説明

チューブ状のパッケージ材内へ注ぎ入れることができる食品の密封パッケージに接着するために一連の開封器に接着剤を塗布するための接着ユニット

チューブ状のパッケージ材内へ注ぎ入れることができる食品の各々の密封パッケージに取り付けられる一連の開封器(3)に接着剤を塗布するための接着ユニット(1)であり、該ユニットは、開封器(3)を経路(A)に沿って給送するための搬送手段と、経路(A)に沿って配置され且つ各開封器(3)と相互作用して開封器(3)の一部分(12,13)に接着剤を塗布し且つ経路(A)に平行な面(P)内を動くことができる接着剤計量分配手段(21,22)とを備えている。計量分配手段(21,22)は面(P)に対して横断するように動くこともできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チューブ状のパッケージ材内へ注ぎ入れることができる食品の密封パッケージに接着するために一連の開封器に接着剤を塗布するための接着ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
公知の如く、フルーツジュース、低温殺菌されたミルク又はUHT(超高温処理された)ミルク、ワイン、トマトソース等のような多くの食品は、殺菌されたパッケージ材によって作られたパッケージで販売される。
【0003】
このタイプのパッケージの典型的な例は、ラミネートされたストリップ状の包装材料を折り畳み且つ封止することによって作られるテトラブリックアセプティック(Tetra Brik Aseptic(登録商標))として知られている液体の又は注ぎだすことができる製品のための平行六面体状のパッケージである。
【0004】
パッケージ材は、例えば紙又は鉱物充填ポリプロピレン材料のような繊維材料からなる層を備えている堅牢性及び強度のための基層と、該基層の両面を覆っている例えばポリエチレンフィルムのような熱シールプラスチック材料からなる多数の層とからなる多層構造を有している。
【0005】
UHTミルクのような長期貯蔵製品のための無菌パッケージの場合には、パッケージ材はまた、例えばアルミ箔又はエチルビニルアルコール(EVOH)のような気体及び光の遮蔽材料からなる層を含んでおり、該層は、熱シールプラスチック材料からなる層上に重ねられ且つ次いで事実上食品と接触するパッケージの内側面を形成している熱シールプラスチック材料からなる別の層によって覆われる。
【0006】
公知の如く、この種のパッケージは完全に自動化されている包装機械上で製造される。該包装機械上においては、連続チューブが巻き取りパッケージ材料によって作られ、このパッケージ材のウェブが、例えば過酸化水素水溶液のような化学的殺菌剤を塗布することによって包装機械上で殺菌され、前記の化学的殺菌剤は、ひとたび殺菌が完了すると、例えば加熱によって蒸発せしめられることによりパッケージ材の表面から除去され、このようにして殺菌されたパッケージ材のウエブは、閉鎖された滅菌雰囲気内に維持され且つ長手方向に沿って折り畳まれ且つ封止されて垂直なチューブが形成される。
【0007】
該チューブは、殺菌されるか又は滅菌処理された食品を充填され且つ封止され、続いて等間隔断面に切断されて枕状のパックが形成される。該枕状のパックは、次いで機械的に折り畳まれて各々の完成された例えばほぼ平行六面体形状のパッケージが形成される。
【0008】
別の方法として、パッケージ材は切断されてブランク材とされ、該ブランク材は形成軸上でパッケージに形成され、該パッケージに食品が充填され且つ密封される。このタイプのパッケージの一つの例は、商品名テトラレックス(Tetra Rex(登録商標))として知られている所謂“山形頂部”パッケージである。
【0009】
ひとたび形成されると、再閉止できる開封器の適用のような別の処理が行われて、パッケージ内の食品が外部要因物質と接触しないように保護され且つ食品が注ぎ込まれるのを可能にする。
【0010】
現在のところ最も一般的に売られている開封器は、注ぎ出し口を規定し且つパッケージの頂壁の取り外し可能であるか又は穿刺可能な部分の周囲に嵌め込まれている環状のフレームと、該フレームにヒンジ結合されるか又はねじ込まれており且つパッケージを開けるために取り外すことができるキャップとを備えている。
【0011】
