説明

ティッシュ収納箱

【課題】使用済みティッシュ収納箱を、狭い空間に配置しても邪魔にならないゴミ箱として再利用する。
【解決手段】上面にティッシュ取り出し口120を備えた直方体のティッシュ収納箱100において、当該ティッシュ収納箱100の周囲に施され、かつ、当該ティッシュ収納箱100を側面に平行な面で切断することをガイドするミシン目であって、前記ティッシュ取り出し口120を横切る第1のミシン目110と、底面において前記第1のミシン目110に直交する第2のミシン目と、が施され、当該ティッシュ収納箱100を前記第1のミシン目110に沿って切断すると共に、前記底面に前記第2のミシン目に沿って切れ目を入れ、該切れ目どうしを噛み合わせた状態で、切断された2つの部位のうち一方を他方に挿嵌させることによって、当該ティッシュ収納箱100の当初の大きさに比し小さいゴミ箱とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ティッシュ収納箱をゴミ箱として再利用する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、収納(包装)されているティッシュペーパー(以下、「ティッシュ」という。)を使い終わった後、ティッシュ収納箱はゴミとして廃棄される。また、使用済みティッシュ収納箱の体積(容積)を小さくし、廃棄の際の嵩張りを回避するために、当該箱の表面に折り畳みをガイドするミシン目が施されたものが散見される。
【0003】
一方、資源を有効活用する観点から、使用済みティッシュ収納箱を再利用するという考え方も存在する。例えば、使用済みのティッシュ収納箱をゴミ箱として再利用する技術について、下記のような提案がなされている。
【0004】
特許文献1では、「ティッシュペーパー箱のティッシュペーパー取り出し口の外側に大きくミシン目を設け、ティッシュペーパーがなくなったら、そのミシン目より切り取り大きな口を開けごみ箱として利用する」という提案がなされている。
【0005】
また、特許文献2では、「箱を製造する時に箱の片側に切り取り線をしるし、ふた部分とし,箱の中央に折り線をしるし、本体とし、箱のふた内側にナイロン袋を両面テープで接着する。底部分に折り線をしるし、箱に匂いをつける。空き箱をそれぞれ折り線どおりにすると、ごみ箱になる」という提案がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平6−35178号公報
【特許文献2】実開平5−35766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のティッシュ収納箱をゴミ箱として再利用する技術では、ティッシュ収納箱の当初の大きさが維持されるため、ゴミ箱として使用する場合に占有する空間が大きく、邪魔になるという問題点があった。特に、上記技術に係るゴミ箱を職場の机上等ある程度狭い空間に配置して使用することを想定した場合、ティッシュ収納箱の当初の大きさが維持されると、本来的に必要かつ重要な事務空間が圧迫され、当該ゴミ箱は非常に邪魔なものとなる。
そこで本発明では、上記問題点に鑑み、狭い空間に配置しても邪魔にならないゴミ箱として再利用が可能なティッシュ収納箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開示するティッシュ収納箱の一形態は、上面にティッシュ取り出し口を備えた直方体のティッシュ収納箱において、当該ティッシュ収納箱の周囲に施され、かつ、当該ティッシュ収納箱を側面と平行な面で切断することをガイドするミシン目であって、前記ティッシュ取り出し口を横切る第1のミシン目と、底面において前記第1のミシン目と直交する第2のミシン目と、が施され、当該ティッシュ収納箱を前記第1のミシン目に沿って切断すると共に、前記底面に前記第2のミシン目に沿って切れ目を入れ、該切れ目どうしを噛み合わせた状態で、切断された2つの部位のうち一方を他方に挿嵌させることによって、当該ティッシュ収納箱の当初の大きさに比し小さいゴミ箱が作製されることを特徴とする。
【0009】
また、開示するティッシュ収納箱の一形態は、さらに、前記第1のミシン目が、前記2つの部位の大きさが等しくなる位置に施され、前記第2のミシン目が、前記底面の中央に位置していても良い。
また、開示するティッシュ収納箱の一形態は、さらに、前記第1のミシン目が、当該ティッシュ収納箱の長辺を二分する位置に施されていても良い。
また、開示するティッシュ収納箱の一形態は、さらに、前記ゴミ箱が作製された場合、前記2つの部位のうち一方の表面に描かれた図柄と、前記2つの部位のうち他方の表面に描かれた図柄とが、所定の意味を有する模様になっても良い。
【発明の効果】
【0010】
