説明

テトラヒドロキノリン誘導体の調製方法

本発明は、多成分ワンポット合成において、適切な溶媒およびプロトン酸またはルイス酸の存在下、キラルジヒドロピラン−メチルアミンCをアルデヒドBおよびアニリンAと反応させることによって、鏡像異性体に富むまたは鏡像異性体として純粋なテトラヒドロキノリン誘導体を調製する新規な方法に関する。A、B、Cは、本明細書に記載の通りの意味を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式Iの鏡像異性体に富むまたは鏡像異性体として純粋な化合物ならびにそれらの薬学的に許容できる誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および多形体の製造方法に関する。
【0002】
【化1】

【0003】
aは、Hal、シアノ、COOH、COOA、A、CF3を示し、
1は、H、A、アリール、Het、Hal、−(CY2n−SA、−(CY2n−SCF3、−(CY2n−SCN、−(CY2n−CF3、−(CY2n−OCF3、R、シクロアルキル、−SCH3、−SCN、−CF3、−OCF3、−OA、−(CY2n−OH、−(CY2n−CO2R、−(CY2n−CN、−(CY2n−Hal、−(CY2n−NR2、(CY2n−OA、(CY2n−OCOA、−SCF3、(CY2n−CONR2、−(CY2n−NHCOA、−(CY2n−NHSO2A、SF5、Si(CH33、CO−(CY2n−CH3、−(CY2n−N−ピロリドン、(CH2nNRCOOR、NRCOOR、NCO、(CH2nCOOR、NCOOR、(CH2nOH、NR(CH2nNR2、C(OH)R2、NR(CH2nOR、NCOR、(CH2nAr、(CH2nHet、(CH2n1、(CH2nX(CH2nAr、(CH2nX(CH2nHet、(CH2nCONR2、XCONR(CH2nNR2、N[(CH2nXCOOR]CO(CH2nAr、N[(CH2nXR]CO(CH2nAr、N[(CH2nXR]CO(CH2nXアリール、N[(CH2nXR]SO2(CH2nAr、N[(CH2nNRCOOR]CO(CH2nAr、N[(CH2nNR2]CO(CH2nAr、N[(CH2nNR2]CO(CH2nNRAr、N[(CH2nNR2]SO2(CH2nAr、N[(CH2nXR]CO(CH2nHet、N[(CH2nXR]CO(CH2nXHet、N[(CH2nXR]SO2(CH2nHet、N[(CH2nNRCOOR]CO(CH2nHet、N[(CH2nNR2]CO(CH2nHet、N[(CH2nNR2]CO(CH2nNRHet;を示し、
2、R3は、H、A、Hal、OA、ORを示し、
Yは、H、A、Hal、ORを示し、
Aは、アルキルまたはシクロアルキルを示し、1つまたは複数のH原子は、Halで置換することができ、
Halは、F、Cl、BrまたはIを示し、
Rは、HまたはAを示し、ジェミナル基の場合には、Rは、一緒になって−(CH25−、−(CH24−または−(CH2n−X−(CH2nまたは−(CH2n−Z−(CH2nも示し、
Xは、O、SまたはNR1を示し、
Qは、CH2−NH−A、CH2−NH−C(O)R1、CH2−NH−SO21を示し、
Zは、CH2、X、CHCONH2、CH(CH2nNR1COOR1、CHNR1COOR1、NCHO、CHCON(R12、CH(CH2nCOOR1、NCOOR1、CH(CH2nOH、N(CH2nOH、CHNH2、CH(CH2nNR12、CH(CH2nNR12、C(OH)R1、CHNCOR1、NCOR1、N(CH2nAr、N(CH2nHet、CHR1、NR1、CH(CH2nAr、CH(CH2nHet、CH(CH2n1、N(CH2nCOOR1、CH(CH2nX(CH2nAr、CH(CH2nX(CH2nHet、N(CH2nCON(R12、NSO21、CHSO2N(R12、XCONR(CH2nN(R12、NCO(CH2nAr、NCO(CH2nXAr、NSO2(CH2nAr、NCO(CH2nAr、NCO(CH2nNR1アリール、NCO(CH2nHet、NCO(CH2nXHet、NSO2(CH2nHet、NCO(CH2nNR1Het、N(CH2nNR2CH、CHO(CH2nN(R12、CHX(CH2nN(R12、NCO(CH2nNR2、を示し、
6は、非置換Arを示し、あるいはHal、NO2、CN、OR、A、−(CY2n−OR、−OCOR、−(CY2n−CO2R、−(CY2n−CN、−NCOR、−CORもしくは−(CY2n−NR2によって、またはHal、NO2、CN、A、OR、OCOR、COR、NR2、CF3、OCF3、OCH(CF32によってまた置換されていてもよいアリールもしくはHetによって少なくとも1つの位置において置換されているHetを示し、
7は、(C=O)−R、(C=O)−NR2、(C=O)−OR、HまたはAを示し、
Arは、6〜14個の炭素原子を有する単環式または二環式の、飽和、不飽和または芳香族炭素環式環を示し、これは非置換であってよく、あるいはHal、NO2、CN、OR、A、−(CY2n−OR、−OCOR、−(CY2n−CO2R、−(CY2n−CN、−NCOR、−CORもしくは−(CY2n−NR2によって、またはHal、NO2、CN、A、OR、OCOR、COR、NR2、CF3、OCF3、OCH(CF32によって、少なくとも1つの位置において置換されており、
Hetは、1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式または二環式の、飽和、不飽和または芳香族複素環式環を示し、これは非置換であってよく、あるいはHal、NO2、CN、OR、A、−(CY2n−OR、−OCOR、−(CY2n−CO2R、−(CY2n−CN、−NCOR、−CORもしくは−(CY2n−NR2によって、またはHal、NO2、CN、A、OR、OCOR、COR、NR2、CF3、OCF3、OCH(CF32によって、少なくとも1つの位置において置換されており、
nは、0、1、2、3、4、5、6または7を示す。
【0004】
本発明の方法は、式Iaの鏡像異性体に富むまたは鏡像異性体として純粋な化合物の製造に関する。
【0005】
【化2】

【0006】
式中、R1〜R7は前述の意味を有し、Raは、Hal、シアノ、COOH、COOAまたはAである。
【0007】
本発明の最も好ましい方法は、式Ia1の鏡像異性体に富むまたは鏡像異性体として純粋な化合物の製造に関する。
【0008】
【化3】

【0009】
式中、R1〜R7、Arは前述の意味を有し、Raは、Hal、シアノ、COOH、COOAまたはAである。
【0010】
本発明の非常に最も好ましい方法は、式Ia2の鏡像異性体に富むまたは鏡像異性体として純粋な化合物の製造に関する。
【0011】
【化4】

【0012】
(1−(2−ジメチルアミノエチル)−3−((2R,4aS,5R,10bS)−5−フェニル−9−トリフルオロメチル−3,4,4a,5,6,10b−ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]キノリン−2−イルメチル)尿素)は、本方法によって得られる。
【0013】
本発明の方法は、式Ibの鏡像異性体に富むまたは鏡像異性体として純粋な化合物の製造に関する。
【0014】
【化5】

【0015】
式中、R1〜R7は前述の意味を有し、Raは、Hal、シアノ、COOH、COOAまたはAである。
【0016】
本発明の最も好ましい方法は、式Ib1の鏡像異性体に富むまたは鏡像異性体として純粋な化合物の製造に関する。
【0017】
【化6】

【0018】
式中、R1〜R7、Arは前述の意味を有し、Raは、Hal、シアノ、COOH、COOAまたはAである。
【0019】
本発明の非常に最も好ましい方法は、式Ib2の鏡像異性体に富むまたは鏡像異性体として純粋な化合物の製造に関する。
【0020】
【化7】

【0021】
((2R,4aS,5R,10bS)−9−クロロ−7−フルオロ−5−フェニル−3,4,4a,5,6,10b−ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]キノリン−2−イルメチル)メチルアミン。
【0022】
本発明はまた、式Cの化合物およびそれらの鏡像異性体に富むまたは純粋な鏡像異性体、ならびにそれらの薬学的に許容できる誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および多形体に関する。
【0023】
【化8】

【0024】
式中、Qは前述の通りである。
【0025】
本発明はまた、式C'の化合物およびそれらの鏡像異性体に富むまたは純粋な鏡像異性体、ならびにそれらの薬学的に許容できる誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および多形体に関する。
【0026】
【化9】

【0027】
式中、R1は前述の通りである。
【0028】
本発明はまた、式Cの純粋な鏡像異性体化合物、ならびにそれらの薬学的に許容できる誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および多形体の製造方法に関する。
【0029】
【化10】

【0030】
式中、Qは、CH2−NH−A、CH2−NH−C(O)R1、CH2−NH−SO21を示し、R1は前述の通りである。
【0031】
本発明はまた、式C’の純粋な鏡像異性体化合物、ならびにそれらの薬学的に許容できる誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および多形体の製造方法に関する。
【0032】
【化11】

