説明

テレテキストキャッシュ処理システム及び方法

テレテキスト記憶装置は、第1メモリセクション(シーケンシャルメモリ)、第2メモリセクション(サブページメモリ)及び第3メモリセクション(パイプラインメモリ)の3つのメモリセクションとして構成される。ユーザにより要求されたページNのサブページのページ数が、サブページメモリを構成するメモリ格納位置の個数未満であると判断されるときは常に、サブページメモリの未使用のメモリ格納位置が要求されたページNの上位ページを格納するのに利用され、これにより、シーケンシャルメモリの動的拡大として機能するという意味において、サブページメモリとシーケンシャルメモリは動的に依存する。第3メモリセクション(パイプラインメモリ)は、直近に要求されたK個のテレテキストページ(視聴履歴)を格納するのに利用される。この視聴履歴は、テレテキストメモリに通信可能に接続される不揮発性メモリに保持される。テレビ装置が電源オンされると(又は、他のテレビチャンネルが選択されると)、テレテキストデコーダは、不揮発性メモリに格納されているページ番号に対応するページをダウンロードする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にテレテキストデコーダに関し、より詳細には、テレテキストデコーダ記憶装置及び当該装置を利用するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
テレテキストは、映像情報の補完として書き込まれた情報の送信のためのテレビチャンネルの補助的サービスである。この書き込まれた情報は、順次配信されるページの形態をとり、テレテキストプログラムのページ全体は、循環的に配信される。各ページは、50〜60文字からなる約25行を有する。対応するデータは、各行のコンテンツが1以上のデータパケットにより送信されることにより、行単位で送信される。
【0003】
テレテキストの配信は、テキストデータや他の情報を単一のテレビ放送チャンネルに多重化することによって、同時に繰り返しに各種番組を提供する。テレテキスト番組には、例えば、視聴者に対するニュース、天気予報、テレビ番組ガイド、レジャー関連のもの、スポーツ、株価情報などがあげられる。
【0004】
テレビチャンネルのフルテレテキスト番組は、例えば、場合に応じてマガジンとして知られるロジックセットを構成するのに関連する500ページを有する。各マガジンは、可変ページ数のテレテキストページを有する。例えば、テレビ局は、それぞれスポーツ、金融、国際ニュース及び天気のテーマを有する4つのマガジンを提案するかもしれない。実際、各マガジンは、簡潔なものであり、典型的には連続して3〜6ページ以上を占めることはない。
【0005】
典型的には、エンドユーザは、新たな(更新された)情報を検索するため、同じテレテキストページをチェックする。例えば、スポーツに興味があるエンドユーザは、更新された得点及び試合結果を検索するのにスポーツマガジンを繰り返しチェックするかもしれない。テレテキスト番組を配信するのに要する合計時間は約50秒であり、すべてのテレテキストページが循環的に配信される。言い換えると、1ページは約50秒ごとに配信される。これにより、テレビ局がそれのページの情報コンテンツを定期的に更新し、あるいはアニメーション効果を生成することが可能となる。
【0006】
配信者に応じて、マガジンは異なって構成されるかもしれない。1つのアプローチは、主題(マガジン)を連続する数ページのテレテキスト、すなわち、ページN,N+1,N+2,...,N+Jに挿入するというものである。他のアプローチは、主題を現在のページNのサブページ群、すなわち、N,N,N,Nに挿入するというものである。この場合、ページNのすべてのサブページは、送信サイクルにおいて順次配信される。送信サイクル全体の終了後、ページNのサブページのすべてがさらなる送信サイクルにおいて再配信される。このプロセスが、連続する送信サイクロ、すなわち、...,N,N,N,N,N,N,N,N,...と繰り返される。
【0007】
