説明

チップ材の分級方法及び分級装置

【目的】 チップウレタンが低密度であっても表面品質を悪化させる虞れがなく、所望硬度でスラブウレタン等の廃材の使用量を著しく減少させる。コスト低減を図り、作業能率を向上させる。
【構成】 ウレタン等の廃材13を粉砕機15により粉砕してチップ材16を形成する。チップ材16を分級装置31の一側に形成された供給口33より供給し、ブロアーを用いてチップ材を吹き上げ、または吹き込み、分級装置の他側の上下位置、または供給口33よりの距離の異なる複数の小室41に形成した複数の搬出口35よりチップ材16を吸い込み、または落下させ、比重の差により搬出口より搬出し、分級する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はチップ材の分級方法及び分級装置に関し、更に詳細に説明すると、ウレタン等の廃材を粉砕機により粉砕してチップ材を形成し、該チップ材を比重の差により分級するウレタン等の廃材からなるチップ材の分級方法及び分級装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両等のクッション材や内装材としてチップウレタンが用いられている。このチップウレタンはスラブウレタン等の廃材を粉砕機により粉砕して形成している。従来、スラブウレタン等の廃材を粉砕機により粉砕した場合には、スキン層が多く含まれている。このスキン層は容積が小さく、重量が重い性状を有している。
【0003】これらのチップウレタンにウレタン系バインダーをミキサーにより混合し、この混合物を下型と上型とからなるプレス成形型に挿入し、所望形状にプレス成形し、バインダーに蒸気を加えて硬化させることによりチップウレタンが形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のスラブウレタン等の廃材より、0.04g/ cm3の低密度のチップウレタンを形成した場合、スキン層が混合された状態であるので、成形品表面にスキン層が露出した状態となり、表面品質が悪く、また表面が粗く、ボソボソとなり、形状保持性が悪く、またウレタン物性の引張,引裂き強度に対して、チップウレタンの引張,引裂き強度が弱く、へたりが発生する虞れを有していた。また粉砕したチップ材の見掛量がバラ付き、同重量で成形した場合、ロットにより硬度にバラ付きが発生する欠点を有していた。
【0005】本発明の目的はチップウレタンが低密度であっても表面品質を悪化させる虞れがなく、所望硬度でスラブウレタン等の廃材の使用量を著しく減少させることができ、コスト低減を図ることができ、作業能率を向上させることができ、チップウレタンの引張,引裂き強度を向上させることができ、へたりを防止することのできるチップウレタンを製造することのできるチップ材の分級方法及び分級装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上述せる課題に鑑みてなされたもので、請求項1に記載のチップ材の分級方法は、ウレタン等の廃材を粉砕機により粉砕してチップ材を形成し、該チップ材を比重の差により分級するウレタン等の廃材からなるチップ材の分級方法において、前記粉砕機により粉砕して形成されたチップ材を分級装置の一側に形成された供給口より供給し、ブロアーを用いてチップ材を吹き上げ、分級装置の他側の上下位置に形成した複数の搬出口よりチップ材を吸い込み、比重の差により搬出口より搬出し、分級することを特徴とする。
【0007】本発明の請求項2に記載のチップ材の分級方法は、ウレタン等の廃材を粉砕機により粉砕してチップ材を形成し、該チップ材を比重の差により分級するウレタン等の廃材からなるチップ材の分級方法において、前記粉砕機により粉砕して形成されたチップ材を分級装置の上部の一側に形成された供給口よりブロアーにより供給し、分級装置の下部に形成した供給口よりの距離の異なる複数の小室に前記チップ材を落下させ、チップ材の比重の差により分級することを特徴とする。
