説明

テストエレメントの不合格品マーキングのマーキング方法

【課題】不良テストエレメントの簡略で迅速かつ確実なマーキング法。
【解決手段】テストエレメント112,114,116をマーク付けするためのマーク方法を設ける。サンプル中の少なくとも1つの検体を検出するために、テストエレメントが、適応される。該テストエレメントの少なくともいくつかには、テストエレメントの欠陥についての情報を含む欠陥マークが、設けられる。テストエレメントは、少なくとも1つの放射線感受性材料を持っている。テストエレメントは、少なくとも1つの放射線156に暴露され、放射線感受性材料中に、少なくとも1つの光学的に検出可能な変化の形状で、マーク付けを誘導するために、放射線が、適応される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明に係るマーキング方法を含む、不良テストエレメントにマーキングを付けるマーキング方法に関し、テストエレメントを生産する生産方法に関する。さらに、本発明は、本発明に係るマーキング装置を備える、特に本発明に係るマーキング方法を実行するマーキング装置およびテストエレメントを生産する生産装置に関する。さらに、本発明は、本発明に係る生産方法により生産されるテストエレメントを使用する分析試験計器に関する。このようなマーキング方法および生産方法、マーキング装置および生産装置、ならびに分析試験計器は、特に化学分析および医療技術で使用されている。テストエレメントによって、たとえば、試料、特に、たとえば血液、尿の中、間質液または他の体液等の中の液体試料の中の代謝産物等の検体は、定性的におよび/または定量的に検出できる。本発明の本来の応用例は、血糖診断の分野にある。
【背景技術】
【0002】
多くの技術、自然科学、および医学の分野では、試料の中の検体は、定性的におよび/または定量的に確実に検出されなければならない。多くの場合、これは、1つまたは複数の検体に敏感に反応するテストエレメントを用いて行われる。特に、検体が試料の中に存在するときに、または検体との接触時に少なくとも1つの測定可能な特性を変更する少なくとも1つの検査物質を備えるテストエレメントを使用することが可能である。これらの特性は、たとえば、詳しく後述されるように、電気特性および/または光学特性であってよい。
【0003】
本発明の本来の応用分野は、本発明が限定されていない分野ではあるが、医学的診断である。たとえば、血糖濃度の監視は糖尿病患者のための日々の生活の不可欠な部分である。この場合、対応する医療処置を適切な場合に実現できるように、血糖濃度は一般的には日に数回、迅速にかつ簡略に決定されなければならない。必要以上に糖尿病患者の日常生活を制限しないために、多くの場合、輸送および取り扱いが簡単でなければならない対応する可動式の計器が使用され、その結果血糖濃度は、たとえば仕事場においてまたは暇な時間に迅速かつ簡略にではあるが、それにも関わらず確実に測定できる。しかしながら、たとえば病院、医療行為またはケア施設向けに設計される固定計器を使用することもできる。
【0004】
現在では、さまざまな測定方法に従って機能することがある多様な分析計器が市場に出ている。たとえば光学的測定法または電気化学的測定法のようなこのための多様な診断方法が利用されている。通常は試験片の形で提供される前述されたテストエレメントは、多くの場合これらの測定方法の不可欠な要素である。たとえば、テストエレメントは電気化学的および/または光学的な試験片であり得る。電気化学的な試験片の例は、たとえば米国特許第5286362号明細書に説明されている。光学的なテストエレメントは、たとえばカナダ特許第2050677号明細書に説明されている。たとえば植込み型テストエレメント等、他の種類のテストエレメントも既知であり、本発明の範囲内で使用されてよい(欧州特許第0678308号明細書を参照)。たとえば試験片または試験管等の個々のテストエレメントの代わりに、マガジンの中に、または別の種類の保管装置の中に保持されるテストエレメントも既知である。たとえば、複数のテストエレメントは、たとえば複数の試験フィールドがある試験盤の範囲内で不動に結合されてよい。他の種類の複数のテストエレメントが、多数のテストエレメントまたは試験フィールドが、たとえば連続して使用できるように1つの共通のバンドの上に配列されている、たとえばバンドカセットの範囲で既知である。マガジンの他の実施形態は、複数のテストエレメントがマガジンドラムの中に収容されているドラムマガジンである。他の実施形態も既知である。
【0005】
検体検出の信頼性は、特に医学的診断の定量的な検出方法において重大な役割を果たす。従って、たとえばインスリン投薬治療についての決定または別の種類の治療法についての決定等の一連の追加の決定は、通常、検出結果に依存する。この点で、不良テストエレメントが流通するのを確実に防ぐ、またはそれらが流通している場合にはそこで使用されるのを確実に防ぐ効率的な品質管理がテストエレメントの生産に必要とされる。この品質管理は、すでに生産工程の間にまたは生産後に、テストエレメントに特定の機能テストを受けさせることができる多数の試験方法を含み得る。たとえば、(たとえば、画像認識、電子測定、光学的測定、または測定の組み合わせによって)テストエレメントの特定の機能性をチェックし、それによりある特定の確率をもって不良テストエレメントを特定する試験が実施されてよい。
【0006】
一般的には、このようなテストエレメントの生産は、多数のテストエレメントが高いスループットで技術的に大規模で生産される大量工程である。従って、不良テストエレメントが特定されると、通常はこのテストエレメントを直接的に不合格にすることはできない。従って、従来の技術から、不良として特定されたテストエレメントが生産方法の間または生産方法の跡に不良としてマーキングを付けられる方法が既知である。このようなマーキング方法の例は、不良領域がペンまたはマーカーでマーキングを付けられる米国特許出願公開第2004/0048359号明細書に開示されている。従来の技術から既知である別の方法は、欧州特許出願公開第0132790号明細書に説明されている。ここでは、多数のテストエレメントが共通バンド上で生産され、欠陥が検出された後、後に簡略にかつ確実に不良テストエレメントを不合格と判定できるように、カラーポイントまたは磁気マーキングの形の適切なマーキングが付けられる。
【0007】
しかしながら、実際には、従来の技術から既知であるマーキング方法および生産方法は多数の不利な点を有する。たとえば、既知のマーキング方法は通常、たとえばカラーポイント用のインク、塗料、磁性物質または類似する物質等の追加の作業物質および補助剤を利用する。しかしながら、これらの追加の作業物質および補助剤は、テストエレメントの機能性と相互に作用する可能性があり、たとえば検査物質(たとえば、血糖または他の代謝産物の検出用の試験化学物質)の機能性に影響を及ぼす可能性がある。従って、一般的にはマーキング付けに使用される作業物質または補助剤の安全性は、付随する法定の認可を取得するために広範囲にチェックし、確認しなければならない。
【0008】
既知の方法の別の不利な点は、マーキング付けに使用される作業物質および補助剤のための既知の応用方法の多くが複雑であり、エラーの影響を受けやすいという点である。たとえば、マーキング付け用の塗料またはインクは、しかしながら多くの場合それ自体がエラーを起こしやすい印刷方法によって付けられてよい。
【0009】
別の不利な点は、多くの場合に、通常は従来の技術においてマーキング付けに使用される、塗布された作業物質および補助剤が、塗布の後に乾燥時間が必要となるように液体の形で塗布されるという点である。多くの場合に、マーキング付けのこれらの乾燥時間は生産工程の製造速度を制限し、従って生産コストを大幅に増大させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、既知のマーキング方法の前述した不利な点を少なくとも実質的に回避するマーキング方法を提供することが本発明の目的である。マーキング方法は、不良テストエレメントの簡略で迅速かつ確実なマーキング付けを可能にしなければならず、これは生産コストを大幅に増大させることなく行われることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、不良テストエレメントにマーキングを付けるマーキング方法、このマーキング方法を含む生産方法、不良テストエレメントにマーキングを付けるマーキング装置、マーキング装置を利用しながらテストエレメントを生産する生産装置、および本発明に係る方法によって生産されるテストエレメントを強く要する分析試験計器を提供する。本発明の有利な改良版は、個別にまたは互いと組み合わせて実現されてよい。全請求項の表現は、これにより明細書の内容に組み込まれる。
【0012】
テストエレメントは、試料の中の少なくとも1つの検体を検出するように適応されている。テストエレメントは、たとえば液体試料の中の、特に血液、尿、間質性の脂肪組織または他の体液の中の代謝産物の検出用のテストエレメント等の、たとえば従来の技術から既知の前述した種類のテストエレメントであり得る。しかしながら、テストエレメントは他の種類の検体および試料に使用されてもよい。テストエレメントは、それぞれのケースで個々に、または複数にともに組み合わされて、たとえば片の形、小葉の形、円盤の形、バンドの形、または類似する形状で構成されてよい。テストエレメントは、1つまたは複数のテストに適切であってよく、特に、試料を塗布できる、または試料を接触できる1つまたは複数の試験フィールドを有してよい。
【0013】
従来の技術から既知の方法のように、マーキング方法は、テストエレメントの少なくともいくつかに、テストエレメントの欠陥についての情報を含む不良マーキングが提供されるように構成される。たとえば、不良として特定されたテストエレメントには、対応するマーキングが提供されてよい。
【0014】
たとえば着色マーキングが実行される従来の技術とは対照的に、テストエレメントは少なくとも1つの放射線感受性物質を備える。マーキングを付けられるために、テストエレメントは、放射線感受性物質における少なくとも1つの光学的に検出可能な変化の形でマーキングを引き起こすように適応されるおよび/または選択される少なくとも1回の放射に露呈される。
【0015】
従って、従来の技術とは対照的に、追加のマーキング物質をテストエレメントに塗布することは必要ではない。むしろ好ましくは、テストエレメント自体の放射線感受性特性がテストエレメントにマーキングを付けるために使用される。代替策としてまたは加えて、テストエレメント、特にテストエレメントの試験フィールド内の試験化学物質の機能性とは無関係なマーキングも、たとえばテストエレメントのサポートバンドの上にまたは試験フィールドとは無関係に別々のマーキングフィールドの上に等、テストエレメントの上に付けられてよい。マーキング付けは、それがテストエレメントの生産に影響を及ぼさないように(たとえば機械的な接点の形で)接触せずに実行されてよい。従って、たとえば液体マーキング手段が適用されているときに発生する可能性のあるような、たとえばテストエレメントバンドにかかる張力等の本質的な機械パラメータに影響を及ぼすことを回避できる。さらに、放射線によって不合格マーキングを付けることは、実際には製造速度とは関係がないため、これはきわめて堅牢なマーキング工程である。通常、マーキングは照射線量の問題にすぎない。
【0016】
さらに、本発明に係るマーキング方法は、追加のマーキング物質の材料費に加えてそれらを提供、保管および放出する費用も未然に防ぐ。また、一般的には、マーキングの付いていないテストエレメントとのマーキング物質の相互作用があるかどうかを詳細な確認試験で決定する必要はない。同様に、マーキング方法は特定のマーキング物質の送達の確実性に対する戦略的な依存性を取り除く。
