説明

ツイストロックを自動的に取り付け取り外しするための装置

複数個のコンテナーを互いに連結させて搬送時の安定性を向上させるためのツイストロックをコンテナーコーナーに自動的に取付け取り外しするための装置。間隔を位置調整可能な操作開口部(26)を備えたコンテナー部分(17,18,19,20)から成る。コンテナー(6)を降ろした後、前記操作開口部(26)内へツイストロック(10)が突出する。コンテナー部分(17,18,19,20)の内部に配置されるツイストロックグリッパー(34)はツイストロック(20)の除去または取り付けを行ない、ツイストロック(10)の保管を可能にさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載の、ツイストロックをコンテナーコーナーに取り付け取り外すための装置に関するものである。
本発明は、たとえば船で搬送する場合に安定な保管のために互いに連結されるコンテナーのコーナーにツイストロックを取り付け取り外しするために適している。取り付け取り外しは自動的に行なわれる。
【背景技術】
【0002】
コンテナー船の甲板上で搬送されるコンテナーはツイストロックを用いてすべて互いに連結されるとともに、ツイストロックによりハッチカバーに対しても連結される。連結は次の4つのツイストロック操作過程で行なわれる。すなわち埠頭でツイストロックをコンテナーコーナーに取り付ける過程、ツイストロックを船にロックする過程、船上でツイストロックを解除する過程、埠頭でツイストロックをコンテナーコーナーから取り外す過程がそれである。
【0003】
船上での半自動的なロック過程以外の操作はすべて手動で行なわれる。埠頭でのツイストロックの取付け取り外しには大きな労働力を要し、作業が困難であり、事故の危険性を伴い、時間を要する。それ故世界的に見てこれらの過程を自動化することが要望されている(非特許文献1を参照)。
【0004】
コンテナーを操作しコンテナー船につなぐため、コンテナーは上面および下面にコーナー金具を有している。コーナー金具には搬送用のスプレッダーまたは他の昇降手段がコンテナー上面において係合し、またコーナー金具の上面および下面には、ツイストロックのような着脱可能な連結手段がコンテナー船上での航海中の搬送固定手段として組み込まれる。
【0005】
前記ツイストロックはコンテナー船甲板上でコンテナー同士を連結させるために必ず必要なものである。連結過程を容易にするため、コンテナーを船上に積み込む際に半自動的なツイストロックを使用することが多くなってきている。この半自動的なツイストロックを用いたコントロール過程は以下のようにして行なわれる。
【0006】
埠頭でコンテナ船の甲板に積み込む準備状態にあるコンテナーをコンテナーブリッジスプレッダーで受容し、ほぼ1.5mの高さに持ち上げる。下部コンテナーコーナー金具に半自動的なツイストロックを手で取り付け、ツイストロックのタイプに応じては所定のロック運動により位置固定する。コンテナーブリッジウィンチを用いてコンテナー船へ搬送した後、コンテナーをハッチカバーの上に、或いはすでに積み込んであるコンテナーの上へ載置する際に、ハンマー状のツイストロックロックボルトをコーナー金具のなかへ走入させ、コンテナーの重量とツイストロックに組み込んであるばねとによりロックを生じさせる。このような方法ですべてのコンテナーを甲板上で互いに連結させる。
【0007】
航海中に発生する水平方向の力に対抗できるように、対角線方向に配置される控え棒を取り付ける。
【0008】
コンテナーをコンテナー線から荷降ろしする際には、ツイストロックの自動取り出し機構は存在しない。
【0009】
すべての作業は後述するように手で行なわねばならない。
【0010】
対角線方向の控え棒を取り外した後、ツイストロックを手動ロック解除過程により下側のコンテナーまたはハッチカバーから取り外す。コンテナーをコンテナーブリッジスプレッダーに受容させ、持ち上げ、コンテナーの下面上に突出しているツイストロックとともに埠頭へ搬送させる。埠頭で、ほぼ1.5mの高さにあるツイストロックを取り外し、船固有の格子型ボックスパレットに格納する。
【0011】
ツイストロックは船固有のものである。船ごとに常に1種類のタイプのツイストロックのみが使用される。
【0012】
特許文献1には、機械的手段(自動ではない)を用いて中間連結ユニットをコンテナーに取り付け、取り外し、保管箱に保管するようにした方法が記載されている。この保管箱は異なるコンテナー(20フィートコンテナー、40フィートコンテナー)に対し調整可能に構成されており、コンテナーのサイズを変更する段階ではじめて移動させればよい。しかしながらこの方法は自動的な方法ではない。
【非特許文献1】"Port of Rotterdam"、2002年秋、第12頁、第13頁