【0008】本発明の請求項3に記載のチップ材の分級方法は、ウレタン等の廃材を粉砕機により粉砕してチップ材を形成し、該チップ材を比重の差により分級するウレタン等の廃材からなるチップ材の分級方法において、前記粉砕機により粉砕して形成されたチップ材を分級装置の上部の一側に形成された供給口よりブロアーにより供給し、分級装置の下部に形成した供給口よりの距離の異なる複数の小室に前記チップ材を落下させ、複数の小室のうち供給口より距離の近い第1の小室に比重0.06以上のチップ材を落下させ、次に近い第2の小室に比重0.026〜0.05の範囲のチップ材を落下させ、供給口より距離の遠い第3の小室に比重0.025以下のチップ材を落下させ、チップ材の比重の差により分級することを特徴とする。
【0009】本発明の請求項4に記載のチップ材の分級装置は、ウレタン等の廃材を粉砕機により粉砕してチップ材を形成し、該チップ材を比重の差により分級するウレタン等の廃材からなるチップ材の分級装置において、分級装置の一側に供給口を形成し、分級装置の他側の上下位置に複数のチップ材の搬出口を形成し、前記供給口より供給されたチップ材をブロアーにより吹上げ、前記上下位置に形成された複数のチップ材の搬出口よりチップ材をブロアーにより吸い込み、比重の差により分級されたチップ材を各搬出口より搬出し得るようになされていることを特徴とする。
【0010】本発明の請求項5に記載のチップ材の分級装置は、ウレタン等の廃材を粉砕機により粉砕してチップ材を形成し、該チップ材を比重の差により分級するウレタン等の廃材からなるチップ材の分級装置において、分級装置の上部の一側に供給口を形成し、分級装置の下部の前記供給口よりの距離の異なる位置に隔壁を設けることにより複数の小室を形成し、前記複数の小室の下部にチップ材の搬出口を形成し、前記供給口よりチップ材をブロアーにより供給し、前記チップ材を落下させ、比重の差により分級されたチップ材を各小室の搬出口より搬出し得るようになされていることを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明の請求項1に記載のチップ材の分級方法によれば、ウレタン等の廃材を粉砕機により粉砕してチップ材を形成し、該チップ材を比重の差により分級するウレタン等の廃材からなるチップ材の分級方法において、前記粉砕機により粉砕して形成されたチップ材を分級装置の一側に形成された供給口より供給し、ブロアーを用いてチップ材を吹き上げ、分級装置の他側の上下位置に形成した複数の搬出口よりチップ材を吸い込んでいるので、比重の軽いチップ材がより高く吹き上げられ、上下位置に形成した複数の搬出口のうち上部の搬出口に比重の軽いチップ材が吸い込まれ、また比重の重いチップ材は低くしか吹き上げられず、上下位置に形成した複数の搬出口のうち下部の搬出口に比重の重いチップ材が吸い込まれ、これにより、比重の差により上下位置の搬出口より搬出し、分級することができるので、ウレタン等の廃材の仕分け作業が不要で、作業能率を向上させることができ、成形品の表面品質を向上させることができ、所望硬度でスラブウレタン等の廃材の使用量を著しく減少させることができ、コスト低減を図ることができ、チップウレタンの引張,引裂き強度を向上させることができ、へたりを防止することができるチップウレタンを製造することができる。
【0012】本発明の請求項2に記載のチップ材の分級方法によれば、ウレタン等の廃材を粉砕機により粉砕してチップ材を形成し、該チップ材を比重の差により分級するウレタン等の廃材からなるチップ材の分級方法において、前記粉砕機により粉砕して形成されたチップ材を分級装置の上部の一側に形成された供給口よりブロアーにより供給し、分級装置の下部に形成した供給口よりの距離の異なる複数の小室に前記チップ材を落下させているので、比重の軽いチップ材がより遠くに吹き飛ばされ、供給口よりの距離の遠い小室に比重の軽いチップ材が落下し、また比重の重いチップ材は遠くに吹き飛ばされることなく、供給口よりの距離の近い小室に比重の重いチップ材が落下し、これにより、供給口よりの距離の異なる複数の小室に比重の差により分級することができる。