【0033】
式中、R1は前述の通りである。
【0034】
鏡像異性体に富むまたは鏡像異性体として純粋な、という用語は、好ましくは約80%〜約100%などの約60%を超える鏡像異性体純度を指す。特にこの用語は、約98%より高い鏡像異性体純度を指す。
【0035】
式Iの化合物ならびにそれらの薬学的に許容できる塩は、WO2005/063735(引用文献1)に記載されている。
【0036】
式Iの化合物は治療活性があり、特に増殖性疾患の治療に有用である。
【0037】
式Iの化合物のフェニル−ヘキサヒドロ−2H−ピラノキノリン核は、アザ−Diels−Alder反応(Mageshら、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 14(2004年)2035〜2040頁、Yadavら、Tetrahedron 59(2003年)、1599〜1604頁参照)によって、またはアニリン誘導体およびSOCl2の存在下でのジヒドロピラン部分とベンズアルデヒド部分の反応によって得ることができる(Biswanathら、Journal of Chemical Research、(12)、793〜795頁(2005年)参照。合成は、WO2005063735に記載の通り、ビニル誘導体の存在下でアニリン誘導体をベンズアルデヒド基と反応させることによって実施することもできる。この合成は、使用されるジヒドロピラン部分が置換されておらず、キラルでもない化合物に関する。ヘキサヒドロ−2H−ピラノキノリン誘導体(テトラヒドロキノリン、THQのファミリー)、特にフェニル−ヘキサヒドロ−2H−ピラノキノリン−2−メチルアミンは、キネシンEg5の強力な阻害剤であることが示されている(WO2005063735)。薬物のエナンチオピュアなまたは鏡像異性体に富む形態は、生物学的標的に対して改善された活性を示すことも示されている。THQ核を含有する化合物は、生体および哺乳動物に対して、立証された強力な変異原性、発癌性および推測的催奇形性作用を示す。さらに、該化合物がEg5キネシン阻害剤である場合、それらは生体の細胞分裂周期と直接的に相互反応する。その結果、THQアミンは、非常に強力な細胞毒性化合物として分類されなければならず、THQアミンの製造、輸送および取扱い中には、費用のかかる特別な安全策が導入されなければならない。THQ核が、後半の合成ステップの1つ、好ましくは最後の合成ステップに導入される、エナンチオピュアなTHQアミンの新しい合成経路は、これらの特別な安全策を著しく低減する一助となろう。本発明は、式Iの化合物の鏡像異性体に富むまたは鏡像異性体として純粋な形態を、アニリンおよびベンズアルデヒド誘導体の存在下、ワンポット合成においてそれぞれの鏡像異性体に富むまたは鏡像異性体として純粋なキラルジヒドロピランメチルアミン誘導体から得る、新しい合成経路を提供する。本発明はまた、安全策および費用をかなり最小限に抑える有利な合成経路を提供する。本発明はまた、ジヒドロピランメチルアミン誘導体の新しい純粋な立体異性体を提供する。
【0038】
本発明の化合物は、有糸分裂モータータンパク質、特に有糸分裂モータータンパク質Eg5の阻害、制御および/または調節によって影響を受ける疾患の治療および予防に使用される。これらは主に、あらゆる種類の癌および他の腫瘍性疾患である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0039】
【特許文献1】国際公開第2005/063735号パンフレット
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0040】
式Iの化合物およびそれらの塩は、以下の方法によって得られ、この方法は、式Aの化合物
【0041】
【化12】

【0042】
(式中、R1、R2およびR3は、先に示した意味を有する)が、式Bの化合物
【0043】
【化13】

【0044】
(式中、R6は、先に示した意味を有する)および式Cの化合物
【0045】
【化14】

【0046】
(式中、Qは、前述の通りである)と反応することを特徴とする。
【0047】
より好ましくは、式Iの化合物およびそれらの塩は、以下の方法によって得られ、この方法は、式Aの化合物
【0048】
【化15】

【0049】
(式中、R1、R2およびR3は、先に示した意味を有する)が、式Bの化合物
【0050】
【化16】

【0051】
(式中、R6は、先に示した意味を有する)および式C’のジヒドロピランメチルアミン誘導体
【0052】
【化17】

【0053】
(式中、R1は、先に定義の通りである)と反応することを特徴とする。好ましくはこれらの反応は、適切な溶媒、好ましくはアセトニトリルおよび例えば、トリフルオロ酢酸、ヘキサフルオロイソプロパノール、塩化ビスマス(III)、イッテルビウム(III)トリフラート、スカンジウム(III)トリフラートまたは硝酸セリウム(IV)アンモニウム、好ましくはトリフルオロ酢酸などのプロトン酸またはルイス酸の存在下で実施される。アミノ誘導体および好ましくはQがCH2NH2である式Iの化合物は、アルキル化またはアシル化などの公知の手順によって、式Iの他の化合物にさらに変形することができる。
【0054】
さらに驚くべきことには、アミノ−ジドロピラン(didropyrane)C'または式Cの化合物の任意の酸付加塩は、式Iの化合物を得るために、最初に遊離塩基の代わりに式Iの化合物の合成に直接適用できることが見出されている。この利点により、面倒な濾過ステップが回避される。
【0055】
式CおよびC'に関係する化合物の好ましいキラル塩は、L−トシルプロリンまたはベンゾイル酒石(tartaric)酸塩、特に(2R,3R)−(−)−ジ−O−ベンゾイル酒石酸塩であり、より好ましくは、この塩はL−トシルプロリナートである。
【0056】
これまでおよび以下、基Ra、R1、R2、R3、R6、R7、X、Y、Q、Zおよびnは、別段の指定がない限り式Iについて示した意味を有する。1つの化合物において個々の基が数回生じる場合、それらの基は、示された意味を互いに独立に採用する。
【0057】
Aは、アルキルを示し、好ましくは非分岐(直鎖)または分岐であり、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のC原子を有する。Aは、好ましくはメチルを示し、さらにはエチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチルを示し、またさらにはペンチル、1−、2−または3−メチルブチル、1,1−、1,2−または2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、1−、2−、3−または4−メチルペンチル、1,1−、1,2−、1,3−、2,2−、2,3−または3,3−ジメチルブチル、1−または2−エチルブチル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、1,1,2−または1,2,2−トリメチルプロピル、さらに好ましくは、例えばトリフルオロメチルを示す。
【0058】
Aは、特に非常に好ましくは、1、2、3、4、5または6個のC原子を有するアルキル、好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルまたは1,1,1−トリフルオロエチルを示す。Aはまたシクロアルキルを示す。
【0059】
シクロアルキルは、好ましくは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチル、特にシクロペンチルを示す。
【0060】
aは、好ましくはA、Halを示す。特にRaは、好ましくはtert−ブチル、イソプロピル、CF3、ClまたはBrを示す。
【0061】
1は、好ましくは、A、CF3、OCF3、SA、SCN、CH2CN、−OCOA、Hal、SCF3、また好ましくはt−ブチル、−CH(CH3)CH2CH3、イソプロピル、エチルまたはメチルを示す。特に、R1は、t−ブチル、イソプロピル、エチル、CF3、メチル、Br、Cl、SCF3、CH(CH3)CH2CH3、n−プロピル、OCH3、SCH3、n−ブチル、−SCN、CH2CNを示す。R1は、特に好ましくは、t−ブチル、イソプロピル、エチルまたはCF3を示す。
【0062】
2は、好ましくはH、Hal、AまたはOA、特にBr、シクロプロピル、OCH3を示す。さらに特に好ましいのは、HまたはFである。
【0063】
3は、好ましくはHまたはA、特にHを示す。R3は、好ましくは5位にある。特にR3は、HまたはFを示す。
【0064】
基および例えばnなどの指数が2回以上生じる場合、それらの基および指数は、互いに独立に異なる値を取ることができる。
【0065】
6は、好ましくは、フェニル、2−、3−または4−ピリジル、ピリミジル、フリルまたはチエニルを示し、そのそれぞれは非置換であり、またはHal、CN、NO2、OH、CF3、OCH(CF32、OCOCH3もしくはAによって一置換もしくは多置換されている。R6は、好ましくは複素環式芳香族基ではない。特に、R6は、非置換フェニルまたは以下の基の1つを示す。
【0066】
【化18】

【0067】
式中、Xは、O、SまたはNR、特にOまたはSを示し、Aは、先に示した意味を有するが、好ましくはメチルを示し、Halは、好ましくはFまたはClを示す。
【0068】
さらに特に好ましいのは、R6が以下の意味の1つを有する式Iの化合物である。
【0069】
【化19】

