ダクト接続構造、膜式ダクト、局所清浄装置およびサプライチャンバ
【課題】工具を用いず簡単に付け外しが可能で、硬質ダクトと膜式ダクトを確実に接続できるダクト接続構造、膜式ダクトおよび清浄な空間を形成する局所清浄装置とこれに用いるサプライチャンバを提供することを課題とする。
【解決手段】ダクト接続構造1であって、膜式ダクト3を接続する硬質ダクト2の開口部の縁に沿って周回するように、硬質ダクト2の外側面に帯状に固定した、硬質ダクト用の面ファスナ17と、硬質ダクト2に接続する膜式ダクト3の開口部の縁に沿って取り付けた、硬質ダクト用の面ファスナ17に貼り付け可能な帯状で複数の膜式ダクト用の面ファスナ6,7と、を備え、各膜式ダクト用の面ファスナ6,7は、長手方向にはみ出した持ち手部分12,13を両端に形成しており、膜式ダクト用の面ファスナ7の裏側には持ち手部分12を貼り付け可能な面ファスナ14が設けられている。
【解決手段】ダクト接続構造1であって、膜式ダクト3を接続する硬質ダクト2の開口部の縁に沿って周回するように、硬質ダクト2の外側面に帯状に固定した、硬質ダクト用の面ファスナ17と、硬質ダクト2に接続する膜式ダクト3の開口部の縁に沿って取り付けた、硬質ダクト用の面ファスナ17に貼り付け可能な帯状で複数の膜式ダクト用の面ファスナ6,7と、を備え、各膜式ダクト用の面ファスナ6,7は、長手方向にはみ出した持ち手部分12,13を両端に形成しており、膜式ダクト用の面ファスナ7の裏側には持ち手部分12を貼り付け可能な面ファスナ14が設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調用のダクトを相互に接続するダクト接続構造、膜式ダクトおよび清浄な空間を形成する局所清浄装置とこれに用いるサプライチャンバに関する。
【背景技術】
【0002】
空調用のダクトを相互に接続するダクト接続構造には、多種多様な方式が考案されている。例えば、膜式のダクトを硬質のダクトへ接続するダクト接続構造であって、ダクトの断面形状が角型のものを接続するものとしては、下記の特許文献1に開示されているような、簡易型局所清浄装置の清浄空気供給装置と膜式ダクトとを接続するものがある。この文献に開示されているダクト接続構造は、気密性を考慮して、金属製フランジの間に膜式ダクトの一部を挟みこみ、数箇所のナットを締め上げてフランジ間圧着力で接続している。しかし、この接続方法にはドライバなどの専用工具が必要であり、また片締めや締め付け不足により、空気漏れや空気供給時にダクトが抜ける問題や、締め付け過ぎによりダクトや固定具の破損といった問題があるため、不特定の人が付け外しを行う場所には不向きである。
【0003】
一方、丸ダクトの場合、下記の特許文献2に開示されているように、フレキシブルダクトの接続部の周りに面ファスナの付いた締付けバンドを使用したものがある。また、下記の特許文献3、4に開示されているように、天井付近の丸型気送管ノズルに中空筒状の織編物でできたファスナ付接続部を固定バンドで取付け、ファスナを介して膜式ダクトの付け外しを行うものがある。しかし、これらの締付けバンドや固定バンドによって膜式ダクトの外側からバンド締付け圧力で接続する方法は、バンド締付け圧力が弱いと空気供給時に空気漏れやダクト外れが発生し、強過ぎると空気漏れやダクトの破損といった問題が起こる。この点につき、特許文献2では接着性を得るために接着剤を使用する方法が提案されているが、この方法では一度接続するとダクトを外すことは困難になる。
【0004】
また、下記の特許文献5では、膜式ダクトである布団乾燥用エアー溜め具と送風機との接続では、布団乾燥用エアー溜め具には口金を取付け、送風機の吹出し口にはエアー供給用パイプを取付けて、使用時にパイプへ口金を挿入する接続方法が提案されている。さらに、下記の特許文献6では、乾燥用カバーの温風取り入れ口である布製ダクトに布団乾燥機からの送風用ホースを挿入する接続方法が提案されている。しかし、これらの接続方法では、使用中にパイプやホースが抜けたり、接続部からのエアー漏れたりする可能性があり、確実な接続方法とは言えない。
【0005】
なお、ダクトの接続構造としては、例えば、特許文献7に開示されているようなフランジ構造によるもの、特許文献8,9に開示されているような部材を折り曲げて締結するものがある。また、部材同士を相互に締結するものとしては、例えば特許文献10に開示されているような面ファスナを使ったものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−284149号公報
【特許文献2】特開2001−50575号公報
【特許文献3】特開平03−45852号公報
【特許文献4】特開平03−110343号公報
【特許文献5】特開昭53−13256号公報
【特許文献6】特開2005−118278号公報
【特許文献7】特開2006−226621号公報
【特許文献8】特開2009−79838号公報
【特許文献9】特開2004−53224号公報
【特許文献10】特開2002−211638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
金属や樹脂等の硬質な素材で構成されたダクト(硬質ダクト)と、布や難燃紙、薄膜といったシート状の素材で構成されたダクト(膜式ダクト)とを相互に接続する場合に、金属製フランジを用いてボルトおよびナットで固定したり、或いは、面ファスナ付のダクトバンドを用いたりすると、施工する人によって締め付け強さが異なる可能性がある。このため、締め付け強度が強すぎる場合には膜式ダクトが破れ、逆に締め付け強度が弱すぎる場合には通気時に膜式ダクトが外れるという問題がある。また、ドライバなどの専用工具が必要であるため、不特定の人が付け外しを比較的頻繁に行う可能性がある箇所には適用し難いという問題がある。
【0008】
本願は、上記事項に鑑みてなされたものであり、工具を用いず簡単に付け外しが可能で、硬質ダクトと膜式ダクトを確実に接続できるダクト接続構造、膜式ダクトおよび清浄な空間を形成する局所清浄装置とこれに用いるサプライチャンバを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は、硬質ダクトと膜式ダクトとを面ファスナで接続するものとし、且つ、付け外しが容易になるよう何れかの膜式ダクトの面ファスナの両端に持ち手部分を設けた。そして、この持ち手部分を固定するための面ファスナを更に設けることで、膜式ダクトの各面ファスナの間の部分からの漏洩を抑えてダクトを確実に固定するようにした。
【0010】
詳細には、硬質ダクトに膜式ダクトを接続するダクト接続構造であって、前記膜式ダクトを接続する前記硬質ダクトの開口部の縁に沿って周回するように、前記硬質ダクトの外側面に帯状に固定した、硬質ダクト用の面ファスナと、前記硬質ダクトに接続する前記膜式ダクトの開口部の縁に沿って取り付けた、前記硬質ダクト用の面ファスナに貼り付け可能な帯状で複数の膜式ダクト用の面ファスナと、を備え、前記複数の膜式ダクト用の面ファスナのうち少なくとも何れかの膜式ダクト用の面ファスナは、前記膜式ダクトの開口部に取り付けられている自身の付け根の位置から、ユーザが把持可能な程度に長手方向にはみ出した持ち手部分を両端に形成しており、前記複数の膜式ダクト用の面ファスナのうち、前記持ち手部分を両端に形成した膜式ダクト用の面ファスナに隣接している何れかの膜式ダクト用の面ファスナの、前記硬質ダクト用の面ファスナに貼り付く面の裏側には、該膜式ダクト用の面ファスナに隣接する他の膜式ダクト用の面ファスナの前記持ち手部分を貼り付け可能な持ち手固定用の面ファスナが設けられている。
【0011】
上記ダクト接続構造は、膜式ダクトに設けた面ファスナを、硬質ダクトに設けた面ファスナに貼り付けることで、両ダクトを相互に接続することにしているため、膜式ダクト用の面ファスナの位置を硬質ダクト用の面ファスナの位置に正確に合わせて貼り付けることが、接続部分の強度や気密性を確保する上で肝要である。そこで、上記ダクト接続構造では、何れかの膜式ダクト用の面ファスナの両端に、ユーザが把持可能な程度の持ち手部分を設けることにより、面ファスナの位置合わせを容易にし、接続の際の作業効率を高めて、工具を用いず簡単に付け外し可能にしている。
【0012】
また、上記ダクト接続構造では、帯状の面ファスナが膜式ダクトの開口部の縁に沿って
複数取り付けられているため、各面ファスナの間の気密性を確保するべく、持ち手部分を固定する持ち手固定用の面ファスナを設けている。この持ち手固定用の面ファスナは、膜式ダクト用の面ファスナの、硬質ダクト用の面ファスナに貼り付く面の裏側に設けられていることにより、隣接する他の膜式ダクト用の面ファスナの持ち手部分を貼り付けて、当該持ち手部分に把持機能の他、気密性向上の機能を持たせている。
【0013】
上記ダクト接続構造は、以上のように構成されていることにより、工具を用いず簡単に付け外しが可能で、硬質ダクトと膜式ダクトを確実に接続することが可能となる。
【0014】
なお、前記ダクト接続構造は、断面が多角形の硬質ダクトに膜式ダクトを接続するものであり、前記各膜式ダクト用の面ファスナは、前記持ち手部分が前記硬質ダクトの開口部の角の部分に位置するように、前記膜式ダクトの開口部の縁に沿って取り付けられているものであってもよい。
【0015】
断面が多角形の硬質ダクトに膜式ダクトを接続する場合、膜式ダクトの開口部のうち、硬質ダクトの開口部の角に対応する部位を掴んで両者を接続すると、作業効率が良い。また、膜式ダクトの開口部のうち、硬質ダクトの開口部の角に対応する部位を掴むことにより、変形自在な膜式ダクトが、硬質ダクトの外側面の形状に沿うこととなるため、接続部分の位置合わせを行いやすい。
