説明

ダンプトラック

【課題】ベッセルの浮上りの防止効果が、フレームに対するベッセルの位置ズレに起因して低下することを抑えることができるダンプトラックを提供すること。
【解決手段】ベッセル前面下部の所定箇所の軌道上に前方向の上り傾斜を成し配された受止板11、その所定箇所に固定された摩擦性パッド、フレーム2上面で所定傾斜角度の上り傾斜を成す初期位置と所定傾斜角度よりも急な上り傾斜を成す受止位置との2位置間を揺動可能に受止板11を支持する揺動支持機構20、初期位置方向に受止板11を付勢する付勢部材70、受止板11が受止位置に達したときに揺動支持機構20のリンクピン63をフック部材83でロックするロック機構80、ベッセルの上方向の回動の指令時にロックを解除する解除手段100を備え、受止板11はベッセル6に押され受止位置方向に移動し、ベッセル着座時に受止位置に達してベッセルとの間で摩擦性パッドを挟んで圧縮した状態となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダンプトラックの骨格を形成するフレームにヒンジ結合により上下方向に回動可能に設けられたベッセル(荷台)を備え、このベッセルに土砂等の運搬対象物を積載して走行したり、ベッセルを上方向に回動させて運搬対象物を流し落としたりするダンプトラックに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、フレームに対するベッセルの浮上りなど、フレームに対するベッセルの移動を防止するベッセル固定装置が開示されている。このベッセル固定装置は、ベッセルの前部に設けられた支持部材と、フレームの前部寄りに設けられ、その支持部材の上下方向および左右方向の移動を阻止するロック機構とを備える。
【0003】
特許文献1には、支持部材とロック機構の技術が3つ開示されている。1つ目の技術において、支持部材は円柱形状のピンであり、ロック機構はハウジングに第1・第2ロック片が上下揺動可能に取り付けられたもので、これら第1・第2ロック片はほぼ半円形の係合凹部を有してピンの外周面に接して固定したり、離れたりするようになっている。2つ目の技術において、支持部材は摩擦部材を有するプレートであり、ロック機構は摩擦部材を有する縦板と、この縦板に向けて移動可能で摩擦部材を有するロック用プレートと、このロック用プレートを移動させるシリンダを備えたものであり、プレートの摩擦部材を縦板の摩擦部材とロック用プレートの摩擦部材で狭持するようになっている。3つ目の技術において、支持部材は円錐形状の凹部であり、ロック機構は円錐形状のロック用ピンと、そのロック用ピンを移動させるシリンダとを備え、ロック用ピンを凹部に嵌合させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−268577号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、フレームにベッセルを上下方向に回動可能に結合するヒンジ結合部にはクリアランスがあるため、ベッセルに積み込まれた運搬対象物の積込形状によりベッセルの重心位置が移動すること、ヒンジ結合部の摩耗によるベッセルのガタつきなどが原因となって、フレームとベッセルの間には位置ズレが生じる。特許文献1に開示されたベッセル固定装置においては、ベッセルに設けられた支持部材を、フレームに設けられたロック機構の構成要素の所定箇所に挿入した状態、または、支持部材の所定箇所にロック機構の構成要素を挿入した状態とすることによって、フレームに対してベッセルを固定するものである。このため、フレームに対するベッセルの位置ズレに伴って支持部材とロック機構との間に位置ズレが生じると、ロック機構は支持部材の移動を阻止できず、ベッセルの浮上り防止効果を十分に発揮しない虞がある。
【0006】
本発明は前述の事情を考慮してなされたものであり、その目的は、ベッセルの浮上りの防止効果が、フレームに対するベッセルの位置ズレに起因して低下することを抑えることができるダンプトラックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の目的を達成するために本発明は次のように構成されている。
【0008】
〔1〕 本発明に係るダンプトラックは、ダンプトラックの前後方向に延びてダンプトラックの骨格を形成するフレームと、このフレームの後部にヒンジ結合により上下方向に回動可能に結合するベッセルと、このベッセルを駆動するホイストシリンダと、前記ベッセルを上方向に回動させるための前記ホイストシリンダの伸張の指令を出力する指令手段と、前記フレームに着座した状態のベッセルの浮上りを防止するストッパ装置とを備えるダンプトラックにおいて、前記ストッパ装置は、前記ベッセルの前面下部の所定箇所の軌道上で、一方の面を前記ベッセルに向けて前方向に上り傾斜を成した姿勢で配置された受止板と、この受止板の一方の面および前記ベッセルの前面下部の所定箇所の少なくとも一方に固定された摩擦性パッドと、前記フレームの上面に設けられ、所定の傾斜角度の前記上り傾斜を成す初期位置と前記所定の傾斜角度よりも急傾斜の前記上り傾斜を成す受止位置との2位置間を揺動可能に前記受止板を支持する揺動支持機構と、前記ベッセルの前面下部の所定箇所の軌道上で前方向に上り傾斜を成す初期位置に復帰するよう前記受止板を付勢する受止板用付勢部材と、前記受止板が前記受止板用付勢部材の付勢力に抗して受止位置に移動することに連動し前記受止板をロックするロック機構と、前記ロック機構による前記受止板のロックを解除する解除手段と、この解除手段を制御する制御手段とを備え、前記受止板は、前記フレームに着座しようとする前記ベッセルの前面下部の所定箇所に押し動かされて初期位置から受止位置方向に移動し、前記ベッセルが着座したときに受止位置に位置し前記ベッセルとの間で前記摩擦性パッドを挟んで圧縮した状態となるよう設定され、前記制御手段は、前記指令手段により前記ホイストシリンダの伸張の指令が出力されたときに前記解除手段に前記受止板のロックを解除させるよう設定されたことを特徴とする。
