説明

ダストボックス

【課題】 ごみ投入口からの大型容量のごみの投棄や、複数個のごみの連続投棄を減ずるダストボックスを提供する
【解決手段】ダストボックス筐体と、このダストボックス筐体の前面に設けられたごみ投入口と、このごみ投入口に配置されたフタと、このフタの奥に連続して形成されて、前記フタを開いたときに、一定量のごみのみを載せることができるスペースを形成し、且つ、前記フタの奥に開口するごみ投入口の投入開口部を閉じるように位置し、前記フタを閉じたときに、傾斜し、前記したごみが前記投入開口部へ落ちて投入される開閉フタストッパーと、前記フタの開閉を検出するセンサと、このセンサからフタの開状態の信号を検出し、この検出の時間情報を記録し、前記開状態の信号が規定頻度以上検出されたときに警告信号を発する制御部と、前記警告信号を受けて光または音を発する警報装置と、を有することを特徴とするダストボックス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ごみ投入開口部から投入されるごみをごみ袋に収容するダストボックスに関する。
【従来技術】
【0002】
近年、ごみの回収、処理は、大きな社会問題となっているが、特に、多量のごみが発生するコンビニエンスストアなどでは深刻な問題となっている。具体的にはコンビニエンスストアのダストボックスに対する多量の家庭ごみの不法投棄によるごみ収集コストの増大という問題があり、コンビニエンスストア運営会社ならびにコンビニエンスストア加盟店の採算悪化を招いている。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の従来技術においては、ダストボックスの開放されたごみ投入口の投入開口部から大容量のごみを投棄できるという課題が存在した。そのため本発明は、ダストボックスに一度の操作で捨てられるごみ容量を制限する構造のダストボックスを提供することで、上記の問題の解決を目指す。
【0004】
上記の従来技術においては、ダストボックスの開放されたごみ投入口の投入開口部から複数個のごみを連続投棄できるという課題が存在した。そのため本発明は、複数個のごみの連続投棄を自動検出し、店舗従業員などに通報する構造のダストボックスを提供することで、上記の問題の解決を目指す。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するための第一考案は、ダストボックス筐体と、このダストボックス筐体の前面に設けられたごみ投入口と、このごみ投入口に配置されたフタと、このフタの奥に連続して形成されて、前記フタを開いたときに、一定量のごみのみを載せることができるスペースを形成し、且つ、前記フタの奥に開口するごみ投入口の投入開口部を閉じるように位置し、前記フタを閉じたときに、傾斜し、前記したごみが前記投入開口部へ落ちて投入される開閉フタストッパーと、前記フタの開閉を検出するセンサと、このセンサからフタの開状態の信号を検出し、この検出の時間情報を記録し、前記開状態の信号が規定頻度以上検出されたときに警告信号を発する制御部と、前記警告信号を受けて光または音を発する警報装置と、を有することを特徴とするダストボックス。
【0006】
上記の課題を解決するための第二考案は、前記フタが、前記ごみ投入口の投入開口部を閉じるようにし、ダストボックス筐体と前記投入開口部の下側の長辺部を回転軸として前面方向に向かって約90度に回転可能に連結され、前面の上部に垂直にハンドルが具備された開閉フタと、開閉フタが回転軸からダストボックス筐体の内側方向に向けて背面側に屈曲しつつ連続して形成された開閉フタストッパーによって一体的に構成されることを特徴とするダストボックス。
【発明の効果】
【0007】
第一、又は第二考案によれば、開閉フタの前面上部に垂直に具備されたハンドルを前面方向に引くことでフタを前面方向に約90度回転した時に、開閉フタが回転軸からダストボックス筐体の内側方向に向けて背面側に屈曲しつつ連続して形成された開閉フタストッパーがごみ投入口の投入開口部を閉じるため、ごみ投棄者はフタの背面上にごみを置いてハンドルを背面側に押してフタを閉めることで、フタの背面上に位置するごみを重力の働きでダストボックス筐体の内側に投棄する手法でしかごみ投棄できない。
その結果として、一度の操作で投棄できるごみ容量が、ごみ投入口の投入開口部と開状態のフタの間の容積を上限として制限されるため、投棄ごみ量を削減する効果が期待できる。
【0008】
第一、又は第二考案によれば、フタの開閉を検出するセンサと、このセンサからフタの開状態の信号を受信し、この検出の時間情報を記録し、前記開状態の信号が規定頻度以上検出されたときに警告信号を発する制御部と、前記警告信号を受けて光または音を発する警報装置を有しているため、フタの開閉によるごみ投棄が規定頻度以上行われた場合に、警報装置を動作することができる。
