説明

チューブ継手構造、プローブ及び接続方法

【課題】細い径の可撓性チューブと太い径の可撓性チューブを強固に接続できるようにする。
【解決手段】外筒24が基端24bと先端24cで開口し、外筒24の内径が基端24bから先端24cに向かい漸減し、内筒23が細い第一可撓性チューブ21の基端部21bに嵌め込まれ、第二可撓性チューブ22の先端部22bが第一可撓性チューブ21の基端部21bをくわえ込み、第一可撓性チューブ21の基端部21bと第二可撓性チューブ22の先端部22bと内筒23の重なり合った部分が外筒24の基端24bから外筒24に嵌め込まれ、外筒24が第一可撓性チューブ21の基端部21bと第二可撓性チューブ22の先端部22bと内筒23の重なり合った部分を第二可撓性チューブ22の外から内へ締め付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チューブ継手構造、プローブ及び接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生体組織の病変状態を観察するために、様々な技術が提案され、実用化されている。特に、内視鏡は、広く普及している。内視鏡が体内管腔へ挿入されて、生体組織の観察部位が内視鏡の先端部から出射した照明光によって照明され、生体組織の観察部位が内視鏡の先端部で撮影される。内視鏡によって撮影された像は、表示装置及び印刷装置等の出力装置に伝送されて、出力装置から出力される。
【0003】
内視鏡を用いた画像診断だけでなく、蛍光を用いて診断を行う技術が提案されている。蛍光を用いて診断を行うためには、生体組織の測定部位から蛍光が発するようにその測定部位に励起光を照射し、発生した蛍光の波長や強度を分析する。そのような診断を行うべく、プローブが開発されており、生体組織の変性や癌等の疾患状態(例えば、疾患の種類や浸潤範囲)の診断に用いられている。
【0004】
この種のプローブは、ケーブルと、ケーブルの先端部に設けられた投光受光部と、ケーブルの基端部に設けられたコネクタと、を有する。ケーブルは、可撓性チューブ内に光ファイバを通したものである。可撓性チューブには、複数本のチューブを接続して一本にしたものが用いられることがある。
【0005】
チューブを接続する技術として、継手を用いる技術がある(特許文献1〜3参照)。特許文献1及び特許文献2には、チューブと継手を接続する技術が開示されている。特許文献3には、可撓性チューブとステンレス鋼管を幾つかの継手部材によって接続する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−144916号公報
【特許文献2】特開2006−292015号公報
【特許文献3】特開2003−135390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、プローブを使用する際には、ケーブルの先端の投光受光部を内視鏡の鉗子口に差し込んで、ケーブルを内視鏡の鉗子用チャネルに通して、投光受光部を内視鏡の先端部から突き出す。そのため、ケーブルが内視鏡の鉗子用チャネルに挿入できるように、ケーブルの可撓性チューブが鉗子用チャネルよりも細径でなければならない。一方、プローブの製造の際には、ケーブルの可撓性チューブ内に光ファイバを設ける必要があるため、組立性・操作性・強度等を考慮すると、ケーブルの可撓性チューブの径は太いことが好ましい。
そのため、プローブのケーブルのうち内視鏡の鉗子用チャネルに挿入する部分は細くして、プローブのケーブルのうち鉗子口から外に延び出た部分は太くすることが好ましい。そうすると、細い径の可撓性チューブと太い径の可撓性チューブを接続する必要がある。
【0008】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、細い径の可撓性チューブと太い径の可撓性チューブを強固に接続できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の課題を解決するための本発明に係るチューブ継手構造は、第一可撓性チューブと前記第一可撓性チューブよりも太い第二可撓性チューブとを接続するチューブ継手構造において、前記第一可撓性チューブの端部と、前記第一可撓性チューブの前記端部に嵌入された内筒と、前記第一可撓性チューブの前記端部をくわえ込んだ前記第二可撓性チューブの端部と、一端と他端で開口するとともに、前記一端から前記他端に向かい内径が漸減する外筒と、を備え、前記第一可撓性チューブの前記端部と前記第二可撓性チューブの前記端部と前記内筒の重なり合った部分が前記外筒の前記一端から前記外筒に嵌め込まれ、前記外筒が前記第一可撓性チューブの前記端部と前記第二可撓性チューブの前記端部と前記内筒の重なり合った部分を前記第二可撓性チューブの前記端部の外から内へ締め付ける。