【特許文献1】欧州特許第0699164B1号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の課題は、コンテナーを船で保管する際に該コンテナーを互いに連結させるツイストロックの取り付け取り外しを自動で行なえるような装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この課題は、請求項1の特徴ある構成により解決される。
【0015】
従属項は本発明の有利な構成を示したものである。
【0016】
本発明による解決手段は、ツイストロックをコンテナーコーナーに自動的に取り付け取り外しするための装置であって、サイズの異なるコンテナーにツイストロックを取り付け取り外し可能であり、サイズの異なるコンテナーに設置可能であるような前記装置を提供する。本発明によるこの装置(コーナー金具を具備した状態では40フィートコンテナーのサイズに対応する)は、ツイストロックを備えたコンテナーを搬送する船と一緒に簡単に搬送することができる。本発明による装置は船の荷降ろしを行なう前に荷降ろしされ、コンテナーを本発明による装置の上に降ろすことができて、その際にツイストロックの除去、挿着が行なわれるように、荷降ろしされるコンテナーのサイズに適合している。
【0017】
エネルギーの供給はたとえばコンテナーブリッジに接続される電気ケーブルを介して行なう。これとは択一的に、組み込んだバッテリーを介して給電を行なってもよい。この場合バッテリーは航海中に船で充電させることができる。バッテリーを使用する場合には、引き離し等の作動開始やデータ伝送を船から無線で行なうことが考えられる。
【0018】
本発明による解決手段は、有利な構成によれば、4つの並設されるコンテナー部分から構成されている点にある。これら4つのコンテナー部分はいわゆるツイストロックコンテナーを形成し、その上面に操作開口部が設けられ、この操作開口部のなかへ、荷降ろしされたコンテナーの取り外されるべきツイストロックが突出する。4つのコンテナー部分から成っているコンテナーの代わりに、4つのコンテナーを並設してもよい。他方、処理されるすべてのコンテナーのサイズよりも大きなサイズを有する1つのコンテナーを使用してもよい。通常は2つの長穴状の操作開口部を上面に設ける。これにより最も普及している20フィートまたは40フィートサイズのコンテナを処理することができる。したがってコンテナー部分相互の間隔を変更させる必要がない。上記コンテナーサイズとは別のサイズのコンテナーを処理する場合には、ツイストロックを取り外し可能な個々のコンテナー部分の間隔を互いに変更させることができる。このためには種々の可能性がある。その1つは、個々のコンテナー部分の間に4つのコンテナー部分用の位置調整可能な横ガイドおよび縦ガイドを配置し、横ガイドおよび縦ガイドによりコンテナー部分相互の間隔を変更させることができる。このためには、4つのコンテナー部分のそれぞれの下に、底板に固定可能な回転ローラを配置するのが有利である。この実施形態の場合には、4つのすべてのコンテナー部分の間に、これら4つのコンテナー部分をその土台に対し固定させる載置部材を配置するのが有利である。最も簡単には、この載置部材は縦ガイドおよび横ガイドを固定させる心棒であり、4つのコンテナー部分すべてをこの心棒に対し目的に応じて移動させることができる。
【0019】
本発明の他の実施形態によれば、1つのコンテナーまたは1つのコンテナー部分だけが載置部材を具備し、載置部材は当該1つのコンテナーまたは1つのコンテナー部分を土台と適当に結合させ、或いは土台に固定させる。
【0020】
他の3つのコンテナー部分は、前記1つのコンテナー部分へ接近できるように縦ローラ、横ローラ、および回転ローラを具備し、接近後横ガイドおよび縦ガイドにより固定が行なわれる。縦ガイドおよび横ガイドは、ツイストロックコンテナーの機能性をどの位置でも保証し、地面に凹凸がある場合でも保証するために剛体として構成してよい。また、大きなコンテナーを形成している個々のコンテナー部分を互いに引き離すようにしてもよい。その結果、たとえばツイストロックコンテナーの保守時に好適な接近性が与えられる。
【0021】
さらに、個々のコンテナー部分の間にシールを配置し、雨水、塵埃、或いは他の事物がコンテナー部分の間に侵入できないようにするのが有利である。シールとしてはたとえばゴムカバー或いはプラスチックカバーが考えられる。
【0022】
