説明

ティッシュボックス

【課題】ティッシュを使い終わった後にマスクとして有効活用することができるティッシュボックスを提供する。
【解決手段】ティッシュボックスB1は、側面部2,3と正面部4とを切り離すための第1のミシン目M1と、側面部2,3と背面部5とを切り離すための第2のミシン目M2と、側面部2,3と底面部6とを切り離すための第3のミシン目M3と、正面部4と底面部6を切り離すための第4のミシン目M4とが設けられている。この第1〜第4のミシン目M1〜M4を切り離すことで、側面部2,3を耳当てとし、天面部1の透明フィルム1cを覗き窓として、顔を覆うマスクとして展開することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ティッシュペーパーを使い終わった後に再利用することができるティッシュボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ティッシュペーパーを使い終わるとティッシュボックスは捨てられるが、再利用することができるものが知られている。例えば、特許文献1には、ティッシュペーパーを使い終わった後にごみ箱として使用することができる「再利用可能なティッシュペーパー箱」が記載されている。
【0003】
ところで、顔を覆うマスクは、顔を保護するものやお祭りなどの玩具として販売されるものとして知られている。
従来のマスクとして、例えば、特許文献2には、透明のシートやマスクにひもを取付け、料理の際に顔に装着して、やけどなどを防ぐことができる「湯お湯お料理素材が顔や首に飛び散らないように防止するマスク」が記載されている。
【0004】
また、特許文献3には、上面が開口した細長い直方体状の内箱と、内箱が嵌合する角筒状の蓋体とからなる厚紙を折って形成した菓子や寿司等の簡易食品箱であって、蓋体のシート基材に仮面模様を付すとともに、仮面模様の目玉部周縁に断続スリット又はミシン孔からなる分離孔を設け、シート基材の左右両側に輪ゴムや紐等を掛ける第1係止部を設けた「簡易食品箱」が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−152167号公報
【特許文献2】特開2007−48134号公報
【特許文献3】特開2006−315743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献2に記載のマスクでは、顔を覆うことで、油の飛び散りを避けることができるものの、材料として、透明プラスチックや透明樹脂,透明ビニールシートなどの素材を用いており、省資源化か進められている中で再利用したものではないため、環境保全の観点からあまり適したものといえない。
また、特許文献3に記載の簡易食品箱は、空き箱を再利用する点において省資源に配慮されたものといえるが、この簡易食品箱を保護するマスクとしては、目の部分を繰り抜いて形成するため、目が露出するおそれがあり、油の飛び散りを防止するという目的には使用しにくい面がある。
【0007】
そこで本発明は、ティッシュを使い終わった後にマスクとして有効活用することができるティッシュボックスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のティッシュボックスは、ティッシュペーパーが収納される直方体状のティッシュボックスにおいて、前記ティッシュペーパーを取り出すための透明フィルムが設けられた天面部の開口部を覗き窓とし、一対の側面部を耳当てとし、装着者の顔を覆うマスクとして展開可能としたものである。
本発明によれば、展開することで、天面部が目に位置し、両側面部が耳に位置することで、透明フィルムから前方を確認しながら顔全体を保護することができる。
【0009】
前記一対の側面部と前記天面部の前側の長辺に繋がる正面部とを切り離すための第1のミシン目と、前記一対の側面部と前記天面部の後ろ側の長辺に繋がる背面部とを切り離すための第2のミシン目と、前記一対の側面部と前記天面部と反対側となる底面部とを切り離すための第3のミシン目と、前記正面部と前記背面部とを切り離すための第4のミシン目とが設けられたものとすることができる。第1〜第4のミシン目を切り離して展開すれば、顔全体を覆うマスクとすることができる。
【0010】
前記第4のミシン目は、前記正面部と前記底面部との間の折り曲げ位置、または前記背面部と前記底面部との折り曲げ位置に設けると、底面部を正面部から切り離して背面部に繋がった状態としたり、背面部から切り離して正面部に繋がった状態としたりすることができる。
【0011】
前記一対の側面部に、耳に掛けるリング体を取り付けるための穴が設けられていると、リング体を耳に掛け回すことで、展開したティッシュボックスを顔に取付け装着することができる。