【0010】
好ましくは、前記外筒がその内周面に形成されたテーパーネジを有し、前記第二可撓性チューブの前記端部が前記テーパーネジにねじ込まれている。
【0011】
好ましくは、前記内筒の全体が前記第二可撓性チューブの前記端部内に収容され、前記第二可撓性チューブの前記端部の一部が前記内筒よりも先方に突き出て、その突き出た部分が前記テーパーネジにねじ込まれて先細りに変形している。
【0012】
好ましくは、前記チューブ継手構造が、前記外筒に外装された外装チューブを更に備える。
【0013】
好ましくは、前記外装チューブの内周面が前記外筒の外周面に接着されている。
【0014】
以上の課題を解決するための本発明に係るプローブは、先端部と基端部の間の光の伝送をするケーブルと、前記ケーブルの先端部に取り付けられ、投光及び受光をする投光受光部と、前記ケーブルの基端部に取り付けられ、光を入出力するコネクタと、を備えたプローブにおいて、前記ケーブルが、先端部が前記投光受光部に接続された第一可撓性チューブと、前記第一可撓性チューブの基端部に嵌入された内筒と、前記第一可撓性チューブよりも太く、基端部が前記コネクタに接続され、先端部が前記第一可撓性チューブの前記基端部をくわえ込んだ第二可撓性チューブと、一端と他端で開口するとともに、前記一端から前記他端に向かい内径が漸減する外筒と、前記コネクタから前記投光受光部にかけて前記第一可撓性チューブ、前記第二可撓性チューブ及び前記内筒に通された光ファイバと、を有し、前記第一可撓性チューブの前記基端部と前記第二可撓性チューブの前記先端部と前記内筒の重なり合った部分が前記外筒の前記一端から前記外筒に嵌め込まれ、前記外筒が前記第一可撓性チューブの前記基端部と前記第二可撓性チューブの前記先端部と前記内筒の重なり合った部分を前記第二可撓性チューブの前記先端部の外から内へ締め付ける。
【0015】
好ましくは、前記外筒がその内周面に形成されたテーパーネジを有し、前記第二可撓性チューブの前記先端部が前記テーパーネジにねじ込まれている。
【0016】
好ましくは、前記内筒の全体が前記第二可撓性チューブの前記先端部内に収容され、前記第二可撓性チューブの前記先端部の一部が前記内筒よりも先方に突き出て、その突き出た部分が前記テーパーネジにねじ込まれて先細りに変形している。
【0017】
好ましくは、前記プローブが、前記外筒に外装された外装チューブを更に備える。
【0018】
好ましくは、前記外装チューブの内周面が前記外筒の外周面に接着されている。
【0019】
以上の課題を解決するための本発明に係る接続方法は、第一可撓性チューブと前記第一可撓性チューブよりも太い第二可撓性チューブを接続する接続方法において、前記第一可撓性チューブの端部に内筒を嵌入し、前記第一可撓性チューブの前記端部を前記第二可撓性チューブの端部に嵌入し、前記第一可撓性チューブの前記端部と前記第二可撓性チューブの前記端部と前記内筒の重なり合った部分を、一端と他端で開口するとともに前記一端から前記他端に向かい内径が漸減する外筒の前記一端から前記外筒に嵌め込んで、前記外筒によって前記第一可撓性チューブの前記端部と前記第二可撓性チューブの前記端部と前記内筒の重なり合った部分を前記第二可撓性チューブの前記端部の外から内へ締め付ける。
【0020】
好ましくは、前記第一可撓性チューブの前記端部と前記第二可撓性チューブの前記端部と前記内筒の重なり合った部分を前記外筒に嵌め込む際に、前記外筒の内周面に形成されたテーパーネジに前記第二可撓性チューブの前記端部をねじ込む。
【0021】
好ましくは、前記第一可撓性チューブの前記端部を前記第二可撓性チューブの前記端部に嵌入する際に、前記内筒の全体を前記第二可撓性チューブの前記端部内に収容するとともに前記第二可撓性チューブの前記端部の一部を前記内筒よりも先方に突き出し、その突き出た部分を前記テーパーネジにねじ込んで先細りに変形させる。
【0022】
好ましくは、前記外筒に外装チューブを外装する。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、外筒の内径がその外筒の一端から他端にむけて漸減するから、第一可撓性チューブと第二可撓性チューブが楔作用によって強固に接続される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態に係るプローブの平面図である。
【図2】同実施形態に係るチューブ継手構造の断面図である。