【0070】
7は、好ましくはHまたはA、特にHを示す。
【0071】
アリールは、好ましくは、そのそれぞれが非置換であり、またはHal、A、OH、OA、NH2、NO2、CN、COOH、COOA、CONH2、NHCOA、NHCONH2、NHSO2A、CHO、COA、SO2NH2、SO2A、−CH2−COOHもしくは−OCH2−COOHによって一置換、二置換もしくは三置換されているフェニル、ナフチルまたはビフェニルを示す。
【0072】
アリールは、好ましくは、フェニル、o−、m−もしくはp−トリル、o−、m−もしくはp−エチルフェニル、o−、m−もしくはp−プロピルフェニル、o−、m−もしくはp−イソプロピルフェニル、o−、m−もしくはp−tert−ブチルフェニル、o−、m−もしくはp−ヒドロキシフェニル、o−、m−もしくはp−メトキシフェニル、o−、m−もしくはp−ニトロフェニル、o−、m−もしくはp−アミノフェニル、o−、m−もしくはp−(N−メチルアミノ)フェニル、o−、m−もしくはp−(N−メチルアミノカルボニル)フェニル、o−、m−もしくはp−アセトアミドフェニル、o−、m−もしくはp−メトキシフェニル、o−、m−もしくはp−エトキシフェニル、o−、m−もしくはp−エトキシカルボニルフェニル、o−、m−もしくはp−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル、o−、m−もしくはp−(N,N−ジメチル−アミノカルボニル)フェニル、o−、m−もしくはp−(N−エチルアミノ)フェニル、o−、m−もしくはp−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル、o−、m−もしくはp−フルオロフェニル、o−、m−もしくはp−ブロモフェニル、o−、m−もしくはp−クロロフェニル、o−、m−もしくはp−(メチルスルホンアミド)フェニル、o−、m−もしくはp−(メチルスルホニル)フェニル、さらに好ましくは、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジフルオロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジクロロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジブロモフェニル、2,4−もしくは2,5−ジニトロフェニル、2,5−もしくは3,4−ジメトキシフェニル、3−ニトロ−4−クロロフェニル、3−アミノ−4−クロロ−、2−アミノ−3−クロロ−、2−アミノ−4−クロロ−、2−アミノ−5−クロロ−もしくは2−アミノ−6−クロロフェニル、2−ニトロ−4−N,N−ジメチルアミノ−もしくは3−ニトロ−4−N,N−ジメチルアミノフェニル、2,3−ジアミノフェニル、2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,6−もしくは3,4,5−トリクロロフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル、p−ヨードフェニル、3,6−ジクロロ−4−アミノフェニル、4−フルオロ−3−クロロフェニル、2−フルオロ−4−ブロモフェニル、2,5−ジフルオロ−4−ブロモフェニル、3−ブロモ−6−メトキシフェニル、3−クロロ−6−メトキシフェニル、3−クロロ−4−アセトアミドフェニル、3−フルオロ−4−メトキシフェニル、3−アミノ−6−メチルフェニル、3−クロロ−4−アセトアミドフェニルまたは2,5−ジメチル−4−クロロフェニルを示す。
【0073】
ヘテロアリールは、好ましくは、1つまたは複数のN、Sおよび/またはO原子を有する単環式または二環式芳香族複素環を示し、これは非置換であり、またはHal、A、NO2、NHA、NA2、OA、COOAもしくはCNによって一置換、二置換もしくは三置換されている。
【0074】
ヘテロアリールは、特に好ましくは、1つのN、SまたはO原子を有する単環式飽和または芳香族複素環を示し、これは非置換であってよく、またはHal、A、NHA、NA2、NO2、COOAもしくはベンジルによって一置換、二置換もしくは三置換されていてもよい。
【0075】
さらなる置換基に関わらず、非置換ヘテロアリールは、例えば、2−もしくは3−フリル、2−もしくは3−チエニル、1−、2−もしくは3−ピロリル、1−、2、4−もしくは5−イミダゾリル、1−、3−、4−もしくは5−ピラゾリル、2−、4−もしくは5−オキサゾリル、3−、4−もしくは5−イソキサゾリル、2−、4−もしくは5−チアゾリル、3−、4−もしくは5−イソチアゾリル、2−、3−もしくは4−ピリジル、2−、4−、5−もしくは6−ピリミジニル、さらに好ましくは、1,2,3−トリアゾール−1−、−4−もしくは−5−イル、1,2,4−トリアゾール−1−、−3−もしくは5−イル、1−もしくは5−テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾール−4−もしくは−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−もしくは−5−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−もしくは−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−もしくは−5−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−もしくは−5−イル、3−もしくは4−ピリダジニル、ピラジニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−インドリル、4−もしくは5−イソインドリル、1−、2−、4−もしくは5−ベンズイミダゾリル、1−、3−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾピラゾリル、2−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾオキサゾリル、3−、4−、5−、6−もしくは7−ベンズイソキサゾリル、2−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾチアゾリル、2−、4−、5−、6−もしくは7−ベンズイソチアゾリル、4−、5−、6−もしくは7−ベンズ−2,1,3−オキサジアゾリル、2−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−キノリル、1−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−イソキノリル、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−シンノリニル、2−、4−、5−、6−、7−もしくは8−キナゾリニル、5−もしくは6−キノキサリニル、2−、3−、5−、6−、7−もしくは8−2H−ベンゾ−1,4−オキサジニル、さらに好ましくは、1,3−ベンゾジオキソール−5−イル、1,4−ベンゾジオキサン−6−イル、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4−もしくは−5−イルまたは2,1,3−ベンゾオキサジアゾール−5−イルを示す。
【0076】
Halは、好ましくはF、ClまたはBr、Iも示し、特に好ましくはFまたはClを示す。
【0077】
本発明を通して2回以上生じるあらゆる基は、同じでも異なっていてもよく、即ち互いに独立である。
【0078】
式Iの化合物およびそれらの調製のための出発材料は、さらに、前記反応について公知であり、それに適した反応条件下で正確であることが文献に記載の通り(例えば、Houben−Weyl、Methoden der organischen Chemie[有機化学の方法]1992年、Georg−Thieme−Verlag、Stuttgartなどの標準の文献において)、それ自体公知の方法によって調製される。ここではより詳細に言及されていない、それ自体公知の変型をここで使用することもできる。
【0079】
所望に応じて、出発材料をin situ形成し、それによって出発材料を反応混合物から単離せず、代わりに式Iの化合物に直接変換することもできる。
【0080】
この反応は一般に、不活性溶媒中、好ましくはTFA、HFIP、ビスマス(III)塩、イッテルビウム(III)塩またはCANなどのプロトン酸またはルイス酸の存在下で実施される。使用される条件に応じて反応時間は数分および14日の間であり、反応温度は約0°および180°の間、通常0°および100°の間、特に好ましくは15°および35℃の間である。
【0081】
適切な不活性溶媒は、例えば、ヘキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエンもしくはキシレンなどの炭化水素;トリクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、カーボンテトラクロライド、クロロホルムもしくはジクロロメタンなどの塩化炭化水素;アセトニトリルなどのニトリル;二硫化炭素;ギ酸もしくは酢酸などのカルボン酸;ニトロメタンもしくはニトロベンゼンなどのニトロ化合物、または前記溶媒の混合物である。
【0082】
7がH以外の意味を有する式Iの化合物は、好ましくは、R7がHを示す式Iの化合物からアルキル化またはアシル化することによって調製される。
【0083】
所望に応じて、式Iの化合物における官能的に修飾されたアミノおよび/またはヒドロキシル基は、定法により加溶媒分解または水素化分解することによって遊離することができる。これは、例えば0および100°の間の温度で、水、水/THFまたは水/ジオキサン中、NaOHまたはKOHを使用して実施することができる。
【0084】
アルデヒドもしくはアルコールへのエステルの還元またはアルデヒドもしくはアミンへのニトリルの還元は、当業者に公知であり、有機化学の標準文献に記載の通りの方法によって実施される。
【発明を実施するための形態】
【0085】
以下に記載の通りの例および方法によって本発明の化合物の調製をさらに例示するが、先に定義され、または以下に特許請求される通り、これらは本発明の範囲を制限するものではない。
【0086】
好ましい一実施形態では、本発明は、式Cの化合物およびそれらの鏡像異性体に富むまたは純粋な鏡像異性体、ならびにそれらの薬学的に許容できる誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および多形体に関する。
【0087】
【化20】

【0088】
式中、Qは前述の通りである。
【0089】
非常に最も好ましい一実施形態では、本発明は、Qが、−CH2−NHA、−CH2−NHR1、より好ましくは−CH2−Meまたは−CH2−NH−CONH−CH2−CH2−N(Me)2である式Cの化合物に関する。
【0090】
好ましい一実施形態では、本発明はまた、式C'の化合物およびそれらの鏡像異性体に富むまたは純粋な鏡像異性体、ならびにそれらの薬学的に許容できる誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および多形体に関する。
【0091】
【化21】

【0092】
式中、R1は前述の通りである。
【0093】
非常に最も好ましい一実施形態では、本発明は、R1がMeまたは−CONH−CH2−CH2−N(Me)2である式C'の化合物に関する。
【0094】
好ましい一実施形態では、本発明は、式Cの鏡像異性体に富むまたは鏡像異性体として純粋な化合物、ならびにその薬学的に許容できる誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および多形体の製造方法に関し
【0095】
【化22】

【0096】
(式中、QはCH2−NHA、より好ましくはCH2−NH2である)、該方法は以下の、
a)触媒および水素の存在下で、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−カルバルデヒドをアンモニアまたはメチルアミンなどの第1級アルキルアミンと反応させて、対応するラセミアミン、好ましくはジヒドロピランメチルアミン塩
【0097】
【化23】

【0098】
を得るステップ、
b)極性溶媒中、そのラセミアミンをキラル酸化合物で処理して、純粋な鏡像異性アミン塩、好ましくはジヒドロピランメチルアミン塩を得るステップ、
c)場合によってアミン、好ましくはジヒドロピラン(DHP)メチルアミンを塩基で処理して、遊離塩基の形態の化合物Cを得るステップ
を含む。
【0099】
好ましい一実施形態では、本発明は、市販のDHP−アルデヒド(DHPA)で出発して、その後アンモニアまたはアルキルアミン、好ましくはメチルアミンなどの様々な第1級アミンと反応させる、式Iの化合物の合成方法に関する。ラネー−Co触媒作用下でTHFなどの適切な溶媒中、水素の存在下でラセミDHP−アルキルアミン、好ましくはDHP−メチルアミンを、以下に示す通り形成する(特許DE1233411参照)。
【0100】
【化24】

【0101】
式中、R1は前述の通りであり、より好ましくは、R1は、H、CH3、アルキル、アリールまたはヘテロアリールである。
【0102】
好ましい一実施形態では、ラセミDHP−メチルアミンを、異なる溶媒中、様々なキラル酸で結晶化して、鏡像異性体に富むDHP−アルキルアミン、好ましくは式C’のDHP−メチルアミンを得る。
【0103】
【化25】

【0104】
このステップで使用されるキラル酸は、好ましくはキラル酒石酸またはプロリンであり、最も好ましくは、キラル酒石酸は(2R,3R)−(−)−ジ−O−ベンゾイル酒石酸であり、プロリンはL−トシルプロリンである。
【0105】
好ましい一実施形態では、式Cおよび/またはC'の第1級アミンの分解は、キラルプロリン誘導体、特にL−トシルプロリンで行われることになる。
【0106】
好ましい一実施形態では、式Cおよび/またはC'の第2級アミンの分解は、キラル酒石酸、特に(2R,3R)−(−)−ジ−O−ベンゾイル酒石酸で行われることになる。
【0107】
驚くべきことに、その後の反応では、式C’の化合物を、L−トシルプロリン塩の形態で、または遊離塩基として使用できることが見出された。式C’の化合物の遊離塩基を得るために、鏡像異性体に富むまたは鏡像異性体として純粋なキラル塩、好ましくはアミンのL−トシルプロリン塩は、NaOH、好ましくは2NのNaOHなどの強塩基で処理される必要がある。
【0108】
実験
1がメチルである式C'の化合物とその対掌体の混合物について、エタノール中の等モル量のL−トシルプロリンでの処理によって、好ましくは(R)−構成のDHP−メチルアミンを伴う結晶が得られることが見出されている。鏡像異性純度は、所望の(R)−DHP−メチルアミン鏡像異性体について、キラルHPLCによってer=93:7であると測定された。エタノールからの再結晶化によって、er>99:1の鏡像異性純度(キラルHPLCによって測定)の(R)−DHP−メチルアミン(L−トシルプロリン塩として)が得られた。その後の反応について、(R)−DHP−メチルアミンは、L−トシルプロリン塩としてまたは遊離塩基として使用することができる。(R)−DHP−メチルアミンの遊離塩基を得るために、L−トシルプロリン塩は、以下のスキームに従って、NaOH、好ましくは2NのNaOHなどの強塩基を用いた処理によって除去される。
【0109】
【化26】

