説明

テレビジョン受像機、及び電子機器

【課題】薄型化を図ることができる電子機器及びテレビジョン受像機を提供する。
【解決手段】一つの実施形態によれば、電子機器は、第1の面とこの第1の面とは反対側に位置された第2の面とを有したパネルと、前記パネルの第1の面を覆う第1の金属カバーと、前記パネルの第2の面を露出させる開口部が設けられ、前記第1の金属カバーに連結され、前記パネルの周面を囲うとともに、外部に露出された第2の金属カバーと、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、テレビジョン受像機及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの電子機器は、パネルの背面を覆うバックカバーと、パネルの前面を覆うフロントカバーとを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4051469号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子機器やテレビジョン受像機は、さらなる薄型化が要望されている。
【0005】
本発明の目的は、薄型化を図ることができる電子機器及びテレビジョン受像機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、電子機器は、第1の面とこの第1の面とは反対側に位置された第2の面とを有したパネルと、前記パネルの第1の面を覆う第1の金属カバーと、前記パネルの第2の面を露出させる開口部が設けられ、前記第1の金属カバーに連結され、前記パネルの周面を囲うとともに、外部に露出された第2の金属カバーと、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1実施形態に係るテレビジョン受像機の正面図。
【図2】図1中に示されたテレビジョン受像機の側面図。
【図3】図1中に示されたテレビジョン受像機の構成を模式的に示す分解斜視図。
【図4】図1中に示されたテレビジョン受像機のF4−F4線に沿う断面図。
【図5】図1中に示されたフロントカバーの斜視図。
【図6】図5中に示された第1の分割パーツの斜視図。
【図7】図5中に示された第2の分割パーツの斜視図。
【図8】図5中に示された第3の分割パーツの斜視図。
【図9】図5中に示された分割パーツの組み立ての一例を示す平面図。
【図10】図5中に示された分割パーツの結合面の一例を示す斜視図。
【図11】図5中に示された分割パーツの組み立ての他の一例を示す平面図。
【図12】図5中に示された分割パーツの一つの変形例を示す平面図。
【図13】第2実施形態に係るテレビジョン受像機の分割パーツを示す斜視図。
【図14】図13中に示された分割パーツのF14−F14線に沿う断面図。
【図15】図13中に示された分割パーツのF15−F15線に沿う断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0009】
(第1実施形態)
図1乃至図12は、第1実施形態に係るテレビジョン受像機1を開示している。テレビジョン受像機1は、電子機器の一例である。なお、本実施形態が適用可能な電子機器は、テレビジョン受像機に限られず、ノートブック型パーソナルコンピュータや、携帯電話、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機などを含む種々の電子機器に広く適用可能である。
【0010】
図1及び図2に示すように、テレビジョン受像機1は、ディスプレイ本体2と、スタンド3とを備える。スタンド3は、例えばテレビ台の上に設置される。ディスプレイ本体2は、扁平状に形成されるとともに、略鉛直に起立した姿勢でスタンド3に支持される。
【0011】
ディスプレイ本体2は、筐体4を備えている。筐体4は、前壁5、背壁6、及び周壁7を有する。前壁5は、略鉛直に起立するとともに、ユーザーに向かい合う。背壁6は、前壁5とは反対側に位置されるとともに、前壁5と略平行になるように略鉛直に起立している。周壁7は、前壁5の周縁部と背壁6の周縁部との間を繋いでいる。
【0012】
周壁7は、上壁7a、下壁7b、左側壁7c(第1の側壁)、及び右側壁7d(第2の側壁)を有する。上壁7a及び下壁7bは、それぞれ略水平に延びている。左側壁7c及び右側壁7dは、それぞれ略鉛直に延びている。これにより扁平な長方形状の筐体4が形成されている。
【0013】
図3に示すように、テレビジョン受像機1は、バックカバー11、バックライトユニット12、ミドルフレーム13、液晶パネル14、及びフロントカバー15を有する。バックカバー11は、「第1の金属カバー」の一例である。フロントカバー15は、「第2の金属カバー」の一例である。ミドルフレーム13は、「フレーム部」の一例である。液晶パネル14は、「パネル」の一例である。なお「パネル」は、液晶以外のパネルであってもよい。