【図3】同実施形態に係る接続方法の工程図である。
【図4】同実施形態に係るプローブの使用例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0026】
図1は、プローブ10の平面図である。
プローブ10の基端部分がコネクタ11であり、プローブ10の先端部分が投光受光部12であり、プローブ10の中間部分がケーブル13である。投光受光部12がケーブル13の先端部に取り付けられ、コネクタ11がケーブル13の基端部に取り付けられている。コネクタ11がベースユニットに接続され、コネクタ11がベースユニットの光源で発した励起光を入力する。ケーブル13は、コネクタ11に入力された励起光を基端部のコネクタ11から先端部の投光受光部12に伝送する。投光受光部12は、ケーブル13によって伝送された励起光を投光する。また、投光受光部12は、投光された励起光によって発した蛍光を受光する。ケーブル13は、投光受光部12によって受光された蛍光を先端部の投光受光部12から基端部のコネクタ11に伝送する。コネクタ11は、ケーブル13によって伝送された蛍光をベースユニットへ出力する。
【0027】
ケーブル13が、中空を有する第一可撓性チューブ21と、中空を有するとともに第一可撓性チューブ21よりも太い第二可撓性チューブ22と、複数本の光ファイバ14と、を備える。第一可撓性チューブ21が第二可撓性チューブ22よりも投光受光部12寄りに配置される。第二可撓性チューブ22の基端部がコネクタ11に接続され、第二可撓性チューブ22の先端部がチューブ継手構造20によって第一可撓性チューブ21の基端部に接続され、第一可撓性チューブ21の先端部が投光受光部12に接続されている。第一可撓性チューブ21及び第二可撓性チューブ22の両端が開口し、光ファイバ14が第一可撓性チューブ21及び第二可撓性チューブ22内に通されている。光ファイバ14がコネクタ11から第二可撓性チューブ22、チューブ継手構造20及び第一可撓性チューブ21を経由して投光受光部12まで配策されている。
【0028】
何れかの光ファイバ14が励起光をコネクタ11から投光受光部12へ導光し、他の何れかの光ファイバ14が照明光をコネクタ11から投光受光部12へ導光し、他の何れかの光ファイバ14が励起光により生じた蛍光を投光受光部12からコネクタ11へ導光する。投光受光部12の内部には、光ファイバ14の先端面に相対するように設けられた光学系(レンズ若しくは反射面又はそれらの組み合わせ)が設けられている。光学系は、光ファイバ14の先端面によって出射された光を投光受光部12の先方へ投射したり、外部から投光受光部12に入射された光を光ファイバ14の先端面に投射したりする。なお、光ファイバ14の本数が1本でもよい。光ファイバ14の本数が一本である場合、その光ファイバ14が励起光をコネクタ11から投光受光部12へ導光するとともに、蛍光を投光受光部12からコネクタ11へ導光する。
【0029】
図2は、チューブ継手構造20の断面図である。
チューブ継手構造20は、第一可撓性チューブ21の基端部21b、第二可撓性チューブ22の先端部22b、内筒23及び外筒24を備える。なお、以下の内筒23及び外筒24に関する説明において、ケーブル13の先端部寄りの端を先端、ケーブル13の基端部寄りの端を基端と称する。
【0030】
第二可撓性チューブ22が第一可撓性チューブ21よりも太く、第二可撓性チューブ22の外径が第一可撓性チューブ21の内径及び外径よりも大きい。第二可撓性チューブ22の内径は第一可撓性チューブ21の外径よりも大きいか、第二可撓性チューブ22の内径と第一可撓性チューブ21の外径が等しい。
【0031】
内筒23が第一可撓性チューブ21の基端部21bの内側に嵌入され、内筒23の基端23aが第一可撓性チューブ21の基端21aに揃っている。内筒23は中空を有し、内筒23の両端23a,23bが開口する。内筒23の内径及び外径は、基端23aから先端23bにかけてほぼ一様である。内筒23の外径が第一可撓性チューブ21の内径よりも大きく、第一可撓性チューブ21の基端部21bが内筒23によって拡径されている。内筒23によって拡径された基端部21bの外径は第二可撓性チューブ22の内径よりも小さくてもよいし、大きくてもよいし、等しくてもよい。
【0032】
