させるように、上述した本発明に係る実施形態に対して様々な修正を加えることができ、そのような修正の全てが、本願発明によって保護される範囲内に含まれることは明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
男性ソックスの製造用のサーキュラー編み機であって。
制御可能な態様で回転軸を中心として回転し、外表面に複数の軸線方向の溝を有するシリンダーと、
前記シリンダーの前記軸線方向溝に沿ってスライド可能に支持された複数のシリンダーニードルと、
下限位置と、下限位置よりも軸線方向で高い位置である上限位置との間で前記複数のシリンダーニードルを代わる代わる異なった方向へ並進させることの可能な、シリンダーニードルを移動させるための駆動機構と、
前記シリンダーを同軸的に取り囲んで、複数のクラウン溝を備えた固定外部クラウンと、
前記クラウン溝に沿ってスライド自在に保持された複数のシンカーと、
後方限度位置と、その後方限度位置よりも放射方向内側に位置する前方限度位置との間で前記シンカーを代わる代わる異なった方向へ並進させることの可能な、シンカーを移動させるための駆動機構と、
前記シリンダーと同軸的に前記シリンダー上に載置されるように配置され且つコマンドに従って前記シリンダーの回転軸を中心として回転するよう構成され、前記シリンダーの外側面の内部で放射方向に伸びた複数の放射方向溝を有するダイヤルと、
前記ダイヤルに接続されて前記ダイヤルを引きずり回転させるダイヤルシャフトと、
前記ダイヤルの前記放射方向溝に沿ってスライド自在に保持された複数のダイヤルニードルと、
前記ダイヤルニードルと係合して、後方限度位置と、その後方限度位置よりも放射方向外側の位置である前方限度位置との間で前記複数のダイヤルニードルを代わる代わる異なった方向へ並進させることの可能な、ダイヤルニードルを移動させるための駆動機構と、
ソックスを作るための少なくとも一つのヤーンを供給することの可能な少なくとも一つのヤーンフィンガーと、
前記ダイヤルニードルを選択的に移動させて、前記ダイヤルニードルを、解放位置から、当該ダイヤルニードルが前記ダイヤルニードルを移動させるための前記駆動機構によって係合される係合位置へ並進させて、その選択されたニードルを前記ソックスを構成するステッチの形成に従事させ、選択されなかったニードルを前記ステッチの形成から除外することの可能なダイヤルニードルセレクター機構を有し、
前記シリンダーニードルと前記ダイヤルニードルと、前記シンカーが協働して前記ヤーンをより合わせて、前記ステッチを形成するよう構成されている編み機。
【請求項2】
前記セレクター機構が、コマンドに従って揺動して前記ダイヤルニードルの少なくとも幾つかを選択するよう前記ダイヤルニードルと係合可能な複数のセレクターロッドを有している、請求項1に記載の編み機。
【請求項3】
前記セレクター機構が、前記セレクターロッドの少なくとも幾つかを選択的に移動させて前記ダイヤルニードルを選択することの可能な選択コマンド機構を有している、請求項2に記載の編み機。
【請求項4】
前記選択コマンド機構が、突出するよう選択的に命令されて前記セレクターロッドの少なくとも一つを移動させる複数のアクチュエーターレバーを有している、請求項3に記載の編み機。
【請求項5】
前記セレクターロッドが、前記ダイヤルニードルの少なくとも一つと係合可能な係合端部で終端している係合部と、前記係合部に接続されて、前記アクチュエーターレバーの少なくとも一つによって係合可能なように伸びたコマンド部を有している、請求項4に記載の編み機。
【請求項6】
前記セレクターロッドの各々の前記コマンド部が、前記シリンダーの前記回転軸に対して外側に突出したボスを有し、前記複数のセレクターロッドの前記ボスが、相互に互い違いに配置され、前記複数のアクチュエーターレバーが前記ボスに対応して交互に互い違いに配置されて、一つのアクチュエータレバーが前記複数のセレクターロッドの幾つかとのみ係合することが可能に構成されている、請求項5に記載の編み機。
【請求項7】
前記ボスと前記アクチュエーターレバーとが、軸線方向で交互に互い違いになっている、請求項6に記載の編み機。
【請求項8】
