説明

テスト出題装置、とテスト出題方法およびプログラム

【課題】学習者が誤答となった設問の類題、誤答となった設問を理解するために必要な下位の学習要素にさかのぼって選択することを可能とし、設問の提示の際に、利用者の判断に頼ることなく、自動的に設問の選択を行い、学習者へ提示することを可能とする。
【解決手段】学習者管理11、成績管理12、教材構造チャート13、設問選択14および設問提示15の各サブシステムをプログラムで実行するデータ処理装置1と、学習者の氏名、住所等の情報を記憶する学習者データ記憶部21、学習する各学習領域の属性、各学習領域に含まれる複数の学習要素の属性等を記憶する教材構造チャート記憶部22、学習者の正誤情報、学習履歴情報等を記憶する学習履歴データ記憶部23および設問本文、解答、解説、指導者マニュアル、設問の属性等を記憶する設問データ記憶部24を具有する記憶装置2及び入出力装置3、4とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テスト出題装置に関し、特に学習者の習得状態の自動測定および未習得分野を習得させるための設問の自動出題装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の設問選択方法は、
(1)誤答に対する、予め蓄積されている類題群からの機械的な問題抽出
(2)誤答に対する、予め蓄積されている類題群からの人間による問題抽出
(3)正答に対する、予め蓄積されている次問題群からの機械的な問題抽出
(4)正答に対する、予め蓄積されている類題群からの人間による問題抽出
が主であった。
【0003】
特開平5−11679号公報には、主記憶装置と、表示装置とプリンタと、学習用問題等のデータ入力手段及び記憶装置に記憶された問題関連ファイルと学習成績管理ファイルとから成り、各問題には問題コードとそれに対応する複数の弱点要素が付され、問題用紙と答案用紙などをプリントアウトする手段と、答案用紙の解答欄には前記問題コードの読取手段で学習者の弱点解析をする成績処理手段を備えている学習問題作成及び学習成績処理システムである。この技術は、統一テストを採点した結果、間違いのある問題の属する要素を弱点対策課題としての練習問題を個人毎に与える方法である。この時に出題される問題は、予め記憶装置に記録されている問題ファイルのうち、同一の問題分類に属する類題のみである。
【0004】
また、特開平8−160850号公報には、入力手段からの指示をCPUで処理し記憶手段に記憶された問題を選択して印刷等する問題作成装置として、記憶装置には少なくとも教科書の学習単位、項目に対応した設問を難易度に応じて分けた小問、及び関連ある複数の設問から成る大問が多数記憶され、各小問及び大問について設けた属性値と、学習者の過去の成績データとが結合され、この成績データに基づいて弱点補強問題、または基礎学習であるフィードバック演習問題が出題される問題作成装置が記載されている。これにより、各個人が誤答した小問の類題のみではなく、誤答となった設問の基礎となる項目の問題をも提示することで、反復学習や基礎学習をして弱点を補強することができるが、設問の選択方法が自動化されておらず、人間による設問の選択が必要となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
第1の問題点は、従来の設問選択方式は、学習者が不正解となった学習要素と同一の学習要素を問う設問(以下類題)を出題(難易度の調整を含む)するのみであるということである。
【0006】
その理由は、誤答の原因が当該学習要素の下位にあたる要素(当該学習要素の習得のために必ず習得しておかなければならない要素)の未習得によるものであった場合には、そのような学習者に対する類題(ここでの類題は同一学習要素を問うものとする)の出題は効果がないということにある。
【0007】
第2の問題点は、従来の設問選択方式は、学習者が現在学習中の学習要素を正解し、次の学習要素に進む場合、予め決められた道筋に沿った次問題群から学習問題を無作為あるいは学習者に依存しない一定(固定的)のルールに基づいて抽出するということである。
【0008】
その理由は、予め決められた道筋に沿った次設問群から学習要素を選択すると、当該学習者にとっては学習の必要のない学習要素(生徒が理解済みである学習要素または当該学習要素の理解に直接関係のない学習要素)が出題される可能性があり、効果的な学習が阻害されることがあるということにある。
【0009】
第3の問題点は、従来の設問選択方式において、学習者が誤答となった設問に対してその基礎となる要素を問う設問を出題しようとする時に、選択肢は出力装置上に提示されたとしても、最終的には利用者が手動で選択をしなければならないということである。
【0010】
その理由は、学習者が誤答となった設問の基礎となる要素が複数存在する場合に、その選択が利用者の判断に委ねられ、必ずしも最適な設問を提示することができない場合があり、利用者(教師など)が手動で学習要素または設問を手動で選択しなければならず、利用者にとって大きな負担になる。またこの方法では、学習者が自ら利用して学習することが困難であるということにある。
【0011】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、問題の選択方法として、学習者が誤答となった設問の類題、誤答となった設問を理解するために必要な下位の学習要素にさかのぼって選択することや、学習者が正答となった設問に対し、学習可能な上位の学習要素を選択することを可能とし、設問の提示の際に、利用者の判断に頼ることなく、自動的に設問の選択を行い、学習者へ提示することを可能とするテスト出題装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のテスト出題装置は、学習者管理サブシステム、成績管理サブシステム、教材構造チャートサブシステム、設問選択サブシステムおよび設問提示サブシステムをプログラムで実行するデ一タ処理装置と、
学習者の氏名、住所、などの情報を記憶するための学習者データ記憶部、学習する各学習領域の属性、各学習領域に含まれる複数の学習要素の属性などを記憶するための教材構造チャート記憶部、学習者の正誤情報、学習履歴情報などを記憶するための学習履歴データ記憶部および設問本文、解答、解説、指導者マニュアル、設問の属性などを記憶するための設問データ記憶部を具有する記憶装置と、入力装置および出力装置とを具備し、
学習者が学習する学習領域に含まれる複数の学習要素に対して、その相関関係等の様々な属性を付加し、それらを構造的にデータベース化した教材構造チャートと、学習者の過去の成績、学習履歴などを利用し、学習者の過去の学習履歴から学習領域内の各学習要素の習得状態を計算によって定量的に求めたり、構造化された学習要素間の相関関係を利用して他の学習要素の習得状態から当該学習要素の習得状態の推定などを行い、最適な次学習要素を自動的に選択し、設問データからその学習要素に対応する適切な設問を選択してテストを出題するテスト出題装置であって、
前記学習要素の属性は、学習要素名称、学習要素ID、要素習得順、上位要素ID、上位または下位の学習要素との関連の強弱を複数の段階で表した要素間強度、下位要素ID、要素グループID、当該学習要素を習得済みとみなすための計算上のしきい値である合格係数、当該学習要素を未習得とみなすための計算上のしきい値である不合格係数、当該学習要素の直接下位にあたる学習要素同士の関係を表す相関関係等からなり、
前記教材構造チャートは、当該教材構造チャートに含まれる学習要素とそれらの諸属性値、教材構造チャートを利用して出題されたテストを学習者が終了するのに必要とする標準解答時間、当該教材構造チャート内のある学習要素に対して学習者が誤答となった場合に次回のテストにおいて同一の学習要素を再提示する回数の上限である連続出題回数、特定の学習要素において、ある難易度の設問は誤答であるが1段階難易度を下げた設問は正答または未学習であるという状況時に同一の学習要素で難易度の異なる設問を提示する回数の上限である難易度間往復回数等からなり、前記上位要素IDおよび下位要素IDは、各学習要素の上位または下位要素がある場合にそれを検索可能なように前記教材構造チャート記憶部に記憶されており、当該教材構造チャートの特定の学習要素に関連づけられ設問データ記憶部に記憶されている設問ファイルは、当該学習要素の下位学習要素で問われている要素を全て含んだ形で作成されており、
前記設問選択サブシステムサブシステムは、前記成績管理サブシステムを利用して入力装置より入力された学習者の学習履歴を基に次学習要素を選択するために、過去の学習履歴を基に、習得度を表す習得度計数を計算し、既定の規則に従い前記教材構造チャート記憶部を検索して学習要素を決定し、決定した学習要素に対応する設問ファイルを前記設問データ記憶部から検索し、
前記設問提示サブシステムは、前記設問選択サブシステムで検索された前記設問ファイル内の設問を自動的にレイアウトして学習者に対して提示することを特徴とする。
本発明の他の形態によるテスト出題装置は、
設問選択サブシステムと、
学習者が学習する学習領域に含まれる複数の学習要素と、その属性を構造的にデータベース化した教材構造チャートを記憶するための教材構造チャート記憶部、学習者の学習履歴情報などを記憶するための学習履歴データ記憶部および設問などを記憶するための設問データ記憶部と、を具備し、
最適な次学習要素を選択し、設問データからその学習要素に対応する設問を選択してテストを出題するテスト出題装置であって、
前記学習要素の属性は、上位要素ID、上位または下位の学習要素との関連の強弱を表した要素間強度、下位要素ID、等からなり、
前記教材構造チャートの属性を各学習要素の上位及び下位要素を検索可能なように前記上位要素IDおよび下位要素IDが前記教材構造チャート記憶部に記憶されており、設問ファイルは、当該教材構造チャートの特定の学習要素に関連づけられ設問データ記憶部に記憶されており、
前記設問選択サブシステムが次学習要素を選択するために、前記学習履歴データ記憶部に記憶されている学習履歴を基に、前記学習要素の習得度を表す習得度計数を計算し、既定の規則に従い前記教材構造チャートを検索して前記習得度および前記学習要素の属性に基づいて構造化された学習要素間の相関関係を利用して他の学習要素の習得状態から当該学習要素の習得状態の推定などを行い、学習要素を決定し、決定した学習要素に対応する設問ファイルを前記設問データ記憶部から検索することを特徴とする。
この場合、前記学習要素の属性は、学習要素名称、学習要素ID、要素習得順、要素グループID、当該学習要素を習得済みとみなすための計算上のしきい値である合格係数、当該学習要素を未習得とみなすための計算上のしきい値である不合格係数、当該学習要素の直接下位にあたる学習要素同士の関係を表す相関関係を含むこととしてもよい。
さらに、前記教材構造チャートの属性は、教材構造チャート名、当該教材構造チャートに含まれる学習要素とそれらの諸属性値、教材構造チャートを利用して出題されたテストを学習者が終了するのに必要とする標準解答時間、当該教材構造チャート内のある学習要素に対して学習者が誤答となった場合に次回のテストにおいて同一の学習要素を再提示する回数の上限である連続出題回数、特定の学習要素において、ある難易度の設問は誤答であるが1段階難易度を下げた設問は正答または未学習であるという状況時に同一の学習要素で難易度の異なる設問を提示する回数の上限である難易度間往復回数を含むこととしてもよい。
本発明のさらに他の形態によるテスト出題装置は、学習者の氏名、住所を少なくとも含む学習者の情報を入力する学習者管理サブシステムと、学習者の正誤情報を入力する成績管理サブシステム、学習する各学習領域に対応する教材構造チャートの属性、教材構造チャートに含まれる複数の学習要素の属性を入力する教材構造チャートサブシステム、設問選択サブシステムおよび設問提示サブシステムをプログラムで実行するデ一タ処理装置と、
前記学習者の情報を記憶するための学習者データ記憶部、前記教材構造チャートの属性および前記学習要素の属性を記憶するための教材構造チャート記憶部、前記学習者の正誤情報、学習履歴情報を記憶するための学習履歴データ記憶部および設問ID、当該設問がどの教材構造チャートのどの学習要素に属するものかを識別するための学習要素ID、設問本文、解答、解説、指導者マニュアルを記憶するための設問データ記憶部を具有する記憶装置と、入力装置および出力装置とを具備し、
前記学習要素の属性は、学習要素名称、学習要素ID、要素習得順、上位要素ID、上位または下位の学習要素との関連の強弱を複数の段階で表した要素間強度、下位要素ID、要素グループID、当該学習要素を習得済みとみなすための計算上のしきい値である合格係数、当該学習要素を未習得とみなすための計算上のしきい値である不合格係数、当該学習要素の直接下位にあたる学習要素同士の関係を表す相関関係を少なくとも含み、
前記教材構造チャートは、教材構造チャート名称、学習領域、当該教材構造チャートに含まれる学習要素とそれらの属性、教材構造チャートを利用して出題されたテストを学習者が終了するのに必要とする標準解答時間、当該教材構造チャート内のある学習要素に対して学習者が誤答となった場合に次回のテストにおいて同一の学習要素を再提示する回数の上限である連続出題回数、特定の学習要素において、ある難易度の設問は誤答であるが1段階難易度を下げた設問は正答または未学習であるという状況時に同一の学習要素で難易度の異なる設問を提示する回数の上限である難易度間往復回数を少なくとも含み、
前記設問選択サブシステムは、前記入力装置から設問の出力指示があると、学習者が前記教材構造チャート内の各学習要素をどの程度習得しているかを示す習得度係数を過去の成績データから求めて前記学習履歴データ記憶部に記憶し、前記教材構造チャート内の上位、下位学習要素の関係が1対1のときは、前記学習履歴データ記憶部に記憶した当該上位学習要素の習得度係数が前記教材構造チャート記憶部に記憶された合格係数を超えていれば当該下位学習要素は合格済みとの推定を行うことにより、前記教材構造チャート内の上位、下位学習要素の関係がn対1のときは、前記学習履歴データ記憶部に記憶した当該上位学習要素のいずれかの習得度係数が前記教材構造チャート記憶部に記憶された合格係数を超えていれば当該下位学習要素は合格済みとの推定を行うことにより、各学習要素について合格済みかどうか判断し、合格済みでないと判断された学習要素のうちの所定の学習要素に対する設問のうちの所定の設問の設問IDを前記設問データ記憶部から検索して前記学習履歴データ記憶部に記憶し、
前記設問提示サブシステムは、前記学習履歴データ記憶部に記憶された設問IDに対応した設問本文、解答、解説、指導者マニュアルを前記設問データ記憶部から検索し、自動的にレイアウトして前記出力装置に出力することを特徴とする。
本発明のテスト出題方法は、学習者管理サブシステム、成績管理サブシステム、教材構造チャートサブシステム、設問選択サブシステムおよび設問提示サブシステムをプログラムで実行するデ一タ処理装置と、
学習者の氏名、住所、などの情報を記憶するための学習者データ記憶部、学習する各学習領域の属性、各学習領域に含まれる複数の学習要素の属性などを記憶するための教材構造チャート記憶部、学習者の正誤情報、学習履歴情報などを記憶するための学習履歴データ記憶部および設問本文、解答、解説、指導者マニュアル、設問の属性などを記憶するための設問データ記憶部を具有する記憶装置と、入力装置および出力装置とを具備し、
学習者が学習する学習領域に含まれる複数の学習要素に対して、その相関関係等の様々な属性を付加し、それらを構造的にデータベース化した教材構造チャートと、学習者の過去の成績、学習履歴などを利用し、学習者の過去の学習履歴から学習領域内の各学習要素の習得状態を計算によって定量的に求めたり、構造化された学習要素間の相関関係を利用して他の学習要素の習得状態から当該学習要素の習得状態の推定などを行い、最適な次学習要素を自動的に選択し、設問データからその学習要素に対応する適切な設問を選択してテストを出題するテスト出題装置で行われるテスト出題方法であって、