内筒23は剛体であり、内筒23のヤング率が第一可撓性チューブ21及び第二可撓性チューブ22のヤング率よりも十分に大きい。例えば、内筒23が金属材料(例えば、ステンレス鋼)からなり、第二可撓性チューブ22は樹脂材料からなる。第一可撓性チューブ21は樹脂材料を有する。特に、第一可撓性チューブ21はフッ素樹脂(例えば、テフロン(登録商標))又はポリアミド合成繊維(例えば、ナイロン)からなることが好ましい。又は、第一可撓性チューブ21はチューブ状に形成された樹脂材料の外周面にフッ素樹脂がコーティングされたものであることが好ましい。また、第一可撓性チューブ21は、水分遮蔽性を有するとともに、耐薬品性を有することが好ましい。
【0033】
第二可撓性チューブ22の先端部22bが第一可撓性チューブ21の基端部21bをくわえ込み、第一可撓性チューブ21の基端部21bが第二可撓性チューブ22の先端部22bの内側に嵌入されている。内筒23の全体が第二可撓性チューブ22の先端部22bの中空に収容されている。第二可撓性チューブ22の先端部22bの先端22aが、内筒23の先端23bよりも、ケーブル13の先端側に突き出て、内筒23の両端23a,23bが第二可撓性チューブ22の先端22aよりも基端(基端は先端22aの反対側の端である。)寄りに配置される。従って、第二可撓性チューブ22の先端部22bのうち内筒23の先端23bよりも第二可撓性チューブ22の先端22a寄りの部分22cは、第一可撓性チューブ21と重なっているが、内筒23と重なっていない。
【0034】
外筒24は中空を有し、外筒24の両端24b,24cが開口している。外筒24は、第一可撓性チューブ21の基端部21bと第二可撓性チューブ22の先端部22bと内筒23との重なった部分をくわえ込む。外筒24は剛体であり、外筒24のヤング率が可撓性チューブ21,22のヤング率よりも十分に大きい。例えば、外筒24が金属材料(例えば、ステンレス鋼)からなる。
【0035】
外筒24の内周面24aが裁頭円錐面に形作られ、外筒24の内周面24aがテーパー状になっている。そのため、外筒24の内径は、外筒24の基端(一端)24bから先端(他端)24cに向かい漸減する。外筒24の内周面24aには、テーパーネジ24dが形成されている。具体的には、テーパーネジ24dは、外筒24の内周面24aのうち外筒24の先端24c寄りの部分に形成されている。なお、テーパーネジ24dが形成されている範囲は、先端24c寄りの部分に限るものではない。例えば、テーパーネジ24dが、内周面24a全体に形成されていてもよいし、内周面24aのうち基端24bと先端24cの間の中間部に形成されていてもよい。
【0036】
外筒24の基端24bの開口の径は、第一可撓性チューブ21の基端部21bと第二可撓性チューブ22の先端部22bと内筒23との重なり合った部分における第二可撓性チューブ22の外径よりも大きい。一方、外筒24の先端24cの開口の径は、第一可撓性チューブ21の基端部21bと第二可撓性チューブ22の先端部22bと内筒23との重なり合った部分における第二可撓性チューブ22の外径よりも小さい。
【0037】
第一可撓性チューブ21の基端部21bと第二可撓性チューブ22の先端部22bと内筒23の重なり合う部分が外筒24に嵌め込まれ、第一可撓性チューブ21の基端部21b及び第二可撓性チューブ22の先端部22bが内筒23の外周面と外筒24の内周面24aとの間に挟持される。これにより、外筒24は、内周面24aの楔作用によって、第一可撓性チューブ21の基端部21bと第二可撓性チューブ22の先端部22bと内筒23の重なった部分を第二可撓性チューブ22の先端部22bの外から内へ締め付ける。
【0038】
内筒23の全体が外筒24内に挿入されているわけではなく、内筒23のうち基端23a寄りの部分が外筒24から突き出て、残りの先端23b寄りの部分が外筒24内に挿入されている。なお、内筒23の長さが図2に示す場合よりも短く、内筒23の全体が外筒24内に挿入されてもよい。
【0039】
第二可撓性チューブ22の先端部22bが外筒24のテーパーネジ24dにねじ込まれている。具体的には、第二可撓性チューブ22の先端部22bのうち内筒23の先端23bから突き出た部分22cが外筒24のテーパーネジ24dにねじ込まれている。これにより、第二可撓性チューブ22の先端部22bのうち内筒23の先端23bから突き出た部分22cが先細りに変形し、その部分22cの外周面が変形してテーパーネジ24dに螺合する。
【0040】
外筒24が第二可撓性チューブ22の先端部22bに締め付けられても、内筒23が第一可撓性チューブ21から抜け出ない。これは、(1) 内筒23と第一可撓性チューブ21の間に摩擦があり、(2) 外筒24の内周面24aのテーパー角が第一可撓性チューブ21の基端部21bと第二可撓性チューブ22の先端部22bと内筒23の重なり合う部分を径方向内側に締め付けるような角度に設定され、(3) 第一可撓性チューブ21及び第二可撓性チューブ22の肉厚が第一可撓性チューブ21の基端部21bと第二可撓性チューブ22の先端部22bと内筒23との重なり合う部分を径方向内側に締め付けるような厚さに設定されているためである。
