説明

チューブ、ダクト、またはケーブルが通って延びる円形管状開口部を封止するためのアセンブリ

円形管状開口部のために、組み立てられた状態において、少なくとも一対のゴム製の封止プラグを形成するために、少なくとも一対の長手方向のプラグセグメントを有するアセンブリであって、上記少なくとも一対のプラグセグメントの各々は、上記円形管状開口部の長手方向において、上記開口部を通って延びる少なくとも1つのチューブ、ダクト、またはケーブルの封止使用のための少なくとも1つの円筒形収容部を囲む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は円形管状開口部を封止するためのアセンブルに関するものであり、この円形管状開口部の長手方向において、少なくとも1つのチューブ、ダクト、またはケーブルがその円形管状開口部を通って延びている。本発明はさらに、気密性のコンパートメントを提供するためのそのようなアセンブリの使用に関するものであり、その気密性のコンパートメントにおいて、チューブ、ダクト、またはケーブルの端部または開口部は、円形管状の開口部を介してそのコンパートメントの中へと延在することによって配置される。本発明はさらに、少なくとも1つの円形管状開口部を備えた気密性のコンパートメントに関するものであり、この円形管状開口部の長手方向において、少なくとも1つのチューブ、ダクト、またはケーブルがその円形管状開口部を通って延びている。
【背景技術】
【0002】
パイプまたはケーブルが通って延びる開口部を封止するためのシステムは昔から知られているものである。
【0003】
特許文献1は、ケーブルおよびパイプのための輸送システムを開示している。このシステムは、貫通ブロックおよびブランキングブロックで充填された開口部を有する金属フレームを備える。貫通ブロックは、パイプ、ケーブル、またはダクトが供給可能である開口部を有するブロックを共に形成することができる2つの半分のブロックを備える。言い換えれば、貫通ブロックの2つの半分は、パイプ、ケーブル、またはダクトを囲むことができる。各パイプ、ケーブル、またはダクトは、従って、少なくとも2つのブロックによって囲まれる。このシステムにより、異なる直径を有する複数のケーブルを貫通させることができる。これは、異なる大きさの貫通ブロックを必要とする。開口部における残りのスペースはブランクブロックで満たされる。このようにして、導管スリーブの内壁の間の空間(この場合は、金属フレーム)およびこの導管スリーブすなわち金属フレームを通って延びるパイプ、ダクト、またはケーブルはブロックで満たされる。通常、タイプレートはブロックの各層の間に配置される。ケーブル、パイプ、またはダクト周囲のブロックを圧迫するために、次いでこのタイプレートを介して、組み立てられたブロックに圧力を加え、それらを一緒に、フレームの側壁に対して、または導管スリーブに対して、タイプレートへと固定する。この目的のために、システムは圧迫および包装システムを備える。ナットまたは圧迫ボルトによる締め付けを必要とするシステムによって圧力を加えることができる。圧迫に必要とされる力は非常に大きいものであり、ダクト内にあるパイプまたはケーブルへと部分的に伝わる。
【0004】
このシステムは、ブロックの積み重ね全体に亘って均等に負荷を分散することができない。実際、ダクト内のパイプまたはケーブルは負荷の一部を運び、均等な分散を妨げる。「ダクト内のパイプまたはダクトの陰にある」圧迫力をあまり被らないブロックは容易に押出され得る。別の問題は、ゴムの不可逆的変形であり、これは、システムの一部が突然、より高い圧力に晒された場合、輸送システムの柔軟性を低下させ、これは有害となり得るものである。
【0005】
このシステムは、設置するのが困難であり、時間がかかるものであり、コストも高く、多大な在庫管理を必要とし、かつ大変な注意を払わなければならないものである事実に付け加えて、さらに、長期間に亘る使用における作動では、不調の多いものでもある。ゴムは、十分に加硫処理したゴムであっても、経時的に、自然発生的な緩みを生じる。ゴムが適切に飽和または加硫処理されていない場合、化学緩和もまた生じ得る。これは、ゴム全体の緩みを増進する。この結果として、特許文献1に開示された圧迫および包装システムの圧迫ボルトまたはナットは、しばしば締め付けなおしが必要となる。さらなる問題は、温度変化が、熱膨張または熱収縮を起因として、圧迫するボルトの緩みまたは締め過ぎを生じさせ、その結果、封止およびゴムの不可逆的変形を各々弱らせてしまう。
【0006】
特に、プラスチックの被覆材料を用いたプラスチックのパイプまたはケーブルが金属フレームまたは導管スリーブを通って延びる場合、これらのチューブまたはケーブルの外側表面は、半径方向内向きの圧力に曝され、これらの可塑性パイプの外側直径は、「クリープ」として公知の現象に起因して減少する場合がある。これが生じた場合、圧迫されたゴムブロックおよび半径方向に圧迫された可塑性のパイプによって提供されていた封止の統合性が、両方の物理的現象、すなわちクリープおよび弛緩によって衰えるので、圧迫および包装システムの圧迫ボルトおよびナットは、さらに頻繁に締めなおされるべきである。しかしながら、どれほど頻繁にこの圧迫ボルトおよび/またはナットが締めなおされようとも、締めなおした直後から、ゴムの弛緩および可塑性のパイプのクリープの現象は不断に生じ、その結果、封止の統合性はすぐさまさらに悪化する。
【0007】
ケーブルのコアおよびケーブルの編組が強力である場合、被覆はストレスに対処すべきであるが、場合によっては、その被覆の不可逆的変形を導く。ケーブルの編組および/またはコアが柔らかい場合、これらは不可逆的に変形し得る。これに加えて、ケーブルは完全に円形では決してないので、長期使用におけるシステムは、局所的に様々ではあるが、ますます不可逆的変形を導入することとなる。ケーブルおよび/またはブロックを交換した後には、首尾良い封止を再確立することは困難である。
【0008】
特許文献2は、壁にある開口部を介して、ケーブル、パイプ等を供給するための貫通ダクト構成体を開示している。この構成体は、その壁にある開口部の空のスペースを満たし、かつ、一方で、ケーブル、パイプ等に対して封止をし、他方で、充填される開口部の内側壁に対して封止する、部分的または全部が可撓性の取付け部材を備える。圧締デバイスは、その取付け部材を壁の開口部へと弾性的に圧締するために提供される。
【0009】