【0014】
図3及び図4に示すように、液晶パネル14は、背面14a、前面14b、及び周面14cを有する。背面14aは、「第1の面」の一例である。前面14bは、「第2の面」の一例である。前面14bは、背面14aとは反対側に位置され、表示画面17を有する。周面14cは、「第3の面」の一例である。周面14cは、背面14aと前面14bとの間に位置される。
【0015】
液晶パネル14は、4つの辺21,22,23,24を有した長方形状に形成されている。4つの辺21,22,23,24は、2つの長辺21,22と、2つの短辺23,24とを含む。図1に示すように、液晶パネル14は、2つの長辺21,22を略水平にした姿勢で、筐体4内に収容されている。
【0016】
図3に示すように、液晶パネル14は、パネル本体25と、このパネル本体25に取り付けられたソース基板26及びドライバIC27,28とを有する。一方のドライバIC27は、ソースCOF(Chip On Film)である。他方のドライバIC28は、ゲートCOFである。
【0017】
図4に示すように、パネル本体25は、液晶層31と、2枚のガラス板32,33と、2枚の偏光板34,35(偏光フィルタ)とを有する。液晶層31は、2枚のガラス板32,33に挟まれている。この2枚のガラス板32,33は、さらに2枚の偏光板34,35によって挟まれている。これにより2枚の偏光板34,35は、液晶パネル14の最外部に位置され、外部にむき出しになっている。一つの偏光板35は、液晶パネル14の前面14bに位置され、フロントカバー15に向かい合っている。
【0018】
図3に示すように、バックライトユニット12は、液晶パネル14の背面14aに向かい合う。バックライトユニット12は、反射シート41、導光板42、第1のプリズムシート43、第2のプリズムシート44、偏光シート45、及び一対のライトバー46を有する。
【0019】
反射シート41は、導光板42の背面に重ねられている。第1のプリズムシート43は、反射シート41とは反対側から導光板42に重ねられている。第1のプリズムシート43の上には、第2のプリズムシート44が重ねられている。第2のプリズムシート44の上には、偏光シート45が重ねられている。換言すれば、第1のプリズムシート43と偏光シート45との間に、第2のプリズムシート44が追加されている。
【0020】
導光板42は、液晶パネル14に対応した長方形状を有する。すなわち導光板42は、2つの長辺51,52と、2つの短辺53,54とを有するとともに、2つの長辺51,52を略水平にした姿勢で、筐体4内に収容される。
【0021】
図3に示すように、ライトバー46は、回路基板56と、この回路基板56の表面に実装された複数のLED57とを有し、バックライトユニット12の光源となる。ライトバー46は、例えば一対設けられ、導光板42の両側に分かれて配置されている。ライトバー46は、導光板42の両短辺53,54にそれぞれ沿って配置されている。
【0022】
図4に示すように、導光板42は、短辺53,54に沿って延びた側面58を有する。ライトバー46は、導光板42の側面58に対向している。すなわち、導光板42の側面58に回路基板56が略平行であり、複数のLED57が導光板42の側面58に対向している。
【0023】
図3及び図4に示すように、バックカバー11は、液晶パネル14及びバックライトユニット12よりも一回り大きく形成されている。バックカバー11は、金属製、例えばアルミニウム合金製である。バックカバー11は、バックライトユニット12の背面側に設けられ、筐体4の背壁6を形成している。
【0024】
バックカバー11は、バックライトユニット12を覆っている。さらに言えば、バックカバー11は、バックライトユニット12を間に介在させて、液晶パネル14の背面14aを覆っている。図3に示すように、バックカバー11の背面には、コントロール基板61、LEDドライバ基板62、及びそれらを覆うシールドケース63,64が取り付けられている。
【0025】
図3及び図4に示すように、ミドルフレーム13は、液晶パネル14とバックライトユニット12との間に介在されている。ミドルフレーム13は、バックカバー11及びフロントカバー15とは別体に形成されている。ミドルフレーム13は、金属製、例えばアルミニウム合金製である。ミドルフレーム13は、例えば導光板42の4つの辺51,52,53,54に対応した4つのパーツに分割されて形成されている。なおミドルフレーム13は、枠状に形成されたひとつの部材であってもよい。