【0016】
また、前記ダクト接続構造は、例えば、断面が略矩形の硬質ダクトに膜式ダクトを接続するものであり、前記持ち手固定用の面ファスナは、前記複数の膜式ダクト用の面ファスナのうちダクトの通気路を挟んで対向する一対の膜式ダクト用の面ファスナの、前記硬質ダクト用の面ファスナに貼り付く面の裏側に設けられているものであってもよい。略矩形のダクトであれば、持ち手部分を掴んで両ダクトを容易に接続することが可能であるため、ダクト接続構造を上記のように構成したことによる効果が著しい。すなわち、略矩形のダクトであれば、持ち手部分を掴んで膜式ダクトの面ファスナを真っ直ぐに伸ばした状態とすることにより、膜式ダクトの面ファスナを硬質ダクトの面ファスナに容易に位置合わせすることが可能となる。そして、持ち手部分を、持ち手固定用の面ファスナに貼り付けることにより、硬質ダクトと膜式ダクトを確実に接続することが可能となる。なお、通気路とは、膜式ダクトおよび硬質ダクトの内部に形成される、気体が通過する流路である。
【0017】
また、前記硬質ダクト用の面ファスナおよび前記持ち手固定用の面ファスナは、フック面を形成する面ファスナであり、前記膜式ダクト用の面ファスナは、ループ面を形成する面ファスナであってもよい。膜式ダクト用の面ファスナをループ面としておけば、膜式ダクトを洗濯や保管等する際、他の繊維類に引っ掛かることが無いので、例えば、膜式ダクトの衛生状態を保つ必要があるような場合に、膜式ダクトの管理が煩わしくない。なお、持ち手固定用の面ファスナについては、フック面を形成しているものの、洗濯や保管等する際、持ち手固定用の面ファスナに膜式ダクト用の面ファスナの持ち手部分を貼り付けてフック面を覆うことができる。
【0018】
なお、本発明は、膜式ダクト、局所清浄装置あるいはこれに用いるサプライチャンバの側面から捉えることもできる。例えば、本発明は、空気を浄化したクリーンエアを供給する清浄空気供給装置と、前記清浄空気供給装置に着脱自在に接続されて、前記クリーンエアを所定の空間へ供給する膜式のサプライチャンバと、を備える局所清浄装置であって、前記サプライチャンバが接続される、前記クリーンエアが吹き出る前記清浄空気供給装置の吹出し部分を形成する硬質ダクトの開口部の縁に沿って周回するように、前記硬質ダクトの外側面に帯状に固定した、硬質ダクト用の面ファスナと、前記サプライチャンバの膜式ダクトの開口部の縁に沿って取り付けた、前記硬質ダクト用の面ファスナに貼り付け可能な帯状で複数の膜式ダクト用の面ファスナと、を備え、前記複数の膜式ダクト用の面フ
ァスナのうち少なくとも何れかの膜式ダクト用の面ファスナは、前記膜式ダクトの開口部に取り付けられている自身の付け根の位置から、ユーザが把持可能な程度に長手方向にはみ出した持ち手部分を両端に形成しており、前記複数の膜式ダクト用の面ファスナのうち、前記持ち手部分を両端に形成した膜式ダクト用の面ファスナに隣接している何れかの膜式ダクト用の面ファスナの、前記硬質ダクト用の面ファスナに貼り付く面の裏側には、該膜式ダクト用の面ファスナに隣接する他の膜式ダクト用の面ファスナの前記持ち手部分を形成している部位を貼り付け可能な持ち手固定用の面ファスナが設けられているものであってもよい。
【発明の効果】
【0019】
工具を用いず簡単に付け外しが可能で、硬質ダクトと膜式ダクトを確実に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施形態のダクト接続構造の外観を示す図である。
【図2】膜式ダクトの接続部を示す図である。
【図3】第1の接続帯と第2の接続帯の構造を示す図である。
【図4】第1の接続帯と第2の接続帯を膜式ダクトへ取り(縫い)付ける際の取り(縫い)付け方法を示す図である。
【図5】硬質ダクトの接続部を示す図である。
【図6】ダクト接続構造の接続手順を示す図である。
【図7】局所清浄装置の外観を示す図である。
【図8】局所清浄装置の内部構造を示す図である。
【図9】ダクト接続構造の接続手順を示す図である。
【図10】サプライチャンバ内の圧力と供給風量との関係について示した第1のグラフである。
【図11】サプライチャンバ内の圧力と供給風量との関係について示した第2のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本願発明の実施形態について説明する。下記実施形態は、本願発明の一態様を示したものであり、本願発明の技術的範囲を下記の実施形態に限定するものではない。
【0022】
<実施形態>
本実施形態のダクト接続構造の外観を図1に示す。図1に示すように、ダクト接続構造1は、気体を流す通気経路を形成するダクト同士を相互に接続するものであり、硬質の部材で構成した硬質ダクト2と、変形自在な薄い膜で構成した膜式ダクト3とを相互に接続する。ここで、硬質ダクト2は、例えば、亜鉛鉄板等の金属板や、腐食環境下においても耐食性に優れる塩ビやFPR(Fiber Reinforced Plastics)等の樹脂板、耐変形に強化
されたダンボール等の硬質な素材で構成する。また、膜式ダクト3は、例えば、布や難燃紙、薄膜といったシート状で、非通気性の素材で構成する。
【0023】
膜式ダクト3の接続部を図2に示す。図2に示すように、硬質ダクト2が接続される膜式ダクト3の接続部4には、図において下方に開口する開口端を周回するように、第1の接続帯6と第2の接続帯7が膜式ダクト3の外側面に取り(縫い)付けられている。なお、本実施形態では、第1の接続帯6がダクト開口の短辺側に、第2の接続帯7がダクト開口の長辺側に取り付けられるものとして、以下、説明する。
【0024】
第1の接続帯6と第2の接続帯7の構造を図3に示す。図3に示すように、第1の接続帯6と第2の接続帯7は、帯状の面ファスナであり、ループ状の起毛が形成された帯状の
B面(ループ面)8,9が表面に形成されている。また、第1の接続帯6と第2の接続帯7は、B面8,9の長手方向に沿って延在する2つの縁のうちの1つの縁に沿うように、幅が数ミリメートル程度で、長さが取り(縫い)付けるダクトの幅と同じ縫い代10,11が設けられている。第1の接続帯6と第2の接続帯7は、膜式ダクト3の外側面に縫い代10,11が取り(縫い)付けられることにより、B面8,9の長手方向に沿って延在する2つの縁のうち縫い代10,11を設けた側の縁を中心に回動(折り返し)可能なように、膜式ダクト3の外側面に取り(縫い)付けられる。
【0025】
なお、第1の接続帯6と第2の接続帯7のそれぞれの長手方向の長さは、取り(縫い)付ける膜式ダクト3の幅よりも長くなっており、縫い代10,11の部分を膜式ダクト3に取り(縫い)付けると、帯状のB面8,9の長手方向の両端が数〜十センチメートル程度はみ出る。この部分は、膜式ダクト3を硬質ダクト2に接続する際に手で掴む部分となるため、以下、持ち手12,13と呼ぶことにする。
【0026】
なお、第1の接続帯6の裏面には、ループ状の起毛とフック状の起毛の何れも形成されていない。一方、第2の接続帯7の裏面には、第1の接続帯6と異なり、裏面の一部にフック状の起毛が形成された面ファスナのA面(フック面)14が設けられている。面ファスナのA面14は、膜式ダクト3を硬質ダクト2に接続した際、第2の接続帯7の持ち手13を固定するためにある。従って、面ファスナのA面14は、第2の接続帯7の裏面のうち、膜式ダクト3を硬質ダクト2に接続した状態において持ち手13が接触する部位、換言すると、第2の接続帯7の裏面のうち、第2の接続帯7の持ち手13を除いた両端の部位に設けられている。なお、面ファスナのA面14は、第2の接続帯7ではなく、第1の接続帯6に設けてもよい。
【0027】
第1の接続帯6と第2の接続帯7を膜式ダクト3へ取り(縫い)付ける際の取り(縫い)付け方法を図4に示す。第1の接続帯6と第2の接続帯7を膜式ダクト3へ取り(縫い)付ける際は、まず、第1の接続帯6を、膜式ダクト3の長方形の開口端のうち短辺に縫い代10が沿うように、面ファスナのB面8が見える状態で取り(縫い)付ける(図4(A))。取り付けは、例えば、縫い代10のみを膜式ダクト8に縫い付けて固定し、その他の部分は折り返し可能な形で行う。そして、持ち手12をダクトに沿って折り曲げる。なお、縫い代10は、縫い付けのみならず接着により膜式ダクト8に固定してもよいし、縫い代10がビニールなどであれば溶着により膜式ダクト8に固定してもよい。
【0028】
次に、第2の接続帯7を、膜式ダクト3の長方形の開口端のうち長辺に縫い代11が沿うように、面ファスナのB面9が見える状態で取り(縫い)付ける(図4(B))。第1の接続帯6と第2の接続帯7をこのような順序で膜式ダクト3へ取り(縫い)付けることにより、第2の接続帯7の裏面にある面ファスナのA面14が、第1の接続帯6の表面にあるB面8に貼り付く。なお、取り(縫い)付ける順序は、第2の接続帯7を先にし、第1の接続帯6を後にしてもよい。
【0029】
硬質ダクト2の接続部を図5に示す。図5に示すように、膜式ダクト3が接続される硬質ダクト2の接続部5には、上方に開口する開口端から所定の間隔(以下、接続代という)を空けて、開口端を周回するように、面ファスナのA面(フック面)17が設けられている。面ファスナのA面17は、例えば、市販の面ファスナを硬質ダクト2に接着して固定することにより、構成することができる。膜式ダクト3を硬質ダクト2に接続すると、面ファスナのA面17に、第1の接続帯6のB面8と第2の接続帯7のB面9が貼り付けられることになる。