該パッケージの取り外し可能な部分は、パッケージの貫通穴を閉止するためにパッケージの外側に接着されるか又は熱シールされた密封シートによって形成することができる。この方法の一つの例が、特許出願EP−A−9433549号に記載され且つ図示されている。別の方法として、該パッケージの取り外し可能な部分は、所謂“プリラミネート”穴、すなわち、基層をパッケージ材を規定している他の層例えば前記穴を密封する熱可塑性材料の層及び/又は遮蔽材料の層によって覆う前にパッケージ材の基層に形成された穴、によって規定することができる。
【0012】
いずれの場合にも、開封器は、各々のパッケージに適用される前に接着ユニット内を連続的に給送され、接着ユニット内でこれらの開封器は接着剤、通常はホットメルト接着剤をコーティングされる。
【0013】
例えば、本願の請求項1の前段が基準としている特許出願EP−A−1798149号に記載されているように、所定の経路に沿って該開封器を給送するためのコンベアと、各開封器と相互作用して開封器のフレームの平らな取り付け部分に接着剤を塗布する接着計量分配器とを備えている接着ユニットが知られている。
【0014】
更に特定すると、接着剤は、前記計量分配器を前記取り付け部分の面に平行な平らな塗布経路に沿って動かすことによって塗布される。
【0015】
ここに記載されている接着ユニットは、信頼が高く且つ効率が良いけれども更に改良する余地が依然として残っている。
【0016】
更に特定すると、所定の軌道に沿って且つ出来る限り繰り返し可能に且つ制御可能に所定量の接着剤を前記取り付け部分に塗布する必要性があると感じられている。
【0017】
このことは、パッケージの第一の壁と第二の壁、例えば頂壁と側壁の頂端部との間の端縁にまたがっているフレームを備え且つ相対的にある角度をなしており且つ相対的に傾斜している各々の取り付け部分によって各々前記の第一の壁及び第二の壁に接着される第一及び第二の部分を備えている開封器の場合に当てはまる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、チューブ状のパッケージ材内へ注ぎ入れることができる製品の密封パッケージに接着するための開封器に接着剤を塗布するための接着ユニットを提供することを目的としており、この目的を達成するように設計されている。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明に従って、請求項1に請求されているような、チューブ状のパッケージ材内に注ぎ入れることができる食品の各々の密封パッケージの各々に取り付けられる一連の開封器に接着剤を塗布するための接着ユニットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
以下、本発明の好ましい非限定的な実施例を、添付図面を参照して例示的に説明する。
【図1】図1は、チューブ状のパッケージ材内に注ぎ入れることができる食品の密封パッケージに接着するために、接着剤を一連の開封器に塗布するための本発明による接着ユニットの頂部斜視図である。
【図2】図2は、明確化のために部品を取り外した状態の図1の接着ユニットの頂部斜視図である。
【図3】図3は、異なる角度から見た図1の接着ユニットの下部斜視図である。
【図4】図4は、異なる角度から見た図1の接着ユニットの下部斜視図である。
【図5】図5は、異なる角度から見た図1〜4の接着ユニットの細部の拡大斜視図である。
【図6】図6は、異なる角度から見た図1〜4の接着ユニットの細部の拡大斜視図である。
【図7】図7は、図1〜4の接着ユニットの細部の更に拡大した斜視図である。
【図8】図8は、図1〜7のユニットによって接着剤を塗布することができる特定の開封器を示している図である。
【図9】図9は、図1〜7のユニットの下流にあるステーションにおいてパッケージに適用された図8の開封器を示している図である。
【実施例】
【0021】
図1〜4を参照すると、符号1は本発明による接着ユニット全体を示している。該接着ユニットは、本明細書の導入部分に記載したタイプの公知の食品包装機械(図示せず)に、一連の再封止可能なプラスチック製の開封器3を、前記の包装機械において充填され且つ密封され且つ形成されたパッケージに接着するために接着剤(図示されている例においては、ホットメルト接着剤)を塗布するために組み込むことができる。
【0022】