各コンテナー部分の内部には、ツイストロックを取り付け取り外しするための機能ヘッドが配置される。各コンテナー部分に設けられる操作開口部の数量に応じて、ツイストロックグリッパーを備えた1つまたは2つの機能ヘッドを配置してよい。ツイストロックグリッパー、ロック解除レバー、センサ、搬送チェーンのツイストロック受容部分を組み込んだ機能ヘッドはその都度使用するツイストロックのタイプに対応し、交換可能である。ツイストロックグリッパーは機能ヘッド内のロック解除レバーと連動して取り外しのために回転運動および引張り運動を実施する。場合によってはこれにバイブレータ装置を連結させてもよい。バイブレータ装置は、グリッパーが操作開口部内へ突出しているツイストロックをコーナー金具の開口部から振動により解除させ、その結果グリッパーを簡単に除去できるようにする。4つのコンテナー部分から構成される装置であればどの装置でも少なくとも4個のツイストロックグリッパー(操作開口部が2つ設けられている場合には選択的にそれぞれ4個ないし8個のツイストロックグリッパー)が互いに独立に作動する。ツイストロックグリッパーがツイストロックを除去すると、ツイストロックグリッパーはツイストロックを搬送チェーンのツイストロック受容部分に受け渡し、搬送チェーンでツイストロックをストックすることができる。1つのツイストロックがツイストロック受容部分に受け渡されると、ツイストロックグリッパーは操作開口部の方向へ戻り、搬送チェーンにより他のツイストロック受容部分は次のツイストロックが予想される個所へ搬送される。
【0023】
複数個のツイストロック受容部分を備えた複数個の搬送チェーンを上下に配置するのが有利である。上下に配置される搬送チェーンを装備するには、ツイストロックコンテナーに鉛直方向台車が配置されている必要がある。鉛直方向台車は機能ヘッドと取り出したツイストロックとを搬送チェーンの個々の階層へ移動させて搬送チェーンに受け渡す。複数個の搬送チェーンを重設する場合、まず上下に重なり合っているすべてのツイストロック受容部分をツイストロックで充填させ、次にすべての搬送チェーンをさらに移動させる。
【0024】
ツイストロックコンテナーの上に載置されるコンテナーによって高荷重が作用するので、ツイストロックコンテナーのコンテナー載置部位を補強するのが有利である。通常のコーナー載置点は使用できないので(ツイストロックがツイストロックコンテナーの操作開口部のなかへ突出するため)、コンテナーの規定にしたがって設けられる代替載置面を考慮する必要がある。このため、ツイストロックコンテナーに載置用ストライプの形態の補強部材を配置してよい。載置用ストライプはコンテナーの内部の底部構造に作用する支持プロフィールを備えている。
【0025】
さらに、個々のコンテナーの間に中央載置部材を配置するのが有利である。
【0026】
また、コンテナー間の間隔を設定するための調整装置を設けるのも有利である。
【0027】
さらに、コンテナーまたはコンテナー部分に操作誘導穴を設けるのも有利である。
【0028】
さらに、どのコンテナー(20フィートコンテナーか40フィートコンテナーか)がツイストロックコンテナー上に載置されるか、ツイストロックを取り付けるべきか取り外すべきか、ツイストロックがいつ操作開口部内へ突出したかを検知するセンサ装置を設けるのが有利である。
【0029】
本発明による解決手段の利点は、どの港でも種々のサイズのコンテナーのコーナーからツイストロックを自動的に且つ迅速に除去でき、船に積載される他のサイズの空のコンテナーとしての新たなコンテナーに即座に且つ自動的にツイストロックを備えさせることができることである。その後に、ツイストロックを取り付けたコンテナーに荷物の積み込みを行なう。したがってツイストコンテナーを一緒に積載できるので、次の港の埠頭で、或いはツイストロックコンテナーのコンテナーブリッジのプラットホームで、荷降ろしと取次ぎを行なった後に、空になっているコンテナーからのツイストロックの除去を迅速且つ自動的に行なうことができる。したがってコンテナーの迅速な荷積み、荷降ろしが可能なばかりでなく、ツイストロックの簡単で低コストの取り外し、取付けが可能である。コンテナーはすでにツイストロックコンテナーが接近する段階でセンサにより検知され、その後ツイストロックグリッパーとマガジン装置とが適当な信号により作動する。
【0030】
ツイストロックの自動的な取り外しは、ツイストロックコンテナーを所定のスペースに降ろして固定し、操作開口部がコンテナーコーナーにおけるツイストロックの位置と一致するようにツイストロックコンテナーを位置調整するようにして行なう。その後、最初のコンテナーをそのツイストロックとともにツイストロックコンテナーの上に降ろしてツイストロックの大部分がコンテナーの操作開口部のなかへ突出するようにし、次にツイストロックをコンテナーに設けたツイストロックグリッパーにより把持してこれから除去する。ツイストロックコンテナー上へのコンテナーの載置は心合わせ装置(フリッパー)を介して行い、センサによって記録する。センサはツイストロックコンテナーの上または内部に配置してよい。しかし、センサをコンテナーの内部に配置して、圧力に、またはコンテナー内へ突出しているツイストロックに反応させるようにしてもよい。コンテナーが終端位置に達すると、ツイストロックグリッパーに信号が与えられ、ツイストロックグリッパーはツイストロックを把持し、回転し、引張り、場合によっては振動し、搬送ユニットに受け渡す。この搬送ユニットは搬送チェーンに設けたツイストロック受容部材であってよく、この場合複数個のツイストロック受容部材を1つの無端のチェーンに配置してよい。このように構成すると、複数個のチェーンのツイストロック受容部材でツイストロックをストックして、船の1つまたは複数のハッチ通路のすべてのツイストロックをこれらチェーンのツイストロック受容部材で受容することができる。もちろん、ツイストロック受容部材がツイストロックをストックのために搬送して保管するようにしてもよい。