【0012】
前記一対の側面部に、耳に掛けるために、円弧状またはコ字状の第5のミシン目が設けられていると、耳たぶを側面部に嵌め込むことができるので、顔の小さい子供であっても、展開したティッシュボックスを顔に取付け装着することができる。
【0013】
前記底面部の一部または全部を帯状紐部として、前記一対の側面部に繋がった状態で、前記正面部と前記背面部とを切り離したものとすることができる。底面部を帯状紐部として一部または全部を残すことで、帯状紐部を装着者の後頭部に回す装着用バンドとすることができるので、輪ゴムなどを準備することなくマスクを装着することができる。
【0014】
前記天面部を含む面のおもて面または裏面に、顔を象った図形が付与されていると、小さい子供は顔を保護するマスクとするだけでなく、玩具のお面としても使用することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明のティッシュボックスによれば、ミシン目に沿って展開することで、透明フィルムから前方を確認しながら顔全体を保護することができるので、ティッシュを使い終わった後にマスクとして有効活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態1に係るティッシュボックスを示す図であり、(A)は正面部側から見た斜視図、(B)は背面部側から見た斜視図である。
【図2】図1に示すティッシュボックスの展開した状態のおもて面側の図である。
【図3】本発明の実施の形態2に係るティッシュボックスを示す図であり、(A)は正面部側から見た斜視図、(B)は背面部側から見た斜視図である。
【図4】図3に示すティッシュボックスの展開した状態の裏面側の図である。
【図5】本発明の実施の形態3に係るティッシュボックスを展開した状態を示す正面部側から見た斜視図である。
【図6】図5に示すティッシュボックスの展開した状態の裏面側から見た斜視図である。
【図7】(A)〜(D)は、本発明の実施の形態3に係るティッシュボックスの変形例を示す裏面側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係るティッシュボックスについて図1および図2に基づいて説明する。なお、図1においては、ミシン目を点線にて示している。
図1(A)および同図(B)に示すように、ティッシュボックスB1は、ティッシュペーパーが収納される直方体状の紙製の箱である。ティッシュボックスB1は、天面部1と、一対の側面部2,3と、正面部4と、背面部5と、底面部6との六面により形成されている。
【0018】
天面部1には、ティッシュペーパーを取り出すための開口部1aが形成されている。この開口部1aには、スリット穴1bを有する透明フィルム1cが設けられている。
側面部2,3は、天面部1の両短辺に繋がっている。正面部4は、天面部1の前側の長辺に繋がっている。背面部5は、天面部1の後ろ側の長辺に繋がっている。底面部6は天面部1の反対側に位置している。
【0019】
このティッシュボックスB1には、第1から第4のミシン目M1〜M4が設けられている。第1のミシン目M1は、側面部2,3と正面部4とを切り離すために、側面部2,3と正面部4との間の折り曲げ位置に設けられている。
第2のミシン目M2は、側面部2,3と背面部5とを切り離すために、側面部2,3と背面部5との間の折り曲げ位置に設けられている。
第3のミシン目M3は、側面部2,3と底面部6とを切り離すために、側面部2,3と底面部6との間の折り曲げ位置に設けられている。
第4のミシン目M4は、正面部4と底面部6とを切り離すために、正面部4と底面部6との間の折り曲げ位置に設けられている。
側面部2,3には、穴2a,3aが設けられている。本実施の形態1では、略楕円状の穴2a,3aとしているが、略楕円状の穴2a,3aを切り取れるようなミシン目としてもよい。
【0020】
このようなティッシュボックスB1を、ティッシュペーパーを使い終わった後に、第1のミシン目M1から第4のミシン目M4を切り離して展開し、顔の小さい大人や子供であれば穴2a,3aに耳を嵌めこむ。また、顔の大きい大人であれば、リング体の一例である輪ゴムGを穴2a,3aに通すと、図2に示すような状態となるので、顔にティッシュボックスB1を装着することができる。
【0021】
このティッシュボックスB1を顔に当て、穴2a,3aに耳を嵌めたり、輪ゴムGを耳に掛けたりすると、天面部1が目に位置し、両方の側面部2,3がそれぞれの耳に位置し、正面部4が頭部に位置し、背面部5が鼻に位置し、そして底面部6が顎から首にかけて位置することで、透明フィルム1cが覗き窓になり、両方の側面部2,3が耳当てなって、ティッシュボックスB1を透明フィルム1cから前方を確認しながら顔全体を保護するマスクとすることができる。