極めて簡単には、連続チューブは包装機械上で巻き取りパッケージ材によって形成される。更に特定すると、最初に、パッケージ材のウェブが包装機械上で殺菌剤によって殺菌され、続いて該殺菌剤が除去される。パッケージ材のウェブは、閉塞された無菌環境内に保たれ且つ長手方向に沿って折り畳まれ且つ封止されて垂直なチューブ状のパッケージ材が形成される。
【0023】
チューブ状のパッケージ材は、滅菌されるか又は滅菌処理された食品を充填され且つ封止され、続いて等間隔断面に沿って切断されて枕状のパックが形成され、該パックは次いで機械的に折り畳まれて各々の完成されたパッケージが形成される。
【0024】
該機械は、低温殺菌された又はUHTミルク、フルーツジュース、ワイン等のような注ぎ出し可能な食品の密封パッケージを製造するのが好ましい。
【0025】
この包装機械は、パッケージを製造する際にチューブ状のパッケージ材内に注ぎ入れることができ且つパッケージが封止された後に固まる食品の密封パッケージを製造することもできる。このような食品の一つの例として一部のチーズがあり、これはパッケージが製造されるときに溶かされ且つパッケージが封止された後に固まる。
【0026】
上記したタイプの包装機械において製造されるパッケージの非限定的な例としては、テトラブリックアセプティック(Tetra Brick Aseptic(登録商標))という商品名で知られている平行六面体形状のパッケージ又はテトラレックス(Tetra Rex(登録商標))という商品名で知られている所謂“切妻屋根型の頂部”を有するパッケージがある。
【0027】
パッケージ材は、例えば紙のような繊維材料又は鉱物充填ポリプロピレン材料の層からなる堅牢性及び強度のため基層と、該基層の両面を覆っている例えばポリエチレンフィルムのような熱シールプラスチック材からなる多数の層とを備えている。
【0028】
UHTミルクのような長期貯蔵製品のための無菌パッケージの場合には、パッケージ材はまた、例えばアルミ箔又はエチレンビニルアルコール(EVOH)のような気体及び光の遮蔽材料からなる層をも備えており、この層は、熱シールプラスチック材料からなる層上に重ねられ、次いで、実際に食品と接触するパッケージの内側面を形成している熱シールプラスチック材料からなる別の層によって覆われる。
【0029】
開封器3は、各々のパッケージの取り外し可能な部分(図9において一点鎖線で示されている)すなわち注ぎ出し可能な製品を注ぎ出すためにパッケージの残りの部分から取り外すことができる部分に適用される。
【0030】
この取り外し可能な部分は、パッケージの貫通穴を閉塞するためにパッケージに接着されるか又は熱シールされた封止シートによって形成される。別の方法として、該取り外し可能な部分は、所謂“プリラミネートされた”穴すなわちパッケージ材の基層に形成され且つパッケージ材からなる他の層(少なくとも熱可塑性材料からなる層)によって気密封止された穴によって規定されていても良い。
【0031】
図1,8及び9は、以下の説明において純粋に非限定的な例として言及されている開封器3の一つの例を示している。
【0032】
開封器3は、
−パッケージの取り外し可能な部分の周囲に適用され且つ食品が注ぎ出される円形の穴6を有しているフレーム5と、
−穴6を封止するためにフレーム5に嵌合された取り外し可能なねじ込みキャップ7と、
−使用時に穴6と係合し且つ前記パッケージの取り外し可能な部分と相互作用して該取り外し可能な部分をパッケージ材の残りの部分から部分的に取り外してパッケージを開封することができる切り取り部材15(図8)と、を備えている。
【0033】
フレーム5は、パッケージの2つの隣接した壁すなわち頂壁と該頂壁に隣接している側壁の頂端部分との間の端縁にまたがっており(図9)且つ相対的に所定の角度をなして各々パッケージの頂壁と側壁とに固定される2つの取り付け部分12,13を備えている。
【0034】
更に特定すると、フレーム5は、部分12,13を規定しているフランジ14と、穴6を規定しており且つキャップ7を収容するためのねじ付きのカラー16(図8)とを備えている。
【0035】
部分12はほぼ環状であり、部分13はカラー16と反対側において部分12から突出している。
【0036】
使用時におけるパッケージの頂壁及び側壁と反対側のフランジ14の部分12,13間の角度は、90°又は180°以上或いは180°以下であるのが好ましい。
【0037】
カラー16は、フランジ14から突出しており且つひとたび開封器3がパッケージに取り付けられるとフランジ14のパッケージの頂壁及び側壁に面している側と反対側から伸長する。