【0031】
すべてのツイストロックが船の1つまたは複数のハッチ通路のコンテナーから除去された後、ツイストロックの取付けを逆の順序で行なう。このため最初のコンテナーをツイストロックコンテナー上に載置し、その際ツイストロックを1つのコンテナーの4つのコーナーから同時にコンテナー内へ挿着し、次にこのコンテナーを船に積載する。この積み上げ、積み下ろしの過程は、船に横付けされているコンテナーブリッジの数量に応じて複数回反復される。最後のコンテナーとしてツイストロックコンテナーを船に積載する。
【0032】
以上述べたように、一連のタイプから成っているツイストロックはコンテナー船に帰属するものである。したがって、コンテナー船の航海中全体において同じ作業を荷積みの固定のために再三行なう。よって、コンテナーにおいてツイストロックを自動的に操作するための装置全体を船と一緒に運んでもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
次に、本発明の実施形態を添付の図面を用いて詳細に説明する。
図1は埠頭2に横付けした後のコンテナー船1を示している。埠頭2には、コンテナー船1にコンテナー6を荷積み、荷降ろしするための装置(コンテナーブリッジ移動用ウィンチ4、スプレッダー5)を備えた1個または複数個のコンテナーブリッジ3が設置される。
【0034】
コンテナー船1の甲板14上に搬送されるコンテナー6はすべてコンテナーコーナー金具7,8を介してツイストロック10と控え棒13とにより航行可能に固定される(図2)。
【0035】
ツイストロック10は、実質的に、コーナー金具7,8の開口部9に係合するアダプター・スペーサー部材11と、手動または半自動的に位置調整可能なハンマー状の成形部材12とから構成されている(図3)。
【0036】
控え棒13を除去し、ツイストロック10を開錠すると、ツイストロック10が下部コンテナーコーナー金具8から突出してコンテナーは荷降ろし準備状態になる(図4)。ツイストロック10はコンテナー船1に付属するものであり、コンテナー船1ごとに異なるタイプのツイストロック10を付設できるので、コンテナー船1の航行期間中いつでも自動的な取り外しが可能である。
【0037】
コンテナー船1には、コンテナー船1にコンテナーブリッジ3を設置できる最大個数に応じて、種々のコンテナーサイズのツイストロック10を自動的に管理して保管するための装置を一式備えたツイストロックコンテナー15が設けられている(図5)。
【0038】
搬送用ロック装置を除去した後の最初の荷降ろし過程として、スプレッダー5、コンテナーブリッジ移動用ウィンチ4を用いてツイストロックコンテナー15を埠頭2に持ち来たし、載置する。
【0039】
40フィートコンテナー58の寸法とコーナー金具で採寸したツイストロックコンテナー15を、電気ケーブル16を介してコンテナーブリッジ3に接続させる。
【0040】
これとは択一的に、バッテリー給電を行なってもよい。この場合には、航行中にバッテリーを搭載電源で充電させることができる。さらに、ツイストロックコンテナー15内での進行状態全体を船から無線で制御するようにしてもよい。
【0041】
図6ないし図8はツイストロックコンテナーの詳細図である。コンテナー58は互いに並設された4つの部分17,18,19,20から成っており、これらの部分は横ガイド21と縦ガイド22と変形可能なシール部23とを介して互いに結合されている。横ガイド21と縦ガイド22とは剛体として実施されている。位置固定のコンテナー部分17(載置部材24を備え、地面上に固定載置される)を起点としてコンテナー部分18,20を横方向に、そしてコンテナー部分19,20を縦方向にローラまたは回転ローラ25を介して移動させて、種々のコンテナーサイズのツイストロック10を取り出すための操作用開口部26を機能領域に位置決めさせる。操作用開口部26には、補強された沈殿槽53が配置されている(図14を参照)。
【0042】
これとは択一的に、4つのすべてのコンテナー部分17,18,19,20を中央の支持部(図示せず)を介して横方向および縦方向に移動させるようにしてもよい。このために、すべてのコンテナー部分17,18,19,20の下に回動ローラが配置される。