【0009】
この「〔1〕」に記載のダンプトラックにおいては、ベッセルが着座しようと下方向に回動しているとき、受止板がベッセルの前面下部の所定箇所の軌道上に位置するので、受止板は摩擦性パッドに接触し、その後、ベッセルの前面下部により摩擦性パッド越しに、受止板用付勢部材の付勢に抗して初期位置から受止位置方向に押し動かされる。そして、ベッセルが着座したときに、受止板はロック機構によって受止位置にロックされ、ベッセルとの間で摩擦性パッドを挟んで圧縮した状態となる。この状態では、ベッセルに固定された摩擦性パッドと受止板の間に生じる摩擦力、または、受止板に固定された摩擦性パッドとベッセルとの間に生じる摩擦力、または、ベッセルに固定された摩擦性パッドと受止板に固定された摩擦性パッドとの間に生じる摩擦力によって、フレームに対するベッセルの浮上りを防止することができる。
【0010】
また「〔1〕」に記載のダンプトラックにおいて、指令手段からベッセルを上方向に回動させるためのホイストシリンダの伸張の指令が出力されたときに、制御手段は解除手段を制御して受止板のロックを解除させる。これにより、ベッセルが着座した状態から上方向に回動した場合には受止板を自動的に初期位置に戻すことができる。
【0011】
特に「〔1〕」に記載のダンプトラックにおいては、受止板が揺動支持機構によって、所定角度の前記上り傾斜を成す初期位置と所定の傾斜角度よりも急傾斜の上り傾斜を成す受止位置との2位置間を揺動可能に支持されている。これにより、受止板がベッセルによって摩耗性パッド越しに初期位置から受止位置に押し動かされていく間、フレームに対するベッセルの位置ズレは受止板の傾斜角度の変化と摩耗性パッドの弾性変形によって吸収されていき、ベッセルがフレームに着座したときには、ベッセルに作用する前方向の重力成分によってベッセルの前面下部は受止板に摩耗性パッド越しに押し付けられた状態となる。したがって、ベッセルの浮上りの防止効果が、フレームに対するベッセルの位置ズレに起因して低下することを抑えることができる。
【0012】
〔2〕 本発明に係るダンプトラックは、「〔1〕」に記載のダンプトラックにおいて、前記揺動支持機構は、前記フレームに設置される基台と、一端が前記基台と第1リンクピンにより回動可能に結合され、他端が前記受止板と第2リンクピンにより回動可能に結合された第1リンク部材と、この第1リンク部材より後側に位置し、一端が前記基台と第3リンクピンにより回動可能に結合され、他端が前記受止板と第4リンクピンにより回動可能に結合された第2リンク部材とを備え、前記受止板が初期位置に位置するときは、前記第2リンクピンと前記第4リンクピンはともに前記第3リンクピンよりも高い位置にあり、前記受止板の位置が受止位置に位置するときには、前記第2リンクピンは前記第3リンクピンよりも高い位置、かつ、前記第4リンクピンは前記第3リンクピンよりも低い位置となるように構成されるとともに、前記受止板が前記受止位置にある状態において、前記第2リンクピンと前記第3リンクピンと前記第4リンクピンのそれぞれの中心を結んで形成された三角形のうち、前記第2リンクピンと前記第4リンクピンを結んだ辺と前記第3リンクピンと前記第4リンクピンを結んだ辺とで形成される内角が鋭角となるように構成され、前記受止板は、前記受止位置に位置したとき、前記荷台に押圧される側の面とは反対側の面で前記基台または前記フレームに当接して、前記受止板用付勢部材の付勢力に抗する方向への移動を規制され、前記ロック機構は、前記受止板が受止位置まで移動したときに、前記第4リンクピンに引っ掛かるロック位置と、その第4リンクピンから離脱した解除位置との2位置間を回動可能に設けられたフック部材と、このフック部材のロック位置から解除位置への回動を阻止する阻止位置と、解除位置からロック位置への前記フック部材の回動およびロック位置から解除位置への前記フック部材の回動を許可する許可位置との2位置間をスライド可能に設けられた規制部材と、この規制部材を阻止位置方向に付勢する規制部材用付勢部材とを備え、前記フック部材は、前記受止板が受止位置方向に移動する際に前記第4リンクピンに押圧される前記リンクピン接触部と、前記フック部材の解除位置からロック位置方向の回動時に、前記規制部材を前記規制部材用付勢部材の付勢力に抗して阻止位置から許可位置に押し動かす規制部材操作部と、前記フック部材がロック位置に位置した状態において前記規制部材の阻止位置への移動を許可するとともに、前記規制部材に前記フック部材の解除位置方向の回動が阻止されるよう引っ掛かる引掛り部とを備え、前記解除手段は、前記規制部材用付勢部材に抗して前記規制部材を許可位置に移動させる解除用駆動装置を備えることを特徴とする。
【0013】
この「〔2〕」に記載のダンプトラックにおいて、揺動支持機構は、基台を第1節とし、第1リンク部材を第2節とし、受止板を第3節とし、第2リンク部材を第4節とする4節リンクを成し、これによって初期位置と受止位置との2位置間の受止板の揺動を安定させることができる。
【0014】