上述したシステムとは対照的に、この圧締デバイスは、壁の開口部の空のスペースの外側に配置され、それゆえ、その壁の開口部は、その開口部を介してケーブル、パイプ等を通過させるために、その全体において利用可能である。
【0010】
その開口部の内部断面は、壁の片側から他方の側へ減少しており、開口部のより広い端部を部分的に包囲する壁側上の開口部の周辺に沿って延びる締め付けフランジを有する圧締デバイスは、取付け部材全体に亘って、壁の開口部の端部から、その前端部において、係合して、その取付け部材に対して軸方向において壁開口部へと圧力をかける。全ての取付け部材のアセンブリから形成される包装は、幅が減少した壁開口部へと、軸方向に圧力がかけられて、これにより、その取付け部材は互いに、ケーブル、パイプ等に対して、および開口部の内側壁に対して圧力をかけることとなり、これにより、その取付け部材を取り囲むためのフレームアセンブリも必要とすることなく、封止作用および耐火作用を与える。締め付けフランジを有する圧締デバイスの使用は煩雑であるが、壁の両側への異なる圧力の効果の下で、互いに相対的な取付け部材の軸方向の移動の可能性を取り除くために、取付け部材の結果としての互いに対する摩擦が十分であるような程度にまで、取付け部材に、互いに対して圧力を加えることが必要である。
【0011】
特に、壁の開口部の中央断面領域においては、ダクトが取り付けられた構成体が、より高い圧力差に耐えることができる封止を提供することが意図され、および/またはその壁開口部が大きな断面領域である場合、取付け部材が動くことができないように固定されることを保証することが常に可能なわけではない。
【0012】
それゆえ、そのようにして、好ましくない状況下であっても、かつ特に壁の開口部の中央の断面領域において、互いに相対的に軸方向に取付け部材が移動しないことを確実にするためには、その取付け部材が、セクター部分様の構成体における1つのセクターにおいて、壁開口部の断面を満たすように、そのダクトが取り付けられた構成体がなされている場合がある。各セクターは、2つ部分からなるパーツであり、半径方向において、開口部の軸から開口部の壁へと延びている。
【0013】
特許文献2は、各々のセクター様の取付け部材が、壁開口部の内側壁に対して半径方向に延びており、それゆえ、締め付けフランジによってその壁に対して圧力が加えられ、それによって、その取付け部材が、互いに相対的に、軸方向および直接に動かないようにしているということを利点として提示している。各々個々の取付け部材は、締め付けフランジによって直接に内側壁に固定され、かつ高い圧力差に対しても固定されたままであるように見える。
【0014】
2つ部分からなるパーツからなる取付け部材のその2つ部分からなるパーツの相対位置は、軸方向に対して直交する方向において、固定されかつ安定している。これらの位置は、まず、受取り手段、すなわち2つ部分からなるパーツからなる取付け部材において適合するケーブル、パイプ等によって固定される。その受取り手段は、形状および大きさに関して、個々のケーブルまたはパイプの断面に適合される。このことは、その2つ部分からなるパーツからなる取付け部材のその2つ部分からなるパーツが、互いに対して固定された位置を有することを保証する。第2に、その2つ部分からなるパーツからなる取付け部材のその2つ部分からなるパーツが、壁開口部に対して半径方向にも延びる分離プレートによって分離され、その結果、これらの2つ部分からなるパーツの各々が壁開口部に対して圧力を加え、そしてこの安定した壁開口部は、その取付け部材の2つ部分からなるパーツの相対位置に対して基準平面を与える。締め付けフランジが、開口部の内部壁に対して固定されている各々の取付け部材を保持していることを念頭に置いて、軸方向に対して直交する平面において、取付け部材の2つ部分からなるパーツの相対位置が非常に安定していることは明らかである。
【0015】
1つのチューブ、ダクト、またはケーブルが長手方向において通って延びる円形管状開口部を封止するための他のシステムもまた公知である。そうしたシステムの多くの例が、いわゆる「ケーブル貫通」において見出すことができる。良好な例は、特許文献3に開示されており、これはまた、本願の発明者に由来するものである。この文献は、封止プラグを形成するための少なくとも2つのセグメントからなる長手方向部品からなるシステムを開示している。この文献の図4a〜図4eに示されているように、このシステムは、複数のチューブまたはダクトが長手方向において通って延びる円形管状開口部におけるスペースを封止することができ、ここでこれらのチューブまたはダクトが全て同じ直径を有する、システムを可能にする。
【0016】
封止プラグを形成するためのセグメントからなる長手方向の部品は、外側のリブ部が備わった外側にある。このシステムが適切である開口部の直径の許容範囲が、このように意図的に設計された外側リブ部が備わっていない同様のシステムよりも、はるかに広い範囲内にあることが可能であるゆえ、これらのリブ部の設計は有利である。そのような封止プラグおよびその長手方向の部品の、軸方向に直行する平面における側方向の動きが結果として可能(かつ、しばしば有利に用いられる)であるけれども、それらの長手方向の部品は、側方向において、互いに相対的に移動しない。なぜならば、封止プラグをセグメントからなる長手方向の部品へと分離する平面はまた、ケーブル、パイプ、またはダクトを受取るための収容部が形成される平面でもあるからである。言い換えれば、互いに対して相対的な、セグメントからなる長手方向の部品の固定は、特許文献2について上で説明したように、分離平面において、ケーブル、パイプ、またはダクトを使用することによって行われる。
【0017】
また、特許文献4は、そのような封止システムの例を記載する。この文献の図4は、斜視図において1つの部品を示している。この文献の図4aは、斜視図において、完全なシステムの例を示す。前者の図は環状のスペースを封止することができ、これに対して、後者の図は、2つのケーブルが通って延びる管状開口部内のスペースを封止することができる。
【0018】
前述にて、特許文献4において開示されているように、これらのシステムの各々は、特に、1つ以上のチューブ、ダクト、またはケーブルが長手方向において通って延びる円形管状開口部を封止することができ、ここでこれらの全て同じ直径を有する。
【0019】