【0043】
図9,図10、図11、図12は個々のコンテナー部分17,18,19,20の構成を示している。4つのコンテナー部分17,18,19,20のそれぞれは構成が同一のツイストロック取り出し装置を備えており、ツイストロック取り出し装置は主構成要素としての操作装置27と、マガジン装置28とから構成されている。
【0044】
操作装置27は、コンテナー壁29に固定される鉛直方向の位置調整ユニット30と、移動可能な鉛直方向の担持アーム31と、水平台車32とから構成されている。水平台車32には、ツイストロックのタイプに応じて構成される機能ヘッド33が装着されている。機能ヘッド33にはツイストロックグリッパー34と、複数個のロック解除レバー35と、機能ヘッド33を回転させるための回転装置36と、機能ヘッド33と水平台車32との間に配置される弾性的な中間層37と、ツイストロック10を場合によっては緩めるためのバイブレータ装置38とが組み込まれている。
【0045】
図10と図11は担持アーム31、水平台車32の変形実施形態であり、回動アーム40が設けられている点で上記実施形態とは異なっている。
【0046】
図13と図14はツイスト取り出し・マガジン装置を示している。マガジン装置28は、ツイスト受容部分42と搬送チェーン連結棒43とを取り付けた、水平方向に配置される1個または複数個の搬送チェーン41から構成されている。搬送チェーン41の駆動はスプロケットホイール44を介して行なわれ、スプロケットホイール44は転向軸46下方の駆動軸45に嵌合している。鉛直方向に力を逃がし、案内するため、搬送チェーン連結棒43には支持ローラ48とガイドローラ49とが取付けられ、支持ローラ48とガイドローラ49とはU字状プロフィール部材50で案内されている。
【0047】
ツイストロック10は、受容部分42での位置を固定し保持するため、海陸での運搬中に固定要素51と取り出し防止装置52とにより固持される。
【0048】
40フィートコンテナーを4つの部分17,18,19,20に分割したことにより、コンテナー6を積み上げるために積み上げ面を設け、且つコンテナーを補強する必要がある。
【0049】
補強部はコンテナー積み上げ板53と、補強板54と、支持プロフィール部材55と、底部構造部56とから成っている(図14)。
【0050】
図15ないし図19は、40フィートないし60フィートの異なるコンテナーサイズにおけるコンテナー部分17,18,19,20の配置構成を示したものである。この場合、図16と図18に図示したように、45フィートコンテナーを使用してツイストロックコンテナー15に横位置調整手段のみを備えさせてもよい。
【0051】
さらに、図19に図示したように、ツイストロックコンテナーに横位置調整手段も縦位置調整手段も備えさせなくてもよい。このコンテナー60は特殊なコンテナーであり、対応的な操作が必要である。
【0052】
図20は、本発明による装置を用いて取り付け取り外し可能な種々のツイストロックを示したものである。
【0053】
以下では、ツイストロックを自動的に取り出すための方法について説明する。
ツイストロックコンテナー15が使用準備状態にあることを確認した後、取り出し過程を開始する。最初に納入されるツイストロックコンテナー15がどのサイズのものなのか、20フィートのものであるか40フィートのものであるかわからないので、センサ39を組み込んだ機能ヘッド33をすべて待機状態にしておく。コンテナーのサイズを判別するセンサ39は垂直方向上向きに検知を行なう。たとえば40フィートのコンテナ6が接近すると、このサイズを判別するセンサ39が応答する。これはツイストロックコンテナー15の上面に設けた40フィートフリッパー40へすぐに通知されて即座に機能ヘッドツイストロックグリッパー34へ供給され、該グリッパーを開き、さらにマガジン装置27へ通知されて空になっている保管スペースを準備させるとともに、20フィート機能ヘッド33へも通知されてパーキング位置へ戻させる。コンテナー6をさらに降下させると、コンテナー6はフリッパー61を介して心合わせされ、ツイストロックコンテナー15上へ載置される。この場合、突出しているツイストロック10は準備状態にある機能ヘッド53の開口したグリッパー34のなかへ進入する。アダプタ・スペーサ部材12の中央領域でツイストロック10を把持した後、機能ヘッドロック解除レバー35を用いてツイストロック10を移動させ解除する。機能ヘッド33のなかに組み込まれているバイブレータ装置38はこの解除過程を補助する。
【0054】
解除したツイストロック10はグリッパー34を用いてコーナー金具8の開口部9から走出させる。
【0055】
すべてのツイストロック10を取り外した後、コンテナー6は転送準備状態になる。
【0056】
