説明

ダンパ位置調整装置

【課題】 ダンパ軸のキー溝位置や、ダンパを開く際の回転方向によらず、容易にダンパ軸に取り付けることができるダンパ位置調整装置の提供。
【解決手段】 既存の各種ボイラに適用され、そのダクト5に取り付けられたダンパ8のダンパ軸9に接続されて、ダンパ8の回転停止位置を調整する装置である。カップリング33は、ダンパ軸9に接続される。カップリング33には、被検出板63が表裏いずれの方向でも取付可能である。被検出板63の外周部には、点対称となる位置に、被検出領域65,66が形成されている。各被検出領域65,66には、周方向等間隔に多数のスリット71,71,…が形成されている。各スリット71は、検出器64にて検出可能とされる。いずれかの被検出領域65の周方向一端部のスリット77が検出器64と対応する位置において、ダンパ8はダクト5を全閉する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ダンパ(可動板)を回転させるダンパ軸を操作して、ダクトの開度を変更するダンパ位置調整装置に関するものである。特に、ガスまたは油を燃焼させる形式のボイラにおいて、そのバーナへ供給する燃焼用空気の流量を変更する従来構造に代えて設けられるダンパ位置調整装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ボイラのバーナへ空気を供給する給気ダクトには、給気量を調整する可動板からなるダンパが設けられている。このダンパは、基本的には低燃焼風量位置と高燃焼風量位置との二位置のいずれかを択一的にとるが、下記特許文献1に開示されるように、回転停止位置を任意に調整されるのが好ましい。この特許文献1に記載のダンパ位置調整装置は、既設ボイラの既設ダンパ軸に後付け可能とされている。
【0003】
また、出願人は、先に、図14に示すようなダンパ位置調整装置を提案し、既に特許出願を済ませている(特願2005−82193)。このダンパ位置調整装置は、モータにより回転されるカップリング201に、ダンパ軸202がキー203を介して一体回転可能にはめ込まれる。そして、カップリング201と一体回転する被検出板204に形成した多数のスリット205,205,…を、検出器206にて検出することで、ダンパ207の回転を監視する構成である。また、カップリング201には、ダンパ207の開度を示す指針208が設置される。
【特許文献1】特開2005−98525号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ダンパの位置を変更する従来構造に代えて、既設ダンパの既設ダンパ軸にダンパ位置調整装置を後付けしようとする場合、次の点を考慮する必要がある。すなわち、ボイラには、機種により、ダンパを開く際の回転方向が、左回り(反時計方向)のものと、右回り(時計方向)のものとが存在する。従って、ダンパ位置調整装置は、そのいずれにも対応可能な構成が望ましい。
【0005】
図14に示す先願発明では、左回り用と右回り用とに対応するために、被検出板には、左回り用の被検出領域209と、右回り用の被検出領域210とを、線対称な二箇所に設けている。そして、この被検出板は、ダンパを開く際の回転方向に応じて、いずれかの被検出領域が使用される。その際、周方向一端部のスリットが検出器と対応する位置(原点)において、ダンパがダクトを全閉するように、キー溝との関係を考慮してカップリングに被検出板が設けられている。
【0006】
しかしながら、図14に示す先願発明では、被検出板には、各回転方向について被検出領域および原点は、全周に一箇所しか存在しない。従って、ボイラの機種によっては、ダンパ軸を最大180度回転させなければ、ダンパ位置調整装置が取り付けられない場合があった。
【0007】
この発明が解決しようとする課題は、ダンパのダンパ軸のキー溝が180度対向したいずれの側にあっても、ダンパを回転させることなくダンパのダンパ軸に、容易に設置することができるダンパ位置調整装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、ダクトに取り付けられた回転式ダンパのダンパ軸に接続され、前記ダンパの回転停止位置を調整する装置であって、周方向等間隔に被検出部が多数形成された被検出領域を外周部に複数有し、前記ダンパ軸と同心で一体回転する被検出板と、この被検出板の前記被検出部を検出する検出器とを備え、前記被検出板の外周部には、点対称となる位置に、それぞれ前記被検出領域が形成されており、そのいずれかの被検出領域の周方向一端部の被検出部が前記検出器と対応する位置において、前記ダンパが前記ダクトを全閉できるように前記被検出板が設けられることを特徴とするダンパ位置調整装置である。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、被検出板の点対称位置に被検出領域を形成したので、ダンパ軸のキー溝の位置が最大180度ずれていても、ダンパを回転させることなく、ダンパ軸に容易にダンパ位置調整装置を取り付けることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、モータにより回転される駆動軸に一端部が接続され、他端部が前記ダンパ軸に接続されるカップリングに、前記被検出板が設けられ、前記被検出板は、不透明円板に周方向等間隔に多数のスリットが貫通形成されて、前記各被検出領域が形成されており、前記被検出板は、表裏反転して前記カップリングに取付可能とされていることを特徴とする請求項1に記載のダンパ位置調整装置である。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、被検出板を表裏反転してカップリングに取り付けることで、ダンパを開く際の回転方向が、左回りでも右回りでも、いずれでも容易に対応することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、前記ダンパ軸には、前記ダンパの板面と垂直な方向に対し所定角度傾いた位置にキー溝が形成されており、前記カップリングには、前記ダンパ軸がはめ込まれる穴にキー溝が形成されると共に、このキー溝に対し前記所定角度傾いた位置からの90度分と、それと点対称位置にある90度分とに、それぞれ前記被検出領域を配置して前記被検出板が固定されることを特徴とする請求項2に記載のダンパ位置調整装置である。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、被検出領域を90度分だけ設けているので、全閉位置から全開位置までのダンパの開度が検出器にて検出可能となる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、前記カップリングの直径方向に対向した二箇所に、前記ダンパの開度を示す指針の取付部が設けられており、前記ダンパを開く際の回転方向により、前記カップリングへの前記被検出板の表裏の取付方向が決定され、前記被検出領域のいずれを用いるかにより、前記取付部のいずれに前記指針を取り付けるかが決定されることを特徴とする請求項3に記載のダンパ位置調整装置である。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、カップリングに指針を設けることで、ダンパの開度を容易に把握することができる。しかも、簡易な構造で、各種の既存構造に対応して後付けすることができる。
【0016】