【0038】
図1〜4を参照すると、ユニット1は、
−公知の給送ステーション(図示せず)から公知の出力ステーション(図示せず)まで直線経路Aに沿って器具3を給送するためのコンベア(図示せず)と、
−床20と、
−床20から外方へと突出しており且つ経路Aに沿って各開封器3と連続的に相互作用してフレーム5の部分12,13に接着剤を塗布する多数(図示されている例においては2つ)の計量分配器22と、を備えている。
【0039】
更に特定すると、計量分配器アセンブリ21は、計量分配器22が突出している支持本体23と、計量分配器22と反対側において支持本体23に固定されており且つ床20によって支持されている2つのロッカーアーム24と、ロッカーアーム24同士の間に介装されているプレート19と、を備えている。
【0040】
計量分配器22は、経路Aと平行なY方向と、Y方向と直角でY方向とともに経路Aと平行な水平面を形成するX方向に動くことができる。
【0041】
開封器3は、各々の部分12が面P内にある状態でコンベア上を搬送される。
【0042】
計量分配器22は面Pに対して傾斜しているのが好ましい。
【0043】
計量分配器をX、Y方向へ動かすために、ユニット1はまた、
−計量分配器22を床20に対してX方向へ動かすために動力伝達装置26によって計量分配器アセンブリ21のプレート19に機能的に結合されているモーター25と、
−計量分配器22を床20に対してY方向へ動かすために動力伝達装置31によって計量分配器アセンブリ21のプレート19に機能的に結合されているモーター30と、をも備えている。
【0044】
ロッカーアーム24はX方向に伸長しており、これらのロッカーアーム同士はY方向に所定の距離だけ離れて対向している状態で配置されている。
【0045】
各計量分配器22に対しては、計量分配器アセンブリ21は2つの接着剤給送ライン28を備えている。
【0046】
動力伝達装置26は、
−モーター25によって駆動されるプーリー36の周りに輪に巻かれ且つリターンプーリー37の周りに輪に巻かれているエンドレスベルト35と、
−X方向と平行なベルト35の分岐38にL字形状部材42によって結合されており且つX方向に延びているスライド39と、
−Y方向に伸長しており且つスライド39によってX方向に動かされるようにスライド39の端部43に結合されている外側輪郭を有している部材44と、
−プレート19の下面に固定されており且つプレート19と反対側において部材44と係合している部材45と、を備えている。
【0047】
更に特定すると、部材42は、ベルト35の分岐38の両側に固定されている2つの壁46と、スライド39の底面と壁46とに固定されている壁47と、を備えている。
【0048】
部材45は部材44が係合している空洞を規定しており、部材44は前記空洞と相補形の外側輪郭を有している。
【0049】
部材45,44は、部材44がX方向と平行に動くことによって部材45及び計量分配器アセンブリ21もまたX方向と平行に動き、一方、部材44は部材45によって規定されている空洞の内側をY方向と平行に摺動する。
【0050】
図示されている例においては、部材45によって規定されている空洞と部材44の外側輪郭とは蟻継ぎにされている。
【0051】
同様に、スライド39は、レール41によって規定されている台と係合しており且つこの台と相補形の外側輪郭を有している。
【0052】
図示されている例においては、スライド39とレール41によって規定されている台との外側輪郭は、両方とも蟻継ぎにされている。
【0053】
ユニット1はまた、ベルト35の分岐38と反対側の分岐に結合されており且つ移動質量のバランスをとり且つ動力伝達装置26の作動による振動を減らすカウンタウエイト49をも備えている。
【0054】
動力伝達装置31(図3,4及び7)は、
−モーター30によって駆動されるプーリー55の周り及びリターンプーリー(図示せず)の周りに輪に巻かれているエンドレスベルト50と、
−ベルト50のY方向と平行な分岐52に該分岐52の両側に配置されている2つの部材53によって結合されており且つX方向と平行な2つの側部及びY方向と平行な2つの側部によって形状が四角形であるスライド51と、
−X方向と平行に延びており且つスライド51のベルト50と反対側の下面に嵌合してスライド51によってY方向と平行に動かされるようになされている2つの部材56と、