実際には、1つの円形管状開口部を介して延びる複数の大きさの異なったチューブまたはダクトを有するか、または、1つの円形管状開口部を介して複数の大きさの異なるケーブルを引いて、その開口部を封止することもまたしばしば所望される。しかしながら、たとえ僅かな漏れにすぎないとしても、封止の失敗という増大したリスクの可能性の代償を払うべきではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】英国特許第2186442号
【特許文献2】英国特許第2140114号
【特許文献3】国際公開第2004/111513号
【特許文献4】国際公開第2007/028443号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明の課題は、円形管状開口部の長手方向において、少なくとも1つのチューブ、ダクト、またはケーブルが通って延びる円形管状開口部を封止するためのアセンブリを提供し、同時に他方で、複数の異なる大きさのチューブ、ダクト、またはケーブルが同様の管状開口部を通って延びることを可能にし、それをもって、最適かつ安定した封止を提供することである。このアセンブリは、理想的には、使用時には、設置が容易であり、かつメンテナンスに手がかからないといった効果がある。
【0022】
本発明の課題は、気密かつ液密のコンパートメントを提供するための方法を提供し、このコンパートメントにおいて、チューブ、ダクト、またはケーブルの端部または開口部が、円形管状開口部を介してそのコンパートメントへと延びることによって位置付けられ、同時に他方で、複数の異なる大きさの導電のチューブ、ダクト、またはケーブルがその円形管状開口部を介してそのコンパートメントへと延びることもまた可能にし、この円形管状開口部は、最適かつ安定した封止を導くべきであり、かつ設置が容易である一方で、メンテナンスにも手がかからないシステムをもたらすことである。
【0023】
本発明のさらなる課題は、複数のチューブ、ダクト、またはケーブルが、管状開口部を、その長手方向に通って延びることができる気密性のコンパートメントを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明は、長手方向におけるプラグセグメントの少なくとも1つの対のアセンブリを提供する。この対は、プラグセグメントのその少なくとも1つの対の各々が、少なくとも1つのチューブ、ダクト、またはケーブルの封止使用(sealing occupation)のための、少なくとも1つの円筒形の収容部を囲むような方法で、組み立てられた状態において、円形管状開口部のための、ゴムの封止プラグの少なくとも一部を形成するのに適している。このチューブ、ダクト、またはケーブルは、開口部の長手方向において、その開口部を通って延びている。プラグセグメントの各々は、円筒形の収容部の半分が備わっている第1のタイプのセグメント・サイドを有する。第1のタイプのセグメント・サイドの各々の収容部を含まない部分は、その対の他のプラグセグメントの第1のタイプのセグメント・サイドの同様の収容部を含まない部分と、それらの部分全体に亘って、封止接触を実現するのに適している。プラグセグメントの各々は、第2のタイプのセグメント・サイドを有し、これは、組み立てられた状態において、プラグセグメントの対にはその第2のタイプの2つのセグメント・サイドが備わっているように、その第2のタイプの別のセグメント・サイドとの封止接触を実現するものである。プラグセグメントの各々には、組み立てられた状態において、円周方向において継ぎ目のない接触表面を実現するために、長手方向において間隔を置いた複数の外側のリブ部を有する外側が備わっている。
【0025】
驚くべきことに、円形管状開口部に挿入される封止プラグの一部として、組み立てられた状態において、長手方向のプラグセグメントの対は、その封止プラグの一部として、同様に組み立てられた状態において、長手方向のプラグセグメントの別の対に対して動くようには見えず、たとえこれら2つの対が第2のタイプのそれらのセグメント・サイドで、互いに圧接しているとしても、動くようには見えない。
【0026】
任意の理論によって拘束されることを望まなければ、半径方向内側への流体静力学的な力は、互いに第2のタイプのこれらのセグメント・サイドを固定するには十分であると考えられる。結果として、封止の失敗が高まるといったリスクはないということになる。封止の設定、すなわち、組み立てられた状態において、チューブ、ケーブル、またはダクトが開口部の長手方向に通って延びるその開口部への封止プラグの挿入は、非常にシンプルなままである。有利にも、ここでもまた、異なる直径を有する新たなチューブ、ダクト、またはケーブルを以前のチューブ、ダクト、またはケーブルと交換する状況において、プラグセグメントの特定の対のみを取り替えることが可能である。従って、封止プラグ全体を取り替える必要がない。
【0027】
プラグセグメントの新たな対の外側の寸法は、組み立てられた状態において、組み立てられた状態におけるプラグセグメントの前述の対の寸法と同じであり、たとえ、新たな大きさの異なるチューブ、ダクト、またはケーブルの封止使用のための取り囲まれた円筒形の収容部が異なっているとしても、同じである。それゆえ、封止プラグを共に形成することができるプラグセグメントの複数の同一の大きさの対を有することもまた可能である。プラグセグメントの対の各々は、組み立てられた状態において、大きさの異なるチューブ、ダクト、またはケーブルの封止使用を可能にする。このような状況のためにあつらえた完全に新しいプラグを提供する必要はない。このことは、材料に関するだけでなくモールドに関しても、大いにコストを削減する。円形管状開口部を通って延びるチューブ、ダクト、またはケーブルの各々の組合せのためのモールドを有する必要がない。異なる大きさの円筒形の収容部を有するセグメントの各々の対のためのモールドが必要となるだけである。このことはまた、チューブ、ダクト、またはケーブルのネットワークの計画段階において柔軟であることを可能にする。
【0028】
1つの実施形態において、第2のタイプのセグメント・サイドの収容部を含まない部分は平坦な表面を備える。このことは、第2のタイプのセグメント・サイドの収容部を含まない部分の平坦な表面が容易に合わさるので、このプラグセグメントによる封止を容易にする。さらに、それは、プラグセグメントの個々の対の真っ直ぐの挿入および/または取り除きを可能にする。組み立てられたプラグセグメントの1つから組み立てられたプラグセグメントの別の1つに伝達される必要のある任意の力が、シンプルな接合面を有する材料の2つの部分を介して生じる。互いに押圧された2つの平坦な表面は、不可逆的な変形を生じさせ得るいずれかの現象が考慮されると、さらなる要因が考慮されることはない。圧力の分散は、もし生じたとしても、そのような接合面によって妨害されることは殆どない。