【0110】
1がHである式C'の化合物とその対掌体の混合物について、2−プロパノール中の(2R,3R)−(−)−ジ−O−ベンゾイル酒石酸での処理によって、(R)−構成のDHP−メチルアミンを伴う結晶が得られることが見出されている。鏡像異性純度は、所望の(R)−DHP−メチル−N−メチルアミン鏡像異性体について、キラルHPLCによってer=84:16であると測定された。2−プロパノールからの再結晶化の反復によって、er>99:1の鏡像異性純度(キラルHPLCによって測定)の(R)−DHP−メチル−N−メチルアミン((2R,3R)−(−)−ジ−O−ベンゾイル酒石酸として、が得られた。次の反応について、アミンは、(2R,3R)−(−)−ジ−O−ベンゾイル酒石酸塩として、または遊離塩基として使用することができる。遊離塩基を得るために、アミンの(2R,3R)−(−)−ジ−O−ベンゾイル酒石酸塩は、以下のスキームに従って、NaOH、好ましくは2NのNaOHなどの強塩基を用いた処理によって除去される。
【0111】
【化27】

【0112】
好ましい一実施形態では、鏡像異性体として純粋なDHP−メチルアミンは、以下のスキームに従って、DHP−メチルアミンキラル塩または相当する遊離塩基から、置換DHP−メチルアミン、DHP−メチルアミド、DHP−メチル尿素、DHP−メチルスルホンアミドまたは第3級DHP−メチルアミンなどの異なる他の化合物の種類に変形することができる。
【0113】
【化28】

【0114】
式中、R1は先に定義の通りであり、LGは、ハロゲン、メシラートまたはトシラートなどの脱離基であり、塩基は、DBUなどの非求核性強塩基またはNa2CO3もしくはK2CO3などのアルカリ−炭酸塩であり、溶媒は、DMFなどの極性溶媒である。
【0115】
好ましい一実施形態では、DHP−メチルアミドは、以下のスキームに従って、極性溶媒中、適切な塩基の存在下またはそれなしに、酸R1−COOHを、DHP−メチルアミンキラル塩または相当する遊離塩基とカップリング剤を用いて反応させることによって調製することができる。
【0116】
【化29】

【0117】
式中、R1は先に定義の通りであり、カップリング剤は、BOP試薬、CDI、DCC、DEPBT、DIC、EDC.HCl、HATU、HBTU、HOAt、HOBt(無水)、HOOBt、HCTU、Cl−HOBt、PyBOP、PyBrOP、TBTU、TDBTU、TSTUまたは4,5−ジシアノインダゾールから選択され、塩基は、必要に応じてトリエチルアミンまたは他のアルキルアミンから選択され、極性溶媒はDMFから選択される。
【0118】
好ましい一実施形態では、DHP−メチルアミドは、以下のスキームに従って、極性溶媒中、適切な塩基の存在下またはそれなしに、塩化アシルR1−COClを、DHP−メチルアミンキラル塩または相当する遊離塩基と反応させることによって調製することができる。
【0119】
【化30】

【0120】
式中、R1は先に定義の通りであり、塩基は、必要に応じてトリエチルアミンおよび他のアルキルアミンから選択され、極性溶媒はDMFから選択される。
【0121】
好ましい一実施形態では、DHP−メチルスルホンアミドは、以下のスキームに従って、極性溶媒中、適切な塩基の存在下またはそれなしに、塩化スルホニルR1−SO2Clを、DHP−メチルアミンキラル塩または相当する遊離塩基と反応させることによって調製することができる。
【0122】
【化31】

【0123】
式中、R1は先に定義の通りであり、塩基は、必要に応じてトリエチルアミンおよび他のアルキルアミンから選択され、極性溶媒はDMFから選択される。
【0124】
好ましい一実施形態では、DHP−メチル尿素は、極性溶媒中、適切な塩基の存在下またはそれなしに、カップリング剤CDIを、DHP−メチルアミンキラル塩または相当する遊離塩基および第1級アミンNH2−R1と反応させることによって調製することができる。
【0125】
【化32】

【0126】
好ましい一実施形態では、本発明は、DHP−アミド、DHP−尿素、DHP−スルホンアミドおよび第3級DHP−アミンなどのC誘導体が、極性溶媒中、プロトン酸またはルイス酸によって媒介される多成分反応において、タイプAのアニリンおよびタイプBのアルデヒドと反応してTHQ誘導体を形成する、式Iの化合物の合成方法に関する。
【0127】
【化33】

【0128】
式中、Ra、R2、R3、R6、Qは先に定義の通りであり、プロトン酸は、好ましくはTFAであり、極性溶媒は、好ましくはMeCNである。
【0129】
より好ましい一実施形態では、本発明は、DHP−メチルアミド、DHP−メチル尿素、DHP−メチルスルホンアミドまたは第3級DHP−メチルアミンなどのC'誘導体が、極性溶媒中、プロトン酸またはルイス酸によって媒介される多成分反応において、タイプAのアニリンおよびタイプBのアルデヒドと反応してTHQ誘導体を形成する、式Iの化合物の合成方法に関する。
【0130】
【化34】

【0131】
式中、Ra、R1、R2、R3、R6は先に定義の通りであり、プロトン酸は、好ましくはTFAであり、極性溶媒は、好ましくはMeCNである。
【0132】
より好ましい一実施形態では、本発明は、DHP−メチルアミド、DHP−メチル尿素、DHP−メチルスルホンアミドおよび第3級DHP−メチルアミンなどのC'誘導体が、極性溶媒中、プロトン酸またはルイス酸によって媒介される多成分反応において、タイプAのアニリンおよびR6がアリールであるタイプBのアリールアルデヒドと反応してTHQを形成する、式Iの化合物の合成方法に関する。
【0133】
【化35】

【0134】
式中、Ra、R1、R2、R3は先に定義の通りであり、プロトン酸は、好ましくはTFAであり、極性溶媒は、好ましくはMeCNである。
【0135】
より好ましい一実施形態では、本発明は、Cから先に得られたTHQがキラル塩で結晶化して、対応するTHQのexo−鏡像体をもたらす、純粋な鏡像異性体としての式Iの化合物の合成方法に関する。
【0136】
【化36】

【0137】
式中、Ra、R1、R2、R3、R6は先に定義の通りであり、プロトン酸は、好ましくはTFAであり、極性溶媒は、好ましくはMeCNである。再結晶化ステップについて、キラル塩は、酒石酸塩、特に(2R,3R)−(−)−ジ−O−ベンゾイル酒石酸から選択され、極性溶媒はエタノールである。
【0138】
より好ましい一実施形態では、本発明は、C'から先に得られたTHQがキラル塩で結晶化して、対応するTHQのexo−鏡像体をもたらす、純粋な鏡像異性体としての式Iの化合物の合成方法に関する。
【0139】
【化37】

【0140】
式中、Ra、R1、R2、R3、R6は先に定義の通りであり、プロトン酸はTFAであり、極性溶媒はMeCNである。再結晶化ステップについて、キラル塩は、酒石酸塩、特に(2R,3R)−(−)−ジ−O−ベンゾイル酒石酸から選択され、極性溶媒はエタノールである。
【0141】
より好ましい一実施形態では、本発明は、Cから先に得られたTHQがキラル塩で結晶化して、対応するTHQのexo−鏡像体をもたらす、純粋な鏡像異性体としての式Iの化合物の合成方法に関する。
【0142】
【化38】

【0143】
式中、Ra、R1、R2、R3は先に定義の通りであり、プロトン酸は、好ましくはTFAであり、極性溶媒は、好ましくはMeCNである。再結晶化ステップについて、キラル塩は、酒石酸塩、特に(2R,3R)−(−)−ジ−O−ベンゾイル酒石酸から選択され、極性溶媒は、好ましくはエタノールである。
【0144】
より好ましい一実施形態では、本発明は、C'から先に得られたTHQがキラル塩で結晶化して、対応するTHQのexo−鏡像体をもたらす、純粋な鏡像異性体としての式Iの化合物の合成方法に関する。
【0145】
【化39】

【0146】
式中、Ra、R1、R2、R3は先に定義の通りであり、好ましくは、RaはClであり、R1はCH3であり、R2はFであり、R3はHであり、プロトン酸は、好ましくはTFAであり、極性溶媒は、好ましくはMeCNである。再結晶化ステップについて、キラル塩は、酒石酸塩、特に(2R,3R)−(−)−ジ−O−ベンゾイル酒石酸から選択され、極性溶媒は、好ましくはエタノールである。
【実施例】
【0147】
A)ラセミC−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メチルアミンの調製
【0148】
【化40】

【0149】
3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−カルバルデヒド(950g、8.31mol)を、予め冷却したテトラヒドロフラン(1.9kg)に溶解した。ラネー−Co触媒(95g、テトラヒドロフラン湿潤)を添加した。液体アンモニア(1350g、79.4mol)を、15分以内に溶液に移した。水素(186.2L)を、圧力105バールに調節し、溶液を100℃で2時間撹拌した。反応容器を室温に冷却し、ガスを除去し、溶液を脱気した。溶液を減圧下で濃縮した。粗生成物(932g)を減圧下で蒸留して、C−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メチルアミン(702g、6.17mmol、収率74%)を得た。分析データ:Bp.77〜82℃(30〜32ミリバール);HPLC−MS:rt=0.665分(TIC)、rt=0.644分(UV)、rt=0.616分(ELS)において(M+H)+=114、Chromolith SpeedROD RP−18e 50−4.6mm、溶媒A:水+0.1%TFA、溶媒B:アセトニトリル+0.1%TFA、勾配:0.0分において4%溶媒B、2.6分において100%溶媒B、流量:2.4mL/分、UV:220nm。
【0150】
B)ラセミ(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イルメチル)メチルアミンの調製
【0151】
【化41】