−プレート19の部材45と反対側の頂面に固定されており且つX方向と平行に延びており且つ各々の部材56が係合している2つの部材57(図7においては見えていない)と、を備えている。
【0055】
更に特定すると、スライド50は、部材56と反対側にY方向と平行に延びている2つの平行な部材58を備えており、該2つの平行な部材58は、同じくY方向に延びている2つの固定されているレール59上をY方向に平行に延びている。
【0056】
部材58は、Y方向と平行に伸長しており且つレール59によって規定されている各々の蟻継ぎの蟻型外側輪郭を有している底部が係合する各々の蟻溝型の空洞を規定している。
【0057】
部材56と57とは、部材56がY方向と平行に動くと、各々の部材57及び計量分配器アセンブリ21もまたY方向と平行に動かされる一方で部材57は各々の部材56内をX方向と平行に自由に動くことができるように相互に結合されている。
【0058】
更に特定すると、部材56は、各々の部材57の外側輪郭が係合するX方向と平行に伸長している各々の空洞を規定している。
【0059】
部材57の外側輪郭は、各々の部材56によって規定されている空洞と形状が相補形である。
【0060】
図示されている例においては、部材56の空洞と部材57の外側輪郭とは蟻溝結合されている。
【0061】
動力伝達装置31はまた、ベルト50の分岐52と反対側の分岐に結合されていて可動質量のバランスをとり且つ動力伝達装置31の作動時の振動を減らすカウンタウエイト34をも備えている。
【0062】
計量分配器22は面Pを横切る方向に動くことができるので有利である。
【0063】
このようにして、計量分配器22は、フランジ14の部分12に接着剤を塗布するために面P内にある第一の部分と、接着剤をフランジ14の部分13に塗布するために面Pを横切っている第二の部分とからなる塗布経路に沿って移動する。
【0064】
更に特定すると、計量分配器21のロッカーアーム24は、経路Aと平行で且つ経路Aからある距離のところにある軸線Bを中心としてプレート19にヒンジ結合されていて、計量分配器22が面Pに対して傾斜することができるようになされている。
【0065】
計量分配器アセンブリ21を面Pを横切るように動かすために、ユニット1は、Y方向と平行な軸線Cを中心に回転する出力部材(図示せず)を備えているモーター60と、軸線Bと平行な軸線Dに沿って伸長しており且つロッカーアーム24が軸線Dを中心にヒンジ結合されているピン61と、軸線Cを中心とするモーター60の出力部材の回転をロッカーアーム24の回転従って軸線Bを中心とする支持本体23及び計量分配器22の回転に変換するために、モーター60とピン61との間に介装されている動力伝達装置62と、を備えている。
【0066】
更に特定すると、モーター60はモーター25,30とは独立して作動する。
【0067】
軸線B,C,Dは、互いに平行で且つ互いに隔置されており且つX方向に直角であり、経路A及びY方向に平行で且つ経路A及びY方向から隔置されている。
【0068】
更に特定すると、軸線Dは軸BとCとの間に配置されている。
【0069】
動力伝達装置62は、
−軸線Cに沿ったモーターの出力軸によって回転せしめられるカム63と、
−ピン61が係合している軸線Dの円筒形の台を有している部分65と、計量分配器アセンブリ21から遠ざかる方向へX方向と平行に突出しているアーム66とを一体として規定している部材64と、
−軸線Cを中心とするカム63の回転を、面Pに直角な軸線Eに沿った部材64とピン61との並進動作に変換してロッカーアーム24を軸線Dを中心に回転させるために、部材64のアーム66とカム63とに機能的に結合されているカムフォロア67と、を備えている。
【0070】
更に特定すると、ピン61と部材64の部分65とは軸線Eに沿った並進動作に関しては相互に一体化されており、一方、ピン61は部分65によって規定されている台の内側を軸線Dと平行に自由に摺動することができる。
【0071】
図示されている例においては、ピン61と部分65によって規定されている台とは、軸線Dに平行な各々の噛み合いスプライン状の輪郭を有している。
【0072】
カムファロア67(図5,6)は、軸線Eに沿って伸長せしめられている部材68と、部材68の各々の軸線方向端部によって規定されており且つカム63と協働する2つのローラー69とを備えている。