さらに、請求項5に記載の発明は、前記駆動軸の先端部は、略半周分だけ切り欠かれており、この切欠き部に係合して、前記カップリングに前記駆動軸がはめ込まれることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のダンパ位置調整装置である。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、駆動軸の先端部を略半周分だけ切り欠いて、その切欠き部をカップリングに係合することで、カップリングと駆動軸との接続は一層確実になされる。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、ダンパ軸のキー位置や、ダンパを開く際の回転方向によらず、ダンパ位置調整装置を容易に取り付けることができる。たとえば、ダンパ軸のキー溝が180度対向したいずれの側にあっても、ダンパを回転させることなく、ダンパ軸にダンパ位置調整装置を容易に取り付けることができる。また、左回りおよび右回りの各ダンパにも容易に対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
つぎに、この発明の実施の形態について説明する。
本実施形態のダンパ位置調整装置は、ボイラなどの各種燃焼装置に用いられる。ボイラは、その種類を特に問わないが、典型的には小型貫流ボイラなどの水管ボイラである。燃焼装置はバーナを有し、バーナへ燃焼用空気を供給する給気ダクトには、供給空気流量を調整可能にダンパが設けられる。ダンパは、ダンパ軸を中心として回転される可動板である。ダンパの回転停止位置を変更することで、ダクトの開度が調整され、バーナへの供給空気流量が調整される。
【0020】
従来、ダンパ軸には、ダンパ位置変更構造が設けられ、このダンパ位置変更構造は、典型的には、ダンパを低燃焼風量位置と高燃焼風量位置との二位置の内、いずれかに択一的に保持する構成である。本発明のダンパ位置調整装置は、そのような従来のダンパ位置変更構造に代えて、既設ダンパの既設ダンパ軸に設置される。
【0021】
この際、既設ボイラに対しては、既設のダンパ位置変更構造を取り外して、本発明のダンパ位置調整装置が取り付けられる。一方、ボイラの製造時から本発明のダンパ位置調整装置を取り付けてもよく、その場合には、従来のダンパ位置変更構造の取り付けに代えて、ダンパ軸に本発明のダンパ位置調整装置が取り付けられる。いずれの場合も、ダクトにはダンパ軸およびダンパを従来どおり設置しておけば足りる。このようにして設置されたダンパ位置調整装置は、ダンパが所望の角度になるように、ダンパ軸の回転を制御する。
【0022】
ダンパ位置調整装置は、カップリングを介して、ダンパ軸に接続されて設置される。カップリングは、一端部が駆動軸に接続され、他端部がダンパ軸に接続される。このようにして、駆動軸およびダンパ軸は、同一軸線上に配置され、一体回転可能とされる。駆動軸は、減速機を介してモータにより回転駆動される。従って、モータの回転駆動力は、減速機を介して駆動軸に伝達され、さらにカップリングを介してダンパ軸に伝達される。
【0023】
モータとしては、回転量を任意に調整可能なものが使用され、典型的にはステッピングモータ(パルスモータまたはステップモータとも呼ばれる)が用いられる。これにより、ダンパ軸ひいてはダンパは、その回転停止位置を任意に調整可能とされる。
【0024】
カップリングは、典型的には段付き略円柱形状とされる。そして、カップリングには、一端面に開口して、駆動軸がはめ込まれる穴が形成され、他端面に開口して、ダンパ軸がはめ込まれる穴が形成されている。
【0025】
駆動軸とカップリングとは、キーまたはネジなどにより、相対回転不能に接続される。この際、駆動軸の先端部を略半周分だけ切り欠いておき、この切欠き部に係合してカップリングに駆動軸をはめ込むのが好ましい。具体的には、駆動軸の先端部は、略半周分だけ切り欠かれる一方、カップリングには、駆動軸がはめ込まれる穴の奥に、略半周分だけ切り残されている。このようにして、駆動軸の先端部に形成された略半円柱部が、カップリングの穴の奥に形成された断面略半円形穴にはめ合わされて、駆動軸とカップリングとが接続される。
【0026】
ダンパ軸とカップリングとは、キーにより、相対回転不能に接続される。ダンパ軸は、一端部がダクトの側壁から外方へ突出しており、この突出部の外周面には、軸方向へ沿ってキー溝が形成されている。一方、カップリングには、ダンパ軸がはめ込まれる穴に、軸方向へ沿ってキー溝が形成されている。従って、ダンパ軸とカップリングとは、各キー溝間にキーを配置して接続されることで、相対回転不能とされる。
【0027】
ところで、ダクトの側壁からのダンパ軸の突出部には、従来、前述したように、ダンパ位置変更構造が取り付けられている。本発明のダンパ位置調整装置は、従来のダンパ位置変更構造に代えて、ダンパ軸の突出部に接続されて設置される。
【0028】
ダンパ軸には、ダクト内に配置される箇所に、板状のダンパが設けられる。ダンパは、ダンパ軸の直径方向両側へ板状に延出するように設けられる。ダンパ軸に形成される前記キー溝は、ダンパの板面と垂直な方向に対し所定角度傾いた位置に配置されている。
【0029】
ダンパ軸の回転量、ひいてはダクトの開度を把握するために、ダンパ位置調整装置は、ダンパ軸と一体回転可能に設けられる被検出板と、この被検出板に形成した被検出部を検出する検出器とを備える。
【0030】
被検出板は、外周部の複数箇所に被検出領域を有する。各被検出領域は、被検出板の外周部に配置され、且つ点対称となる位置に配置される。典型的には、円板の直径方向に対向する二箇所に、それぞれ90度分ずつ被検出領域が形成される。
【0031】
各被検出領域には、周方向等間隔に被検出部が多数形成されている。具体的には、不透明素材の円板を使用し、その外周部に沿って、周方向等間隔に細長い矩形の溝や穴を貫通形成すればよい。すなわち、円板の半径方向に沿う細長いスリットを、同一の形状および大きさで、周方向等間隔に形成すればよい。但し、透明素材の円板を使用し、その外周部に沿って、周方向等間隔に明暗の縞模様が形成されるよう印刷などを施すことによって、透明で残した部分をスリットとすることもできる。
【0032】
一方、検出器は、ダンパ位置調整装置の外ケースなどに固定して設けられるフォトセンサである。具体的には、フォトインタラプタが好適に用いられる。そして、その発光素子と受光素子との間に、被検出板を介在させた状態で取り付けられる。つまり、被検出板は、その外周部が検出器の発光素子と受光素子との間に配置された状態で、カップリングひいてはダンパと共に回転するよう設けられる。
【0033】
被検出板は、カップリングと同心に配置され、通常、カップリングの外周部にはめ込まれて設けられる。被検出板は、周方向所定箇所が、カップリングのキー溝と対応するように、周方向位置が調整されてカップリングに固定される。前述したように、ダンパ軸のキー溝は、ダンパの板面と垂直な方向に対し所定角度傾いた位置に配置されるので、これと対応して、被検出板には、キー溝と対応させる箇所から周方向一方へ所定角度傾いた位置からの90度分と、それと点対称位置にある90度分とに、それぞれ被検出領域が配置される。
【0034】
被検出板は、前述したように、円板の外周部に沿ってスリットを周方向等間隔に貫通形成して構成されるので、表裏反転しても利用可能となる。ボイラには、ダンパを開く際の回転方向が、左回りのものと、右回りのものとが存在するが、カップリングへのはめ込み時に、被検出板の表裏を調整することで、そのいずれのタイプにも対応できる。いずれの方向で取り付ける場合も、被検出板は、周方向同一箇所が、カップリングのキー溝と対応して配置される。
【0035】
また、被検出板には、前述したように、点対称位置に被検出領域が形成されている。そして、そのいずれの被検出領域を検出器と対応させても使用可能である。従って、被検出板が取り付けられたカップリングのダンパ軸への取り付けは、いずれかの被検出領域を検出器と対応させることで、容易に行うことができる。よって、ダンパ軸のキー溝が周方向に180度ずれていても、カップリングの方を回転させることで、容易に取り付けることができる。
