説明

チャイルドレジスタンス機能付きピロー包装袋

【課題】幼児が誤って開封(破封)することを防止しながらも、大人であれば容易に開封することができる、チャイルドレジスタンス機能付きピロー包装袋を提供する。
【解決手段】筒状に曲成された包装用フィルムの側縁部同士を合掌貼りされた背貼りシール部と、筒の軸方向に開放された端縁のうち少なくとも一方が液密状態に閉鎖された端縁シール部とを備えるピロー包装袋において、上記背貼りシール部の折れ曲がり基部領域の一部に開封の起点となる開封容易部を設け、当該開封容易部は、折れ曲がった背貼りシール部とピロー包装袋表面がシールされることにより隠蔽されていることを特徴とする、チャイルドレジスタンス機能付きピロー包装袋である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、背貼りシール部を有するピロー包装袋に関し、更に詳細には、幼児に与えたくない内容物の包装に適したチャイルドレジスタンス機能付きピロー包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ピロー包装袋とは、包装用フィルムを筒状にして向かい合う縁部をヒートシールすることにより背シール部が形成され、さらに開放された端部を扁平状にしてから、当該端部をヒートシールすることにより端部シール部が形成された袋のことをいう。
【0003】
従来から、ピロー包装袋において、開封時に開封を容易に行うことができるように易開封性機能を付与することを目的として、開封の起点となる部位に、切り込みを入れたり、粗面加工や傷痕加工を施すなどの様々な試みが行われてきた。
【0004】
例えば、特許文献1では、開封時における内容物の乱れを防ぎ、背シール部からの易開封性を向上させるために、背シール部の折線位置に多数の微小傷痕加工を施してなる傷痕部を設けたことを特徴とするピロー包装袋が開示されている。
【0005】
また、特許文献2では、背シール部からの易開封性を向上させるために、背面中央部に位置する接合端部に連なる各折曲げ部に、上端ヒートシール部から下端ヒートシール部まで延びる細幅の開封用粗面部を設けたことを特徴とするピロー形包装袋が開示されている。
【0006】
しかしながら、特許文献1及び2に開示されているピロー包装袋は、背貼りシール部近傍に易開封性手段を設け、易開封性の改良がなされた発明に過ぎず、幼児に与えたくない内容物の包装に適したピロー包装袋とはいえない。
【0007】
近年、幼児に与えたくない内容物が充填されたピロー包装袋には、幼児が誤って袋を開封(破封)することによって、幼児が誤飲・誤食してしまうことが懸念され、チャイルドレジスタンス機能が付与されたピロー包装袋の開発が求められている。
【0008】
上記チャイルドレジスタンス機能が付与されたピロー包装袋には、幼児にとっては難開封性の特性が要求されるが、大人が開封する際には、難開封性とは相反する易開封性が要求される。
【0009】
【特許文献1】特開平6−48450号公報
【特許文献2】実開平5−81069号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、幼児が誤って開封(破封)することを防止しながらも、大人であれば容易に開封することができる、チャイルドレジスタンス機能付きピロー包装袋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討したところ、ピロー包装袋の背貼りシール部を利用することによって、開封容易部を隠蔽することができ、幼児が誤って開封(破封)することを防止しながらも、大人であれば容易に開封することができることを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成するに到った。
【0012】
すなわち、本発明のチャイルドレジスタンス機能付きピロー包装袋は、筒状に曲成された包装用フィルムの側縁部同士を合掌貼りされた背貼りシール部と、筒の軸方向に開放された端縁のうち少なくとも一方が液密状態に閉鎖された端縁シール部とを備えるピロー包装袋において、
上記背貼りシール部の折れ曲がり基部領域の一部に開封の起点となる開封容易部を設け、当該開封容易部は、折れ曲がった背貼りシール部とピロー包装袋表面がシールされることにより隠蔽されていることを特徴とするものである。
【0013】
前記チャイルドレジスタンス機能付きピロー包装袋において、開封容易部が、粗面部であることが好ましい。
【0014】
前記チャイルドレジスタンス機能付きピロー包装袋において、背貼りシール部の横幅が、ピロー包装袋の横幅に対して1/6〜3/6倍であることが好ましい。
【0015】
前記チャイルドレジスタンス機能付きピロー包装袋において、隠蔽された開封容易部の所在を示す表示が、袋外面の視認可能な位置に付されていることが好ましい。