ツイストロック10を保管するため、ツイストロックコンテナー15内には4つの面上に、各コンテナーコーナー部を受容するための160個の受容部位42が設けられている。コンテナー6から取り出されたツイストロック10はツイストロック操作装置27を用いて垂直運動と回転運動とによりマガジン装置28の所定の保管スペースにもたらされ、受容部位42上に降ろされて固定要素51で相対回転不能に固定される。
【0057】
ツイストロック10をコンテナー6に取付けるには逆の過程を行なう。
【0058】
大型のコンテナー船の甲板にはハッチ通路に最大で120個のコンテナー6があり、コンテナー積み替え過程ではコンテナーブリッジ3をずらす前に荷積み、荷降ろしが行なわれるので、各コンテナーコーナーごとに設けられた160個のツイストロック保管スペースは数量的に十分である。
【0059】
次に、図20に例示したツイストロックの取り付け取り外しについて説明する。図20は5つの異なるツイストロックを示したもので、これらのツイストロックはツイストロックコンテナー15内で異なる機能ヘッド33により操作される。機能ヘッド33は操作されるツイストロック62,63,64,65または66に応じて交換可能である。
【0060】
図20のツイストロック62はロック位置で図示されており、すなわちこの位置で2つのコンテナー6がツイストロック62により互いに連結される。2つのコンテナー6を互いに引き離すため、手動回転レバー67を左側へ40゜回転させてストッパーで係止させ、この位置でスプリングピンにより保持させる。上側のコンテナー6を持ち上げると、ツイストロック62はこのコンテナーのコンテナーコーナー7に残る。
【0061】
ツイストロック62の取り外しは、手動で手動回転レバー67を右側へ40゜回転させることによりゼロ位置へ戻し、ほぼ5mm引き上げ、さらに20゜右側へ回転させる。
【0062】
ツイストロック62の取り付けは手動回転レバー62の20゜位置で行なう。ツイストロック62をコンテナーコーナー7に残すため、回転手動レバー62をゼロ位置へ戻す。これは甲板上で2つのコンテナー6を自動的にロックするためのホームポジションでもある。
【0063】
図20のツイストロック63はロック位置で図示されており、すなわちこの位置で2つのコンテナー6がツイストロック63により互いに連結される。2つのコンテナー6を互いに引き離すため、手動回転レバー67を左側へ30゜回転させ、この位置でスプリングピン71により保持させる。このレバー運動は、押圧ピン71がケーシング内でコンテナーの重量により下方へ押された場合にだけ可能である。上側のコンテナー6を持ち上げると、ツイストロック63はこのコンテナーのコンテナーコーナー7に残る。
【0064】
ツイストロック63の取り外しは手動回転レバー67をゼロ位置を越えて右側のストッパーまで回転させることで行なう。すなわち全体で60゜回転させる。これはスプリングピン71が押し込まれている場合にのみ可能である。
【0065】
ツイストロック63の取り付けは手動回転レバー67の30゜ストッパー位置で行なう。ツイストロック63をコンテナーコーナー7に残すため、手動回転レバーをゼロ位置へ回転させる。これはスプリングピン71が押し込まれている場合にのみ可能である。したがってツイストロック63は自動ロック用のホームポジションにある。
【0066】
図20のツイストロック64はロック位置で図示されており、すなわちこの位置で2つのコンテナー6がツイストロック64により互いに連結される。2つのコンテナー6を互いに引き離すため、手動回転レバー74を上側へ45゜回転させる。上側のコンテナー6を持ち上げると、ツイストロック64はこのコンテナーのコンテナーコーナー7に残る。
【0067】
ツイストロック64を取り外すため、ケーシング69全体を35゜回転させ、この場合ロック解除レバー73を下方へ15mm移動させる必要がある。これによりロックピン72がケーシング69のなかへ走入し、これによりツイストロック位置固定部分70とともにケーシング69を前記のように回転させることが可能になる。この場合手動回転レバー74はホームポジションにある必要がある。
【0068】
ツイストロック64の取り付けはコンテナーコーナー7から取り外す場合と同様にして行なう。ツイストロックケーシング69をコンテナーコーナー7において35゜回転で固定させる。この場合ロックピン72をロック解除レバー73によりケーシング69内へ引き込む必要がある。位置決めを実施すれば、ロックピン72はツイストロック64が不慮にはずれないようにする。手動回転レバー74は引き続き自動ロックを行なうためにホームポジションへもたらす必要がある。
【0069】