また、受止板が初期位置から受止位置に移動する際、ロック機構において、第4リンクピンはフック部材のリンクピン接触部に接触してフック部材に押圧力を与え、この押圧力はフック部材の規制部材操作部から規制部材に伝達される。これによりフック部材は規制部材用付勢部材の付勢力に抗して規制部材操作部の位置で規制部材を許可位置方向に押し退けながら、第4リンクピンによってリンクピン接触部の位置を押圧されることでロック位置方向に押し動かされる。規制部材が許可位置に達すると、フック部材は第4リンクピンによってロック位置まで押し退けられ、これによってフック部材は第4リンクピンに引っ掛かる。このとき、規制部材はフック部材の引掛り部によって規制位置への復帰を許可され、規制部材用付勢部材の付勢力により規制位置に戻る。この規制部材にフック部材の引掛り部が引っ掛かり、フック部材の解除位置方向の移動が阻止される。これにより揺動支持機構が受止板を受止位置に保持した状態にロックされる。つまり、受止板が受止位置にロックされる。
【0015】
このようにして受止板が受止位置にロックされた状態において、指令手段からベッセルを上方向に回動させるためのホイストシリンダの伸張の指令が出力されると、制御手段は解除手段の解除用駆動装置を作動させ、この解除用駆動装置は規制部材用付勢部材の付勢力に抗して規制部材を許可位置に移動させる。規制部材が許可位置に位置する状態においてベッセルが上方向の回動を開始すると、受止板はベッセルとともに上方向に回動する摩擦性パッドから与えられる上方向の力と受止板用付勢部材の付勢力とによってベッセルに追従し、この際、揺動支持機構においては第4リンクピンがフック部材を解除位置方向に押し退ける。その後、ベッセルが上方向の回動を続け、摩擦性パッドが受止板から離れると、受止板は受止板用付勢部材の付勢力により初期位置に復帰し保持される。
【0016】
〔3〕 本発明に係るダンプトラックは、「〔2〕」に記載のダンプトラックにおいて、前記解除用駆動装置は、前記規制部材に一端が結合した索状部材と、前記規制部材が阻止位置から許可位置まで移動するのに必要な長さだけ前記索状部材の他端を引っ張ることが可能なアクチュエータと、前記索状部材の弛緩を防止する弛緩防止手段とを備え、前記弛緩防止手段は、前記索状部材が掛け回され前記索状部材が張る方向にスライド可能に設けられた弛緩防止用プーリと、この弛緩防止用プーリを前記索状部材が張る方向に付勢する弛緩防止用付勢部材とを備えることを特徴とする。
【0017】
この「〔3〕」に記載のダンプトラックにおいて、解除手段の解除用駆動装置はアクチュエータにより索状部材を引っ張って、規制部材を阻止位置から許可位置に移動させる。これにより、リンクピンがフック部材を解除位置方向に押し退けることができる状態、すなわち、受止板のロックが解除された状態とすることができる。
【0018】
また、弛緩防止手段の弛緩防止用プーリはプーリ用付勢部材によって索状部材が張る方向に付勢されているので、フック部材が規制部材を許可位置方向に押し退けていく間、索状部材の長さに余りが生じることに連動して弛緩防止用プーリをスライドさせ、索状部材が弛むのを防止することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るダンプトラックによれば、前述のように、ベッセルの浮上りの防止効果が、フレームに対するベッセルの位置ズレに起因して低下することを抑えることができる。したがって、ベッセルの浮上りに起因するダンプトラックの振動の低減に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態に係るダンプトラックの左側面図である。
【図2】図1に示したダンプトラックに備えられるストッパ装置の機械部分の前面図である。
【図3】図2のIII−III断面図である。
【図4】ストッパ装置に備えられる受止板用付勢部材(トーションスプリング)を示す図である。
【図5】図4に示した受止板がベッセルを受け止める受止位置に達した状態を示す図である。
【図6】図4に示した受止板が受止位置に位置した状態における揺動支持機構の第2〜第4リンクピンの位置関係を示す図である。
【図7】図3に示したロック機構および解除手段の拡大図である。
【図8】受止板が初期位置に位置するときのフック部材および規制部材の状態を示す図である。
【図9】受止板が初期位置から受止位置方向に移動して揺動支持機構の第4リンクピンがフック部材のリンクピン接触部に接触した状態を示す図である。
【図10】図9に示した状態から受止板が更に受止位置方向に移動したときの第4リンクピン、フック部材および規制部材の状態を示す図である。
【図11】受止板が受止位置に達したときの第4リンクピン、フック部材および規制部材の状態を示す図である。
【図12】図7に示した解除手段の制御に係るブロック図である。
【図13】ベッセルが下方向に回動している様子を示す図である。
【図14】図13に示した状態からベッセルが更に下方向に回動して、ベッセルに設けられた摩擦性パッドの下部がストッパ装置の受止板に接触した状態を示す図である。
【図15】ベッセルがフレームに着座してストッパ装置がフレームに対するベッセルの浮上りを防止している状態を示す図である。
【図16】本発明の第2実施形態に係るダンプトラックに備えられたストッパ装置の機械部分を示す図である。
【図17】図16に示した解除手段の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係るダンプトラックを図1〜図15を用いて説明する。
【0022】
図1に示すように、第1実施形態に係るダンプトラック1は、このダンプトラック1の骨格を形成しダンプトラック1の前方向に下り傾斜を成すフレーム2と、このフレーム2の前側に設けられた運転室3と、フレーム2に対して回転可能に設けられた前輪4および後輪5とを備える。