【0036】
ところで、ダンパは基本的には、給気ダクト内の流れと直交する方向に配置される全閉位置と、給気ダクト内の流れに沿った方向に配置される全開位置との間を、90度分だけ回転される。被検出板は、ダンパ軸やダンパと一体回転するが、全閉位置と全開位置との間で、被検出板が検出器を通過する領域が被検出領域とされる。
【0037】
本実施形態では、被検出領域の周方向一端部の被検出部を検出器が検出する位置が、ダンパの全閉位置と対応するように、カップリングのキー溝の周方向位置に対し、被検出板の被検出領域の周方向位置を調整して、カップリングに被検出板が取り付けられる。この調整は、前述したように、カップリングのキー溝に被検出板の周方向所定箇所を配置して、カップリングに被検出板を設けることで容易になされる。そして、本実施形態では、各被検出領域は90度分だけ設けているので、被検出領域の周方向他端部の被検出部を検出器が検出する位置は、ダンパの全開位置と対応する。
【0038】
さらに、ダンパ位置調整装置には、ダンパの開度を示す指針を設けるのが好ましい。本実施形態では、カップリングの直径方向に対向した二箇所に、ダンパの開度を示す指針の取付部が設けられている。そして、被検出領域のいずれを用いるかにより、取付部のいずれかに指針が取り付けられる。
【0039】
ダンパ位置調整装置は、制御手段としての制御器により制御される。この制御器は、各被検出部の検出信号を検出器から取得する。従って、検出器が被検出板の被検出領域内にあれば、モータひいてはダンパの回転に伴い、所定間隔で被検出部が検出される。逆に、検出器が被検出板の被検出領域外にあれば、モータひいてはダンパを回転させても、被検出部の検出がなされない。このことを利用して、制御器は、ダンパ位置の原点としての全閉位置の確認が可能である。具体的には、被検出領域外に検出器が配置されるまで、ダンパを閉じる方向へモータを回転させた後、それと逆方向へ回転させて、被検出領域の周方向一端部の被検出部を検出器が検出する位置を原点とする。従って、原点は、ダンパがダクトを全閉する位置とされる。
【0040】
また、制御器は、駆動軸が指定の回転停止位置で停止するようモータを制御する。本実施形態のようにステッピングモータを使用する場合には、ステッピングモータへ駆動パルスからなる制御信号を送ることで、モータひいてはダンパを所望の角度だけ正転または逆転することができる。
【0041】
制御器は、前記モータを所望量だけ駆動するために、モータへ制御信号を出力するが、この制御信号に基づきダンパが実際に前記所望量だけ開閉したかを確認する。つまり、制御器は、検出器からの検出信号をモータへの制御信号と比較して、ダンパの回転異常を監視する。本実施形態のようにステッピングモータを使用する場合には、ステッピングモータへの駆動パルスからなる制御信号と、検出器による被検出部の検出パルスからなる検出信号とを比較し、回転異常の有無を監視する。
【0042】
たとえば、ステッピングモータへ駆動パルスを送ったのに、検出器から検出パルスが検出されない場合に、回転異常と検知し、ボイラの燃焼を停止させる。また逆に、ステッピングモータへ駆動パルスを送っていないのに、検出器からパルスが検出された場合にも、回転異常と検知するように構成できる。
【実施例】
【0043】
以下、この発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明のダンパ位置調整装置の一実施例が取り付けられるボイラの一例を示す概略縦断面図である。また、図2は、図1のII−II断面図である。このボイラ1は、水管ボイラの一種である貫流式の蒸気ボイラであり、多数の水管2,2,…が垂直に配置された缶体3を備える。
【0044】
缶体3の一端部には、バーナ4が設けられている。ここでは、平面状の燃焼面(予混合気噴出面)を有する完全予混合式のバーナが採用されている。また、缶体3には、バーナ4側の一端部に、給気ダクト5が接続され、バーナ4と反対側の他端部に、排気ダクト6が接続されている。給気ダクト5は、送風機7からの燃焼用空気をバーナ4へ送る通路である。排気ダクト6は、缶体3からの排ガスを外部へ排出する通路(煙突)である。
【0045】
給気ダクト5には、送風機7の下流側に、バーナ4側へ送り出す空気流量を調整するダンパ8が設けられている。ダンパ8は、給気ダクト5の延出方向と直交するように配置されたダンパ軸9を中心として回転可能な板材である。ダンパ軸9は、ダンパ8および給気ダクト5の幅方向中央に沿って配置されている。給気ダクト5内に、ダンパ8が回転可能に保持されることで、その傾き角を調整して、バーナ4側へ送り出す空気流量を調整することができる。
【0046】
給気ダクト5には、ダンパ8の下流側に、燃料ガスを給気ダクト5内へ噴出するガス燃料供給管10が設けられている。ガス燃料供給管10を介して給気ダクト5内へ燃料ガスを噴出することで、バーナ4側へ送る空気に燃料ガスを混合することができる。ガス燃料供給管10には、燃料流量調整バルブ11が設けられており、噴出させる燃料ガスの流量を調整することができる。
【0047】
缶体3内に設けられる各水管2,2,…は、上部管寄せ12と下部管寄せ13との間に配置される。また、図2に示すように、缶体3の両側壁に沿って配置された外側水管14,14,…は、板状部15,15,…にて互いに連結されており、水管壁16,16を形成している。一対の水管壁16,16と上部管寄せ12および下部管寄せ13との間を、バーナ4の燃焼によって生ずる燃焼ガスが、排気ダクト6へ向けて直線状に流通するよう導かれる。
【0048】
図3は、給気ダクト5へのダンパ8の取付構造と、そのダンパ軸9へのダンパ位置調整装置17の取付構造とを示す概略分解斜視図である。図示例の給気ダクト5は、断面略矩形状の管体18から構成される。この管体18には、管端にフランジ19が設けられており、このフランジ19に別の管体(図示省略)が接続されて、給気ダクト5が構成される。
【0049】
ダンパ8は、略矩形状の板材から構成され、その幅方向中央部には、ダンパ軸9への装着部20が、長手方向へ沿って断面略コ字形状に形成されている。ダンパ軸9は、丸棒状とされ、軸方向に離隔した二箇所に、直径方向へ貫通してネジ穴21,21が平行に形成されている。
【0050】
ダンパ軸9には、その外周面の略半周分を軸方向に沿って覆うように、装着部20がはめ込まれてダンパ8が設けられる。そして、ダンパ8を介してダンパ軸9のネジ穴21に取付ネジ22がねじ込まれて、ダンパ軸9にダンパ8が固定される。これにより、ダンパ軸9の直径方向両側へ板状に延出して、ダンパ軸9にダンパ8が設けられる。
【0051】
ダンパ軸9は、給気ダクト5内にダンパ8を配置して、給気ダクト5の対向する側壁23,23を架け渡すよう設けられる。その際、ダンパ軸9の両端部は、軸受(図示省略)を介して回転自在に、給気ダクト5の側壁23,23に保持される。また、給気ダクト5に対するダンパ軸9の軸方向移動は、左右の止め輪24,24によって規制される。
【0052】
ダンパ8は、給気ダクト5内の流れと直交する方向に配置される全閉位置と、給気ダクト5内の流れに沿った方向に配置される全開位置との間を回転される。ダンパ8は、全閉位置において、給気ダクト5内の流れの上流側に、装着部20が配置されるのが好ましい。すなわち、送風機7からバーナ4への給気ダクト5内の空気の流れは、図3において矢印Aで示す方向が好ましい。
【0053】
以下の説明および図面では、ダンパ8は、全閉位置において、給気ダクト5内の流れの上流側に、装着部20が配置される構成とされている。但し、ボイラ1の機種により、これとは逆に、ダンパ8は、全閉位置において、給気ダクト5内の流れの下流側に、装着部20が配置される構成とされている場合もある。ダンパ軸9には、ダンパ8を取り付けるためのネジ穴21が直径方向に貫通して形成されているので、いずれの側からもダンパ8を取り付けることが可能とされている。
