説明

テラヘルツ波様の共鳴電磁波放射部材およびその製造方法

【課題】規定の圧力と温度に調整されることによりテラヘルツ波様の共鳴電磁波を発生する加熱圧縮空気を、電気伝導度の高い物体に一定時間噴射することによる、低コストで、汎用性に優れたテラヘルツ波様の共鳴電磁波放射部材とその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】規定の圧力と温度に調整することによりテラヘルツ波様の共鳴電磁波を発生させた加熱圧縮空気を、電気伝導度の高い部材に噴射し、前記電気伝導度の高い部材にテラヘルツ波様の共鳴電磁波を励起させたテラヘルツ波様の共鳴電磁波放射部材およびその製造方法を得る構成としたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、規定の圧力と温度に調整されることによりテラヘルツ波様の共鳴電磁波を発生する加熱圧縮空気を、一定時間、電気伝導度の高い物体に照射することにより、テラヘルツ波様の共鳴電磁波を放射するテラヘルツ波様の共鳴電磁波放射部材と、その製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、放射線を発生する天然石や高温で焼結したセラミックから放射される高周波数の共鳴電磁波を利用した美容健康器具、空気や水の浄化装置や、内燃機関の燃焼効率改善装置が提案されている。(例えば、特許文献2007−289910)
【0003】
上記方法で共鳴電磁波を励起された物体では、放射線等の高い周波数帯の共鳴電磁波を利用して、人体の血流や、水や、空気分子を活性化して健康促進や、水と空気の浄化や、燃焼空気を活性化して燃焼を促進する方法が殆どだった。
【特許文献1】特開2000-236807号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の放射線等の高い周波数帯の共鳴電磁波を利用した装置では、血流や細胞内の水分子と共振しないため効果の持続が困難であった。また内燃機関の燃焼効率改善装置においては、燃焼空気中の酸素が活性化されるのみであるため、内燃機関のシリンダーの排気が完全でないことに起因する不完全燃焼に対処できなかった。また共鳴電磁波発生器具も高価なものが多く汎用性に問題があった。
【0005】
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、規定の圧力と温度に調整されることによりテラヘルツ波様の共鳴電磁波を発生する加熱圧縮空気を、電気伝導度の高い物体に一定時間噴射することによる、低コストで、汎用性に優れたテラヘルツ波様の共鳴電磁波放射部材とその製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題を解決するために本発明者らは、自ら発明した暖房装置(特願2006−298315号参照)を用いて空気を圧縮することで発生させた熱風について、サーモグラフィ等により鋭意研究を重ねた結果、この熱風の発生条件を適宜変更することによってテラヘルツ波様の共鳴電磁波を放射することを見出し、本発明をなすに至った。
【0007】
すなわち、上記課題を解決するために本発明では、空気の吐出圧力及び吐出温度を調節することにより、加熱圧縮空気から発生される5〜10THzの遠赤外線領域の共鳴電磁波で電気伝導度の高い物体中の自由電子を励起し、自らを遠赤外線領域の共鳴電磁波を放射する物体としたもので、具体的に本発明のテラヘルツ波様の共鳴電磁波放射部材は、規定の圧力と温度に調整することによりテラヘルツ波様の共鳴電磁波を発生させた加熱圧縮空気を、電気伝導度の高い部材に噴射し、前記電気伝導度の高い部材にテラヘルツ波様の共鳴電磁波を励起させた構成としたものである。したがって、テラヘルツ波様の共鳴電磁波を発生する熱風を電気伝導度の高い部材に噴射するだけで簡単にテラヘルツ波様の共鳴電磁波放射部材が得られるという作用を有する。
【0008】
また本発明の第2のテラヘルツ波様の共鳴電磁波放射部材の製造方法は、規定の圧力と温度に調整することによりテラヘルツ波様の共鳴電磁波を発生させた加熱圧縮空気を、電気伝導度の高い部材に噴射し、前記電気伝導度の高い部材にテラヘルツ波様の共鳴電磁波を励起させた構成としたものである。したがって、テラヘルツ波様の共鳴電磁波を発生する熱風を電気伝導度の高い部材に噴射するだけで簡単に、効率よく、低コストでテラヘルツ波様の共鳴電磁波放射部材を製造できるという作用を有する。