【0073】
カム63とローラー69との相互作用によって、カムフォロア67もまた軸線Eと平行に動かされる。
【0074】
動力伝達装置62はまた、
−部材68に固定されているプレート75とプレート75から計量分配器アセンブリ21に向かってX方向と平行に突出しており且つカム63と反対側において部材68の面に固定されているアーム77とによって規定されているレバー70と、
−X方向に伸長しており且つ部材64のアーム66に対向しているアーム77の下面に固定されているスライド73と、
−スライド73が係合しており且つレバー70と対向しているアーム66の頂面に固定されているレール71と、を備えている。
【0075】
更に特定すると、スライド73はレール71と係合してX方向と平行に摺動し、一方、スライド73が軸線Eと平行に動くことによって、レール71に従って部材64とピン61とが軸線Eと平行に動かされる。
【0076】
図示されている例においては、レール71はX方向と平行に伸長しており且つスライド73が係合している蟻溝型の空洞を規定しており、スライド73は形状がレール71の空洞と相補形である蟻型の外側輪郭を有している。
【0077】
動力伝達装置62はプレート80を備えており、プレート80は、モーター60の出力部材内が貫通して嵌め込まれており且つモーター60と反対側において部材68の両側に配置されている2つのL字型断面の突出部81を支持している。
【0078】
各突出部81は各々のレール82を備えており、レール82は、軸線Eと平行に伸長しており且つモーター60と反対側のプレート75の面に装着されているスライド83に嵌め込まれている。
【0079】
更に特定すると、各スライド83は各レール82に沿って軸線Eと平行に摺動する。
【0080】
図示されている例においては、各スライド83は、軸線Eと平行であり且つ各々のレール82が係合している各々の蟻溝型の空洞を規定しており、レール82は、次いで、形状が各々のスライド83の空洞と相補形である蟻型の外側輪郭を有している。
【0081】
実際の使用時には、開封器3は経路Aに沿って給送される。開封器3は、面Pとほぼ同一面上にある部分12と、部分12から計量分配器アセンブリ21に向かって伸長している部分13と、を備えている。
【0082】
開封器3が計量分配器アセンブリ21の下方に位置決めされると、各計量分配器22は経路Aと平行に各々の開封器3と同じスピードで動かされる。
【0083】
各計量分配器22は、経路Aと平行に移動するときに接着剤が各々の開封器3の部分12及び13上に計量分配されるステップと接着剤が計量分配されないステップとからなる作業サイクルを実行する。
【0084】
更に特定すると、接着剤が計量分配されるステップ中において、各計量分配器22は、経路Aと平行に移動するときに各々の開封器3に関して塗布経路に沿って動かされる。
【0085】
各計量分配器22は、面P内を塗布経路の第一の部分に沿って移動するときに各々の開封器3の部分12に接着剤を塗布し、面Pの外側の塗布経路の第二の部分に沿って移動するときに各々の開封器3の部分13に接着剤を塗布する。
【0086】
更に特定すると、モーター25と動力伝達装置26とは、計量分配器アセンブリ21をX方向へ動かし、モーター30と動力伝達装置31とは計量分配器アセンブリ21をY方向へ動かし、モーター60と動力伝達装置62とは、計量分配器アセンブリ21を軸線B及び面Pに対して傾斜させて計量分配器22を塗布経路の第二の部分に沿って移動させる。
【0087】
更に特定すると、モーター25がプーリー36を回転させてベルト35の分岐38をX方向と平行に動かす。
【0088】
ベルト35の分岐38がX方向と平行に移動すると、部材42、スライド39、部材44,45及びプレート19がX方向と平行に動かされる。
【0089】
プレート19の上記の動きによって、計量分配器22がX方向と平行に動かされる。
【0090】
モーター25及び動力伝達装置31の作動によって生じる振動はカウンタウエイト49によってバランスがとられる。
【0091】
モーター30はプーリー55を回転させてベルト50の分岐52をY方向と平行に動かす。
【0092】
ベルト50の分岐52がY方向と平行に動かされることによって、スライド51が部材53によって動かされる。
【0093】
スライド51と一体の部材56とプレート19に固定されている部材57とは、スライド51によってY方向と平行に引っ張られる。