【0152】
3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−カルバルデヒド(300g、2.68mol)を、テトラヒドロフラン(710mL)に溶解した。ラネー−Co触媒(30g、テトラヒドロフラン湿潤)を添加した。ガス状のメチルアミン(415.4g、13.4mol)を、50分以内に溶液に移した(45℃)。水素(49.2L)を添加し、圧力を100バールに調節し、溶液を100℃で約2時間撹拌した。反応容器を室温に冷却し、ガスを除去し、溶液を脱気した。溶液を減圧下で濃縮した。粗生成物(344.5g)を減圧下で蒸留して、(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イルメチル)メチルアミン(289.8g、2.28mol、収率85%)を得た。分析データアミン(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イルメチル)メチルアミン:16ミリバールにおいてBp.55〜57℃;HPLC−MS:rt=0.619分(TIC)、rt=0.596分(UV)、rt=0.631分(ELS)において(M+H)+=128、Chromolith SpeedROD RP−18e 50−4.6mm、溶媒A:水+0.1%TFA、溶媒B:アセトニトリル+0.1%TFA、勾配:0.0分において4%溶媒B、2.6分において100%溶媒B、流量:2.4mL/分、UV:220nm。
【0153】
C)鏡像異性体として純粋なC−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メチルアミン(L−トシルプロリン塩)および鏡像異性体として純粋なC−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メチルアミン(遊離塩基)の調製
【0154】
【化42】

【0155】
穏やかな加熱下で、L−トシルプロリン(119g、442mmol)をエタノール(1000mL)に溶解した。溶液を濾過し、フィルターを加熱エタノール(200mL)ですすいだ。C−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メチルアミン(100g、884mmol)およびエタノール(200mL)を添加し、加熱還流した。溶液を、穏やかな撹拌下で冷却した(約100U/分)。約50℃において、C−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メチルアミンの播種用結晶のごく一部(キラルHPLCによってer≧99.5:0.5、初期の実験から得られた結晶)を添加した。溶液を室温に冷却した。この間(18時間)に塩が結晶化した。塩を濾別し、少量の冷却エタノールで洗浄して、アミン塩C−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メチルアミン(98.5g、キラルHPLCによってer=93.2:6.8)を得た。エナンチオピュアな結晶を得るために、C−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メチルアミン塩(98.5g、キラルHPLCによってer=93.2:6.8)を、穏やかな加熱下でエタノール(850mL)に溶解し、前述と同じ条件下で結晶化を行って、C−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メチルアミンのアミン塩(83.1g、キラルHPLCによってer=98.6:1.4)を得た。C−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メチルアミン塩(83.1g、キラルHPLCによってer=98.6:1.4)を、エタノール(400mL)に溶解し、前述と同じ結晶化手順を行って、C−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メチルアミン塩(77.8g、理論的収率46%、キラルHPLCによってer=99.5:0.5)を、無色透明の結晶として得た。分析データC−(3.4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メチルアミン塩:Mp.177〜178℃;[α]D20=−134.0°(c=0.995、MeOH);キラルHPLC:rtE1=10.56分、rtE2=16.24分(erE1/E2=0.5/99.5)、Crownpak CR(+)、HClO4 pH1+10%メタノール、流量:0.8mL/分、UV:215nm。C−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メチルアミン塩(45.8g、120mmol)を水(100mL)に溶解し、2Nの水性NaOH(80mL)を添加した。溶液を、ジクロロメタン(100mL)で5回抽出した。有機層を水(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて、蒸留後に減圧下でC−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メチルアミン(遊離塩基)(13.3g、98%、キラルHPLCによってer=99.4:0.6)を無色液体として得た。分析データC−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メチルアミン:Bp.77〜82℃(30〜32ミリバール);[α]D20=−75.8°(c=0.528、MeOH);キラルHPLC:rtE1=10.2分、rtE2=14.7分(erE1/E2=0.6/99.4)、Crownpak CR(+)、HClO4 pH1+10%メタノール、流量:0.8mL/分、UV:215nm。
【0156】
D)鏡像異性体として純粋な(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イルメチル)メチルアミン[(2R,3R)−(−)−ジ−O−ベンゾイル酒石酸塩]および遊離塩基の調製
【0157】
【化43】

【0158】
穏やかな加熱下で、(2R,3R)−(−)−ジ−O−ベンゾイル酒石酸(47.0g、131mmol)を、2−プロパノール(400mL)に溶解した。(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イルメチル)メチルアミン(50.0g、393mmol、2−プロパノール50mLに溶解した)を添加し、加熱還流した(約70℃、約5分)。溶液を、穏やかな撹拌下で冷却した(約100U/分)。約50℃において、(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メチルアミンの播種用結晶のごく一部(キラルHPLCによってer≧99.5:0.5、初期の実験から得られた結晶)を添加した。溶液を室温に冷却した。この間(18時間)に塩が結晶化した。塩を濾別し、少量の冷却2−プロパノールおよびn−ヘプタンで洗浄して、(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イルメチル)メチルアミン塩(36.0g、キラルHPLCによってer=83.7:16.3)を得た。エナンチオピュアな結晶を得るために、(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イルメチル)メチルアミン塩(36.0g、キラルHPLCによってer=83.7:16.3)を、穏やかな加熱下で2−プロパノール(360mL)に溶解し、前述と同じ条件下で結晶化を行って、(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イルメチル)メチルアミン塩(25.7g、キラルHPLCによってer=95.5:4.5)を得た。(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イルメチル)メチルアミン塩(25.7g、キラルHPLCによってer=95.5:4.5)を、2−プロパノール(350mL)に溶解し、前述と同じ結晶化手順を行って、(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イルメチル)メチルアミン塩(20.6g、理論的収率46%、キラルHPLCによってer=99.5:0.5)を、無色透明の結晶として得た。分析データ(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イルメチル)メチルアミン塩:Mp.147〜148℃;[α]D20=−111.1°(c=1.013、MeOH);(S)−(+)−MTPA−Clでの誘導体化後のキラルHPLC:rtE1=7.17分、rtE2=8.13分(erE1/E2=0.5/99.5)、Chiralcel OD−H、n−ヘプタン/2−プロパノール98:2、流量:0.8mL/分、UV:240nm;キラルGC−MS:RT−BetaDEXsm(長さ:30m、直径:0.25mm)、MS検出器、ガス:He(1.0バール)、カラム温度:50〜150℃(温度プログラム:5℃/分)、注入温度:250℃。
【0159】
(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イルメチル)メチルアミン塩(9.2g、15.0mmol)を水(25mL)に溶解し、2Nの水性NaOH(16mL)を添加した。溶液を、ジクロロメタン(100mL)で5回抽出した。有機層を水(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて、蒸留後に減圧下で(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イルメチル)メチルアミン(遊離塩基)(2.7g、72%、キラルHPLCによってer=99.5:0.5)を無色液体として得た。分析データ(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イルメチル)メチルアミン(遊離塩基):16ミリバールにおいてBp.55〜57℃。[α]D20=−86.2°(c=0.725、MeOH);HPLC−MS:rt=0.619分(TIC)、rt=0.596分(UV)、rt=0.631分(ELS)において(M+H)+=128、Chromolith SpeedROD RP−18e 50−4.6mm、溶媒A:水+0.1%TFA、溶媒B:アセトニトリル+0.1%TFA、勾配:0.0分において4%溶媒B、2.6分において100%溶媒B、流量:2.4mL/分、UV:220nm;(S)−(+)−MTPA−Clでの誘導体化後のキラルHPLC:rtE1=7.31分、rtE2=8.24分(erE1/E2=0.5/99.5)、Chiralcel OD−H、n−ヘプタン/2−プロパノール98:2、流量:0.8mL/分、UV:240nm。
【0160】
E)鏡像異性体として純粋な1−[(R)−1−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メチル]−3−(2−ジメチルアミノエチル)尿素の調製
【0161】
【化44】

【0162】
C−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メチルアミン(遊離塩基)(13.3g、118mmol)および1,1'−カルボニルジイミダゾール(28.6g、176mmol)を、ジクロロメタン(900mL)に溶解し、室温で2時間撹拌した。アルゴン雰囲気下、N,N−ジメチルエチレンジアミン[51.2mL、470mmol;ジクロロメタン(250mL)に溶解]を添加し、反応混合物を室温で65時間撹拌した。反応混合物を減圧下で約三分の一の体積に濃縮し、水(100mL)で3回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、残りの溶媒を減圧下で除去して、1−[(R)−1−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メチル]−3−(2−ジメチルアミノエチル)尿素(24.2g、91%)を薄黄色の液体として得た。分析データ1−[(R)−1−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メチル]−3−(2−ジメチルアミノエチル)尿素:HPLC−MS:rt=1.155分において(M+H)+=228.2、カラム:Chromolith SpeedROD RP−18e 50−4,6mm;溶媒A:水+0.1%TFA、溶媒B:アセトニトリル+0.1%TFA、勾配:0.0分において4%B、2.6分において100%B、3.3分において100%B、流量:2.4mL/分、UV:220nm。
【0163】
F1)ジアステレオマーおよび鏡像異性体として純粋なexo−1−(2−ジメチルアミノエチル)−3−((2R,4aS,5R,10bS)−5−フェニル−9−トリフルオロメチル−3,4,4a,5,6,10b−ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]キノリン−2−イルメチル)尿素の調製
【0164】
【化45】