【0023】
ダンプトラック1は更に、フレーム2上に配置され、フレーム2の後部にヒンジ結合部7により上下方向に回動可能に設けられたベッセル6と、一端がフレーム2に結合し他端がベッセル6に結合してベッセル6を臥伏駆動するホイストシリンダ8とを備える。ホイストシリンダ8はフレーム2およびベッセル6の左右両側に設けられて対を成している。ホイストシリンダ8の伸張、収縮、および、長さの保持によって、ベッセル6はフレーム2に着座した倒伏姿勢から起立姿勢へと上方向に回動したり、その逆に起立姿勢から倒伏姿勢へと下方向に回動したり、倒伏姿勢と起立姿勢の間の任意の姿勢で停止したりする。
【0024】
ダンプトラック1は更に、フレーム2に着座して停止した状態でのベッセル6の浮上りを防止するために、運転室3とベッセル6との間にストッパ装置10を備える。このストッパ装置10は、図2,図3に示すように、ベッセル6の前面下部の所定箇所の軌道上で、一方の面をベッセル6に向けて前方向に上り傾斜を成した姿勢で配置された受止板11と、ベッセル6の前面下部の所定箇所に固定された摩擦性パッド12と、受止板11を揺動可能に支持する揺動支持機構20を備える。
【0025】
受止板11は鉄製の板部材である。摩擦性パッド12はゴム製の板部材である。この摩擦性パッド12の下部は、ベッセル6の前面下部から突出して位置し、前後方向に撓むことが可能になっている。
【0026】
揺動支持機構20はフレーム2の上面に設けられ、所定の傾斜角度の上り傾斜を成す初期位置(図4参照)と所定の傾斜角度よりも急傾斜の上り傾斜を成す受止位置(図5参照)との2位置間を揺動可能に受止板11を支持するものである。この揺動支持機構20は、基台21、第1基台側ピン受部31、第2基台側ピン受部32、第1受止板側ピン受部41、第2受止板側ピン受部42、第1リンク部材51および第2リンク部材52を備える。受止板11と揺動支持機構20は、4節リンクを成す。基台21が第1節であり、第1リンク部材51が第2節であり、受止板11が第3節であり、第2リンク部材52が第4節である。基台21はフレーム2の上面に固定されている。第1基台側ピン受部31は基台21の上面に突出して設けられている。第2基台側ピン受部32は第1基台側ピン受部31の後方でこの第1基台側ピン受部31よりも基台21から突出して設けられている。第1受止板側ピン受部41は、受止板11の一方の面の裏面である他方の面から突出して設けられている。第2受止板側ピン受部42は第1受止板側ピン受部41の後方に位置して受止板11の他方の面から突出して設けられている。第1リンク部材51は、第1基台側ピン受部31に一端が第1リンクピン61により回動可能に結合され、第1受止板側ピン受部41に他端が第2リンクピン62により回動可能に結合されたものである。第2リンク部材52は、第2基台側ピン結合部32に一端が第3リンクピン63により回動可能に結合され、第2受止板側ピン受部42に他端が第4リンクピン64により回動可能に結合されたものである。
【0027】
ストッパ装置10は更に、ベッセル6の前面下部の所定箇所の軌道上で前方向に上り傾斜を成す初期位置に復帰するよう受止板11を付勢する受止板用付勢部材70(トーションスプリング)を備える。この受止板用付勢部材70には第3リンクピン63が挿し通されている。受止板用付勢部材70の一端は第4リンクピン64に係止されている。受止板用付勢部材70の他端は、基台21に突出して設けられた係止部71に係止されている。
【0028】
受止板11および揺動支持機構20の動作を図4,図5を用いて説明する。図4に示すように、揺動支持機構20は受止板用付勢部材70の付勢力により、受止板11を初期位置に位置させた状態に保持されている。この状態で受止板11の一方の面に前方斜め下向きの力Fが作用すると、第4リンクピン64には受止板用付勢部材70の付勢力と反対方向の力が付与され、その力Fが受止板用付勢部材70の付勢力よりも大きいと、図5に示すように揺動支持機構20は第4リンクピン64により受止板用付勢部材70を弾性変形させながら、受止板11が後下方向に移動するよう変形し、最終的に受止板11は受止位置まで移動する。このように受止板11が受止位置に位置した状態(荷台1がフレーム2に着座した状態)においては、図6に示すように、第2リンクピン62の中心と第4リンクピン64の中心と第3リンクピン63の中心が結ばれて形成される三角形(図6の二点鎖線で描かれた図形)のうち、第2リンクピン62の中心と第4リンクピン64の中心とを結んだ辺と第3リンクピン63の中心と、第4リンクピン64の中心とを結んだ辺とで形成される内角αが鋭角となる。さらに、第2リンクピン62の中心と第3リンクピン63の中心とを結んだ辺と、第4リンクピン64と第3リンクピン63とを結んだ辺とで形成される内角βが鈍角となる。また、受止板11は、受止位置に位置した状態において、荷台6に押圧される側の面とは反対側の面で基台21の第2基台側ピン結合部32に当接して、受止板用付勢部材70の付勢力に抗する方向への移動を規制されている。
【0029】
ストッパ装置10は更に、受止板11が受止板用付勢部材70の付勢力に抗して受止位置に移動することに連動し受止板11をロックするロック機構80を備える。このロック機構80は、支持部81、フック部材83、規制部材84、規制部材用付勢部材85(コイルスプリング)を備える。
【0030】