【0054】
ダンパ軸9の一端部は、給気ダクト5の側壁23から外方へ突出しており、この突出部はダンパ位置調整装置17への接続部25とされる。ダンパ軸9の接続部25の外周面には、軸方向へ沿ってキー溝26が形成されている。このキー溝26は、ダンパ8の板面と垂直な方向に対し所定角度(三浦工業株式会社製のボイラの場合、通常20度)傾いた位置に配置されている。
【0055】
ところで、ボイラ1の機種により、ダンパ8には、ダンパ8を開く際の回転方向が、左回り(反時計方向)のものと、右回り(時計方向)のものとが存在する。この左回りおよび右回りは、ダンパ位置調整装置17の側からダンパ8の側を見た場合におけるダンパ軸9の回転方向として定義される。そして、前述したように、ダンパ軸9の接続部25には、ダンパ8の板面と垂直な方向に対し所定角度傾いた位置にキー溝26が形成されているが、ダンパ8の回転方向の違いにより、ダンパ8の板面と垂直な方向に対する前記所定角度の取り方が異なる。すなわち、左回り用ダンパ8の場合には、ダンパ8の板面と垂直な方向に対し、時計方向へ所定角度傾いた位置にキー溝26が形成されているが(図5参照)、右回り用ダンパ8の場合には、ダンパ8の板面と垂直な方向に対し、反時計方向へ所定角度傾いた位置にキー溝26が形成されている(図12参照)。
【0056】
給気ダクト5の側壁23には、ダンパ軸9の接続部25を取り囲む位置に、ダンパ位置調整装置17の取付台27が設置されている。従来、この取付台27には、ダンパ位置変更構造(図示省略)が設けられ、このダンパ位置変更構造は、典型的には、ダンパ8を低燃焼風量位置と高燃焼風量位置との二位置の内、いずれかに択一的に保持する構成であった。本実施例のダンパ位置調整装置17は、従来のダンパ位置変更構造に代えて、ダンパ軸9の接続部25に接続されて設置される。
【0057】
給気ダクト5へのダンパ位置調整装置17の設置は、給気ダクト5の取付台27に、ダンパ位置調整装置17の外ケース28の取付フランジ29を重ね合わせ、ボルト(図示省略)により固定してなされる。このボルトの配置は、従来のダンパ位置変更構造と対応させているので、従来のダンパ位置変更構造に代えて、本実施例のダンパ位置調整装置17を簡単に取り付けることができる。
【0058】
図4は、本実施例のダンパ位置調整装置17を給気ダクト5に設置した状態を示す概略図であり、一部を断面にすると共に、一部を省略して示している。そして、図5から図7は、それぞれ、図4におけるV−V断面図、VI−VI断面図、VII−VII断面図である。ここでは、ダンパ8を開く際の回転方向が左回りのボイラ1に取り付けた例を示している。
【0059】
本実施例のダンパ位置調整装置17は、ダンパ軸9に接続されて設置され、駆動軸30によりダンパ軸9およびダンパ8を回転させて、給気ダクト5の開度を調整する装置である。この駆動軸30には、モータ31からの回転駆動力が減速機32を介して与えられる。駆動軸30をダンパ軸9と連結しておくことで、モータ31によりダンパ軸9を回転させて、ダンパ8の回転停止位置を任意に調整できる。モータ31としては、回転停止位置を任意に調整可能なものが使用され、本実施例ではステッピングモータが使用される。
【0060】
駆動軸30は、ダンパ軸9の接続部25に、カップリング33を介して接続される。図8は、本実施例のカップリング33を示す斜視図であり、図9は、そのIX−IX矢視図である。本実施例のカップリング33は、段付き略円柱形状とされ、長手方向中央部の段付き部には、径方向外側へ円板状に延出してフランジ34が一体形成されている。また、カップリング33には、その軸線に沿うと共に長手方向両端面に開口して、駆動軸30がはめ込まれる第一穴35と、ダンパ軸9がはめ込まれる第二穴36とが形成されている。
【0061】
第一穴35は、カップリング33の小径部37側の一端面に開口して形成されている。第二穴36は、カップリング33の他端面に開口して形成されている。第一穴35および第二穴36は、それぞれ円形穴とされ、第二穴36は第一穴35よりも大径とされている。第二穴36の奥は、図4に示すように、略半周分が切り残されて、断面略半円形穴38とされている。この断面略半円形穴38の奥は、第一穴35の奥と突き当たり、互いに連通されている。
【0062】
駆動軸30は、先端部が略半周分だけ切り欠かれて、略半円柱部39が形成されている。駆動軸30は、略半円柱部39が断面略半円形穴38に突入された状態で、カップリング33の第一穴35にはめ込まれる。これにより、駆動軸30の略半円柱部39の平面部40が、カップリング33の断面略半円形穴38の平面部41に当接し、且つ、駆動軸30の略半円柱部39の基端側に配置された垂直面42が、カップリング33の第一穴35の奥に当接した状態で、カップリング33と駆動軸30とが一体回転可能とされる。さらに、その状態で、駆動軸30は取付ネジ43にてカップリング33と一体化される。そのために、カップリング33の小径部37には、図8に示すように、半径方向に貫通してネジ穴44が形成されている。
【0063】
第二穴36にはダンパ軸9がはめ込み可能とされ、このダンパ軸9とカップリング33とは、図7に示すように、キー45にて一体回転可能とされる。そのために、カップリング33の第二穴36の内周面には、キー溝46が形成されている。また、カップリング33の大径部47には、キー固定用ネジ48が通されるネジ穴49と、後述する表示指針50の取付部としての取付穴51,52とが形成されている。キー固定用ネジ48が通されるネジ穴49は、キー溝46と対応した周方向位置に形成されている。また、このネジ穴49と周方向両側に90度ずつ離隔した位置に、表示指針50が取付可能な第一取付穴51と第二取付穴52とがそれぞれ形成されている。
【0064】
第二穴36にダンパ軸9の接続部25がはめ込まれると共に、第二穴36とダンパ軸9の各キー溝46,26間にキー45がはめ込まれた状態で、カップリング33のネジ穴44を介して、キー固定用ネジ48をねじ込むことで、ダンパ軸9とカップリング33とが固定される。以上のようにして、カップリング33を介して駆動軸30とダンパ軸9とを接続した状態では、駆動軸30およびダンパ軸9は、同一軸線上で一体回転可能とされる。
【0065】
カップリング33は、ダンパ軸9が連結される側の他端部が、やや小径の軸受部53に形成されており、この軸受部53が、すべり軸受54を介してベース55に回転自在に保持される。このベース55は、外ケース28に保持され、この外ケース28は前述したように、その取付フランジ29の四隅に形成したボルト挿通穴56,56,…を介して、給気ダクト5の側壁23に取付ボルト(図示省略)により固定される。
【0066】
外ケース28は、一端部に減速機32およびモータ31が保持され、他端部へ開口して中空部57を有する。減速機32を介してモータ31により駆動される駆動軸30は、中空部57内へ水平に突出して配置される。そして、その駆動軸30にカップリング33の一端部を連結した状態で、カップリング33の他端部を回転自在に保持するベース55が、外ケース28の中空部57の開口を塞ぐよう設けられる。
【0067】
ベース55は、図4に示すように、段付きの側壁58を有する。そして、この側壁58が、前述したように、外ケース28の中空部57の開口を塞ぐよう設けられる。この側壁58の中央部には、丸穴が形成されており、この丸穴には、略円筒状のすべり軸受54を介して、カップリング33が回転自在に保持される。さらに、ベース55には、その下部から水平に延出して板状片59が一体形成されている。この板状片59は、外ケース28の中空部57の奥側へ向けて延出して配置される。
【0068】