【0017】
前記優位点は、特にテストエレメント自体の検査物質の放射線感受性特性が使用されるときに明確になる。前述したように、多くの種類のテストエレメントは、多くの場合「検出化学物質」または「試験化学物質」とも呼ばれ、少なくとも1つの検体が試料に存在するときに少なくとも1つの測定可能な特性、特に測定可能な電気的および/または光学的な特性を変更するように選択され、適応されるこのような検査物質を含有している。この点において、たとえばテストエレメントの試験フィールド上に塗布される、従来の技術から既知のテストエレメントおよびそこで使用される試験化学物質が参照される。
【0018】
この検査化学物質、つまりこの検査物質は、それ自体通常放射線感受性特性を有している。これは特に、少なくとも1つの検体がたとえば色変化または蛍光変化の形で検出される光学的テストエレメントを使用するときに当てはまる。しかしながら、検査物質の検出可能な長期の変化は、放射線を適切に選択することによって他の種類のテスト物質を用いて引き起こしてもよい。
【0019】
特に検出可能な変化を、それらを取り消せないように構成することが好ましい。しかしながら、少なくとも検出可能な変化は、数分の範囲内、好ましくは数時間から最高数日での安定性を有する必要がある。マーキングが、たとえば対応して適応された分析計器による後の読み出しのためにテストエレメントに留まる場合、たとえば数ヶ月から数年の期間で安定している光学的に検出可能な変化等、さらに長い安定化も必要とされる。
【0020】
テストエレメントの検査物質自体が放射線感受性物質として、従って欠陥の可能性についての情報を記憶するために使用される場合、マーキングのために追加の物質をテストエレメントの上に塗布することを完全になしにすることができる。これにより、(前記に説明した適合性、費用削減等をチェックする必要性を回避する)優位点は明らかに有益となる。
【0021】
前述したように、試験化学物質の試験フィールドの分析機能性を定義する検査物質または試験化学物質の使用の代替策としてまたは使用に加えて、テストエレメントにマーキングを付けるために、マーキングはテストエレメントの上に試験フィールドの外部に付けてもよい。このために、たとえばテストエレメントのサポート材(たとえばサポートバンド)はそれ自体、マーキング付けに使用できる放射線感受性物質を含有してよい。代替策としてまたは加えて、検査物質または試験化学物質とは無関係であり、放射線感受性特性を備えた別個のマーキング物質もテストエレメントの上に付けてよい。たとえば、放射線感受性物質を含み、従ってマーキングを付けることができる別々のマーキングフィールドが設けられてよい。たとえば、(その場合試験フィールドは第1の放射線感受性物質を有する)試験フィールド上のマーキングおよび(第2の放射線感受性物質を有する)別個のマーキングフィールド上のマーキング等のあらゆる所望される組み合わせも考慮されてよい。従って、本発明はこのようなマーキング方法で使用するために適し、1つまたは複数の試験フィールドとは別個であり、放射線感受性物質を備えた少なくとも1つのこのようなマーキングフィールドを有するテストエレメントも提供する。ここでは、「別個の」は機能上の分離を意味するが、必ずしも厳密に空間的な分離を意味しないことを目的とする。全体的に、試験フィールドの機能性がマーキングフィールドによって影響を及ぼされないように、たとえば、マーキングフィールドは試験フィールドに隣接する、部分的にそれらと重複する、または層構造で積み重ねられることもあり得る。
【0022】
放射線感受性物質における少なくとも1つの光学的に検出可能な変化は、試験フィールド自体だけに関連しているのか、または別個のマーキングフィールドに関連しているのかに関わりなく、以後適切なセンサにより記録し、不合格マーキングとして解釈できる。この記録の考えられる計上は以下にさらに詳細に説明する。
【0023】
不良テストエレメントに放射線でマーキングを付けることが全面的に必要ではなく、むしろ説明した光学的に検出可能な変化による「逆の」マーキングも可能であることを指摘しなければならない。たとえば、不良として特定された各テストエレメントはマーキングが付けられないまま残るのに対し、欠陥なしとして特定される各テストエレメントは放射線によってマーキングを付けられてよい。たとえば、たとえばビット値の形を取る、少なくとも1つの放射線を使用してテストエレメントの品質レベルについての情報を放射線感受性物質の中に「書き込む」ことによって、中間段階または他の種類の欠陥マーキングも考えられる。従って、欠陥マーキングの情報内容は別に構成してよく、それぞれのマーキングが付いたテストエレメント(および/またはテストエレメント、つまりたとえばバッチからの他のテストエレメント)の欠陥についての情報(欠陥が存在しないことも含んでよい)を多様に含んでよい。
【0024】
原則的には粒子放射線である場合もあるであろう使用されている放射線が、電磁放射線を備えることが特に好ましい。紫外放射、つまり1nmと400nmの間の波長範囲の放射線使用は特に得策であることが判明している。250nmから400nmの波長範囲、特に350nmと380nmの間の波長範囲は、この波長範囲は従来の検査物質の感度とよく一致するだけではなく、技術的に容易に達成できるために特に好ましい。従って、特に好適波長範囲における紫外線(UV)光の好ましい使用は、これらの検査物質のまたは濡れた化学物質の多くは特に光学検体検出のためにUV放射線に敏感に反応するため、欠陥情報用の情報媒体として濡れた化学物質の使用と併せて特に有利である。たとえば、検査物質の有機成分中の複数の結合は、たとえば色変換または別の光学的に検出可能な変化によって代わりに認識可能であり得る紫外線(UV)放射によって恒久的に破壊されることがある。
【0025】
好ましくは代わりに紫外線スペクトル範囲において少なくとも部分的に放射する白熱灯、放電灯、レーザー、発光ダイオード、ストロボ、またはこのような光源の組み合わせは、好ましくは少なくとも1つの放射線を生成するために使用されてよい。
【0026】
前記説明に係る光学的に検出可能な変化は、たとえば色変化、発光(たとえば、蛍光および/または燐光)の変化、反射性の変化、またはこれらの変化および/または追加の変化の組み合わせを備えてよい。
【0027】
提案されているマーキング方法は、たとえばすでに完全に生産されているテストエレメントにマーキングを付けるための「スタンドアロン」方法として使用されてよい。しかしながら、提案されている実施形態の1つの提案されているマーキング方法を、説明した種類のテストエレメントを生産する生産方法の範囲に統合することが特に好ましい。多数のテストエレメントがこの生産方法で生産され、テストエレメント(好ましくは生産されているテストエレメントの全てのテストエレメントおよび/または無作為標本)の少なくとも1つが欠陥チェックを受ける。
【0028】
たとえば、前述したように、この欠陥チェックは光学チェック(たとえば色および/または蛍光の測定)、(たとえば、特にデジタル画像処理プログラムによってパターン認識の範囲の)目視、蛍光チェックまたは類似した種類の欠陥チェック、または欠陥チェックの組み合わせを含んでよい。たとえば、このようにして、テストエレメント自体(たとえば、テストエレメントのサポートバンド)が変形しているかどうか、または検出化学物質が正しく適用されているかどうか(たとえば試験フィールドが適用されているかどうか、および/またはこの試験フィールドが適用中に変形しているかどうか)等を特定することができる。欠陥チェックのための試験基準の別の例は、試験フィールドの均質性により表される。たとえば、試験化学物質が均質的に含有されているかどうか、および/または試験フィールド上に一定の層厚をもってチェックすることが可能である。この均質性は、たとえば可視スペクトル範囲、赤外スペクトル範囲、または紫外スペクトル範囲における光学検査によってチェックしてもよい。代替策としてまたは加えて、層厚さおよび/または均質性の検査は、好ましくは表面をサンプリングする、または同時に記録することができる、たとえば偏光解析法、伝達法、機械サンプリング法、または他の慣習的な層厚さ測定方法によって実行されてもよい。従って、たとえば試験フィールドの生産での欠陥が検出されてよい(たとえば印刷方法の欠陥)。均質性の許容差閾値は、欠陥なしまたは不良として試験フィールドまたはテストエレメントを適格化するためにこの場合に(たとえば、試験フィールドの内部の層厚さ値の「許容」範囲)指定されてよい。欠陥検査のための試験基準の別の例は、(たとえばパターン認識によってたとえば光学的に)テストエレメント上のおよび/または内の特定の要素の間隔が閾値と比較される距離検査である。たとえば、試験フィールドは互いからの所定距離、および/または特定のマーキングからの所定距離を有するかどうかをチェックできる。二次元または三次元の距離監視も可能である。さらに、その内部では距離測定値が依然として許容でき、その外部ではテストエレメントが不良として特定される許容差範囲を指定してもよい。さらに代替策としてまたは加えて、たとえば、抵抗測定、インピーダンス測定、または類似した種類の測定等の電気測定法または電気化学測定法も使用されてよい。前記欠陥チェック種類および/または他の種類の欠陥チェックの組み合わせが使用されてよく、当業者に既知である。
【0029】
欠陥チェックは、たとえばそれを製造ラインに統合できるようにテストエレメントの生産中にすでに実行してよい。代替策としてまたは加えて、欠陥チェックは生産後に行ってもよい。
【0030】
たとえば厚膜法、半導体技術法、印刷法、またはこれらの/他の慣習的な方法工程の組み合わせ等の当業者に既知の従来の方法が、テストエレメントを生産するために使用してよい。テストエレメントの生産は当業者に既知である。特に、詳しく後述されるようにバンド法が使用されてよい。さらに、検査物質は好ましくは別個に生産され、その後バンドまたは別の種類のサポートの上に付けられてよい(たとえば積層プロセス)。
【0031】
欠陥チェックの間、または欠陥チェック後に、テストエレメントが「不良」であるかどうかに関して決定が下される。用語「欠陥情報」または「欠陥マーキング」の前記説明においてと同様に、用語「不良」は広義に解釈されるべきである。たとえば、それはたとえば欠陥または欠陥が存在しないという形の「デジタル」欠陥(その場合、許容差閾値もそれぞれたとえば閾値または閾値欠陥と指定されてもよい)、つまり数多くの中間情報項目を含んでよい。この中間情報は、たとえば代わりに、たとえばビット値で再び表してよいそれぞれチェックされたテスト項目の品質グレードを備えてよい。
【0032】
欠陥チェックに続いて、またはすでに欠陥チェックの間に、テストエレメントはそれぞれのテストエレメントの欠陥についての情報を含む欠陥マーキングを代わりに備えてよい。欠陥についてのこの情報に関して前記説明を参照してよい。テストエレメントの少なくとも1つのこのマーキングの場合、前記説明に係るマーキング方法が提示されている実施形態の1つで使用されている。
【0033】
たとえば、前述したように、テストエレメントの少なくとも1つの検査物質(試験化学物質)は、代わりにマーキングのための情報媒体として使用してよい。たとえば、同様に前述したように、マーキング方法は、検出化学物質または試験化学物質が相応して着色されるように構成されてよい。このようにして、特にテストエレメントまたはテストエレメントの一部(たとえば特定の試験フィールド)は、偽の測定値を検体検出から排除できるように使用不能にされてよい。
【0034】