テレテキストデータを格納するのに限られたメモリリソースしか有しないテレビ受信機の短所は、エンドユーザが要求したページ又はサブページをダウンロードするたびごとに待機する必要があるということである。この遅延は、ユーザがストリームライン機能を所望する観点から不便なものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、限られたサイズのテレテキストメモリをより効果的に利用し、従来技術の問題点を解決するテレテキスト記憶装置及びその利用方法を提案する。さらに、メモリの利用性が問題とならない状況であっても、本発明のテレテキスト記憶装置及び方法は、認識可能なパフォーマンス低下なくメモリ要求を軽減する手段を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一般に、本発明は、テレテキスト記憶装置に関する。一特徴について、当該記憶装置及びそれに関する方法は、いくつかのテレテキスト受信機において利用可能な限られたサイズのテレテキストメモリの使用を最適化する。本発明の記憶装置はまた、大容量メモリを有するより高機能のテレテキスト受信機のテレテキストメモリ要求を軽減するのに効果的に利用可能である。
【0010】
本発明の特徴によると、本発明のテレテキスト記憶装置は、好ましくは、第1メモリセクション(シーケンシャルメモリ)、第2メモリセクション(サブページメモリ)及び第3メモリセクション(パイプラインメモリ)の3つのメモリセクションとして構成される。シーケンシャルメモリは、要求されたページNの上位のページ、すなわち、N+1,N+2,...,N+Jを格納するよう構成される。サブページメモリは、要求されたページNの複数のサブページ、すなわち、N,N,N,Nを格納するよう構成される(ただし、Nは、N,N,N,Nから構成される)。パイプラインメモリは、K個の格納位置から構成され、K個の直近に要求されたテレテキストページを格納する。
【0011】
本発明の他の特徴によると、サブページメモリとシーケンシャルメモリは、互いに動的に依存する。言い換えると、格納されるべき要求されたページのサブページ数が、サブページメモリの格納位置の個数未満である場合には、サブページメモリの未使用の格納位置を用いて、要求されたページの上位のページを順次格納する。このようにして、サブページメモリの一部が、シーケンシャルメモリの拡張として機能する。また、シーケンシャルメモリの追加的な記憶容量は、サブページメモリの超過格納利用性に動的に依存する。格納されるべき要求されたページのサブページ数はデータ構成に依存するため(データが連続するページ、又は複数のサブページとして格納されるか否か)、サブページメモリの超過記憶容量は、特定のケースで生じるかもしれない。また、ページが複数のサブページとして格納される場合、サブページ数は各ページにより可変とされるかもしれない。
【0012】
3つの部分からなるテレテキスト記憶装置の第3のメモリセクション、すなわち、パイプラインメモリは、K個の格納位置を有し、K個の直近に要求されたテレテキストページを格納するよう構成される。(K+1)個の直近に要求されたテレテキストページのページ番号が、第3のメモリセクションと通信することにより不揮発性メモリに格納される。
【0013】
本発明の上記特徴は、添付した図面と共に本発明の例示的な実施例の以下の詳細な説明を参照することによって、容易に明らかとなり、理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下の本発明の詳細な説明では、発明の完全なる理解を提供するため、多数の具体的詳細が与えられるが、本発明はこれら具体的詳細なしに実現可能である。いくつかの実施例では、本発明を不明りょうにすることを回避するため、周知の構成及び装置は詳細ではなくブロック図により示される。
【0015】
図1は、従来技術によるテレビ受信機の一般的構成を示す。アンテナ1において受信される送信信号は、従来のチューニング復調回路12に印加される。選択されたテレビ番組の取得されたコンポジットビデオ信号CVBSは、映像信号処理回路3とテレテキストデコーダ4とに同時に印加される。受信機の通常のテレビ動作状態では、映像信号処理回路3により生成されるエレメンタリカラー信号R’G’B’は、ユーザが受信したテレビ番組を視聴することができるように、セレクタ2を介し表示画面13に印加される。ユーザにより呼び出し可能なテレテキスト動作状態では、テレテキストデコーダ4のエレメンタリカラー信号RGBは、スイッチ2を介し表示される。ユーザにより与えられる動作指示は、コントロールテレビインタフェースユニット10において生成され、制御回路8に印加される。テレテキストデコーダ4は、コマンドバス11を用いて制御回路8に接続される。