前記学習要素の属性を、学習要素名称、学習要素ID、要素習得順、上位要素ID、上位または下位の学習要素との関連の強弱を複数の段階で表した要素間強度、下位要素ID、要素グループID、当該学習要素を習得済みとみなすための計算上のしきい値である合格係数、当該学習要素を未習得とみなすための計算上のしきい値である不合格係数、当該学習要素の直接下位にあたる学習要素同士の関係を表す相関関係等とし、
前記教材構造チャートを、当該教材構造チャートに含まれる学習要素とそれらの諸属性値、教材構造チャートを利用して出題されたテストを学習者が終了するのに必要とする標準解答時間、当該教材構造チャート内のある学習要素に対して学習者が誤答となった場合に次回のテストにおいて同一の学習要素を再提示する回数の上限である連続出題回数、特定の学習要素において、ある難易度の設問は誤答であるが1段階難易度を下げた設問は正答または未学習であるという状況時に同一の学習要素で難易度の異なる設問を提示する回数の上限である難易度間往復回数等からなるものとし、前記上位要素IDおよび下位要素IDを、各学習要素の上位または下位要素がある場合にそれを検索可能なように前記教材構造チャート記憶部に記憶させ、当該教材構造チャートの特定の学習要素に関連づけられ設問データ記憶部に記憶されている設問ファイルを、当該学習要素の下位学習要素で問われている要素を全て含んだ形で作成し、
前記設問選択サブシステムサブシステムで行われる、前記成績管理サブシステムを利用して入力装置より入力された学習者の学習履歴を基に次学習要素を選択するために、過去の学習履歴を基に、習得度を表す習得度計数を計算し、既定の規則に従い前記教材構造チャート記憶部を検索して学習要素を決定し、決定した学習要素に対応する設問ファイルを前記設問データ記憶部から検索するステップと、
前記設問提示サブシステムで行われる、前記設問選択サブシステムで検索された前記設問ファイル内の設問を自動的にレイアウトして学習者に対して提示するステップとを有することを特徴とする。
【0013】
本発明の他の形態によるテスト出題方法は、
設問選択サブシステムと、
学習者が学習する学習領域に含まれる複数の学習要素と、その属性を構造的にデータベース化した教材構造チャートを記憶するための教材構造チャート記憶部、学習者の学習履歴情報などを記憶するための学習履歴データ記憶部および設問などを記憶するための設問データ記憶部と、を具備し、
最適な次学習要素を選択し、設問データからその学習要素に対応する設問を選択してテストを出題するテスト出題装置で行われるテスト出題方法であって、
前記学習要素の属性は、上位要素ID、上位または下位の学習要素との関連の強弱を表した要素間強度、下位要素ID、等からなるものとし、
前記教材構造チャートの属性を各学習要素の上位及び下位要素を検索可能なように前記上位要素IDおよび下位要素IDが前記教材構造チャート記憶部に記憶させ、設問ファイルは、当該教材構造チャートの特定の学習要素に関連づけられ設問データ記憶部に記憶させ、
前記設問選択サブシステムで行われる、次学習要素を選択するために、前記学習履歴データ記憶部に記憶されている学習履歴を基に、前記学習要素の習得度を表す習得度計数を計算し、既定の規則に従い前記教材構造チャートを検索して前記習得度および前記学習要素の属性に基づいて構造化された学習要素間の相関関係を利用して他の学習要素の習得状態から当該学習要素の習得状態の推定などを行い、学習要素を決定し、決定した学習要素に対応する設問ファイルを前記設問データ記憶部から検索するステップを有することを特徴とするテスト出題方法。
前記学習要素の属性を、上位要素ID、上位または下位の学習要素との関連の強弱を表した要素間強度、下位要素ID、等からなるものとし、
前記教材構造チャートの属性を各学習要素の上位及び下位要素を検索可能なように前記上位要素IDおよび下位要素IDを前記教材構造チャート記憶部に記憶させ、設問ファイルは、当該教材構造チャートの特定の学習要素に関連づけられ設問データ記憶部に記憶させ、
前記設問選択学習者の学習履歴を基に次学習要素を選択するために、前記学習履歴データ記憶部に記憶されている学習履歴を基に、習得度を表す習得度計数を計算し、既定の規則に従い前記教材構造チャート記憶部を検索して学習要素を決定し、決定した学習要素に対応する設問ファイルを前記設問データ記憶部から検索することを特徴とする。
この場合、前記学習要素の属性を、学習要素名称、学習要素ID、要素習得順、要素グループID、当該学習要素を習得済みとみなすための計算上のしきい値である合格係数、当該学習要素を未習得とみなすための計算上のしきい値である不合格係数、当該学習要素の直接下位にあたる学習要素同士の関係を表す相関関係を含むものとしてもよい。
さらに、前記教材構造チャートの属性を、教材構造チャート名、当該教材構造チャートに含まれる学習要素とそれらの諸属性値、教材構造チャートを利用して出題されたテストを学習者が終了するのに必要とする標準解答時間、当該教材構造チャート内のある学習要素に対して学習者が誤答となった場合に次回のテストにおいて同一の学習要素を再提示する回数の上限である連続出題回数、特定の学習要素において、ある難易度の設問は誤答であるが1段階難易度を下げた設問は正答または未学習であるという状況時に同一の学習要素で難易度の異なる設問を提示する回数の上限である難易度間往復回数を含むものとしてもよい。
本発明のさらに他の形態によるテスト出題方法は、学習者の氏名、住所を少なくとも含む学習者の情報を入力する学習者管理サブシステムと、学習者の正誤情報を入力する成績管理サブシステム、学習する各学習領域に対応する教材構造チャートの属性、教材構造チャートに含まれる複数の学習要素の属性を入力する教材構造チャートサブシステム、設問選択サブシステムおよび設問提示サブシステムをプログラムで実行するデ一タ処理装置と、
前記学習者の情報を記憶するための学習者データ記憶部、前記教材構造チャートの属性および前記学習要素の属性を記憶するための教材構造チャート記憶部、前記学習者の正誤情報、学習履歴情報を記憶するための学習履歴データ記憶部および設問ID、当該設問がどの教材構造チャートのどの学習要素に属するものかを識別するための学習要素ID、設問本文、解答、解説、指導者マニュアルを記憶するための設問データ記憶部を具有する記憶装置と、入力装置および出力装置とを具備するテスト出題装置で行われるテスト出題方法であって、
前記学習要素の属性を、学習要素名称、学習要素ID、要素習得順、上位要素ID、上位または下位の学習要素との関連の強弱を複数の段階で表した要素間強度、下位要素ID、要素グループID、当該学習要素を習得済みとみなすための計算上のしきい値である合格係数、当該学習要素を未習得とみなすための計算上のしきい値である不合格係数、当該学習要素の直接下位にあたる学習要素同士の関係を表す相関関係を少なくとも含むものとし、
前記教材構造チャートを、教材構造チャート名称、学習領域、当該教材構造チャートに含まれる学習要素とそれらの属性、教材構造チャートを利用して出題されたテストを学習者が終了するのに必要とする標準解答時間、当該教材構造チャート内のある学習要素に対して学習者が誤答となった場合に次回のテストにおいて同一の学習要素を再提示する回数の上限である連続出題回数、特定の学習要素において、ある難易度の設問は誤答であるが1段階難易度を下げた設問は正答または未学習であるという状況時に同一の学習要素で難易度の異なる設問を提示する回数の上限である難易度間往復回数を少なくとも含むものとし、
前記設問選択サブシステムで行われる、前記入力装置から設問の出力指示があると、学習者が前記教材構造チャート内の各学習要素をどの程度習得しているかを示す習得度係数を過去の成績データから求めて前記学習履歴データ記憶部に記憶させ、前記教材構造チャート内の上位、下位学習要素の関係が1対1のときは、前記学習履歴データ記憶部に記憶した当該上位学習要素の習得度係数が前記教材構造チャート記憶部に記憶された合格係数を超えていれば当該下位学習要素は合格済みとの推定を行うことにより、前記教材構造チャート内の上位、下位学習要素の関係がn対1のときは、前記学習履歴データ記憶部に記憶した当該上位学習要素のいずれかの習得度係数が前記教材構造チャート記憶部に記憶された合格係数を超えていれば当該下位学習要素は合格済みとの推定を行うことにより、各学習要素について合格済みかどうか判断し、合格済みでないと判断された学習要素のうちの所定の学習要素に対する設問のうちの所定の設問の設問IDを前記設問データ記憶部から検索して前記学習履歴データ記憶部に記憶させるステップと、
前記設問提示サブシステムで行われる、前記学習履歴データ記憶部に記憶された設問IDに対応した設問本文、解答、解説、指導者マニュアルを前記設問データ記憶部から検索し、自動的にレイアウトして前記出力装置に出力するステップとを有することを特徴とする。
本発明のプログラムは、上記のいずれかに記載の方法をデータ処理装置に実行させるプログラム。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明のテスト出題装置によれば、教材構造チャートを利用することによって、当該学習要素及び関連のある他の学習要素の習得状態をもとに、同難易度の類題、異難易度の類題、下位の学習要素、上位の学習要素などから、次に学習すべき最も適切な学習要素を選択することができる。
【0015】
また上位学習要素の習得状態をもとに、下位及び関連のある学習要素のうち、未出題のものに対しても習得状態を推定することができる。このことにより、学習者に対して解法を理解していない設問を連続して出題し続けるといった非効率的な設問の提示を防止することができる。
【0016】
また、自動的に学習者に対して誤答となった設問の下位にあたる学習要素を含む設問や、必要であれば(過去に学習者に提示した回数が少なく、ケアレスミスかどうかが判断できない場合など)類題などを提示できることにより、学習者に提示する設問の選択が利用者のスキルや指導方針の違いなどに左右されることが防止される。設問の選択が利用者の判断を必要としないため、学習者が自ら本発明を利用して自己学習を行うことも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
図1は本発明の実施形態の構成を示すブロック図である。図1を参照すると、本発明の実施形態は、プログラム制御により動作するデータ処理装置1と、情報を記憶する記憶装置2と、キーボード等の入力装置3と、ディスプレイ装置や印刷装置等の出力装置4を含む。
【0019】
データ処理装置1は、学習者管理サブシステム11と、成績管理サブシステムl2と、教材構造チャートサブシステム13と、設問選択サブシステム14および設問提示サブシステム15を保有している。
【0020】
記憶装置2は、学習者データ記憶部21と、教材構造チャート記憶部22と、学習履歴データ記憶部23と、設問データ記憶部24を備えている。
【0021】
学習者データ記憶部21は、学習者管理サブシステム11より、本実施形態を使用して学習を行う学習者の情報を記憶することができる。学習者の情報の例としては、学習者の氏名、氏名ふりがな、住所などがある。学習者データ記憶部21に記憶されている学習者の情報は、学習者管理サブシステム11を利用して、新規登録、更新、削除を行うことができる。
【0022】
教材構造チャートデータ記憶部22は、教材構造チャートサブシステム13より、本実施形態を使用して学習する各学習領域(以下教材構造チャート)の属性、各学習領域に含まれる複数の学習要素(以下学習要素)の属性などを記憶することができる。
【0023】
教材構造チャートの属性の例としては、教材構造チャート名称、標準解答時間(当該教材構造チャートを利用して作成されたテストを学習者が終了するのに必要とする時間のめやす)、連続出題回数(当該教材構造チャート内のある学習要素に対して学習者が誤答となった場合に、次回のテストにおいて同一の学習要素を再提示する回数の上限)、難易度間往復回数(特定の学習要素において、ある難易度の設問は誤答であるが、1段階難易度を下げた設問は正答または未学習であるという状況が発生した場合に同一の学習要素において難易度の異なる設問を提示する回数の上限)などがある。
【0024】
学習要素の属性の例としては、学習要素名称、学習要素ID(本実施形態内で利用される複数の学習要素を一意にする識別子)、要素習得順,上位要素ID(当該学習要素の直接上位にあたる学習要素の識別子。図3を参照すると、例えば学習要素306の上位要素は学習要素308および学習要素317となる)、上位要素との関連の強弱(当該学習要素と上位学習要素との関連の強さを複数段階で表す。以下要素間強度と呼ぶ)、上位要素との関連の形態(当該学習要素と、上位学習要素の関連の形態。当該学習要素を理解するための下位学習要素の理解の必要度合いなど)、出題予約(一度学習者に対して提示した学習要素を同一の学習者に対して再度提示するまでのテスト回数)、下位要素ID(当該学習要素の直接下位にあたる学習要素の識別子。図3を参照すると、例えば学習要素306の下位要素は学習要素304となる)、要素グループID(学習要素をグループ化して管理するためのコード)、合格係数(当該学習要素を習得済みとみなすための計算結果のしきい値)、不合格係数(当該学習要素を未習得とみなすための計算結果のしきい値)、相関関係(当該学習要素の直接下位にあたる学習要素同士の関係。AND関係とOR関係があり、当該学習要素を理解するために、直接下位にあたる複数の学習要素をすべて理解する必要があるという下位要素同士の関係をAND関係と呼び、複数の下位要素のうち、1つだけを学習すれば上位学習要素の理解が可能であるという関係をOR関係と呼ぶ)などがある。
【0025】
学習履歴データ記憶部23は、成績管理サブシステムl2より、本実施形態を使用して学習している学習者の正誤情報を記憶することができる。正誤情報の例としては、正解、不正解、空白解答、ケアレスミスなどがある。また、設問選択サブシステム14から学習者が設問を学習した履歴情報を記憶することができる。学習履歴情報の例としては、既出設問の設問ID、学習日などがある。
【0026】
設問データ記憶部24は、設問本文、解答、解説、指導者用マニュアル、設問の属性などを記憶することができる。設問の属性の例としては、設問ID、要素ID(当該設問がどの教材構造チャートのどの要素に属するものかを識別する)、難易度などがある。
【0027】
設問選択サブシステム14は、学習履歴データ記憶部23に記憶されている学習者の成績データ、学習履歴データ、教材構造チャートデータ記憶部22に記憶されている教材構造チャートの属性、学習要素の属性などを基に、規定のルールに従い、学習者に提示すべき学習要素を決定する。
【0028】
設問提示サブシステム15は、設問選択サブシステム14で決定された学習要素を基に設問データ記憶部24を検索して学習者に提示すべき設問を決定し、学習者データ記憶部21に記憶されている学習者データを検索し、出力装置4へ出力する。出力の形態としては例えば、印刷装置からプリントアウトする、ディスプレイへ表示するなどがある。
【0029】
次に、本発明の実施形態の処理手順について、図面を参照して説明する。
【0030】
図2は、本実施形態における4設問選択サブシステムの処理の流れの概要を示す図である。
【0031】
テストの出力指示が入力装置3より与えられると設問選択サブシステム14が処理を開始し、第1番目にパラメータ類の取得201を行う。パラメータ類は、入力装置3より入力する方法や、予め、記憶装置に記憶させておく方法などがある。予め記憶装置に記録させておく方法の場合は、パラメータ類の取得201では、教材構造チャート記憶部22を検索しパラメータ情報の入手を行う。
【0032】
本システムの実行にあたり、動的に変更が可能な主なパラメータ類には以下のものがある。
(1)難易度降下数・・・同一の学習要素に複数の難易度の設問データが登録されている時、学習中の難易度の設問が不正解であった場合に段階的にどこまで難易度を下げることができるかを指定する。