欠陥マーキングに含まれるこの少なくとも1つの情報項目は、後にさらに使用してよい。特に、不合格工程でマーキングを付けるテストエレメントを不合格にしてよい。これは、特にテストエレメントが生産中にまたは生産後に分割される生産方法にとって当然有利であり、その結果不良であるとしてマーキングが付けられたテストエレメント(つまり適用されている欠陥情報の種別に応じて、マーキングが付けられたまたはマーキングが付けられていないテストエレメント、または不十分な品質レベルの欠陥情報を示すテストエレメント)を不合格とし、たとえば処分することができる。たとえば、複数のテストエレメントは1つの共通のバンド上のバンドウェアとして生産されてよく、その場合バンドウェアはたとえば以後バンドカセットの中に保持されてよい。不良として特定されるテストエレメントは、バンドカセット内での受入れの前に取り除かれてよく、残りの欠陥のないバンドは以後スプライス工程で再度組み立てられてよい。このようにして、不良テストエレメントはバンドウェアにおいても回避できる。代替策としてまたは加えて、バンドウェアは、不良テストエレメントを不合格とすることができるように後に分割してもよい。このようにして、市場に入る実質的に全てのテストエレメントに欠陥がないことを確実にすることがそれぞれ可能である。
【0035】
バンドウェアは、(従来の技術の説明のために導入部で説明したように)それがバンドカセットの中に保持されるように構成されてもよい。テストバンドは、この場合、たとえば連続して使用できる多数のテストエレメントを含んでよい。たとえば、不良要素には、それらを使用できない、またはそれらが分析計器によって不良として特定される、またはそれ以外の場合それらがその使用で制限されるように特別にマーキングを付けてよい。しかしながら、代替策としてまたは加えて、たとえば後の残りのバンドの拒絶およびスプライスが行われる、前述した切削工程によってバンドが不良テストエレメントを備えないように、バンドを組み立てるのが好ましい。
【0036】
好適には、さらに製造方法は、少なくとも一つの欠陥マーキングが適用される少なくとも一つの工程の後に随意に検査工程からなるように構成される。この検査工程において、欠陥マーキングが正確に適用されたかどうかを確認することが可能となる。たとえば、これは、少なくとも一つの光学的に検出可能な放射線感受性の材料における変化を監視して、その変化を設定値と比較することによって行うことができる。たとえば、この設定値はデータ・メモリ内に保存される。このデータ・メモリ(たとえば、シフト・レジスタ)は、たとえば、欠陥マーキング自身にも用いられる。このようにして、欠陥マーキングが正確になされたかどうかを直接、確認することが可能となる。これが正確になされていない場合には、たとえば、警告が技術者に送信される、または欠陥があるとしてマーキングされたテストエレメントが再びマークされる、または拒絶される。他の種々の可能性も想定可能である。
【0037】
上述のマーキング方法および、記載された実施の形態のうちの一つにおける製造方法にそれぞれ対応して、本発明はさらに、欠陥があるテストエレメントをマーキングするマーキング装置を提供する。マーキング装置は特に、代替的な実施の形態の一つにおいて記載されたタイプのマーキング方法を実行するように適用される。したがって、マーキング装置は、テストエレメントを少なくとも一つの放射線に露出するための少なくとも一つの放射線源を有することになる。この放射およびマーキング装置において可能なタイプのマーキングの効果については、上記の記載を参照されたい。
【0038】
マーキング装置はさらに、欠陥テストに対するテストエレメントの少なくとも一つにテストを受けさせるようにする、少なくとも一つのテスト装置からなる。好適には、すべてのテストエレメントまたはテストエレメントの任意のサンプルが、この欠陥チェックを受ける。欠陥チェックの可能な構成については、同様に上記の記載を参照されたい。マーキング方法は、テストエレメントに欠陥があるかどうかを識別するおよびまたは決定するように適用される。「欠陥がある」という用語と、その考えられる意味については、同様に上記の記載を参照されたい。
【0039】
可能なマーキング方法の上記の記載にしたがって、放射線源もやはり、たとえば、白熱灯、ガス放電ランプ、レーザー、発光ダイオード、ストロボまたはそれらの組み合わせ、およびまたは、特に、上述の記載にしたがって紫外線を発生させるために、また、上述の好適な波長範囲における他の放射線源を有している。特に、高い並行性を達成することが好適であり、したがって、マーキング装置が非常に多数のモジュール構成された光源を有している場合、マーキング方法の高い処理能力を達成することが好適である。特にこれらは、紫外線を発生させる非常に多数のモジュール構成された光源であってもよい。これらのモジュール構成された光発生器ユニットは、たとえば、マーキング装置の電気回路の区画に設けられる、非常に多数の同一の光発生器ユニットからなる。たとえば、電気回路の区画は、同一のスロット・イン・ラックの形態を取るこれらの光発生器ユニットを受けいれてもよい。
【0040】
マーキング装置は、テストエレメントのいくつかまたはすべてに欠陥マーキングが備えられる、少なくとも一つの適用位置からなってもよい。並行化の高いレベルを達成して、またそれによって高い処理能力を達成するために、複数の適用位置も提供されてもよい。たとえば、一以上の試験分野の形式の試験材(試験化学物質、検出化学物質)は、テストエレメントにそれぞれ適用されてもよい。この場合、分離した適用位置は試験分野ごとに設けられてもよい。
【0041】
マーキング装置にとって、放射を、少なくとも一つの放射線源から適用位置に案内する、少なくとも一つの導波路をさらに有することが特に好適である。用いられている放射線のタイプによって、この少なくとも一つの導波路は、特に、光導波路であってもよい。紫外線が、特に好適な放射線として用いられる場合、この光導波路は、用いられている導波路にそれぞれ整合されなければならない。硬質なまたは柔軟な導波路、たとえばプラスチックおよびまたはガラス材料を備えた導波路が用いられてもよい。このような導波路は、たとえば、硬質なプラスチックの導波路として製造されてもよい。しかしながら導波路にとって特に好適なのは、少なくとも一つのファイバー導光、すなわち、柔軟な導光からなることである。特に好適なために、ガラス・ファイバーおよびまたはプラスチック・ファイバー導光が用いられてもよい。それぞれ放射線の所望の特質にしたがって、マルチモードまたはシングルモードのファイバーが用いられてもよい。
【0042】
たとえば、複数のファイバー・バンドル、たとえば、プラスチック・ファイバー導光が組み合わされてファイバー・バンドルを形成してもよい。たとえば、好適にマーキング装置の電気回路区画に設けられた、上述の好適なUV光発生器ユニットが、一つ以上のファイバー・バンドルを介して少なくとも一つの適用位置に接続されてもよい。
【0043】
ファイバー・バンドルが用いられると、特に、マーキング装置にとって、少なくとも一つのクロスセクション・コンバータからなることが好適となる。このクロスセクション・コンバータは、ファイバー導光のファイバー端部が、適用位置において所定のパターンで設置されるように、少なくとも一つのファイバー・バンドルの導光の非常に多数のファイバー導光を保持するように適用される。このように、たとえば、パターンを形成するファイバー端部の対応する設置によって、複数のテストエレメントが平行に露出可能であるため、テストエレメントの処理能力を増強することが可能となり、強度および放射線が増強され(複数のファイバーを用いる同時露出、およびまたは複数のファイバーを用いる露出によって)、また、複数の欠陥マーキングが、個々のテストエレメント上に同時に書き込まれることも可能になる。
【0044】
マーキング装置のこの構成は、特に、テストエレメントが連続的なプロセスで製造されるときに明確に有利となり、同様に好適となる。たとえば、テストエレメントは連続的なテストエレメントバンドの形式で好適に製造される。上述のように、このテストエレメントバンドは続いて分割されるか、またはバンド・カセットにおいて全体としてまたは部分的に保持されてもよい。クロスセクション・コンバータによって生成されたファイバー端部のパターンは、この場合、たとえば、バンドの走行方向に対して平行、また代替的または付加的な実施の形態として、バンドの走行方向に対して垂直の両方向で、適用位置における同時放射を可能にする。複数のバンドは、たとえば平行に生成されるテストエレメントを備えた複数のバンドによって、同時に処理されてもよい。たとえば、バンドウエアを製造するとき、広バンドは、最初はそれぞれ平行に設けられた複数のテストエレメントによって製造されてもよく、その後、複数のサブ・バンド(たとえば、分割プロセス)に分割される。
【0045】
マーキング装置は、少なくとも二つの、好適には少なくとも五つのテストエレメントが放射に同時に露出される、すなわちマークされることが可能である、適用位置においてガイド・テーブルを有してもよい。たとえば、テストエレメントを備えた五つのバンドまたはサブ・バンドが、ガイド・テーブルを介して同時に通過される。
【0046】
クロスセクション・コンバータによって製造された所定のパターンにとって、特に、ライン・パターン(たとえば、バンドの移動方向に平行におよびまたは垂直なライン・パネル)、マトリクス・パターン、または長方形のパターンが好適である。もちろん他のパターンも可能である。また、複数のクロスセクション・コンバータ、たとえば、それぞれが線形に設けられたファイバー端部を備えた複数のクロスセクション・コンバータを互いに平行に設けることも可能である。これは特に、このようにたとえば、ファイバー端部パターンを備えたクロスセクション・コンバータが各バンドまたはサブ・バンドに割り当てられることが可能であるために、テストエレメントを有する複数のテスト・バンドが平行に製造される上述の代替の実施の形態において有利である。
【0047】
代替的または付加的な実施の形態として、マーキング装置がさらに、放射線のビーム整形のための、少なくとも一つのビーム整形光学セットを有してもよい。たとえば、レンズ・システムは、テストエレメント上のマーキングまたはマーキングの形状を所望の形状、たとえば、線形状または直方体の形状にするために提供されてもよい。
【0048】
マーキング装置とは別に、本発明はさらに、提示された変形例による方法のうちの一つにおいて、上述の製造方法にしたがって、特にテストエレメントを製造するように適用されてもよい、テストエレメントを製造する製造装置を提供する。この製造装置は、非常に多数のテストエレメントを製造する製造装置を有している。上述のように、先行技術によって既知の製造装置、たとえば、この製造装置のために用いられてもよく、たとえば、半導体によって、およびまたは肉厚フィルム・プロセスによって、およびまたは印刷方法によって、およびまたは接着方法によって動作する製造装置のために用いられてもよい。特に、製造装置は、非常に多数のテストエレメント、たとえば、バンド・プロセスの形状で、バンド上に保持される非常に多数のテストエレメントを連続的に製造するように適合されてもよい。
【0049】
さらに製造装置は、上述の実施の形態の一つにしたがって、少なくとも一つのマーキング装置を有する。このほかに、製造装置はさらに、欠陥があるとしてマークされたテストエレメントを拒絶する、少なくとも一つの分類装置を有してもよい。バンド・ウエア、たとえば、テストエレメントを備えたバンド・カセット用のバンド・ウエアを製造するときには、後で、このバンドを接着しなおす、またはこれを他の方法、たとえば、ラミネーションによって再度、組み立てるために、製造装置がさらに、分割および接続装置、すなわち、バンドから欠陥テストエレメントを分割することが可能な装置を有することが好適である。このように、欠陥のないテストエレメントを有するエンドレス・バンドを製造することが可能である。また、用語、「欠陥のある」および「欠陥のない」は、上述の記載を参照して広い意味で解釈されることになる。たとえば、公差閾値は再度、特定されてもよい。製造中または製造された後に、テストエレメントが分割されるかどうかによって、欠陥のある要素は拒絶されるかわりに、たとえば、バンド上に留まってもよいし、また、たとえば、マーキングの読み出しによって(下記を参照)、それ以降も使用されないままであるだけでもよい。