【0016】
テレテキストデコーダ4は、コンポジットビデオ信号CVBSを受信し、第1出力としてデジタルテレテキストデータ信号15と、第2出力として関連するクロック信号16とを生成するクリッピング回路14を有する。これら2つの出力は、選択されたテレテキストページ群をキャプチャする取得回路5に各入力として供給される。選択対象となるテレテキストページは、コマンドバス11を介し制御回路8の制御の下、テレテキストメモリ6に格納される。テレテキストメモリ6は、各ページが個別表示可能なキャプチャされたテレテキストページを格納する。表示されるテレテキストページは、スイッチ2を動作させるためのブランキング信号を生成するよう構成される表示回路7により処理される。
【0017】
図1はまた、コマンドバス11に接続され、ユーザにより視聴される直近の(K+1)個のテレテキストページのページ番号を格納するパイプライン不揮発性メモリ9を示す。図1において、テレテキストデコーダを含むテレビ受信機の構成が機能的に示され、その実際上の実現については様々な可能性があるということに留意されたい。
【0018】
図2は、本発明の実施例によるテレテキストデコーダページメモリ6のメモリ構成を含む図1のテレテキストデコーダ4の詳細図である。3つのメモリセクションとして構成されるように、新規なテレテキストデコーダページメモリ6が示される。第1メモリセクションは、以降においてシーケンシャルメモリ6aと呼ばれ、第2メモリセクションは、以降においてサブページメモリ6bと呼ばれ、第3メモリセクション6cは、以降においてパイプラインメモリ6cと呼ばれる。図2はまた、シーケンシャルメモリ6aとパイプライアンメモリ6cに格納されているデータに関するページ番号を格納するため、シーケンシャルメモリ6aとパイプラインメモリ6cと一緒に用いられる不揮発性メモリセクション9を示す。
【0019】
図3は、図2のテレテキストデコーダのテレテキストメモリ6の一実施例である。図3は、4つの格納セル60〜63から構成されるシーケンシャルメモリ6aと、3つの格納位置64〜66から構成されるサブページメモリ6bと、13の格納位置67〜81から構成されるパイプラインメモリ6cとを示す。他の実施例は、異なる個数の格納位置を有するかもしれないということは理解されるべきである。1つの好適な記憶装置は、シーケンシャルメモリ6aが1〜7の格納位置を実質的に有し、サブページメモリ6bが0〜5の格納位置を実質的に有するよう構成される構成である。
【0020】
図4は、各々が従来のように一意的なテレテキストページ群を送信する、放送局XYZ410、ABC420、EDP430などの複数の一例となる放送局を示す。ユーザ402は、何れかの時点において利用可能な放送局410、420及び430の何れか1つを選択し、さらに当該放送局により送信される何れかのテレテキストページを選ぶ選択肢を有する。図5において、1つの架空の放送局により配信されるテレテキストページ群が例示的に示される。
【0021】
図5は、図4のXYZ410などの架空の放送チャンネルからの放送のため、テレテキストページ群(左の列)とその構成要素となるサブページ(右の列)を示す。従来通り、例えば、ページA〜Zの当該サービスのページ総数が、典型的には放送サイクルが約数十秒間継続するサイクルにより放送される。
【0022】
図6を参照して説明されるように、以下の本発明の方法の動作フローチャートでは、本発明の原理の説明の簡単化のため、前述の図3〜5が参照される。
【0023】
図6は、テレテキストメモリにテレテキストページをキャッシュ処理する方法600の本発明の一実施例のフローチャートである。説明すべきアクションについて、ユーザは、図5に示されるサービスページを提供する放送チャンネルXYZ410などの図4に示される放送チャンネルの1つにチューニングされることが前提とされる。
【0024】
アクション601において、本プロセスは、ユーザのテレビ装置(又は等価な視聴装置)が電源オンされるとき、又は、新たなテレビチャンネルが現在視聴されている装置においてユーザにより選択されるとき、開始される。
【0025】