【0165】
1−[(R)−1−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メチル]−3−(2−ジメチルアミノ−エチル)尿素(24.2g、106mmol)およびベンズアルデヒド(11.0mL、108mmol)を、約5℃(氷浴)でアセトニトリル(100mL)に溶解した。予め冷却した(約5℃)、4−アミノベンゾトリフルオライド(17.55g、109mmol)およびTFA(16.1mL)のアセトニトリル(100mL)中溶液を添加し、反応混合物を約5℃でさらに2時間撹拌した。反応温度を室温に戻し、さらに90時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチルに溶解し、水(100mL)で3回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。得られた粗ジアステレオマー混合物exo−およびendo−1−(2−ジメチルアミノエチル)−3−((2R,4aS,5R,10bS)−5−フェニル−9−トリフルオロメチル−3,4,4a,5,6,10b−ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]キノリン−2−イルメチル)尿素(48.6g)を、ジクロロメタン(1.4L)に溶解し、水(300mL)、飽和水性重炭酸ナトリウム(300mL)で抽出し、再び水(300mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去して、THQ−尿素を、ジアステレオマー混合物exo−およびendo−1−(2−ジメチルアミノ−エチル)−3−((2R,4aS,5R,10bS)−5−フェニル−9−トリフルオロメチル−3,4,4a,5,6,10b−ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]キノリン−2−イルメチル)尿素(34.5g)として得た。分析データ混合物exo−およびendo−1−(2−ジメチルアミノ−エチル)−3−((2R,4aS,5R,10bS)−5−フェニル−9−トリフルオロメチル−3,4,4a,5,6,10b−ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]キノリン−2−イルメチル)尿素:HPLC−MS:endo−1−(2−ジメチルアミノ−エチル)−3−((2R,4aS,5R,10bS)−5−フェニル−9−トリフルオロメチル−3,4,4a,5,6,10b−ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]キノリン−2−イルメチル)尿素について、rt=1.932分(TIC)、rt=1.903分(UV)、rt=1.901分(ELS)において(M+H)+=477、およびexo−1−(2−ジメチルアミノ−エチル)−3−((2R,4aS,5R,10bS)−5−フェニル−9−トリフルオロメチル−3,4,4a,5,6,10b−ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]キノリン−2−イルメチル)尿素について、rt=2.062分(TIC)、rt=2.035分(UV)、rt=2.033分(ELS)において(M+H)+=477、Chromolith SpeedROD RP−18e 50−4.6mm、溶媒A:水+0.1%TFA、溶媒B:アセトニトリル+0.1%TFA、勾配:0.0分において4%溶媒B、2.6分において100%溶媒B、流量:2.4mL/分、UV:220nm。
【0166】
残渣を、カラムクロマトグラフィー(Si60、0.063〜0.2mm;ジクロロメタン/メタノール95:5〜70:30)にかけた。適切な画分を収集し、溶媒を減圧下で除去して、純粋なTHQジアステレオマーであるexo−1−(2−ジメチルアミノ−エチル)−3−((2R,4aS,5R,10bS)−5−フェニル−9−トリフルオロメチル−3,4,4a,5,6,10b−ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]キノリン−2−イルメチル)尿素(19.1g、38%)を得た。分析データexo−1−(2−ジメチルアミノエチル)−3−((2R,4aS,5R,10bS)−5−フェニル−9−トリフルオロメチル−3,4,4a,5,6,10b−ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]キノリン−2−イルメチル)尿素:Mp.121℃;[α]D20=−75.7°(c=1.02、EtOH);HPLC:rtexo=10.6分、rtendo=12.7分、Purospher Star、溶媒:nヘプタン/EtOH80:20+0.5%ジエチルアミン、流量:1mL/分、UV:250nm;HPLC−MS:rt=2.062分(TIC)、rt=2.035分(UV)、rt=2.033分(ELS)において(M+H)+=477、Chromolith SpeedROD RP−18e 50−4.6mm、溶媒A:水+0.1%TFA、溶媒B:アセトニトリル+0.1%TFA、勾配:0.0分において4%溶媒B、2.6分において100%溶媒B、流量:2.4mL/分、UV:220nm。
【0167】
F2)分取HPLCによるTHQジアステレオマーであるexo−およびendo−1−(2−ジメチルアミノエチル)−3−((2R,4aS,5R,10bS)−5−フェニル−9−トリフルオロメチル−3,4,4a,5,6,10b−ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]キノリン−2−イルメチル)尿素の分離
【0168】
【化46】

【0169】
尿素exo−およびendo−1−(2−ジメチルアミノ−エチル)−3−((2R,4aS,5R,10bS)−5−フェニル−9−トリフルオロメチル−3,4,4a,5,6,10b−ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]キノリン−2−イルメチル)尿素(5.7g)のジアステレオマー混合物の純粋なジアステレオマーを、分取HPLC(カラム:Prepbar LiChrosorb Si60 10μm、25×5cm;溶離液:nヘプタン/エタノール85:15+0.5%ジエチルアミン、注入:250mg/10mL、流量:80mL/分、UV:254nm)によって分離して、THQ−尿素exo−1−(2−ジメチルアミノエチル)−3−((2R,4aS,5R,10bS)−5−フェニル−9−トリフルオロメチル−3,4,4a,5,6,10b−ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]キノリン−2−イルメチル)尿素(2.1g、4.4mmol)およびTHQ−尿素endo−1−(2−ジメチルアミノ−エチル)−3−((2R,4aS,5R、10bS)−5−フェニル−9−トリフルオロメチル−3,4,4a,5,6,10b−ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]キノリン−2−イルメチル)尿素(1.8g、3.8mmol)を、純粋なジアステレオマーとして得た。分析データexo−1−(2−ジメチルアミノ−エチル)−3−((2R,4aS,5R,10bS)−5−フェニル−9−トリフルオロメチル−3,4,4a,5,6,10b−ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]キノリン−2−イルメチル)尿素:F1部分を参照。分析データendo−1−(2−ジメチルアミノエチル)−3−((2R,4aS,5R,10bS)−5−フェニル−9−トリフルオロメチル−3,4,4a,5,6,10b−ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]キノリン−2−イルメチル)尿素:HPLC−MS:rt=1.932分(TIC)、rt=1.903分(UV)、rt=1.901分(ELS)において(M+H)+=477、Chromolith SpeedROD RP−18e 50−4.6mm、溶媒A:水+0.1%TFA、溶媒B:アセトニトリル+0.1%TFA、勾配:0.0分において4%溶媒B、2.6分において100%溶媒B、流量:2.4mL/分、UV:220nm。
【0170】
G)ジアステレオマーおよび鏡像異性体として純粋なC((2R,4aS,5R,10bS)−5−フェニル−9−トリフルオロメチル−3,4,4a,5,6,10b−ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]キノリン−2−イル)メチルアミンの調製
【0171】
【化47】

【0172】
C−[(R)−1−(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イル)]メチルアミン塩(77g、201mmol)およびベンズアルデヒド(20.7mL、205mmol)を、約5℃(氷浴)でアセトニトリル(185mL)に溶解した。予め冷却した(約5℃)、4−アミノベンゾトリフルオライド(33.0g、205mmol)およびTFA(31.7mL)のアセトニトリル(185mL)中溶液を急速に添加し、反応混合物を約5℃でさらに2時間撹拌した。反応温度を室温に戻し、さらに35時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、pH8〜9に達するまで、残渣を水および飽和重炭酸ナトリウム水溶液で処理した。酢酸エチル(300mL)を添加し、有機層を、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(200mL)で1回、水(150mL)で3回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去して、粗ジアステレオマー混合物exo−およびendo−C((2R,4aS,5R,10bS)−5−フェニル−9−トリフルオロメチル−3,4,4a,5,6,10b−ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]キノリン−2−イル)メチルアミン(98.4g、dr約1:1[exo/endo])を得た。分析データ混合物exo−およびendo−C((2R,4aS,5R,10bS)−5−フェニル−9−トリフルオロメチル−3,4,4a,5,6,10b−ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]キノリン−2−イル)メチルアミン:HPLC−MS:endo−C((2R,4aS,5R,10bS)−5−フェニル−9−トリフルオロメチル−3,4,4a,5,6,10b−ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]キノリン−2−イル)メチルアミンについて、rt=1.913分(TIC)、rt=1.883分(UV)、rt=1.879分(ELS)において(M+H)+=363、およびendo−C((2R,4aS,5R,10bS)−5−フェニル−9−トリフルオロメチル−3,4,4a,5,6,10b−ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]キノリン−2−イル)メチルアミンについて、rt=2.021分(TIC)、rt=1.990分(UV)、rt=1.988分(ELS)において(M+H)+=363、Chromolith SpeedROD RP−18e 50−4.6mm、溶媒A:水+0.1%TFA、溶媒B:アセトニトリル+0.1%TFA、勾配:0.0分において4%溶媒B、2.6分において100%溶媒B、流量:2.4mL/分、UV:220nm。
【0173】
粗ジアステレオマー混合物exo−およびendo−C((2R,4aS,5R,10bS)−5−フェニル−9−トリフルオロメチル−3,4,4a,5,6,10b−ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]キノリン−2−イル)メチルアミン(80.5g)を、穏やかな加熱下で2−プロパノール(400mL)に溶解し、(2R,3R)−(−)−ジ−O−ベンゾイル酒石酸を添加した。反応混合物を、透明な溶液が形成されるまで、さらに加熱還流した。溶液をさらに20時間にわたって静置して室温に冷却した。さらに4時間、反応混合物を0℃(氷浴)に冷却した。この間に塩が結晶化した。塩を濾別し、少量の冷却2−プロパノールで洗浄して、単一ジアステレオマーTHQ−アミン塩exo−C((2R,4aS,5R,10bS)−5−フェニル−9−トリフルオロメチル−3,4,4a,5,6,10b−ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]キノリン−2−イル)メチルアミン(14.7g、24%、キラルHPLCによってer=99.9:0.1)を得た。分析データexo−C((2R,4aS,5R,10bS)−5−フェニル−9−トリフルオロメチル−3,4,4a,5,6,10b−ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]キノリン−2−イル)メチルアミン:Mp.169〜171℃;[α]D20=−105.1°(c=1.11、MeOH);キラルHPLC:rtendo=12.75分、rtexo=14.93分(drendo/exo=0.2/99.8)、Chirobiotic T2、メタノール+0.04%トリフルオロ酢酸アンモニウム(AFTA)、流量:1.0mL/分、UV:265nm。
【0174】
H)ジアステレオマーおよび鏡像異性体として純粋なTHQ−アミンexo−((2R,4aS,5R、10bS)−9−クロロ−7−フルオロ−5−フェニル−3,4,4a,5,6,10b−ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]キノリン−2−イルメチル)メチルアミンの調製
【0175】
【化48】