【0050】
特に製造装置はさらに、少なくとも一つのテスト装置を有してもよい。このテスト装置は、テストエレメントに欠陥チェックを受けさせるように適応される。すでに上記に記載されている欠陥チェック方法はこのために、すなわち、たとえば、電気、電子または光学測定またはこれらの欠陥チェック方法の組み合わせのために用いられてもよい。たとえば、テスト装置は、それによってテストエレメントが記録されるカメラをふくんでもよい。代替または付加的な実施の形態として、たとえば、試験分野からのずれを検出するように、およびまたは所定の標準(たとえば、所定の公差閾値より大きい値)からのテストエレメントの形状を検出するように適応された、画像認識システムも提供されてもよい。代替的または付加的な実施の形態として、一以上のテスト光源が、たとえば、テストエレメントの蛍光特性およびまたは色特性およびまたは反射特性、たとえば、試験化学物質の、およびまたは一以上の試験分野の特性をチェックするために用いられてもよい。さらにまた、代替的または付加的な実施の形態として、上述の説明と同様に、たとえば、一以上の抵抗測定装置も設けられてもよく、およびまたはさらなるインピーダンス測定装置およびまたは電気または電子欠陥チェックをするための同様の装置が設けられてもよい。製造装置、特にテスト装置は、代替的または付加的な実施の形態として、さらに、揮発性およびまたは非揮発性のデータ・メモリである、一以上のデータ・メモリからなる。大量生産の目的では、特に、この少なくとも一つのデータ・メモリが、少なくとも一つのシフト・レジスタからなることが好適である。そして、たとえば、連続的または段階的な製造プロセスが用いられ、欠陥チェックが欠陥チェック装置によって一つの場所で行われ、この場合、この欠陥チェックの結果がデータ・メモリ、特にシフト・レジスタに入力されてもよい。このように、非常に多数のテストエレメントが、マーキング装置に現在、設けられているテストエレメント(たとえば、適用位置における一以上のテストエレメント)が、マーキング装置からの、たとえばシフト・レジスタの対応する読み出しによって、一つまたは複数の情報項目に、それぞれ割り当て可能となるように連続して試験されることが可能となる。このようにして、テストエレメントは、マーキング装置によってマークされることが可能である。同様に、情報はテストエレメントを拒絶するために、続いて用いてられてもよい。
【0051】
同様に、検査工程が実行される、上述の好適な方法として、製造装置はさらに、マーキングが、マーキング装置において正確に実行されたかどうかをチェックするように適応された、少なくとも一つの検査装置からなってもよい。たとえば、その後、検査装置は、好適には、マーキング装置がアクセス可能であるデータと同様のデータであって、それに基づいてテストエレメントの欠陥マーキングが適用されるデータを用いることによって、データ・メモリ、たとえば、シフト・レジスタからデータを受け取ってもよい。このように、交互に参照することによって、少なくとも実質的に、マーキング装置が正確に動作して、たとえば、個々の光源の欠陥または他のタイプの故障が識別されることを確実にさせる。このような故障が識別された場合、製造装置は、たとえばそれに欠陥があるとしてマークされたテストエレメントを拒絶するように、およびまたは警告を技術者に送信するように、または同様の動作を実行するように構成されてもよい。検査装置は、放射線感応材における少なくとも一つの光学的に検出可能な変化を監視するために、たとえば、一以上のフォトダイオードおよびまたは他のタイプのフォトダイオードからなってもよい。一以上の光源も、たとえば、放射線感応材の対応する露出によって、フォトダイオードの機能を促進させるために、設けられてもよい。
【0052】
本発明はさらに、提示された変形例による方法のうちの一つにおいて、上述の製造方法によって製造される、少なくとも一つのテストエレメントからなる、サンプルにおいて少なくとも一つの検体を検出するための分析的なテスト器具からなる。テストエレメント上に存在してもよい、欠陥マーキングに対応するものとして、分析的なテスト器具は、テストエレメントがマークされたかどうかを識別するように構成された、問い合わせ装置を有する。そのために、問い合わせ装置は、テストエレメントの放射線感応材における少なくとも一つの光学的に検出可能な変化を識別するように適応される。
【0053】
たとえば、この分析的なテスト器具はさらに、ドライブと、少なくとも一つのテストエレメントによって、サンプル内で少なくとも一つの検体の定性的な、およびまたは定量的な検出を実行する評価装置からなってもよい。特に、分析的なテスト器具は、濃縮決闘を決定するように適応されることが好適である。この場合、個々のテストエレメント、マガジンにおいて保持される(この場合、たとえば、テストエレメントがマガジンからそれぞれ取り出される)である複数のテストエレメント、またはバンド・カセット内に保持されたテストエレメントを用いることが可能である。他のタイプのテストエレメント、たとえば、移植可能なテストエレメントも可能である。
【0054】
したがって、問い合わせ装置は、少なくとも一つのテストエレメントの、好適には、現在、用いられている、または用いられることになる少なくとも一つのテストエレメントの欠陥マーキングを問い合わせるように構成される。欠陥マーキングにふくまれる情報にしたがって、テストエレメントに欠陥があることが判明し、その後、種々の動作が実行される。とりわけ、警告が、たとえば、ディスプレイ、光学的な表示要素(たとえば、警告灯)を介して、また、音響信号またはこれらの選択肢の組み合わせを介して、分析的なテスト器具のユーザに送信される。代替的なまたは付加的な実施の形態として、マークされたテストエレメントによるテストも回避されてもよい。さらにまた、代替的なまたは付加的な実施の形態として、新しいテストエレメントが、マガジン内に保持された非常に多数のテストエレメントから取り出されることが要求されてもよい。たとえば、上述のように、上記のマガジン内の上記のテストエレメントが、個々のテストエレメントであってもよく、または柔軟に、または堅固に、テストエレメントに接続されてもよい。たとえば、バンド・カセットは、たとえば、試験分野に欠陥があると識別された場合には、後続の試験分野に早送りされるように、用いられてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0055】
本発明のさらに詳細な内容や特徴は、下記の特許の独立請求項を伴う好適実施例の説明から明白になるであろう。それぞれの特徴は、それら自体個別に実施可能であり、または、互いの組み合わせでも実施可能である。なお本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。実施例は、図面に概略図示し、それら図面内の同じ参照番号は、構造や機能が同じか、または、互いが機能的に対応している部品を示す。
【0056】
図1は、少なくとも1つのサンプルの分析物を検出するテストエレメントを製造するための製造装置110の概略図である。テストエレメントは、製造装置110内でテストエレメントが関与する状態または段階に従って、または、テストエレメントの形状に従って、それぞれ図1の参照番号112、114、116で示されている。
【0057】
製造装置110の個々の部品は、図1で単純なシンボル形状で示す。製造方法として、テストエレメントが、エンドレステープ118上のテープ材116として製造される連続製造方法で説明する。たとえば、エンドレステープ118は、紙テープ、特に、多層被膜紙テープである。別の手段として、または、追加手段として、プラスチックテープ、セラミックテープ、合成テープなどの支持材を利用することも可能である。支持材として、たとえば、シート状ポリエチレン、シート状PET、その他のシート材が挙げられる。開始素材から完成テストエレメント112、114までの製造工程は、図1の左側から右側へ移動し、図1では矢印120で示す。図1に示す連続製造法と違う別の例として、たとえば、テストエレメントを個々に、または、各バッチごとに製造するバッチ処理法などの非連続製造法の採用も可能である。このことは、テープ材部分を支持ロールに巻き付けて、一時的に保管する、および/または、別の工程へ搬送するようなバンド式製造法でも実行できる。たとえば、テストエレメントを多様な製造段階での異なる場所(異なる製造位置)で製造できるよう、製造工程を中断させても構わない。さらに、製造装置110の製造法の処理工程の順序をカテゴリー化する必要性はなく、たとえば、半完成テストエレメントの試験やマーキング処理を最初に行って、試験やマーキングに続く製造工程の実施も可能である。
【0058】
製造装置110は、図1に簡略に示す製造部122を備える。本実施例では、エンドレステープ118は、各試験剤(以下、試薬または検出薬と呼ぶ)をエンドレステープ118上面に付与するための試験域を備える。付与する方法は、たとえば、図1に図示の接着剤の接着位置123における接着処理など実行できる。本例では、接着処理またはラミネート処理により、試験剤(試薬、検出薬)の試験域が支持材上に接着付与する。さらにまた、試験剤に加えて、次の分析試験器内でのテストエレメント116の位置決め処理に使うマーキングを支持テープ118に付与する。
【0059】
製造部122は、たとえば、コーティングノズル、プリンタ(スクリーン式プリンタ、テンプレート式プリンタ、パッド式プリンタ、インクジェット式プリンタ、プレキソ式プリンタなど)、その他の機器、機器の組み合わせなど、テストエレメント116を作成するための個々の機器で構成される。また、複数のテープを組み合わせて支持材を構成することも可能である。たとえば、印刷支持テープなどの半完成製品を製造部122に搬入するなど、製造工程を別途工程に部分的に分割することもできる。製造部122の機器は、テストエレメント製造における当業者には周知であって、さらなる詳細な説明は省く。
【0060】
特に、製造部122においては、複数のテストエレメント116が互いに平行に配置された幅広の支持テープ118を作成する方法の採用が特に好ましい。たとえば、支持レープ118を、5列のテストエレメントが配置できるような形状にするのが望ましい。それを切断器(図1の125)により、1列のテストエレメントテープとなるよう縦方向に切断する。切断は、図1に示す製造方法のどの段階でも構わない。しかしながら、たとえば、支持テープ118が1本の例など、異なる形態の採用も可能である。
【0061】
本実施例の製造装置110は、中央制御部124を備える。別の例として、制御部124が、中心機器としてではなく、たとえば、複数の制御器からなる製造装置110にすること可能である。それら複数の制御器を連結したり、自動的に動作させることもできる。本実施例における中央制御部124は、少なくとも1個のプロセッサー126と少なくとも1個のデータメモリ128とを具備する。少なくとも1個のデータメモリ128は、シフトレジスタである。また、中央制御部124は、たとえば、前述した実施例の1つに従った制御処理などの製造工程を制御できるよう、プログラム技術対応の構成であるのが望ましい。
【0062】