基台21の後端部の中央には、前方向に凹形状を成す切欠き21aが形成されている。支持部81は、その切欠き21aの位置から基台21の上方に突出して位置し、切欠き21aの内側面に固定されている。この支持部81は切欠き21aの左右の内側面の両方に設けられて対を成す(図2参照)。これらの支持部81には、第4リンクピン64の接触を避ける切欠き82が形成されている。
【0031】
フック部材83は2個の支持部81の間に位置して、これらの支持部81に回動可能に取り付けられている。このフック部材83は、受止板11が受止位置まで移動したときに、第4リンクピン64に引っ掛かるロック位置と、その第4リンクピン64から離脱した解除位置との2位置間を回動可能である。
【0032】
規制部材84は、支持部81に形成された規制部材用ガイド溝86に設けられている。この規制部材用ガイド溝86は、側面視においてフック部材83の回動の軌道上の位置から、その軌道外の位置まで延びて形成されている。規制部材84はフック部材83と接触する円筒面を有し、フック部材83のロック位置から解除位置への回動を阻止する阻止位置(図3,図11に示す規制部材84の位置)と、解除位置からロック位置へのフック部材83の回動およびロック位置から解除位置へのフック部材83の回動を許可する許可位置(図10に示す規制部材84の位置よりもフック部材83から離れた位置)との2位置間を、規制部材用ガイド溝86にガイドされることによりスライド可能となっている。フック部材83は、受止板11が受止位置方向に移動する際に第4リンクピン64に押圧される直線状のリンクピン接触部83aと、フック部材83の解除位置からロック位置方向の回動時に、規制部材84を規制部材用付勢部材85の付勢力に抗して阻止位置から許可位置に押し動かす凸曲線状の規制部材操作部83bと、フック部材83がロック位置に位置した状態において規制部材84の阻止位置への移動を許可するとともに、規制部材84にフック部材83の解除位置方向の回動が阻止されるよう引っ掛かる平面状の引掛り部83cとを備える。
【0033】
規制部材用付勢部材85は規制部材84を阻止位置方向に付勢するものであって、一端が規制部材84に結合していて他端が支持部81に結合している。
【0034】
ロック機構80の動作を図8〜図11を用いて説明する。図8に示すように初期位置に保持された受止板11の一方の面に前方斜め下向きの力Fが作用すると、第4リンクピン64には受止板用付勢部材70の付勢力と反対方向の力Fが付与される。その力Fが受止板用付勢部材70の付勢力よりも大きいと、図9に示すように揺動支持機構20の第4リンクピン64はフック部材83のリンクピン接触部83aに接触してフック部材83に押圧力を与え、この押圧力はフック部材83の規制部材操作部83bから規制部材84に伝達される。これによって、図10に示すようにフック部材83は規制部材用付勢部材85の付勢力に抗して規制部材操作部83bの位置で規制部材84を許可位置方向に押し退けながら、第4リンクピン64によってリンクピン接触部83aの位置を押圧されることでロック位置方向に押し動かされる。規制部材84が許可位置に達すると、フック部材83は第4リンクピン64によってロック位置まで押し退けられ、これによって、図11に示すようにフック部材83は第4リンクピン64に引っ掛かる。このとき、規制部材84はフック部材83の引掛り部83cによって規制位置への復帰を許可され、規制部材用付勢部材85の付勢力により規制位置に戻る。この規制部材84にフック部材83の引掛り部83cが引っ掛かり、フック部材83の解除位置方向の移動が阻止される。これにより揺動支持機構20が受止板11を受止位置に保持した状態にロックされる。つまり、受止板11が受止位置にロックされる。
【0035】
図3に説明を戻す。ストッパ装置10は更に、ロック機構80による受止板11のロックを解除する解除手段100を備える。この解除手段100は、図7に示すように、規制部材用付勢部材85に抗して規制部材84を許可位置に移動させる解除用駆動装置101を備える。この解除用駆動装置101は、規制部材84に一端が結合した索状部材102(ワイヤ)と、規制部材84が阻止位置から許可位置まで移動するのに必要な長さだけ索状部材102の他端を引っ張ることが可能なアクチュエータとしてのモータ103を備える。このモータ103は出力軸に解除用プーリ104を備えている。この解除用プーリ104はモータ103の出力軸に供回りするよう設けられている。
【0036】
解除用駆動装置101は更に、索状部材102の弛緩を防止する弛緩防止手段110を備える。この弛緩防止手段110は、弛緩防止用プーリ111と、弛緩防止用付勢部材112(コイルスプリング)とを備える。弛緩防止用プーリ111は、支持部81に形成された弛緩防止用ガイド溝113に設けられていて、索状部材102が掛け回されている。弛緩防止用ガイド溝113は、規制部材用ガイド溝86の延長線に対して交差する方向に延びた溝である。弛緩防止用プーリ111は、弛緩防止用ガイド溝113にガイドされることにより解除用プーリ104から離れる方向、すなわち索状部材102が張る方向にスライドが可能になっている。
【0037】
弛緩防止用付勢部材112は伸張した状態で、一端が弛緩防止用プーリ111に結合していて、他端が弛緩防止用ガイド溝113よりも解除用プーリ104から離れた支持部81の箇所に結合している。つまり、弛緩防止用付勢部材112は、弛緩防止用プーリ111を解除用プーリ104から離れる方向、すなわち索状部材102が張る方向に常時付勢している。
【0038】
弛緩防止手段110の動作を説明する。受止板11を受止位置にロックする際、フック部材83が規制部材84を許可位置方向に押し退けていく間、索状部材102の長さに余りが生じることに連動して弛緩防止用プーリ111は弛緩防止用付勢部材112の付勢力により索状部材102が張る方向にスライドする。これにより索状部材102の弛みが防止される。