【0094】
プレート19が動くことによって、計量分配器22がY方向と平行に動かされる。
【0095】
モーター30と動力伝達装置31との作動によって生じる振動はカウンタウエイト34によってバランスがとられる。
【0096】
モーター60はカム63を軸線Cを中心に回転させ、カム63はローラ69と協働して、部材68、レバー70及びスライド73を軸線Eに沿って動かす。
【0097】
スライド73が軸線Eに沿って動くことにより、レール71、部材64及びピン61が動かされる。
【0098】
ピン61が動くことにより、ロッカーアーム24、プレート19及び計量分配器22が軸線Bを中心に傾斜せしめられる。
【0099】
例えば、図4において、ローラー69が軸線Cに対して持ち上げられると、ロッカーアーム24と計量分配器22とは軸線Bに対して反時計方向に回転せしめられる。
【0100】
これと逆に、図4において、ローラー69が軸線Cに対して下げられると、ロッカーアーム24と計量分配器22とは軸線に対して時計方向に回転せしめられる。
【0101】
計量分配器アセンブリ21が軸線Bを中心に回転することにより、計量分配器22が塗布経路の第二の部分に沿って動かされて各々の開封器3のフランジ14の部分13に接着剤が塗布される。
【0102】
計量分配器アセンブリ21がY方向と平行に動くと、ピン61が部材64の部分65に対して軸線Dと平行に摺動する。
【0103】
本発明によるユニット1の利点は以下の説明から明らかとなるであろう。
【0104】
特に、ユニット1は、計量分配器22を方向X及びYによって規定される面Pに対して横断するように動かすために提供されている。
【0105】
この結果、計量分配器22の軌道及び開封器3に塗布される接着剤の量が制御可能となり且つ本明細書の導入部分に記載された公知の方法と比較して遙かに正確に制御可能であり且つ再現可能である。
【0106】
更に、計量分配器22が面Pに対して横切る方向に動くことができ、ユニット1は、開封器3を付加的な動きを必要とされることがない状態で経路Aに沿って単に給送することによって、開封器3の部分12と13との両方に迅速に且つ制御可能な状態で接着剤を塗布するために提供されている。
【0107】
面Pに対して傾斜せしめられることにより、計量分配器22は、接着剤が塗布される開封器の部分12,13からほぼ同じ距離に維持されつつ塗布経路に沿って移動することができる。
【0108】
出願人は、本発明は、部分12,13に塗布される接着剤の極めて均一な厚みを提供し且つ部分12,13に塗布される接着の層が破壊する虞が著しく減じられることを観察した。
【0109】
モーター60がモーター25及び30とは独立して作動せしめられ、塗布経路は容易に調整可能であり、従って、ユニット1の多用性が著しく改良される。
【0110】
しかしながら、特許請求の範囲に規定されている範囲から逸脱することなく、ユニット1に変更を加えても良いことは明らかである。
【0111】
特に、計量分配器アセンブリ21は唯一つの計量分配器22を備えていても良い。
【符号の説明】
【0112】
1 接着ユニット
3 開封器
5 フレーム
6 穴
7 ねじ込みキャップ
12,13 取り付け部分
14 フランジ
15 切り取り部材
16 ねじ付きのカラー
19 プレート
20 床
21 計量分配器アセンブリ
22 計量分配器
23 支持本体
24 ロッカーアーム
25 モーター
26 動力伝達装置
28 接着剤給送ライン
30 モーター
31 動力伝達装置
34 カウンタウエイト
35 エンドレスベルト
36 プーリー
37 リターンプーリー
38 ベルトの分岐
39 スライド
41 レール
42 部材
43 スライドの端部
44 部材
45 部材
46 壁
47 壁
49 カウンタウエイト
50 エンドレスベルト
51 スライド
52 ベルトの分岐
55 プーリー
56 部材
57 部材
58 部材
59 レール
60 モーター
61 ピン
62 動力伝達装置
63 カム
64 部材
65 部分
66 アーム
67 カムフォロア
68 部材
69 ローラー
70 レバー
71 レール
73 スライド
75 プレート
77 アーム
80 プレート
81 突出部
82 レール