さらに、製造装置110には、単数または複数の試験機器130が備わっている。試験機器130は、図1に示すとおりである。たとえば、試験機器130は、単数または複数のカメラ132を具備する。カメラは、たとえば、製造段階においては未だテープ材であるテストエレメント116上の試験域を観察できるよう配備する。また、試験機器130は、非中央部品として、または、中央制御部124の部品として設定された画像認識システム134(図1で簡単に示す)も備えている。画像認識システム134を、たとえば、少なくとも1個のプロセッサー126で動作可能な単数または複数の画像認識ソフトモジュールで構成しても構わない。画像認識システム134は、カメラ132で撮影した画像データを評価できるよう設定することも可能である。その場合、たとえば、形状および/色に関するやテストエレメント116の試験域の所定の形態からの逸脱を特定することができる。さらにその場合、製造部122で発生した不良を特定することもできる。また、たとえば、試験機器130の不良と同様、転送値、反射値、蛍光値、抵抗値、インピーダンス値、それら測定値および/またはその他測定値の組み合わせなどの不良値の検知も基本的に可能である。
【0063】
試験機器130および/または中央制御部124は、たとえば、テストエレメント116の各試験域に情報を付与できるよう設定することも可能である。最も簡単な例では、その情報は1ビット値であり、たとえば、データメモリ128のシフトレジスタに各試験域ごとに入力される。この場合、情報は出力方向120にテストエレメントと共に仮想的に移動する。ただし、その他の情報設定も同様に可能である。ここで、1ビット不良情報値が記憶されており、たとえば、0値が「不良なし」を示し、1値が「不良あり」を示すと仮定する。前述したように、不良情報の別の設定も可能である。
【0064】
図1に示す試験機器130の後、テストエレメント116は図1に同様に簡略に示すマーキング装置136へ送られる。前記のような試験機器130における不良審査の結果、および、各テストエレメント116および/またはテストエレメント116の各試験域ごとにデータメモリ128に記憶された不良情報に従って、マーキング装置136によりテストエレメント116がマーキング処理される。マーキングは、それから不良情報を再生できるよう設定される。たとえば、各テストエレメント116の全体に、および/または、テストエレメント116の各試験域に個別にマーキングすることができる。ここでは、不良の試験域がマーキングされ、不良なしの試験域および/または不良なしのテストエレメント116にはマーキングがないと仮定する。本実施例では、テストエレメントの試験剤(つまりテストエレメントの各試験域の試薬)を、照射感知剤である情報媒体として直接に使用する。このことを、以下、より詳細に説明する。
【0065】
マーキング装置136は、発光体140としての照射源138を有する。発光体140は、モジュール構成になっており、たとえば、電源部168としての電力供給部と、複数のモジューラ式光源144とを内蔵する回路コンパートメント142を有する。各光源144は、図1では発光ダイオードとして図示されており、UV発光ダイオードであるのが望ましい。
【0066】
本実施例における照射源138は、好ましくは、複数のプラスチック製光ファイバーガイド線148のファイバー束146により、少なくとも1個の断面コンバータ150に接続されている。少なくとも1個の断面コンバータ150は、図2を伴って後で詳しく説明するが、テストエレメント116上の適用位置152に設置する。テストエレメント116は、好ましくは、ガイド台154のその適用位置を通過させるが、その場合、複数のテープ(たとえば、切断器125で切断した5本)を平行に適用位置152に案内する。ガイド台154は、テープ状のテストエレメント116が断面コンバータ150に対して正確に位置決めできるよう構成されている。このため、マーキング装置136での所望するテストエレメント116のマーキング処理に応じて、テストエレメント116を照射光156(図1に簡略に図示)で露光させる。照射露光は中央制御部124で制御し、たとえば、データメモリー128のシフトレジスタに記憶された情報に従って、各テストエレメント116および/またはテストエレメント116の各試験域ごとに制御する。
【0067】
適用位置152を通過した後のテストエレメント116は、基本的に使用可能となる。図1に示す検査器157は光学的な検査器で、マーキング装置136におけるマーキング処理が正しく行われたかどうかを判定する。たとえば、検査器157は、各テープごとのマーキングを検査するためのそれぞれの光ダイオードまたはその他のセンサーからなる。検査情報は、たとえば、中央制御部で評価され、特定されたマーキングをデータメモリー128内に、特にシフトレジツタ内に記憶された設定情報と比較する。マーキング不良が見つかった場合には、たとえば、警報が発せられるか、確当テストエレメント116が排除される。
【0068】
さらにまた、テストエレメント116にその他の処理工程を施すことも可能であり、たとえば、少なくとも一部に保護膜の被膜や付与などを行う。たとえば、前述したようなさらなる製造部122を、出力方向120の適用位置152の下流側に設けても構わない。
【0069】
前文で説明したように、テストエレメントには多様な異なる形態がある。それゆえ、図1に示すのは、本発明の範囲で利用可能なテストエレメントの異なる可能形態のうち、「ブランチ式」の2つの例である。「前駆体」としてのテープ状のテストエレメント116は、たとえば、同じく図1には簡略図示される分断器158により個別のテストエレメント112に分割される。分断器の後には分別器160が続き、そこで適用位置152で付与されたマーキングに従って、分割されたテストエレメント112を不良なしテストエレメントと不良テストエレメントとに分別する。前述のように、その単なる2種の区分ではなく、複数の区分への分別も当然可能である。分別器160の後には、包装器162が続き、たとえば、テストエレメント112のカセット包装、マガジン包装、および/または、再包装および/またはブリスタ包装を行う。図1に簡略図示するように、この包装処理の結果、完成したテストエレメント包装物164ができあがる。
【0070】
別の方法として、それぞれのテストエレメント112に分断して製造する代わりに、テストエレメントをテープ状テストエレメント114のままにすることも可能である。この場合、たとえば、テープ状のテストエレメント116を適当なセクションに切り分け、カセット処理器166で処理して、テープカセット(図1に簡略に示す)を形成する。なお、テープ状のテストエレメント114から不良テストエレメント(テスト1回分用のテストエレメント、または、複数のテスト回数用の複数のテストエレメント)を排除するために、カセット処理器166の前に分別器160を設置しても構わない。この分別器160の場合、個々のテストエレメントまたはテストエレメントセクション(テスト1回分用の試験セクション)のマーキングから不良情報を読み取ることができる。不良である各テストエレメント114またはテストエレメント114セクションが見つかると、たとえば、セクションを切断する。また、連続するテープ状態をカセット処理するため、図1のように、分別器160に対応する切断スプライス器167を分別器160の下流側に設置しておく。別の例として、たとえば、切断スプライス器167を分別器160の構成部品として内蔵することも可能である。切断スプライス器167で、不良と判断されたテストエレメントセクションを切断除去して、残りのテープの端を、たとえば、接着により再接続(スプライス)する。この技術は、たとえば、映画フィルム技術などで、周知技術である。
【0071】
本説明文では、テストエレメントの技術的形態に関しては多数の異なる形態が可能であるため、「テストエレメント」という用語が本発明の範囲で幅広い意味をもつことを指摘しておきたい。テストエレメントは、少なくとも1つの分析体の定数検知や定量検知に適した少なくとも1つの試験域を有する要素である。たとえば、単数または複数の試験域を有する1片の単独テストエレメント112を、テストエレメントとして使用が可能である。たとえば、複数のテストエレメントをまとめて特定の分析体にすることもできる。別の例として、前述したように、テストエレメントをテープ状にしてテープ状テストエレメント114としても構わない。この場合、テープ状テストエレメント114全体をテストエレメントとみなすこともでき、または、たとえば、それぞれ1つの試験域を備えたテストエレメントであるテープ状テストエレメント114の各テストエレメントセクションをテストエレメントとみなすこともできる。その他の様々な意味や異なる分類名を制限することなく、試験に対応する各テストエレメントセクションを、テープ状のテストエレメント114とするのである。
【0072】
マーキング装置136の発光部140やモジュール体の各光源144は、本実施例においては1列になった5個の光源144にそれぞれ割り当てられた1つの電源部168と複数の光源144を組み合わせて回路コンパートメント142を形成できるよう構成されている。
【0073】
各光源144は、たとえば、回路コンパートメント142内に挿入可能なスロット式ハウジング体に収容される。スロット式ハウジング体の後面には、モジュラー式光源144に電源供給するためのプラグコネクタが設けられている。さらに、プラグコネクタにデータ交換部を取り付けて、たとえば、マーキング装置136のマーキング処理を制御するため、各光源144(または、各光源144内に内蔵された光照射源)を適切に駆動できるようにすることも可能である。たとえば、このマーキング処理制御は、中央制御部124経由で行うことができる。
【0074】
各光源144は、たとえば、多数の部品を搭載した単数または複数のプリント回路基板からなる電子基板を具備する。その電子基板には、好ましくはそれぞれ個別に駆動できる複数の発光ダイオード、特にUV発光ダイオード176が収容される。UV発光ダイオード176は、波長が250nmから400nmの範囲、好ましくは、350nmから380nmの間の範囲で、出力が50mWから500mWていどの発光ダイオードであることが望ましい。この点において、「各光源」144という表現は、光源144が単独の光照射源からなることを意味するのではなく、本実施例のように、複数の光照射源によりUV発光ダイオード176が構成されることが理解されよう。
【0075】
たとえば、本例では5個である一連のUV発光ダイオード176を各電子基板に搭載することも可能である。たとえば、光ガイドのため、その入力端にプラスチック製ファイバー光ガイド線148が接続固定されている接続板をUV発光ダイオード176の上方に取り付ける。その固定は、たとえば、接着法、クランプ法、または、複数の固定技法の組み合わせにより実行可能である。また、その他の固定技法でも構わない。各プラスチック製ファイバー光ガイド線148の入力端が対応する各UV発光ダイオード176の上方にくるよう固定し、そのため、UV発光ダイオード176からの出射光が各プラスチック製ファイバー光ガイド線148に入射する。光の入射にはこの単純な配置構成で十分であるが、たとえば、レンズ群、特にマイクロレンズ群や同様の入射システムなど、より複雑な入射光学系を利用しても構わない。
【0076】
複数のプラスチック製ファイバー光ガイド線148を束にしてファイバー束146を形成し、たとえば、ひずみ軽減具を経由して、ファイバー束146を光源144のスロット式ハウジング体から引き出す。たとえば、図1の適用位置152(複数の適用位置152を設置する例もある)への通常のファイバー束146としてガイド作用できるよう、さらに複数のファイバー束146を束にして高位ファイバー束146を形成することも可能である。
【0077】