(2)減衰率・・・過去の成績データを基に学習要素の習得度係数を計算する際に利用する。(時系列での成績情報の重みづけ)
(3)合格係数・・・習得度係数がここで設定されている値を上回った場合、その学習要素を合格とみなす。
(4)不合格係数・・習得度係数がここで設定されている値を下回った場合、その学習要を不合格とする。
【0033】
パラメータ類の取得201が終了すると、習得度計数の計算202を行い、計算結果を学習履歴データ記憶部23へ記憶する。
【0034】
習得度係数とは学習者が教材構造チャート内の各学習要素をどの程度習得しているかを過去の成績データから計算した数値である。例えば、今回を含め、過去3回の成績をもとに規定の計算式に従い習得度係数を計算する。過去何回の成積を習得度係数の計算に利用するかは、教材構造チャートデータ記憶部22に記憶しておくことができる。
【0035】
また、習得度係数の計算時に、習得度係数計算の対象となっている学習要素の下位にあたる学習要素に対して学習効果係数を規定の計算式に従って計算し、学習履歴データ記憶部23に記憶する。学習効果係数を計算する対象となる下位学習要素とは、直接下位関係にある学習要素に限らない。
【0036】
図3は本実施形態で利用する教材構造チャートをモデル化したツリーを示す図である。図3を参照すると、例えば学習要素304の習得度係数の計算時に学習効果係数を計算する下位学習要素は学習要素303、学習要素302、学習要素301となる。
【0037】
ある特定の学習要素が学習者に対して提示された場合に、提示された学習要素は、その下位にあたる学習要素で学習すべき要因を全て含んでいるという構造を教材構造チャートが持っている。そのため、学習効果係数という概念を用い、上位学習要素の学習結果を下位学習要素へ反映させるのである。
【0038】
習得度計数の計算202が終了すると、習得済み要素の推定203を行う。
【0039】
図4〜図6は教材構造チャート内の上位、下位学習要素の関係をモデル化した数例を示す図である。
【0040】
ある学習要素とその上位学習要素が図4のような関係にあるとき、習得度係数の計算202で計算し、学習履歴データ記憶部23に記憶されている上位学習要素402の習得度係数が、合格係数を超えていれば、学習要素401は合格済みとの推定(以下合格推定)を行う。
【0041】
また、ある学習要素とその上位学習要素が図5のような関係にあるとき、習得度係数の計算202で計算し、学習履歴データ記憶部23に記憶されている上位学習要素502、503、504のいずれかの習得度係数が、合格係数を超えていれば、学習要素501は合格推定を行う。
【0042】
ある学習要素と、その直接上位学習要素の関係が図5に示すような関係にあるとき、上位学習要素の合格率、要素間強度によっては、いちがいに合格と推定が行えない状況も発生するが、この段階では上位学習要素の合格状態(習得度係数が合格係数を超えている)から下位学習要素の習得済み推定を行う。習得済み推定がされた学習要素は、合格済み学習要素として学習者への提示の対象から除外される。
【0043】
習得済み要素の推定203が終了すると、合格必須要素のチェック204を行う。合格必須要素とは、教材構造チャートを修了するためには、必ず習得度係数が合給係数を超えていることが必要とされる学習要素のことである。ある学習要素が合格必須要素であるかどうかは教材構造チャートデータ記憶部22に記憶されている。
【0044】
合格必須要素のチェック204においては、教材構造チャートデータ記憶部22を検索し、習得度計数の計算202の結果、習得度係数が合格係数を超えていない要素(以下未合格学習要素)より、合格必須学習要素の取り出しを行う。
【0045】
合格必須要素のチェック204が終了すると、合格必須要素内最低合格数チェック205を行う。
【0046】
本実施形態においては、合格必須要素をグループ化し(以下合格必須要素グループ)、グループ内の最低合格数(以下グループ内最低合格数)を指定し、教材構造チャートデータ記憶部22に記憶することができる。例えば、教材構造チャート内に要素a、要素b、要素c、要素d、要素e、要素f、要素g、要素h、要素i、要素jの10要素が存在するとき、要素a、要素b、要素cを合格必須要素グループA、要素d、要素eを合格必須要素グループBとし、合格必須要素グループAの最低合格数を2、合格必須要素グループBの最低合格数を2と指定することができる。
【0047】
上記例の場合、学習者が合格必須要素グループAの要素のうち2要素と、合格必須要素Bグループの2要素全てを合格した段階で当該教材構造チャートで示された学習領域を習得したと判断される。
【0048】
合格必須要素の指定、および合格必須要素のグループ化、グループ内最低合格数の指定が可能になることにより、学習者が特定の学習領域を学習するにあたり、その学習領域の全要素を理解する必要はなく、最低限の知識習得で充分であると判断される場合に迅速な学習の進行を行うことができる。
【0049】
合格必須要素の指定,および合格必須要素のグループ化、グループ内最低合格数の指定は、教材構造チャートデータ記憶部22に記憶されるため、設問選択時に合格必須要素の指定を無視し、教材構造チャート内の全要素を合格必須として取り扱うことも可能となる。
【0050】
合格必須学習要素グループ内の最低合格数を満たした場合は、現在学習者が学習中の教材構造チャートで示される学習領域の習得において残りの学習要素は、特に学習する必要がないと判断し、未合格学習要素として扱わないことができる。
【0051】
上記の判断を本処理において行う。
【0052】
合格必須要素内最低合格数チェック205が終了すると、同一要素内同難易度連続出題チェック207を行う。
【0053】
本実施形態においては、学習者に対して習得度係数が不合絡となった学習要素の設問を難易度を変えずに再度提示することが可能である。
【0054】
同一要素内同難易度の設問提示回数の上限は連続出題回数として教材構造チャートデータ記憶部22に記憶されていることは前述した。
【0055】
本処理においては提示回数の上限をチェックし、当該学習要素内の当該難易度に対応する設問は、学習者への提示対象から除外する。
【0056】
同一要素内同難易度連続出題チェック207が終了すると、同一要素内異難易度出題チェツク208を行う。
【0057】
本実施形態においては、学習者に対して習得度係数が不合格となった学習要素に対応する設問を難易度を変えて再度提示することが可能である。
【0058】
現在学習中の難易度で設問が不正解であった場合、難易度を下げた設問を学習者に提示することにより、当該学習要素の未習得による不正解なのか、学習回数の不足による不正解(ケアレスミスを含む)なのかを切り分けることが可能となる。この際に、現在学習中の難易度からどこまで難易度を下げて設問の提示を行うかといったパラメータが難易度降下数(以下難易度降下数)であり、下位難易度で正解となり、学習中の難易度で再び不正解となった場合に何回まで、難易度の降下と上昇を繰り返すのかというパラメータが難易度間往復回数である。
【0059】
本処理においては学習開始時点の設問の難易度と、現在提示されている設問の難易度をチェックし、難易度降下数および難易度間往復回数が上限を超えている場合、当該学習要素は学習者への提示対象から除外する。
【0060】
同一要素内異難易度出題チェック208が終了すると、要素間往復出題チェック209を行う。要素間往復出題とは、図6を参照すると、例えば学習要素b602の習得度係数が不合格の状態にあり、連続出題回数、難易度往復回数ともに上限を超えている場合には、学習要素b602の下位にあたる学習要素x603が学習者に提示される。ここで、学習要素x603の習得度係数が合格係数を超えた場合は上位要素である学習要素b602が再度学習者に提示される。この学習要素b602と学習要素x603の間の繰り返し出題を要素間往復といい、往復の回数を要素間往復回数と呼ぶ。本処理においては要素間往復出題の回数(以下要素間往復出題回数)の上限をチェックする。
【0061】
要素間往復出題チェック209が終了すると、上位要素の出題可能判定210を行う。
【0062】
上位学習要素xに対して下位学習要素が複数存在し、下位学習要素中に習得度係数が合格係数を超えていないものが存在する場合、特定の下位学習要素の合格状態を基に無条件に上位学習要素xを学習者に提示すると、下位学習要素の理解が不十分な状態で学習者が上位学習要素を学習することになる。そのため、本実施形態では、特定の要素の習得度係数が合格係数を超え、当該学習要素の上位学習要素を出題する必要が生じた場合に、主に以下のような条件を用いて上位学習要素の出題可能判定210を行う。
(1)出題可能判定の対象となっている学習要素の下位学習要素に習得度係数が不合格係数を下回っているものが存在しないこと
(2)出題可能判定の対象となっている学習要素の下位学習要素に習得度係数が不合格係数を超え、合格係数を下回っているものが1つ以下であること
(3)出題可能判定の対象となっている学習要素と、その下位学習要素との関係において、要素間強度が特定の値を超えているものが存在する場合は、その下位学習要素の習得度係数は必ず合格係数を超えていること
(4)出題可能判定の対象となっている学習要素の下位学習要素に習得度係数が存在しない(まだ学習者に提示されたことがない)学習要素が存在しないこと
本処理において出題不可と判断された学習要素は、学習者への提示対象から除外する。
【0063】
上位要素の出題可能判定210が終了すると、合格推定の見直し211を行う。
【0064】
ここでは、習得済み要素の推定203で行った下位学習要素の合格推定の見直しを行う。前述したように、上位学習要素n対下位学習要素1の関係にあるとき、その関係の1対1の部分に着目して上位学習要素から下位学習要素への習得推定を行ってしまうと、その他の上位学習要素の学習履歴が反映されず、合格推定が不正確なものとなる。
【0065】
そのため本処理では、上位学習要素n対下位学習要素1の関係にある下位学習要素が、上位学習要素の習得係数が合格係数を超えていることにより合格推定を受けている場合に、主に下記の条件を用いて、習得済み要素の推定203で行った合格推定の見直し211を行い、下記の条件に該当しない学習要素の合格推定を取り消す。
(1)合格推定見直しの対象となっている学習要素の上位学習要素のうち、2つ以上の学習要素の習得度係数が合格係数を超えている。
(2)合格推定見直しの対象となっている学習要素の上位学習要素のうち、習得度係数が合格係数を超えている学習要素が1つの場合は、上位学習要素の中で習得度係数を持っている(学習者へ提示されたことがある)学習要素の習得度係数規定の計算式を用いて計算し、その計算結果が特定の値を超えている。
【0066】
本処理において合格推定が取り消された学習要素は、未合格の学習要素として学習者への提示の対象とする。
【0067】
合格推定の見直し211が終了すると、提示要素の決定212を行う。パラメータ類の取得201から合格推定の見直し211の処理において、学習者に対して提示可能な学習要素が絞り込まれているため、本処理では、この中から規定の規則に従い、学習者に対して提示する学習要素を決定する。規定の規則とは、例えば教材構造チャートデータ記憶部22に記憶されている要素習得順の昇順、学習履歴データ記憶部23に記憶されている習得係数の昇順などである。
【0068】
提示要素の決定212が終了すると、提示設問の決定213を行う。本処理では、提示要素の決定212で決定された複数の学習要素に対応する設問の設問IDを規定の規則に従い設問データ記憶部24より検索し、検索された結果を学習履歴データ記憶部23に記憶する。規定の規則とは、学習履歴データ記憶部23に記憶されている既出設問の設問IDを基にした学習者が既に学習した設問を除外し、残りの設問群の中からランダムな選択をするなどである。
【0069】
提示設問の決定213が処理を終了すると、設問選択サブシステム14から設問提示サブシステム15へ処理が移る。
【0070】
設問提示サブシステム15では、第1に学習履歴データ記憶部23から出題すべき設問の設問IDを検索し、その設問IDに対応した設問本文ファイル、解答ファイル、解説ファイル、指導者用マニュアルファイルなどを設問データ記憶部24より検索する。検索された各ファイルを規定の規則に従い自動的にレイアウトを行い、出力装置4へ出力する。レイアウトを行う際の規定の規則とは、例えば、印字装置から印刷を行う場合に余白が不適当な大きさにならないように適切な位置で改ページを行う、学習者データ記憶部21より学習者の情報(例えば、学習者氏名など)を検索し、規定の位置へ出力する、設問データ記憶部24より検索された各設問本文に含まれる大問、小問に対応した解答欄を適切に配置し出力するなどである。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施形態の構成を示すブロック図
【図2】本実施形態における4設問選択サブシステムの処理の流れの概要を示す図
【図3】本実施形態で利用する教材構造チャートをモデル化したツリー
【図4】教材構造チャート内の上位、下位学習要素の関係をモデル化した図
【図5】教材構造チャート内の上位、下位学習要素の関係をモデル化した図
【図6】教材構造チャート内の上位、下位学習要素の関係をモデル化した図
【符号の説明】
【0072】
1 デ一タ処理装置
2 記憶装置
3 入力装置
4 出力装置
11 学習者管理サブシステム
l2 成績管理サブシステム
13 教材構造チャートサブシステム
14 設問選択サブシステム
15 設問提示サブシステム
21 学習者データ記憶部
22 教材構造チャート記憶部
23 学習履歴データ記憶部
24 設問データ記憶部
401〜605 学習要素
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テスト出題装置に関し、特に学習者の習得状態の自動測定および未習得分野を習得させるための設問の自動出題装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の設問選択方法は、
(1)誤答に対する、予め蓄積されている類題群からの機械的な問題抽出
(2)誤答に対する、予め蓄積されている類題群からの人間による問題抽出
(3)正答に対する、予め蓄積されている次問題群からの機械的な問題抽出
(4)正答に対する、予め蓄積されている類題群からの人間による問題抽出
が主であった。
【0003】
特開平5−11679号公報には、主記憶装置と、表示装置とプリンタと、学習用問題等のデータ入力手段及び記憶装置に記憶された問題関連ファイルと学習成績管理ファイルとから成り、各問題には問題コードとそれに対応する複数の弱点要素が付され、問題用紙と答案用紙などをプリントアウトする手段と、答案用紙の解答欄には前記問題コードの読取手段で学習者の弱点解析をする成績処理手段を備えている学習問題作成及び学習成績処理システムである。この技術は、統一テストを採点した結果、間違いのある問題の属する要素を弱点対策課題としての練習問題を個人毎に与える方法である。この時に出題される問題は、予め記憶装置に記録されている問題ファイルのうち、同一の問題分類に属する類題のみである。
【0004】
また、特開平8−160850号公報には、入力手段からの指示をCPUで処理し記憶手段に記憶された問題を選択して印刷等する問題作成装置として、記憶装置には少なくとも教科書の学習単位、項目に対応した設問を難易度に応じて分けた小問、及び関連ある複数の設問から成る大問が多数記憶され、各小問及び大問について設けた属性と、学習者の過去の成績データとが結合され、この成績データに基づいて弱点補強問題、または基礎学習であるフィードバック演習問題が出題される問題作成装置が記載されている。これにより、各個人が誤答した小問の類題のみではなく、誤答となった設問の基礎となる項目の問題をも提示することで、反復学習や基礎学習をして弱点を補強することができるが、設問の選択方法が自動化されておらず、人間による設問の選択が必要となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