【0016】
前記チャイルドレジスタンス機能付きピロー包装袋において、ピロー包装袋の開放された端縁から内容物を充填し、当該開放された端縁が液密状態に閉鎖されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
上記の如き本発明によれば、幼児が誤って開封(破封)することを防止しながらも、大人であれば容易に開封することができる、チャイルドレジスタンス機能付きピロー包装袋が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明のチャイルドレジスタンス機能付きピロー包装袋は、筒状に曲成された包装用フィルムの側縁部同士を合掌貼りされた背貼りシール部と、筒の軸方向に開放された端縁のうち少なくとも一方が液密状態に閉鎖された端縁シール部とを備えるピロー包装袋において、
上記背貼りシール部の折れ曲がり基部領域の一部に開封の起点となる開封容易部を設け、当該開封容易部は、折れ曲がった背貼りシール部とピロー包装袋表面がシールされることにより隠蔽されていることを特徴とするものである。
【0019】
以下、本発明のチャイルドレジスタンス機能付きピロー包装袋の実施形態について、図1〜図8を参照しながら説明する。
【0020】
図1は、背貼りシール部3を立てた状態を示すピロー包装袋の正面図であり、図2は、背貼りシール部3を倒した状態を示すピロー包装袋の正面図である。
【0021】
図1に示すように、ピロー包装袋は、包装用フィルムを筒状に曲成し、当該包装用フィルムの側縁部2,2の内側面同士を向かい合わせて、外方に突出するように合掌貼りすることで、背貼りシール部3を形成した後、筒の軸方向に開放された端縁のうち、少なくとも一方の端縁を液密状態(密閉状態)に閉鎖(封止)して端縁シール部5Bを形成して、袋体にしたものである。
【0022】
なお、背貼りシール部3及び端縁シール部5Bを形成するためのシール方法は、一般に袋体の形成に用いられるシール方法であれば、特に限定されず、例えば、ヒートシールによる方法、及び接着剤による方法等が挙げられる。これらの中でも、生産性及び見栄えの観点から、ヒートシールによる方法が好ましく用いられる。
【0023】
図1に示すように、立てた状態の背貼りシール部3を倒すことができる方向としては、右側の折れ曲がり方向3Rと、左側の折れ曲がり方向3Lの2つの方向が存在する。
開封容易部7は、開封の起点となり、当該2方向の背貼りシール部3の折れ曲がり方向3R,3Lのうち、どちらか一方の折れ曲がり方向(図1では、右側の折れ曲がり方向3R)側の折れ曲がり基部6の領域の一部に設けられる。
【0024】
本発明において、「折れ曲がり基部6」とは、背貼りシール部3と、非シール部の包装用フィルムとの境界となる部位(折り線状の部位)のことをいい、背貼りシール部3の根元に相当する部位のことをいう。
【0025】
開封容易部7に、易開封性を付与するための形状は、一般に袋体の開封部位に易開封性を付与するために用いられる形状であれば、特に限定されず、例えば、粗面部、及び傷痕部等が挙げられる。これらの中でも、品質安定性、及び操業性等の観点から、粗面部が好ましく用いられる。
【0026】
開封容易部7を粗面部とする方法としては、例えば、サンドペーパー、及び砥粒等を用いて包装用フィルム表面に微小な凹凸からなる粗面を付与する方法が挙げられる。また、開封容易部7を傷痕部とする方法としては、例えば、金属刃、レーザー照射、及び針等を用いて包装用フィルム表面に微小な傷痕を付与する方法が挙げられる。これらの中でも、粗面を付与する方法が好ましく用いられる。
【0027】
図1に示すように、背貼りシール部3を折れ曲がり方向3R側へ倒す場合、開封容易部7は背貼りシール部3の折れ曲がり基部6のうち、折れ曲がり方向3R側の一部に設けられる。これにより、図2に示すように、開封容易部7の所在は、外部から視認できないように隠蔽される。一方、背貼りシール部3を折れ曲がり方向3L側へ倒す場合、開封容易部7は背貼りシール部3の折れ曲がり基部6のうち、折れ曲がり方向3L側の一部に設けることで開封容易部7の所在は、外部から視認できないように隠蔽される。
【0028】
図2に示すように、開封容易部7の大きさは、背貼りシール部3が有する隠蔽性と、開封容易部7に付与される易開封性とが好適に発揮されることを考慮して設定される。
すなわち、開封容易部7の大きさは、背貼りシール部3を倒した際には、背貼りシール部3に隠れる程度の小ささである一方で、袋の開封時には、手で摘んで容易に開封することができる程度の大きさになるように設定される。
【0029】
また、図2に示すように、背貼りシール部の横幅Hは、背貼りシール部3を倒した状態で、開封容易部の幅hが隠れる幅であれば、特に限定されないが、開封容易部7を隠蔽する効果を高める観点から、背貼りシール部の横幅は、ピロー包装袋の横幅Aに対して1/6〜3/6倍であることが好ましく、2/6〜3/6倍であることがより好ましい。