図2は、断面コンバータ150の一例の斜視図である。断面コンバータ150はフレーム部182を備えており、たとえば、そのフレーム部182には、断面コンバータ150をピン固定、ネジ固定、または、その他の方法で固定できるよう複数の開孔184が設けられている。図2に簡略に示す開孔184は、たとえば、ピン孔やネジ孔などの形状の開孔であるが、それぞれのピン位置や、固定技法に対応して配置された異なる構成でも構わない。また、たとえば、ピン固定やネジ固定などにより複数の断面コンバータ150を組み合わせて断面コンバータモジュール体を形成して、適用位置152に配備することも可能である。フレーム部182は、たとえば、アルミ、ステンレス鋼、プラスチック、および/または、その他の素材で構成する。
【0078】
断面コンバータ150は、その入力ファイバー束146(図2の下側)を各プラスチック製ファイバー光ガイド線148に分割挿入できるよう構成されている。各プラスチック製ファイバー光ガイド線148の出力端(図2の上側)は、所望のパターン188に配置してそのまま固定する。同様に、この固定法も、クランプ固定、接着固定、その他の固定法にて実施できる。図2に示す好適実施例では、パターン188が線形パターンであり、特にこの例では、15本のファイバー線の端部186が好ましくは少なくともほぼ同等間隔にて並べて列を形成している。なお、2個以上の断面コンバータ150をモジュールの出力方向120に沿って配列するのが好ましく、その結果、トータルで30本以上のファイバー線端186が線形パターン状に一列に配置されることになる。各ファイバー線端186は、たとえば、およそ1mm〜3mmの直径をもつ。各線からの出力は、UV光の総計でおよそ500mWから1500mW程度であり、たとえば、約1000mWである。
【0079】
前述したように、ファイバー線端のパターン188は別の形状でもよく、たとえば、長方形マトリクス形状のマトリクスパターンでも構わない。その他のパターン形状も可能である。特に、プラスチック製ファイバー光ガイド線148に代わる別の形態として、たとえば、グラスファイバー線を利用することもできる。また、図2に示すようなファイバー線端186から単純に出力する代わりに、たとえば、全部のファイバー線端186に対する単数または複数のレンズを備えた、または、それぞれのファイバー線端186に各レンズを備えたビーム整形光学系を追加設置することも可能である。その場合、ビーム断面形状も対応修正する。
【0080】
図1に示す構成例では、たとえば、適用位置152における複数の断面コンバータ150を組み合わせて、適用モジュール190を形成する。この場合、好ましくは複数の断面コンバータ150を図2に示す開孔184にてピンで固定し、および/または、ネジ固定する。開孔184は、たとえば、ボア孔および/またはピン孔および/またはネジ溝孔のように構成する。特に、断面コンバータ150の各モジュールを受容するため、クランプ用フレームを設けることも可能である。図1に示す実施例では、各断面コンバータ150が図2に示す形状となっているが、図2と違って断面コンバータ150全部を回転させることにより、ファイバー線端186(図1には図示しない)が図1の下方を向いている。(図1には図示しないが)好ましくは、2個の断面コンバータ150を出力方向120に沿って直列に接続し、さらに好ましくは、その断面コンバータ150の5対を出力方向120に直角に互いに隣接させて配列する。
【0081】
図1に簡略に示すガイド台154は、たとえば、テープ状のテストエレメント116の寸法に合致した5つの長方形のガイド溝を備える。この寸法は、たとえば、ガイド溝の幅が切断器125の下流で作成されてそれぞれガイド溝へと送られるようなテストエレメント片(さらに、テストエレメント片は縦方向に3本、5本、またはそれ以上の数の幅狭片に分割される)の幅に対応する寸法である。しかし、切断しないテストエレメント116のガイド台154による位置決めも同様に基本的に可能である。
【0082】
この場合、テープ状のテストエレメント116がガイド台154とそのガイド溝により正確にガイドされるため、テストエレメント116やその試験域、および/または、その他の形態の光感知材(たとえば、マーキング域)がファイバー線端186に対して正確に位置決めされる。たとえば、図1に示すデータメモリ128のシフトレジスタには、テストエレメントや試験域やマーキング域の適用位置152における位置に関する情報が記憶されているため、便宜上の特定の試験域および/または特定のマーキング域、特定のテストエレメント116にマーキングできるよう、各光源144やそれに内蔵の発光ダイオード176が最適に開閉動作される。別の例として、または、追加例として、本発明の実施例において、テストエレメント116の位置決め、および/または、マーキングのためのテストエレメント116の特定を簡単にするため、テストエレメント116に位置マーキングをすることも可能である。
【0083】
図3は、テストエレメント116の実施態様例を示している。テストエレメント116は、本例中では、バンド製品として形成されており、該バンドの1つのテスト部分のみが、示されている。本実施態様例中のテストエレメント116のバンドには、複数の位置決めマーク195が、設けられており、それらは、たとえば、スクリーン印刷法により、エンドレスバンド118上に印刷されている。テストエレメント116を製造する間に、バンド製品を位置決めするために、これらの位置決めマーク195を使用してもよいし、またはサンプル適用のために、または分析機器中でのテストエレメント116の使用の間での事後評価のためにテストエレメントを正しく位置決めするために、それらを使用してもよい。
【0084】
図3中の実施態様例は、カット装置125(図1参照)を通過する前のテストエレメント116を示している。このことは、図示されたこの場合、それは、まだ幅広い未カットの生バンドであり、そこでは、3つの個々の(この場合長方形)テストフィールド196、198および200は、それぞれエンドレスバンド118上で互いに平行に配置されまたこの状態で、全テストフィールド204を形成していることを意味している。テストフィールド196、198および200のただ1つのみがそれぞれ隣接して配置される実際のバンド状テストエレメント116を、最終的に得るために、たとえば、図3中に示されているカットライン201に沿って、該未カットバンドを、引き続きカット装置125中で切ることもできる。しかし、他の例として、テストエレメント116が、互いに隣接して3つのテストフィールド196、198および200を持つように、図3中に示されたバンドを、未カットで使用してもよい。これらを、たとえば、平均化のために使用することもできる。
【0085】
テストフィールド196、198および200は、液体サンプルたとえば、血液サンプルを用いたとき、たとえば血糖などの検体が存在することにより、色変化を示す検出薬品などを、含んでいる。これらの検出薬品は、本実施態様例においては、検出情報用の情報媒体として使用される放射線感受性材料202として、用いられる。しかしながら、上で説明したように、本実施態様例または他の実施態様例中においては、該テスト薬品とは関係なく放射線感受性を持っている別のマーキングフィールドを使用することもできる。
【0086】
図3中に示されたテストエレメント116の実施態様例は、適用位置152を経由して通過してしまっている。図3中の上側のテストフィールド196は、放射線源138により、丹念に照射されており、その結果、未暴露テストフィールド198および200に対して、テストフィールド196は、視認できる色変化を起こしている。このようにして、たとえば、意図的に、上側のテストフィールド196を、分析用に使用できないようにすることができる。たとえば、該色変化を、測光的に(たとえば、反射、透過または色測定または他のタイプの測定)同定してもよい。図3中の未カットおよびマークされたテストエレメント116と対照的に、図1中に示されたテストエレメント116は、それらがマーク付け装置136に到達する前に、カット装置125中で既にカットされているから、図3中に示されたテストエレメント116は、図1中に示された組み立て装置110中では、製造されなかったことを指摘しておくべきである。しかし、図3中の例は、本発明の原理を説明するためにのみ役立つものである。
【0087】
図4は、本発明によるテストエレメント114を用いて作動する本発明による分析テスト装置206の実施態様例を、象徴的に示している。さらに、図5は、サンプル中の少なくとも1つの検体を検出するための可能な方法を示しており、それは、特に図4中に示された分析テスト装置と連結して行ってもよいが、それとは独立に行ってもよい。
【0088】
通常の場合を構成する理想的なケースにおいては、欠陥品であるとマークされたテストエレメント114が循環に参加しないように、テストエレメント114が、製造されることを、指摘するべきである。この点で、以下に記述される分析テスト装置206または本発明の他の実施態様における本発明による分析テスト装置206は、もし製造中での欠陥テストエレメント114の拒絶にも関わらず、欠陥品であるとマークされたテストエレメント114が、循環中に入るとすれば、それらは、テストには使用されないという追加の安全性のみを提供する。別の方法として、これは、好ましくはないけれども、欠陥品であるとマークされたテストエレメント114が、テストの間まで拒絶されない、すなわちそれらが、使用されないように、分析テスト装置206によってテスト時のみに、選択を、行うことができる。この事を、過剰のテストエレメント114(すなわち、名目数のテストエレメント114に追加して、過剰の数)により、相殺することが可能であるが、ある状況下においては、特に、多数のテストエレメント114の場合においては、少ない数のテストエレメント114が、使用可能であるという不利な点を持つことになろう。
【0089】
本実施態様例において、分析テスト装置206は、たとえば、バンド状テストエレメント114、たとえば、バンドカセット中に保持されたテストエレメント114を持っている。にもかかわらず、他のタイプのテストエレメントは、たとえば、線形マガジン、ドラムマガジン、デイスクマガジンまたは他のタイプのマガジン中において、他のテストエレメントとして設けることもできるし、さらに、たとえば、ストリップ状テストエレメントとして設けることもできる。
【0090】
本実施態様例においては、分析テスト装置206は、図4中に、象徴的にのみ示されている光学励起装置208および光学検出装置210を持っている。たとえば、1つ以上の光源を含んでいてもよい励起装置およびたとえば1つ以上のホトダイオードを含んでいてもよい検出装置208によって、テストエレメント上の1つ以上のテストフィールド210は、たとえば、テスト位置214における検体により誘導された色変化に対して、テストされてもよい。特にこの例における分析テスト装置206は、分析テスト装置206のハウジング218中にカバー216を持っている。このカバー216は、本実施態様例において好ましくは液体サンプルであるサンプル220の適用のためのテスト位置214中に置かれたテスト位置214またはテストフィールド212を放出する。
【0091】
さらに、本分析テスト装置206は、駆動および評価ユニット222を持っている。本駆動および評価ユニット222は、たとえば1つ以上のマイクロコンピュータを含みまた励起装置208および/または検出装置210を駆動させるために適用される。さらに、バンド状テストエレメント114の移送は、制御されてもよく、その結果、テスト位置214中へのテストフィールド212の送出を、制御できる。これらの制御および他の方向におけるデータ交換は、図4中の2重矢224によって、象徴的に示されている。