83 スライド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チューブ状のパッケージ材内へ注ぎ入れることができる食品の各々の密封パッケージに嵌め込まれる一連の開封器(3)に接着剤を塗布するための接着ユニット(1)であり、
−前記開封器(3)を経路(A)に沿って給送するための搬送手段と、
−前記経路(A)に沿って配置され且つ前記各々の開封器(3)と相互作用して接着剤を前記開封器(3)の部分(12,13)に塗布する接着剤計量分配手段(21,22)であって、前記経路(A)と平行な面(P)上を動くことができる接着剤計量分配手段(21,22)と、
−前記計量分配手段(21,22)を支持している床(20)と、を備えており、
前記計量分配手段(21,22)が、少なくとも1つのロッカーアーム(24)を介して前記の面(P)と平行に第一の軸線(B)を中心として前記床(20)にヒンジ結合されていて前記面に対して傾斜せしめられ且つ該面を横切る方向に動くことができること、
該ユニットは更に、駆動部材(60)及び該駆動部材(60)と前記ロッカーアーム(24)との間に機能的に介装され動力伝達手段(21,22)をも備えており、前記動力伝達手段は、使用時に前記ロッカーアーム(24)及び前記計量分配手段(21,22)を前記第一の軸線(B)を中心として回転させること、及び
前記動力伝達手段(61,62)が、前記駆動部材(60)に機能的に結合されており且つ第二の軸線(C)を中心に回転するカム(63)と、該カム(63)と協働し且つ前記第一及び第二の軸線(B,C)を横切って第三の軸線(E)に沿って前記カム(63)によって動かされ且つ前記第一の軸線(B)とは別の位置において前記ロッカーアーム(24)に機能的に結合されているカムフォロア(67,68,69)と、を備えていること、を特徴とするユニット。
【請求項2】
前記動力伝達手段(61,62)が、
−前記第一の軸線(B)と平行に且つ別の第四の軸線(D)に沿って伸長しており且つ該第四の軸線(D)を中心として前記ロッカーアーム(24)に対して角度方向に動くことができるピン(61)と、
−前記第三の軸線(E)に関して前記ピン(61)及び前記カムフォロア(67,68,69)と一体のレバー(70)と、をも備えていることを特徴とする請求項1に記載のユニット。
【請求項3】
前記動力伝達手段(61,62)が、前記第三の軸線(E)に沿って前記ピン(61)と一体のレール(71)と、前記レバー(70)に固定されているスライド(73)とを備えており、該スライド(73)は、前記レール(71)の内側を前記経路(A)に対して横切る方向(X)と平行に摺動し且つ前記第三の軸線(E)に沿って前記レール(71)に対して固定されている、ことを特徴とする請求項2に記載のユニット。
【請求項4】
前記動力伝達手段(61,62)が、前記レール(71)と一体であり且つ前記経路(A)と平行な方向に摺動できるように且つ前記第三の軸線(E)に対して固定された状態で前記ピン(61)に結合されている部材(64)を備えている、ことを特徴とする請求項3に記載のユニット。
【請求項5】
前記ピン(61)及び該ピン(61)に結合されている前記部材(64)の一部分(65)が、相互に噛み合い且つ前記第四の軸線(D)に沿って伸長している各々のスプライン状の輪郭を有している、ことを特徴とする請求項4に記載のユニット。
【請求項6】
前記計量分配手段(21,22)が、前記面(P)に対して傾斜している少なくとも1つの計量分配器(22)を備えている、ことを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一の項に記載のユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−506831(P2012−506831A)
【公表日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533687(P2011−533687)
【出願日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際出願番号】PCT/EP2009/063892
【国際公開番号】WO2010/049341
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(591007424)テトラ ラバル ホールデイングス エ フイナンス ソシエテ アノニム (190)
【Fターム(参考)】