アクション602において、テレテキストデコーダは、ダウンロードされたページをキャプチャすることを開始し、不揮発性メモリ9に予め格納されているページ番号に従って、シーケンシャルページメモリ6a(第1格納位置に)とパイプラインメモリ6cに格納する。すなわち、予め格納されているページ番号は、どのページがシーケンシャルメモリ6aとパイプラインメモリ6cにダウンロードされるべきか判断する。テレテキストデコーダはまた、一般には本発明の方法に従って、後述されるアクション(すなわち、アクション618〜626及び632〜640)に従って、メモリ6aの第1格納位置以外及びサブページメモリ6bに格納されるべきページをキャプチャする。当該アクション602が、アクション610に説明されるように、ユーザがテレビモードにあるとき、テレテキストデコーダページメモリにテレテキストページを迅速にキャッシュ処理する本発明の方法を説明しているということは理解されるべきである。あるいは、本方法はユーザがテレビモードからテレテキストモードにスイッチしたことを前提としているという相違がある(アクション604を参照されたい)以下のアクション618〜626及び632〜640において実行される。
【0026】
アクション604において、放送チャンネルXYZ410を受信したユーザは、テレビモードからテレテキストモードにスイッチする。これに応答して、デフォルトページ又は直近に視聴されたテレテキストページが、視聴者に示される。この直近に視聴されたページは、不揮発性メモリ9の第1メモリ格納位置に格納されているそれの関連するページ番号により特定される。
【0027】
アクション606において、本プロセスは、テレテキストページに対するユーザの要求を待機するアイドル状態となる。このアイドル時間中、放送された図5のテレテキストページA〜Zの新しい各ループ(サイクル)により、すでにキャプチャされ、以前に格納されたテレテキストページが、テレテキストメモリ6において更新される。
【0028】
アクション608において、エンドユーザは、放送チャンネルXYZ410のページN502などの特定のテレテキストページを視聴する要求を行う。
【0029】
アクション610において、ユーザにより要求されたページN502がパイプラインメモリ6cにすでに存在するか判断される。
【0030】
アクション610において、要求されたページN502がパイプラインメモリ6cにすでに存在すると判断された場合、findflag=1と設定し(アクション611)、本プロセスはアクション614に続く。そうでない場合、findflag=0と設定し(アクション612)、本プロセスはアクション618に続く。
【0031】
要求されたページNがパイプラインメモリに格納されるべきときは常に、格納されるのは実際には、ページNの第1サブページNであるということに留意されたい。
【0032】
アクション614において、要求されたページNの第1サブページNは、パイプラインメモリ6cから削除され、シーケンシャルメモリ6aの第1格納位置に置かれる。第1サブページNはまた、ユーザ402に表示される。
【0033】
アクション616において、要求されたページNに先行する位置にあるすべての参照ページは、FIFO的にパイプラインメモリ6cのエンド方向に1つの格納位置ずつシフトされる。この結果、要求されたページNに関するページ番号が、不揮発性メモリ9から抽出され、要求されたページのページ番号に先行する格納位置のすべての参照ページ番号が、FIFO的に不揮発性メモリ9においてシフトされる。さらに、要求されたページNの第1サブページNに関するページ番号は、不揮発性メモリ9の第1格納位置に配置される。
【0034】
アクション618において、要求されたページNが複数のサブページを有するか判断される。本例では、要求されたページNは、図5に示されるように、4つのサブページ、すなわち、N=N,N,N,Nから構成される。
【0035】
アクション618において、要求されたページが複数のサブページから構成されると判断された場合、複数サブページフラグmultflag=1と設定し(アクション619)、そうでない場合、multflag=0と設定する(アクション620)。
【0036】
アクション622において、findflag=0かつmultflag=1であるか(すなわち、要求されたページがパイプラインメモリにおいて検出されず、複数のサブページから構成されるか)判断される。