【0092】
さらに、該分析テスト装置206は、たとえば、表示器226およびユーザインタフェース要素228などのインジケータ手段を持つことが好ましい。戸のようにして、分析テスト装置206の機能を制御できかつ測定情報を出力できる。
【0093】
通常の操作において、すなわち駆動および評価ユニット222の制御の下における先行技術で公知の操作において、特定のテストフィールド212は、テスト位置214中に移動され、カバー216は、開放され、サンプル220の適用が、可能となる。テストフィールド212の光学的評価は、続いて励起装置208および検出装置210によって行われ、その結果、たとえば、検体濃度、特に血糖濃度を求めることができる。この事は、たとえば、表示器226上に出力してもよい。
【0094】
しかしながら、本発明によれば、図4中に示された実施態様例中の分析テスト装置206は、たとえば、上記した方法により、テストエレメント114および/またはテストフィールド212で用いられたマークを同定および評価するために適用される取調べ装置230を、さらに持っている。図4中に示された実施態様例中において、該取調べ装置230は、たとえばソフトウエア技術として、駆動および評価ユニット222中で実行される対応する取り調べアルゴリズムのみならず、励起装置208および検出装置210を使用する。しかし、別の方法として、たとえば、別の取調べ励起装置および/または別の取調べ検出装置(図4中に示されていない)によって、励起装置208および検出装置210とは明確に異なる別の装置として、取調べ装置230を実装することもできる。たとえば、テストフィールド212の着色を検出することにより、マークされたテストエレメント114および/またはマークされたテストフィールド212を、このように同定してもよい。
【0095】
該提案された方法において、特定のテストエレメント114および/または特定のテストフィールド212は、テスト位置214中に最初に設けられている。これは、図5中に、参照232により象徴的に示されている。テストフィールド212および/またはテストエレメント114には、マークが設けられているかどうか、および/またはマーク中に含まれる欠陥情報が、読み取られるかどうか(工程234)を取り調べるために、該取調べ装置230は、引き続き使用される。この情報を、たとえば、駆動および評価ユニット222中で評価してもよい。テストエレメント114および/またはテストフィールド212が、読み出された(ブランチ238)または無欠陥(図5中のブランチ240)の欠陥情報により、欠陥があるかどうかに関して決定が行われる決定工程236を、その後行ってもよい。もしテストフィールド212および/またはテストエレメント114が、欠陥があると同定されたら、たとえば、状況に応じて、可視警告(たとえば表示器226上で)の形で、および/または音声警告の形で、警告を、ユーザに送ってもよい。図5に示されたように、他の方法として、または追加的に、テストフィールド212および/またはテストエレメント114を設けるという工程232を、反復してもよい。図4による配列において、たとえば、テストエレメント214中に、以前に使用されていない新しいテストフィールド212を移動してもよい。たとえば、図4中の配置の場合、これらの方法工程が、行われる間カバー216が、閉じられるように、サンプル220の適用が、まだ可能でないように、今まで記述してきた方法工程を、実行してもよい。
【0096】
しかし、テストフィールドが、無欠陥であることが、工程236で見出された場合には、そのときには、測定242が、引き続き行われ、サンプル220中の少なくとも1つの検体の検出が、行われる。たとえば、図4中のこの測定の範囲において、カバー216を開放してもよく、および/またはたとえば、検体で誘導される色変化を行わせるために、励起装置208および検出装置210を、作動させてもよい。
【0097】
図6は、可能なバンドカセット244の実施態様例を示しており、それは、たとえば、図4中に示された分析テスト装置206中で使用してもよいし、またたとえば、患者自身により自然の位置で得られた流体サンプル220(たとえば血液サンプル)に対して非常に多数のグルコース検査を行うために、それを可能にしてもよい。この目的のために、バンドカセット244は、分析テストバンド246の形状で、テストエレメント114を含んでいる。該分析テストバンド246は、貯蔵糸巻き248から引き出され、バンドガイド250を経由して、巻き取り糸巻き252上に巻き取られる。たとえば、体液(たとえば血液または組織液)の形状で前面側での液体サンプル220の適用および後面上での正確な反射式測定の適用を可能にするために、この場合、測定部位256における平面軸受けフレーム258上で、分析テストバンド246のテストバンド部分254を、平らに伸ばすことができる。
【0098】
該テストバンド246は、たとえば、図3(カット形状で)中のエンドレスバンド118に対応してもよい透明な支持バンド260を持っている。このテストバンド260の前面上では、たとえば図3のトップと同様にして、たとえば図3中のテストフィールド196、198および200に対応してもよいテストフィールドが、ラベルのように用いられる。これらのテストフィールド262は、たとえば、ドライの薬品を含んでいてもよく、その薬品は、適用される液体サンプル220(たとえば、血液流体)中の検体(たとえば、グルコース)に対応し、かつ後面から照射されたときにライトの後方散乱において、測定可能な変化を引き起こす。たとえば、支持バンド260は、幅5mmおよび厚み約10ミクロンのシートを持っていてもよく、その前面には、厚み50ミクロンの検出フィルムが、局所的に用いられる(たとえば、ラベルをつけられる)。
【0099】
測定に対しては、測定光は、軸受けフレーム258により境界を定められた測定開口部246を経由して照らされ、かつ開口領域内に存在する必要があるレンズ、フィルターまたは物理的に充填された窓などの光学要素を用いずに反射される。しかし、必要により、シャッター(図6中に図示していない)により、該測定開口部246を取り囲んでもよい。これにより、テストバンド部分254上への分析テスト装置206の光学測定ユニットの明確な後部焦点合わせまたは位置合わせが、可能になり、それが、測定開口部264を経由して、平らに暴露される。
【0100】
続いてテストフィールド262を、測定部位256まで移送するために、巻き取り糸巻き252のハブに噛み合っている分析テスト装置206のバンドドライブによって、テストバンド246を前に巻き取ることが、可能になる。約2ニュートンの保持力は、この場合、貯蔵糸巻き248上でかつバンドガイド250の領域中(特に、そこでの実行シール268上で)での摩擦により、発生され、その結果、テストバンド246は、それが軸受けフレーム258上に平らに進むことを確かなものとするために、充分に引っ張られる。
【0101】
バンドガイド250は、たとえば、糸巻き248および252用の支持体を同様に形成してもよい射出成形されたポリプロピレン部品により形成されてもよい。該バンドガイド250を外側でカバーするために、軸受けフレーム258の開放を容易に可能にするために、テーパーの付いた狭い横壁上に穴を持っている蓋部270が、設けられている。
【0102】
以上説明したように、ここにおいてカセット形状で設けられたテストエレメント114は、全分析テストバンド246として理解されるか、または個々のテストバンド部分254(たとえば、それぞれ1つのテストフィールド262を持ったテストバンド部分)は、そのようなテストエレメント114として考えてもよい。該してテストバンド246は、それぞれマークが付けられ、または他の方法として、または追加的に、個々のテストバンド部分254のマーク付けが、上に提示された方法により、実行されてもよい。もし欠陥マークを読み取るために、他の装置が、使用される場合には、これは、たとえば、分析テスト装置206の該光学測定ユニット中に統合されていてもよい。他の方法として、上記したように、分析テスト装置206の励起装置208および検出装置210は、分析機能に加えて、欠陥マーク読み取り機能を実行してもよい。同時に欠陥読み取り仕事を行う検出装置210を用いるけれども、これらの2つの可能性の組み合わせを、たとえば、欠陥マーク読み取り用の別の光源の目的で、想定してもよい。
【0103】
このようにして、測定を実行する前に、図6中に示されたバンドカセット244を用いることにより、たとえば、測定部位256中に最近置かれたテストバンド部分254が、欠陥があるかどうかを取り調べるために、分析テスト装置206を適応してもよい。もしそうであれば、その時には、たとえば、次のテストバンド部分254が、糸巻き248および252の対応する作動により、前方に巻き取られ、またその手法が、たとえば、図5を参照して上記した方法を用いることによって、反復される。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】図1は、マーク付け装置を用いた本発明による製造装置の実施態様例の概略構造を示している。
【図2】図2は、断面コンバータの実施態様例を示している。
【図3】図3は、複数のテストフィールドを持ったバンドの形状で、そのうちの1つのテストフィールドが、マーク付けされている形状のテストエレメントを示している。
【図4】図4は、分析テスト装置の実施態様例を示している。
【図5】図5は、分析テスト装置による検体濃度の定量法の実施態様例を示している。
【図6】図6は、図4による分析テスト装置中での使用のためのバンドカセットの実施態様例を示している。
【符号の説明】
【0105】
110 製造装置
112 分割されたテストエレメント
114 カセットにされたテストエレメント
116 バンド製品テストエレメント
118 エンドレスバンド
120 スループット方向
122 製造装置
123 テスト材料の接着用接着台
124 中央制御ユニット
125 カット装置
126 プロセッサ
128 データメモリ
130 テスト装置
132 カメラ
134 画像認識装置
136 マーク付け装置
138 放射線源
140 光発生ユニット
142 回路区画
144 個々の光源
146 繊維束
148 プラスチック繊維光ガイド
150 断面コンバータ
152 適用位置
154 ガイドテーブル
156 放射線
157 制御装置
158 駆動装置
160 分類装置
162 包装装置
164 完成したテストエレメント容器
166 カセット録音装置
167 カットおよびスライス装置
168 電気供給ユニット
176 UV光放出装置
182 フレーム
184 開口部
186 繊維端
188 パターン
190 適用モジュール
195 位置決めマーク
196 テストフィールド
198 テストフィールド
200 テストフィールド
201 カットライン
202 放射線感受性材料
204 全体のテストフィールド
206 分析テスト装置
208 励起装置
210 検出装置
212 テストフィールド
214 テスト位置
216 カバー
218 ハウジング
220 サンプル
222 駆動および評価ユニット
224 制御
226 デイスプレイ
228 ユーザ対面要素
230 取調べ装置
232 新しいテストフィールド/テストエレメントの規定
234 取り調べマーク
236 テストフィールド/テストエレメント欠陥品
238 テストフィールド/テストエレメント欠陥品
240 テストフィールド/テストエレメント欠陥品
242 測定
244 バンドカセット
246 分析テストバンド
248 貯蔵糸巻き
250 バンドガイド
252 巻き取り糸巻き
254 テストバンド部分
256 測定部位
258 軸受けフレーム
260 支持バンド
262 テストフィールド