【0026】
図4に示すように、ミドルフレーム13は、支持部66と、固定部67とを有する。支持部66は、液晶パネル14とバックライトユニット12との間に介在されている。支持部66とバックライトユニット12との間には、例えばゴムのような弾性部材68が設けられている。支持部66は、バックライトユニット12をバックカバー11に向いて押さえている。これにより、バックカバー11とミドルフレーム13との間に、バックライトユニット12が保持されている。
【0027】
ミドルフレーム13の支持部66には、さらに液晶パネル14が載置される。支持部66と液晶パネル14との間には、例えばゴムのような弾性部材69が設けられている。支持部66は、弾性部材69を介して液晶パネル14を支持している。
【0028】
固定部67は、液晶パネル14とバックライトユニット12との間を外れた位置に設けられている。固定部67は、バックカバー11とフロントカバー15との間に亘る大きさを有し、バックカバー11とフロントカバー15との間に挟持されている。これにより、ミドルフレーム13は、バックカバー11とフロントカバー15との間に保持されている。
【0029】
図4に示すように、ライトバー46は、導光板42の側面58に対向するようにミドルフレーム13に取り付けられている。具体的には、ライトバー46の回路基板56が、ミドルフレーム13の固定部67に例えばねじ止めで固定されている。これにより、ライトバー46は、ミドルフレーム13に熱的に接続されている。すなわちライトバー46が発する熱の一部は、ミドルフレーム13に伝わる。
【0030】
図3に示すように、フロントカバー15は、液晶パネル14及びバックライトユニット12よりも一回り大きく形成されている。フロントカバー15は、金属製、例えばアルミニウム合金製である。フロントカバー15は、液晶パネル14の前面側に設けられるとともに、バックカバー11に連結され、筐体4の前壁5と周壁7とを形成している。フロントカバー15は、液晶パネル14の表示画面17を露出させる開口部71が設けられ、枠状に形成されている。フロントカバー15は、外装部材の一例であり、テレビジョン受像機1の外部に露出され、外観の一部を形成している。
【0031】
図4に示すように、フロントカバー15は、液晶パネル14の偏光板35に直接に向かい合っている。フロントカバー15と偏光板35との間には、例えばゴムのような弾性部材72が設けられている。フロントカバー15は、弾性部材72を介して偏光板35を支持している。これにより、フロントカバー15とミドルフレーム13との間に、液晶パネル14が保持されている。
【0032】
図4に示すように、フロントカバー15は、雌ねじが設けられたねじ孔73を有する。バックカバー11及びミドルフレーム13は、フロントカバー15のねじ孔73に対応する挿通孔74,75を有する。ねじ76は、バックカバー11の挿通孔74及びミドルフレーム13の挿通孔75に通され、ねじ孔73に係合している。これにより、バックカバー11、ミドルフレーム13、及びフロントカバー15は、ねじ76によって共締めされている。
【0033】
ミドルフレーム13は、それぞれ金属製のバックカバー11及びフロントカバー15に熱的に接続されている。これにより、ライトバー46からミドルフレーム13に伝わった熱の一部は、バックカバー11及びフロントカバー15に伝わり、テレビジョン受像機1の外部に放出される。バックカバー11、ミドルフレーム13、及びフロントカバー15を共締めするねじ76は、バックカバー11、ミドルフレーム13、及びフロントカバー15を互いに熱的に接続する熱伝導経路の一部となる。
【0034】
図4及び図5に示すように、フロントカバー15は、液晶パネル14の前面14bに向かい合う第1部分15aと、この第1部分15aの周縁部から起立して後方に延びた第2部分15bとを有する。第2部分15bは、ディスプレイ本体2の略全厚に亘る大きさを有する。フロントカバー15は、液晶パネル14の周面14c、ミドルフレーム13の周面78、バックライトユニット12の周面59を囲んでいる。すなわち、フロントカバー15の第1部分15aが筐体4の前壁5を形成している。さらにフロントカバー15の第2部分15bが筐体4の周壁7を形成している。
【0035】
図5に示すように、フロントカバー15は、液晶パネル14の4つの辺21,22,23,24にそれぞれ対応した4つの分割パーツ81,82,83,84に分割して形成されている。本実施形態の分割パーツ81,82,83,84は、例えば互いに連結されて枠状のフロントカバー15を形成してからバックカバー11に組み合わされる。
【0036】