外ケース28の中空部57内には、カップリング33の他、後述する回転異常検出手段60、ダンパ位置表示手段61および付勢手段62が収容される。また、外ケース28へのベース55の取付状態において、外ケース28の他端部には、カップリング33のキー溝46付きの第二穴36が露出される。この第二穴36には、前述したように、ダンパ軸9が連結されて使用される。
【0069】
図4および図5に示すように、回転異常検出手段60は、被検出板63と検出器64とを備える。被検出板63は、カップリング33の軸方向中央の段付き部に、径方向外側へ延出して固定される。本実施例の被検出板63は、薄い円板からなり、ステンレスなどの金属製である。この被検出板63は、カップリング33や駆動軸30と同心に設けられる。その際、被検出板63は、カップリング33の小径部37にはめ込まれ、カップリング33のフランジ34に沿って固定される。
【0070】
被検出板63の外周部には、点対称となる二箇所に、それぞれ被検出領域65,66が形成されている。具体的には、被検出板63の直径方向に対向する二箇所に、それぞれ90度分ずつ被検出領域65,66が形成されている。より具体的には、図5に示すように、被検出板63の外周部には、50度分の第一無孔領域67、90度分の第一被検出領域65、40度分の第一切欠き68、50度分の第二無孔領域69、90度分の第二被検出領域66、40度分の第二切欠き70、が時計方向に順に形成されている。
【0071】
各被検出領域65,66には、周方向等間隔に、被検出部としてのスリット71,71,…が多数形成されている。各スリット71は、被検出板63の半径方向に沿う細長い矩形状の溝であり、被検出板63が打ち抜かれて形成されている。各被検出領域65,66に形成される各スリット71は、同一の形状および大きさである。ここで、被検出板63は、打ち抜き形成ではなく、エッジングにより形成してもよい。
【0072】
被検出板63は、第二切欠き70の周方向中央位置が、カップリング33の第二穴36のキー溝46と、周方向位置を対応させてカップリング33に取り付けられる。この取付けを容易に行うために、本実施例のダンパ位置調整装置17は、次のように構成されている。
【0073】
すなわち、まず、被検出板63は、前述したようにカップリング33のフランジ34に沿って固定されるが、そのフランジ34には、直径方向に対向した二箇所に、フランジ34と垂直に第一ピン72と第二ピン73とが突出形成されている。ここで、第一ピン72は、第二ピン73よりも、半径方向外側位置に形成されている。また、第一ピン72は、カップリング33の第二穴36のキー溝46と、周方向位置を対応させて形成されている。
【0074】
一方、被検出板63には、第二切欠き70の周方向中央位置と対応して、第一ピン72が突入される第一ピン穴74が形成されると共に、その第一ピン穴74と直径方向に対向した位置に、第二ピン73が突入される第二ピン穴75が形成されている。第一ピン穴74および第二ピン穴75は、第一ピン72および第二ピン73の直径と対応した幅寸法の長穴とされ、被検出板63の半径方向に沿って形成されている。しかも、第一ピン穴74は、第二ピン穴75よりも細長く形成されている。
【0075】
このような構成であるから、第一ピン穴74に第一ピン72を突入させると共に、第二ピン穴75に第二ピン73を突入させて、カップリング33のフランジ34に被検出板63を取り付けることで、自動的に第二切欠き70の周方向中央位置とカップリング33のキー溝46とが、周方向に対応した位置に配置される。この際、第一ピン72および第二ピン73は、第一ピン穴74および第二ピン穴75の半径方向外側に配置される。
【0076】
各スリット71を検出するための検出器64は、ベース55の板状片59の先端部に固定される回路基板76を介して設けられる。本実施例の検出器64は、透過型フォトインタラプタからなり、発光素子と受光素子との間に被検出板63の外周部が介在された状態に取り付けられる。図5では、第一被検出領域65に検出器64が配置された状態での使用状態を示している。検出器64の発光素子と受光素子との間に被検出板63を介在させることで、検出器64と対応した位置(発光素子から受光素子への光路と対応した位置)に被検出板63のスリット71が配置されるか否かにより、受光素子における発光素子からの受光の有無が切り替えられる。これにより、検出器64は、被検出板63に形成したスリット71の検出が可能とされる。
【0077】
本実施例のダンパ位置調整装置17は、図5において第一被検出領域65の反時計方向の端部スリット77が、検出器64と対応した位置に配置された状態で、ダンパ8は全閉位置に配置される。このような構成は、前述したように、カップリング33に形成するキー溝46に対し、被検出板63の周方向位置を調整した上、検出器64の取付位置を調整しておくことで容易になされる。
【0078】
本実施例では、第一被検出領域65は、被検出板63の90度分だけ形成しているので、第一被検出領域65の反時計方向の端部スリット77が、検出器64と対応した位置に配置された状態では、前述したようにダンパ8が給気ダクト5を全閉する一方、第一被検出領域65の時計方向の端部スリット78が、検出器64と対応した位置に配置された状態では、ダンパ8が給気ダクト5を全開することになる。
【0079】
ところで、ボイラ1の保守点検などのために、ダンパ8の位置を容易に把握可能とするのが望ましい。そこで、本実施例のダンパ位置調整装置17には、図4および図7に示すように、ダンパ8の回転方向の位置を表示するダンパ位置表示手段61が設けられている。本実施例のダンパ位置表示手段61は、カップリング33から半径方向外側へ延出するよう設けられる棒状の表示指針50と、外ケース28に形成した周方向溝79に設けられる表示板80とを備える。
【0080】
図示例の表示指針50は、その基部81が、カップリング33の大径部47の外周面に取り付けられる。具体的には、大径部47に形成した第一取付穴51に、基部81の一部をはめ込んで、固定ネジ82により固定される。そして、この基部81の一端部から外方へ延出して、丸棒状の指針本体83が形成されている。この指針本体83は、カップリング33の半径方向に沿って設けられる。そして、指針本体83の先端部には、先端側へ行くに従って互いに近接する傾斜面84,84が形成されている。この傾斜面84,84同士が突き当たることで形成される線状の先端部85は、表示指針50のカップリング33への取付状態において、カップリング33の軸方向に沿って配置される。この線状の先端部85には、蛍光塗料などを塗布するのが好ましい。
【0081】
前述したように、表示指針50は、基部81の中央部に形成した貫通穴を介して、カップリング33の外周面に固定ネジ82がねじ込まれることで取り付けられる。このようにしてカップリング33に固定された指針本体83の先端部は、外ケース28に形成した周方向溝79に突入して配置される。この周方向溝79は、90度よりもやや大きい角度分だけ形成されている。従って、万一、ダンパ8の回転異常が発生しても、指針本体83が周方向溝79の端部に当接することで、それ以上の回転が阻止される。
【0082】
外ケース28の外周面には、周方向溝79を覆うように、可撓性を有する透明の表示板80が設けられる。この表示板80は透明であるから、外ケース28の外部から指針本体83の先端部85を視認することができる。従って、指針本体83の移動具合で、ダンパ軸9つまりダンパ8の位置を知ることができる。本実施例の表示板80には、たとえば「0」から「9」までの数値が等間隔に付されている。ダンパ8が全閉時には指針本体83の先端部85が「0」を示し、ダンパ8が全開時には指針本体83の先端部85が「9」を示すように構成されている。
【0083】