【0030】
ダクト接続構造1の接続手順を図6に示す。膜式ダクト3を硬質ダクト2に接続する際は、まず、硬質ダクト2へ膜式ダクト3を被せる(図6(A)→図6(B))。なお、接
続代は、硬質ダクト5の開口端から面ファスナのA面17までの距離が5cm以上であれば、膜式ダクト3を硬質ダクト2へ被せやすい。この時、作業者は、膜式ダクト3にある第2の接続帯7の持ち手13を掴み、外側へ開く方向へ引っ張りながら、硬質ダクト2へ膜式ダクト3を被せる。膜式ダクト3は、接続部分から気体が漏洩しないよう、硬質ダクト2の開口端の寸法に一致するように構成されているが、第2の接続帯7の持ち手13を掴みながら作業を行うことにより、硬質ダクト2へ膜式ダクト3を容易に接続することができる。
【0031】
次に、第2の接続帯7の持ち手13を掴みながら、第2の接続帯6の面ファスナのA面14を第1の接続帯12の端部から剥がしながら、第2の接続帯7を硬質ダクト2側へ折り返し、第2の接続帯7のB面9を、持ち手13部分も含めて、硬質ダクト2の面ファスナのA面17に貼り付ける(図6(B)→図6(C))。
【0032】
最後に、第1の接続帯6を硬質ダクト2側へ折り返し、第1の接続帯6のB面8を、持ち手12部分も含めて、硬質ダクト2の面ファスナのA面17および第2の接続帯7の裏面に設けられている面ファスナのA面14に貼り付ける(図6(C)→図6(D))。これにより、第1の接続帯6の、ダクトの角からはみ出ている持ち手12部分が、折り返した後の第2の接続帯7の面ファスナのA面14に貼り付いて係合し、膜式ダクト3が隙間無く硬質ダクト2に接続される。
【0033】
本実施形態であれば、接続部から気体が漏洩しないよう、硬質ダクト2の開口端の寸法に一致するように構成されている膜式ダクト3であっても、第2の接続帯7の持ち手13を掴みながら作業を行うことにより、硬質ダクト2へ膜式ダクト3を容易に接続することができる。また、膜式ダクト3を隙間無く硬質ダクト2に接続することができる。
【0034】
持ち手12,13を設けた場合、持ち手12,13を設けない場合と比較して、3つの効果を得ることができる。1点目は、膜式ダクト3を保管や洗濯する際の、端部の折れ曲がりを防止する効果である。これは、図4(B)で示すように、膜式ダクト3に取り付けた4枚の接続帯同士が持ち手12と面ファスナのA面14とによって相互に繋がり、一体の周面を形成することになるため、接続帯の端部が折れ曲がることを防止できる。2点目は、ダクトを接続する際の持ち手としての効果である。これは先にも述べたが、膜式ダクト3を硬質ダクト2へ取付ける際、図6(A)で示すように、第2の接続帯のうちダクトの側面より持ち手13が飛び出すため、持ち手13を掴んで膜式ダクト3の開口部分を広げながら硬質ダクト2へ容易に取付けることができる。3点目は、接続部からの気体の漏れを防止する効果である。ダクト接続の際、図6(D)のように角部4ヶ所も含めて接続部全周を係合させて接続帯で覆うことができるため、接続部(の特に角部)からの空気漏れを防ぐことができる。
【0035】
<実施例>
上記ダクト接続構造1を局所清浄装置に適用した場合の実施例を以下に説明する。ダクト接続構造1を適用した局所清浄装置の外観を図7に示す。図7に示すように、局所清浄装置101は、所望の空間へ清浄空気を吹き出すサプライチャンバ102と、空気を浄化してサプライチャンバ102へ送る清浄空気供給装置103とを備えている。本実施例では、ダクト接続構造109が、清浄空気供給装置103とサプライチャンバ102とを相互に接続する。局所清浄装置101は、例えば、病院のベッドや生産工程中の精密作業場所など、一つの室内の特定部位に向けて浄化空気を供給することで、仕切り等を設けずに局所清浄空間を形成する装置である。
【0036】
サプライチャンバ102は、合成樹脂シートや布等、軽量かつ丈夫で通気性が無く変形自在な気密性の生地で構成されるサプライチャンバ102の一部に、通気性がある生地を
縫製して形成した吹出口104を有していることにより、チャンバ内の空気が吹出口104のみから吹き出るようになっている。また、サプライチャンバ102は、吹出口104の下側に清浄空気供給装置103と接続するための膜式ダクト117を有している。なお、本実施例では、病院のベッドに対して給気することを目的とし、吹出口104の横幅をベッドの寸法に合わせて広げている。
【0037】
なお、サプライチャンバ102は、清浄空気を所望の空間へ供給し得るものであれば如何なる形状であってもよい。従って、サプライチャンバ102は、図7に示すようなT字状の形状であってもよいし、或いは、筒状やボックス状の形状であってもよい。サプライチャンバ102は、清浄空気供給装置103から清浄空気が送風されると膨らみ、その形状を維持するように、形状可変のシート状部材が適所で縫い合わされ補強されている。
【0038】
吹出口104は、多数の細孔が設けられて通気性を付与された生地によって形成されており、サプライチャンバ102の前面の一部に設けられており、局所清浄装置101の正面に向かって清浄空気を略水平に流す。吹出口104は、多数の細孔が設けられて所定且つ均質な通気抵抗を有する変形自在な薄膜、例えば、ポリプロピレンシート等で形成してもよいし、更に、塵埃を発生しないようコーティング加工した繊維布を用いてもよい。
【0039】
また、サプライチャンバ102の膜式ダクト117には、上記実施形態でも示したように、図において下方に開口する開口端を周回するように、第1の接続帯115と第2の接続帯116が膜式ダクト117の外側面に、上記実施形態の縫い代10のような縫い付け等による固定部分を介して取り(縫い)付けられている。
【0040】
局所清浄装置101の内部構造を図8に示す。清浄空気供給装置103は、ケーシング106内の送風機118によって、清浄空気供給装置103の下部から空気を吸引する。送風機118によって吸引された空気は、ダクトとして機能するケーシング106内の流路を通り、空気中の粒子状汚染物質を捕集する空気浄化手段である高性能フィルタ107によって浄化される。高性能フィルタ107によって浄化された空気は、清浄空気供給装置103の上部に取り付けたサプライチャンバ102内へ吹き出る。
【0041】
また、清浄空気供給装置103の上端部分には、サプライチャンバ102を接続するための硬質ダクト111がケーシング106によって形成されている。この硬質ダクト111には、上記実施形態でも示したように、ケーシング106側において上方に開口する開口端から所定の間隔を空けて、開口端を周回するように、面ファスナのA面(フック面)114が設けられている。
【0042】
局所清浄装置101は、組み立て式であり、折りたたんだサプライチャンバ102を広げて、サプライチャンバ102のダクト部分である膜式ダクト117を、清浄空気供給装置103の上部を構成する硬質ダクト111に取り付ける。サプライチャンバ102を清浄空気供給装置103に接続する際は、上記実施形態でも示したように、清浄空気供給装置103の上部を構成する硬質ダクト111にサプライチャンバ102の膜式ダクト117を被せる(図9を参照)。そして、第2の接続帯116の持ち手113を掴みながら、第2の接続帯116を清浄空気供給装置103側へ折り返し、第2の接続帯116のB面119を、持ち手113部分も含めて、清浄空気供給装置103の面ファスナのA面114に貼り付ける。そして、第1の接続帯115を清浄空気供給装置103側へ折り返し、第1の接続帯115のB面118を、持ち手113部分も含めて、清浄空気供給装置103の面ファスナのA面114および第2の接続帯116の裏面に設けられている面ファスナのA面に貼り付ける。これにより、サプライチャンバ102の膜式ダクト117が隙間無く清浄空気供給装置103に接続される。
【0043】
本実施例であれば、接続部から気体が漏洩しないよう、清浄空気供給装置103の開口端の寸法に一致するように構成されているサプライチャンバ102の膜式ダクト117であっても、第2の接続帯116の持ち手113を掴みながら作業を行うことにより、清浄空気供給装置103へサプライチャンバ102を容易に接続することができる。また、サプライチャンバ102の膜式ダクト117を隙間無く清浄空気供給装置103に接続することができる。また、サプライチャンバ102の接続部分が面ファスナで構成されているため、サプライチャンバ102を洗濯機で洗うことが可能であり、特に、第2の接続帯116の裏面にある面ファスナのA面を、第1の接続帯115の表面にあるB面118に貼り付けた状態にすれば、サプライチャンバ102を他の繊維類と一緒に洗濯機で洗っても、他の繊維類を傷める事もない。
【0044】
また、膜式のサプライチャンバ102を清浄空気供給装置103へ接続することで、清浄空気を吹出口104から水平方向へほぼ一様に吹出すことができる。また、サプライチャンバ102が汚れた場合でも、面ファスナを用いたダクト接続構造109で接続しているため、工具を用いずに誰でも簡単で確実に付け外しが可能となる。
【0045】
なお、上記実施形態や変形例に係るダクト接続構造は、面ファスナのA面とB面とが逆であってもよいし、或いは、1枚の面ファスナでA面とB面の両方を兼ね備える面ファスナを用いても良い。面ファスナのA面とB面の両方を兼ね備える面ファスナとしては、例えば、クラレファスニング社製の「フリーマジック」(登録商標)がある。ただし、膜式ダクト(膜式のサプライチャンバを含む)を洗濯して再利用する場合、膜式ダクト側に面ファスナのA面(フック面)が縫製されていると、洗濯時に面ファスナが膜式ダクト自体を傷つける可能性がある。またA面とB面とを兼ね備えた面ファスナを使用する場合、A面とB面が別々のものと比較して係合性(接合性)が劣るため、チャンバ内圧力を考慮した上で面ファスナの大きさを決定する必要がある。