第1の問題点は、従来の設問選択方式は、学習者が不正解となった学習要素と同一の学習要素を問う設問(以下類題)を出題(難易度の調整を含む)するのみであるということである。
【0006】
その理由は、誤答の原因が当該学習要素の下位にあたる要素(当該学習要素の習得のために必ず習得しておかなければならない要素)の未習得によるものであった場合には、そのような学習者に対する類題(ここでの類題は同一学習要素を問うものとする)の出題は効果がないということにある。
【0007】
第2の問題点は、従来の設問選択方式は、学習者が現在学習中の学習要素を正解し、次の学習要素に進む場合、予め決められた道筋に沿った次問題群から学習問題を無作為あるいは学習者に依存しない一定(固定的)のルールに基づいて抽出するということである。
【0008】
その理由は、予め決められた道筋に沿った次設問群から学習要素を選択すると、当該学習者にとっては学習の必要のない学習要素(生徒が理解済みである学習要素または当該学習要素の理解に直接関係のない学習要素)が出題される可能性があり、効果的な学習が阻害されることがあるということにある。
【0009】
第3の問題点は、従来の設問選択方式において、学習者が誤答となった設問に対してその基礎となる要素を問う設問を出題しようとする時に、選択肢は出力装置上に提示されたとしても、最終的には利用者が手動で選択をしなければならないということである。
【0010】
その理由は、学習者が誤答となった設問の基礎となる要素が複数存在する場合に、その選択が利用者の判断に委ねられ、必ずしも最適な設問を提示することができない場合があり、利用者(教師など)が手動で学習要素または設問を手動で選択しなければならず、利用者にとって大きな負担になる。またこの方法では、学習者が自ら利用して学習することが困難であるということにある。
【0011】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、問題の選択方法として、学習者が誤答となった設問の類題、誤答となった設問を理解するために必要な下位の学習要素にさかのぼって選択することや、学習者が正答となった設問に対し、学習可能な上位の学習要素を選択することを可能とし、設問の提示の際に、利用者の判断に頼ることなく、自動的に設問の選択を行い、学習者へ提示することを可能とするテスト出題装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のテスト出題装置は、学習者管理サブシステム、成績管理サブシステム、教材構造チャートサブシステム、設問選択サブシステムおよび設問提示サブシステムをプログラムで実行するデ一タ処理装置と、
学習者の氏名、住所、などの情報を記憶するための学習者データ記憶部、学習する各学習領域の属性、各学習領域に含まれる複数の学習要素の属性などを記憶するための教材構造チャート記憶部、学習者の正誤情報、学習履歴情報などを記憶するための学習履歴データ記憶部および設問本文、解答、解説、指導者マニュアル、設問の属性などを記憶するための設問データ記憶部を具有する記憶装置と、入力装置および出力装置とを具備し、
学習者が学習する学習領域に含まれる複数の学習要素に対して、その相関関係等の様々な属性を付加し、それらを構造的にデータベース化した教材構造チャートと、学習者の過去の成績、学習履歴などを利用し、学習者の過去の学習履歴から学習領域内の各学習要素の習得状態を計算によって定量的に求めたり、構造化された学習要素間の相関関係を利用して他の学習要素の習得状態から当該学習要素の習得状態の推定などを行い、最適な次学習要素を自動的に選択し、設問データからその学習要素に対応する適切な設問を選択してテストを出題するテスト出題装置であって、
前記学習要素の属性は、学習要素名称、学習要素ID、要素習得順、上位要素ID、上位または下位の学習要素との関連の強弱を複数の段階で表した要素間強度、下位要素ID、要素グループID、当該学習要素を習得済みとみなすための計算上のしきい値である合格係数、当該学習要素を未習得とみなすための計算上のしきい値である不合格係数、当該学習要素の直接下位にあたる学習要素同士の関係を表す相関関係等からなり、
前記教材構造チャートは、当該教材構造チャートに含まれる学習要素とそれらの諸属性値、教材構造チャートを利用して出題されたテストを学習者が終了するのに必要とする標準解答時間、当該教材構造チャート内のある学習要素に対して学習者が誤答となった場合に次回のテストにおいて同一の学習要素を再提示する回数の上限である連続出題回数、特定の学習要素において、ある難易度の設問は誤答であるが1段階難易度を下げた設問は正答または未学習であるという状況時に同一の学習要素で難易度の異なる設問を提示する回数の上限である難易度間往復回数等からなり、前記上位要素IDおよび下位要素IDは、各学習要素の上位または下位要素がある場合にそれを検索可能なように前記教材構造チャート記憶部に記憶されており、当該教材構造チャートの特定の学習要素に関連づけられ設問データ記憶部に記憶されている設問ファイルは、当該学習要素の下位学習要素で問われている要素を全て含んだ形で作成されており、
前記設問選択サブシステムは、前記成績管理サブシステムを利用して入力装置より入力された学習者の学習履歴を基に次学習要素を選択するために、過去の学習履歴を基に、習得度を表す習得度計数を計算し、既定の規則に従い前記教材構造チャート記憶部を検索して学習要素を決定し、決定した学習要素に対応する設問ファイルを前記設問データ記憶部から検索し、
前記設問提示サブシステムは、前記設問選択サブシステムで検索された前記設問ファイル内の設問を自動的にレイアウトして学習者に対して提示することを特徴とする。
【0013】
本発明の他の形態によるテスト出題装置は、設問選択サブシステムと、
学習者が学習する学習領域の属性と、当該学習領域に含まれる複数の学習要素ごとの属性と、からなる教材構造チャートを記憶するための教材構造チャート記憶部を具備し、
選択された前記学習要素に対応する設問を出題するテスト出題装置であって、
前記学習要素の属性は、学習要素間の上下関係を示すための上位要素IDまたは下位要素ID、およびその他属性とからなり、
前記設問選択サブシステムが学習者の学習履歴を基に前記学習要素の習得度を表す習得度計数を計算し、前記学習領域の属性、並びに前記上下関係にある複数の学習要素についての前記習得度係数および前記その他属性に基づいて学習要素を選択することを特徴とする。
【0014】
この場合、前記学習要素のその他属性は、上位または下位の学習要素との関連の強弱を表した要素間強度、要素習得順、要素グループID、当該学習要素を習得済みとみなすための計算上のしきい値である合格係数、当該学習要素を未習得とみなすための計算上のしきい値である不合格係数、当該学習要素の直接下位にあたる学習要素同士の関係を表す相関関係を含むとしてもよい。
【0015】
また、前記学習領域の属性は、教材構造チャート内のある学習要素に対して学習者が誤答となった場合に次回のテストにおいて同一の学習要素を再提示する回数の上限である連続出題回数、特定の学習要素において、ある難易度の設問は誤答であるが1段階難易度を下げた設問は正答または未学習であるという状況時に同一の学習要素で難易度の異なる設問を提示する回数の上限である難易度間往復回数を含むとしてもよい。
【0016】
本発明のさらに他の形態によるテスト出題装置は、学習者の氏名、住所を少なくとも含む学習者の情報を入力する学習者管理サブシステムと、学習者の正誤情報を入力する成績管理サブシステム、学習する各学習領域に対応する教材構造チャートの属性、教材構造チャートに含まれる複数の学習要素の属性を入力する教材構造チャートサブシステム、設問選択サブシステムおよび設問提示サブシステムをプログラムで実行するデ一タ処理装置と、
前記学習者の情報を記憶するための学習者データ記憶部、前記教材構造チャートの属性および前記学習要素の属性を記憶するための教材構造チャート記憶部、前記学習者の正誤情報、学習履歴情報を記憶するための学習履歴データ記憶部および設問ID、当該設問がどの教材構造チャートのどの学習要素に属するものかを識別するための学習要素ID、設問本文、解答、解説、指導者マニュアルを記憶するための設問データ記憶部を具有する記憶装置と、入力装置および出力装置とを具備し、
前記学習要素の属性は、学習要素名称、学習要素ID、要素習得順、上位要素ID、上位または下位の学習要素との関連の強弱を複数の段階で表した要素間強度、下位要素ID、要素グループID、当該学習要素を習得済みとみなすための計算上のしきい値である合格係数、当該学習要素を未習得とみなすための計算上のしきい値である不合格係数、当該学習要素の直接下位にあたる学習要素同士の関係を表す相関関係を少なくとも含み、
前記教材構造チャートは、教材構造チャート名称、学習領域、当該教材構造チャートに含まれる学習要素とそれらの属性、教材構造チャートを利用して出題されたテストを学習者が終了するのに必要とする標準解答時間、当該教材構造チャート内のある学習要素に対して学習者が誤答となった場合に次回のテストにおいて同一の学習要素を再提示する回数の上限である連続出題回数、特定の学習要素において、ある難易度の設問は誤答であるが1段階難易度を下げた設問は正答または未学習であるという状況時に同一の学習要素で難易度の異なる設問を提示する回数の上限である難易度間往復回数を少なくとも含み、
前記設問選択サブシステムは、前記入力装置から設問の出力指示があると、学習者が前記教材構造チャート内の各学習要素をどの程度習得しているかを示す習得度係数を過去の成績データから求めて前記学習履歴データ記憶部に記憶し、前記教材構造チャート内の上位、下位学習要素の関係が1対1のときは、前記学習履歴データ記憶部に記憶した当該上位学習要素の習得度係数が前記教材構造チャート記憶部に記憶された合格係数を超えていれば当該下位学習要素は合格済みとの推定を行うことにより、前記教材構造チャート内の上位、下位学習要素の関係がn対1のときは、前記学習履歴データ記憶部に記憶した当該上位学習要素のいずれかの習得度係数が前記教材構造チャート記憶部に記憶された合格係数を超えていれば当該下位学習要素は合格済みとの推定を行うことにより、各学習要素について合格済みかどうか判断し、合格済みでないと判断された学習要素のうちの所定の学習要素に対する設問のうちの所定の設問の設問IDを前記設問データ記憶部から検索して前記学習履歴データ記憶部に記憶し、
前記設問提示サブシステムは、前記学習履歴データ記憶部に記憶された設問IDに対応した設問本文、解答、解説、指導者マニュアルを前記設問データ記憶部から検索し、自動的にレイアウトして前記出力装置に出力することを特徴とする。
【0017】
本発明のさらに他の形態によるテスト出題装置は、設問選択サブシステムと、
複数の学習要素間の上下関係を記憶する教材構造チャート記憶部と、を具備し、
選択された前記学習要素に対応する設問を出題するテスト出題装置であって、
前記設問選択サブシステムは、前記上下関係における上位の学習要素の合否判定結果に基づいて当該学習要素の下位の学習要素の合否を判定して学習要素を選択することを特徴とする。
【0018】
本発明のテスト出題方法は、学習者管理サブシステム、成績管理サブシステム、教材構造チャートサブシステム、設問選択サブシステムおよび設問提示サブシステムをプログラムで実行するデ一タ処理装置と、
学習者の氏名、住所、などの情報を記憶するための学習者データ記憶部、学習する各学習領域の属性、各学習領域に含まれる複数の学習要素の属性などを記憶するための教材構造チャート記憶部、学習者の正誤情報、学習履歴情報などを記憶するための学習履歴データ記憶部および設問本文、解答、解説、指導者マニュアル、設問の属性などを記憶するための設問データ記憶部を具有する記憶装置と、入力装置および出力装置とを具備し、
学習者が学習する学習領域に含まれる複数の学習要素に対して、その相関関係等の様々な属性を付加し、それらを構造的にデータベース化した教材構造チャートと、学習者の過去の成績、学習履歴などを利用し、学習者の過去の学習履歴から学習領域内の各学習要素の習得状態を計算によって定量的に求めたり、構造化された学習要素間の相関関係を利用して他の学習要素の習得状態から当該学習要素の習得状態の推定などを行い、最適な次学習要素を自動的に選択し、設問データからその学習要素に対応する適切な設問を選択してテストを出題するテスト出題装置で行われるテスト出題方法であって、
前記学習要素の属性を、学習要素名称、学習要素ID、要素習得順、上位要素ID、上位または下位の学習要素との関連の強弱を複数の段階で表した要素間強度、下位要素ID、要素グループID、当該学習要素を習得済みとみなすための計算上のしきい値である合格係数、当該学習要素を未習得とみなすための計算上のしきい値である不合格係数、当該学習要素の直接下位にあたる学習要素同士の関係を表す相関関係等とし、
前記教材構造チャートを、当該教材構造チャートに含まれる学習要素とそれらの諸属性値、教材構造チャートを利用して出題されたテストを学習者が終了するのに必要とする標準解答時間、当該教材構造チャート内のある学習要素に対して学習者が誤答となった場合に次回のテストにおいて同一の学習要素を再提示する回数の上限である連続出題回数、特定の学習要素において、ある難易度の設問は誤答であるが1段階難易度を下げた設問は正答または未学習であるという状況時に同一の学習要素で難易度の異なる設問を提示する回数の上限である難易度間往復回数等からなるものとし、前記上位要素IDおよび下位要素IDを、各学習要素の上位または下位要素がある場合にそれを検索可能なように前記教材構造チャート記憶部に記憶させ、当該教材構造チャートの特定の学習要素に関連づけられ設問データ記憶部に記憶されている設問ファイルを、当該学習要素の下位学習要素で問われている要素を全て含んだ形で作成し、
前記設問選択サブシステムで行われる、前記成績管理サブシステムを利用して入力装置より入力された学習者の学習履歴を基に次学習要素を選択するために、過去の学習履歴を基に、習得度を表す習得度計数を計算し、既定の規則に従い前記教材構造チャート記憶部を検索して学習要素を決定し、決定した学習要素に対応する設問ファイルを前記設問データ記憶部から検索するステップと、
前記設問提示サブシステムで行われる、前記設問選択サブシステムで検索された前記設問ファイル内の設問を自動的にレイアウトして学習者に対して提示するステップとを有することを特徴とする。
【0019】
本発明の他の形態によるテスト出題方法は、設問選択サブシステムと、
学習者が学習する学習領域の属性と、当該学習領域に含まれる複数の学習要素ごとの属性と、からなる教材構造チャートを記憶するための教材構造チャート記憶部を具備するテスト出題装置で行われるテスト出題方法であって、
選択された前記学習要素に対応する設問を出題するテスト出題装置で行われるテスト出題方法であって、
前記学習要素の属性は、学習要素間の上下関係を示すための上位要素ID、下位要素ID、およびその他属性となるものとし、
前記設問選択サブシステムで行われる、学習者の学習履歴を基に前記学習領域の属性、並びに前記上下関係にある複数の学習要素についての前記習得度係数および前記その他属性に基づいて学習要素を選択するステップを有することを特徴とする。
【0020】
この場合、前記学習要素のその他属性を、上位または下位の学習要素との関連の強弱を表した要素間強度、要素習得順、要素グループID、当該学習要素を習得済みとみなすための計算上のしきい値である合格係数、当該学習要素を未習得とみなすための計算上のしきい値である不合格係数、当該学習要素の直接下位にあたる学習要素同士の関係を表す相関関係を含むものとしてもよい。
【0021】
また、前記学習領域の属性を、教材構造チャート名、当該教材構造チャートに含まれる学習要素とそれらの諸属性値、教材構造チャートを利用して出題されたテストを学習者が終了するのに必要とする標準解答時間、当該教材構造チャート内のある学習要素に対して学習者が誤答となった場合に次回のテストにおいて同一の学習要素を再提示する回数の上限である連続出題回数、特定の学習要素において、ある難易度の設問は誤答であるが1段階難易度を下げた設問は正答または未学習であるという状況時に同一の学習要素で難易度の異なる設問を提示する回数の上限である難易度間往復回数を含むものとしてもよい。