【0041】
外装チューブ25が外筒24に外装されている。外装チューブ25の長さは外筒24の長さよりも長く、更に内筒23の基端23aから外筒24の先端24cまでの長さよりも長い。外装チューブ25は、外筒24の基端24bからはみ出て、第二可撓性チューブ22の先端部22bに外装されている。外装チューブ25は、外筒24の先端24cからはみ出て、第一可撓性チューブ21の一部に外装されている。
外装チューブ25は熱収縮チューブである。つまり、外装チューブ25が熱によって収縮されて、外装チューブ25の内周面が外筒24、第一可撓性チューブ21及び第二可撓性チューブ22の外周面に密着している。また、外装チューブ25の内周面が接着剤によって外筒24、第一可撓性チューブ21及び第二可撓性チューブ22の外周面に接着されている。
【0042】
第一可撓性チューブ21と第二可撓性チューブ22の接続方法について説明する。
図3(a)に示すように、内筒23を第一可撓性チューブ21の基端部21bに嵌め込み、第一可撓性チューブ21の基端部21bを内筒23によって拡径する。この際、内筒23全体を第一可撓性チューブ21の基端部21bに差し込み、内筒23の基端23aを第一可撓性チューブ21の基端21aに揃える。
【0043】
次に、図3(b)に示すように、第一可撓性チューブ21の基端部21bを第二可撓性チューブ22の先端部22bに嵌め込む。この際、内筒23全体を第二可撓性チューブ22内に挿入し、第二可撓性チューブ22の先端22aを内筒23の先端23bよりも先に突き出す。
【0044】
次に、第一可撓性チューブ21を外筒24に通す。この際、内径が大きい外筒24の基端24bを第一可撓性チューブ21の基端21a側にし、内径が小さい外筒24の先端24cを第一可撓性チューブ21の先端(先端は基端21aと反対の端である。)側にする。なお、第一可撓性チューブ21を外筒24に通す工程は、内筒23を第一可撓性チューブ21の基端部21bに嵌入する前に行ってもよいし、第一可撓性チューブ21の基端部21bを第二可撓性チューブ22の先端部22bに嵌入する前に行ってもよい。
【0045】
次に、外筒24の基端24bを第二可撓性チューブ22の先端22aに向けて、第二可撓性チューブ22の先端22aを外筒24の基端24bの開口に差し込む。そして、外筒24を回転させて外筒24を締め付けることで、第二可撓性チューブ22の先端部22bを外筒24のテーパーネジ24dにねじ込む。具体的には、第二可撓性チューブ22の先端部22bのうち内筒23の先端23bから突き出た部分22cを外筒24のテーパーネジ24dにねじ込む。
【0046】
更に第二可撓性チューブ22の先端部22bを外筒24のテーパーネジ24dにねじ込むことによって、外筒24を徐々に第二可撓性チューブ22の基端に向けて推進する。外筒24の推進によって、内筒23を外筒24の基端24bの開口に入れ、第一可撓性チューブ21の基端部21bと第二可撓性チューブ22の先端部22bと内筒23が重なった部分を外筒24に嵌め込む。そして、更に第二可撓性チューブ22の先端部22bを外筒24のテーパーネジ24dにねじ込むことによって、外筒24の内周面24aの楔作用によって、第一可撓性チューブ21の基端部21bと第二可撓性チューブ22の先端部22bと内筒23の重なり合った部分を第二可撓性チューブ22の先端部22bの外から内へ締め付ける。これにより、内筒23の外周面と外筒24の内周面24aとの間に第一可撓性チューブ21の基端部21bと第二可撓性チューブ22の先端部22bを挟み込み、その挟み込む力を向上させる。
【0047】
また、第二可撓性チューブ22の先端部22bを外筒24のテーパーネジ24dにねじ込むことによって、第二可撓性チューブ22の先端部22bのうち内筒23の先端23bから突き出た部分22cを先細りに変形させる。これにより、第二可撓性チューブ22の先端部22bの内周面と第一可撓性チューブ21の基端部21bの外周面の密着性が向上する。
【0048】