【0046】
また、膜式ダクトの開口部周囲に複数枚の接続帯を縫製していれば、ダクトの断面の形状は多角形でも円形でも良い。ただし、膜式ダクトの硬質ダクトへの取付け易さを考慮すると、上記実施形態や実施例に示したように、四角形が好ましい。
【0047】
<実験結果>
ダクトの接続部分の空気の漏れ量について、本実施例に係るダクト接続構造109と従来からあるフランジ接続構造とを比較する実験を行なった。図10及び図11は、実施例に係るダクト接続構造109と従来からあるフランジ接続構造について、サプライチャンバ内の圧力と供給風量(吹出風量+接続部漏れ風量)との関係について示したグラフである。
【0048】
なお、本実験例では、2種類のダクトサイズについて実験しており、サプライチャンバ102のダクト部分である膜式ダクト117が570mm×250mm(開口周囲長=1640mm)のデータ(実験例1)を図10に示し、サプライチャンバ102の膜式ダクト117が1080mm×200mm(開口周囲長=2560mm)のデータ(実験例2)を図11に示している。
【0049】
なお、サプライチャンバ102を構成する素材は、実験例1と実験例2の何れも、通気性が無く変形自在な気密性の生地として、例えば、通気度が1.0cm3/cm2/sec以下の帝人ファイバー社製のセルガード(登録商標)「T−300」で構成されるサプライチャンバ102の一部に、通気性がある生地として、例えば、通気度が25cm3/c
m2/sec以上の東レ・ファインケミカル社製のトレミクロン(登録商標)「EM05
010」を縫製して吹出口104を形成している。
【0050】
また、接続部の面ファスナの幅は、清浄空気供給装置103から吹き出る風の風圧によってサプライチャンバ102が外れない程度の強度を確保できる程度の大きさであれば特に指定は無いが、例えば、幅を25mm以上にすれば、サプライチャンバ102に適用するダクト接続構造109として十分に機能する。なお、衛生状態を保つために、サプライチャンバ102を高圧の蒸気で滅菌する処理を施したりする必要がある場合には、耐熱仕様の面ファスナを用いることが好ましい。耐熱仕様の面ファスナとしては、例えば、クラレファスニング株式会社製のニューエコマジック(登録商標)耐熱タイプを用いることができる。
【0051】
このように構成した膜式のサプライチャンバ102を用いて、本実施例に係るダクト接続構造109と従来からあるフランジ接続構造とを比較する実験を行ったところ、実験例1においては、図10に示すように、チャンバ内の圧力が同じ場合、本実施例に係るダクト接続構造109では気密性の高い(接続部からの漏れが無い)フランジ接続方法と比較して接続部分からの漏れがあることが判る。しかし、サプライチャンバ102内の供給風量に対する接続部分の漏れ風量の割合は約2.8%程度であることが判る。
【0052】
また、接続部分の開口の周囲の長さが実験例1よりも約1.6倍大きい実験例2においては、図11に示すように、接続部分から漏れる風量の割合も約1.6倍の約4.4%となり、開口周囲の長さと漏れ風量とが比例することが判る。また、少なくともチャンバ内の圧力を150Pa程度にしても接続状態を維持することが可能であることが判る。
【符号の説明】
【0053】
1,109・・ダクト接続構造
2,111・・硬質ダクト
3,117・・膜式ダクト
4,5・・接続部
6,115・・第1の接続帯
7,116・・第2の接続帯
8,9,118,119・・面ファスナのB面
10,11・・縫い代
12,13,112,113・・持ち手
14,17,114・・面ファスナのA面
15,16・・縫い代
101・・局所清浄装置
102・・サプライチャンバ
103・・清浄空気供給装置
104・・吹出口
106・・ケーシング
107・・高性能フィルタ
118・・送風機
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調用のダクトを相互に接続するダクト接続構造、膜式ダクトおよび清浄な空間を形成する局所清浄装置とこれに用いるサプライチャンバに関する。
【背景技術】
【0002】
空調用のダクトを相互に接続するダクト接続構造には、多種多様な方式が考案されている。例えば、膜式のダクトを硬質のダクトへ接続するダクト接続構造であって、ダクトの断面形状が角型のものを接続するものとしては、下記の特許文献1に開示されているような、簡易型局所清浄装置の清浄空気供給装置と膜式ダクトとを接続するものがある。この文献に開示されているダクト接続構造は、気密性を考慮して、金属製フランジの間に膜式ダクトの一部を挟みこみ、数箇所のナットを締め上げてフランジ間圧着力で接続している。しかし、この接続方法にはドライバなどの専用工具が必要であり、また片締めや締め付け不足により、空気漏れや空気供給時にダクトが抜ける問題や、締め付け過ぎによりダクトや固定具の破損といった問題があるため、不特定の人が付け外しを行う場所には不向きである。
【0003】
一方、丸ダクトの場合、下記の特許文献2に開示されているように、フレキシブルダクトの接続部の周りに面ファスナの付いた締付けバンドを使用したものがある。また、下記の特許文献3、4に開示されているように、天井付近の丸型気送管ノズルに中空筒状の織編物でできたファスナ付接続部を固定バンドで取付け、ファスナを介して膜式ダクトの付け外しを行うものがある。しかし、これらの締付けバンドや固定バンドによって膜式ダクトの外側からバンド締付け圧力で接続する方法は、バンド締付け圧力が弱いと空気供給時に空気漏れやダクト外れが発生し、強過ぎると空気漏れやダクトの破損といった問題が起こる。この点につき、特許文献2では接着性を得るために接着剤を使用する方法が提案されているが、この方法では一度接続するとダクトを外すことは困難になる。
【0004】
また、下記の特許文献5では、膜式ダクトである布団乾燥用エアー溜め具と送風機との接続では、布団乾燥用エアー溜め具には口金を取付け、送風機の吹出し口にはエアー供給用パイプを取付けて、使用時にパイプへ口金を挿入する接続方法が提案されている。さらに、下記の特許文献6では、乾燥用カバーの温風取り入れ口である布製ダクトに布団乾燥機からの送風用ホースを挿入する接続方法が提案されている。しかし、これらの接続方法では、使用中にパイプやホースが抜けたり、接続部からのエアー漏れたりする可能性があり、確実な接続方法とは言えない。
【0005】
なお、ダクトの接続構造としては、例えば、特許文献7に開示されているようなフランジ構造によるもの、特許文献8,9に開示されているような部材を折り曲げて締結するものがある。また、部材同士を相互に締結するものとしては、例えば特許文献10に開示されているような面ファスナを使ったものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−284149号公報
【特許文献2】特開2001−50575号公報
【特許文献3】特開平03−45852号公報
【特許文献4】特開平03−110343号公報
【特許文献5】特開昭53−13256号公報
【特許文献6】特開2005−118278号公報
【特許文献7】特開2006−226621号公報
【特許文献8】特開2009−79838号公報
【特許文献9】特開2004−53224号公報
【特許文献10】特開2002−211638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
金属や樹脂等の硬質な素材で構成されたダクト(硬質ダクト)と、布や難燃紙、薄膜といったシート状の素材で構成されたダクト(膜式ダクト)とを相互に接続する場合に、金属製フランジを用いてボルトおよびナットで固定したり、或いは、面ファスナ付のダクトバンドを用いたりすると、施工する人によって締め付け強さが異なる可能性がある。このため、締め付け強度が強すぎる場合には膜式ダクトが破れ、逆に締め付け強度が弱すぎる場合には通気時に膜式ダクトが外れるという問題がある。また、ドライバなどの専用工具が必要であるため、不特定の人が付け外しを比較的頻繁に行う可能性がある箇所には適用し難いという問題がある。
【0008】
本願は、上記事項に鑑みてなされたものであり、工具を用いず簡単に付け外しが可能で、硬質ダクトと膜式ダクトを確実に接続できるダクト接続構造、膜式ダクトおよび清浄な空間を形成する局所清浄装置とこれに用いるサプライチャンバを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は、硬質ダクトと膜式ダクトとを面ファスナで接続するものとし、且つ、付け外しが容易になるよう何れかの膜式ダクトの面ファスナの両端に持ち手部分を設けた。そして、この持ち手部分を固定するための面ファスナを更に設けることで、膜式ダクトの各面ファスナの間の部分からの漏洩を抑えてダクトを確実に固定するようにした。
【0010】