【0009】
また本発明の第3のテラヘルツ波様の共鳴電磁波放射部材およびその製造方法は、規定の圧力を30Kpa以上150Kpa以下の範囲に調節するとともに、温度を40℃以上250℃以下の範囲に調節するように構成したものである。したがって、このように調節されて吐き出された熱風を電気伝導度の高い部材に噴射するだけで他の物体や物質に、励起された共鳴電磁波を、放射することができるテラヘルツ波様の共鳴電磁波放射部材が得られるという作用を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のテラヘルツ波様の共鳴電磁波放射部材とその製造方法によれば、効果が明確で、持続性の高いテラヘルツ波様の共鳴電磁波を放射する美容健康器具や、空気や水質改善装置や、内燃機関の燃焼効率向上装置を、低コストで提供できる。
【0011】
また、テラヘルツ波様の共鳴電磁波放射部材により、他の電気伝導度の高い物体の自由電子を、テラヘルツ波様の共鳴電磁波で共振させ、転写することができ、転写された物体自体が、テラヘルツ波様の共鳴電磁波を放射することも確認されている。
【0012】
本発明のテラヘルツ波様の共鳴電磁波放射部材は、テラヘルツ帯の固有振動数を有する水分子の水素結合を分離し、水分子の回転運動を励起するため、水のクラスターが微細化され、弱アルカリ性で、還元電位の大きい、溶存酸素を多く含んだ活性機能水を生成する効果を有する。
【0013】
また本発明のテラヘルツ波様の共鳴電磁波放射部材は、燃焼空気中の窒素を活性化させることができ、活性化された窒素が、不完全燃焼分の燃料成分を一旦取り込み、次の爆発時に放出することにより、内燃機関の完全燃焼を促進し、燃料消費量の節約や、有害な排気ガスの発生を減少することができる
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、 テラヘルツ波様の共鳴電磁波放射部材とその製造方法のフローチャートを示す。
図2は、テラヘルツ波様の共鳴電磁波放射部材を製造するための加熱圧縮空気調整装置の内部の円板を示す平面図である。
【0015】
この加熱圧縮空気調整装置2は、図1に示すように、公知の送風ブロア1から空気を取り込み、この空気の吐出圧力及び吐出温度を調節することで、空気中の水分子の固有振動数と共振するテラヘルツ波様の共鳴電磁波を発生させ、空気中の水分子の水素結合を分離させ、水素原子から電子を放出させ、窒素の最外殻に電子を供給し、窒素をイオン化する。
すなわち、加熱圧縮空気調整装置2は、金属製の円筒体からなる容器と、容器の内部であって、長さ方向中央部に設けられた金属製の円板(吐出圧力及び吐出温度の調節手段)3と、容器の外部に設けられ、円板3により容器の内部に形成された二つの空間を連結させる配管とを備えている。
【0016】
加熱圧縮空気調整装置2をなす円筒体2Aは、その長さ方向一端部に送風ブロア1から空気が送り込まれる入口が設けられ、その長さ方向他端部に加熱圧縮空気調整装置2の外部に加熱圧縮空気を放出する出口が設けられている。そして、入口と送風ブロア1との間は配管10で接続されているとともに、出口には、加熱圧縮空気調整装置2の外部に加熱圧縮空気を放出させるための配管が接続されている。
【0017】
ここで、各配管には、それぞれ調節バルブ5,6が設けられており、空気の流入量や加熱圧縮空気の放出量が調節できるように構成されている。
また、加熱圧縮空気調整装置2の内部には、金属製の線状部材が巻きつけられてなるサイレンサー(防音手段)4が充填されている。
【0018】
円板3は、図2に示すように、その厚さ方向に貫通する複数の貫通孔3Aを有し、その貫通孔3Aの貫通方向と空気の流出方向とが同一となるように、加熱圧縮空気調整装置2内部の長さ方向中央部に立てて配置されている。なお、円板3に形成する貫通孔3Aの個数や孔径は、加熱圧縮空気調整装置2の寸法や、空気の吐出圧力及び吐出温度の調節範囲に応じて、適宜変更可能である。
そして、この円板3の貫通孔3Aを通過する空気の吐出圧力及び吐出温度を調節することで、加熱圧縮空気を発生させるように構成されている。
【0019】
配管10の一部には、加熱圧縮空気調整装置2の内部に形成された二つの空間に封入された空気の温度や圧力を調節し、円板3の貫通孔3Aを通過する空気の吐出圧力及び吐出温度を微調節するための調節バルブ(補助調節手段)5を備えている。