外筒24の締め付け後、第一可撓性チューブ21又は第二可撓性チューブ22を外装チューブ25に通して、外筒24を外装チューブ25内に挿入する。この際、外筒24の基端24bよりもコネクタ11側の部分(第二可撓性チューブ22の先端部22b)や、外筒24の先端24cよりも投光受光部12側の部分(第一可撓性チューブ21の一部)も外装チューブ25内に配置する。その後、外装チューブ25を加熱して、外装チューブ25を収縮させる。外装チューブ25の収縮によって、外装チューブ25を外筒24、第二可撓性チューブ22の先端部22b及び第一可撓性チューブ21の一部に密着させる。なお、外装チューブ25の内周面にホットメルト接着剤(熱可塑性樹脂)が形成され、外装チューブ25の加熱の際にホットメルト接着剤を溶融してもよい。外装チューブ25及びホットメルト接着剤が冷却されると、ホットメルト接着剤が固化し、ホットメルト接着剤によって外装チューブ25が外筒24、第二可撓性チューブ22の先端部22b及び第一可撓性チューブ21の一部外筒24に接着される。
【0049】
チューブ継手構造20の完成後、光ファイバ14を第二可撓性チューブ22、内筒23及び第一可撓性チューブ21に通す。なお、第一可撓性チューブ21と第二可撓性チューブ22を接続する前に、光ファイバ14を第一可撓性チューブ21、第二可撓性チューブ22、内筒23及び外筒24に通した後に、上述のように第一可撓性チューブ21と第二可撓性チューブ22を接続してもよい。また、第一可撓性チューブ21と第二可撓性チューブ22を接続する前に、第一可撓性チューブ21を第二可撓性チューブ22に通した状態で更に第一可撓性チューブ21に光ファイバ14を通し、第一可撓性チューブ21を第二可撓性チューブ22から引き出して、前述のように第一可撓性チューブ21と第二可撓性チューブ22を接続してもよい。その場合には、光ファイバ14を挿入する長さが第一可撓性チューブ21の長さのみであるから、簡単に光ファイバ14を挿入することができる。
【0050】
次に、第二可撓性チューブ22の基端部にコネクタ11を取り付けるとともに、投光受光部12を第一可撓性チューブ21の先端部に設ける。これにより、プローブ10が完成する。
【0051】
プローブ10の使用時には、コネクタ11をベースユニットに接続する。そして、図4に示すように、投光受光部12を内視鏡80の鉗子口81に差し込み、内視鏡80の挿入部82内に設けられた管路に第一可撓性チューブ21を通して、投光受光部12を挿入部82の先端から出す。この際、チューブ継手構造20を鉗子口81に差し込まず、チューブ継手構造20が鉗子口81の手前となる位置で、第一可撓性チューブ21の挿入を止める。なお、チューブ継手構造20の最も太い部分(外装チューブ25のうち外筒24に重なった部分)の径が鉗子口81の径よりも大きければ、その最も太い部分がストッパとして機能し、プローブ10のケーブル13を挿入しすぎることを防止することができる。
【0052】
ベースユニットの光源から発した励起光がプローブ10のコネクタ11に入力され、その入力された励起光が光ファイバ14によって投光受光部12に導光され、その導光された励起光が投光受光部12から管腔内の生体組織の測定部位に照射される。その測定部位は励起光によって蛍光を発する。その測定部位から発した蛍光が投光受光部12によって受光され、その受光された蛍光が光ファイバ14によって基端部分のコネクタ11に伝送され、その伝送された蛍光がコネクタ11からベースユニットに出力される。ベースユニットに入力された蛍光のスペクトル解析等がベースユニットによって行われる。以上のようにプローブ10を使用して、プローブ10によって光学的診を行う。
【0053】
以上の実施の形態によれば、以下のような効果を奏する。
(1) 外筒24の内周面24aがテーパー状になっており、第二可撓性チューブ22の先端部22bが外筒24に嵌め込まれているから、第二可撓性チューブ22の先端部22bと第一可撓性チューブ21の基端部21bと内筒23の重なった部分が外筒24の内周面24aの楔作用によって内側に締め付けられている。そのため、第一可撓性チューブ21と第一可撓性チューブ21の接続強度が高い。
【0054】
(2) 内筒23が剛体であるから、外筒24によって第一可撓性チューブ21の基端部21b及び第二可撓性チューブ22の先端部22bが内側に締め付けられても、第一可撓性チューブ21及び第二可撓性チューブ22が圧縮変形するだけで、内筒23が殆ど変形しない。そのため、外筒24による締め付け力が強く、第一可撓性チューブ21と第一可撓性チューブ21の接続強度が高い。
【0055】
(3) テーパーネジ24dが外筒24の内周面24aに形成されているから、外筒24の回転によって外筒24を第二可撓性チューブ22の先端部22bに締め付けることができる。外筒24を回転しながら外筒24を第二可撓性チューブ22の先端部22bに嵌め込むことができるから、第二可撓性チューブ22の先端22aがめくり上がったりしないうえ、第二可撓性チューブ22の先端部22bに亀裂・損傷等が生じにくい。
【0056】