【0039】
なお、図2に示すように、規制部材84、規制部材用付勢部材85、解除用プーリ104、弛緩防止用プーリ111、索状部材102、弛緩防止用付勢部材112は、2個の支持部81の両方に設けられている。解除用駆動装置101のモータ103は出力軸がモータハウジングを貫通して設けられたものであり、その出力軸の両端に解除用プーリ104が設けられている。
【0040】
図12に示すように、ダンプトラック1は、このダンプトラック1の様々な制御を行うコントローラ130を備えている。このコントローラ130はCPU、ROM、RAMを用いて様々な制御を行うものであり、制御プログラムにより設定された手段としてホイストシリンダ用制御手段131を備える。運転室3内には、ベッセル6を上方向に回動させるためのホイストシリンダ8の伸張の指令、ベッセル6を下方向に回動させるためのホイストシリンダ8の収縮の指令、および、ベッセル6の任意の回動角度での停止させるためのホイストシリンダ8の長さの保持の指令を選択的に出力可能な指令手段であるホイストレバー装置120が設けられている。ホイストシリンダ用制御手段131はホイストレバー装置120からの指令(電気信号)に基づきホイストシリンダ用油圧駆動装置141を制御するものである。ホイストシリンダ用油圧駆動装置141は、ホイストシリンダ8に供給する圧油の流れを制御する油圧回路であり、電気操作可能な電磁弁を備える。ホイストシリンダ用制御手段131は、ホイストレバー装置120からの指令に基づきホイストシリンダ用油圧駆動装置141の電磁弁に対する供給電流を制御することによって、ホイストシリンダ用油圧駆動装置141を制御するのである。
【0041】
ストッパ装置10は、解除手段100を制御する解除用制御手段132を、コントローラ130に備える。この解除用制御手段132は制御プログラムにより設定されたものである。このホイストレバー装置120から出力された指令(電気信号)に基づき、モータ103を駆動する装置であるモータ駆動装置142を制御するものである。
【0042】
ホイストシリンダ用制御手段131は、ホイストレバー装置120からのホイストシリンダ8の伸張の指令がコントローラ130に入力された場合に、解除用制御手段132によるモータ駆動装置142の制御が開始されてロック機構80の規制部材84が許可位置に移動するのに十分な時間として予め設定された解除時間が経過してから、ホイストシリンダ8を伸張させるためのホイストシリンダ用油圧駆動装置141の制御を行うよう設定されている。
【0043】
このように構成された第1実施形態に係るダンプトラック1の動作を説明する。
【0044】
図13に示すように、ベッセル6は起立姿勢から倒伏姿勢に向かって下方向に回動する。そして、ベッセル6がフレーム2への着座直前の位置まで回動してベッセル6の前面下部がストッパ装置10に近接すると、受止板11がベッセル6の前面下部の所定箇所(摩擦性パッド12が設けられた箇所)の軌道上に位置するので、摩擦性パッド12の下部は受止板11に接触しながら後方向に撓む。その後、倒伏姿勢を成すまでのベッセル6の下方向の回動中に、受止板11は摩擦性パッド12越しにベッセル6の前面下部に押圧される。これにより、受止板11、揺動支持機構20およびロック機構80は図4,図5,図9〜図11を用いて説明した動作を行い、これにより受止板11は受止位置にロックされる。この状態において受止板11は、フレーム2に着座した状態のベッセル6の前面下部との間で摩擦性パッド12を挟んで圧縮している。
【0045】
ベッセル6がフレーム2に着座した状態において、オペレータがホイストレバー装置120を操作し、このホイストレバー装置120からベッセル6を上方向に回動させるためのホイストシリンダの伸張の指令がコントローラ130に入力されると、コントローラ130の解除用制御手段132はその指令に基づきモータ駆動装置142を制御する。これにより、モータ103の解除用プーリ104が回転して索状部材102を巻き取り、これに伴って規制部材84が索状部材102によって阻止位置から許可位置に引き動かされ、ロック機構80による受止板11のロックが解除された状態となる。つまり、受止板11を初期位置方向に移動させる力が揺動支持機構20に作用したときに第4リンクピン64がフック部材83をロック位置から解除位置方向に押し退ける状態となる。このようにロックが解除された状態において、ベッセル6が着座した状態から上方向の回動を開始すると、受止板11はベッセル6とともに上方向に回動する摩擦性パッド12から与えられる上方向の力(受止板11と摩擦性パッド12間の摩擦による力)と、受止板用付勢部材70の付勢力とによってベッセル6に追従し、摩擦性パッド12に接触した状態を保持しながら初期位置方向に移動する。その後、ベッセル6が上方向に回動し続け、摩擦性パッド12が受止板11から離れると、受止板11は受止板用付勢部材70に付勢されて初期位置に復帰し保持される。
【0046】
第1実施形態に係るダンプトラック1によれば次の効果を得られる。
【0047】
第1実施形態に係るダンプトラック1において、ベッセル6がフレーム2に着座したとき、受止板11はロック機構80によって受止位置にロックされ、ベッセル6との間で摩擦性パッド12を挟んで圧縮した状態となる。この状態では、ベッセル6に固定された摩擦性パッド12と受止板11との間に生じる摩擦力によって、フレーム2に対するベッセル6の浮上りを防止することができる。
【0048】