【0029】
1つの実施形態において、第2のタイプのセグメント・サイドは平坦な表面を備える。このことは、プラグセグメントの個々の対の挿入および取り除きを容易にする。また、封止性能は、その接触表面が容易にあらゆるものに合わせられるので、それに対応して、そのような平坦な表面から利点を得る。圧力の分散に関連した収容部を含まない部分の平坦な表面について上述で述べた利点は、第2のタイプの平坦なセグメント・サイドに対しても等しく当てはまる。
【0030】
1つの実施形態において、各々のプラグセグメントは、内側が備わっているので、封止プラグとしてアセンブリを使用する際、その内側は、円筒形の部分のぴったりと合う使用のために、共に中心チャネルを形成する。このことは、あらゆるプラグセグメントが集まる位置において非常に優れたぴったりとした封止を可能とするだけでなく、様々な有益な目的に対して利用可能である封止プラグの中心の部分においてさらなるチャネルを有する可能性もまた提供する。
【0031】
本発明、本発明の例示的な実施形態、およびさらなる利点は、以下で、図面と併せてさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1a】図1(a)は、円形管状開口部のための封止プラグにおける、本発明に係るアセンブリの第1の実施形態の横断面を概略的に示す。
【図1b】図1(b)は、円形管状開口部のための封止プラグにおける、本発明に係るアセンブリの第2の実施形態の横断面を概略的に示す。
【図1c】図1(c)は、円形管状開口部のための封止プラグにおける、本発明に係るアセンブリの第3の実施形態の横断面を概略的に示す。
【図2a】図2(a)は、円形管状開口部のための封止プラグにおける、本発明に係るアセンブリの第4の実施形態の横断面を概略的に示す。
【図2b】図2(b)は、円形管状開口部のための封止プラグにおける、本発明に係るアセンブリの第5の実施形態の横断面を概略的に示す。
【図3a】図3(a)は、円形管状開口部のための封止プラグにおける、本発明に係るアセンブリの第6の実施形態の横断面を概略的に示す。
【図3b】図3(b)は、円形管状開口部のための封止プラグにおける、本発明に係るアセンブリの第7の実施形態の横断面を概略的に示す。
【図3c】図3(c)は、円形管状開口部のための封止プラグにおける、本発明に係るアセンブリの第8の実施形態の横断面を概略的に示す。
【図4a】図4(a)は、円形管状開口部のための封止プラグにおける、本発明に係るアセンブリの第9の実施形態の横断面を概略的に示す。
【図4b】図4(b)は、円形管状開口部のための封止プラグにおける、本発明に係るアセンブリの第10の実施形態の横断面を概略的に示す。
【図5】図5は、斜視図にて、かつ組み立てられてない状態において、本発明に係るアセンブリの実施形態を示す。
【図6a】図6(a)は、本発明に係るアセンブリの使用における第1の実施形態であり、長手方向断面を概略的に示し、ならびに、本発明に係る気密性のコンパートメントの第1の実施形態であり、長手方向断面を概略的に示す。
【図6b】図6(b)は、本発明に係るアセンブリの使用における第2の実施形態であり、長手方向断面を概略的に示し、ならびに、本発明に係る気密性のコンパートメントの第2の実施形態であり、長手方向断面を概略的に示す。
【図7a】図7(a)は、本発明に係るアセンブリを製造するためのモールドを、斜視図にて、概略的に示す。
【図7b】図7(b)は、図7(a)に示すモールドの上面図である。
【図7c】図7(c)は、図7(a)に示すモールドの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図面においては、同様の部品は同様の参照符号が備わる。
【0034】
図1(a)〜図4(b)は、本発明に係るアセンブリの実施形態を概略的に示す。このアセンブリは、組み立てられた状態(円形管状開口部のための封止プラグの断面図にて示される)において、例えば、チューブ、ダクト、またはケーブル(図示されないが、開口部の長手方向において、その開口部を通って延びるものとして)の封止使用のために、円筒形の収容部3を囲むプラグセグメント2a、2bの対1を形成するための、長手方向のプラグセグメント2a、2bの対1を備える。プラグセグメントの各々は適切なゴムでできており、これについては、さらなる情報を本明細書で後に言及する。プラグセグメント2a、2bの各々は、第1のタイプ4のセグメント・サイドを有する。この第1のタイプのそのようなセグメント・サイドには、円筒形の収容部3の半分3a、3bが備わっている。第1のタイプ4のセグメント・サイドの各々の収容部を含まない部分5は、対1の他のプラグセグメント2a、2bの第1のタイプのセグメント・サイドの同様の収容部を含まない部分5と、それらの部分5全体に亘って、封止接触を実現するのに適切である。そのような対1は、図1(a)から図4(b)の各々において明確に示されている。
【0035】
組み立てられた状態(図示されるように)においてプラグセグメント2a、2bの対1に第2のタイプ6の2つのセグメント・サイドが備わるように、プラグセグメント2a、2bの各々は、第2のタイプ6の別のセグメント・サイドと、その第2のサイド6の全体に亘って、封止接触を実現するための第2のタイプ6のセグメント・サイドを有する。図1(a)〜図1(c)に示す特定の実施形態について、対のプラグセグメント2a、2bは、組み立てられた状態において、第2のタイプ6の2つのセグメント・サイドを有し、これら2つのセグメント・サイドはお互いに一直線となっている。
【0036】
図1(a)から図4(b)は、組み立てられた状態において、円形管状開口部の長手方向において1つのチューブ、ダクト、またはケーブルが延びている円形管状開口部を封止するための、長手方向のプラグセグメント2a、2bの対1のアセンブリを示す。しかしながら、明確さを維持するため、円形管状開口部、任意のチューブ、ダクト、またはケーブルはいずれも示されない。
【0037】