(4) テーパーネジ24dが外筒24の内周面24aに形成されているから、外筒24が第二可撓性チューブ22の先端部22bから抜けにくい。
【0057】
(5) 第二可撓性チューブ22の先端部22bのうち内筒23の先端23bから突き出た部分22cがテーパーネジ24dにねじ込まれて先細りに変形しているから、第二可撓性チューブ22の先端部22bの内周面と第一可撓性チューブ21の基端部21bの外周面が密着する。そのため、第二可撓性チューブ22の先端部22bの内周面と第一可撓性チューブ21の基端部21bの外周面の間を埋める部材が必要とせず、コスト削減を図ることができる。また、チューブ継手構造20の止水性・気密性が高い。
【0058】
(6) 内筒23が第一可撓性チューブ21の基端部21bに嵌め込まれることによって、第一可撓性チューブ21の基端部21bが拡径するから、第二可撓性チューブ22の先端部22bの内周面と第一可撓性チューブ21の基端部21bの外周面が密着する。
【0059】
(7) 金属材料からなる外筒24が外装チューブ25によって覆われているから、プローブ10の安全性が高い。また、外筒24が第二可撓性チューブ22の先端部22bから抜けにくい。なお、外装チューブ25を省略しても、第一可撓性チューブ21と第二可撓性チューブ22の接続強度は十分に高い。
【0060】
(8) 外装チューブ25の内周面が外筒24及び可撓性チューブ21,22に接着されているから、外装チューブ25がずれて抜けることがない。
【0061】
(9) 第一可撓性チューブ21と第二可撓性チューブ22を接続するために利用した部材が内筒23、外筒24及び外装チューブ25であり、それらの構造がシンプルである。また、部品点数も少ない。そのため、第一可撓性チューブ21と第二可撓性チューブ22とを接続するために要するコストが低い。
【0062】
(9) 第一可撓性チューブ21が細いため、内視鏡80の挿入部82の管路に第一可撓性チューブ21を通しやすい。
【0063】
(10) 第二可撓性チューブ22が太いため、プローブ10の組立性が良い。
【0064】
(11) 第一可撓性チューブ21がフッ素樹脂からなるか、第一可撓性チューブ21の外周面がフッ素樹脂でコーティングされているから、第一可撓性チューブ21の外周面の摩擦係数が低い。そのため、内視鏡80の挿入部82の管路に第一可撓性チューブ21を通しやすい。
【0065】
(12) プローブ10の使用の際にチューブ継手構造20が目安となり、ケーブル13を内視鏡80の挿入部82の管路に入れすぎることを防止することができる。そのため、体腔を傷つける心配がない。
【0066】
〔変形例〕
本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、幾つかの変形例を挙げる。
【0067】
外筒24の内周面24aにテーパーネジ24dが形成されていなくてもよい。
【0068】
テーパーネジ24dが外筒24の内周面24aに形成される代わりに、凸部(例えば、複数の微小突起、周方向に延びたリング状の凸部、軸方向に延びた線状の凸部、又は、周方向に沿って螺旋状に形成された螺旋状凸部)が外筒24の内周面24aに形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0069】
10 プローブ
11 コネクタ
12 投光受光部
13 ケーブル
14 光ファイバ
20 チューブ継手構造
21 第一可撓性チューブ
21b 基端部
22 第二可撓性チューブ
22b 先端部
23 内筒
24 外筒
24a 内周面
24d テーパーネジ
24b 基端(一端)
24c 先端(他端)
25 外装チューブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一可撓性チューブと前記第一可撓性チューブよりも太い第二可撓性チューブとを接続するチューブ継手構造において、
前記第一可撓性チューブの端部と、
前記第一可撓性チューブの前記端部に嵌入された内筒と、
前記第一可撓性チューブの前記端部をくわえ込んだ前記第二可撓性チューブの端部と、
一端と他端で開口するとともに、前記一端から前記他端に向かい内径が漸減する外筒と、を備え、
前記第一可撓性チューブの前記端部と前記第二可撓性チューブの前記端部と前記内筒の重なり合った部分が前記外筒の前記一端から前記外筒に嵌め込まれ、
前記外筒が前記第一可撓性チューブの前記端部と前記第二可撓性チューブの前記端部と前記内筒の重なり合った部分を前記第二可撓性チューブの前記端部の外から内へ締め付ける、チューブ継手構造。
【請求項2】
前記外筒がその内周面に形成されたテーパーネジを有し、