【0037】
アクション622が真であると判断された場合、現在選択されている放送チャンネル410から要求されたページNのすべてのサブページN,N,N,Nがダウンロードされる(アクション623)。そうでない場合、本プロセスはアクション624に続く。
【0038】
アクション624において、findflag=1かつmultflag=1であるか(すなわち、要求されたページがパイプラインメモリに検出され、複数のサブページから構成されるか)判断される。
【0039】
アクション624が真であると判断された場合、第1サブページNを除いて、要求されたページNの複数のサブページN,N,Nがダウンロードされる(アクション625)。そうでない場合、本プロセスはアクション626に続く。
【0040】
アクション626において、シーケンシャルメモリ6aのコンテンツ(格納位置)がクリアされる。
【0041】
アクション628において、以前に要求されたページが、パイプラインメモリ6cの第1格納位置621に配置される。
【0042】
アクション630において、要求されたページNは、シーケンシャルメモリ6aの第1格納位置601に格納され、要求されたページに関するページ番号は、不揮発性メモリ9の第1格納位置に配置される。
【0043】
アクション632において、要求されたページNを構成するサブページは、サブページメモリ6bの各格納セルに格納される。図示された例では、ページN,N,Nは、それぞれ格納位置64〜66に格納される。
【0044】
アクション634において、サブページメモリ6bは少なくとも1つの利用可能な格納位置を有するか判断される。言い換えると、サブページメモリ6bは超過格納利用性を有する。
【0045】
アクション634が真であると判断された場合、シーケンシャルメモリ6aの記憶容量を拡大するため、サブページメモリの少なくとも1つの利用可能な格納位置が使用される(アクション636)。すなわち、それは、要求されたページNの上位の連続するページを格納するのに利用される。本例では、サブページメモリ6bには超過した記憶容量はない。そうでない場合、アクション634が偽であると判断された場合、本プロセスはアクション638に続く。
【0046】
アクション638において、シーケンシャルメモリ6aは、要求されたページに順次続くテレテキストページのページ番号を格納する。図示された例では、シーケンシャルページN+1,N+2,N+3がそれぞれシーケンシャルメモリ格納位置60〜64に格納されていることが示される。
【0047】
アクション640において、本プロセスは、アクション606にループバックし、ユーザからの他のテレテキストページに対するさらなる要求を待機する。
【0048】
図6に示される簡単化されたフローチャートは、本発明の方法の一例であるということに留意すべきである。これに関して、このような方法の各アクションは、1以上のステップの同時実行を含む、図6に示される以外の順序により実行されてもよい。
【0049】
図7はさらに、本発明の記憶装置及び方法によりテレテキスト情報がどのように格納されるかの一例となるスナップショットを示す。
【0050】
まず、図7aを参照するに、ユーザがページNを視聴する要求をした直後の時点におけるテレテキストメモリ6のスナップショットが示される。ページNは、4つのサブページ、すなわち、ページN,N,N,Nから構成されると仮定する。この場合、シーケンシャルメモリ6aは、第1サブページNと、ページNに順次続く3つのページ、すなわち、N+1,N+2,N+3を格納している。サブページメモリ6bは、サブページN,N,Nを格納する。パイプラインメモリ6cは、ページNに対する現在の要求以前の直近に要求されたページであるページXと、パイプライン6cのエンドに格納されている最も以前に要求されたページであるページBとを有する13個の以前に要求されたページを格納している。
【0051】