【0022】
従って、天ぷらやフライなどの油料理の際に、透明フィルム1cにより前方を確認しながら料理することができ、油が飛び散っても透明フィルム1cが目を保護するので安心である。このようにティッシュボックスB1は、ティッシュペーパーを使い終わった後にマスクとして有効活用することができる。また、ティッシュボックスB1は、玩具のお面としても使用することができる。
【0023】
なお、本実施の形態1では、第4のミシン目M4を正面部4と底面部6との折り曲げ位置に設けていたが、背面部5と底面部6との折り曲げ位置に設けてもよい。その場合には、図2に示す展開図では、底面部6が正面部4に繋がることになるので、上下を反対にすればよい。
また、本実施の形態1では、穴2a,3aを耳に嵌め込むことができる程度の大きさとしているが、輪ゴムGが通せる程度の小さい穴としてもよい。
【0024】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係るティッシュボックスについて、図3および図4に基づいて説明する。なお、図3および図4については、図1および図2と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
【0025】
図3に示すティッシュボックスB2は、側面部2,3に耳に掛けるための第5のミシン目M5が設けられている。この第5のミシン目M5は、天面部1側が繋がった円弧状としたり、コ字状としたりすることができる。
【0026】
この側面部2,3に設けられた第5のミシン目M5が設けられていることで、第5のミシン目M5を切り離して顔と反対側へ押し出し、第5のミシン目M5を切り離すことでできる耳用の穴2b,3bに耳を掛ければ、押し出し片2c,3cが耳の前に位置するので、油の飛び散りから耳を保護する耳のカバーとすることができる。
【0027】
ティッシュボックスB2は、側面部2,3に耳に掛ける耳用の穴2b,3bが設けられていることで、図2に示すティッシュボックスB1と比べて、耳の間隔が狭い。従って、ティッシュボックスB2は、子供や顔が小さい大人でも装着することができる。
このようにティッシュボックスB2は油料理の際に顔を保護するマスクとして機能するだけでなく、ティッシュボックスB2の裏面には、顔を含む図形が象られているので、装着する子供は塗り絵などで楽しむことができ、玩具のお面としても使用することができる。
【0028】
なお、本実施の形態2では、図形が塗り絵を楽しむために輪郭線で付与されているが、絵や写真としてもよい。また、図形がティッシュボックスB2の裏面に付与されているが、おもて面に付与するようにしてもよい。また、図形は実施の形態1に係るティッシュボックスB1に付与してもよい。
また、本実施の形態2では、穴2b,3bに直接耳を嵌め込むことを例に説明したが、図2に示すように、顔の大きい大人であれば、輪ゴムを穴2b,3bに取り付けて顔に装着するようにしてもよい。
【0029】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係るティッシュボックスについて、図5および図6に基づいて説明する。なお、図5および図6については、図1から図4と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。また、図5および図6においては、おもて面または裏面に付与した絵や写真は省略している。
図5および図6に示す本実施の形態3に係るディッシュボックスB3は、底面部6に帯状紐61を確保して装着用バンドすることを特徴とするものである。
【0030】
第3のミシン目M3xは、一対の側面部2,3と底面部6とのそれぞれの間の折り曲げ位置の一部を接続部61aとして残して、底面部6と側面部2,3と切り離すものである。
第4のミシン目M4xは、接続部61aが一対の側面部2,3に繋がった状態で、接続部61a同士の間を帯状紐部61として、帯状紐部61の長手方向に沿った上端辺となる正面部4と底面部6(帯状紐部61)との間の折り曲げ位置と、帯状紐部61の長手方向に沿った下端辺となる位置とに形成されている。
【0031】
このように、底面部6を帯状紐部61として一部を残すことで、帯状紐部61を装着者の後頭部に回す装着用バンドとすることができるので、輪ゴムなどを準備することなくマスクを装着することができる。
【0032】
本実施の形態3では、帯状紐部61が底面部6の上端位置であるため、帯状紐部61を除いた底面部6の残余部分の全部が背面部5に繋がっている。