長手方向において見られる図1aに示される組み立てられたプラグはまた、いわゆる「ブラインド」のプラグセグメント7を備える。そのようなプラグセグメント7は円筒形の収容部3を有さない。
【0038】
有利にも、図1(a)の円筒形の収容部3に示す円筒形の収容部3のアセンブリを用いる際のチューブ、ダクト、またはケーブルが、僅かにより長い(またはより短い)直径を有する別のチューブ、ダクト、またはケーブルによって置き換えられる必要がある場合、長手方向のセグメント2a、2bの対1が、例えば図1(b)に示すように、長手方向のセグメント2a’、2b’の対1によって置き換えられる必要があるのみである。
【0039】
また、有利にも、アセンブリの円筒形の収容部3を用いる際のチューブ、ダクト、ケーブルに加えて、別のチューブ、ダクト、またはケーブルが管状開口部へ挿入される必要がある場合、ブラインドセグメント7が、長手方向のプラグセグメント2a、2b、2a’、2b’の別の対1によって置き換えられる必要があるのみである。追加のチューブ、ダクト、またはケーブルが管状開口部を通して既に延びているチューブ、ダクト、またはケーブルと直径が同じである場合、長手方向のプラグセグメント2a、2bの同一の対1が、ブラインドセグメント7の置き換えられたものとして挿入可能である。追加のチューブ、ダクト、またはケーブルが、管状開口部を通して既に延びているチューブ、ダクト、またはケーブルよりもその直径がより大きい場合、長手方向のプラグセグメント2a’、2b’の別の対1は、例えば図1(c)に示されるように、ブラインドセグメント7を置き換えるべきである。
【0040】
個々のプラグセグメント2a、2bまたはブラインドセグメント7の挿入および除去を容易にするために、第1のタイプ4のセグメント・サイドの収容部を含まない部分5は、第2のタイプ6のセグメント・サイドが平らな表面を好ましくは含むのと同じように、平らな表面を好ましくは含む。さらに、そのような平らな表面は、封止を最適化するために、そのような2つの平らな表面の間で最適に合わせられ、次いで、応力緩和を低下させる圧力の分散を提供する。
【0041】
図2(a)は本発明に係るアセンブリの一実施形態を概略的に示し、ここでこのアセンブリは、長手方向のプラグセグメント2a、2bの複数の対1を備える。対1の各々は、ここでも組み立てられた状態において示される。すなわち、プラグセグメント2a、2bの各々の対1は、チューブ、ダクト、またはケーブル(図示せず)の封止使用のための円筒形の収容部3を取り囲む。図2aから図4(b)には示されないが、長手方向のプラグセグメント2a、2bの各対1は、所望される場合、第2のタイプ6のセグメント・サイドを有するブラインドセグメント7によって置き換えられることができる。このようなブラインドプラグセグメント7は、そのような置き換えられた状態において、また、組み立てられた状態において、長手方向のプラグセグメント2a、2bの対1の外側の寸法と等しい外側の寸法を有する。図2(a)および図2(b)に示されるように、プラグセグメント2a、2b、2a’、2b’、2a’’、2b’’は、各々、円筒形の収容部3、3’、3’’の半分である3a、3b、3a’、3b’、3a’’、3b’’が備わっている第1のタイプ4のセグメント・サイドを有する。第1のタイプ4のセグメント・サイドの各々の収容部を含まない部分5は、図示されるように、対1の他のプラグセグメント2a、2b、2a’、2b’、2a’’、2b’’の第1のタイプ4のセグメント・サイドの同様の収容部を含まない部分5と、それらの部分5全体に亘って、封止接触を実現するのに適切である。ここでも、プラグセグメントの各々は、組み立てられた状態において、プラグセグメントの各々の対1に第2のタイプ6の2つのセグメント・サイドが備わるように、第2のタイプ6の別のセグメント・サイドと、そのセグメント・サイド6全体に亘って、封止接触を実現するために、第2のタイプ6のセグメント・サイドを有する。
【0042】
図2(a)において、組み立てられた状態において、対1の各々から形成される円筒形の収容部3は、均一の直径を有する。しかしながら、図2(b)において、組み立てられた状態において、対1の各々から形成される円筒形の収容部3、3’、3’’の各々は、他の円筒形の収容部3、3’、3’’のいずれとも、その直径が異なる。図示したように、組み立てられた状態において、管状開口部の長手方向において、3つのチューブ、ダクト、またはケーブルが通って延びる管状開口部を封止するための長手方向のセグメント2a、2b、2a’、2b’、2a’’、2b’’の複数の対1で、プラグが形成されると容易に想定できる。プラグセグメント2a、2b、2a’、2b’、2a’’、2b’’の各々の対1は、容易に取り除くことができ、その結果、その対1において円筒形の収容部3、3’、3’’を使用するチューブ、ダクト、またはケーブルは、取り除くことができ、かつ、その取り除かれたチューブ、ダクト、またはケーブルの直径とは異なる直径を有するチューブ、ダクト、またはケーブルによって置き換えることができる。
【0043】
図示したように、好ましくは、プラグセグメント2a、2b、2a’、2b’、2a’’、2b’’の対1の各々は、組み立てられた状態においてプラグセグメント2a、2bの他の対1のいずれかと同じ外側の寸法を、組み立てられた状態において、有する。
【0044】
長手方向のプラグセグメント2a、2bの1つの対1、ならびにブラインドセグメント7(図1(a)および図1(b)に示される)に基づいて形成されるプラグを有することができるが、このアセンブリはまた、組み立てられた状態において、プラグを形成することができるように、長手方向のプラグセグメント2a、2b、2a’、2b’、2a’’、2b’’の少なくとも2つの対1を備えてよい。
【0045】
図2(a)および図2(b)は、図1(a)から図1(c)に示されていない中心チャネル8を示す。本明細書のさらに後の方で、この中心チャネル8についての情報、およびその目的を提供し、詳細に説明する。
【0046】
図3(a)から図3(c)は本発明に係るアセンブリの実施形態を示し、ここでプラグセグメント2a、2bの各々の対1は、組み立てられた状態において、円形の側方向の断面を有するプラグの四分円を形成する(明確さを維持するために、使用する参照符号の数は、前述の図面におけるよりも少ない)。もちろん、1つの四分円は、いわゆる「ブラインドセグメント」、すなわち、円筒形の収容部の半分が備わっていない第2のタイプ6の方形のサイドを有するセグメントによって形成されてもよい。四分円を形成するために、ブラインドセグメント7の代わりに、2つのより小さいブラインドセグメント7が、組み立てられた状態において、四分円を形成することもまた可能である。プラグを図3(b)において示し、ここで2つの四分円は、他の2つの四分円の円筒形の収容部3と比べて、比較的小さい円筒形の収容部3’を有する。