詳細には、硬質ダクトに膜式ダクトを接続するダクト接続構造であって、前記膜式ダクトを接続する前記硬質ダクトの開口部の縁に沿って周回するように、前記硬質ダクトの外側面に帯状に固定した、硬質ダクト用の面ファスナと、前記硬質ダクトに接続する前記膜式ダクトの開口部の縁に沿って取り付けた、前記硬質ダクト用の面ファスナに貼り付け可能な帯状で複数の膜式ダクト用の面ファスナと、を備え、前記複数の膜式ダクト用の面ファスナのうち少なくとも何れかの膜式ダクト用の面ファスナは、前記膜式ダクトの開口部に取り付けられている自身の付け根の位置から、ユーザが把持可能な程度に長手方向にはみ出した持ち手部分を両端に形成しており、前記複数の膜式ダクト用の面ファスナのうち、前記持ち手部分を両端に形成した膜式ダクト用の面ファスナに隣接している何れかの膜式ダクト用の面ファスナの、前記硬質ダクト用の面ファスナに貼り付く面の裏側には、該膜式ダクト用の面ファスナに隣接する他の膜式ダクト用の面ファスナの前記持ち手部分を貼り付け可能な持ち手固定用の面ファスナが設けられている。
【0011】
上記ダクト接続構造は、膜式ダクトに設けた面ファスナを、硬質ダクトに設けた面ファスナに貼り付けることで、両ダクトを相互に接続することにしているため、膜式ダクト用の面ファスナの位置を硬質ダクト用の面ファスナの位置に正確に合わせて貼り付けることが、接続部分の強度や気密性を確保する上で肝要である。そこで、上記ダクト接続構造では、何れかの膜式ダクト用の面ファスナの両端に、ユーザが把持可能な程度の持ち手部分を設けることにより、面ファスナの位置合わせを容易にし、接続の際の作業効率を高めて、工具を用いず簡単に付け外し可能にしている。
【0012】
また、上記ダクト接続構造では、帯状の面ファスナが膜式ダクトの開口部の縁に沿って
複数取り付けられているため、各面ファスナの間の気密性を確保するべく、持ち手部分を固定する持ち手固定用の面ファスナを設けている。この持ち手固定用の面ファスナは、膜式ダクト用の面ファスナの、硬質ダクト用の面ファスナに貼り付く面の裏側に設けられていることにより、隣接する他の膜式ダクト用の面ファスナの持ち手部分を貼り付けて、当該持ち手部分に把持機能の他、気密性向上の機能を持たせている。
【0013】
上記ダクト接続構造は、以上のように構成されていることにより、工具を用いず簡単に付け外しが可能で、硬質ダクトと膜式ダクトを確実に接続することが可能となる。
【0014】
なお、前記ダクト接続構造は、断面が多角形の硬質ダクトに膜式ダクトを接続するものであり、前記各膜式ダクト用の面ファスナは、前記持ち手部分が前記硬質ダクトの開口部の角の部分に位置するように、前記膜式ダクトの開口部の縁に沿って取り付けられているものであってもよい。
【0015】
断面が多角形の硬質ダクトに膜式ダクトを接続する場合、膜式ダクトの開口部のうち、硬質ダクトの開口部の角に対応する部位を掴んで両者を接続すると、作業効率が良い。また、膜式ダクトの開口部のうち、硬質ダクトの開口部の角に対応する部位を掴むことにより、変形自在な膜式ダクトが、硬質ダクトの外側面の形状に沿うこととなるため、接続部分の位置合わせを行いやすい。
【0016】
また、前記ダクト接続構造は、例えば、断面が略矩形の硬質ダクトに膜式ダクトを接続するものであり、前記持ち手固定用の面ファスナは、前記複数の膜式ダクト用の面ファスナのうちダクトの通気路を挟んで対向する一対の膜式ダクト用の面ファスナの、前記硬質ダクト用の面ファスナに貼り付く面の裏側に設けられているものであってもよい。略矩形のダクトであれば、持ち手部分を掴んで両ダクトを容易に接続することが可能であるため、ダクト接続構造を上記のように構成したことによる効果が著しい。すなわち、略矩形のダクトであれば、持ち手部分を掴んで膜式ダクトの面ファスナを真っ直ぐに伸ばした状態とすることにより、膜式ダクトの面ファスナを硬質ダクトの面ファスナに容易に位置合わせすることが可能となる。そして、持ち手部分を、持ち手固定用の面ファスナに貼り付けることにより、硬質ダクトと膜式ダクトを確実に接続することが可能となる。なお、通気路とは、膜式ダクトおよび硬質ダクトの内部に形成される、気体が通過する流路である。
【0017】
また、前記硬質ダクト用の面ファスナおよび前記持ち手固定用の面ファスナは、フック面を形成する面ファスナであり、前記膜式ダクト用の面ファスナは、ループ面を形成する面ファスナであってもよい。膜式ダクト用の面ファスナをループ面としておけば、膜式ダクトを洗濯や保管等する際、他の繊維類に引っ掛かることが無いので、例えば、膜式ダクトの衛生状態を保つ必要があるような場合に、膜式ダクトの管理が煩わしくない。なお、持ち手固定用の面ファスナについては、フック面を形成しているものの、洗濯や保管等する際、持ち手固定用の面ファスナに膜式ダクト用の面ファスナの持ち手部分を貼り付けてフック面を覆うことができる。
【0018】
なお、本発明は、膜式ダクト、局所清浄装置あるいはこれに用いるサプライチャンバの側面から捉えることもできる。例えば、本発明は、空気を浄化したクリーンエアを供給する清浄空気供給装置と、前記清浄空気供給装置に着脱自在に接続されて、前記クリーンエアを所定の空間へ供給する膜式のサプライチャンバと、を備える局所清浄装置であって、前記サプライチャンバが接続される、前記クリーンエアが吹き出る前記清浄空気供給装置の吹出し部分を形成する硬質ダクトの開口部の縁に沿って周回するように、前記硬質ダクトの外側面に帯状に固定した、硬質ダクト用の面ファスナと、前記サプライチャンバの膜式ダクトの開口部の縁に沿って取り付けた、前記硬質ダクト用の面ファスナに貼り付け可能な帯状で複数の膜式ダクト用の面ファスナと、を備え、前記複数の膜式ダクト用の面フ
ァスナのうち少なくとも何れかの膜式ダクト用の面ファスナは、前記膜式ダクトの開口部に取り付けられている自身の付け根の位置から、ユーザが把持可能な程度に長手方向にはみ出した持ち手部分を両端に形成しており、前記複数の膜式ダクト用の面ファスナのうち、前記持ち手部分を両端に形成した膜式ダクト用の面ファスナに隣接している何れかの膜式ダクト用の面ファスナの、前記硬質ダクト用の面ファスナに貼り付く面の裏側には、該膜式ダクト用の面ファスナに隣接する他の膜式ダクト用の面ファスナの前記持ち手部分を形成している部位を貼り付け可能な持ち手固定用の面ファスナが設けられているものであってもよい。
【発明の効果】
【0019】
工具を用いず簡単に付け外しが可能で、硬質ダクトと膜式ダクトを確実に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施形態のダクト接続構造の外観を示す図である。
【図2】膜式ダクトの接続部を示す図である。
【図3】第1の接続帯と第2の接続帯の構造を示す図である。
【図4】第1の接続帯と第2の接続帯を膜式ダクトへ取り(縫い)付ける際の取り(縫い)付け方法を示す図である。
【図5】硬質ダクトの接続部を示す図である。
【図6】ダクト接続構造の接続手順を示す図である。
【図7】局所清浄装置の外観を示す図である。
【図8】局所清浄装置の内部構造を示す図である。
【図9】ダクト接続構造の接続手順を示す図である。
【図10】サプライチャンバ内の圧力と供給風量との関係について示した第1のグラフである。
【図11】サプライチャンバ内の圧力と供給風量との関係について示した第2のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本願発明の実施形態について説明する。下記実施形態は、本願発明の一態様を示したものであり、本願発明の技術的範囲を下記の実施形態に限定するものではない。
【0022】
<実施形態>
本実施形態のダクト接続構造の外観を図1に示す。図1に示すように、ダクト接続構造1は、気体を流す通気経路を形成するダクト同士を相互に接続するものであり、硬質の部材で構成した硬質ダクト2と、変形自在な薄い膜で構成した膜式ダクト3とを相互に接続する。ここで、硬質ダクト2は、例えば、亜鉛鉄板等の金属板や、腐食環境下においても耐食性に優れる塩ビやFPR(Fiber Reinforced Plastics)等の樹脂板、耐変形に強化
されたダンボール等の硬質な素材で構成する。また、膜式ダクト3は、例えば、布や難燃紙、薄膜といったシート状で、非通気性の素材で構成する。
【0023】
膜式ダクト3の接続部を図2に示す。図2に示すように、硬質ダクト2が接続される膜式ダクト3の接続部4には、図において下方に開口する開口端を周回するように、第1の接続帯6と第2の接続帯7が膜式ダクト3の外側面に取り(縫い)付けられている。なお、本実施形態では、第1の接続帯6がダクト開口の短辺側に、第2の接続帯7がダクト開口の長辺側に取り付けられるものとして、以下、説明する。
【0024】
第1の接続帯6と第2の接続帯7の構造を図3に示す。図3に示すように、第1の接続帯6と第2の接続帯7は、帯状の面ファスナであり、ループ状の起毛が形成された帯状の
B面(ループ面)8,9が表面に形成されている。また、第1の接続帯6と第2の接続帯7は、B面8,9の長手方向に沿って延在する2つの縁のうちの1つの縁に沿うように、幅が数ミリメートル程度で、長さが取り(縫い)付けるダクトの幅と同じ縫い代10,11が設けられている。第1の接続帯6と第2の接続帯7は、膜式ダクト3の外側面に縫い代10,11が取り(縫い)付けられることにより、B面8,9の長手方向に沿って延在する2つの縁のうち縫い代10,11を設けた側の縁を中心に回動(折り返し)可能なように、膜式ダクト3の外側面に取り(縫い)付けられる。
【0025】
なお、第1の接続帯6と第2の接続帯7のそれぞれの長手方向の長さは、取り(縫い)付ける膜式ダクト3の幅よりも長くなっており、縫い代10,11の部分を膜式ダクト3に取り(縫い)付けると、帯状のB面8,9の長手方向の両端が数〜十センチメートル程度はみ出る。この部分は、膜式ダクト3を硬質ダクト2に接続する際に手で掴む部分となるため、以下、持ち手12,13と呼ぶことにする。