【0013】本発明の請求項3に記載のチップ材の分級方法によれば、ウレタン等の廃材を粉砕機により粉砕してチップ材を形成し、該チップ材を比重の差により分級するウレタン等の廃材からなるチップ材の分級方法において、前記粉砕機により粉砕して形成されたチップ材を分級装置の上部の一側に形成された供給口よりブロアーにより供給し、分級装置の下部に形成した供給口よりの距離の異なる複数の小室に前記チップ材を落下させ、複数の小室のうち供給口より距離の近い第1の小室に比重0.06以上のチップ材を落下させ、次に近い第2の小室に比重0.026〜0.05の範囲のチップ材を落下させ、供給口より距離の遠い第3の小室に比重0.025以下のチップ材を落下させ、チップ材の比重の差により分級することができるので、ウレタン等の廃材の仕分け作業が不要で、作業能率を向上させることができる。
【0014】本発明の請求項4に記載のチップ材の分級装置によれば、ウレタン等の廃材を粉砕機により粉砕してチップ材を形成し、該チップ材を比重の差により分級するウレタン等の廃材からなるチップ材の分級装置において、分級装置の一側に供給口を形成し、分級装置の他側の上下位置に複数のチップ材の搬出口を形成し、前記供給口より供給されたチップ材をブロアーにより吹き上げ、前記上下位置に形成された複数のチップ材の搬出口よりチップ材をブロアーにより吸い込み、比重の差により分級されたチップ材を各搬出口より搬出し得るようになされているので、ウレタン等の廃材の仕分け作業が不要で、作業能率を向上させることができる。
【0015】本発明の請求項5に記載のチップ材の分級装置によれば、ウレタン等の廃材を粉砕機により粉砕してチップ材を形成し、該チップ材を比重の差により分級するウレタン等の廃材からなるチップ材の分級装置において、分級装置の上部の一側に供給口を形成し、分級装置の下部の前記供給口よりの距離の異なる位置に隔壁を設けることにより複数の小室を形成し、前記複数の小室の下部にチップ材の搬出口を形成し、前記供給口よりチップ材をブロアーにより供給し、前記チップ材を落下させ、比重の差により分級されたチップ材を各小室の搬出口より搬出し得るようになされているので、ウレタン等の廃材の仕分け作業が不要で、作業能率を向上させることができる。
【0016】
【実施例】以下本発明に係るチップ材の分級方法及び分級装置を図面を参照して詳述する。図1には本発明のチップ材の分級装置を用いたチップウレタンの製造装置11の一実施例の概略が示されており、このチップウレタンの製造装置11はウレタン等の廃材13を粉砕してチップ材16を形成する粉砕機15を有している。
【0017】粉砕機15により粉砕されたチップ材16は後述する分級装置31に供給され、この分級装置31で比重別に分級され、一定の比重の差により複数の材料ストッカーとしての比重別サイロ17に収容される。
【0018】前記比重別サイロ17は、比重0.025以下のチップ材16を収容する第1のサイロ17aと、比重0.026〜0.05の範囲のチップ材16を収容する第2のサイロ17bと、比重0.06以上のチップ材16を収容する第3のサイロ17cとから形成されている。この材料ストッカーとしてのサイロ17は、本実施例では3個設けられているが、これに限定されるものではない。
【0019】前記各サイロ17a,17b,17cに供給されるチップ材16は、例えば比重0.025以下のチップ材16は、リヤバックシート等のクッション材に用いられ、また比重0.026〜0.05の範囲のチップ材16はアームレスト、ヘッドレスト、カーペットのアンダー材等に用いられ、また比重0.06以上のチップ材16はインサート材等のブロック品等に用いられる。
【0020】前記各サイロ17a,17b,17cに供給されているチップ材16を単独または組み合わせてミキサー19に供給し、このミキサー19にウレタン系バインダー20をチップ材16の量に応じて供給する。ミキサー19によりチップ材16とウレタン系バインダー20を混合する。
【0021】次いで、チップ材16とウレタン系バインダー20の混合物24をプレス成形型21の下型22と上型23とにより所望形状に成形する。プレス成形型21により圧縮した状態で、プレス成形型21の内部に蒸気を加えてウレタン系バインダー20に水分と熱とを供給し、ウレタン系バインダー20を加熱硬化させる。尚、熱だけ加えるものであってもよい。