【0022】
本発明のさらに他の形態によるテスト出題方法は、学習者の氏名、住所を少なくとも含む学習者の情報を入力する学習者管理サブシステムと、学習者の正誤情報を入力する成績管理サブシステム、学習する各学習領域に対応する教材構造チャートの属性、教材構造チャートに含まれる複数の学習要素の属性を入力する教材構造チャートサブシステム、設問選択サブシステムおよび設問提示サブシステムをプログラムで実行するデ一タ処理装置と、
前記学習者の情報を記憶するための学習者データ記憶部、前記教材構造チャートの属性および前記学習要素の属性を記憶するための教材構造チャート記憶部、前記学習者の正誤情報、学習履歴情報を記憶するための学習履歴データ記憶部および設問ID、当該設問がどの教材構造チャートのどの学習要素に属するものかを識別するための学習要素ID、設問本文、解答、解説、指導者マニュアルを記憶するための設問データ記憶部を具有する記憶装置と、入力装置および出力装置とを具備するテスト出題装置で行われるテスト出題方法であって、
前記学習要素の属性を、学習要素名称、学習要素ID、要素習得順、上位要素ID、上位または下位の学習要素との関連の強弱を複数の段階で表した要素間強度、下位要素ID、要素グループID、当該学習要素を習得済みとみなすための計算上のしきい値である合格係数、当該学習要素を未習得とみなすための計算上のしきい値である不合格係数、当該学習要素の直接下位にあたる学習要素同士の関係を表す相関関係を少なくとも含むものとし、
前記教材構造チャートを、教材構造チャート名称、学習領域、当該教材構造チャートに含まれる学習要素とそれらの属性、教材構造チャートを利用して出題されたテストを学習者が終了するのに必要とする標準解答時間、当該教材構造チャート内のある学習要素に対して学習者が誤答となった場合に次回のテストにおいて同一の学習要素を再提示する回数の上限である連続出題回数、特定の学習要素において、ある難易度の設問は誤答であるが1段階難易度を下げた設問は正答または未学習であるという状況時に同一の学習要素で難易度の異なる設問を提示する回数の上限である難易度間往復回数を少なくとも含むものとし、
前記設問選択サブシステムで行われる、前記入力装置から設問の出力指示があると、学習者が前記教材構造チャート内の各学習要素をどの程度習得しているかを示す習得度係数を過去の成績データから求めて前記学習履歴データ記憶部に記憶させ、前記教材構造チャート内の上位、下位学習要素の関係が1対1のときは、前記学習履歴データ記憶部に記憶した当該上位学習要素の習得度係数が前記教材構造チャート記憶部に記憶された合格係数を超えていれば当該下位学習要素は合格済みとの推定を行うことにより、前記教材構造チャート内の上位、下位学習要素の関係がn対1のときは、前記学習履歴データ記憶部に記憶した当該上位学習要素のいずれかの習得度係数が前記教材構造チャート記憶部に記憶された合格係数を超えていれば当該下位学習要素は合格済みとの推定を行うことにより、各学習要素について合格済みかどうか判断し、合格済みでないと判断された学習要素のうちの所定の学習要素に対する設問のうちの所定の設問の設問IDを前記設問データ記憶部から検索して前記学習履歴データ記憶部に記憶させるステップと、
前記設問提示サブシステムで行われる、前記学習履歴データ記憶部に記憶された設問IDに対応した設問本文、解答、解説、指導者マニュアルを前記設問データ記憶部から検索し、自動的にレイアウトして前記出力装置に出力するステップとを有することを特徴とする。
【0023】
本発明のさらに他の形態によるテスト出題方法は、設問選択サブシステムと、
複数の学習要素間の上下関係を記憶する教材構造チャート記憶部と、を具備し、
選択された前記学習要素に対応する設問を出題するテスト出題装置で行われるテスト出題方法であって、
前記設問選択サブシステムで行われるは、前記上下関係における上位の学習要素の合否判定結果に基づいて当該学習要素の下位の学習要素の合否を判定して学習要素を選択するステップを有することを特徴とする。
【0024】
本発明のプログラムは上記のいずれかに記載の方法をデータ処理装置に実行させる。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように、本発明のテスト出題装置によれば、教材構造チャートを利用することによって、当該学習要素及び関連のある他の学習要素の習得状態をもとに、同難易度の類題、異難易度の類題、下位の学習要素、上位の学習要素などから、次に学習すべき最も適切な学習要素を選択することができる。
【0026】
また上位学習要素の習得状態をもとに、下位及び関連のある学習要素のうち、未出題のものに対しても習得状態を推定することができる。このことにより、学習者に対して解法を理解していない設問を連続して出題し続けるといった非効率的な設問の提示を防止することができる。
【0027】
また、自動的に学習者に対して誤答となった設問の下位にあたる学習要素を含む設問や、必要であれば(過去に学習者に提示した回数が少なく、ケアレスミスかどうかが判断できない場合など)類題などを提示できることにより、学習者に提示する設問の選択が利用者のスキルや指導方針の違いなどに左右されることが防止される。設問の選択が利用者の判断を必要としないため、学習者が自ら本発明を利用して自己学習を行うことも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
図1は本発明の実施形態の構成を示すブロック図である。図1を参照すると、本発明の実施形態は、プログラム制御により動作するデータ処理装置1と、情報を記憶する記憶装置2と、キーボード等の入力装置3と、ディスプレイ装置や印刷装置等の出力装置4を含む。
【0030】
データ処理装置1は、学習者管理サブシステム11と、成績管理サブシステムl2と、教材構造チャートサブシステム13と、設問選択サブシステム14および設問提示サブシステム15を保有している。
【0031】
記憶装置2は、学習者データ記憶部21と、教材構造チャート記憶部22と、学習履歴データ記憶部23と、設問データ記憶部24を備えている。
【0032】
学習者データ記憶部21は、学習者管理サブシステム11より、本実施形態を使用して学習を行う学習者の情報を記憶することができる。学習者の情報の例としては、学習者の氏名、氏名ふりがな、住所などがある。学習者データ記憶部21に記憶されている学習者の情報は、学習者管理サブシステム11を利用して、新規登録、更新、削除を行うことができる。
【0033】
教材構造チャートデータ記憶部22は、教材構造チャートサブシステム13より、本実施形態を使用して学習する各学習領域に対応する教材構造チャートの属性、教材構造チャートに含まれる複数の学習要素(以下学習要素)の属性などを記憶することができる。
【0034】
教材構造チャートの属性の例としては、教材構造チャート名称、標準解答時間(当該教材構造チャートを利用して作成されたテストを学習者が終了するのに必要とする時間のめやす)、連続出題回数(当該教材構造チャート内のある学習要素に対して学習者が誤答となった場合に、次回のテストにおいて同一の学習要素を再提示する回数の上限)、難易度間往復回数(特定の学習要素において、ある難易度の設問は誤答であるが、1段階難易度を下げた設問は正答または未学習であるという状況が発生した場合に同一の学習要素において難易度の異なる設問を提示する回数の上限)などがある。
【0035】
学習要素の属性の例としては、学習要素名称、学習要素ID(本実施形態内で利用される複数の学習要素を一意にする識別子)、要素習得順,上位要素ID(当該学習要素の直接上位にあたる学習要素の識別子。図3を参照すると、例えば学習要素306の上位要素は学習要素308および学習要素317となる)、上位要素との関連の強弱(当該学習要素と上位学習要素との関連の強さを複数段階で表す。以下要素間強度と呼ぶ)、上位要素との関連の形態(当該学習要素と、上位学習要素の関連の形態。当該学習要素を理解するための下位学習要素の理解の必要度合いなど)、出題予約(一度学習者に対して提示した学習要素を同一の学習者に対して再度提示するまでのテスト回数)、下位要素ID(当該学習要素の直接下位にあたる学習要素の識別子。図3を参照すると、例えば学習要素306の下位要素は学習要素304となる)、要素グループID(学習要素をグループ化して管理するためのコード)、合格係数(当該学習要素を習得済みとみなすための計算結果のしきい値)、不合格係数(当該学習要素を未習得とみなすための計算結果のしきい値)、相関関係(当該学習要素の直接下位にあたる学習要素同士の関係。AND関係とOR関係があり、当該学習要素を理解するために、直接下位にあたる複数の学習要素をすべて理解する必要があるという下位要素同士の関係をAND関係と呼び、複数の下位要素のうち、1つだけを学習すれば上位学習要素の理解が可能であるという関係をOR関係と呼ぶ)などがある。
【0036】
学習履歴データ記憶部23は、成績管理サブシステムl2より、本実施形態を使用して学習している学習者の正誤情報を記憶することができる。正誤情報の例としては、正解、不正解、空白解答、ケアレスミスなどがある。また、設問選択サブシステム14から学習者が設問を学習した履歴情報を記憶することができる。学習履歴情報の例としては、既出設問の設問ID、学習日などがある。
【0037】
設問データ記憶部24は、設問本文、解答、解説、指導者用マニュアル、設問の属性などを記憶することができる。設問の属性の例としては、設問ID、要素ID(当該設問がどの教材構造チャートのどの要素に属するものかを識別する)、難易度などがある。
【0038】
設問選択サブシステム14は、学習履歴データ記憶部23に記憶されている学習者の成績データ、学習履歴データ、教材構造チャートデータ記憶部22に記憶されている教材構造チャートの属性、学習要素の属性などを基に、規定のルールに従い、学習者に提示すべき学習要素を決定する。
【0039】
設問提示サブシステム15は、設問選択サブシステム14で決定された学習要素を基に設問データ記憶部24を検索して学習者に提示すべき設問を決定し、学習者データ記憶部21に記憶されている学習者データを検索し、出力装置4へ出力する。出力の形態としては例えば、印刷装置からプリントアウトする、ディスプレイへ表示するなどがある。
【0040】
次に、本発明の実施形態の処理手順について、図面を参照して説明する。
【0041】
図2は、本実施形態における設問選択サブシステム14の処理の流れの概要を示す図である。
【0042】
テストの出力指示が入力装置3より与えられると設問選択サブシステム14が処理を開始し、第1番目にパラメータ類の取得201を行う。パラメータ類は、入力装置3より入力する方法や、予め、記憶装置に記憶させておく方法などがある。予め記憶装置に記録させておく方法の場合は、パラメータ類の取得201では、教材構造チャート記憶部22を検索しパラメータ情報の入手を行う。
【0043】
本システムの実行にあたり、動的に変更が可能な主なパラメータ類には以下のものがある。
(1)難易度降下数・・・同一の学習要素に複数の難易度の設問データが登録されている時、学習中の難易度の設問が不正解であった場合に段階的にどこまで難易度を下げることができるかを指定する。
(2)減衰率・・・過去の成績データを基に学習要素の習得度係数を計算する際に利用する。(時系列での成績情報の重みづけ)
(3)合格係数・・・習得度係数がここで設定されている値を上回った場合、その学習要素を合格とみなす。
(4)不合格係数・・習得度係数がここで設定されている値を下回った場合、その学習要素を不合格とする。
【0044】
パラメータ類の取得201が終了すると、すべての学習要素に対して、習得度係数の計算202を行い、計算結果を学習履歴データ記憶部23へ記憶する。
【0045】
習得度係数とは学習者が教材構造チャート内の各学習要素をどの程度習得しているかを過去の成績データから計算した数値である。例えば、今回を含め、過去3回の成績をもとに習得度係数を計算する。過去何回の成績を習得度係数の計算に利用するかは、教材構造チャートデータ記憶部22に記憶しておくことができる。
【0046】
また、習得度係数の計算時に、習得度係数計算の対象となっている学習要素の下位にあたる学習要素に対して学習効果係数を計算し、学習履歴データ記憶部23に記憶する。学習効果係数を計算する対象となる下位学習要素とは、直接下位関係にある学習要素に限らない。
【0047】
図3は本実施形態で利用する教材構造チャートをモデル化したツリーを示す図である。図3を参照すると、例えば学習要素304の習得度係数の計算時に学習効果係数を計算する下位学習要素は学習要素303、学習要素302、学習要素301となる。
【0048】
ある特定の学習要素が学習者に対して提示された場合に、提示された学習要素は、その下位にあたる学習要素で学習すべき要因を全て含んでいるという構造を教材構造チャートが持っている。そのため、学習効果係数という概念を用い、上位学習要素の学習結果を下位学習要素へ反映させるのである。
【0049】
習得度計数の計算202が終了すると、習得済み要素の推定203を行う。
【0050】
図4〜図6は教材構造チャート内の上位、下位学習要素の関係をモデル化した数例を示す図である。
【0051】
ある学習要素とその上位学習要素が図4のような関係にあるとき、習得度係数の計算202で計算し、学習履歴データ記憶部23に記憶されている上位学習要素402の習得度係数が、合格係数を超えていれば、学習要素401は合格済みとの推定(以下合格推定)を行う。
【0052】
また、ある学習要素とその上位学習要素が図5のような関係にあるとき、習得度係数の計算202で計算し、学習履歴データ記憶部23に記憶されている上位学習要素502、503、504のいずれかの習得度係数が、合格係数を超えていれば、学習要素501は合格推定を行う。
【0053】
ある学習要素と、その直接上位学習要素の関係が図5に示すような関係にあるとき、上位学習要素の習得度係数、要素間強度によっては、いちがいに合格と推定が行えない状況も発生するが、この段階では上位学習要素の合格状態(習得度係数が合格係数を超えている)から下位学習要素の習得済み推定を行う。習得済み推定がされた学習要素は、合格済み学習要素として学習者への提示の対象から除外される。
【0054】
習得済み要素の推定203が終了すると、合格必須要素のチェック204を行う。合格必須要素とは、教材構造チャートを修了するためには、必ず習得度係数が合格係数を超えていることが必要とされる学習要素のことである。ある学習要素が合格必須要素であるかどうかは教材構造チャートデータ記憶部22に記憶されている。
【0055】
合格必須要素のチェック204においては、教材構造チャートデータ記憶部22を検索し、習得度計数の計算202の結果、習得度係数が合格係数を超えていない要素(以下未合格学習要素)より、合格必須学習要素の取り出しを行う。
【0056】
合格必須要素のチェック204が終了すると、合格必須要素内最低合格数チェック205を行う。
【0057】
本実施形態においては、合格必須要素をグループ化し(以下合格必須要素グループ)、グループ内の最低合格数(以下グループ内最低合格数)を指定し、教材構造チャートデータ記憶部22に記憶することができる。例えば、教材構造チャート内に要素a、要素b、要素c、要素d、要素e、要素f、要素g、要素h、要素i、要素jの10要素が存在するとき、要素a、要素b、要素cを合格必須要素グループA、要素d、要素eを合格必須要素グループBとし、合格必須要素グループAの最低合格数を2、合格必須要素グループBの最低合格数を2と指定することができる。
【0058】
上記例の場合、学習者が合格必須要素グループAの要素のうち2要素と、合格必須要素Bグループの2要素全てを合格した段階で当該教材構造チャートで示された学習領域を習得したと判断される。
【0059】