【0026】
なお、第1の接続帯6の裏面には、ループ状の起毛とフック状の起毛の何れも形成されていない。一方、第2の接続帯7の裏面には、第1の接続帯6と異なり、裏面の一部にフック状の起毛が形成された面ファスナのA面(フック面)14が設けられている。面ファスナのA面14は、膜式ダクト3を硬質ダクト2に接続した際、第2の接続帯7の持ち手13を固定するためにある。従って、面ファスナのA面14は、第2の接続帯7の裏面のうち、膜式ダクト3を硬質ダクト2に接続した状態において持ち手13が接触する部位、換言すると、第2の接続帯7の裏面のうち、第2の接続帯7の持ち手13を除いた両端の部位に設けられている。なお、面ファスナのA面14は、第2の接続帯7ではなく、第1の接続帯6に設けてもよい。
【0027】
第1の接続帯6と第2の接続帯7を膜式ダクト3へ取り(縫い)付ける際の取り(縫い)付け方法を図4に示す。第1の接続帯6と第2の接続帯7を膜式ダクト3へ取り(縫い)付ける際は、まず、第1の接続帯6を、膜式ダクト3の長方形の開口端のうち短辺に縫い代10が沿うように、面ファスナのB面8が見える状態で取り(縫い)付ける(図4(A))。取り付けは、例えば、縫い代10のみを膜式ダクト8に縫い付けて固定し、その他の部分は折り返し可能な形で行う。そして、持ち手12をダクトに沿って折り曲げる。なお、縫い代10は、縫い付けのみならず接着により膜式ダクト8に固定してもよいし、縫い代10がビニールなどであれば溶着により膜式ダクト8に固定してもよい。
【0028】
次に、第2の接続帯7を、膜式ダクト3の長方形の開口端のうち長辺に縫い代11が沿うように、面ファスナのB面9が見える状態で取り(縫い)付ける(図4(B))。第1の接続帯6と第2の接続帯7をこのような順序で膜式ダクト3へ取り(縫い)付けることにより、第2の接続帯7の裏面にある面ファスナのA面14が、第1の接続帯6の表面にあるB面8に貼り付く。なお、取り(縫い)付ける順序は、第2の接続帯7を先にし、第1の接続帯6を後にしてもよい。
【0029】
硬質ダクト2の接続部を図5に示す。図5に示すように、膜式ダクト3が接続される硬質ダクト2の接続部5には、上方に開口する開口端から所定の間隔(以下、接続代という)を空けて、開口端を周回するように、面ファスナのA面(フック面)17が設けられている。面ファスナのA面17は、例えば、市販の面ファスナを硬質ダクト2に接着して固定することにより、構成することができる。膜式ダクト3を硬質ダクト2に接続すると、面ファスナのA面17に、第1の接続帯6のB面8と第2の接続帯7のB面9が貼り付けられることになる。
【0030】
ダクト接続構造1の接続手順を図6に示す。膜式ダクト3を硬質ダクト2に接続する際は、まず、硬質ダクト2へ膜式ダクト3を被せる(図6(A)→図6(B))。なお、接
続代は、硬質ダクト5の開口端から面ファスナのA面17までの距離が5cm以上であれば、膜式ダクト3を硬質ダクト2へ被せやすい。この時、作業者は、膜式ダクト3にある第2の接続帯7の持ち手13を掴み、外側へ開く方向へ引っ張りながら、硬質ダクト2へ膜式ダクト3を被せる。膜式ダクト3は、接続部分から気体が漏洩しないよう、硬質ダクト2の開口端の寸法に一致するように構成されているが、第2の接続帯7の持ち手13を掴みながら作業を行うことにより、硬質ダクト2へ膜式ダクト3を容易に接続することができる。
【0031】
次に、第2の接続帯7の持ち手13を掴みながら、第2の接続帯6の面ファスナのA面14を第1の接続帯12の端部から剥がしながら、第2の接続帯7を硬質ダクト2側へ折り返し、第2の接続帯7のB面9を、持ち手13部分も含めて、硬質ダクト2の面ファスナのA面17に貼り付ける(図6(B)→図6(C))。
【0032】
最後に、第1の接続帯6を硬質ダクト2側へ折り返し、第1の接続帯6のB面8を、持ち手12部分も含めて、硬質ダクト2の面ファスナのA面17および第2の接続帯7の裏面に設けられている面ファスナのA面14に貼り付ける(図6(C)→図6(D))。これにより、第1の接続帯6の、ダクトの角からはみ出ている持ち手12部分が、折り返した後の第2の接続帯7の面ファスナのA面14に貼り付いて係合し、膜式ダクト3が隙間無く硬質ダクト2に接続される。
【0033】
本実施形態であれば、接続部から気体が漏洩しないよう、硬質ダクト2の開口端の寸法に一致するように構成されている膜式ダクト3であっても、第2の接続帯7の持ち手13を掴みながら作業を行うことにより、硬質ダクト2へ膜式ダクト3を容易に接続することができる。また、膜式ダクト3を隙間無く硬質ダクト2に接続することができる。
【0034】
持ち手12,13を設けた場合、持ち手12,13を設けない場合と比較して、3つの効果を得ることができる。1点目は、膜式ダクト3を保管や洗濯する際の、端部の折れ曲がりを防止する効果である。これは、図4(B)で示すように、膜式ダクト3に取り付けた4枚の接続帯同士が持ち手12と面ファスナのA面14とによって相互に繋がり、一体の周面を形成することになるため、接続帯の端部が折れ曲がることを防止できる。2点目は、ダクトを接続する際の持ち手としての効果である。これは先にも述べたが、膜式ダクト3を硬質ダクト2へ取付ける際、図6(A)で示すように、第2の接続帯のうちダクトの側面より持ち手13が飛び出すため、持ち手13を掴んで膜式ダクト3の開口部分を広げながら硬質ダクト2へ容易に取付けることができる。3点目は、接続部からの気体の漏れを防止する効果である。ダクト接続の際、図6(D)のように角部4ヶ所も含めて接続部全周を係合させて接続帯で覆うことができるため、接続部(の特に角部)からの空気漏れを防ぐことができる。
【0035】
<実施例>
上記ダクト接続構造1を局所清浄装置に適用した場合の実施例を以下に説明する。ダクト接続構造1を適用した局所清浄装置の外観を図7に示す。図7に示すように、局所清浄装置101は、所望の空間へ清浄空気を吹き出すサプライチャンバ102と、空気を浄化してサプライチャンバ102へ送る清浄空気供給装置103とを備えている。本実施例では、ダクト接続構造109が、清浄空気供給装置103とサプライチャンバ102とを相互に接続する。局所清浄装置101は、例えば、病院のベッドや生産工程中の精密作業場所など、一つの室内の特定部位に向けて浄化空気を供給することで、仕切り等を設けずに局所清浄空間を形成する装置である。
【0036】
サプライチャンバ102は、合成樹脂シートや布等、軽量かつ丈夫で通気性が無く変形自在な気密性の生地で構成されるサプライチャンバ102の一部に、通気性がある生地を
縫製して形成した吹出口104を有していることにより、チャンバ内の空気が吹出口104のみから吹き出るようになっている。また、サプライチャンバ102は、吹出口104の下側に清浄空気供給装置103と接続するための膜式ダクト117を有している。なお、本実施例では、病院のベッドに対して給気することを目的とし、吹出口104の横幅をベッドの寸法に合わせて広げている。
【0037】
なお、サプライチャンバ102は、清浄空気を所望の空間へ供給し得るものであれば如何なる形状であってもよい。従って、サプライチャンバ102は、図7に示すようなT字状の形状であってもよいし、或いは、筒状やボックス状の形状であってもよい。サプライチャンバ102は、清浄空気供給装置103から清浄空気が送風されると膨らみ、その形状を維持するように、形状可変のシート状部材が適所で縫い合わされ補強されている。
【0038】
吹出口104は、多数の細孔が設けられて通気性を付与された生地によって形成されており、サプライチャンバ102の前面の一部に設けられており、局所清浄装置101の正面に向かって清浄空気を略水平に流す。吹出口104は、多数の細孔が設けられて所定且つ均質な通気抵抗を有する変形自在な薄膜、例えば、ポリプロピレンシート等で形成してもよいし、更に、塵埃を発生しないようコーティング加工した繊維布を用いてもよい。
【0039】
また、サプライチャンバ102の膜式ダクト117には、上記実施形態でも示したように、図において下方に開口する開口端を周回するように、第1の接続帯115と第2の接続帯116が膜式ダクト117の外側面に、上記実施形態の縫い代10のような縫い付け等による固定部分を介して取り(縫い)付けられている。
【0040】
局所清浄装置101の内部構造を図8に示す。清浄空気供給装置103は、ケーシング106内の送風機118によって、清浄空気供給装置103の下部から空気を吸引する。送風機118によって吸引された空気は、ダクトとして機能するケーシング106内の流路を通り、空気中の粒子状汚染物質を捕集する空気浄化手段である高性能フィルタ107によって浄化される。高性能フィルタ107によって浄化された空気は、清浄空気供給装置103の上部に取り付けたサプライチャンバ102内へ吹き出る。
【0041】
また、清浄空気供給装置103の上端部分には、サプライチャンバ102を接続するための硬質ダクト111がケーシング106によって形成されている。この硬質ダクト111には、上記実施形態でも示したように、ケーシング106側において上方に開口する開口端から所定の間隔を空けて、開口端を周回するように、面ファスナのA面(フック面)114が設けられている。
【0042】