【0047】
1つの実施形態を図3(c)に示し、ここで、長手方向のプラグセグメント2a、2bは、第1のタイプ4のセグメント・サイドに沿って、円筒形の収容部3の2つの部分が備わった、第1のタイプ4のセグメント・サイドを各々有する。当業者にとっては、長手方向のプラグセグメント2a、2b、2a’、2b’、2a’’、2b’’、2a、2bの組み立てられた対の大きさに関連する個々のチューブ、ダクト、またはケーブルの直径がこの複数の円筒形の収容部3を許容するならば、長手方向のプラグセグメント2a、2b、2a’、2b’、2a’’、2b’’、2a、2bの各々の対は、2つ以上のチューブ、ダクト、またはケーブルの封止使用のために、2つ以上の円筒形の収容部3、3’、3’’、3を囲むことができることは明らかである。
【0048】
図4(a)は1つの実施形態を、さらなる例示により概略的に示し、ここで長手方向のプラグセグメント2a、2bの8つの対1が、組み立てられた状態において、円形管状開口部を封止するためのプラグを形成するために配置される。
【0049】
図4(b)は、さらなる例示により、このようなプラグを形成するための長手方向のプラグセグメントの異なる対の組合せを示す。ここでもまた、原則的に、任意の組合せが可能であることは当業者にとって明らかである。
【0050】
ここで、アセンブリの組み立てられた状態において、プラグは、管状開口部の長手方向において、チューブ、ダクト、またはケーブルが延びている管状開口部を封止するために形成され、プラグセグメントの各々は、複数の外側リブ部10を有する外側9が備わっていることが好ましい。図5は、斜視図において、プラグセグメント2a、2b、および外側のリブ部10を示す。これらの外側のリブ部は、組み立てられた状態において、円周方向において継ぎ目のない接触表面(図示せず)を実現するために、長手方向において、間隔を置いている。このような外側9は、管状開口部の内部壁(図示せず)に沿って最適な封止を提供する。好ましくは、外側のリブ部は、同じ発明者の特許文献3に開示されているものである。このような外側にある外側のリブ部は、特許文献3の図1により詳細に開示され、かつ、図面の記載に付随する文章によって記載されている。これらの外側のリブ部に帰属する利点は本発明にも等しく適用される。
【0051】
各々の円筒形の収容部3、3’、そしてもちろん、円筒形の収容部3、3’の各々の半分は、好ましくは、同じ発明者による特許文献4に記載されたもの等の内側のリブ部11が好適に備わっている。特許文献4の図1および図1(a)は、その文献におけるそれらの図面に付随する記載に関連して、より詳細に、どのようにしてその内側のリブ部11が好適に形成されるかを開示する。ここでもまた、そこで記載された利点が本発明にも等しく適用される。各々の円筒形の収容部3、3’は、使用の際に、円周方向において、その各々がそれ自体閉じてなる環状の接触表面を実現するために、内側のリブ部11が備わっている。
【0052】
内側のリブ部11および外側のリブ部10は、アセンブリによって形成されるプラグに存在する圧力を大いに低減し、かつ、ケーブル、チューブ、またはダクトに付与される力を大いに低減することに寄与する。内側のリブ部11および外側のリブ部10は、これらの圧力および力の多くを「吸収」する。
【0053】
適切な数の適切にサイズ合わせされたプラグセグメントの対を組み立てることによって形成されるプラグは、管状開口部の内壁に沿ったプラグの首尾良い封止、第1のタイプのセグメント・サイドの各々に沿った首尾良い接触、ならびに、第2のタイプのセグメント・サイドの各々および円筒形の収容部に沿った首尾良い接触に起因して、プラグの外側に沿った首尾良い封止を提供することができる。
【0054】
本発明に従った複数のアセンブリによって形成されるプラグにおいて、相対的に多数のプラグセグメントがプラグの中心上に/中心において集まる点において、臨界点(critical point)が形成される。本発明の発明者は、内側12に各々のプラグセグメントを提供し、その結果、封止プラグにおけるアセンブリを使用する際、円筒形の部分をぴったりと合うように使用するために、その内側12が、共に、中心チャネル(前述で簡潔に参照した中心チャネル8)を形成する。ぴったりと合う円筒形の部分を挿入することによって、首尾良い封止がこのようにして、複数のプラグセグメントがこれらのプラグセグメント全てを適切に組み立てることによって形成されるプラグにおいて集まる位置において得られる。
【0055】
恐らく一般的なものではないけれども、明細書のこの時点で、本発明の利点をさらに述べるために、いわゆる「ケーブル貫通(penetration)」のための他のシステムを再び言及する価値はある。
【0056】
特許文献1の問題は、仮に生じた場合であっても、本発明の任意の実施形態では、同程度に生じることはない。
【0057】
円形管状開口部の寸法が一定のままであるという事実により、過度の圧力は可能ではなく、また、管状開口部の大きさに関連し、かつその開口部を通って延びるチューブ、ダクト、またはケーブルの直径に関連して、組み立てられた対が首尾良く選択された場合に、封止プラグがその開口部内においてのみ形成可能である。開口部が、プラグセグメントの位置取りのために一時的に拡大され、次いで、圧力をそれらのプラグセグメントに付与するために再びその開口部の寸法を減少させる可能性はない。これは、特許文献1に記載したもの等のシステムより優れている多くの利点を提供する。本発明によれば、大きさが固定されているスペース内へ挿入するために必要なことは、プラグセグメントの不可逆的な変化が、仮に生じた場合には経時的に最小である範囲において、プラグセグメントが加圧されることだけである。ゴムにおける圧力緩和およびチューブ、ダクト、またはケーブル(あるいはその被覆部材)内のクリープといった現象は、滅多に起きない。前述で説明したように、外側のリブ部10の利点は、特許文献3に記載されたものに従ったものであることができ、内側のリブ部11の利点は、特許文献4に記載されたものに従ったものであることができる。