ところで、減速機32内のギア同士のバックラッシによる弊害を除去するために、ダンパ位置調整装置17には、カップリング33ひいてはダンパ軸9や駆動軸30を周方向一方へ常時付勢する付勢手段62をさらに備える。本実施例の付勢手段62は、図4および図6に示すように、ゼンマイバネ86から構成され、このゼンマイバネ86は、カップリング33の大径部47にはめ込まれて設けられる。そして、ゼンマイバネ86は、外端部87がベース55ひいては外ケース28に保持される一方、内端部88がカップリング33に保持されて、カップリング33を周方向一方へ常時付勢する。
【0084】
より具体的には、ゼンマイバネ86は、細長い長尺の金属製帯状材が渦巻状に巻かれて構成され、その元に戻ろうとする力を、周方向の付勢力として利用される。本実施例のゼンマイバネ86は、外端部87と内端部88とが、それぞれ略U字状に屈曲形成されている。そして、ゼンマイバネ86は、ゼンマイケース89に収容されて使用される。
【0085】
図10は、本実施例のゼンマイケース89を示す分解斜視図である。本実施例のゼンマイケース89は、ケース本体90とケース蓋91とから構成される。ケース本体90は、金属板がプレス加工されて構成され、円形板部92の外周部の一部に、矩形板部93を連続的に形成した形状とされる。そして、その外周部は、板面に対し垂直に折り曲げられて、折曲げ部94が連続的に形成されている。ところで、矩形板部93の幅寸法は、円形板部92の直径より小さく形成されており、その幅方向中央部の折曲げ部94には、さらに外方へ垂直に折り曲げて当り片95を形成している。この当り片95は、ゼンマイケース89をベース55の板状片59に取り付ける際に、板状片59の先端部に当てることで、ベース55に対するゼンマイケース89の位置決めを行うためのものである。
【0086】
また、円形板部92の中央部には、円形穴96が貫通形成されている。この円形穴96は、カップリング33の大径部47より一回り大径である。そして、この円形穴96と連続して、矩形板部93の一部を切り起こすことで、ゼンマイバネ86の外端部を引っ掛ける係止片97が形成される。この係止片97は、矩形板部93の幅方向中央部において、前記当り片95と隣接して形成される。
【0087】
一方、ケース蓋91も、基本的にはケース本体90と同様の構成であり、対応する箇所には同一の符号を付して説明する。ケース蓋91は、ケース本体90の折曲げ部94にはめ込み可能に、外寸が一回り大きく形成されている。また、円形板部92や矩形板部93の板面に対する折曲げ部94の折り曲げ寸法は、ケース本体90の場合よりも小さい。さらに、ケース蓋91には、円形板部92から延出する矩形板部93の先端側には、折曲げ部94が形成されない。
【0088】
このような構成のゼンマイケース89には、ゼンマイバネ86が収容される。その際、ゼンマイバネ86は、その外端部87がケース本体90の係止片97に引っ掛けられる。そして、ゼンマイバネ86が収容されたゼンマイケース89は、ゼンマイケース89の円形穴96や、ゼンマイバネ86の内穴を、カップリング33の大径部47にはめ込んだ状態で、ベース55の板状片59に固定される。具体的には、ゼンマイケース89の矩形板部93側の折曲げ部94の外面が、ベース55の板状片59の上面に重ね合わされて、折曲げ部94に形成したネジ穴98,98に、ベース55の下面から固定ネジ(図示省略)がねじ込まれる。
【0089】
ところで、カップリング33の大径部47の外周面には、係止溝99が形成されている。この係止溝99は、図8および図9に示すように、断面略T字形状に形成されている。そして、この係止溝99にゼンマイバネ86の内端部88を引っ掛けた状態で、ゼンマイバネ86はゼンマイケース89を介してベース55に保持される。これにより、ゼンマイバネ86は、カップリング33を周方向一方へ常時付勢することになる。ところで、ケース蓋91は、ケース本体90とカップリング33のフランジ34との間に挟まれて配置され、ケース本体90がベース55に固定されることで、ケース蓋91もケース本体90から脱落不能に位置決めされる。
【0090】
ゼンマイバネ86の付勢力は、図6において、ゼンマイバネ86を表裏逆転して、係止片97や係止溝99への引っ掛け方向を逆にすることで、周方向いずれの方向でも設定可能であるが、本実施例では、ダンパ8を閉じる方向に付勢するよう設けられる。本実施例のような平板状のダンパ8の場合、送風機7からの風圧によりダンパ8は閉じる方向へ回転しようとすることが確認されているので、その方向に合わせたものである。これにより、ゼンマイバネ86の負荷を軽減することができる。
【0091】
本実施例のダンパ位置調整装置17は、さらに制御器100を備える。この制御器100には、モータ31と検出器64とが接続される。これにより、ダンパ8の回転異常を監視しつつ、モータ31の回転を制御することができる。モータ31を制御するために、制御器100は、モータ31への駆動パルスを含む制御信号の作成回路を有し、その作成した制御信号をモータ31へ出力可能である。これにより、モータ31は、正転または逆転と、その回転角が任意に制御される。また、駆動パルスの間隔を変えることで、回転速度が制御される。
【0092】
実際にダンパ8を開閉制御するに際し、制御器100は、まずダンパ8の全閉位置を原点とするために原点検出動作を行う。本実施例では、まず図5において、時計方向へ被検出板63を回転させる。いま被検出板63の第一被検出領域65内に検出器64が配置されているとすれば、被検出板63の回転に伴い検出器64は定期的にスリット71を検出するので、その検出パルスが検出信号として制御器100へ入力される。そして、検出器64が第一無孔領域67に配置されるまで被検出板63が回転されると、パルスが検出されなくなる。所定時間パルスが検出されないと、制御器100は検出器64が第一被検出領域65外にあると認識し、回転方向を逆方向へ切り替える。すなわち、本実施例では、被検出板63を反時計方向へ逆転させ、最初にパルス(反時計方向の端部スリット77)が検出された位置を原点とする。この反時計方向への回転による原点確認は、回転方向切替え前の時計方向の回転よりも微速でなされる。
【0093】
このようにして検出された原点は、ダンパ8の全閉位置と対応しているので、この状態を基準として、制御器100はモータ31へ駆動信号を出力し、ダンパ8を開閉制御することができる。制御器100は、ダンパ8の開閉のためにモータ31を駆動すれば、それに伴い検出器64からスリット71の検出信号がパルスとして取得される。従って、制御器100は、検出器64からの検出信号をモータ31への制御信号と比較して、ダンパ8の回転異常を監視することができる。具体的には、モータ31への駆動パルスからなる制御信号と、検出器64によるスリット71の検出パルスからなる検出信号とを比較し、回転異常の有無を監視する。
【0094】
たとえば、モータ31へ駆動パルスを送ったのに、検出器64から検出パルスが検出されない場合に、回転異常と検知する。この際、検出器64からの検出パルスは、モータ31への駆動パルスの周波数と異なるのが通常であるから、この相違を考慮して制御する。たとえば、駆動信号の所定パルス分の時間が経過しても、なお検出信号のパルスが一つも検出されない場合に、はじめて回転異常と判断するよう制御する。回転異常と検知した場合、制御器100は、ボイラ1の制御盤(図示省略)へ停止信号SPを送り、燃焼を停止させるなどの処置を行う。また逆に、モータ31へ駆動パルスを送っていないのに、検出器64からパルスが検出された場合にも、回転異常を検知することができる。
【0095】
ところで、バーナ4へ供給される空気温度(外気温)、ボイラ1の排ガス温度、その排ガス中の煤塵、窒素酸化物(NO)、酸素(O)または一酸化炭素(CO)の量(濃度)などに基づき、ダンパ8の回転停止位置を調整するために、ダンパ位置調整装置17には各種のセンサを備えるのがよい。このようなセンサとして、温度センサ、煤塵センサ、NOセンサ、Oセンサ、COセンサなどを挙げることができる。このようなセンサは、一つだけ設けてもよいし、複数種設けてもよい。各センサは制御器100と接続され、その検出信号が制御器100へ入力される。