前記複数のダイヤルニードルが、ステッチを形成するための編み加工部と、前記ダイヤルニードルを移動させるための前記駆動機構と係合可能な移動部を有し、前記複数のダイヤルニードルの前記移動部が軸線方向で互い違いになっている、請求項1〜7の何れか一項に記載の編み機。
【請求項9】
前記移動部が二つの異なった高さで配置されている、請求項8に記載の編み機。
【請求項10】
前記シリンダーニードルの数が前記ダイヤルニードルの数と同じである、請求項1〜9の何れか一項に記載の編み機。
【請求項11】
前記回転軸と同軸的に前記ダイヤル上に載置されるように配置されたアップツイスターを有し、ダイヤルニードルを移動させるための前記駆動機構が複数のカムを有し、これらカムが、前記アップツイスターと前記ダイヤルとの間で前記アップツイスター上に設けられている、請求項1〜10の何れか一項に記載の編み機。
【請求項12】
前記アップツイスター上に配置されてヤーンを切断することの可能な切断装置を有している、請求項1〜11の何れか一項に記載の編み機。
【請求項13】
前記シリンダーニードルが、
a)シリンダーニードルを移動させるための前記駆動機構によってスライドさせられる下端と、前記ダイヤルニードルと前記シンカーと係合してステッチを形成することの可能な上端との間で前記回転軸に沿って伸びているスピンドルと、
b)前記スピンドルの前記上端に設けられたフックとタブと、
c)前記下限位置と前記上限位置との間の移動中に形成されたステッチと係合可能な移送ボスを有し、
前記タブが、ヤーンのためのスペースを形成するためにフックを開閉成可能なようにヒンジポイントでスピンドルに旋回自在に支持され、
前記移送ボスが、前記ヒンジポイントの下方で前記スピンドルから外側へ突出し、
前記移送ボスが、前記シリンダーニードルの上限位置において、前記ダイヤルニードルの編み加工端部上に位置してステッチを前記シリンダーから前記ダイヤルへ移送させることの可能なように、前記スピンドルに沿って配置されている、請求項1〜12の何れか一項に記載の編み機。
【請求項14】
前記シリンダーニードルの各々が、前記スピンドルの下端に設けられた第一のヒールと、前記第一のヒールと前記移送ボスとの間に設けられて、前記シリンダーニードルを前記上限位置まで上昇させるように、シリンダーニードルを移動させるための前記駆動機構によって係合されることの可能な第二のヒールを有している、請求項13に記載の編み機。
【請求項15】
シリンダーニードルを移動させるための前記駆動機構が、前記シリンダーニードルの下方で、関連するシリンダー溝内に配置された少なくとも一つのジャックを有している、請求項1〜14の何れか一項に記載の編み機。
【請求項16】
前記シリンダーの放射方向外側に同軸的に配置されたドラムを有し、
シリンダーニードルを移動させるための前記駆動機構が、同一のシリンダー溝内に上下に配置された二つのジャックと、複数のカムユニットを有し、
前記カムユニットのうちの第一のカムユニットが、前記シリンダーニードルを並進させるために前記シリンダーニードルと係合可能に構成され、残りのカムユニットが、前記ジャックを並進させるために前記ジャックと係合可能に構成されている、請求項15に記載の編み機。
【請求項17】
シリンダーニードルを移動させるための前記駆動機構が、前記移送ボスが前記ダイヤルニードルの前記編み加工端部上に位置するように、前記シリンダーニードルを前記上限位置まで上昇させるのに十分急勾配となった少なくとも一つのカムを有している、請求項13に記載の編み機。
【請求項18】
前記シリンダーの内部が空洞に形成され、前記編み機が、前記シリンダーの上端部から底部まで吸引されて、形成されたソックスを下方へ引っ張る空気流を発生させることの可能な吸引牽引機構を有している、請求項1〜17の何れか一項に記載の編み機。
【請求項19】
形成されたソックスを機械的に把持することにより当該ソックスに引っ張り効果を及ぼすことのできる機械的牽引機構を有している、請求項1〜18の何れか一項に記載の編み機。
【請求項20】
前記シリンダーの内部に配置されて前記シリンダーと一緒に回転する吸引チューブと、
前記吸引チューブの内部に配置されて、吸引チューブと一緒に回転すると共に吸引チューブ内で並進可能な筒状ブッシュと、
前記ブッシュを軸線方向へ移動させるための駆動機構と、