図20においてツイストロック65はロック位置で図示されている。すなわちこの位置で2つのコンテナー6はツイストロック65により互いに連結されている。両コンテナー6を互いに引き離すため、ロープ76を完全に引き出し、スペーサープレート75の外側のスリットに係留させる。上側のコンテナー6を持ち上げると、ツイストロック65はこのコンテナーのコンテナーコーナー7にとどまる。
【0070】
ツイストロック65の取り外しはロープ76を半分の長さだけ引き出し、スペーサープレート75の側部スリットに適宜ロックさせる。
【0071】
ツイストロック65を取り付けるには前述のようにロープ76を予め緊張させておく。すなわちロープ76をスペーサープレート75の側部スリットにロックさせておく。ツイストロック65がコンテナーコーナー7に残るように、このロック部からロープ76をはずし、その結果ロープ76はばね力でケーシング69のなかへ引き込まれる。これは甲板上で2つのコンテナー6を自動的にロックするためのホームポジションである。
【0072】
図20のツイストロック66はロック位置で図示されており、すなわちこの位置で2つのコンテナー6がツイストロック66により互いに連結される。2つのコンテナー6を互いに引き離すため、引張り棒77をケーシング69から25mm引き出す。上側のコンテナー6を持ち上げると、ツイストロック66はこのコンテナーのコンテナーコーナー7にとどまる。
【0073】
ツイストロック66をコンテナーコーナー7から取り外すためには下側のツイストロックボルト68を150゜回転させる。
【0074】
ツイストロック66の取り付けは引張り棒77をケーシング69のなかへ走入させることで行なう。ツイストロック66がコンテナーコーナー7に残るようにするため、下側のツイストロックボルトをばね力に抗して65゜回転させる。上側のツイストロックボルトをコンテナーコーナー7のなかへ走入させた後、該ツイストロックをばね力によりホームポジションへ戻すことにより、2つのコンテナー6の自動ロック準備状態になる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】コンテナークレーンと、コンテナー船と、ツイストロックコンテナーを併せて図示したターミナルの図である。
【図2】コンテナーを積載したコンテナー船のデッキの部分図である。
【図3】ロックされたツイストロックを併せて図示したコンテナー金具の図である。
【図4】ロック解除されたツイストロックを併せて図示したコンテナー金具の図である。
【図5】ツイストロックコンテナーの可能な設置位置を図示したターミナルの図である。
【図6】ツイストロックコンテナーを合体させた等角投影図である。
【図7】ツイストロックコンテナーを引き離した等角投影図である。
【図8】コンテナーと該コンテナーから引き離されたツイストロックコンテナーとの等角投影図である。
【図9】内部装備品の等角投影図である。
【図10】内部装備品の等角投影図である。
【図11】ツイストロック操作装置およびマガジン装置の詳細図である。
【図12】ツイストロック保管部の詳細図である。
【図13】搬送チェーンの横断面図である。
【図14】ツイストロック操作装置の横断面図である。
【図15】40フィートツイストロックコンテナーの概観図である。
【図16】45フィートツイストロックコンテナーの概観図である。
【図17】40フィートツイストロックコンテナーの基本構成概略図である。
【図18】45フィートツイストロックコンテナーの基本構成概略図である。
【図19】ツイストロック特殊コンテナーの基本構成概略図である。
【図20】本発明にしたがって取り付け取り外し可能なツイストロックの種々の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0076】
1 コンテナー船
2 埠頭
3 コンテナーブリッジ
4 コンテナーブリッジ移動用ウィンチ
5 スプレッダー
6 コンテナー
7 コーナー金具
8 下部コンテナーコーナー金具
9 コーナー金具の開口部
10 ツイストロック
11 アダプター・スペーサー部材
12 アダプタ・スペーサ部材
13 控え棒
14 コンテナー船の甲板
15 ツイストロックコンテナー
16 電気ケーブル
17 位置固定のコンテナー部分
18 横移動可能なコンテナー部分
19 縦移動可能なコンテナー部分
20 縦横に移動可能なコンテナー部分
21 横ガイド
22 縦ガイド
23 シール部
24 載置部分
25 回転ローラ
26 操作用開口部
27 操作装置
28 マガジン装置
29 コンテナー壁
30 鉛直方向ユニット
31 担持アーム
32 水平台車
33 機能ヘッド
34 ツイストロックグリッパー
35 ロック解除レバー
36 回転装置
37 弾性的な中間層
38 バイブレータ装置
39 センサ
40 回動アーム
41 搬送チェーン
42 ツイストロック受容部分
43 連結棒
44 スプロケットホイール
45 駆動軸
46 転向軸
47 駆動モータ