4つの分割パーツ81,82,83,84は、一対の第1の分割パーツ81,82、第2の分割パーツ83、及び第3の分割パーツ84を含む。第1の分割パーツ81,82は、液晶パネル14の2つの短辺23,24にそれぞれ対応している。第2の分割パーツ83は、液晶パネル14の上側の長辺21に対応している。第3の分割パーツ84は、液晶パネル14の下側の長辺22に対応している。
【0037】
図6は、一方の第1の分割パーツ81を示す。なお他方の第1の分割パーツ82については、第1の分割パーツ81と構造が略同じであるのでその説明は省略する。第1の分割パーツ81は、第2の分割パーツ83に連結される第1の端部81aと、第3の分割パーツ84に連結される第2の端部81bとを有する。
【0038】
図7は、第2の分割パーツ83を示す。第2の分割パーツ83は、それぞれ第1の分割パーツ81,82に連結される端部83a,83bを有する。図8は、第3の分割パーツ84を示す。第3の分割パーツ84は、それぞれ第1の分割パーツ81,82に連結される端部84a,84bを有する。
【0039】
図9は、第1の分割パーツ81と第2の分割パーツ83との結合部を示す。第1の分割パーツ81と第2の分割パーツ83とは、開口部71の角部C1からフロントカバー15の外側の角部C2に延びた斜めのラインで分割されている。
【0040】
より詳しく述べると、図10に示すように、第1の分割パーツ81と第2の分割パーツ83との分割面は、第1ラインS1と、第2ラインS2とを有する。第1ラインS1は、開口部71の角部C1から第1及び第2の分割パーツ81,83の途中まで延びている。第2ラインS2は、第1ラインS1の端から第1ラインS1に対して折れ曲がり、第1ラインS1に交差する方向でフロントカバー15の角部C2まで延びている。互いに延びる方向が異なる2つのラインL1,L2を上記分割面が有することで、第1の分割パーツ81と第2の分割パーツ83とを合わせた時に、両者が互いにずれにくくなる。
【0041】
さらに図10に示すように、第1の分割パーツ81は、係合部86を有する。係合部86は、例えば第2の分割パーツ83に向いて突出した突起である。第2の分割パーツ83は、被係合部87を有する。被係合部87の一例は、上記突起が挿入されるスリットである。第1の分割パーツ81の係合部86が、第2の分割パーツ83の被係合部87に係合することで、両者の位置合わせをスムーズに行うことができるととともに、両者を合わせた時に両者が互いにずれにくくなる。
【0042】
なお、第1の分割パーツ81に被係合部87を設けるとともに、第2の分割パーツ83に係合部86を設けてもよい。上記第1ラインS1及び第2ラインS2、並びに係合部86及び被係合部87は、第1の分割パーツ81と第3の分割パーツ84との結合面にも設けられている。
【0043】
第1の分割パーツ81,82は、当該第1の分割パーツ81,82の長手方向に延びた溝や壁を有するとともに、長手方向に交差する方向に延びた溝や壁は有しない。第2の分割パーツ83は、当該第2の分割パーツ83の長手方向に延びた溝や壁を有するとともに、長手方向に交差する方向に延びた溝や壁は有しない。第1の分割パーツ81,82及び第2の分割パーツ83は、それぞれ例えば押出し加工で主要部が形成されるとともに、切削加工で細部が形成されている。
【0044】
図11は、第1の分割パーツ81と第3の分割パーツ84との結合部を示す。第3の分割パーツ84は、部品収容領域88を有する。部品収容領域88は、第3の分割パーツ84とバックカバー11との間に機能部品89が収容される空間を規定する。部品収容領域88に収容される機能部品89の一例は、例えばスピーカや、液晶パネル14またはバックライトユニット12を下方から支持する支持部材、またはねじのような各種の固定部材が該当するが、これらに限定されるものではない。
【0045】
第1の分割パーツ81と第3の分割パーツ84との分割面は、第1の開口部71の角部C3から部品収容領域88の角部C4まで延びた第1ラインS3と、部品収容領域88に沿って延びた第2ラインS4と、部品収容領域88の他の角部C5からフロントカバー15の外側の角部C6に延びた第3ラインS5とで分割されている。
【0046】
すなわち、第1の分割パーツ81の長手方向に延びた2つの側辺の延長線L1,L2と、第3の分割パーツ84の長手方向に延びた2つの側辺の延長線L3,L4とで囲まれた領域において、部品収容領域88を避けるラインで第1の分割パーツ81と第3の分割パーツ84とが分割されている。
【0047】
第3の分割パーツ84は、当該第3の分割パーツ84の長手方向に延びた溝や壁を有するとともに、長手方向に交差する方向に延びた溝や壁は有しない。第3の分割パーツ84は、例えば押出し加工で主要部が形成されるとともに、切削加工で細部が形成されている。