開示するティッシュ収納箱は、狭い空間に配置しても邪魔にならないゴミ箱として再利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】従来のティッシュ収納箱の一例を示す図である。
【図2】本実施の形態に係るティッシュ収納箱の上面・側面を説明する斜視図である。
【図3】本実施の形態に係るティッシュ収納箱の底面・側面を説明する斜視図である。
【図4】本実施の形態に係るティッシュ収納箱から作製されたゴミ箱の底面を説明する斜視図である。
【図5】本実施の形態に係るティッシュ収納箱から作製されたゴミ箱の上面を説明する斜視図である。
【図6】本実施の形態に係るティッシュ収納箱から作製されたゴミ箱の上面を説明する斜視図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について説明する。
(ティッシュ収納箱の構造)
図1を用いて、従来のティッシュ収納箱200の概要について説明する。図1は、従来のティッシュ収納箱200の一例を示す図である。
【0013】
図1で示すように、従来のティッシュ収納箱200は、直方体の箱型形状をしており、箱200内部にティッシュを収納している。また、ティッシュ収納箱200は、上面にティッシュ取り出し口を有しており、当該取り出し口からティッシュ収納箱200に収納されているティッシュを一枚ずつ引き出して、当該ティッシュを使用する。そして、ティッシュ収納箱200は、収納されているティッシュが無くなると、通常、廃棄される。
【0014】
次に、図2及び図3を用いて、本実施の形態に係るティッシュ収納箱100の構造について説明する。ここで、図2は、ティッシュ収納箱100の上面・側面を説明するための斜視図であり、図3は、ティッシュ収納箱100の底面・側面を説明するための斜視図である。
【0015】
図2で示すように、ティッシュ収納箱100は、直方体の形状をしており、内部にティッシュを収納することができる。また、ティッシュ収納箱100は、その上面に、内部に収納したティッシュを取り出すためのティッシュ取り出し口120を有しており、取り出し口120からティッシュ収納箱200に収納されているティッシュを一枚ずつ引き出して、当該ティッシュを使用する。
【0016】
また、図2及び図3で示すように、ティッシュ収納箱100には、第1のミシン目110、第2のミシン目130が施されている。ここで、ミシン目とは、ティッシュ収納箱100表面に施されるものであって、ティッシュ収納箱100の切断・分割を容易にする役割を果たす。
【0017】
第1のミシン目110は、ティッシュ収納箱100の周囲に施され、第1のミシン目110に沿ってティッシュ収納箱100を切断した場合、切断面がティッシュ収納箱100の側面と平行になるように施される。また、第1のミシン目110は、ティッシュ取り出し口120を横切るように施される。
【0018】
また、第1のミシン目110は、ティッシュ収納箱100を真ん中から等しい大きさに分断する位置に施される形態としても良い。さらに、第1のミシン目110は、ティッシュ収納箱100の長手方向について真ん中から等しい大きさに分断する位置に施される形態としても良い。
【0019】
図3で示すように、第2のミシン目130は、ティッシュ収納箱100の底面(裏面)に施され、第1のミシン目110と直交するように施される。なお、第2のミシン目130は、第1のミシン目110に対し左右対称となるように施すことが好適である。
(ティッシュ収納箱からゴミ箱を作製する方法)
【0020】
図4乃至図6を用いて、ティッシュ収納箱100からゴミ箱を作製する方法について説明する。ここで、図4は、ティッシュ収納箱100から作製されたゴミ箱を底面方向から見た図であり、図5は、当該ゴミ箱を上面方向から見た図である。また、図6は、ティッシュ収納箱100から作製されたゴミ箱上に現れる模様について説明する図である。
【0021】
図4で示すように、第1のミシン目110に沿ってティッシュ収納箱100を2つの部位140、150に分断し、第2のミシン目130に沿ってティッシュ収納箱100の底面に切れ目を入れる。
【0022】
次に、部位140、150の底面にある切れ目130どうしを噛み合わせるようにし、部位140を部位150に挿嵌させる(部位150を部位140に挿嵌させても良い)。そうすると、図4及び図5で示すような、直方体の形状をし、ティッシュ取り出し口120がゴミ投入口となるゴミ箱が作製される。こうすることによって、ティッシュ収納箱100の当初の大きさに比し小さいゴミ箱が作製され、当該ゴミ箱は、体積が小さいため嵩張らず、狭いところにも配置できるため重宝される。
【0023】
なお、ティッシュ収納箱100の材料は、通常紙であり強度が低い。そのため、部位140、150を重ね合わせてゴミ箱を作製することにより、ゴミ箱の強度を高めている。