【0030】
なお、背貼りシール部の横幅Hは、最大で、背貼りシール部の折れ曲がり基部6からピロー包装袋の一方の折り曲げ部9までの長さと同等の長さ幅に設定することも可能である。
【0031】
図3は、本発明の第一の実施形態であるチャイルドレジスタンス機能付きピロー包装袋101を示す図であり、図4は、本発明の第二の実施形態であるチャイルドレジスタンス機能付きピロー包装袋102を示す図であり、図5は、本発明の第三の実施形態であるチャイルドレジスタンス機能付きピロー包装袋103を示す図である。
【0032】
図2に示すような背貼りシール部3を倒すことにより隠蔽された開封容易部7は、折れ曲がった背貼りシール部3とピロー包装袋表面がシールされることにより、開封容易部7をさらに隠蔽させることができれば、シールを設ける箇所は特に限定されないが、隠蔽の程度を高める観点から、開封容易部7に隣接する部位がシールされることが好ましい。
なお、シールを設ける箇所は、本発明の効果が達成される限りにおいて、開封容易部7から離隔した部位がシールされていてもよい。
【0033】
具体的には、図3に示すように、隠蔽された開封容易部7は、当該開封容易部7に隣接する部位のうち少なくとも一ケ所に、倒した側の背貼りシール部3と、その部位に向き合う包装用フィルム表面とをシールして易剥離シール部8を設けることにより、さらに、隠蔽された開封容易部7の隠蔽の程度を高めることができる。
なお、易剥離シール部8は、手指で簡単に剥がせる程度の弱シール性の部位である。
【0034】
開封容易部7の隣接部位に設けられる易剥離シール部8の個数は、特に限定されず、前述した図3に示すように、開封容易部7の上部隣接部位に一ケ所設けられる他、図4に示すように、開封容易部7の下部隣接部位に一ケ所設けられていてもよいし、図5に示すように、開封容易部7の上部隣接部位と下部隣接部位の二ケ所設けられていてもよい。
【0035】
図4の第二の実施形態102は、易剥離シール部8が開封容易部7の下部隣接部位に設けられることにより、図3の第一の実施形態101と比較して、易剥離シール部8から端縁シール部5Bまでの距離が短くなるため、開封容易部7の隠蔽の程度は若干低下するものの、開封容易部7を隠蔽する効果は確保され、所望のチャイルドレジスタンス機能を有する。
【0036】
図5の第三の実施形態103は、易剥離シール部8が開封容易部7の上部隣接部位と下部隣接部位の二ケ所に設けられることにより、第一の実施形態101及び第二の実施形態102と比較して、開封容易部7の隠蔽の程度をより高めることができるため、より優れた所望のチャイルドレジスタンス機能を有する。
【0037】
易剥離シール部8を形成するために行われる弱シール方法は、一般に包装用フィルムに行われる弱シール方法であれば、特に限定されず、例えば、背貼りシール部3と、その部位に向き合う包装用フィルムとの間にシール剤を所定部位に挿入してポイントシールすることにより弱シールを行なう方法;背貼りシール部3と、その部位に向き合う包装用フィルムとの間にホットメルト接着剤を所定部位に挿入して熱融着することにより弱シールを行なう方法;ピロー包装袋を構成する包装用フィルムの外気に触れる面にヒートシール性を有するフィルムを用いてヒートシールすることにより弱シールを行なう方法;等が代表的に挙げられる。
【0038】
なお、易剥離シール部8のシール形状は、特に限定されないが、易剥離シール部8を手指で剥がす際に、手指の挿入を容易にする観点から、図3〜図5に図示された易剥離シール部8のシール形状のように、易剥離シール部8のシール幅は、一定の幅の形状とするのではなく、背貼りシール部3の端縁側にいくほどシール幅が狭くなるような形状が好ましい。
【0039】
本発明のチャイルドレジスタンス機能付きピロー包装袋は、図3に示すように、易剥離シール部8が設けられたことにより、隠蔽の程度が高められた開封容易部7の所在は、幼児には事実上見つけることはできず、幼児が誤って開封(破封)することを防止することができる。一方、大人が袋の開封を試みる際には、開封容易部7の所在を予測することが可能であり、大人は容易に開封することができる。
【0040】
さらに、大人にとっては開封し易いように、隠蔽された開封容易部7の所在を示す表示が、袋外面の視認可能な位置に付されていることが好ましい。
袋外面に施す表示は、文字を読める大人だけが視認できるように施されていれば、特に限定されず、例えば、袋を構成する包装用フィルム表面に、開封容易部7の所在を明示するような目印を印字する方法等が代表的に挙げられる。
【0041】
図6は、本発明の第四の実施形態であるチャイルドレジスタンス機能付きピロー包装袋104を示す図であり、図7は、本発明の第五の実施形態であるチャイルドレジスタンス機能付きピロー包装袋105を示す図である。