48 支持ローラ
49 ガイドローラ
50 U字状プロフィール
51 固定要素
52 取り出し防止装置
53 コンテナー載置板
54 補強板
55 支持プロフィール
56 底部構造部
57 位置調整モータ
58 コンテナー(40フィート)
59 コンテナー(45フィート)
60 特殊コンテナー
61 フリッパー/心合わせ要素
62 A形ツイストロック
63 B形ツイストロック
64 C形ツイストロック
65 D形ツイストロック
66 E形ツイストロック
67 回転レバー
68 挿入段階のツイストロック
69 ケーシング
70 ツイストロック位置固定部分
71 加圧ピン
72 ロックピン
73 レバー
74 手動レバー
75 スペーサープレート
76 ロープ
77 控え棒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個のコンテナー(6)を互いに連結させて搬送時の安定性を向上させるためのツイストロック(10)をコンテナーコーナー(7,8)に自動的に取付け取り外しするための装置であって、ツイストロックコンテナー(15)を有し、該ツイストロックコンテナー(15)が、その上面に設けられるコンテナー載置板(53)と、コンテナー(6)を降ろした後にツイストロック(10)の大部分を挿入させるための操作開口部(26)と、ツイストロック(10)をコンテナー(6)に取り付け取り外しするための操作装置(27)と、コンテナー(6)を検知し、ツイストロックコンテナー(15)内でツイストロックグリッパー(34)とマガジン装置(28)とが作動したときに信号を発するセンサ装置とを備えた装置。
【請求項2】
ツイストロックコンテナー(15)が相互の間隔を調整可能な複数個のコンテナー部分(17,18,19,20)から構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
ツイストロックコンテナー(15)に取り付けられたセンサ装置(61)がコンテナーサイズ、ツイストロック(10)、およびコンテナー載置過程を検知するために設けられていることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
1つのコンテナー部分(17,18,19,20)に、該コンテナー部分をその土台(2)に対し固定させるための載置部材(24)が配置されていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項5】
コンテナー部分(17,18,19,20)がその下面に縦ローラ、横ローラ、または回転ローラ(25)を備えていることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項6】
コンテナー部分(17,18,19,20)の間にシール部(23)、横ガイド(21)および縦ガイド(22)が配置されていることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項7】
機能ヘッド(33)にバイブレータ装置(38)が配置されていることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項8】
コンテナー部分(17,18,19,20)内の搬送チェーン(41)にツイストロック受容部材(42)が配置され、ツイストロックグリッパー(34)から取り出されたツイストロック(10)をツイストロック受容部材(42)で受容することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項9】
受容部材(42)を備えた複数個の搬送チェーン(41)が上下に重設され、ツイストロック(10)を異なる搬送チェーン(41)へ搬送するためのバーチカルユニット(30)が設けられ、バーチカルユニット(30)が担持アーム(31)と水平台車(32)とを備えていることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか一つに記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2006−516014(P2006−516014A)
【公表日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−500469(P2006−500469)
【出願日】平成16年1月12日(2004.1.12)
【国際出願番号】PCT/DE2004/000019
【国際公開番号】WO2004/065264
【国際公開日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(505269652)ノエル モビーレ システムス アンド クレーンス ゲーエムベーハー (2)
【Fターム(参考)】