【0058】
さらに、プラグセグメントは、半径方向の力、すなわちほぼ流体静力学的に、力を被り、その結果、反応は、あらゆる方向において同じである可能性が高い。このことはまた、組み立てられた状態において取り除かれた対が有するのと同じ外側の寸法を、組み立てられた状態において有する、プラグセグメントの組み立てられた対の置き換えを可能にする。
【0059】
本発明の実施形態に基づいて形成されるプラグは、管状開口部に対する、チューブ、ダクト、またはケーブルの一部の側方向の移動に容易に対処できることもまた明らかである。これは、封止またはその長期間の性能に必ずしも影響を与えるわけではない。このような側方向の動きは、通り過ぎる車両等によって発生する振動に起因する場合もある。
【0060】
図6(a)は、円形管状開口部21の長手方向において、2つのケーブル22が通って延びている円形管状開口部21が備わっている気密性のコンパートメント20の第1の実施形態を、長手方向断面において、概略的に示す。本発明に係るアセンブリの一実施形態は、管状開口部を封止するために用いられる。封止プラグ23の中央チャネル8において、円筒形の部分24は、封止プラグ23の一方の側と、封止プラグ23の他方の側との間の圧力差を確立するためのバルブを備える。このようにして、気密性のコンパートメントの外側の大気圧P1に比して、気密性のコンパートメントの内側の圧力P2を上昇させることができる。このことは、気密性のコンパートメントに入る気体に対してさらなる「バリア」を提供する。
【0061】
図6(b)は、そのような気密性のコンパートメント20の代替的な実施形態を示す。この実施形態において、各ケーブル22の端部または開口部分が、コンパートメント内において、円形管状開口部を通って延びることによって、いかにして配置されるかが示される。図6(b)に示されるように、気密性のコンパートメント20は、それゆえ、電気スイッチが配置されたキャビネットを概略的に示す。この気密性のコンパートメント20においてもまた、例えば、まず窒素ガスでコンパートメントを洗浄し、次いでその気密性のコンパートメント内の圧力を上昇させることによって、高圧力が維持されてよく、その結果、例えば、この気密性のコンパートメント周囲の空気中に存在する任意の揮発性ガスは、この気密性のコンパートメントに容易に入ることができず、また火気、爆発等を生じることもない。信号システムを制御するための道路にあるダクト内に存在するようなこのような気密性のコンパートメントは、本発明に係るアセンブリのこの応用から利益を得ると想定される。
【0062】
図7(a)は、1つの成形法によって、長手方向のプラグセグメントの対を生成するためのモールド25を示す。図7(b)はモールド25の上面図を示し、これに対して図7(c)はモールド25の断面図を示す。有利にも、単一のモールド25は、円形管状開口部における封止プラグを形成するために必要とされる全てのプラグセグメントを、その円形管状開口部に対して、生成するために用いられることができる。モールド25は、各々のプラグセグメントにおける円筒形の収容部の半分を形成するための部分26を備える。部分26は、別の部分26によって取り除き可能、および/または取替え可能であり、組み立てられた状態において、大きさが異なっている円筒形の収容部を囲んでいる、または、収容部を備えていない長手方向のプラグセグメントの対を作製するためにモールド25を利用することを可能にする。このような製造方法は当業者には公知であり、本発明の利点のうちの1つをさらに記載するために、モールド25は示されかつ簡潔に記載される。
【0063】
セグメントからなる長手方向の部分を製造するために用いられる可撓性の材料、通常、ゴムは、好ましくは耐火性の品質を有している。ゴムは、それが上昇した温度に対する露出に反応して伸びるように設計されてよい。シリコンゴムを利用することもまた可能である。適切なEPDMもまた利用してよい。硬度は、例えば、ショアA70であってよい。十分な柔軟性、およびEPDMの圧縮永久歪みに類似する圧縮永久歪みを有する任意のゴムが適切である。
【0064】
プラグセグメントは、封止プラグ23を形成するために、管状開口部へと手動で挿入可能である。プラグの部分に、ワセリン等で滑らかにすることによってこのプロセスは容易にされ得る。プラグを据えて、ワセリンの効果がなくなった後、そのプラグは2バールの圧力に容易に耐えることができる。
【0065】
中心チャネル8を利用して、プラグを設置直後にプラグの封止をテストすることもできる。そのチャネル8を介しての空気のくみ上げに対しての抵抗を確立するのに、シンプルなハンドポンプで十分であり、こうして、封止が提供されているという指標を与える。
【0066】
本発明は、上述の実施形態および例に限定されない。中心チャネル8においてぴったりと合うように使用するために利用可能である円筒形の部分は、金属であってもよく、また、ポリエーテルイミド(PEI)またはポリエーテルスルホンアミド(PES)等の硬質プラスチックであってもよい。円筒形の部分は、中心チャネル8を封止するように、すなわちチューブ様ではなく、中身が詰まっていてもよい。気密性のコンパートメント内のコンポーネントを接地するためのケーブルを導く(ぴったりと合う形で)ための中心チャネル8を利用することも可能である。これに関連して、導電性のゴムが、本発明に従ったアセンブリの製造のために用いられてもよいことは留意されるべきである。
【0067】
多くの他の変形もまた、添付の特許請求の範囲の文脈の範囲内において想定可能である。これらの実施形態の各々は、本発明の枠組みの範囲内にあると理解される。
【図1(a)】

【図1(b)】

【図1(c)】

【図2(a)】

【図2(b)】

【図3(a)】

【図3(b)】

【図3(c)】

【図4(a)】

【図4(b)】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形管状開口部のための少なくとも一対のゴム製の封止プラグを組み立てられた状態において形成するための、少なくとも一対の長手方向のプラグセグメントのアセンブリであって、
前記少なくとも一対のプラグセグメントの各々は、前記円形管状開口部の長手方向において、前記開口部を通って延びる少なくとも1つのチューブ、ダクト、またはケーブルの封止使用のための少なくとも1つの円筒形の収容部を囲み、