【0048】
図12は、フロントカバー15の一つの変形例を示す。図12に示すように、第1の分割パーツ81及び第3の分割パーツ84は、第1の分割パーツ81の長手方向に延びた2つの側辺の延長線L1,L2と、第3の分割パーツ84の長手方向に延びた2つの側辺の延長線L3,L4とで囲まれた領域において分割されている。第1の分割パーツ81は、当該第1の分割パーツ81の長手方向に延びた溝や壁を有するとともに、長手方向に交差する方向に延びた溝や壁は有しない。第3の分割パーツ84は、当該第3の分割パーツ84の長手方向に延びた溝や壁を有するとともに、長手方向に交差する方向に延びた溝や壁は有しない。第1の分割パーツ81及び第3の分割パーツ84は、それぞれ例えば押出し加工で主要部が形成されるとともに、切削加工で細部が形成されている。
【0049】
このような構成によれば、テレビジョン受像機1の薄型化を図ることができる。
比較のため、テレビジョン受像機の一例を考える。あるテレビジョン受像機は、合成樹脂製のバックカバーと、合成樹脂製のフロントカバーと、バックカバーとフロントカバーとの間に収容されたパネルセットとを有する。パネルセットは、バックライトユニットと、樹脂製のミドルフレームと、液晶パネルと、当該パネルセットに強度を与えるための金属製のベゼル(以下、金属ベゼル)とを有する。金属ベゼルは、例えば液晶パネルの縁部を囲う枠状に形成され、液晶パネル14の4つの辺を覆っている。金属ベゼルは、液晶パネルとフロントカバーとの間に介在され、外部には露出されていない。
【0050】
一方、本実施形態のテレビジョン受像機1は、液晶パネル14と、液晶パネル14の背面14aを覆う金属製のバックカバー11と、液晶パネル14の前面14bを露出させる開口部71が設けられ、バックカバー11に連結され、液晶パネル14の周面14cを覆うとともに、外部に露出された金属製のフロントカバー15とを有する。
【0051】
すなわち、本実施形態のテレビジョン受像機1は、それぞれ金属製のバックカバー11とフロントカバー15とによって必要な強度を確保することで、パネルセットの金属ベゼルの省略を可能にしたものである。すなわち本実施形態のテレビジョン受像機1は、金属ベゼルを設けることでパネルセット自体で強度を確保するといった思想から転換し、パネルセットに本来必要とされる強度をバックカバー11やフロントカバー15で補い、個々のユニットではなく、テレビジョン受像機という機器全体で必要な強度を確保することを目指したものである。これにより、少なくとも金属ベゼルを省略した分だけ、液晶パネル14とフロントカバー15とを互いに近付けることができ、テレビジョン受像機1の薄型化を図ることができる。
【0052】
本実施形態では、フロントカバー15は、液晶パネル14の偏光板35に向かい合うとともに、弾性部材72を介して偏光板35を支持している。すなわちフロントカバー15によって直接に液晶パネル14を支持する構造であるので、液晶パネル14の固定や保持に必要な部材を少なくすることができる。これは、テレビジョン受像機1の薄型化に寄与する。
【0053】
本実施形態では、フロントカバー15と、バックカバー11と、ミドルフレーム13とによって、液晶パネル14及びバックライトユニット12がそれぞれ保持されている。これによれば、液晶パネル14及びバックライトユニット12の固定や保持に必要な部材を少なくすることができる。これは、テレビジョン受像機1の薄型化に寄与する。
【0054】
本実施形態では、ミドルフレーム13は、金属製である。これによれば、ミドルフレーム13によって、液晶パネル14及びバックライトユニット12を保持するための強度の一部が確保されるので、バックカバー11及びフロントカバー15を薄くすることができる。これにより、テレビジョン受像機1の薄型化をさらに図ることができる。
【0055】
本実施形態では、ミドルフレーム13の固定部67は、バックカバー11とフロントカバー15との間に挟持されている。これによれば、バックカバー11とフロントカバー15とによってミドルフレーム13を保持することができるので、ミドルフレーム13の固定や保持に必要な部材を少なくすることができる。これは、テレビジョン受像機1の薄型化に寄与する。
【0056】
本実施形態では、ライトバー46は、導光板42の側面58に対向するようにミドルフレーム13に取り付けられている。これによれば、ライトバー46の固定や保持に必要な部材を少なくすることができる。これはテレビジョン受像機1の薄型化に寄与する。
【0057】
ライトバー46は、発熱量が大きい。本実施形態では、ライトバー46は、金属製のミドルフレーム13に熱的に接続されている。これによれば、金属製のミドルフレーム13がライトバー46の熱の一部を放出するヒートシンクとして機能するので、ライトバー46の放熱性が良好であるとともに、ライトバー46用に設けられる専用のヒートシンクを省略または小さくすることができる。これはテレビジョン受像機1の薄型化に寄与する。