合格必須要素の指定、および合格必須要素のグループ化、グループ内最低合格数の指定が可能になることにより、学習者が特定の学習領域を学習するにあたり、その学習領域の全要素を理解する必要はなく、最低限の知識習得で充分であると判断される場合に迅速な学習の進行を行うことができる。
【0060】
教材構造チャートデータ記憶部22に記憶されている合格必須要素、合格必須要素グループ、グループ内最低合格数を無視し、教材構造チャート内の全要素を合格必須として取り扱うことも可能となる。
【0061】
合格必須要素グループとしてグループ化されている学習要素のうち、合格必須学習要素グループ内の最低合格数を満たした場合は、教材構造チャートを修了とする。
【0062】
以上の処理の結果、教材構造チャートを修了していない場合、合格必須要素内最低合格数チェック205を終了し、習得度係数が合格係数を超えていない要素すべてについて、以降の処理を行う。
【0063】
合格必須要素内最低合格数チェック205が終了すると、同一要素内同難易度連続出題チェック207を行う。
【0064】
本実施形態においては、学習者に対して習得度係数が不合格となった学習要素の設問を難易度を変えずに再度提示することが可能である。
【0065】
同一要素内同難易度の設問提示回数の上限は連続出題回数として教材構造チャートデータ記憶部22に記憶されていることは前述した。
【0066】
本処理においては提示回数の上限をチェックし、提示回数が所定の上限を超えている場合、当該学習要素内の当該難易度に対応する設問は、学習者への提示対象から除外し、以降の処理を行う。提示回数が所定の回数内の場合は、当該学習要素内の当該難易度に対応する設問を学習者への提示対象とし、残りの習得度係数が合格係数を超えていない要素について、本処理を行う。
【0067】
同一要素内同難易度連続出題チェック207が終了すると、同一要素内異難易度出題チェツク208を行う。
【0068】
本実施形態においては、学習者に対して習得度係数が不合格となった学習要素に対応する設問を難易度を変えて再度提示することが可能である。
【0069】
現在学習中の難易度で設問が不正解であった場合、難易度を下げた設問を学習者に提示することにより、当該学習要素の未習得による不正解なのか、学習回数の不足による不正解(ケアレスミスを含む)なのかを切り分けることが可能となる。この際に、現在学習中の難易度からどこまで難易度を下げて設問の提示を行うかといったパラメータが難易度降下数(以下難易度降下数)であり、下位難易度で正解となり、学習中の難易度で再び不正解となった場合に何回まで、難易度の降下と上昇を繰り返すのかというパラメータが難易度間往復回数である。
【0070】
本処理においては学習開始時点の設問の難易度と、現在提示されている設問の難易度をチェックし、現在提示されている設問よりも難易度を下げることにより、難易度降下数または難易度間往復回数が、設定された上限を超える場合、当該学習要素と同一学習要素で当該学習要素から難易度を下げた設問は学習者への提示対象から除外し、以降の処理を行う。難易度降下数および難易度往復回数が所定の回数内の場合は、当該学習要素内の難易度を下げた設問を学習者への提示対象とし、残りの習得度係数が合格係数を超えていない要素について、同一要素内同難易度連続出題チェック207へ戻り、処理を行う。
【0071】
同一要素内異難易度出題チェック208が終了すると、要素間往復出題チェック209を行う。要素間往復出題とは、図6を参照すると、例えば学習要素b602の習得度係数が不合格の状態にあり、連続出題回数、難易度往復回数ともに上限を超えている場合には、学習要素b602の下位にあたる学習要素x603が学習者に提示される。ここで、学習要素x603の習得度係数が合格係数を超えた場合は上位要素である学習要素b602が再度学習者に提示される。この学習要素b602と学習要素x603の間の繰り返し出題を要素間往復といい、往復の回数を要素間往復回数と呼ぶ。本処理においては要素間往復出題の回数(以下要素間往復出題回数)の上限をチェックする。
【0072】
要素間往復出題チェック209を行った後、上位要素の出題可能判定210を行う。
【0073】
上位学習要素xに対して下位学習要素が複数存在し、下位学習要素中に習得度係数が合格係数を超えていないものが存在する場合、特定の下位学習要素の合格状態を基に無条件に上位学習要素xを学習者に提示すると、下位学習要素の理解が不十分な状態で学習者が上位学習要素を学習することになる。そのため、本実施形態では、特定の要素の習得度係数が合格係数を超え、当該学習要素の上位学習要素を出題する必要が生じた場合に、主に以下のような条件を用いて上位学習要素の出題可能判定210を行う。
(1)出題可能判定の対象となっている学習要素の下位学習要素に習得度係数が不合格係数を下回っているものが存在しないこと
(2)出題可能判定の対象となっている学習要素の下位学習要素に習得度係数が不合格係数を超え、合格係数を下回っているものが1つ以下であること
(3)出題可能判定の対象となっている学習要素と、その下位学習要素との関係において、要素間強度が特定の値を超えているものが存在する場合は、その下位学習要素の習得度係数は必ず合格係数を超えていること
(4)出題可能判定の対象となっている学習要素の下位学習要素に習得度係数が存在しない(まだ学習者に提示されたことがない)学習要素が存在しないこと
本処理において出題不可と判断された学習要素は、学習者への提示対象から除外する。
【0074】
上位要素の出題可能判定210が終了すると、合格推定の見直し211を行う。
【0075】
ここでは、習得済み要素の推定203で行った下位学習要素の合格推定の見直しを行う。前述したように、上位学習要素n対下位学習要素1の関係にあるとき、その関係の1対1の部分に着目して上位学習要素から下位学習要素への習得推定を行ってしまうと、その他の上位学習要素の学習履歴が反映されず、合格推定が不正確なものとなる。
【0076】
そのため本処理では、上位学習要素n対下位学習要素1の関係にある下位学習要素が、上位学習要素の習得係数が合格係数を超えていることにより合格推定を受けている場合に、主に下記の条件を用いて、習得済み要素の推定203で行った合格推定の見直し211を行い、下記のいずれかの条件に該当しない学習要素の合格推定を取り消す。
(1)合格推定見直しの対象となっている学習要素の上位学習要素のうち、2つ以上の学習要素の習得度係数が合格係数を超えている。
(2)合格推定見直しの対象となっている学習要素の上位学習要素のうち、習得度係数が合格係数を超えている学習要素が1つの場合は、上位学習要素の中で習得度係数を持っている(学習者へ提示されたことがある)学習要素の習得度係数を用いて合格推定見直し用習得度係数を規定の計算式から算出し、その算出結果が所定の値を超えている。
【0077】
本処理において合格推定が取り消された学習要素は、未合格の学習要素として学習者への提示の対象とする。
【0078】
合格推定の見直し211が終了すると、提示要素の決定212を行う。パラメータ類の取得201から合格推定の見直し211の処理において、学習者に対して提示可能な学習要素が絞り込まれているため、本処理では、この中から規定の規則に従い、学習者に対して提示する学習要素を決定する。規定の規則とは、例えば教材構造チャートデータ記憶部22に記憶されている要素習得順の昇順、学習履歴データ記憶部23に記憶されている習得係数の昇順などである。
【0079】
提示要素の決定212が終了すると、提示設問の決定213を行う。本処理では、提示要素の決定212で決定された複数の学習要素に対応する設問の設問IDを規定の規則に従い設問データ記憶部24より検索し、検索された結果を学習履歴データ記憶部23に記憶する。規定の規則とは、学習履歴データ記憶部23に記憶されている既出設問の設問IDを基にした学習者が既に学習した設問を除外し、残りの設問群の中からランダムな選択をするなどである。
【0080】
提示設問の決定213が処理を終了すると、設問選択サブシステム14から設問提示サブシステム15へ処理が移る。
【0081】
設問提示サブシステム15では、第1に学習履歴データ記憶部23から出題すべき設問の設問IDを検索し、その設問IDに対応した設問本文ファイル、解答ファイル、解説ファイル、指導者用マニュアルファイルなどを設問データ記憶部24より検索する。検索された各ファイルを規定の規則に従い自動的にレイアウトを行い、出力装置4へ出力する。レイアウトを行う際の規定の規則とは、例えば、印字装置から印刷を行う場合に余白が不適当な大きさにならないように適切な位置で改ページを行う、学習者データ記憶部21より学習者の情報(例えば、学習者氏名など)を検索し、規定の位置へ出力する、設問データ記憶部24より検索された各設問本文に含まれる大問、小問に対応した解答欄を適切に配置し出力するなどである。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の実施形態の構成を示すブロック図
【図2】本実施形態における設問選択サブシステムの処理の流れの概要を示す図
【図3】本実施形態で利用する教材構造チャートをモデル化したツリー
【図4】教材構造チャート内の上位、下位学習要素の関係をモデル化した図
【図5】教材構造チャート内の上位、下位学習要素の関係をモデル化した図
【図6】教材構造チャート内の上位、下位学習要素の関係をモデル化した図
【符号の説明】
【0083】
1 デ一タ処理装置
2 記憶装置
3 入力装置
4 出力装置
11 学習者管理サブシステム
l2 成績管理サブシステム
13 教材構造チャートサブシステム
14 設問選択サブシステム
15 設問提示サブシステム
21 学習者データ記憶部
22 教材構造チャート記憶部
23 学習履歴データ記憶部
24 設問データ記憶部
401〜605 学習要素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
学習者管理サブシステム、成績管理サブシステム、教材構造チャートサブシステム、設問選択サブシステムおよび設問提示サブシステムをプログラムで実行するデ一タ処理装置と、
学習者の氏名、住所、などの情報を記憶するための学習者データ記憶部、学習する各学習領域の属性、各学習領域に含まれる複数の学習要素の属性などを記憶するための教材構造チャート記憶部、学習者の正誤情報、学習履歴情報などを記憶するための学習履歴データ記憶部および設問本文、解答、解説、指導者マニュアル、設問の属性などを記憶するための設問データ記憶部を具有する記憶装置と、入力装置および出力装置とを具備し、
学習者が学習する学習領域に含まれる複数の学習要素に対して、その相関関係等の様々な属性を付加し、それらを構造的にデータベース化した教材構造チャートと、学習者の過去の成績、学習履歴などを利用し、学習者の過去の学習履歴から学習領域内の各学習要素の習得状態を計算によって定量的に求めたり、構造化された学習要素間の相関関係を利用して他の学習要素の習得状態から当該学習要素の習得状態の推定などを行い、最適な次学習要素を自動的に選択し、設問データからその学習要素に対応する適切な設問を選択してテストを出題するテスト出題装置であって、
前記学習要素の属性は、学習要素名称、学習要素ID、要素習得順、上位要素ID、上位または下位の学習要素との関連の強弱を複数の段階で表した要素間強度、下位要素ID、要素グループID、当該学習要素を習得済みとみなすための計算上のしきい値である合格係数、当該学習要素を未習得とみなすための計算上のしきい値である不合格係数、当該学習要素の直接下位にあたる学習要素同士の関係を表す相関関係等からなり、
前記教材構造チャートは、当該教材構造チャートに含まれる学習要素とそれらの諸属性値、教材構造チャートを利用して出題されたテストを学習者が終了するのに必要とする標準解答時間、当該教材構造チャート内のある学習要素に対して学習者が誤答となった場合に次回のテストにおいて同一の学習要素を再提示する回数の上限である連続出題回数、特定の学習要素において、ある難易度の設問は誤答であるが1段階難易度を下げた設問は正答または未学習であるという状況時に同一の学習要素で難易度の異なる設問を提示する回数の上限である難易度間往復回数等からなり、前記上位要素IDおよび下位要素IDは、各学習要素の上位または下位要素がある場合にそれを検索可能なように前記教材構造チャート記憶部に記憶されており、当該教材構造チャートの特定の学習要素に関連づけられ設問データ記憶部に記憶されている設問ファイルは、当該学習要素の下位学習要素で問われている要素を全て含んだ形で作成されており、
前記設問選択サブシステムサブシステムは、前記成績管理サブシステムを利用して入力装置より入力された学習者の学習履歴を基に次学習要素を選択するために、過去の学習履歴を基に、習得度を表す習得度計数を計算し、既定の規則に従い前記教材構造チャート記憶部を検索して学習要素を決定し、決定した学習要素に対応する設問ファイルを前記設問データ記憶部から検索し、
前記設問提示サブシステムは、前記設問選択サブシステムで検索された前記設問ファイル内の設問を自動的にレイアウトして学習者に対して提示することを特徴とするテスト出題装置。
【請求項2】
設問選択サブシステムと、
学習者が学習する学習領域に含まれる複数の学習要素と、その属性を構造的にデータベース化した教材構造チャートを記憶するための教材構造チャート記憶部、学習者の学習履歴情報などを記憶するための学習履歴データ記憶部および設問などを記憶するための設問データ記憶部と、を具備し、
最適な次学習要素を選択し、設問データからその学習要素に対応する設問を選択してテストを出題するテスト出題装置であって、
前記学習要素の属性は、上位要素ID、上位または下位の学習要素との関連の強弱を表した要素間強度、下位要素ID、等からなり、
前記教材構造チャートの属性を各学習要素の上位及び下位要素を検索可能なように前記上位要素IDおよび下位要素IDが前記教材構造チャート記憶部に記憶されており、設問ファイルは、当該教材構造チャートの特定の学習要素に関連づけられ設問データ記憶部に記憶されており、
前記設問選択サブシステムが次学習要素を選択するために、前記学習履歴データ記憶部に記憶されている学習履歴を基に、前記学習要素の習得度を表す習得度計数を計算し、既定の規則に従い前記教材構造チャートを検索して前記習得度および前記学習要素の属性に基づいて構造化された学習要素間の相関関係を利用して他の学習要素の習得状態から当該学習要素の習得状態の推定などを行い、学習要素を決定し、決定した学習要素に対応する設問ファイルを前記設問データ記憶部から検索することを特徴とするテスト出題装置。
【請求項3】
請求項2記載のテスト出題装置において、
前記学習要素の属性は、学習要素名称、学習要素ID、要素習得順、要素グループID、当該学習要素を習得済みとみなすための計算上のしきい値である合格係数、当該学習要素を未習得とみなすための計算上のしきい値である不合格係数、当該学習要素の直接下位にあたる学習要素同士の関係を表す相関関係を含むテスト出題装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3記載のテスト出題装置において、
前記教材構造チャートの属性は、教材構造チャート名、当該教材構造チャートに含まれる学習要素とそれらの諸属性値、教材構造チャートを利用して出題されたテストを学習者が終了するのに必要とする標準解答時間、当該教材構造チャート内のある学習要素に対して学習者が誤答となった場合に次回のテストにおいて同一の学習要素を再提示する回数の上限である連続出題回数、特定の学習要素において、ある難易度の設問は誤答であるが1段階難易度を下げた設問は正答または未学習であるという状況時に同一の学習要素で難易度の異なる設問を提示する回数の上限である難易度間往復回数を含むテスト出題装置。
【請求項5】
学習者の氏名、住所を少なくとも含む学習者の情報を入力する学習者管理サブシステムと、学習者の正誤情報を入力する成績管理サブシステム、学習する各学習領域に対応する教材構造チャートの属性、教材構造チャートに含まれる複数の学習要素の属性を入力する教材構造チャートサブシステム、設問選択サブシステムおよび設問提示サブシステムをプログラムで実行するデ一タ処理装置と、