前記プラグセグメントの各々は、前記円筒形の収容部の半分が備わった、第1のタイプのセグメント・サイドを有し、
前記第1のタイプのセグメント・サイドの各々の収容部を含まない部分は、一対の他のプラグセグメントの前記第1のタイプのセグメント・サイドの同様に収容部を含まない部分と、それらの部分全体に亘って、封止接触を実現するのに適しており、
前記プラグセグメントの各々は、組み立てられた状態において、前記一対のプラグセグメントが第2のタイプの2つのセグメント・サイドを備えるように、前記第2のタイプの他のセグメント・サイドと、そのセグメント・サイド全体に亘って、封止接触を実現するために前記第2のタイプのセグメント・サイドを有し、
前記プラグセグメントの各々は、前記組み立てられた状態において、円周方向において継ぎ目のない接触表面を実現するために、長手方向に間隔を置いた複数の外側のリブ部を有する外側が備わっている、アセンブリ。
【請求項2】
前記第1のタイプのセグメント・サイドの収容部を含まない部分は、平らな表面を備える、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記第2のタイプのセグメント・サイドは平らな表面を備える、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記アセンブリの組み立てられた状態において、前記封止プラグが形成されるように、前記アセンブリは、複数の前記対の長手方向のプラグセグメントおよび/またはさらに、前記第2のタイプのセグメント・サイドを有する少なくとも1つのブラインドプラグセグメントを備える、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項5】
各々の前記円筒形の収容部は、使用時に、円周方向において各々が閉じる環状接触表面を実現するための内側のリブ部が備わっている、請求項4に記載のアセンブリ。
【請求項6】
少なくとも2つの対の前記長手方向のプラグセグメントを備える、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記組み立てられた状態において、前記対の各々から形成された前記円筒形の収容部は、均一の直径を有する、請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記組み立てられた状態において、前記対の各々から形成された前記円筒形の収容部のうちの少なくとも1つは、他の円筒形の収容部のいずれとも、直径が異なる、請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記対のプラグセグメントの各々は、前記組み立てられた状態において、他の対のプラグセグメントのいずれかと同じ外側の寸法を、前記組み立てられた状態において有する、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項10】
各々の前記プラグセグメントは、内側が備わっており、前記封止プラグとして前記アセンブリを使用する際、前記内側は、円筒形の部分がぴったりと合うように使用するために、中心のチャネルを共に形成する、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記アセンブリは前記円筒形の部分を備える、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記円筒形の部分は、使用の際、前記アセンブリによって形成される封止の一方の側と、その封止の他方の側との間の圧力差を確立するためのバルブを備える、請求項10または請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項13】
気密性のコンパートメントを提供するための、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載のアセンブリの使用であって、このコンパートメントにおいて、チューブ、ダクト、またはケーブルの端部または開口部が、円形管状開口部を介してそのコンパートメントへと延びることによって位置付けられ、前記使用は、前記円形管状開口部において封止プラグを形成する工程を含む、使用。
【請求項14】
前記使用は、前記アセンブリによって形成される封止の一方の側と、その封止の他方の側との間の圧力差を確立する工程を含む、請求項10〜12のいずれか一項に記載のアセンブリの請求項13に記載の使用。
【請求項15】
円形管状開口部の長手方向において、少なくとも1つのチューブ、ダクト、またはケーブルが通って延びている少なくとも1つの前記円形管状開口部が備わった気密性のコンパートメントであって、前記円形管状開口部は、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の少なくとも1つのアセンブリを用いて封止される、気密性のコンパートメント。

【図5】
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【図6(a)】
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【図6(b)】
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【図7(a)】
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【図7(b)】
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【図7(c)】
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【公表番号】特表2012−516976(P2012−516976A)
【公表日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546837(P2011−546837)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際出願番号】PCT/EP2010/050986
【国際公開番号】WO2010/086361
【国際公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(505338545)
【Fターム(参考)】