また、上記ゴミ箱に溜まったゴミは、再度、部位140、150を分離させた後、ゴミだけを捨てても良く、また、ゴミを収容した当該ゴミ箱ごと廃棄しても良い。部位140、150を分離させることは非常に容易な操作であるため、何れの手段を採用したとしても、ゴミ箱に溜まったゴミの処分は非常に簡単である。
【0024】
一方、図6で示すように、ティッシュ収納箱100から作製されるゴミ箱表面には、部位140表面の図柄と、部位150表面の図柄とが合わさって、所定の意味を有する模様160が出来上がる形態としても良い。つまり、ティッシュ収納箱100表面には、ゴミ箱が作製されて初めて意味をなす模様160が施されている。このようにすることによって、ティッシュ収納箱100からゴミ箱を作製した際の楽しみを大きくすることができる。
(ティッシュ収納箱の使用方法)
【0025】
ティッシュ収納箱100は、通常のティッシュ収納箱と同様に、使用する。つまり、ティッシュ収納箱100内にティッシュが収納されている間、ユーザは、上面に備えられるティッシュ取り出し口120からティッシュを一枚一枚取り出して、当該ティッシュを使用する。
【0026】
そして、ティッシュ収納箱100に収納されているティッシュが無くなった後、ユーザは、第1のミシン目110に沿ってティッシュ収納箱100を2つの部位140、150に分断し、第2のミシン目130に沿ってティッシュ収納箱100底面に切れ目を入れる。
【0027】
さらに、ユーザは、部位140、150の底面にある切れ目130どうしを噛み合わせるようにし、部位140を部位150に挿嵌させ(部位150を部位140に挿嵌させても良い)、ゴミ箱を作製する。作製されたゴミ箱は、大小様々な空間に配置し使用することができる。
(総括)
ティッシュ収納箱100は、通常の用途を終えた後も、ゴミ箱として再利用することができるため、省資源化に貢献する。
ティッシュ収納箱100は、ゴミ箱として再利用する際、当初の大きさに比べ小さくなっているため、置き場所の制約条件が少ない。
【0028】
ティッシュ収納箱100は、ゴミ箱として再利用し内部にゴミが溜まった場合、溜まったゴミを捨てれば再度ゴミ箱として使用することもでき、また、溜まったゴミと共に廃棄することもでき、取り扱いが容易である。
【0029】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0030】
100 ティッシュ収納箱(ゴミ箱)
110 第1のミシン目
120 ティッシュ取り出し口
130 第2のミシン目
140 分割されたティッシュ収納箱の一方
150 分割されたティッシュ収納箱の他方
160 模様
200 ティッシュ収納箱(従来品)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面にティッシュ取り出し口を備えた直方体のティッシュ収納箱において、
当該ティッシュ収納箱の周囲に施され、かつ、当該ティッシュ収納箱を側面に平行な面で切断することをガイドするミシン目であって、前記ティッシュ取り出し口を横切る第1のミシン目と、
底面において前記第1のミシン目に直交する第2のミシン目と、が施されたことを特徴とするティッシュ収納箱。
【請求項2】
当該ティッシュ収納箱を前記第1のミシン目に沿って切断すると共に、前記底面に前記第2のミシン目に沿って切れ目を入れ、該切れ目どうしを噛み合わせた状態で、切断された2つの部位のうち一方を他方に挿嵌させることによって、当該ティッシュ収納箱の当初の大きさに比し小さいゴミ箱が作製されることを特徴とする請求項1に記載のティッシュ収納箱。
【請求項3】
前記第1のミシン目が、前記2つの部位の大きさが等しくなる位置に施され、
前記第2のミシン目が、前記底面の中央に位置することを特徴とする請求項2に記載のティッシュ収納箱。
【請求項4】
前記第1のミシン目が、当該ティッシュ収納箱の長辺を二分する位置に施されたことを特徴とする請求項3に記載のティッシュ収納箱。
【請求項5】
前記ゴミ箱が作製された場合、
前記2つの部位のうち一方の表面に描かれた図柄と、前記2つの部位のうち他方の表面に描かれた図柄とが、所定の意味を有する模様になることを特徴とする請求項2乃至4の何れか一に記載のティッシュ収納箱。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−95551(P2013−95551A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−239327(P2011−239327)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【特許番号】特許第4932056号(P4932056)
【特許公報発行日】平成24年5月16日(2012.5.16)
【出願人】(511264777)有限会社ハマ印刷 (1)
【Fターム(参考)】