【0020】
次に、この加熱圧縮空気調整装置2を用いて、加熱圧縮空気を発生させる方法について説明する。
まず、送風ブロア1から、配管10及び入口を経て、加熱圧縮空気調整装置2の内部に空気を送り込む。
【0021】
次に、加熱圧縮空気調整装置2の内部に封入された空気を、所定の吐出圧力(例えば、30Kpa以上150Kpa以下)及び吐出温度(40℃以上250℃以下)に調節しつつ、円板3の貫通孔3Aを通過させることで、加熱圧縮空気を発生させる。つまり、円板3の貫通孔3Aを通過した後の空気には温風加熱加工用の空気が存在する。これは加熱圧縮された高圧空気が円板3の貫通孔3Aを通過した際にジェット気流となって急激に拡散するため、空気中の水分子の固有振動数と共振すると推測される共鳴電磁波が発生し、空気中の水分子を共振させて水素結合を分離させ、水素原子から放出された電子を窒素の外殻に取り込んでマイナスイオン化されるものと考えられる。そして、加熱圧縮空気調整装置2の出口から配管10を経て、適宜テラヘルツ波様の共鳴電磁波の励起共振用の加熱圧縮空気を、照射箱7内の電気伝導度の高い対象導電体9に放射し、対象導電体9の自由電子を励起し、テラヘルツ波様の共鳴電磁波放射器具を製造する。
【0022】
本実施形態に係わるテラヘルツ波様の共鳴電磁波放射器具の効果は、以下のように作用することで立証できる。
【0023】
本発明に係わる加熱圧縮空気調整装置2から放出される熱風が放射するテラヘルツ波様の共鳴電磁波を放射された電気伝導度の高い対象導電体9を、両端開放の筒状容器に充填し、通水することにより、水中の水分子の水素結合を分離し、水分子の回転運動を励起し、水のクラスターを微細化する。
【0024】
そして水素結合から分離した水素から放出される電子を水中に溶存する空気中の窒素の外殻に取り込むことで活性窒素となり、アミン(NH2)またはアンモニア(NH3)を結合する。そして結合されたNH2またはNH3が水溶し、水素ガスと水酸基OH−を発生し、水のpHが上昇し、酸化還元電位が低くなる。この事は、テラヘルツ波様の共鳴電磁波放射器具を充填した円筒を通過した水のpHが、長期間に渡り、通常水より1〜2.5上昇することと酸化還元電位が還元側電位となることで証明されている。
【0025】
このテラヘルツ波様の共鳴電磁波放射器具を充填した円筒を通過した水は、水の水素結合も前述と同様に切り離され、水のクラスターが微細化し、小さくなった隙にナノバブル化された酸素と水素が安定して溶存される。この事は、この空気で曝気された水の溶存酸素が、長期間に渡り、通常水の1.5〜2倍の数値を示すことで証明されている。
【0026】
さらに本発明のテラヘルツ波様の共鳴電磁波放射器具を充填した円筒を通過することにより、クラスターが微細化され、界面活性力の大きい、弱アルカリ性で、還元電位の大きい、溶存酸素を多く含んだ活性機能水は、その効果が長期間持続または増幅されることが、生成された活性機能水を長時間屋外に放置した状態で、効果の目安であるpHや還元電位や溶存酸素量が装置通過直後と同等か数値が増えていることで証明されている。
【0027】
また厚みが2〜5mm程度の電気伝導度の高い銅板に、テラヘルツ波様の共鳴電磁波を発生する加熱圧縮空気を噴射することにより、銅板の自由電子を励起し、テラヘルツ波様の共鳴電磁波放射部材を得、当該銅板を内燃機関の燃焼空気取り入れ口付近に取り付けることで、銅板から発生されるテラヘルツ波から得られる共振エネルギーで燃焼空気中の窒素が外殻に電子を受取り活性化される。燃焼空気中の活性化された窒素が、内燃機関内で不完全燃焼時の燃料成分を一時活性窒素に結合保管し、適宜放出することにより燃料の完全燃焼を助け、その結果、燃料消費量を節約でき、有害排気ガスを減少することが確認されている。
【実施例】
【0028】
本発明を実施した場合、下記の5要素が単独または組み合わされて効果を発揮することが証明されている。
(1)テラヘルツ波様の共鳴電磁波放射部材は、遠赤外線領域テラヘルツ帯(5〜10 HTz)の共鳴電磁波を放射している。 (TH効果)
(2)テラヘルツ波様の共鳴電磁波放射部材は空気中の窒素を活性化する。(N−効 果)
(3)テラヘルツ波様の共鳴電磁波放射部材は、その周囲の水の水素結合を分離し、 クラスターが小さく、界面活性能力の大きな水となっている。(H+効果)
(4)テラヘルツ波様の共鳴電磁波放射部材は、その周囲の水を弱アルカリ性の水とする (pH効果)