ここで、図7bを参照するに、ユーザがページZを視聴する新たな要求をした直後の時点におけるテレテキストメモリ6のスナップショットが示される。図示された例では、ページZがパイプラインメモリ6cに存在し、4つのサブページ、すなわち、Z,Z,Z,Zから構成されると仮定する。ユーザ要求に応答して、ページZがパイプラインメモリ6cから削除され、シーケンシャルメモリ6aの第1位置に配置され、エンドユーザにすぐに示される。ユーザがページZを視聴している間、サブページZ,Z,Zがサブページメモリ6bにダウンロードされる。また、上位のページZ+1,Z+2,Z+3が、シーケンシャルメモリ6aに順次ダウンロードされる。パイプラインメモリ6cのZの参照は削除され、Zに先行する位置、すなわち、XとYのパイプラインメモリ6cのすべての参照ページが、FIFO的にパイプの右方向に1つの位置ずつシフトされる。対応する番号(ページ識別子)は、不揮発性メモリ9においてFIFO的にパイプの右方向に1つの位置ずつシフトされる。最終的に、前のユーザ要求であるNは、パイプラインメモリ6cの始めに配置され、ページZの番号は、不揮発性メモリ9の第1位置に配置される。
【0052】
ここで、図7cを参照するに、ユーザがページRを視聴する新たな要求がなされた直後の時点におけるテレテキストメモリ6のスナップショットが示される。図示された例では、ページRはパイプラインメモリ6cに存在せず、2つのサブページ、すなわち、R,Rから構成されると仮定する。ユーザ要求に応答して、ページRは、遅延することなく視聴者に示されるようダウンロードされる。ユーザがページRを視聴している間、サブページRと上位の連続するページR+1,R+2,R+3,R+4,R+5が、放送チャンネルから利用可能になるに従って、メモリにダウンロードされる。前のユーザ要求Zは、パイプラインがページBへの参照を削除し、その既存のコンテンツをFIFO的に右方向に1つの位置ずつ効果的にシフトすることにより、パイプラインメモリ6cの始めに配置される。不揮発性メモリ9に配置されるすべての番号は、FIFO的にパイプの右方向にシフトされ、ページRの番号が不揮発性メモリ9の第1位置に配置される。
【0053】
ここで、図7dを参照するに、ユーザが、チャンネルEDPなどの他のテレビチャンネルにスイッチするよう決めた直後の時点におけるテレテキストメモリ6のスナップショットが示される。テレテキストデコーダは、すぐに不揮発性メモリの2,...,K+1の位置に格納されている番号に従って、当該番号を有するページをダウンロードし、パイプメモリ6cに格納することを開始する。前のチャンネルXYZに対してなされた直近の要求がページRについてのものであったとすると(このページ番号は、格納され、不揮発性メモリ9の第1位置から取得される)、放送局のスイッチに応答して、チャンネルEDPに従って構成されたページRが抽出され、エンドユーザに表示される。さらに、6つのサブページから構成されると仮定されるページRは、メモリに格納される。図7dに示されるように、新たなチャンネルのページは複数のサブページを有しないため、サブページメモリ6b全体は、シーケンシャルメモリ6aに動的にリンクされ、さらに連続するページ、すなわち、R+4,R+5,R+6を格納する追加的な3つの格納セルを提供するシーケンシャルメモリ6aの拡大として機能する。
【0054】
以上、本発明が具体的な実施例を参照することにより詳細に説明されたが、以下の請求項に与えられるような本発明のより広範な意図される趣旨及び範囲から逸脱することなく、多くの改良及び変更が可能であるということが理解されるべきである。従って、明細書及び図面は、例示的なものとしてみなされるべきであり、添付した請求項の範囲を限定するものではない。
【0055】
添付した請求項の解釈において、a)「有する」という用語は、与えられた請求項に列挙された以外の他の要素又はアクションの存在を排除するものではなく、b)要素に前置される「ある」という用語は、当該要素が複数存在することを排除するものではなく、c)請求項の任意の参照符号はその範囲を限定するものではなく、d)複数の「手段」が同一のアイテム、ハードウェア、又はソフトウェアにより実現される構成若しくは機能により表現されてもよく、e)開示された各要素は、ハードウェア部分(専用電子回路など)、ソフトウェア部分(コンピュータプログラムなど)、又は上記の何れかの組み合わせから構成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】図1は、従来技術によるテレビ受信機の一般的構成の図である。
【図2】図2は、本発明の実施例による図1のテレテキストデコーダの図である。