264 測定開口部
266 ハブ
268 実行シール
270 蓋部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料(220)中の少なくとも1つの被分析物を検出するようになっているテストエレメント(112、114、116:246、254)にマークを付けるマーキング方法において、
前記テストエレメント(112、114、116:246、254)の少なくともいくつかに、前記テストエレメント(112、114、116:246、254)の欠陥についての情報を格納する欠陥マークを付けるようになっており、
少なくとも1つの放射線感受性物質(202)を含む前記テストエレメント(112、114、116:246、254)に対して少なくとも1回の放射(156)が実施され、さらに、前記放射(156)は、前記放射線感受性物質(202)に少なくとも1つの光学的に検出可能な変化という形態のマークを付けるようになっていることを特徴とするマーキング方法。
【請求項2】
前記放射(156)は、電磁放射、とりわけ、特に波長が250〜400nmの範囲、好ましくは波長が350〜380nmの範囲の紫外線の放射を含むことを特徴とする請求項1記載のマーキング方法。
【請求項3】
前記放射(156)を実施するために、白熱ランプ、放電灯、レーザー、発光ダイオード(176)およびフラッシュ・ランプの中の少なくとも1つが用いられることを特徴とする請求項1または2記載のマーキング方法。
【請求項4】
前記光学的に検出可能な変化は、色変化、発光、とりわけ蛍光発光の変化、反射率変化の中の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のマーキング方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの放射線感受性物質(202)は、前記テストエレメント(112、114、116:246、254)の少なくとも1つの検査物質を含み、前記少なくとも1つの検査物質は、前記試料(220)中に前記少なくとも1つの被分析物が存在するとき、少なくとも1つの測定可能な特性、とりわけ測定可能な電気および/または光学特性を変化させるようになっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のマーキング方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの放射線感受性物質(202)は、前記テストエレメント(112、114、116:246、254)の検査物質とは異なる、少なくとも1つのマーキング領域の少なくとも1つの物質を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のマーキング方法。
【請求項7】
請求項6記載のマーキング方法に用いられるテストエレメント(112、114、116:246、254)において、試料(220)中の少なくとも1つの被分析物を検出するようになっているとともに、放射線感受性物質(202)が塗布されているテスト領域(196、198、200)から分離して設けられた少なくとも1つのマーキング領域を有し、さらに、前記放射(156)の操作は、前記放射線感受性物質(202)に少なくとも1つの光学的に検出可能な変化を発生させることを特徴とするテストエレメント(112、114、116:246、254)。
【請求項8】
テストエレメント(112、114、116:246、254)を作製する製造方法において、前記テストエレメント(112、114、116:246、254)は、試料(220)中の少なくとも1つの被分析物を検出するようになっており、
−多数の前記テストエレメント(112、114、116:246、254)を作製することと、
−前記テストエレメント(112、114、116:246、254)の少なくとも1つに対して、欠陥の有無をチェックすることと、
−前記テストエレメント(112、114、116:246、254)の少なくとも1つに、前記テストエレメント(112、114、116:246、254)の欠陥についての情報を格納する欠陥マークを請求項1〜6のいずれか1項に記載のマーキング方法を用いて付けることとを含むことを特徴とする製造方法。
【請求項9】
欠陥マークが付けられたテストエレメント(112、114、116:246、254)は、選別段階で取り除かれることを特徴とする請求項8記載の製造方法。
【請求項10】
複数のテストエレメント(112、114、116:246、254)が、共通の支持帯片(118:260)の上に帯状要素として作製されることを特徴とする請求項8または9記載の製造方法。
【請求項11】
前記テストエレメント(112、114、116:246、254)の少なくとも1つに欠陥マークを付ける方法の工程の後に、前記欠陥マークは適切に付けられたか否かをチェックする検査工程を実施することを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項12】
試料(220)中の少なくとも1つの被分析物を検出するようになっているテストエレメント(112、114、116:246、254)の中の欠陥を有するテストエレメント(112、114、116:246、254)に対してマークを付ける、とりわけ請求項1〜6のいずれか1項に記載のマーキング方法を実施するためのマーキング装置(136)において、前記テストエレメント(112、114、116:246、254)の少なくともいくつかに、前記テストエレメント(112、114、116:246、254)の欠陥についての情報を格納する欠陥マークを付けるようになっているとともに、少なくとも1つの放射線感受性物質(202)を含む前記テストエレメント(112、114、116:246、254)に対して少なくとも1回の放射(156)を実施するための少なくとも1つの放射線源(138)を有し、前記放射(156)は、前記放射線感受性物質(202)に少なくとも1つの光学的に検出可能な変化という形態のマークを付けるようになっていることを特徴とするマーキング装置(136)。
【請求項13】
前記テストエレメント(112、114、116:246、254)の少なくとも1つに対して欠陥の有無を検査するようになっている少なくとも1つの検査装置(130)を備えることにより、前記テストエレメント(112、114、116:246、254)の欠陥の有無を判定するようになっていることを特徴とする請求項12記載のマーキング装置(136)。
【請求項14】
前記放射線源(138)は、モジュールにより構成された多数の個別光源(144)、とりわけ紫外線を発生させるための、モジュールにより構成された多数の発光ユニット(140)を有することを特徴とする請求項12または13記載のマーキング装置(136)。
【請求項15】
前記テストエレメント(112、114、116:246、254)に対して欠陥マークを付ける少なくとも1つのマーキング位置(152)が決められているとともに、前記放射(156)を前記放射線源(138)から前記マーキング位置(152)まで伝送するために、少なくとも1つの導波路(148)、とりわけ光導波路をさらに有することを特徴とする請求項12〜14のいずれか1項に記載のマーキング装置(136)。
【請求項16】
前記導波路(148)は、少なくとも1つの光ファイバー導波路、とりわけプラスチックの光ファイバー導波路(148)を有することを特徴とする請求項15記載のマーキング装置(136)。
【請求項17】
多数の光ファイバー導波路を組み合わせてファイバー・バンドル(146)が構成されているとともに、少なくとも1つの断面形状変換器(150)をさらに有し、前記断面形状変換器(150)は、前記光ファイバー導波路(148)のファイバー端部(186)が前記マーキング位置(152)に予め決められたパターン(188)に配置されるよう、少なくとも1つのファイバー・バンドル(146)の多数の光ファイバー導波路(148)を保持するようになっていることを特徴とする請求項16記載のマーキング装置(136)。
【請求項18】
前記ファイバー端部(186)の前記パターン(188)は、線状パターンおよびマトリクス・パターン、とりわけ矩形のマトリクス・パターンの中の少なくともいずれかのパターンであることを特徴とする請求項17記載のマーキング装置(136)。
【請求項19】
前記マーキング位置(152)に案内台(154)を有し、前記案内台(154)において少なくとも2つの、好ましくは少なくとも5つのテストエレメント(112、114、116:246、254)に対する放射(156)が同時に実施されることを特徴とする請求項12〜18のいずれか1項に記載のマーキング装置(136)。
【請求項20】
テストエレメント(112、114、116:246、254)、とりわけ請求項8〜11のいずれか1項に記載の製造方法によりテストエレメント(112、114、116:246、254)を作製する製造装置(110)において、試料(220)中の少なくとも1つの被分析物を検出するようになっている多数のテストエレメント(112、114、116:246、254)を作製するための組立装置(122)を備えるとともに、請求項12〜19のいずれか1項に記載の少なくとも1つのマーキング装置(136)をさらに有することを特徴とする製造装置(110)。
【請求項21】
欠陥マークが付けられたテストエレメント(112、114、116:246、254)を取り除くための少なくとも1つの選別装置(160)をさらに有することを特徴とする請求項20記載の製造装置(110)。
【請求項22】
カッティング・スプライシング装置(167)をさらに有することを特徴とする請求項20または21記載の製造装置(110)。
【請求項23】
前記テストエレメント(112、114、116:246、254)に対して欠陥の有無を検査するようになっている少なくとも1つの検査装置(130)をさらに有することを特徴とする請求項20〜22のいずれか1項に記載の製造装置(110)。
【請求項24】
請求項8〜11のいずれか1項に記載の製造方法により作成された少なくとも1つのテストエレメント(112、114、116:246、254)を備える、試料(220)中の少なくとも1つの被分析物を検出するための分析テスト装置(206)において、前記テストエレメント(112、114、116:246、254)の欠陥マークの有無を問い合わせるようになっている少なくとも1つの問合せ装置(230)をさらに有することを特徴とする分析テスト装置(206)。
【請求項25】
テストエレメント(112、114、116:246、254)に欠陥マークが付けられていることが判明したとき、ユーザに警告を発すること、前記マークが付けられたテストエレメント(112、114、116:246、254)を用いての検査を実施しないこと、および多数のテストエレメント(112、114、116:246、254)から新しいテストエレメント(112、114、116:246、254)を供給することの中の少なくとも1つの動作を行うようになっていることを特徴とする請求項24記載の分析テスト装置(206)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−139364(P2009−139364A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−238995(P2008−238995)
【出願日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(501205108)エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト (285)
【Fターム(参考)】