【0022】図2にはチップウレタンの製造装置11の分級装置31の一実施例が示されており、この分級装置31はケーシング32の一側にチップ材16の供給口33が形成され、分級装置31のケーシング32の他側の上下位置に複数のチップ材16の搬出口35が形成されている。
【0023】前記搬出口35は比重0.025以下のチップ材16を搬出する第1の搬出口35aと、比重0.026〜0.05の範囲のチップ材16を搬出する第2の搬出口35bと、比重0.06以上のチップ材16を収容する第3の搬出口35cとから形成されている。尚、本実施例では搬出口35が3個設けられているが、これに限定されるものではない。
【0024】前記分級装置31のケーシング32の底部にはチップ材16の吹き上げ用のブロアー37が設けられている。また前記第1〜第3の搬出口35a,35b,35cの外側には夫々チップ材16の吸い込み用のブロアー38が設けられている。
【0025】前記供給口33より供給されたチップ材16は、吹き上げ用のブロアー37により吹き上げられ、ケーシング32の他側の吸い込み用のブロアー38により上下位置に形成された第1〜第3の搬出口35a,35b,35cより外部に搬出されるようになされている。
【0026】即ち、比重の軽いチップ材16が吹き上げ用のブロアー37によりより高く吹き上げられ、上下位置に形成した複数の搬出口35のうち上部の搬出口である第1の搬出口35aに比重の軽いチップ材が吸い込まれ、また比重の重いチップ材16は低くしか吹き上げられず、上下位置に形成した複数の搬出口35のうち下部の搬出口である第3の搬出口35cに比重の重いチップ材16が吸い込まれ、これにより、比重の差により上下位置の搬出口35a,35b,35cより搬出し、分級することができる。
【0027】前記各搬出口35a,35b,35cより搬出さた比重毎のチップ材16は前記各サイロ17a,17b,17cに供給され、次工程に送られる。
【0028】図3には、本発明の異なる分級装置31が示されており、この分級装置31はケーシング32の上部の一側にチップ材16の供給口33が形成され、分級装置31のケーシング32の底部に供給口33よりの距離の異なる複数の小室41が形成されている。
【0029】前記複数の小室41は上部開放された状態に形成され、本実施例では2枚の隔壁43a,43bにより3個の小室41a,41b,41cが形成されているが、これに限定されるものではない。前記3個の小室41a,41b,41cの底部には第1〜第3の搬出口35a,35b,35cが夫々形成されている。
【0030】第1の搬出口35aは比重0.025以下のチップ材16を搬出するようになされ、第2の搬出口35bは比重0.026〜0.05の範囲のチップ材16を搬出するようになされ、第3の搬出口35cは比重0.06以上のチップ材16を搬出するようになされている。
【0031】前記チップ材16の供給口33には吹き込み用のブロアー45が設けられている。また第1〜第3の搬出口35a,35b,35cには、前述せる実施例と同様にチップ材16の吸い込み用のブロアー38が設けられている。
【0032】ケーシング32の上部の一側の供給口33より、吹き込み用のブロアー45により前記チップ材16を吹き込み、落下させることにより、複数の小室41のうち供給口33より距離の近い第3の小室41cに比重0.06以上のチップ材16が落下し、次に近い第2の小室41bに比重0.026〜0.05の範囲のチップ材16が落下し、供給口33より距離の遠い第1の小室41aに比重0.025以下のチップ材16が落下する。
【0033】尚、隔壁43a,43bの高さを適宜調節可能とすることにより、前述とは異なる比重のチップ材16を、チップ材16の比重の差により分級することができること明らかであろう。
【0034】前記実施例におけるケーシング32の高さh1を1500mmとし、隔壁43a,43bの高さh2を800mmとし、ケーシング32の長さL1を3600mm、供給口33から隔壁43aまでの長さL2を2850mm、供給口33から隔壁43bまでの長さL3を850mmとし、供給口33から風量4.7m3/min、風速10m /secでブロアー45を作動させ、厚み300mm、スキン層を有するウレタンフォームの端材を粉砕した材料からなるチップ材16を吹き込み、落下させたところ、第1の小室41aに比重0.025以下のチップ材16が30%、第2の小室41bに比重0.026〜0.05の範囲のチップ材16が38%、第3の小室41cに比重0.06以上のチップ材16が32%得られた。