【図3】図3は、本発明の実施例による図2のテキストデコーダのテレテキストメモリ部分の詳細図である。
【図4】図4は、従来技術による各々が一意的なテレテキストページ群を送信する複数の放送局のハイレベルの図を示す。
【図5】図5は、図4の放送局から典型的な放送チャンネルを介し送信可能なテレテキストページの一例となる図である。
【図6】図6は、本発明の実施例によるテレテキストページを迅速にキャッシュ処理する方法を示すフロー図である。
【図7a】図7aは、本発明の実施例による本発明のパイプラインメモリ及びテレテキストのスナップビューの一例となる図である。
【図7b】図7bは、本発明の実施例による本発明のパイプラインメモリ及びテレテキストのスナップビューの一例となる図である。
【図7c】図7cは、本発明の実施例による本発明のパイプラインメモリ及びテレテキストのスナップビューの一例となる図である。
【図7d】図7dは、本発明の実施例による本発明のパイプラインメモリ及びテレテキストのスナップビューの一例となる図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1メモリセクション、第2メモリセクション及び第3メモリセクションを有するメモリ構成を有するテレテキストデコーダページメモリであって、
前記第1メモリセクション、第2メモリセクション及び第3メモリセクションの各メモリセクションは、複数のメモリ格納位置から構成され、
前記第1メモリセクションは、ユーザにより要求されたページNの第1サブページNを格納し、また前記ユーザにより要求されたページNの上位のページ(N+1,N+2,...,N+J)を順次格納するのに利用され、
前記第2メモリセクションは、前記ユーザにより要求されたページNのサブページ(N,N,...,N)を格納するのに主として利用され、
前記第3メモリセクションは、前記ユーザにより直近に要求されたK個のテレテキストページを格納するのに利用され、
前記第2メモリセクションはまた、該第2メモリセクションが前記ユーザにより要求されたページNのサブページ(N,N,...,N)を格納するのに続いて、利用可能な少なくとも1つの未使用メモリ格納位置を有すると判断されると、前記要求されたページNの上位のページ(N+(J+1))と(N+(J+2))をさらに順次格納するのに利用可能である、
ことを特徴とするテレテキストデコーダページメモリ。
【請求項2】
請求項1記載のテレテキストデコーダであって、
前記第2メモリセクションは、前記第1メモリセクションに格納されている最上位のページから順次続く前記要求されたページNのさらなる上位のページ(N+(J+1))と(N+(J+2))を順次格納することを特徴とするテレテキストデコーダ。
【請求項3】
請求項1記載のテレテキストデコーダであって、
前記第2メモリセクションは、利用可能な未使用のメモリ格納位置の個数に直接比例して、前記要求されたページNのさらなる上位のページ(N+(J+1))と(N+(J+2))を順次格納することを特徴とするテレテキストデコーダ。
【請求項4】
請求項1記載のテレテキストデコーダページメモリであって、
前記第1メモリセクションは、テレビモードとテレテキストモードの1つにより、前記要求されたページNの第1サブページNと、前記要求されたページNの上位のページ(N+1,N+2,...,N+J)を順次格納するシーケンシャルメモリであることを特徴とするテレテキストデコーダページメモリ。
【請求項5】
請求項1記載のテレテキストデコーダページメモリであって、
前記第2メモリセクションは、前記要求されたページNの第2〜N番目のサブページを格納し、前記要求されたページNのさらに上位のページ(N+(J+1))と(N+(J+2))を順次格納するサブページメモリであり、
前記さらに上位のページは、前記シーケンシャルメモリに格納されている最上位のページから順次続く、
ことを特徴とするテレテキストデコーダページメモリ。
【請求項6】
請求項1記載のテレテキストデコーダページメモリであって、さらに、
(K+1)個のページ番号を格納するよう構成される不揮発性メモリを有し、
前記(K+1)個のページ番号は、直近に視聴されたテレテキストページのページ番号と、前記第3メモリセクションに格納されている直近に要求されたK個のテレテキストページのページ番号との1つを有する、