第1実施形態に係るダンプトラック1において、受止板11は揺動支持機構20によって、所定角度の上り傾斜を成す初期位置と所定の傾斜角度よりも急傾斜の上り傾斜を成す受止位置との2位置間を揺動可能に受止板11を支持されている。これにより、受止板11がベッセル6によって摩擦性パッド12越しに初期位置から受止位置に押し動かされていく間、フレーム2に対するベッセル6の位置ズレは受止板11の傾斜角度の変化と摩擦性パッド12の弾性変形によって吸収されていき、ベッセル6がフレーム2に着座したときには、ベッセル6に作用する前方向の重力成分によってベッセル6の前面下部は受止板11に摩擦性パッド12越しに押し付けられた状態となる。したがって、ベッセル6の浮上りの防止効果が、フレーム2に対するベッセル6の位置ズレに起因して低下することを抑えることができる。
【0049】
第1実施形態に係るダンプトラック1においては、ホイストレバー装置120からベッセル6を上方向に回動させるためのホイストシリンダ8の伸張の指令が出力されたときに、コントローラ130の解除用制御手段132がモータ駆動装置142を制御して、すなわちモータ103を制御して、受止板11のロックを解除する。これにより、ベッセル6が着座した状態から上方向に回動した場合に受止板11を自動的に初期位置に戻すことができる。
【0050】
第1実施形態に係るダンプトラック1において、ストッパ装置10の受止板11は、着座した状態のベッセル6の前面下部に摩擦性パッド12越しに押し当てられた状態となるので、ダンプトラック1の減速に伴ってベッセル6に生じる前方向の慣性力を受け止めることができ、ヒンジ結合部7に掛かる負担を軽減することができる。
【0051】
なお、第1実施形態に係るダンプトラック1において、ストッパ装置10の摩擦性パッド12はベッセル6に設けられていたが、本発明において摩擦性パッドが設けられる箇所は、ベッセルに限定されるものではなく、受止板であってもよいし、ベッセルと受止板の両方であってもよい。
【0052】
第1実施形態に係るダンプトラック1においては、ロック機構80の規制部材84が許可位置に移動するのに十分な時間として予め設定された解除時間が経過してから、ホイストシリンダ8を伸張させるようになっていたが、ホイストシリンダ8を伸張させる際の制御はそれでなくてもよい。例えば、解除用プーリ104の回転角度を検出する角度センサ、または規制部材84の位置を検出するリミットスイッチなど、フック部材83のロックが解除されたことを検知する手段を設け、その手段によりフック部材83のロック解除が検知されたときに、ホイストシリンダ8が伸張させるようにしてもよい。
【0053】
第1実施形態に係るダンプトラック1の受止板11は、受止位置に位置した状態において、荷台6に押圧される側の面とは反対側の面で基台21の第2基台側ピン結合部32に当接して、受止板用付勢部材70の付勢力に抗する方向への移動を規制されるものであったが、本発明において受止板の移動を規制する箇所は基台に限定されるものではなく、受止板の強度を確保できた場合には、その箇所はフレームであってもよい。
【0054】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係るダンプトラックについて図16,図17を用いて説明する。
【0055】
第2実施形態に係るダンプトラックは、図16に示すストッパ装置200を備える。このストッパ装置200は、第1実施形態におけるストッパ装置10とは異なり、図17に示すように索状部材102を引っ張ることが可能なアクチュエータとして油圧シリンダ201を備える。この油圧シリンダ201のロッド202の先端に索状部材102が結合している。この油圧シリンダ201を用いて受止板11のロックを解除する場合、コントローラ130の解除用制御手段132は、規制部材84が阻止位置から許可位置まで移動するのに必要な長さだけ索状部材102が引っ張られるよう油圧シリンダ201を収縮させる制御を行う。
【0056】
第2実施形態に係るダンプトラックにおいて、ストッパ装置200以外の構成は第1実施形態に係るダンプトラック1と同じである。
【0057】
このように構成された第2実施形態に係るダンプトラックにおいても、ロック機構80による受止板11のロックを解除することができる。
【符号の説明】
【0058】
1 ダンプトラック
2 フレーム
3 運転室
4 前輪
5 後輪
6 ベッセル
7 ヒンジ結合部
8 ホイストシリンダ
10 ストッパ装置
11 受止板
12 摩擦性パッド
20 揺動支持機構
21 基台
21a 切欠き
31 第1基台側ピン受部
32 第2基台側ピン受部
41 第1受止板側ピン受部
42 第2受止板側ピン受部
51 第1リンク部材
52 第2リンク部材
61 第1リンクピン
62 第2リンクピン
63 第3リンクピン
64 第4リンクピン
70 受止板用付勢部材
71 係止部
80 ロック機構
81 支持部
82 切欠き
83 フック部材
83a リンクピン接触部
83b 規制部材操作部
83c 引掛り部
84 規制部材
85 規制部材用付勢部材
86 規制部材用ガイド溝
90 規制部材
91 規制部材用付勢部材
92 規制部材用ガイド溝
100 解除手段
101 解除用駆動装置
102 索状部材
103 油圧モータ
104 解除用プーリ
110 弛緩防止手段
111 弛緩防止用プーリ
112 弛緩防止用付勢部材
113 弛緩防止用ガイド溝
120 ホイストレバー装置
130 コントローラ
131 ホイストシリンダ用制御手段
132 解除用制御手段
141 ホイストシリンダ用油圧駆動装置
142 モータ駆動装置

200 ストッパ装置
201 油圧シリンダ