【0042】
本発明のチャイルドレジスタンス機能付きピロー包装袋は、幼児が誤飲・誤食することによって、幼児の健康影響が懸念されるような、幼児に与えたくない内容物の包装に適したピロー包装袋である。
幼児に与えたくない内容物としては、例えば、医薬品、サプリメント(健康補助食)、及び非食品等が挙げられる。
【0043】
内容物の充填は、図3に示される本発明のピロー包装袋101の開放された端縁4Aから行なわれる。内容物が充填された後は、開放された端縁4Aを、図6に示すように、液密状態(密閉状態)に閉鎖(封止)されて端縁シール部5Aが形成されることが好ましい。
なお、端縁シール部5Aを形成するためのシール方法は、上述した背貼りシール部3、及び端縁シール部5Bと同様のシール方法を採用することができる。
【0044】
また、ピロー包装袋を構成する包装用フィルムのうち、外気と触れる面の全面、若しくは、少なくとも易剥離シール部8を形成する箇所がヒートシール性を有しているフィルムを用いてヒートシールによりシールを行なう場合、図7に示されるピロー包装袋105が実施可能となる。
図7に示されるピロー包装袋105は、図2に示される易剥離シール部8を有しないピロー包装袋において、開放された端縁4Aから内容物を充填し、当該開放された端縁4Aを液密状態(密閉状態)に閉鎖(封止)して端縁シール部5Aを形成すると同時に、易剥離シール部8をも形成することができる実施形態である。
【0045】
なお、図7に示されるピロー包装袋105は、図6に示されるピロー包装袋104に比べて、同面積の包装用フィルムを使用してピロー包装袋を形成する場合、充填させることができる内容物の量は、若干少なくなるものの、端縁シール部5Aと易剥離シール部8との形成を同時に行うことができることから、生産性に優れた実施形態である。
【0046】
図8は、本発明のピロー包装袋の開封手順を示す図であり、当該図8を参照しながら、本発明のピロー包装袋の開封手順を説明する。
先ず、8Aに示すように、易剥離シール部8を手指で剥がし、矢印の方向に背貼りシール部3を立たせて、隠蔽されていた開封容易部7を露出させ、次いで、8Bに示すように、開封容易部7を両手で摘んで弱強度を加えることで開封が始まり、さらに、8Cに示すように、背貼りシール部3を横断するように開封が進み、内容物の取り出しが可能となる。
なお、本発明のピロー包装袋において、背貼りシール部3の端縁部に切り込みを設けることにより、易剥離シール部8を手指で剥がさずに、開封を進めることもできる。
【0047】
本発明のピロー包装袋を構成する包装用フィルムは、一般にピロー包装袋の製造に用いられる包装用フィルムであれば、特に限定されず、例えば、単層フィルムであってもよく、基材層(最外層)、中間層、及び内面層(最内層)の3層からなる積層フィルムであってもよい。
【0048】
基材層は、袋の最外層を形成し、印刷適性、耐ピンホール性、及び耐衝撃性等の機能を有する層であることが好ましい。基材層の材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアミド、及びエチレンビニルアルコール共重合体等の一軸または二軸延伸フィルム及びこれらの延伸フィルムを積層したもの等が挙げられる。
これらの延伸フィルムに、酸素バリア性、及び水蒸気バリア性等の機能を付与するために、アルミニウム等の金属、並びに酸化アルミニウム、及び酸化ケイ素等の無機酸化物を蒸着させた蒸着フィルム;ポリ塩化ビニリデン、及びポリアクリル酸系樹脂等をコーティング(バリアコート)させたコートフィルムも用いることができる。また、紙やセロファン等を用いてもよい。
【0049】
また、図7に示されるピロー包装袋105を実施する場合、基材層の外気に触れる面の全面、若しくは、少なくとも易剥離シール部8を形成する箇所にヒートシール性が必要となる。
この場合、基材層を形成するフィルムの外気に触れる面に、ヒートシール性を有するコート剤を塗布したフィルムを用いてもよい。また、フィルムの外気に触れる面が、ヒートシール性を有する樹脂によって構成されるように製膜された共押出しフィルムを基材層として用いてもよい。このような共押出しフィルムとしては、例えば、フィルムの外気に触れる面に無延伸ポリプロピレン層を有する二軸延伸ポリプロピレンフィルム等が代表的に挙げられる。
【0050】
中間層は、酸素バリア性、水蒸気バリア性、及び引き裂き性等の機能を有する層であることが好ましい。中間層の材質としては、酸素バリア性、及び水蒸気バリア性が必要とされる場合には、例えば、アルミニウム箔などの金属箔;アルミニウム等の金属、並びに酸化アルミニウム、及び酸化ケイ素等の無機酸化物を蒸着させたフィルム;ポリ塩化ビニリデン、及びポリアクリル酸系樹脂等をコーティング(バリアコート)させたフィルム;等が挙げられる。
なお、一方向へ引き裂き性を付与したい場合には、引き裂き方向へ一軸延伸させたフィルムを用いることもできる。