前記第二可撓性チューブの前記端部が前記テーパーネジにねじ込まれている、請求項1に記載のチューブ継手構造。
【請求項3】
前記内筒の全体が前記第二可撓性チューブの前記端部内に収容され、前記第二可撓性チューブの前記端部の一部が前記内筒よりも先方に突き出て、その突き出た部分が前記テーパーネジにねじ込まれて先細りに変形している、請求項2に記載のチューブ継手構造。
【請求項4】
前記外筒に外装された外装チューブを更に備える、請求項1から3の何れか一項に記載のチューブ継手構造。
【請求項5】
前記外装チューブの内周面が前記外筒の外周面に接着されている、請求項4に記載のチューブ継手構造。
【請求項6】
先端部と基端部の間の光の伝送をするケーブルと、
前記ケーブルの先端部に取り付けられ、投光及び受光をする投光受光部と、
前記ケーブルの基端部に取り付けられ、光を入出力するコネクタと、を備えたプローブにおいて、
前記ケーブルが、
先端部が前記投光受光部に接続された第一可撓性チューブと、
前記第一可撓性チューブの基端部に嵌入された内筒と、
前記第一可撓性チューブよりも太く、基端部が前記コネクタに接続され、先端部が前記第一可撓性チューブの前記基端部をくわえ込んだ第二可撓性チューブと、
一端と他端で開口するとともに、前記一端から前記他端に向かい内径が漸減する外筒と、
前記コネクタから前記投光受光部にかけて前記第一可撓性チューブ、前記第二可撓性チューブ及び前記内筒に通された光ファイバと、を有し、
前記第一可撓性チューブの前記基端部と前記第二可撓性チューブの前記先端部と前記内筒の重なり合った部分が前記外筒の前記一端から前記外筒に嵌め込まれ、
前記外筒が前記第一可撓性チューブの前記基端部と前記第二可撓性チューブの前記先端部と前記内筒の重なり合った部分を前記第二可撓性チューブの前記先端部の外から内へ締め付ける、プローブ。
【請求項7】
前記外筒がその内周面に形成されたテーパーネジを有し、
前記第二可撓性チューブの前記先端部が前記テーパーネジにねじ込まれている、請求項6に記載のプローブ。
【請求項8】
前記内筒の全体が前記第二可撓性チューブの前記先端部内に収容され、前記第二可撓性チューブの前記先端部の一部が前記内筒よりも先方に突き出て、その突き出た部分が前記テーパーネジにねじ込まれて先細りに変形している、請求項7に記載のプローブ。
【請求項9】
前記外筒に外装された外装チューブを更に備える、請求項6から8の何れか一項に記載のプローブ。
【請求項10】
前記外装チューブの内周面が前記外筒の外周面に接着されている、請求項9に記載のプローブ。
【請求項11】
第一可撓性チューブと前記第一可撓性チューブよりも太い第二可撓性チューブを接続する接続方法において、
前記第一可撓性チューブの端部に内筒を嵌入し、
前記第一可撓性チューブの前記端部を前記第二可撓性チューブの端部に嵌入し、
前記第一可撓性チューブの前記端部と前記第二可撓性チューブの前記端部と前記内筒の重なり合った部分を、一端と他端で開口するとともに前記一端から前記他端に向かい内径が漸減する外筒の前記一端から前記外筒に嵌め込んで、前記外筒によって前記第一可撓性チューブの前記端部と前記第二可撓性チューブの前記端部と前記内筒の重なり合った部分を前記第二可撓性チューブの前記端部の外から内へ締め付ける、接続方法。
【請求項12】
前記第一可撓性チューブの前記端部と前記第二可撓性チューブの前記端部と前記内筒の重なり合った部分を前記外筒に嵌め込む際に、前記外筒の内周面に形成されたテーパーネジに前記第二可撓性チューブの前記端部をねじ込む、請求項11に記載の接続方法。
【請求項13】
前記第一可撓性チューブの前記端部を前記第二可撓性チューブの前記端部に嵌入する際に、前記内筒の全体を前記第二可撓性チューブの前記端部内に収容するとともに前記第二可撓性チューブの前記端部の一部を前記内筒よりも先方に突き出し、
その突き出た部分を前記テーパーネジにねじ込んで先細りに変形させる、請求項12に記載の接続方法。
【請求項14】
前記外筒に外装チューブを外装する、請求項11から13の何れか一項に記載の接続方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−223214(P2012−223214A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90577(P2011−90577)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(303000408)コニカミノルタアドバンストレイヤー株式会社 (3,255)
【Fターム(参考)】