そうすることで、目の位置から顎の位置までの長さが長いマスクとして好適であるが、図7(A)に示すように、装着者の頭頂部を覆い隠すために、帯状紐部61を底面部5の中間位置とすることもできる。この場合、一対の第4のミシン目M4xが、底面部6の中間位置となることで、帯状紐部61を除いた底面部6の上側残余部分6aは正面部4に繋がった状態となり、底面部6の下側残余部分6bは背面部5に繋がった状態となる。
【0033】
また、図7(B)に示すように、帯状紐部61を底面部5の下端位置とすることもできる。この場合、一対の第4のミシン目M4xのうち、一方の第4のミシン目M4xを、帯状紐部61の長手方向に沿った下端辺となる背面部5と底面部6との間の折り曲げ位置に形成し、他方の第4のミシン目M4xを、帯状紐部61の幅分の上方位置に形成する。
そうすることで、帯状紐部61を除いた底面部6の残余部分の全部が正面部4に繋がった状態となるため、装着者の頭頂部を広く覆い隠すことができる。また、上下を逆さまにすれば、図5および図6に示すマスクと同じとなる。
【0034】
更に、本実施の形態3では、帯状紐部61の幅を底面部6の一部としているが、図7(C)に示すように、底面部6の全部を帯状紐部61としてもよい。
そうすることで、後頭部を幅広く覆うことができるのでずれにくい。また、帯状紐部61の下端が首筋に引っ掛かれば、ずれの防止にもなる。
この場合、一対の第4のミシン目M4xのうち、一方が正面部4と底面部6との間の折り曲げ位置となり、他方が背面部5と底面部6との間の折り曲げ位置となる。
【0035】
また、上記例では、帯状紐部61を1本としているが、図7(D)に示すように、底面部6に2本またはそれ以上の帯状紐部61を形成するようにしてもよい。この場合、帯状紐部61の間の矩形状領域は切除される。
帯状紐部61を複数設けることで、帯状紐部61を略球面である後頭部にフィットさせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、ティッシュペーパーが収納された様々なティッシュボックスに好適である。
【符号の説明】
【0037】
B1,B2,B3 ティッシュボックス
1 天面部
1a 開口部
1b スリット穴
1c 透明フィルム
2,3 側面部
2a,3a 穴
2b,3b 穴
2c,3c 押し出し片
4 正面部
5 背面部
6 底面部
61 帯状紐
6a 上側残余部分
6b 下側残余部分
M1 第1のミシン目
M2 第2のミシン目
M3,M3x 第3のミシン目
M4,M4x 第4のミシン目
M5 第5のミシン目
G 輪ゴム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ティッシュペーパーが収納される直方体状のティッシュボックスにおいて、
前記ティッシュペーパーを取り出すための透明フィルムが設けられた天面部の開口部を覗き窓とし、一対の側面部を耳当てとし、装着者の顔を覆うマスクとして展開可能としたティッシュボックス。
【請求項2】
前記一対の側面部と前記天面部の前側の長辺に繋がる正面部とを切り離すための第1のミシン目と、
前記一対の側面部と前記天面部の後ろ側の長辺に繋がる背面部とを切り離すための第2のミシン目と、
前記一対の側面部と前記天面部と反対側となる底面部とを切り離すための第3のミシン目と、
前記正面部と前記背面部とを切り離すための第4のミシン目とが設けられた請求項1記載のティッシュボックス。
【請求項3】
前記第4のミシン目は、前記正面部と前記底面部との間の折り曲げ位置、または前記背面部と前記底面部との折り曲げ位置に設けた請求項2記載のティッシュボックス。
【請求項4】
前記一対の側面部には、耳に掛けるリング体を取り付けるための穴が設けられている請求項1から3のいずれかの項に記載のティッシュボックス。
【請求項5】
前記一対の側面部には、耳に掛けるために、円弧状またはコ字状の第5のミシン目が設けられている請求項1から3のいずれかの項に記載のティッシュボックス。
【請求項6】
前記底面部の一部または全部を帯状紐部として、前記一対の側面部に繋がった状態で、前記正面部と前記背面部とを切り離した請求項1記載のティッシュボックス。
【請求項7】
前記天面部を含む面のおもて面または裏面に、顔を象った図形が付与されている請求項1から6のいずれかの項に記載のティッシュボックス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−56705(P2013−56705A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−169501(P2012−169501)
【出願日】平成24年7月31日(2012.7.31)
【出願人】(511198151)株式会社馬場市助商店 (1)
【Fターム(参考)】