【0096】
本実施例では、ダンパ位置調整装置17の外ケースに、第一センサ101を設ける一方、ボイラ1の缶体3出口における排気ダクト6に、第二センサ102を設けている。第一センサ101は、サーミスタからなる外気温センサであり、第二センサ102は、排ガス温度を計測する排ガス温度センサの他、その排ガス中の煤塵、窒素酸化物、酸素または一酸化炭素の量を計測する煤塵センサ、NOセンサ、OセンサまたはCOセンサなどのうちからいずれか一以上のセンサを採用して取り付けられる。
【0097】
ただし、必ずしも第一センサ101と第二センサ102の両方を設ける必要はなく、いずれか一方のセンサだけを使用して制御することも可能である。また、外気温センサからなる第一センサ101は、外気温、すなわちバーナ4へ供給する空気温度を計測する。この第一センサ101は、外気温を検出できればよく、その取付位置は特に問わず、ダンパ位置調整装置17の外ケース28から離れて設置することもできる。
【0098】
本実施例のダンパ位置調整装置17が設けられたボイラ1の概略動作は、以下のとおりである。すなわち、外気吸込路103から供給される燃焼用空気としての外気は、ガス燃料供給管10から供給される燃料ガスと給気ダクト5内において予混合され、この予混合気はバーナ4から缶体3内へ向けて噴出される。その際、予混合気は、バーナ4で着火手段(図示省略)により着火され燃焼する。この燃焼に伴い生ずる燃焼ガスは、缶体3内の水管2,2,…と熱交換して排ガスとなり、この排ガスは排気ダクト6から大気中へ排出される。各水管2内の水は、燃焼ガスとの熱交換により加熱され、蒸気化される。この蒸気は、上部管寄せ12に接続される蒸気取出手段(図示省略)から蒸気使用設備(図示省略)へ供給される。
【0099】
本実施例のボイラ1は、高燃焼と低燃焼とを切り替えて運転する。そのために、ダンパ8は、高燃焼風量位置と低燃焼風量位置のいずれかを選択して位置決め可能である。このダンパ8の位置調整は、ダンパ位置調整装置17の制御器100が行う。つまり、制御器100には、ボイラ1から高燃焼か低燃焼かの選択信号SLが入力され、それに基づきモータ31を制御して、ダンパ8を所望の回転停止位置へ配置する。モータ31がステッピングモータの場合には、前述した原点検出動作をなした後、その原点から所望の回転停止位置まで駆動軸30が回転するように、各燃焼に対応した所定数のパルスを出力する。たとえば、高燃焼風量位置までには500パルス、低燃焼風量位置までには200パルスを出力して、ダンパ8を回転させる。この出力パルス数は、一例であり、使用するモータ31により異なることは勿論である。ダンパ8の回転時には、前述したように、検出器64にて回転異常が監視される。
【0100】
このようにして、ボイラ1はダンパ8を高燃焼風量位置か低燃焼風量位置のいずれかに配置して運転を行うが、ダンパ8の回転停止位置は各センサ101,102に基づき調整される。たとえば、第一センサ(外気温センサ)101を用いた場合には、それにより検出した外気温の変化に応じて、ダンパ8の位置を調整可能である。これにより、外気温が変化した場合でも、適切な燃焼状態および燃費で、ボイラ1を運転することができる。
【0101】
具体的には、制御器100は、第一センサ101からの出力に基づいて、高燃焼および低燃焼の各回転停止位置を補正する。つまり、外気温の高低を考慮して、前記パルス数を増減するなどして、ダンパ8の回転停止位置を調整する。このような制御器100による制御を利用して、本実施例のダンパ位置調整装置17により、たとえば空気比を一定に制御してボイラ1を運転することもできる。具体的には、制御器100は、外気温が変化してもバーナ4の空気比がほぼ一定の値となるように、モータの31回転を制御するプログラムを記憶している。
【0102】
ここで、空気比とは、実際燃焼空気量/理論燃焼空気量をいう。つまり、「燃焼に際して実際に必要な空気量」/「燃焼に際して理論上必要な空気量」を「空気比」という。空気は、外気温の変化に伴い体積が変化するが、第一センサ101を設けることで、この体積変化に容易に対応することができる。
【0103】
また、第一センサ101に代えてまたはそれに加えて、前述した煤塵センサ、NOセンサ、OセンサまたはCOセンサなどから選択した第二センサ102を用いて、ダンパ8の回転停止位置を調整可能とできる。これらの各センサ101,102は、いずれも従来公知のセンサを利用できるが、煤塵センサについては、発光素子と受光素子との間に排ガスを介在させ、受光素子における受光強度からスモークの濃度を把握するスモーク測定装置を利用できる。
【0104】
第二センサ102として煤塵センサを用いる場合は、煤塵量が少なくなる方向にダンパ8を調整する。NOセンサやCOセンサを用いる場合は、NOまたはCOが少なくなる方向にダンパ8を調整する。Oセンサを用いる場合は、最適燃焼状態の酸素濃度に維持するようダンパ8を調整するか、または第一センサ101と同様に、空気比が一定になるようにダンパ8を調整する。また、排ガス温度センサは、排ガス温度に基づき、最適燃焼状態となるように、ダンパ8を調整する。
【0105】
外気温センサ、排ガス温度センサ、煤塵センサ、NOセンサ、Oセンサ、COセンサなどのうちから複数のセンサを用いる場合には、予め設定された優先度に基づき、その優先度の高いセンサからの検出信号を優先して制御するようにプログラムを組んで制御することができる。この優先順位は、ボイラ1の運転工程全体を通して同じであってもよいし、運転段階に応じて変更してもよい。
【0106】
ところで、制御器100は、ボイラ1の燃焼停止時には、ダンパ8を駆動して、給気ダクト5を全閉状態とする。これにより、缶体3内から給気ダクト5への熱風の逆流を防止して、熱影響を最小にすることができる。また、このことは、排熱損失の抑制にもつながる。
【0107】
本実施例のダンパ位置調整装置17によれば、ゼンマイバネ86により、カップリング33、ダンパ軸9および駆動軸30が、常時周方向一方へ付勢される。これにより、減速機32内のギアの歯面は、常に片当たりの状態となり、バックラッシの除去が図られる。しかも、モータ31にステッピングモータを用いるので、ダンパ8を任意の位置に高精度で停止できる。また、各種センサ101,102と組み合わせて制御すれば、ボイラ1は良好な燃焼状態を継続可能となる。特に、外気温センサなどを使用して、一定の空気比または酸素量で燃焼させることで、燃焼効率が向上し、燃料費を節約できる。また、被検出板63と検出器64とにより、回転異常が検出できるため、機器誤動作による燃焼不良を防止できる。
【0108】
ダンパ位置調整装置17は、ダンパ軸9の接続部25にカップリング33を介して接続されるが、接続部25のキー溝26は、ボイラ1の機種により、図5とは180度回転された箇所に配置されている場合がある。図11は、そのような場合におけるダンパ軸9へのダンパ位置調整装置17の設置状態を示す概略縦断面図である。
【0109】
この場合も、キー45を介して、ダンパ軸9にカップリング33が相対回転不能に接続される。また、この場合、第二被検出領域66が検出器64と対応させられる。また、カップリング33には、第二取付穴52(図4)に、表示指針50が設置される。その他の構成および使用方法は、図5の場合と同様である。
【0110】
前述したように、ボイラ1には機種により、ダンパ8を開く際の回転方向が、左回りのものと、右回りのものとが存在する。図5および図11では、左回りのダンパ8に取り付けた例を示したが、図12では、右回りのダンパ8に取り付けた例を示している。
【0111】