その結果として、複数個のごみの連続投棄を店舗従業員などがリアルタイムに認識することができ、ごみの連続投棄者への注意・通報が容易となるので、投棄ごみ量を削減する効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この考案の一実施形態を示すもので、ダストボックスを表す斜視図である。
【図2】この考案の一実施形態を示すもので、ごみ投入口ならびにフタの近傍部を表す斜視図である。
【図3】この考案の一実施形態を示すもので、フタが開いている状態の図2の縦断面を右側から見た概略断面図である。
【図4】この考案の一実施形態を示すもので、フタが閉まっている状態の図2の縦断面を右側から見た概略断面図である。
【図5】フタの開閉を検出するセンサと、このセンサからフタの開状態の信号を検出し、この検出の時間情報を記録し、前記開状態の信号が規定頻度以上検出されたときに警告信号を発する制御部と、前記警告信号を受けて光または音を発する警報装置が接続されているブロック図である。
【図6】この考案の第二実施形態を示すもので、ごみ投入口ならびにフタの近傍部を表す斜視図である。
【図7】この考案の第三実施形態を示すもので、フタが開いている状態の図2の縦断面を右側から見た概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本考案の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1はこの考案の一実施形態における、ダストボックス筐体1と、ダストボックス筐体1の前面上部に設けられたごみを投入するための前側から見た形状が略長方形のごみ投入口2と、ごみ投入口2に水平に配置されたフタ3と、ダストボックス筐体1の天面に警報装置10を具備したことを特徴としているダストボックスを示す斜視図である。
【0011】
図2はこの考案の一実施形態における、ごみ投入口2に配置された開閉フタ4と、このフタの奥に連続して形成されて、開閉フタ4を開いたときに、ごみを載せることができるスペースを形成し、且つ、開閉フタ4の奥に開口するごみ投入口2の投入開口部を閉じるように位置し、開閉フタ4を閉じたときに、傾斜し、前記したごみが重力の働きでごみ投入口2の投入開口部へ落ちて、ダストボックス筐体1の内側に投棄される開閉フタストッパー7によって一体的に構成されるフタ3が開いた状態の、ごみ投入口2ならびにフタ3の近傍部を表す斜視図である。なお、前記のごみを載せることができるスペースは、開閉フタ3の背面上、および開閉フタストッパー7の前面上に位置する。
【0012】
図3はこの考案の一実施形態における図2の縦断面を右側から見た概略断面図であり、ごみ投入口2の投入開口部を閉じるように位置し、ダストボックス筐体1とごみ投入口2の投入開口部の下側の長辺部に配置された回転軸5を軸として前面方向に向かって約90度に回転可能に連結され、前面の上部に垂直に前後方向に引押動するためのハンドル6が具備された開閉フタ4と、開閉フタ4が回転軸5からダストボックス筐体1の内側方向に向けて背面側に屈曲しつつ連続して形成され、開閉フタ4を開いた時に開閉フタ4の奥に開口するごみ投入口2の投入開口部を閉じるように位置する開閉フタストッパー7によって一体的に構成されたフタ3が開き、回転軸5の近傍のダストボックス筐体1の内面部にフタ3の開閉を検出するセンサ8および制御部9が取り付けられた状態を示している。ごみ投入口2の投入開口部が閉じるとは、投入開口部が開閉フタストッパー7によって閉じられ、手などが入らない状態を言う。なお、前記の開閉フタ4の回転角度は必ずしも90度である必要はなく、ダストボックス筐体1の前面の傾斜角度に応じて、開状態の開閉フタ4が略水平となる角度であればよい。
【0013】
図4はこの考案の一実施形態における図2の縦断面を右側から見た概略断面図であり、フタ3が閉じた状態を示している。開閉フタ4を閉じたときに、傾斜し、開閉フタ3の背面上、および開閉フタストッパー7の前面上に位置する前記したごみが重力の働きでごみ投入口2の投入開口部へ落ちて、ダストボックス筐体1の内側に投棄される。
【0014】
図5はフタ3の開閉を検出するセンサ8と、フタ3の開閉状態の信号の時間情報を記録し、前記開状態の信号が規定頻度以上検出されたときに警告信号を発する制御部9と、前記警告信号を受けて光または音を発する警報装置10が接続されているブロック図である。センサ8はフタ3の開閉を検出する。つまりごみ投入口2の投入開口部における開閉フタ4の「開閉」を検出する。ここで、ごみ投入口2が「閉」とは、開閉フタ4が閉じて手などが入らない状態を言う。そしてセンサ8は、ごみ投入口2の開閉状態の信号を制御部9に出力する。したがって利用者がごみを捨てようとしてフタ3を開けると、センサ8は制御部9にごみ投入口2が「開」状態となった信号を出力する。