前記ブッシュ内の前記吸引チューブの内部へ並進可能で、形成されたソックスの少なくとも一部を前記ブッシュに押し付けて機械的に締め付けるような解放自在な把持要素を構成するように命令を受けることの可能な把持装置を有している、請求項19に記載の編み機。
【請求項21】
ダイヤルシャフト内に軸線方向へスライド字際に配置されて、前記把持装置に接続されたスピンドルを有している、請求項20に記載の編み機。
【請求項22】
前記スピンドルが、圧搾空気を把持装置へ供給するための給気チャネルを形成するために穴が形成されている、請求項21に記載の編み機。
【請求項23】
前記把持装置がスピンドルと共に回転するよう構成されている、請求項21又は22に記載の編み機。
【請求項24】
前記把持装置が、前記把持要素を構成する可撓性・膨脹可能な壁を有している、請求項20〜23の何れか一項に記載の編み機。
【請求項25】
前記把持装置が、前記把持要素を構成する複数の可動ピストンを有している、請求項20〜23の何れか一項に記載の編み機。
【請求項26】
前記吸引牽引機構と前記機械的牽引機構とが、同期的機能を発揮するように作動的に接続されている、請求項18と請求項19〜25の何れか一項に記載の編み機。
【請求項27】
前記セレクター機構が、前記セレクターロッドの少なくとも一部と係合可能なセレクターカムを有し、そのセレクターカムが、前記セレクターロッドの前記一部と係合して、前記ダイヤルニードルと、前記カムと係合しているセレクターロッドの前記一部との間の作動に対抗するアバットメントを構成する、請求項1〜26の何れか一項に記載の編み機。
【請求項28】
前記セレクター機構が、ワンピースとして形成されたセレクターロッドと、ダイヤル近くに配置されたセレクターカムを有している、請求項27に記載の編み機。
【請求項29】
前記セレクターロッドが、下端部に設けられたフットと、バネ付きヒンジで枢着された長尺部を有し、前記長尺部が、その上端部で前記アクチュエーターのアクチュエーターレバーで駆動され、下端部で前記フットに接続されて、前記フットが前記長尺部から放射方向内側へ突出している、請求項28に記載の編み機。
【請求項30】
前記フットが、前記ダイヤルニードルに作動可能なノーズと、前記セレクターロッドを揺動させるために前記セレクターカムと係合可能な切欠きを有し、前記切欠きが、前記ノーズの基部近くで、アクチュエーターレバーとの係合領域からは離れた場所に配置されている、請求項29に記載の編み機。
【請求項31】
前記セレクターロッドが、前記切欠きが前記セレクターカムと係合するのに好適な位置を占める一方、前記ノーズが前記ダイヤルニードルから離間するように、前記アクチュエーターによって第一の揺動をさせられ、且つ、前記ノーズが前記ダイヤルニードルに作用するように前記第一の揺動と一致した方向へ前記セレクターカムによって第二の揺動をさせられるように構成されている、請求項27〜30の何れか一項に記載の編み機。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図4e】
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【図4f】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11a】
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【図11b】
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【公表番号】特表2011−528408(P2011−528408A)
【公表日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−517542(P2010−517542)
【出願日】平成20年7月15日(2008.7.15)
【国際出願番号】PCT/IT2008/000472
【国際公開番号】WO2009/013773
【国際公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(510021030)
【Fターム(参考)】