前記学習者の情報を記憶するための学習者データ記憶部、前記教材構造チャートの属性および前記学習要素の属性を記憶するための教材構造チャート記憶部、前記学習者の正誤情報、学習履歴情報を記憶するための学習履歴データ記憶部および設問ID、当該設問がどの教材構造チャートのどの学習要素に属するものかを識別するための学習要素ID、設問本文、解答、解説、指導者マニュアルを記憶するための設問データ記憶部を具有する記憶装置と、入力装置および出力装置とを具備し、
前記学習要素の属性は、学習要素名称、学習要素ID、要素習得順、上位要素ID、上位または下位の学習要素との関連の強弱を複数の段階で表した要素間強度、下位要素ID、要素グループID、当該学習要素を習得済みとみなすための計算上のしきい値である合格係数、当該学習要素を未習得とみなすための計算上のしきい値である不合格係数、当該学習要素の直接下位にあたる学習要素同士の関係を表す相関関係を少なくとも含み、
前記教材構造チャートは、教材構造チャート名称、学習領域、当該教材構造チャートに含まれる学習要素とそれらの属性、教材構造チャートを利用して出題されたテストを学習者が終了するのに必要とする標準解答時間、当該教材構造チャート内のある学習要素に対して学習者が誤答となった場合に次回のテストにおいて同一の学習要素を再提示する回数の上限である連続出題回数、特定の学習要素において、ある難易度の設問は誤答であるが1段階難易度を下げた設問は正答または未学習であるという状況時に同一の学習要素で難易度の異なる設問を提示する回数の上限である難易度間往復回数を少なくとも含み、
前記設問選択サブシステムは、前記入力装置から設問の出力指示があると、学習者が前記教材構造チャート内の各学習要素をどの程度習得しているかを示す習得度係数を過去の成績データから求めて前記学習履歴データ記憶部に記憶し、前記教材構造チャート内の上位、下位学習要素の関係が1対1のときは、前記学習履歴データ記憶部に記憶した当該上位学習要素の習得度係数が前記教材構造チャート記憶部に記憶された合格係数を超えていれば当該下位学習要素は合格済みとの推定を行うことにより、前記教材構造チャート内の上位、下位学習要素の関係がn対1のときは、前記学習履歴データ記憶部に記憶した当該上位学習要素のいずれかの習得度係数が前記教材構造チャート記憶部に記憶された合格係数を超えていれば当該下位学習要素は合格済みとの推定を行うことにより、各学習要素について合格済みかどうか判断し、合格済みでないと判断された学習要素のうちの所定の学習要素に対する設問のうちの所定の設問の設問IDを前記設問データ記憶部から検索して前記学習履歴データ記憶部に記憶し、
前記設問提示サブシステムは、前記学習履歴データ記憶部に記憶された設問IDに対応した設問本文、解答、解説、指導者マニュアルを前記設問データ記憶部から検索し、自動的にレイアウトして前記出力装置に出力することを特徴とするテスト出題装置。
【請求項6】
学習者管理サブシステム、成績管理サブシステム、教材構造チャートサブシステム、設問選択サブシステムおよび設問提示サブシステムをプログラムで実行するデ一タ処理装置と、
学習者の氏名、住所、などの情報を記憶するための学習者データ記憶部、学習する各学習領域の属性、各学習領域に含まれる複数の学習要素の属性などを記憶するための教材構造チャート記憶部、学習者の正誤情報、学習履歴情報などを記憶するための学習履歴データ記憶部および設問本文、解答、解説、指導者マニュアル、設問の属性などを記憶するための設問データ記憶部を具有する記憶装置と、入力装置および出力装置とを具備し、
学習者が学習する学習領域に含まれる複数の学習要素に対して、その相関関係等の様々な属性を付加し、それらを構造的にデータベース化した教材構造チャートと、学習者の過去の成績、学習履歴などを利用し、学習者の過去の学習履歴から学習領域内の各学習要素の習得状態を計算によって定量的に求めたり、構造化された学習要素間の相関関係を利用して他の学習要素の習得状態から当該学習要素の習得状態の推定などを行い、最適な次学習要素を自動的に選択し、設問データからその学習要素に対応する適切な設問を選択してテストを出題するテスト出題装置で行われるテスト出題方法であって、
前記学習要素の属性を、学習要素名称、学習要素ID、要素習得順、上位要素ID、上位または下位の学習要素との関連の強弱を複数の段階で表した要素間強度、下位要素ID、要素グループID、当該学習要素を習得済みとみなすための計算上のしきい値である合格係数、当該学習要素を未習得とみなすための計算上のしきい値である不合格係数、当該学習要素の直接下位にあたる学習要素同士の関係を表す相関関係等とし、
前記教材構造チャートを、当該教材構造チャートに含まれる学習要素とそれらの諸属性値、教材構造チャートを利用して出題されたテストを学習者が終了するのに必要とする標準解答時間、当該教材構造チャート内のある学習要素に対して学習者が誤答となった場合に次回のテストにおいて同一の学習要素を再提示する回数の上限である連続出題回数、特定の学習要素において、ある難易度の設問は誤答であるが1段階難易度を下げた設問は正答または未学習であるという状況時に同一の学習要素で難易度の異なる設問を提示する回数の上限である難易度間往復回数等からなるものとし、前記上位要素IDおよび下位要素IDを、各学習要素の上位または下位要素がある場合にそれを検索可能なように前記教材構造チャート記憶部に記憶させ、当該教材構造チャートの特定の学習要素に関連づけられ設問データ記憶部に記憶されている設問ファイルを、当該学習要素の下位学習要素で問われている要素を全て含んだ形で作成し、
前記設問選択サブシステムサブシステムで行われる、前記成績管理サブシステムを利用して入力装置より入力された学習者の学習履歴を基に次学習要素を選択するために、過去の学習履歴を基に、習得度を表す習得度計数を計算し、既定の規則に従い前記教材構造チャート記憶部を検索して学習要素を決定し、決定した学習要素に対応する設問ファイルを前記設問データ記憶部から検索するステップと、
前記設問提示サブシステムで行われる、前記設問選択サブシステムで検索された前記設問ファイル内の設問を自動的にレイアウトして学習者に対して提示するステップとを有することを特徴とするテスト出題方法。
【請求項7】
設問選択サブシステムと、
学習者が学習する学習領域に含まれる複数の学習要素と、その属性を構造的にデータベース化した教材構造チャートを記憶するための教材構造チャート記憶部、学習者の学習履歴情報などを記憶するための学習履歴データ記憶部および設問などを記憶するための設問データ記憶部と、を具備し、
最適な次学習要素を選択し、設問データからその学習要素に対応する設問を選択してテストを出題するテスト出題装置で行われるテスト出題方法であって、
前記学習要素の属性は、上位要素ID、上位または下位の学習要素との関連の強弱を表した要素間強度、下位要素ID、等からなるものとし、
前記教材構造チャートの属性を各学習要素の上位及び下位要素を検索可能なように前記上位要素IDおよび下位要素IDが前記教材構造チャート記憶部に記憶させ、設問ファイルは、当該教材構造チャートの特定の学習要素に関連づけられ設問データ記憶部に記憶させ、
前記設問選択サブシステムで行われる、次学習要素を選択するために、前記学習履歴データ記憶部に記憶されている学習履歴を基に、前記学習要素の習得度を表す習得度計数を計算し、既定の規則に従い前記教材構造チャートを検索して前記習得度および前記学習要素の属性に基づいて構造化された学習要素間の相関関係を利用して他の学習要素の習得状態から当該学習要素の習得状態の推定などを行い、学習要素を決定し、決定した学習要素に対応する設問ファイルを前記設問データ記憶部から検索するステップを有することを特徴とするテスト出題方法。
前記学習要素の属性を、上位要素ID、上位または下位の学習要素との関連の強弱を表した要素間強度、下位要素ID、等からなるものとし、
前記教材構造チャートの属性を各学習要素の上位及び下位要素を検索可能なように前記上位要素IDおよび下位要素IDを前記教材構造チャート記憶部に記憶させ、設問ファイルは、当該教材構造チャートの特定の学習要素に関連づけられ設問データ記憶部に記憶させ、
前記設問選択学習者の学習履歴を基に次学習要素を選択するために、前記学習履歴データ記憶部に記憶されている学習履歴を基に、習得度を表す習得度計数を計算し、既定の規則に従い前記教材構造チャート記憶部を検索して学習要素を決定し、決定した学習要素に対応する設問ファイルを前記設問データ記憶部から検索することを特徴とするテスト出題方法。
【請求項8】
請求項7記載のテスト出題方法において、
前記学習要素の属性を、学習要素名称、学習要素ID、要素習得順、要素グループID、当該学習要素を習得済みとみなすための計算上のしきい値である合格係数、当該学習要素を未習得とみなすための計算上のしきい値である不合格係数、当該学習要素の直接下位にあたる学習要素同士の関係を表す相関関係を含むものとするテスト出題方法。
【請求項9】
請求項7または請求項8記載のテスト出題方法において、
前記教材構造チャートの属性を、教材構造チャート名、当該教材構造チャートに含まれる学習要素とそれらの諸属性値、教材構造チャートを利用して出題されたテストを学習者が終了するのに必要とする標準解答時間、当該教材構造チャート内のある学習要素に対して学習者が誤答となった場合に次回のテストにおいて同一の学習要素を再提示する回数の上限である連続出題回数、特定の学習要素において、ある難易度の設問は誤答であるが1段階難易度を下げた設問は正答または未学習であるという状況時に同一の学習要素で難易度の異なる設問を提示する回数の上限である難易度間往復回数を含むものとするテスト出題方法。
【請求項10】
学習者の氏名、住所を少なくとも含む学習者の情報を入力する学習者管理サブシステムと、学習者の正誤情報を入力する成績管理サブシステム、学習する各学習領域に対応する教材構造チャートの属性、教材構造チャートに含まれる複数の学習要素の属性を入力する教材構造チャートサブシステム、設問選択サブシステムおよび設問提示サブシステムをプログラムで実行するデ一タ処理装置と、
前記学習者の情報を記憶するための学習者データ記憶部、前記教材構造チャートの属性および前記学習要素の属性を記憶するための教材構造チャート記憶部、前記学習者の正誤情報、学習履歴情報を記憶するための学習履歴データ記憶部および設問ID、当該設問がどの教材構造チャートのどの学習要素に属するものかを識別するための学習要素ID、設問本文、解答、解説、指導者マニュアルを記憶するための設問データ記憶部を具有する記憶装置と、入力装置および出力装置とを具備するテスト出題装置で行われるテスト出題方法であって、
前記学習要素の属性を、学習要素名称、学習要素ID、要素習得順、上位要素ID、上位または下位の学習要素との関連の強弱を複数の段階で表した要素間強度、下位要素ID、要素グループID、当該学習要素を習得済みとみなすための計算上のしきい値である合格係数、当該学習要素を未習得とみなすための計算上のしきい値である不合格係数、当該学習要素の直接下位にあたる学習要素同士の関係を表す相関関係を少なくとも含むものとし、
前記教材構造チャートを、教材構造チャート名称、学習領域、当該教材構造チャートに含まれる学習要素とそれらの属性、教材構造チャートを利用して出題されたテストを学習者が終了するのに必要とする標準解答時間、当該教材構造チャート内のある学習要素に対して学習者が誤答となった場合に次回のテストにおいて同一の学習要素を再提示する回数の上限である連続出題回数、特定の学習要素において、ある難易度の設問は誤答であるが1段階難易度を下げた設問は正答または未学習であるという状況時に同一の学習要素で難易度の異なる設問を提示する回数の上限である難易度間往復回数を少なくとも含むものとし、
前記設問選択サブシステムで行われる、前記入力装置から設問の出力指示があると、学習者が前記教材構造チャート内の各学習要素をどの程度習得しているかを示す習得度係数を過去の成績データから求めて前記学習履歴データ記憶部に記憶させ、前記教材構造チャート内の上位、下位学習要素の関係が1対1のときは、前記学習履歴データ記憶部に記憶した当該上位学習要素の習得度係数が前記教材構造チャート記憶部に記憶された合格係数を超えていれば当該下位学習要素は合格済みとの推定を行うことにより、前記教材構造チャート内の上位、下位学習要素の関係がn対1のときは、前記学習履歴データ記憶部に記憶した当該上位学習要素のいずれかの習得度係数が前記教材構造チャート記憶部に記憶された合格係数を超えていれば当該下位学習要素は合格済みとの推定を行うことにより、各学習要素について合格済みかどうか判断し、合格済みでないと判断された学習要素のうちの所定の学習要素に対する設問のうちの所定の設問の設問IDを前記設問データ記憶部から検索して前記学習履歴データ記憶部に記憶させるステップと、
前記設問提示サブシステムで行われる、前記学習履歴データ記憶部に記憶された設問IDに対応した設問本文、解答、解説、指導者マニュアルを前記設問データ記憶部から検索し、自動的にレイアウトして前記出力装置に出力するステップとを有することを特徴とするテスト出題方法。
【請求項11】
請求項6ないし請求項10のいずれかに記載の方法をデータ処理装置に実行させるプログラム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
学習者管理サブシステム、成績管理サブシステム、教材構造チャートサブシステム、設問選択サブシステムおよび設問提示サブシステムをプログラムで実行するデ一タ処理装置と、
学習者の氏名、住所、などの情報を記憶するための学習者データ記憶部、学習する各学習領域の属性、各学習領域に含まれる複数の学習要素の属性などを記憶するための教材構造チャート記憶部、学習者の正誤情報、学習履歴情報などを記憶するための学習履歴データ記憶部および設問本文、解答、解説、指導者マニュアル、設問の属性などを記憶するための設問データ記憶部を具有する記憶装置と、入力装置および出力装置とを具備し、
学習者が学習する学習領域に含まれる複数の学習要素に対して、その相関関係等の様々な属性を付加し、それらを構造的にデータベース化した教材構造チャートと、学習者の過去の成績、学習履歴などを利用し、学習者の過去の学習履歴から学習領域内の各学習要素の習得状態を計算によって定量的に求めたり、構造化された学習要素間の相関関係を利用して他の学習要素の習得状態から当該学習要素の習得状態の推定などを行い、最適な次学習要素を自動的に選択し、設問データからその学習要素に対応する適切な設問を選択してテストを出題するテスト出題装置であって、
前記学習要素の属性は、学習要素名称、学習要素ID、要素習得順、上位要素ID、上位または下位の学習要素との関連の強弱を複数の段階で表した要素間強度、下位要素ID、要素グループID、当該学習要素を習得済みとみなすための計算上のしきい値である合格係数、当該学習要素を未習得とみなすための計算上のしきい値である不合格係数、当該学習要素の直接下位にあたる学習要素同士の関係を表す相関関係等からなり、
前記教材構造チャートは、当該教材構造チャートに含まれる学習要素とそれらの諸属性値、教材構造チャートを利用して出題されたテストを学習者が終了するのに必要とする標準解答時間、当該教材構造チャート内のある学習要素に対して学習者が誤答となった場合に次回のテストにおいて同一の学習要素を再提示する回数の上限である連続出題回数、特定の学習要素において、ある難易度の設問は誤答であるが1段階難易度を下げた設問は正答または未学習であるという状況時に同一の学習要素で難易度の異なる設問を提示する回数の上限である難易度間往復回数等からなり、前記上位要素IDおよび下位要素IDは、各学習要素の上位または下位要素がある場合にそれを検索可能なように前記教材構造チャート記憶部に記憶されており、当該教材構造チャートの特定の学習要素に関連づけられ設問データ記憶部に記憶されている設問ファイルは、当該学習要素の下位学習要素で問われている要素を全て含んだ形で作成されており、