【0015】
制御部9はごみ投入口2が「開」状態となった信号を受信し、「開」状態の検出時間情報を記録する。
そしてごみ投入口2が「開」状態となった信号を規定頻度以上検出した時に、警報装置10への給電を行い、発光装置を具備した警報装置10が動作し、光の点滅・点灯で通報を行う。ここで言う「規定頻度」は例えば「10秒間に3回以上の頻度」など、任意の頻度を設定できる。
「他の実施形態」
【0016】
なお、上述した第一実施形態のダストボックスにおいて、警報装置10として発光装置を用いているが、本発明はこれに限定するものではない。次に発光装置の代わりに、音響再生装置を用いたダストボックスについて、第二実施形態として図面を参照して説明する。
【0017】
図6はこの考案の第二実施形態を示すもので、ダストボックス筐体1と、ダストボックス筐体1の前面上部に設けられたごみを投入するための前側から見た形状が略長方形のごみ投入口2と、ごみ投入口2に水平に配置されたフタ3と、ダストボックス筐体1の天面に音響再生装置を具備した警報装置10を具備したことを特徴としているダストボックスを示す斜視図である。制御部9はごみ投入口2が「開」状態となった信号を受信し、「開」状態の検出時間情報を記録する。そしてごみ投入口2が「開」状態となった信号を規定頻度以上検出した時に、警報装置10への給電を行い、音響再生装置を具備した警報装置10が動作し、音響の再生で通報を行う。
【0018】
上述した第一実施形態のダストボックスにおいて、フタ3の開閉を検出するセンサ8および制御部9が回転軸5の近傍のダストボックス筐体1の内面部に取り付けられているが、本発明はこれに限定するものではない。次にセンサ8および制御部9を異なる場所に配置した第三実施形態を図面を参照して説明する。
【0019】
図7はこの考案の第三実施形態を示すもので、図2の縦断面を右側から見た概略断面図であり、ごみ投入口2の投入開口部を閉じるように位置し、ダストボックス筐体1とごみ投入口2の投入開口部の下側の長辺部に配置された回転軸5を軸として前面方向に向かって約90度に回転可能に連結され、前面の上部に垂直に前後方向に引押動するためのハンドル6が具備され、磁性体が搭載された開閉フタ4と、開閉フタ4が回転軸5からダストボックス筐体1の内側方向に向けて背面側に屈曲しつつ連続的に延長され、開閉フタ4を開いた時に開閉フタ4の奥に開口するごみ投入口2の投入開口部を閉じるように位置する開閉フタストッパー7によって一体的に構成されたフタ3が開き、ごみ投入口2の投入開口部の上側の長辺部の近傍に位置するダストボックス筐体1の前面部にフタ3の開閉を検出する磁気センサを具備したセンサ8および制御部9が取り付けられた状態を示している。フタ3を閉じたときに磁気センサを具備したセンサ8は、開閉フタ4に搭載された磁性体を感知し、フタ3の開閉を検出する。
【符号の説明】
【0020】
1 ダストボックス筐体1
2 ごみ投入口2
3 フタ3
4 開閉フタ4
5 回転軸5
6 ハンドル6
7 開閉フタストッパー7
8 センサ8
9 制御部9
10 警報装置10

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダストボックス筐体と、このダストボックス筐体の前面に設けられたごみ投入口と、このごみ投入口に配置されたフタと、このフタの奥に連続して形成されて、前記フタを開いたときに、一定量のごみのみを載せることができるスペースを形成し、且つ、前記フタの奥に開口するごみ投入口の投入開口部を閉じるように位置し、前記フタを閉じたときに、傾斜し、前記したごみが前記投入開口部へ落ちて投入される開閉フタストッパーと、前記フタの開閉を検出するセンサと、このセンサからフタの開状態の信号を検出し、この検出の時間情報を記録し、前記開状態の信号が規定頻度以上検出されたときに警告信号を発する制御部と、前記警告信号を受けて光または音を発する警報装置と、を有することを特徴とするダストボックス。
【請求項2】
前記フタが、前記ごみ投入口の投入開口部を閉じるようにし、ダストボックス筐体と前記投入開口部の下側の長辺部を回転軸として前面方向に向かって約90度に回転可能に連結され、前面の上部に垂直にハンドルが具備された開閉フタと、開閉フタが回転軸からダストボックス筐体の内側方向に向けて背面側に屈曲しつつ連続して形成された開閉フタストッパーによって一体的に構成されることを特徴とするダストボックス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−96924(P2012−96924A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−257281(P2010−257281)
【出願日】平成22年10月31日(2010.10.31)
【出願人】(510268071)
【Fターム(参考)】