【0035】
【発明の効果】以上が本発明に係るチップ材の分級方法及び分級装置の一実施例の構成及び方法であるが、本発明の請求項1に記載のチップ材の分級方法によれば、粉砕機により粉砕して形成されたチップ材を分級装置の一側に形成された供給口より供給し、ブロアーを用いてチップ材を吹き上げ、分級装置の他側の上下位置に形成した複数の搬出口よりチップ材を吸い込んでいるので、比重の軽いチップ材がより高く吹き上げられ、上下位置に形成した複数の搬出口のうち上部の搬出口に比重の軽いチップ材が吸い込まれ、また比重の重いチップ材は低くしか吹き上げられず、上下位置に形成した複数の搬出口のうち下部の搬出口に比重の重いチップ材が吸い込まれ、これにより、比重の差により上下位置の搬出口より搬出し、分級することができるので、ウレタン等の廃材の仕分け作業が不要で、作業能率を向上させることができ、成形品の表面品質を向上させることができ、所望硬度でスラブウレタン等の廃材の使用量を著しく減少させることができ、コスト低減を図ることができ、チップウレタンの引張,引裂き強度を向上させることができ、へたりを防止することができるチップウレタンを製造することができる。
【0036】本発明の請求項2及び請求項3に記載のチップ材の分級方法によれば、粉砕機により粉砕して形成されたチップ材を分級装置の上部の一側に形成された供給口よりブロアーにより供給し、分級装置の下部に形成した供給口よりの距離の異なる複数の小室に前記チップ材を落下させているので、比重の軽いチップ材がより遠くに吹き飛ばされ、供給口よりの距離の遠い小室に比重の軽いチップ材が落下し、また比重の重いチップ材は遠くに吹き飛ばされることなく、供給口よりの距離の近い小室に比重の重いチップ材が落下し、これにより、供給口よりの距離の異なる複数の小室に比重の差により分級することができるので、ウレタン等の廃材の仕分け作業が不要で、作業能率を向上させることができ、成形品の表面品質を向上させることができ、所望硬度でスラブウレタン等の廃材の使用量を著しく減少させることができ、コスト低減を図ることができ、チップウレタンの引張,引裂き強度を向上させることができ、へたりを防止することができるチップウレタンを製造することができる。
【0037】本発明の請求項4に記載のチップ材の分級装置によれば、分級装置の一側に供給口を形成し、分級装置の他側の上下位置に複数のチップ材の搬出口を形成し、前記供給口より供給されたチップ材をブロアーにより吹上げ、前記上下位置に形成された複数のチップ材の搬出口よりチップ材をブロアーにより吸い込み、比重の差により分級されたチップ材を各搬出口より搬出し得るようになされているので、ウレタン等の廃材の仕分け作業が不要で、作業能率を向上させることができ、成形品の表面品質を向上させることができ、所望硬度でスラブウレタン等の廃材の使用量を著しく減少させることができ、コスト低減を図ることができ、チップウレタンの引張,引裂き強度を向上させることができ、へたりを防止することができるチップウレタンを製造することができる。
【0038】本発明の請求項5に記載のチップ材の分級装置によれば、分級装置の上部の一側に供給口を形成し、分級装置の下部の前記供給口よりの距離の異なる位置に隔壁を設けることにより複数の小室を形成し、前記複数の小室の下部にチップ材の搬出口を形成し、前記供給口よりチップ材をブロアーにより供給し、前記チップ材を落下させ、比重の差により分級されたチップ材を各小室の搬出口より搬出し得るようになされているので、ウレタン等の廃材の仕分け作業が不要で、作業能率を向上させることができ、成形品の表面品質を向上させることができ、所望硬度でスラブウレタン等の廃材の使用量を著しく減少させることができ、コスト低減を図ることができ、チップウレタンの引張,引裂き強度を向上させることができ、へたりを防止することができるチップウレタンを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るチップ材の分級装置を用いたチップウレタンの製造装置の説明図。