【0058】
さらに本実施形態では、ミドルフレーム13は、それぞれ金属製のバックカバー11及びフロントカバー15に熱的に接続されている。これにより、ライトバー46の熱の一部は、バックカバー11及びフロントカバー15からテレビジョン受像機1の外部に放出される。これにより、ライトバー46の放熱構造を簡略化することができる。これはテレビジョン受像機の薄型化に寄与する。
【0059】
液晶パネル14は熱に弱く、例えば局所的に熱くなると、その部分だけ映像が異なるなど不具合を生じる可能性がある。本実施形態では、ミドルフレーム13と液晶パネル14との間に弾性部材69が設けられ、ミドルフレーム13と液晶パネル14との間に隙間が空けられている。この弾性部材69により、ミドルフレーム13の熱が液晶パネル14に伝わりにくくなっている。
【0060】
液晶パネル14の偏光板34は、大きく熱膨張すると、偏光板としての機能が低下してしまう。本実施形態では、弾性部材69により、ミドルフレーム13の熱が偏光板34に伝わりにくくなっている。同様に、弾性部材68によりミドルフレーム13の熱がバックライトユニット12に伝わりにくくなっている。さらに弾性部材72により、フロントカバー15の熱が液晶パネル14の偏光板35に伝わりにくくなっている。
【0061】
本実施形態では、フロントカバー15は、液晶パネル14の4つの辺21,22,23,24にそれぞれ対応した4つの分割パーツ81,82,83,84に分割して形成されている。これによれば、材料歩留まりが向上し、コスト低減を図ることができる。
【0062】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係るテレビジョン受像機1について、図13乃至図15を参照して説明する。なお上記第1実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、上記第1実施形態と同じである。本実施形態は、フロントカバー15及びバックカバー11の構造が上記第1実施形態と異なる。
【0063】
図13に示すように、バックカバー11は、左右の端部に、例えば複数の被係合部91を有する。被係合部91は、バックカバー11の背面92に対して起立した起立壁93と、この起立壁93に設けられたスリット部94とを有する。スリット部94は、液晶パネル14の短辺23,24に沿って鉛直方向に延びている。スリット部94は、鉛直方向の上端部が開放されているとともに、下端部は起立壁93によって塞がれている。
【0064】
図13に示すように、本実施形態に係るフロントカバー15は、4つの分割パーツ81,82,83,84が分解された状態で、それぞれバックカバー11に個別に取り付けられる。まず、第3の分割パーツ84が例えばねじ止めでバックカバー11に固定される。次に、第1の分割パーツ81,82がバックカバー11に固定される。
【0065】
図13及び図14に示すように、第1の分割パーツ81,82は、フロントカバー15の第1部分15aを形成する第1壁95と、フロントカバー15の第2部分15bを形成する第2壁96とを有する。この第2壁96には、バックカバー11の被係合部91に係合する係合部としてのフック97が設けられている。フック97は、被係合部91のスリット部94に係合可能である。
【0066】
図14に示すように、フック97は、スリット部94に挿入される第1部分97aと、この第1部分97aの先端部から折れ曲がり、バックカバー11の起立壁93の内面に沿う第2部分97bとを有する。第1の分割パーツ81は、フック97をスリット部94に挿入させるとともに、液晶パネル14の短辺23,24に沿ってスライドさせることでバックカバー11に取り付けられる。
【0067】
第2の分割パーツ83は、第1及び第3の分割パーツ81,82,84が取り付けられた後に、バックカバー11に固定される。図13及び図15に示すように、第2の分割パーツ83は、フロントカバー15の第1部分15aを形成する第1壁101と、フロントカバー15の第2部分15bを形成する第2壁102とを有する。この第2壁102には、バックカバー11とフロントカバー15との間の空間に突出した第1の突出部103を有する。この第1の突出部103には、バックカバー11と結合されるためのねじ104が通されるねじ孔103aが設けられている。ねじ孔103aは、雌ねじが設けられている。
【0068】