202 ロッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダンプトラックの前後方向に延びてダンプトラックの骨格を形成するフレームと、このフレームの後部にヒンジ結合により回動可能に結合したベッセルと、このベッセルを駆動するホイストシリンダと、前記ベッセルを上方向に回動させるための前記ホイストシリンダの伸張の指令を出力する指令手段と、前記フレームに着座した状態のベッセルの浮上りを防止するストッパ装置とを備えるダンプトラックにおいて、
前記ストッパ装置は、前記ベッセルの前面下部の所定箇所の軌道上で、一方の面を前記ベッセルに向けて前方向に上り傾斜を成した姿勢で配置された受止板と、この受止板の一方の面および前記ベッセルの前面下部の所定箇所の少なくとも一方に固定された摩擦性パッドと、前記フレームの上面に設けられ、所定の傾斜角度の前記上り傾斜を成す初期位置と前記所定の傾斜角度よりも急傾斜の前記上り傾斜を成す受止位置との2位置間を揺動可能に前記受止板を支持する揺動支持機構と、前記ベッセルの前面下部の所定箇所の軌道上で前方向に上り傾斜を成す初期位置に復帰するよう前記受止板を付勢する受止板用付勢部材と、前記受止板が前記受止板用付勢部材の付勢力に抗して受止位置に移動することに連動し前記受止板をロックするロック機構と、前記ロック機構による前記受止板のロックを解除する解除手段と、この解除手段を制御する制御手段とを備え、
前記受止板は、前記フレームに着座しようとする前記ベッセルの前面下部の所定箇所に押し動かされて初期位置から受止位置方向に移動し、前記ベッセルが着座したときに受止位置に位置し前記ベッセルとの間で前記摩擦性パッドを挟んで圧縮した状態となるよう設定され、
前記制御手段は、前記指令手段により前記ホイストシリンダの伸張の指令が出力されたときに前記解除手段に前記受止板のロックを解除させるよう設定された
ことを特徴とするダンプトラック。
【請求項2】
請求項1に記載のダンプトラックにおいて、
前記揺動支持機構は、
前記フレームに設置される基台と、一端が前記基台と第1リンクピンにより回動可能に結合され、他端が前記受止板と第2リンクピンにより回動可能に結合された第1リンク部材と、この第1リンク部材より後側に位置し、一端が前記基台と第3リンクピンにより回動可能に結合され、他端が前記受止板と第4リンクピンにより回動可能に結合された第2リンク部材とを備え、
前記受止板が初期位置に位置するときは、前記第2リンクピンと前記第4リンクピンはともに前記第3リンクピンよりも高い位置にあり、前記受止板の位置が受止位置に位置するときには、前記第2リンクピンは前記第3リンクピンよりも高い位置、かつ、前記第4リンクピンは前記第3リンクピンよりも低い位置となるように構成されるとともに、前記受止板が前記受止位置にある状態において、前記第2リンクピンと前記第3リンクピンと前記第4リンクピンのそれぞれの中心を結んで形成された三角形のうち、前記第2リンクピンと前記第4リンクピンを結んだ辺と前記第3リンクピンと前記第4リンクピンを結んだ辺とで形成される内角が鋭角となるように構成され、
前記受止板は、前記受止位置に位置したとき、前記荷台に押圧される側の面とは反対側の面で前記基台または前記フレームに当接して、前記受止板用付勢部材の付勢力に抗する方向への移動を規制され、
前記ロック機構は、前記受止板が受止位置まで移動したときに、前記第4リンクピンに引っ掛かるロック位置と、その第4リンクピンから離脱した解除位置との2位置間を回動可能に設けられたフック部材と、このフック部材のロック位置から解除位置への回動を阻止する阻止位置と、解除位置からロック位置への前記フック部材の回動およびロック位置から解除位置への前記フック部材の回動を許可する許可位置との2位置間をスライド可能に設けられた規制部材と、この規制部材を阻止位置方向に付勢する規制部材用付勢部材とを備え、
前記フック部材は、前記受止板が受止位置方向に移動する際に前記第4リンクピンに押圧される前記リンクピン接触部と、前記フック部材の解除位置からロック位置方向の回動時に、前記規制部材を前記規制部材用付勢部材の付勢力に抗して阻止位置から許可位置に押し動かす規制部材操作部と、前記フック部材がロック位置に位置した状態において前記規制部材の阻止位置への移動を許可するとともに、前記規制部材に前記フック部材の解除位置方向の回動が阻止されるよう引っ掛かる引掛り部とを備え、
前記解除手段は、前記規制部材用付勢部材に抗して前記規制部材を許可位置に移動させる解除用駆動装置を備える
ことを特徴とするダンプトラック。
【請求項3】
請求項2に記載のダンプトラックにおいて、
前記解除用駆動装置は、前記規制部材に一端が結合した索状部材と、前記規制部材が阻止位置から許可位置まで移動するのに必要な長さだけ前記索状部材の他端を引っ張ることが可能なアクチュエータと、前記索状部材の弛緩を防止する弛緩防止手段とを備え、
前記弛緩防止手段は、前記索状部材が掛け回され前記索状部材が張る方向にスライド可能に設けられた弛緩防止用プーリと、この弛緩防止用プーリを前記索状部材が張る方向に付勢する弛緩防止用付勢部材とを備える
ことを特徴とするダンプトラック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−232694(P2012−232694A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−103646(P2011−103646)
【出願日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)