(5) テラヘルツ波様の共鳴電磁波放射部材は、その周囲の水を、ナノバブル化された 溶存酸素の多い水とする。(DO効果)
【0029】
上記要素が組み合わされて、下記のようにいろいろな用途に応用される。
(1)テラヘルツ波様の共鳴電磁波を転写した銅板を、内燃機関の空気取り入れ口に 取り付けることにより、燃焼効率を高め、有害排ガスを減少させる。
(2)テラヘルツ波様の共鳴電磁波を転写した銅板を、野菜や果物と一緒に置くと、 鮮度が保持され、旨みが増す。
(3)テラヘルツ波様の共鳴電磁波を転写した調理容器で加熱調理すると、調理時間 が短縮でき、旨みが増す。
(4)テラヘルツ波様の共鳴電磁波を転写したトレーで魚や野菜を冷凍すると、解凍 時のドリップの少ない鮮度保持冷凍ができる。
(5)テラヘルツ波様の共鳴電磁波を転写したトレーで魚や野菜を乾燥すると、乾燥 時間が短縮でき、旨みがます。
(6)テラヘルツ波様の共鳴電磁波を転写した腕時計、ネックレス、ブレスレット、 眼鏡を身につけることにより、肩こりや腰痛や神経痛の痛みが軽減される。
(7)テラヘルツ波様の共鳴電磁波を転写した金属を、蛍光灯灯具やパソコンや電子 レンジ等の有害電磁波を発生する機具に取り付けることにより、電磁波を改質する 。
(8)テラヘルツ波様の共鳴電磁波を転写した花瓶を使用すると、切り花の鮮度を保 持し、植物を活性化することができる。
(9)テラヘルツ波様の共鳴電磁波を熱交換機に転写すると、スケールの付着が防止 でき、熱交換効率が向上する。
(10)テラヘルツ波様の共鳴電磁波を転写した焼結合金をお風呂に入れると、お風 呂の焚き上がりが早くなり、冷めにくいお湯となり、温泉効果もある。
(11) テラヘルツ波様の共鳴電磁波を転写した金属ネットまたは粉末を織り込んだ鉢 巻状のものを頭に巻くことによりアルツハイマーの症状が軽減される。
(12) テラヘルツ波様の共鳴電磁波を転写した銅線を織り込んだブラジャーを身につ けることにより、乳癌を防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本活性機能水は、前述の5つの要素を組み合わせて得られる効果により、医療・健康美容分野、農水蓄産業分野、環境保全分野、工業分野、食品加工分野に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明はテラヘルツ波様の共鳴電磁波放射器具の製造方法のフローチャート
【図2】テラヘルツ波様の共鳴電磁波放射器具を製造するための加熱圧縮空気調整装置の内部の円板を示す平面図
【符号の説明】
【0032】
1 送風ブロアまたは空気圧縮機
2 加熱圧縮空気調整装置
3 円板(空気の吐出圧力及び吐出温度の調節手段)
4 金属製網
5 空気流量調整弁
6 加熱圧縮空気供給弁
7 照射箱
8 加熱圧縮空気排出管
9 対象導電体
10 加熱圧縮空気配管
11 加熱圧縮空気排出弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
規定の圧力と温度に調整することによりテラヘルツ波様の共鳴電磁波を発生させた加熱圧縮空気を、電気伝導度の高い部材に噴射し、前記電気伝導度の高い部材にテラヘルツ波様の共鳴電磁波を励起させたことを特徴とするテラヘルツ波様の共鳴電磁波放射部材。
【請求項2】
規定の圧力と温度に調整することによりテラヘルツ波様の共鳴電磁波を発生させた加熱圧縮空気を,電気伝導度の高い部材に噴射し、前記電気伝導度の高い部材にテラヘルツ波様の共鳴電磁波を励起させたことを特徴とするテラヘルツ波様の共鳴電磁波放射部材の製造方法。
【請求項3】
前記規定の圧力は、30Kpa以上150Kpa以下の範囲に調節するとともに、前記温度を、40℃以上250℃以下の範囲に調節することを特徴とする請求項1および請求項2記載のテラヘルツ波様の共鳴電磁波放射部材およびその製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−101575(P2010−101575A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−274072(P2008−274072)
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【出願人】(506195376)株式会社鈴矢電機サービス (12)