ことを特徴とするテレテキストデコーダページメモリ。
【請求項7】
請求項6記載のテレテキストデコーダページメモリであって、
前記直近に視聴されたテレテキストページのページ番号は、テレビモードにより直近に視聴されたページのページ番号と、テレテキストモードにより現在視聴されているテレテキストページのページ番号との1つであることを特徴とするテレテキストデコーダページメモリ。
【請求項8】
第1メモリセクション、第2メモリセクション及び第3メモリセクションから少なくとも構成されるテレテキストデコーダページメモリにおけるテレテキストページを迅速にキャッシュ処理する方法であって、
前記第1メモリセクションにユーザにより要求されたページNの第1サブページを格納するステップと、
前記第1メモリセクションに前記ユーザにより要求されたページNの上位のページ(N+1,N+2,...,N+J)を順次格納するステップと、
前記第2メモリセクションに前記ユーザにより要求されたページNのサブページ(N,N,...,N)を格納するステップと、
前記第2メモリセクションが少なくとも1つの未使用のメモリ格納位置を有するか判断するステップと、
前記第2メモリセクションの前記少なくとも1つの未使用のメモリ格納位置を利用して、前記要求されたページNのさらなる上位のページ(N+(J+1),N+(J+2),...)を格納するステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8記載の方法であって、
前記第1メモリセクションにユーザにより要求されたページNの第1サブページを格納するステップはさらに、
前記第1メモリセクションのメモリ格納セルのコンテンツを削除するステップと、
前記ユーザにより要求されたページNの第1サブページNが、前記第3メモリセクションに以前に格納されているか判断するステップと、
前記判断するステップが真の場合、
a)前記第3メモリセクションから前記第1サブページNを抽出し、
b)前記第1メモリセクションの第1格納位置に前記第1サブページNを格納し、
c)前記第1サブページNを前記ユーザに表示し、
d)前記第3メモリセクションの第1サブページNに先行するすべてのテレテキストページをFIFO的に右方向にシフトし、
e)前記第3メモリセクションの第1メモリ格納位置に前のユーザ要求に対応するページを格納するステップと、
前記判断するステップが真でない場合、前記ユーザにより要求されたページNの第1サブページNをダウンロードするステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項8記載の方法であって、さらに、
前記要求されたページNのページ番号に先行するすべてのページ番号をFIFO的に不揮発性メモリにおいて右方向にシフトするステップと、
前記ユーザにより要求されたページNに係るページ番号を前記不揮発性メモリの第1格納メモリ格納位置に格納するステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項8記載の方法であって、
前記第2メモリセクションにユーザにより要求されたページのサブページを格納するステップはさらに、
前記ユーザにより要求されたページNが、複数のサブページ(N,N,...,N,Ni+1)から構成されているか判断するステップと、
前記判断するステップが真である場合、前記要求されたページNの複数のサブページ(N,...,N,Ni+1)をダウンロードするステップを実行するステップと、
を有することを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【公表番号】特表2007−506386(P2007−506386A)
【公表日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−527548(P2006−527548)
【出願日】平成16年9月21日(2004.9.21)
【国際出願番号】PCT/IB2004/051818
【国際公開番号】WO2005/029856
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.サイクロ
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】