【0176】
アニリン誘導体(19.7g、135.5mmol)およびベンズアルデヒド(14.4g、135.8mmol)を、アセトニトリル(250mL)に溶解し、60〜70℃で3時間撹拌した。溶液を冷却した(氷浴)。(3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イルメチル)メチルアミン[(2R,3R)−(−)−ジ−O−ベンゾイル酒石酸塩](40.0g、65.3mmol)に次いですぐにTFA(50mL、アセトニトリル100mLに溶解)を添加し、反応混合物を、氷浴中でさらに1時間撹拌し、室温でさらに18時間撹拌した。溶媒およびTFAの大部分を、減圧下で除去し、残渣をジクロロメタン(500mL)に溶解し、2NのNaOH(350mL)で抽出した。有機層をさらにジクロロメタン(300ml)で希釈し、水(各200mL)で2回抽出した。有機層を2NのHCl(各200mL)で4回抽出し、水(各200mL)で2回抽出した。両方の層を収集した。水層からは赤褐色油が終夜排出し、それをジクロロメタン(100mL)に溶解し、混合物を有機層と融合させた。混合有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去して、粗ジアステレオマー混合物exo−およびendo−((2R,4aS,5R,10bS)−9−クロロ−7−フルオロ−5−フェニル−3,4,4a,5,6,10b−ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]キノリン−2−イルメチル)メチルアミン(21.05g)を得た。分析データ混合物exo−およびendo−((2R,4aS,5R,10bS)−9−クロロ−7−フルオロ−5−フェニル−3,4,4a,5,6,10b−ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]キノリン−2−イルメチル)メチルアミン:HPLC−MS:endo−((2R,4aS,5R,10bS)−9−クロロ−7−フルオロ−5−フェニル−3,4,4a,5,6,10b−ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]キノリン−2−イルメチル)メチルアミンについて、rt=1.928分(TIC)、rt=1.902分(UV)、rt=1.863分(ELS)において(M+H)+=361、およびexo−((2R,4aS,5R,10bS)−9−クロロ−7−フルオロ−5−フェニル−3,4,4a,5,6,10b−ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]キノリン−2−イルメチル)メチルアミンについて、rt=2.043分(TIC)、rt=2.013分(UV)、rt=1.976分(ELS)において(M+H)+=361、Chromolith SpeedROD RP−18e 50−4.6mm、溶媒A:水+0.1%TFA、溶媒B:アセトニトリル+0.1%TFA、勾配:0.0分において4%溶媒B、2.6分において100%溶媒B、流量:2.4mL/分、UV:220nm。
【0177】
粗ジアステレオマー混合物exo−およびendo−((2R,4aS,5R,10bS)−9−クロロ−7−フルオロ−5−フェニル−3,4,4a,5,6,10b−ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]キノリン−2−イルメチル)メチルアミン(21.05g)を、穏やかな加熱下でエタノール(160mL)に溶解し、反応混合物を、穏やかな撹拌下で18時間にわたって静置して室温に冷却した。最後に反応混合物を、氷浴中でさらに3時間撹拌した。得られた結晶を濾過によって収集し、少量の冷却2−プロパノールおよびn−ヘプタンで洗浄して、THQ−アミン塩exo−((2R,4aS,5R,10bS)−9−クロロ−7−フルオロ−5−フェニル−3,4,4a,5,6,10b−ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]キノリン−2−イルメチル)メチルアミン(4.34g、16.7%、キラルHPLCによってdr=99.5:0.5およびer>99.8:0.2)を無色結晶として得た。分析データexo−((2R,4aS,5R,10bS)−9−クロロ−7−フルオロ−5−フェニル−3,4,4a,5,6,10b−ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]キノリン−2−イルメチル)メチルアミン:Mp.295−296℃;[α]D20=−22.8°(c=1.93、MeOH);キラルHPLC:rtE1exo=14.3分、Chiralpak AD、n−ヘプタン/2−プロパノール95:5+0.5%ジエチルアミン、流量:0.8mL/分、UV:254nm。
【0178】
残りの反応混合物を、減圧下で濃縮した。残渣を、穏やかな加熱下で2−プロパノール(150mL)に溶解した。反応混合物を室温に冷却した後、最初の結晶化の播種用結晶を添加し、反応混合物をさらに64時間撹拌した。その後反応混合物を、氷浴中で4時間冷却した。得られた結晶を濾過によって収集し、少量の冷却2−プロパノールおよびn−ヘプタンでそれぞれ洗浄して、さらなるTHQ−アミン塩exo−((2R,4aS,5R,10bS)−9−クロロ−7−フルオロ−5−フェニル−3,4,4a,5,6,10b−ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]キノリン−2−イルメチル)メチルアミン(1.41g、キラルHPLCによってdr=90.3:9.7およびer>99.8:0.2)を無色結晶として得た。
【0179】
【化49】

【0180】
THQ−アミン塩exo−((2R,4aS,5R,10bS)−9−クロロ−7−フルオロ−5−フェニル−3,4,4a,5,6,10b−ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]キノリン−2−イルメチル)メチルアミン(0.95g、2.39mmol)を、2Nの水性NaOH(10mL)に溶解した。ジクロロメタン(30mL)を添加し、全ての固体が完全に溶解するまで、反応混合物を激しく振とうした。各層を分離し、水層を塩化ナトリウムで飽和させ、ジクロロメタン(20mL)で2回抽出した。混合有機層を水(5mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて、アミン(遊離塩基)exo−((2R,4aS,5R,10bS)−9−クロロ−7−フルオロ−5−フェニル−3,4,4a,5,6,10b−ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]キノリン−2−イルメチル)メチルアミン(0.84g、97%、キラルHPLCによってdr>99.8:0.2およびer>99.8:0.2)を無色結晶として得た。分析データexo−((2R,4aS,5R,10bS)−9−クロロ−7−フルオロ−5−フェニル−3,4,4a,5,6,10b−ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]キノリン−2−イルメチル)メチルアミン:Mp.190〜192℃;[α]D20=−32.9°(c=1.09、MeOH);キラルHPLC:rtE1exo=15.8分、Chiralpak AD、n−ヘプタン/2−プロパノール95:5+0.5%ジエチルアミン、流量:0.8mL/分、UV:254nm。
【0181】
I)ジアステレオマーおよび鏡像異性体として純粋なTHQ−尿素exo−1−(2−ジメチルアミノ−エチル)−3−((2R,4aS,5R,10bS)−5−フェニル−9−トリフルオロメチル−3,4,4a,5,6,10b−ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]キノリン−2−イルメチル)尿素の代替調製
【0182】
【化50】

【0183】
THQアミン(−)−ジベンゾイル酒石酸塩exo−C−((2R,4aS,5R,10bS)−5−フェニル−9−トリフルオロメチル−3,4,4a,5,6,10b−ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]キノリン−2−イル)メチルアミン(14.5g、13.4mmol)および1,1'−カルボニルジイミダゾール(6.5g、40.1mmol)を、ジクロロメタン(300mL)に溶解し、室温で2時間撹拌した。アルゴン雰囲気下、N,N−ジメチルエチレンジアミン[11.7mL、107mmol;ジクロロメタン(70mL)に溶解]を添加し、反応混合物を室温で18時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。残渣を酢酸エチルに溶解し、1Nの水性NaOH(80mL)で2回抽出し、水(250mL)で3回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、残りの溶媒を減圧下で除去した。残渣(約15g)を、穏やかな加熱下でジクロロメタン(40mL)に溶解した。MTBE(80mL)を添加し、混合物を氷浴中で18時間冷却した。得られた結晶を濾過によって収集し、ジクロロメタン/MTBE1:4の氷冷溶液で洗浄して、THQアミンexo−13a(6.38g、99%)を無色結晶として得た。分析データexo−1−(2−ジメチルアミノエチル)−3−((2R,4aS,5R,10bS)−5−フェニル−9−トリフルオロメチル−3,4,4a,5,6,10b−ヘキサヒドロ−2H−ピラノ[3,2−c]キノリン−2−イルメチル)尿素:F1部分の分析データを参照。
【0184】
略語:MeOH=メタノール;EtOH=エタノール、PrOH=プロパノール、iPrOH=イソプロパノール、DMF=ジメチルホルムアミド、THF=テトラヒドロフラン、THQ=テトラヒドロキノリン;DHP=3,4−ジヒドロ−2H−ピラン、TFA=トリフルオロ酢酸;CDI=1,1'−カルボニルジイミダゾール;MeCN(アセトニトリル)、BOP=ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩、DCC=ジシクロヘキシルカルボジイミド、DEPBT=3−(ジエトキシ−ホスホリルオキシ)−3H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアジン−4−オン、DIC=N,N'−ジイソプロピルカルボジイミド、EDC=1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、HATU=2−(1H−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸メタンアミニウム、HBTU=O−ベンゾトリアゾール−N,N,N',N'−テトラメチル−ウロニウム−ヘキサフルオロ−リン酸塩、HOAt=[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−オール、HOBt=N−ヒドロキシベンゾトリアゾール、HOOBt=ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン、HCTU=1H−ベンゾトリアゾリウム1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−5クロロ−、ヘキサフルオロリン酸(1−),3−酸化物、Cl−HOBt=6−クロロ−1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール、PyBOP=ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩、PyBrOP=ブロモ−トリス−ピロリジノホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩、TBTU=O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムテトラフルオロホウ酸塩、TDBTU=N,N,N',N'−テトラメチル−O−(3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン−3−イル)ウロニウムテトラフルオロホウ酸塩、TSTU=O−(N−スクシンイミジル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロホウ酸塩、4,5−ジシアノイミダゾール、MTBE=tert−ブチルメチルエーテル;rt=保持時間;UV=紫外線検出器(dector);TIC=総イオン計数(MS検出器);ELS=蒸発光散乱(検出器の種類);Mp.=融点;Bp.=沸点、er=鏡像異性体の比;dr=ジアステレオマーの比。
【0185】
装置:旋光度−Perkin Elmer Polarimeter 341(cは、g/100mL、セル100mmで測定);融点−Buchi Melting Point B−545(融点は全て補正しない);キラルHPLC−Merck−Hitachi LaChrom(D−7000インターフェース、L−7100ポンプ、L−7200オートサンプラー、L−7300カラムオーブン、L−7400ダイオードアレイ検出器からなる)、HPLC−MS−Agilent 1100 System(MS&DAD)とERC製のELS−検出器Sedex 75。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの鏡像異性体に富むまたは鏡像異性体として純粋な化合物、ならびにそれらの薬学的に許容できる誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および多形体の製造方法であって
【化1】