前記設問選択サブシステムは、前記成績管理サブシステムを利用して入力装置より入力された学習者の学習履歴を基に次学習要素を選択するために、過去の学習履歴を基に、習得度を表す習得度計数を計算し、既定の規則に従い前記教材構造チャート記憶部を検索して学習要素を決定し、決定した学習要素に対応する設問ファイルを前記設問データ記憶部から検索し、
前記設問提示サブシステムは、前記設問選択サブシステムで検索された前記設問ファイル内の設問を自動的にレイアウトして学習者に対して提示することを特徴とするテスト出題装置。
【請求項2】
設問選択サブシステムと、
学習者が学習する学習領域の属性と、当該学習領域に含まれる複数の学習要素ごとの属性と、からなる教材構造チャートを記憶するための教材構造チャート記憶部を具備し、
選択された前記学習要素に対応する設問を出題するテスト出題装置であって、
前記学習要素の属性は、学習要素間の上下関係を示すための上位要素IDまたは下位要素ID、およびその他属性とからなり、
前記設問選択サブシステムが学習者の学習履歴を基に前記学習要素の習得度を表す習得度計数を計算し、前記学習領域の属性、並びに前記上下関係にある複数の学習要素についての前記習得度係数および前記その他属性に基づいて学習要素を選択することを特徴とするテスト出題装置。
【請求項3】
請求項2記載のテスト出題装置において、
前記学習要素のその他属性は、上位または下位の学習要素との関連の強弱を表した要素間強度、要素習得順、要素グループID、当該学習要素を習得済みとみなすための計算上のしきい値である合格係数、当該学習要素を未習得とみなすための計算上のしきい値である不合格係数、当該学習要素の直接下位にあたる学習要素同士の関係を表す相関関係を含むテスト出題装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3記載のテスト出題装置において、
前記学習領域の属性は、教材構造チャート内のある学習要素に対して学習者が誤答となった場合に次回のテストにおいて同一の学習要素を再提示する回数の上限である連続出題回数、特定の学習要素において、ある難易度の設問は誤答であるが1段階難易度を下げた設問は正答または未学習であるという状況時に同一の学習要素で難易度の異なる設問を提示する回数の上限である難易度間往復回数を含むテスト出題装置。
【請求項5】
学習者の氏名、住所を少なくとも含む学習者の情報を入力する学習者管理サブシステムと、学習者の正誤情報を入力する成績管理サブシステム、学習する各学習領域に対応する教材構造チャートの属性、教材構造チャートに含まれる複数の学習要素の属性を入力する教材構造チャートサブシステム、設問選択サブシステムおよび設問提示サブシステムをプログラムで実行するデ一タ処理装置と、
前記学習者の情報を記憶するための学習者データ記憶部、前記教材構造チャートの属性および前記学習要素の属性を記憶するための教材構造チャート記憶部、前記学習者の正誤情報、学習履歴情報を記憶するための学習履歴データ記憶部および設問ID、当該設問がどの教材構造チャートのどの学習要素に属するものかを識別するための学習要素ID、設問本文、解答、解説、指導者マニュアルを記憶するための設問データ記憶部を具有する記憶装置と、入力装置および出力装置とを具備し、
前記学習要素の属性は、学習要素名称、学習要素ID、要素習得順、上位要素ID、上位または下位の学習要素との関連の強弱を複数の段階で表した要素間強度、下位要素ID、要素グループID、当該学習要素を習得済みとみなすための計算上のしきい値である合格係数、当該学習要素を未習得とみなすための計算上のしきい値である不合格係数、当該学習要素の直接下位にあたる学習要素同士の関係を表す相関関係を少なくとも含み、
前記教材構造チャートは、教材構造チャート名称、学習領域、当該教材構造チャートに含まれる学習要素とそれらの属性、教材構造チャートを利用して出題されたテストを学習者が終了するのに必要とする標準解答時間、当該教材構造チャート内のある学習要素に対して学習者が誤答となった場合に次回のテストにおいて同一の学習要素を再提示する回数の上限である連続出題回数、特定の学習要素において、ある難易度の設問は誤答であるが1段階難易度を下げた設問は正答または未学習であるという状況時に同一の学習要素で難易度の異なる設問を提示する回数の上限である難易度間往復回数を少なくとも含み、
前記設問選択サブシステムは、前記入力装置から設問の出力指示があると、学習者が前記教材構造チャート内の各学習要素をどの程度習得しているかを示す習得度係数を過去の成績データから求めて前記学習履歴データ記憶部に記憶し、前記教材構造チャート内の上位、下位学習要素の関係が1対1のときは、前記学習履歴データ記憶部に記憶した当該上位学習要素の習得度係数が前記教材構造チャート記憶部に記憶された合格係数を超えていれば当該下位学習要素は合格済みとの推定を行うことにより、前記教材構造チャート内の上位、下位学習要素の関係がn対1のときは、前記学習履歴データ記憶部に記憶した当該上位学習要素のいずれかの習得度係数が前記教材構造チャート記憶部に記憶された合格係数を超えていれば当該下位学習要素は合格済みとの推定を行うことにより、各学習要素について合格済みかどうか判断し、合格済みでないと判断された学習要素のうちの所定の学習要素に対する設問のうちの所定の設問の設問IDを前記設問データ記憶部から検索して前記学習履歴データ記憶部に記憶し、
前記設問提示サブシステムは、前記学習履歴データ記憶部に記憶された設問IDに対応した設問本文、解答、解説、指導者マニュアルを前記設問データ記憶部から検索し、自動的にレイアウトして前記出力装置に出力することを特徴とするテスト出題装置。
【請求項6】
設問選択サブシステムと、
複数の学習要素間の上下関係を記憶する教材構造チャート記憶部と、を具備し、
選択された前記学習要素に対応する設問を出題するテスト出題装置であって、
前記設問選択サブシステムは、前記上下関係における上位の学習要素の合否判定結果に基づいて当該学習要素の下位の学習要素の合否を判定して学習要素を選択することを特徴とするテスト出題装置。
【請求項7】
学習者管理サブシステム、成績管理サブシステム、教材構造チャートサブシステム、設問選択サブシステムおよび設問提示サブシステムをプログラムで実行するデ一タ処理装置と、
学習者の氏名、住所、などの情報を記憶するための学習者データ記憶部、学習する各学習領域の属性、各学習領域に含まれる複数の学習要素の属性などを記憶するための教材構造チャート記憶部、学習者の正誤情報、学習履歴情報などを記憶するための学習履歴データ記憶部および設問本文、解答、解説、指導者マニュアル、設問の属性などを記憶するための設問データ記憶部を具有する記憶装置と、入力装置および出力装置とを具備し、
学習者が学習する学習領域に含まれる複数の学習要素に対して、その相関関係等の様々な属性を付加し、それらを構造的にデータベース化した教材構造チャートと、学習者の過去の成績、学習履歴などを利用し、学習者の過去の学習履歴から学習領域内の各学習要素の習得状態を計算によって定量的に求めたり、構造化された学習要素間の相関関係を利用して他の学習要素の習得状態から当該学習要素の習得状態の推定などを行い、最適な次学習要素を自動的に選択し、設問データからその学習要素に対応する適切な設問を選択してテストを出題するテスト出題装置で行われるテスト出題方法であって、
前記学習要素の属性を、学習要素名称、学習要素ID、要素習得順、上位要素ID、上位または下位の学習要素との関連の強弱を複数の段階で表した要素間強度、下位要素ID、要素グループID、当該学習要素を習得済みとみなすための計算上のしきい値である合格係数、当該学習要素を未習得とみなすための計算上のしきい値である不合格係数、当該学習要素の直接下位にあたる学習要素同士の関係を表す相関関係等とし、
前記教材構造チャートを、当該教材構造チャートに含まれる学習要素とそれらの諸属性値、教材構造チャートを利用して出題されたテストを学習者が終了するのに必要とする標準解答時間、当該教材構造チャート内のある学習要素に対して学習者が誤答となった場合に次回のテストにおいて同一の学習要素を再提示する回数の上限である連続出題回数、特定の学習要素において、ある難易度の設問は誤答であるが1段階難易度を下げた設問は正答または未学習であるという状況時に同一の学習要素で難易度の異なる設問を提示する回数の上限である難易度間往復回数等からなるものとし、前記上位要素IDおよび下位要素IDを、各学習要素の上位または下位要素がある場合にそれを検索可能なように前記教材構造チャート記憶部に記憶させ、当該教材構造チャートの特定の学習要素に関連づけられ設問データ記憶部に記憶されている設問ファイルを、当該学習要素の下位学習要素で問われている要素を全て含んだ形で作成し、
前記設問選択サブシステムで行われる、前記成績管理サブシステムを利用して入力装置より入力された学習者の学習履歴を基に次学習要素を選択するために、過去の学習履歴を基に、習得度を表す習得度計数を計算し、既定の規則に従い前記教材構造チャート記憶部を検索して学習要素を決定し、決定した学習要素に対応する設問ファイルを前記設問データ記憶部から検索するステップと、
前記設問提示サブシステムで行われる、前記設問選択サブシステムで検索された前記設問ファイル内の設問を自動的にレイアウトして学習者に対して提示するステップとを有することを特徴とするテスト出題方法。
【請求項8】
設問選択サブシステムと、
学習者が学習する学習領域の属性と、当該学習領域に含まれる複数の学習要素ごとの属性と、からなる教材構造チャートを記憶するための教材構造チャート記憶部を具備するテスト出題装置で行われるテスト出題方法であって、
選択された前記学習要素に対応する設問を出題するテスト出題装置で行われるテスト出題方法であって、
前記学習要素の属性は、学習要素間の上下関係を示すための上位要素ID、下位要素ID、およびその他属性となるものとし、
前記設問選択サブシステムで行われる、学習者の学習履歴を基に前記学習領域の属性、並びに前記上下関係にある複数の学習要素についての前記習得度係数および前記その他属性に基づいて学習要素を選択するステップを有することを特徴とするテスト出題方法。
【請求項9】
請求項8記載のテスト出題方法において、
前記学習要素のその他属性を、上位または下位の学習要素との関連の強弱を表した要素間強度、要素習得順、要素グループID、当該学習要素を習得済みとみなすための計算上のしきい値である合格係数、当該学習要素を未習得とみなすための計算上のしきい値である不合格係数、当該学習要素の直接下位にあたる学習要素同士の関係を表す相関関係を含むものとするテスト出題方法。
【請求項10】
請求項8または請求項9記載のテスト出題方法において、
前記学習領域の属性を、教材構造チャート名、当該教材構造チャートに含まれる学習要素とそれらの諸属性値、教材構造チャートを利用して出題されたテストを学習者が終了するのに必要とする標準解答時間、当該教材構造チャート内のある学習要素に対して学習者が誤答となった場合に次回のテストにおいて同一の学習要素を再提示する回数の上限である連続出題回数、特定の学習要素において、ある難易度の設問は誤答であるが1段階難易度を下げた設問は正答または未学習であるという状況時に同一の学習要素で難易度の異なる設問を提示する回数の上限である難易度間往復回数を含むものとするテスト出題方法。
【請求項11】
学習者の氏名、住所を少なくとも含む学習者の情報を入力する学習者管理サブシステムと、学習者の正誤情報を入力する成績管理サブシステム、学習する各学習領域に対応する教材構造チャートの属性、教材構造チャートに含まれる複数の学習要素の属性を入力する教材構造チャートサブシステム、設問選択サブシステムおよび設問提示サブシステムをプログラムで実行するデ一タ処理装置と、
前記学習者の情報を記憶するための学習者データ記憶部、前記教材構造チャートの属性および前記学習要素の属性を記憶するための教材構造チャート記憶部、前記学習者の正誤情報、学習履歴情報を記憶するための学習履歴データ記憶部および設問ID、当該設問がどの教材構造チャートのどの学習要素に属するものかを識別するための学習要素ID、設問本文、解答、解説、指導者マニュアルを記憶するための設問データ記憶部を具有する記憶装置と、入力装置および出力装置とを具備するテスト出題装置で行われるテスト出題方法であって、
前記学習要素の属性を、学習要素名称、学習要素ID、要素習得順、上位要素ID、上位または下位の学習要素との関連の強弱を複数の段階で表した要素間強度、下位要素ID、要素グループID、当該学習要素を習得済みとみなすための計算上のしきい値である合格係数、当該学習要素を未習得とみなすための計算上のしきい値である不合格係数、当該学習要素の直接下位にあたる学習要素同士の関係を表す相関関係を少なくとも含むものとし、
前記教材構造チャートを、教材構造チャート名称、学習領域、当該教材構造チャートに含まれる学習要素とそれらの属性、教材構造チャートを利用して出題されたテストを学習者が終了するのに必要とする標準解答時間、当該教材構造チャート内のある学習要素に対して学習者が誤答となった場合に次回のテストにおいて同一の学習要素を再提示する回数の上限である連続出題回数、特定の学習要素において、ある難易度の設問は誤答であるが1段階難易度を下げた設問は正答または未学習であるという状況時に同一の学習要素で難易度の異なる設問を提示する回数の上限である難易度間往復回数を少なくとも含むものとし、
前記設問選択サブシステムで行われる、前記入力装置から設問の出力指示があると、学習者が前記教材構造チャート内の各学習要素をどの程度習得しているかを示す習得度係数を過去の成績データから求めて前記学習履歴データ記憶部に記憶させ、前記教材構造チャート内の上位、下位学習要素の関係が1対1のときは、前記学習履歴データ記憶部に記憶した当該上位学習要素の習得度係数が前記教材構造チャート記憶部に記憶された合格係数を超えていれば当該下位学習要素は合格済みとの推定を行うことにより、前記教材構造チャート内の上位、下位学習要素の関係がn対1のときは、前記学習履歴データ記憶部に記憶した当該上位学習要素のいずれかの習得度係数が前記教材構造チャート記憶部に記憶された合格係数を超えていれば当該下位学習要素は合格済みとの推定を行うことにより、各学習要素について合格済みかどうか判断し、合格済みでないと判断された学習要素のうちの所定の学習要素に対する設問のうちの所定の設問の設問IDを前記設問データ記憶部から検索して前記学習履歴データ記憶部に記憶させるステップと、
前記設問提示サブシステムで行われる、前記学習履歴データ記憶部に記憶された設問IDに対応した設問本文、解答、解説、指導者マニュアルを前記設問データ記憶部から検索し、自動的にレイアウトして前記出力装置に出力するステップとを有することを特徴とするテスト出題方法。
【請求項12】
設問選択サブシステムと、
複数の学習要素間の上下関係を記憶する教材構造チャート記憶部と、を具備し、
選択された前記学習要素に対応する設問を出題するテスト出題装置で行われるテスト出題方法であって、
前記設問選択サブシステムで行われるは、前記上下関係における上位の学習要素の合否判定結果に基づいて当該学習要素の下位の学習要素の合否を判定して学習要素を選択するステップを有することを特徴とするテスト出題方法。
【請求項13】
請求項7ないし請求項12のいずれかに記載の方法をデータ処理装置に実行させるプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−79113(P2006−79113A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−290123(P2005−290123)
【出願日】平成17年10月3日(2005.10.3)
【分割の表示】特願平9−301892の分割
【原出願日】平成9年11月4日(1997.11.4)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【出願人】(597154623)株式会社市進 (1)
【Fターム(参考)】