局所清浄装置101は、組み立て式であり、折りたたんだサプライチャンバ102を広げて、サプライチャンバ102のダクト部分である膜式ダクト117を、清浄空気供給装置103の上部を構成する硬質ダクト111に取り付ける。サプライチャンバ102を清浄空気供給装置103に接続する際は、上記実施形態でも示したように、清浄空気供給装置103の上部を構成する硬質ダクト111にサプライチャンバ102の膜式ダクト117を被せる(図9を参照)。そして、第2の接続帯116の持ち手113を掴みながら、第2の接続帯116を清浄空気供給装置103側へ折り返し、第2の接続帯116のB面119を、持ち手113部分も含めて、清浄空気供給装置103の面ファスナのA面114に貼り付ける。そして、第1の接続帯115を清浄空気供給装置103側へ折り返し、第1の接続帯115のB面118を、持ち手113部分も含めて、清浄空気供給装置103の面ファスナのA面114および第2の接続帯116の裏面に設けられている面ファスナのA面に貼り付ける。これにより、サプライチャンバ102の膜式ダクト117が隙間無く清浄空気供給装置103に接続される。
【0043】
本実施例であれば、接続部から気体が漏洩しないよう、清浄空気供給装置103の開口端の寸法に一致するように構成されているサプライチャンバ102の膜式ダクト117であっても、第2の接続帯116の持ち手113を掴みながら作業を行うことにより、清浄空気供給装置103へサプライチャンバ102を容易に接続することができる。また、サプライチャンバ102の膜式ダクト117を隙間無く清浄空気供給装置103に接続することができる。また、サプライチャンバ102の接続部分が面ファスナで構成されているため、サプライチャンバ102を洗濯機で洗うことが可能であり、特に、第2の接続帯116の裏面にある面ファスナのA面を、第1の接続帯115の表面にあるB面118に貼り付けた状態にすれば、サプライチャンバ102を他の繊維類と一緒に洗濯機で洗っても、他の繊維類を傷める事もない。
【0044】
また、膜式のサプライチャンバ102を清浄空気供給装置103へ接続することで、清浄空気を吹出口104から水平方向へほぼ一様に吹出すことができる。また、サプライチャンバ102が汚れた場合でも、面ファスナを用いたダクト接続構造109で接続しているため、工具を用いずに誰でも簡単で確実に付け外しが可能となる。
【0045】
なお、上記実施形態や変形例に係るダクト接続構造は、面ファスナのA面とB面とが逆であってもよいし、或いは、1枚の面ファスナでA面とB面の両方を兼ね備える面ファスナを用いても良い。面ファスナのA面とB面の両方を兼ね備える面ファスナとしては、例えば、クラレファスニング社製の「フリーマジック」(登録商標)がある。ただし、膜式ダクト(膜式のサプライチャンバを含む)を洗濯して再利用する場合、膜式ダクト側に面ファスナのA面(フック面)が縫製されていると、洗濯時に面ファスナが膜式ダクト自体を傷つける可能性がある。またA面とB面とを兼ね備えた面ファスナを使用する場合、A面とB面が別々のものと比較して係合性(接合性)が劣るため、チャンバ内圧力を考慮した上で面ファスナの大きさを決定する必要がある。
【0046】
また、膜式ダクトの開口部周囲に複数枚の接続帯を縫製していれば、ダクトの断面の形状は多角形でも円形でも良い。ただし、膜式ダクトの硬質ダクトへの取付け易さを考慮すると、上記実施形態や実施例に示したように、四角形が好ましい。
【0047】
<実験結果>
ダクトの接続部分の空気の漏れ量について、本実施例に係るダクト接続構造109と従来からあるフランジ接続構造とを比較する実験を行なった。図10及び図11は、実施例に係るダクト接続構造109と従来からあるフランジ接続構造について、サプライチャンバ内の圧力と供給風量(吹出風量+接続部漏れ風量)との関係について示したグラフである。
【0048】
なお、本実験例では、2種類のダクトサイズについて実験しており、サプライチャンバ102のダクト部分である膜式ダクト117が570mm×250mm(開口周囲長=1640mm)のデータ(実験例1)を図10に示し、サプライチャンバ102の膜式ダクト117が1080mm×200mm(開口周囲長=2560mm)のデータ(実験例2)を図11に示している。
【0049】
なお、サプライチャンバ102を構成する素材は、実験例1と実験例2の何れも、通気性が無く変形自在な気密性の生地として、例えば、通気度が1.0cm3/cm2/sec以下の帝人ファイバー社製のセルガード(登録商標)「T−300」で構成されるサプライチャンバ102の一部に、通気性がある生地として、例えば、通気度が25cm3/c
m2/sec以上の東レ・ファインケミカル社製のトレミクロン(登録商標)「EM05
010」を縫製して吹出口104を形成している。
【0050】
また、接続部の面ファスナの幅は、清浄空気供給装置103から吹き出る風の風圧によってサプライチャンバ102が外れない程度の強度を確保できる程度の大きさであれば特に指定は無いが、例えば、幅を25mm以上にすれば、サプライチャンバ102に適用するダクト接続構造109として十分に機能する。なお、衛生状態を保つために、サプライチャンバ102を高圧の蒸気で滅菌する処理を施したりする必要がある場合には、耐熱仕様の面ファスナを用いることが好ましい。耐熱仕様の面ファスナとしては、例えば、クラレファスニング株式会社製のニューエコマジック(登録商標)耐熱タイプを用いることができる。
【0051】
このように構成した膜式のサプライチャンバ102を用いて、本実施例に係るダクト接続構造109と従来からあるフランジ接続構造とを比較する実験を行ったところ、実験例1においては、図10に示すように、チャンバ内の圧力が同じ場合、本実施例に係るダクト接続構造109では気密性の高い(接続部からの漏れが無い)フランジ接続方法と比較して接続部分からの漏れがあることが判る。しかし、サプライチャンバ102内の供給風量に対する接続部分の漏れ風量の割合は約2.8%程度であることが判る。
【0052】
また、接続部分の開口の周囲の長さが実験例1よりも約1.6倍大きい実験例2においては、図11に示すように、接続部分から漏れる風量の割合も約1.6倍の約4.4%となり、開口周囲の長さと漏れ風量とが比例することが判る。また、少なくともチャンバ内の圧力を150Pa程度にしても接続状態を維持することが可能であることが判る。
【符号の説明】
【0053】
1,109・・ダクト接続構造
2,111・・硬質ダクト
3,117・・膜式ダクト
4,5・・接続部
6,115・・第1の接続帯
7,116・・第2の接続帯
8,9,118,119・・面ファスナのB面
10,11・・縫い代
12,13,112,113・・持ち手
14,17,114・・面ファスナのA面
15,16・・縫い代
101・・局所清浄装置
102・・サプライチャンバ
103・・清浄空気供給装置
104・・吹出口
106・・ケーシング
107・・高性能フィルタ
118・・送風機
【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬質ダクトに膜式ダクトを接続するダクト接続構造であって、
前記膜式ダクトを接続する前記硬質ダクトの開口部の縁に沿って周回するように、前記硬質ダクトの外側面に帯状に固定した、硬質ダクト用の面ファスナと、
前記硬質ダクトに接続する前記膜式ダクトの開口部の縁に沿って取り付けた、前記硬質ダクト用の面ファスナに貼り付け可能な帯状で複数の膜式ダクト用の面ファスナと、を備え、
前記複数の膜式ダクト用の面ファスナのうち少なくとも何れかの膜式ダクト用の面ファスナは、前記膜式ダクトの開口部に取り付けられている自身の付け根の位置から、ユーザが把持可能な程度に長手方向にはみ出した持ち手部分を両端に形成しており、
前記複数の膜式ダクト用の面ファスナのうち、前記持ち手部分を両端に形成した膜式ダクト用の面ファスナに隣接している何れかの膜式ダクト用の面ファスナの、前記硬質ダクト用の面ファスナに貼り付く面の裏側には、該膜式ダクト用の面ファスナに隣接する他の膜式ダクト用の面ファスナの前記持ち手部分を貼り付け可能な持ち手固定用の面ファスナが設けられている、
ダクト接続構造。
【請求項2】
前記ダクト接続構造は、断面が多角形の硬質ダクトに膜式ダクトを接続するものであり、
前記各膜式ダクト用の面ファスナは、前記持ち手部分が前記硬質ダクトの開口部の角の部分に位置するように、前記膜式ダクトの開口部の縁に沿って取り付けられている、
請求項1に記載のダクト接続構造。
【請求項3】
前記ダクト接続構造は、断面が略矩形の硬質ダクトに膜式ダクトを接続するものであり、
前記持ち手固定用の面ファスナは、前記複数の膜式ダクト用の面ファスナのうちダクトの通気路を挟んで対向する一対の膜式ダクト用の面ファスナの、前記硬質ダクト用の面ファスナに貼り付く面の裏側に設けられている、
請求項1または2に記載のダクト接続構造。
【請求項4】
前記硬質ダクト用の面ファスナおよび前記持ち手固定用の面ファスナは、フック面を形成する面ファスナであり、
前記膜式ダクト用の面ファスナは、ループ面を形成する面ファスナである、
請求項1から3の何れか一項に記載のダクト接続構造。
【請求項5】
硬質ダクトに接続される膜式ダクトであって、
前記膜式ダクトを接続する前記硬質ダクトの開口部の縁に沿って周回するように、前記硬質ダクトの外側面に帯状に固定された硬質ダクト用の面ファスナに貼り付け可能な、前記膜式ダクトの開口部の縁に沿って取り付けた帯状の膜式ダクト用の面ファスナを複数備え、
前記複数の膜式ダクト用の面ファスナのうち少なくとも何れかの膜式ダクト用の面ファスナは、前記膜式ダクトの開口部に取り付けられている自身の付け根の位置から、ユーザが把持可能な程度に長手方向にはみ出した持ち手部分を両端に形成しており、