【図2】 本発明に係るチップ材の分級装置の説明図。
【図3】 本発明に係るチップ材の分級装置の異なる実施例の説明図。
【符号の説明】
11 製造装置
13 ウレタン等の廃材
15 粉砕機
16 チップ材
17 サイロ
17a サイロ
17b サイロ
17c サイロ
19 ミキサー
20 ウレタン系バインダー
21 プレス成形型
22 下型
23 上型
24 混合物
31 分級装置
32 ケーシング
33 供給口
35 搬出口
35a 搬出口
35b 搬出口
35c 搬出口
37 吹き上げ用のブロアー
38 吸い込み用のブロアー
41 小室
41a 小室
41b 小室
41c 小室
43a 隔壁
43b 隔壁
45 吹き込み用のブロアー

【特許請求の範囲】
【請求項1】 ウレタン等の廃材を粉砕機により粉砕してチップ材を形成し、該チップ材を比重の差により分級するウレタン等の廃材からなるチップ材の分級方法において、前記粉砕機により粉砕して形成されたチップ材を分級装置の一側に形成された供給口より供給し、ブロアーを用いてチップ材を吹き上げ、分級装置の他側の上下位置に形成した複数の搬出口よりチップ材を吸い込み、比重の差により搬出口より搬出し、分級することを特徴とするチップ材の分級方法。
【請求項2】 ウレタン等の廃材を粉砕機により粉砕してチップ材を形成し、該チップ材を比重の差により分級するウレタン等の廃材からなるチップ材の分級方法において、前記粉砕機により粉砕して形成されたチップ材を分級装置の上部の一側に形成された供給口よりブロアーにより供給し、分級装置の下部に形成した供給口よりの距離の異なる複数の小室に前記チップ材を落下させ、チップ材の比重の差により分級することを特徴とするチップ材の分級方法。
【請求項3】 ウレタン等の廃材を粉砕機により粉砕してチップ材を形成し、該チップ材を比重の差により分級するウレタン等の廃材からなるチップ材の分級方法において、前記粉砕機により粉砕して形成されたチップ材を分級装置の上部の一側に形成された供給口よりブロアーにより供給し、分級装置の下部に形成した供給口よりの距離の異なる複数の小室に前記チップ材を落下させ、複数の小室のうち供給口より距離の近い第1の小室に比重0.06以上のチップ材を落下させ、次に近い第2の小室に比重0.026〜0.05の範囲のチップ材を落下させ、供給口より距離の遠い第3の小室に比重0.025以下のチップ材を落下させ、チップ材の比重の差により分級することを特徴とするチップ材の分級方法。
【請求項4】 ウレタン等の廃材を粉砕機により粉砕してチップ材を形成し、該チップ材を比重の差により分級するウレタン等の廃材からなるチップ材の分級装置において、分級装置の一側に供給口を形成し、分級装置の他側の上下位置に複数のチップ材の搬出口を形成し、前記供給口より供給されたチップ材をブロアーにより吹上げ、前記上下位置に形成された複数のチップ材の搬出口よりチップ材をブロアーにより吸い込み、比重の差により分級されたチップ材を各搬出口より搬出し得るようになされていることを特徴とするチップ材の分級装置。
【請求項5】 ウレタン等の廃材を粉砕機により粉砕してチップ材を形成し、該チップ材を比重の差により分級するウレタン等の廃材からなるチップ材の分級装置において、分級装置の上部の一側に供給口を形成し、分級装置の下部の前記供給口よりの距離の異なる位置に隔壁を設けることにより複数の小室を形成し、前記複数の小室の下部にチップ材の搬出口を形成し、前記供給口よりチップ材をブロアーにより供給し、前記チップ材を落下させ、比重の差により分級されたチップ材を各小室の搬出口より搬出し得るようになされていることを特徴とするチップ材の分級装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開平8−71506
【公開日】平成8年(1996)3月19日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平6−240743
【出願日】平成6年(1994)9月8日
【出願人】(000210089)池田物産株式会社 (10)
【出願人】(000226105)日栄工業株式会社 (1)