【0051】
内面層は、袋の最内層を形成し、加熱加圧によるヒートシールが可能な層であることが好ましい。内面層の材質としては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、未延伸ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマー、アイオノマー樹脂等の未延伸フィルム、またはこれらの樹脂を層状に押し出したものが挙げられる。
【0052】
これらの層を積層して積層フィルムを形成する方法は、一般に積層フィルムの形成に用いられる積層方法であれば、特に限定されず、例えば、接着剤を用いてドライラミネート法により積層してフィルムを形成する方法であってもよく、熱接着樹脂を用いて押し出しラミネート法により積層してフィルムを形成する方法であってもよい。
また、その他のラミネート法により積層してフィルムを形成する方法であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】背貼りシール部を立てた状態を示すピロー包装袋の正面図である。
【図2】背貼りシール部を倒した状態を示すピロー包装袋の正面図である。
【図3】本発明のチャイルドレジスタンス機能付きピロー包装袋の第一実施形態を示す図である。
【図4】本発明のチャイルドレジスタンス機能付きピロー包装袋の第二実施形態を示す図である。
【図5】本発明のチャイルドレジスタンス機能付きピロー包装袋の第三実施形態を示す図である。
【図6】本発明のチャイルドレジスタンス機能付きピロー包装袋の第四実施形態を示す図である。
【図7】本発明のチャイルドレジスタンス機能付きピロー包装袋の第五実施形態を示す図である。
【図8】本発明のチャイルドレジスタンス機能付きピロー包装袋の開封手順を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
2 包装用フィルムの側縁部
3 背貼りシール部
3R 右側の折れ曲がり方向
3L 左側の折れ曲がり方向
4A 開放された端縁
5A 端縁シール部
5B 端縁シール部
6 折れ曲がり基部
7 開封容易部
8 易剥離シール部
9 折り曲げ部
H 背貼りシール部の横幅
h 開封容易部の幅
A ピロー包装袋の横幅
101 本発明の第一実施形態のチャイルドレジスタンス機能付きピロー包装袋
102 本発明の第二実施形態のチャイルドレジスタンス機能付きピロー包装袋
103 本発明の第三実施形態のチャイルドレジスタンス機能付きピロー包装袋
104 本発明の第四実施形態のチャイルドレジスタンス機能付きピロー包装袋
105 本発明の第五実施形態のチャイルドレジスタンス機能付きピロー包装袋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状に曲成された包装用フィルムの側縁部同士を合掌貼りされた背貼りシール部と、筒の軸方向に開放された端縁のうち少なくとも一方が液密状態に閉鎖された端縁シール部とを備えるピロー包装袋において、
上記背貼りシール部の折れ曲がり基部領域の一部に開封の起点となる開封容易部を設け、当該開封容易部は、折れ曲がった背貼りシール部とピロー包装袋表面がシールされることにより隠蔽されていることを特徴とする、チャイルドレジスタンス機能付きピロー包装袋。
【請求項2】
前記開封容易部が、粗面部であることを特徴とする、請求項1に記載のチャイルドレジスタンス機能付きピロー包装袋。
【請求項3】
前記背貼りシール部の横幅が、前記ピロー包装袋の横幅に対して1/6〜3/6倍であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のチャイルドレジスタンス機能付きピロー包装袋。
【請求項4】
前記隠蔽された開封容易部の所在を示す表示が、袋外面の視認可能な位置に付されていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載のチャイルドレジスタンス機能付きピロー包装袋。
【請求項5】
前記ピロー包装袋の開放された端縁から内容物を充填し、当該開放された端縁が液密状態に閉鎖されていることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載のチャイルドレジスタンス機能付きピロー包装袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−255947(P2009−255947A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−107027(P2008−107027)
【出願日】平成20年4月16日(2008.4.16)
【出願人】(000143880)株式会社細川洋行 (130)
【Fターム(参考)】