(式中、
aは、Hal、シアノ、COOH、COOA、A、CF3を示し、
1は、H、A、アリール、Het、Hal、−(CY2n−SA、−(CY2n−SCF3、−(CY2n−SCN、−(CY2n−CF3、−(CY2n−OCF3、R、シクロアルキル、−SCH3、−SCN、−CF3、−OCF3、−OA、−(CY2n−OH、−(CY2n−CO2R、−(CY2n−CN、−(CY2n−Hal、−(CY2n−NR2、(CY2n−OA、(CY2n−OCOA、−SCF3、(CY2n−CONR2、−(CY2n−NHCOA、−(CY2n−NHSO2A、SF5、Si(CH33、CO−(CY2n−CH3、−(CY2n−N−ピロリドン、(CH2nNRCOOR、NRCOOR、NCO、(CH2nCOOR、NCOOR、(CH2nOH、NR(CH2nNR2、C(OH)R2、NR(CH2nOR、NCOR、(CH2nAr、(CH2nHet、(CH2n1、(CH2nX(CH2nAr、(CH2nX(CH2nHet、(CH2nCONR2、XCONR(CH2nNR2、N[(CH2nXCOOR]CO(CH2nAr、N[(CH2nXR]CO(CH2nAr、N[(CH2nXR]CO(CH2nXアリール、N[(CH2nXR]SO2(CH2nAr、N[(CH2nNRCOOR]CO(CH2nAr、N[(CH2nNR2]CO(CH2nAr、N[(CH2nNR2]CO(CH2nNRAr、N[(CH2nNR2]SO2(CH2nAr、N[(CH2nXR]CO(CH2nHet、N[(CH2nXR]CO(CH2nXHet、N[(CH2nXR]SO2(CH2nHet、N[(CH2nNRCOOR]CO(CH2nHet、N[(CH2nNR2]CO(CH2nHet、N[(CH2nNR2]CO(CH2nNRHet;を示し、
2、R3は、H、A、Hal、OA、ORを示し、
Yは、H、A、Hal、ORを示し、
Aは、アルキルまたはシクロアルキルを示し、ここで、1つまたは複数のH原子は、Halで置き換えすることができ、
Halは、F、Cl、BrまたはIを示し、
Rは、HまたはAを示し、ジェミナル基の場合には、Rは、一緒になって−(CH25−、−(CH24−または−(CH2n−X−(CH2nまたは−(CH2n−Z−(CH2nも示し、
Xは、O、SまたはNR1を示し、
Qは、CH2−NH−A、CH2−NH−C(O)R1、CH2−NH−SO21を示し、
Zは、CH2、X、CHCONH2、CH(CH2nNR1COOR1、CHNR1COOR1、NCHO、CHCON(R12、CH(CH2nCOOR1、NCOOR1、CH(CH2nOH、N(CH2nOH、CHNH2、CH(CH2nNR12、CH(CH2nNR12、C(OH)R1、CHNCOR1、NCOR1、N(CH2nAr、N(CH2nHet、CHR1、NR1、CH(CH2nAr、CH(CH2nHet、CH(CH2n1、N(CH2nCOOR1、CH(CH2nX(CH2nAr、CH(CH22X(CH2nHet、N(CH2nCON(R12、NSO21、CHSO2N(R12、XCONR(CH2nN(R12、NCO(CH2nAr、NCO(CH2nXAr、NSO2(CH2nAr、NCO(CH2nAr、NCO(CH2nNR1アリール、NCO(CH2nHet、NCO(CH2nXHet、NSO2(CH2nHet、NCO(CH2nNR1Het、N(CH2nNR2CH、CHO(CH2nН(R12、CHX(CH2nN(R12、NCO(CH2nNR2、を示し、
6は、非置換Arを示し、あるいはHal、NO2、CN、OR、A、−(CY2n−OR、−OCOR、−(CY2n−CO2R、−(CY2n−CN、−NCOR、−CORもしくは−(CY2n−NR2によって、またはHal、NO2、CN、A、OR、OCOR、COR、NR2、CF3、OCF3、OCH(CF32によってまた置換されていてもよいアリールもしくはHetによって少なくとも1つの位置において置換されているHetを示し、
7は、(C=O)−R、(C=O)−NR2、(C=O)−OR、HまたはAを示し、
Arは、6〜14個の炭素原子を有する単環式または二環式の、飽和、不飽和または芳香族炭素環式環を示し、これは非置換であってよく、あるいはHal、NO2、CN、OR、A、−(CY2n−OR、−OCOR、−(CY2n−CO2R、−(CY2n−CN、−NCOR、−CORもしくは−(CY2n−NR2によって、またはHal、NO2、CN、A、OR、OCOR、COR、NR2、CF3、OCF3、OCH(CF32によって、少なくとも1つの位置において置換されており、
Hetは、1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式または二環式の、飽和、不飽和または芳香族複素環式環を示し、これは非置換であってよく、あるいはHal、NO2、CN、OR、A、−(CY2n−OR、−OCOR、−(CY2n−CO2R、−(CY2n−CN、−NCOR、−CORもしくは−(CY2n−NR2によって、またはHal、NO2、CN、A、OR、OCOR、COR、NR2、CF3、OCF3、OCH(CF32によって、少なくとも1つの位置において置換されており、
nは、0、1、2、3、4、5、6または7を示す)、
適切な溶媒およびプロトン酸またはルイス酸の存在下で、アニリン誘導体AおよびアルデヒドB
【化2】

を、キラルジヒドロピランメチルアミン誘導体C
【化3】

(式中、R1〜R6およびQは、前述の通りである)
と反応させるステップを含む方法。
【請求項2】
Qが、基−CH2−NH(CO)R1、−CH2−NHSO21またはCH2NH−Aである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
Qが、CH2NH−CH3、CH2NHC(O)NH(CH22N(CH32である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
6が非置換アリールである、請求項1から3に記載の方法。
【請求項5】
3がHから選択される、請求項1から4に記載の方法。
【請求項6】
2がHから選択される、請求項1から5に記載の方法。
【請求項7】
aがAである、請求項1から6に記載の方法。
【請求項8】
aがCF3であり、R7がHである、請求項1から7に記載の方法。
【請求項9】
前記プロトン酸がTFAである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記適切な溶媒がアセトニトリルである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
Qが−CH2−NHCH3であり、RaがClであり、R2がFであり、R3がHであり、R7がHであり、R6が非置換アリールである、請求項1、9および10に記載の方法。
【請求項12】
式Cの鏡像異性体に富むまたは鏡像異性体として純粋な化合物ならびにそれらの薬学的に許容できる誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および多形体の製造方法であって
【化4】

(式中、Qは請求項1に定義の通りである)、以下の、
極性溶媒中、ラセミ化合物C(式中、Qは、CH2NH2またはCH2NHA、好ましくはCH2NHCH3である)をキラル酸化合物で処理して、鏡像異性体に富むまたは鏡像異性体として純粋なジヒドロピランメチルアミン塩を得るステップ、
および場合によって塩基を使用して、ジヒドロピランメチルアミン塩から遊離塩基を得るステップ
を含む方法。
【請求項13】
式Cの鏡像異性体に富むまたは鏡像異性体として純粋な化合物ならびにそれらの薬学的に許容できる誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および多形体の製造方法であって
【化5】

(式中、Qは請求項1に定義の通りである)、以下の、
極性溶媒中、ラセミ化合物C(式中、Qは、CH2NH2またはCH2NHA、好ましくはCH2NH2である)をキラル酸化合物で処理して、鏡像異性体に富むまたは鏡像異性体として純粋なジヒドロピランメチルアミン塩を得るステップ、
場合によって塩基を使用して、ジヒドロピランメチルアミン塩から遊離塩基を得るステップ、
および、得られた化合物を、非求核性塩基の存在下、極性溶媒中でClC(O)R1またはClSO21と反応させるステップ
を含む方法。
【請求項14】
式Cの鏡像異性体に富むまたは鏡像異性体として純粋な化合物ならびにそれらの薬学的に許容できる誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および多形体の製造方法であって
【化6】

(式中、Qは請求項1に定義の通りである)、以下の、
極性溶媒中、ラセミ化合物C(式中、Qは、CH2NH2またはCH2NHA、好ましくはCH2NH2である)をキラル酸化合物で処理して、鏡像異性体に富むまたは鏡像異性体として純粋なジヒドロピランメチルアミン塩を得るステップ、
場合によって塩基を使用して、ジヒドロピランメチルアミン塩から遊離塩基を得るステップ、
および、得られた化合物を、適切な溶媒中でCDIを用いて第1級アミンNH21と反応させるステップ
を含む方法。
【請求項15】
QがCH2NHMeであり、前記キラル酸がL−トシルプロリンであり、前記極性溶媒がエタノールであり、塩基がNaOHである請求項12に記載の方法、およびQがCH2NH2であり、前記キラル酸が(2R,3R)−(−)−ジ−O−ベンゾイル酒石酸である請求項12に記載の方法。
【請求項16】
1がメチルであり、前記キラル塩がL−トシルプロリンであり、前記極性溶媒がエタノールであり、前記塩基がNaOHであり、非求核性塩基がTEAである、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
1がCH2−CH2−N(CH32であり、前記キラル塩がL−トシルプロリンであり、前記極性溶媒がエタノールであり、前記塩基がNaOHであり、前記カップリング剤がCDIであり、前記溶媒がCH2Cl2である、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
得られたexo化合物およびendo化合物の分離が、キラル塩または酸を用いた再結晶化によって行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
誘導体Cが、請求項13から18に記載の方法において得られる、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
式IaまたはIbの鏡像異性体に富むまたは鏡像異性体として純粋な化合物
【化7】

ならびにそれらの薬学的に許容できる誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および多形体の製造方法。
【請求項21】
EtOH中、(2R,3R)−(−)−ジ−O−ベンゾイル酒石酸塩で再結晶化することによって、式Iaの鏡像異性体に富むまたは鏡像異性体として純粋な化合物を製造する方法。
【請求項22】
EtOH中、HClで再結晶化することによって、式Ibの鏡像異性体に富むまたは鏡像異性体として純粋な化合物を製造する方法。

【公表番号】特表2011−506498(P2011−506498A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538382(P2010−538382)
【出願日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際出願番号】PCT/EP2008/009805
【国際公開番号】WO2009/077052
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】