本実施例のダンパ位置調整装置17を右回りのダンパ8に設置する場合、図12に示すように、カップリング33には被検出板63を表裏反転して取り付けておけばよい。図示例では、第二被検出領域66を検出器64と対応させて使用する例を示している。そして、この場合の原点検出動作は、次のようになされる。
【0112】
すなわち、まず図12において、反時計方向へ被検出板63を回転させる。いま被検出板63の第二被検出領域66内に検出器64が配置されているとすれば、被検出板63の回転に伴い検出器64は定期的にスリット71を検出するので、その検出パルスが検出信号として制御器100へ入力される。そして、検出器64が第二無孔領域69に配置されるまで被検出板63が回転されると、パルスが検出されなくなる。所定時間パルスが検出されないと、制御器100は検出器64が第二被検出領域66外にあると認識し、回転方向を逆方向へ切り替える。すなわち、被検出板63を時計方向へ逆転させ、最初にパルス(時計方向の端部スリット77)が検出された位置を原点とする。この時計方向への回転による原点確認は、回転方向切替え前の時計方向の回転よりも微速でなされる。このようにして検出された原点は、ダンパ8の全閉位置と対応している。ダンパ8を開く際の回転方向は異なるが、その他の構成および使用方法は、基本的には図5の場合と同様である。
【0113】
但し、表示指針50は、図5の場合とは表裏反転して、基部81に対する指針本体83の延出方向を逆にしてカップリング33に設置される。すなわち、表示指針50は、ダンパ8の全閉位置において指針本体83が左斜め上方へ延出するよう配置されて、カップリング33の第一取付穴51に設けられる。また、ゼンマイバネ86による付勢力を逆転させるために、ゼンマイバネ86は、図6とは表裏反転してゼンマイケース89に収容するのが好ましい。
【0114】
右回りダンパ8の場合も、左回りの場合と同様に、ボイラ1の機種によりダンパ軸9のキー溝26の位置が180度対向して配置されている場合がある。図13は、そのような場合におけるダンパ軸9へのダンパ位置調整装置17の設置状態を示す概略縦断面図である。
【0115】
この場合も、キー45を介して、ダンパ軸9にカップリング33が相対回転不能に接続される。また、この場合、第一被検出領域65が検出器64と対応させられる。また、カップリング33には、第二取付穴52(図4)に、表示指針50が設置される。その他の構成および使用方法は、図12の場合と同様である。
【0116】
本発明のダンパ位置調整装置17は、前記実施例の構成に限らず適宜変更可能である。たとえば、前記実施例では、ダンパ軸9に対するダンパ8の装着部20の取付方向は、給気ダクト5内の空気の流れの上流側としたが、場合により下流側に装着部20を配置して取り付けられていてもよい。また、ダンパ位置調整装置17の適用箇所、ボイラ1の種類などは、適宜に変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本発明のダンパ位置調整装置の一実施例が取り付けられるボイラの一例を示す概略縦断面図である。
【図2】図1におけるII−II断面図である。
【図3】図1のボイラの給気ダクトへのダンパの取付構造と、そのダンパ軸へのダンパ位置調整装置の取付構造とを示す概略分解斜視図である。
【図4】本発明の一実施例のダンパ位置調整装置を給気ダクトに設置した状態を示す概略図であり、一部を断面にすると共に、一部を省略して示している。
【図5】図4におけるV−V断面図である。
【図6】図4におけるVI−VI断面図である。
【図7】図4におけるVII−VII断面図である。
【図8】図4のダンパ位置調整装置のカップリングを示す斜視図である。
【図9】図8におけるIX−IX矢視図である。
【図10】図4のダンパ位置調整装置のゼンマイケースを示す分解斜視図である。
【図11】図4のダンパ位置調整装置の他の設置状態を示す概略断面図であり、キー溝の位置が図5とは180度ずれた位置にある場合の設置状態を示している。
【図12】図4のダンパ位置調整装置の他の使用状態を示す概略断面図であり、右回りダンパへの設置状態を示している。
【図13】図12のダンパ位置調整装置の他の設置状態を示す概略断面図であり、キー溝の位置が図12とは180度ずれた位置にある場合の設置状態を示している。
【図14】先願発明のダンパ位置調整装置を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0118】
1 ボイラ
5 ダクト
8 ダンパ
9 ダンパ軸
17 ダンパ位置調整装置
26 キー溝
30 駆動軸
31 モータ
33 カップリング
36 第二穴
38 断面略半円形穴
39 略半円柱部
46 キー溝
50 表示指針
51 第一取付穴(取付部)
52 第二取付穴(取付部)
63 被検出板
64 検出器
65 第一被検出領域
66 第二被検出領域
71 スリット(被検出部)
77 端部スリット(周方向一端部の被検出部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダクトに取り付けられた回転式ダンパのダンパ軸に接続され、前記ダンパの回転停止位置を調整する装置であって、
周方向等間隔に被検出部が多数形成された被検出領域を外周部に複数有し、前記ダンパ軸と同心で一体回転する被検出板と、
この被検出板の前記被検出部を検出する検出器とを備え、
前記被検出板の外周部には、点対称となる位置に、それぞれ前記被検出領域が形成されており、
そのいずれかの被検出領域の周方向一端部の被検出部が前記検出器と対応する位置において、前記ダンパが前記ダクトを全閉できるように前記被検出板が設けられる
ことを特徴とするダンパ位置調整装置。
【請求項2】
モータにより回転される駆動軸に一端部が接続され、他端部が前記ダンパ軸に接続されるカップリングに、前記被検出板が設けられ、
前記被検出板は、不透明円板に周方向等間隔に多数のスリットが貫通形成されて、前記各被検出領域が形成されており、
前記被検出板は、表裏反転して前記カップリングに取付可能とされている
ことを特徴とする請求項1に記載のダンパ位置調整装置。
【請求項3】
前記ダンパ軸には、前記ダンパの板面と垂直な方向に対し所定角度傾いた位置にキー溝が形成されており、
前記カップリングには、前記ダンパ軸がはめ込まれる穴にキー溝が形成されると共に、このキー溝に対し前記所定角度傾いた位置からの90度分と、それと点対称位置にある90度分とに、それぞれ前記被検出領域を配置して前記被検出板が固定される
ことを特徴とする請求項2に記載のダンパ位置調整装置。
【請求項4】
前記カップリングの直径方向に対向した二箇所に、前記ダンパの開度を示す指針の取付部が設けられており、
前記ダンパを開く際の回転方向により、前記カップリングへの前記被検出板の表裏の取付方向が決定され、
前記被検出領域のいずれを用いるかにより、前記取付部のいずれに前記指針を取り付けるかが決定される
ことを特徴とする請求項3に記載のダンパ位置調整装置。
【請求項5】
前記駆動軸の先端部は、略半周分だけ切り欠かれており、
この切欠き部に係合して、前記カップリングに前記駆動軸がはめ込まれる
ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のダンパ位置調整装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−95968(P2008−95968A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−274283(P2006−274283)
【出願日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(000175272)三浦工業株式会社 (1,055)
【出願人】(504143522)株式会社三浦プロテック (488)
【Fターム(参考)】