前記複数の膜式ダクト用の面ファスナのうち、前記持ち手部分を両端に形成した膜式ダクト用の面ファスナに隣接している何れかの膜式ダクト用の面ファスナの、前記硬質ダクト用の面ファスナに貼り付く面の裏側には、該膜式ダクト用の面ファスナに隣接する他の膜式ダクト用の面ファスナの前記持ち手部分を貼り付け可能な持ち手固定用の面ファスナが設けられている、
膜式ダクト。
【請求項6】
空気を浄化したクリーンエアを供給する清浄空気供給装置と、前記清浄空気供給装置に着脱自在に接続されて、前記クリーンエアを所定の空間へ供給する膜式のサプライチャンバと、を備える局所清浄装置であって、
前記サプライチャンバが接続される、前記クリーンエアが吹き出る前記清浄空気供給装置の吹出し部分を形成する硬質ダクトの開口部の縁に沿って周回するように、前記硬質ダクトの外側面に帯状に固定した、硬質ダクト用の面ファスナと、
前記サプライチャンバの膜式ダクトの開口部の縁に沿って取り付けた、前記硬質ダクト用の面ファスナに貼り付け可能な帯状で複数の膜式ダクト用の面ファスナと、を備え、
前記複数の膜式ダクト用の面ファスナのうち少なくとも何れかの膜式ダクト用の面ファスナは、前記膜式ダクトの開口部に取り付けられている自身の付け根の位置から、ユーザが把持可能な程度に長手方向にはみ出した持ち手部分を両端に形成しており、
前記複数の膜式ダクト用の面ファスナのうち、前記持ち手部分を両端に形成した膜式ダクト用の面ファスナに隣接している何れかの膜式ダクト用の面ファスナの、前記硬質ダクト用の面ファスナに貼り付く面の裏側には、該膜式ダクト用の面ファスナに隣接する他の膜式ダクト用の面ファスナの前記持ち手部分を形成している部位を貼り付け可能な持ち手固定用の面ファスナが設けられている、
局所清浄装置。
【請求項7】
空気を浄化したクリーンエアを供給する清浄空気供給装置に接続されて、前記クリーンエアを所定の空間へ供給する膜式のサプライチャンバであって、
前記サプライチャンバを接続する前記清浄空気供給装置の硬質ダクトの開口部の縁に沿って周回するように、前記硬質ダクトの外側面に帯状に固定された硬質ダクト用の面ファスナに貼り付け可能な、前記サプライチャンバの膜式ダクトの開口部の縁に沿って取り付けた帯状の膜式ダクト用の面ファスナを複数備え、
前記複数の膜式ダクト用のうち少なくとも何れかの膜式ダクト用の面ファスナの面ファスナは、前記膜式ダクトの開口部に取り付けられている自身の付け根の位置から、ユーザが把持可能な程度に長手方向にはみ出した持ち手部分を両端に形成しており、
前記複数の膜式ダクト用の面ファスナのうち、前記持ち手部分を両端に形成した膜式ダクト用の面ファスナに隣接している何れかの膜式ダクト用の面ファスナの、前記硬質ダクト用の面ファスナに貼り付く面の裏側には、該膜式ダクト用の面ファスナに隣接する他の膜式ダクト用の面ファスナの前記持ち手部分を形成している部位を貼り付け可能な持ち手固定用の面ファスナが設けられている、
サプライチャンバ。
【請求項1】
硬質ダクトに膜式ダクトを接続するダクト接続構造であって、
前記膜式ダクトを接続する前記硬質ダクトの開口部の縁に沿って周回するように、前記硬質ダクトの外側面に帯状に固定した、硬質ダクト用の面ファスナと、
前記硬質ダクトに接続する前記膜式ダクトの開口部の縁に沿って取り付けた、前記硬質ダクト用の面ファスナに貼り付け可能な帯状で複数の膜式ダクト用の面ファスナと、を備え、
前記複数の膜式ダクト用の面ファスナのうち少なくとも何れかの膜式ダクト用の面ファスナは、前記膜式ダクトの開口部に取り付けられている自身の付け根の位置から、ユーザが把持可能な程度に長手方向にはみ出した持ち手部分を両端に形成しており、
前記複数の膜式ダクト用の面ファスナのうち、前記持ち手部分を両端に形成した膜式ダクト用の面ファスナに隣接している何れかの膜式ダクト用の面ファスナの、前記硬質ダクト用の面ファスナに貼り付く面の裏側には、該膜式ダクト用の面ファスナに隣接する他の膜式ダクト用の面ファスナの前記持ち手部分を貼り付け可能な持ち手固定用の面ファスナが設けられている、
ダクト接続構造。
【請求項2】
前記ダクト接続構造は、断面が多角形の硬質ダクトに膜式ダクトを接続するものであり、
前記各膜式ダクト用の面ファスナは、前記持ち手部分が前記硬質ダクトの開口部の角の部分に位置するように、前記膜式ダクトの開口部の縁に沿って取り付けられている、
請求項1に記載のダクト接続構造。
【請求項3】
前記ダクト接続構造は、断面が略矩形の硬質ダクトに膜式ダクトを接続するものであり、
前記持ち手固定用の面ファスナは、前記複数の膜式ダクト用の面ファスナのうちダクトの通気路を挟んで対向する一対の膜式ダクト用の面ファスナの、前記硬質ダクト用の面ファスナに貼り付く面の裏側に設けられている、
請求項1または2に記載のダクト接続構造。
【請求項4】
前記硬質ダクト用の面ファスナおよび前記持ち手固定用の面ファスナは、フック面を形成する面ファスナであり、
前記膜式ダクト用の面ファスナは、ループ面を形成する面ファスナである、
請求項1から3の何れか一項に記載のダクト接続構造。
【請求項5】
硬質ダクトに接続される膜式ダクトであって、
前記膜式ダクトを接続する前記硬質ダクトの開口部の縁に沿って周回するように、前記硬質ダクトの外側面に帯状に固定された硬質ダクト用の面ファスナに貼り付け可能な、前記膜式ダクトの開口部の縁に沿って取り付けた帯状の膜式ダクト用の面ファスナを複数備え、
前記複数の膜式ダクト用の面ファスナのうち少なくとも何れかの膜式ダクト用の面ファスナは、前記膜式ダクトの開口部に取り付けられている自身の付け根の位置から、ユーザが把持可能な程度に長手方向にはみ出した持ち手部分を両端に形成しており、
前記複数の膜式ダクト用の面ファスナのうち、前記持ち手部分を両端に形成した膜式ダクト用の面ファスナに隣接している何れかの膜式ダクト用の面ファスナの、前記硬質ダクト用の面ファスナに貼り付く面の裏側には、該膜式ダクト用の面ファスナに隣接する他の膜式ダクト用の面ファスナの前記持ち手部分を貼り付け可能な持ち手固定用の面ファスナが設けられている、
膜式ダクト。
【請求項6】
空気を浄化したクリーンエアを供給する清浄空気供給装置と、前記清浄空気供給装置に着脱自在に接続されて、前記クリーンエアを所定の空間へ供給する膜式のサプライチャンバと、を備える局所清浄装置であって、
前記サプライチャンバが接続される、前記クリーンエアが吹き出る前記清浄空気供給装置の吹出し部分を形成する硬質ダクトの開口部の縁に沿って周回するように、前記硬質ダクトの外側面に帯状に固定した、硬質ダクト用の面ファスナと、
前記サプライチャンバの膜式ダクトの開口部の縁に沿って取り付けた、前記硬質ダクト用の面ファスナに貼り付け可能な帯状で複数の膜式ダクト用の面ファスナと、を備え、
前記複数の膜式ダクト用の面ファスナのうち少なくとも何れかの膜式ダクト用の面ファスナは、前記膜式ダクトの開口部に取り付けられている自身の付け根の位置から、ユーザが把持可能な程度に長手方向にはみ出した持ち手部分を両端に形成しており、
前記複数の膜式ダクト用の面ファスナのうち、前記持ち手部分を両端に形成した膜式ダクト用の面ファスナに隣接している何れかの膜式ダクト用の面ファスナの、前記硬質ダクト用の面ファスナに貼り付く面の裏側には、該膜式ダクト用の面ファスナに隣接する他の膜式ダクト用の面ファスナの前記持ち手部分を形成している部位を貼り付け可能な持ち手固定用の面ファスナが設けられている、
局所清浄装置。
【請求項7】
空気を浄化したクリーンエアを供給する清浄空気供給装置に接続されて、前記クリーンエアを所定の空間へ供給する膜式のサプライチャンバであって、
前記サプライチャンバを接続する前記清浄空気供給装置の硬質ダクトの開口部の縁に沿って周回するように、前記硬質ダクトの外側面に帯状に固定された硬質ダクト用の面ファスナに貼り付け可能な、前記サプライチャンバの膜式ダクトの開口部の縁に沿って取り付けた帯状の膜式ダクト用の面ファスナを複数備え、
前記複数の膜式ダクト用のうち少なくとも何れかの膜式ダクト用の面ファスナの面ファスナは、前記膜式ダクトの開口部に取り付けられている自身の付け根の位置から、ユーザが把持可能な程度に長手方向にはみ出した持ち手部分を両端に形成しており、
前記複数の膜式ダクト用の面ファスナのうち、前記持ち手部分を両端に形成した膜式ダクト用の面ファスナに隣接している何れかの膜式ダクト用の面ファスナの、前記硬質ダクト用の面ファスナに貼り付く面の裏側には、該膜式ダクト用の面ファスナに隣接する他の膜式ダクト用の面ファスナの前記持ち手部分を形成している部位を貼り付け可能な持ち手固定用の面ファスナが設けられている、
サプライチャンバ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−2675(P2013−2675A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−132072(P2011−132072)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(000169499)高砂熱学工業株式会社 (287)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(000169499)高砂熱学工業株式会社 (287)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]