図13及び図15に示すように、第1の分割パーツ81,82は、第2の分割パーツ83の第1の突出部103と、バックカバー11との間に介在される第2の突出部105を有する。第2の突出部105は、ねじ104が通される挿通孔105aが設けられている。バックカバー11は、ねじ104が通される挿通孔106が設けられている。
【0069】
ねじ104は、バックカバー11及び第2の突出部105の挿通孔106,105aに通され、第1の突出部103のねじ孔103aに係合される。これにより、バックカバー11、第1の分割パーツ81、及び第2の分割パーツ83が、ねじ104によって共締めされる。これにより、第2の分割パーツ83がバックカバー11に固定される。
【0070】
第2の分割パーツ83の端部83a,83bは、第1の分割パーツ81,82に上方から対向する。これにより、第1の分割パーツ81,82が上方に抜けなくなる。ねじ104は、第1の分割パーツ81,82のスライド方向とは略直交する方向に沿ってねじ孔104に係合している。
【0071】
このような構成によれば、第1実施形態と同様に、テレビジョン受像機1の薄型化を図ることができる。
【0072】
本実施形態では、バックカバー11は、液晶パネル14の短辺23,24に沿って延びたスリット部94を有する。第1の分割パーツ81は、スリット部94に係合可能なフック97を有し、このフック97をスリット部94に挿入させるとともに、液晶パネル14の短辺23,24に沿ってスライドさせることでバックカバー11に取り付けられる。
【0073】
これによれば、第1の分割パーツ81,82を固定するためのねじを省略または少なくすることができる。本実施形態の第1の分割パーツ81,82は、ねじを用いずに取り付け可能である。このような構成によれば、液晶パネル14と第1の分割パーツ81,82との間に必要な隙間を小さくすることができるので、テレビジョン受像機1の横幅を小さくすることができる。
【0074】
本実施形態では、第2の分割パーツ83は、バックカバー11とフロントカバー15との間の空間に突出した突出部103を有し、この突出部103にバックカバー11と結合されるためのねじ104が通されるねじ孔103aが設けられている。これによれば、バックカバー11とフロントカバー15との間の空間を利用して両者が固定されるので、テレビジョン受像機1の薄型化をさらに図ることができる。
【0075】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0076】
なお、フレーム部(ミドルフレーム13)は、第1の金属カバー(バックカバー11)、及び第2の金属カバー(フロントカバー15)のいずれか一方と一体に形成されてもよい。ミドルフレーム13は、少なくともライトバー46が取り付けられる部分が金属製であれば、他の部分が金属以外の材料で形成されても放熱を促進することができる。またミドルフレーム13の全体を金属以外の材料で形成してもよい。ミドルフレーム13の形状や固定構造は、上記に限定されるものではない。フロントカバー15は、4つの分割パーツ81,82,83,84に分割されている必要はなく、枠状に形成されてもよい。
【符号の説明】
【0077】
1…テレビジョン受像機、11…バックカバー、12…バックライトユニット、13…ミドルフレーム、14…液晶パネル、14a…背面、14b…前面、15…フロントカバー、35…偏光板、67…ミドルフレームの固定部、72…弾性部材、81,82,83,84…分割パーツ、81,82…第1の分割パーツ、83…第2の分割パーツ、94…スリット部、97…フック、103…突出部、103a…ねじ孔、104…ねじ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面と、この第1の面とは反対側に位置された第2の面とを有したパネルと、
前記パネルの第1の面に向かう合うバックライトユニットと、
前記パネルと前記バックライトユニットとの間に介在されたフレーム部と、
前記バックライトユニットを覆うとともに、前記フレーム部との間に前記バックライトユニットを保持した第1の金属カバーと、
前記パネルの第2の面を露出させる開口部が設けられ、前記第1の金属カバーに連結され、前記パネルの周面を囲うとともに、外部に露出され、且つ、前記フレーム部との間に前記パネルを保持した第2の金属カバーと、
を備えたテレビジョン受像機。
【請求項2】
請求項1の記載において、
前記パネルは、前記第2の面に偏光板を有し、
前記第2の金属カバーは、弾性部材を介して前記偏光板を支持することで、当該第2の金属カバーと前記フレーム部との間に前記パネルを保持したテレビジョン受像機。
【請求項3】
請求項1または請求項2の記載において、
前記フレーム部は、金属製であるテレビジョン受像機。
【請求項4】
請求項1または請求項3の記載において、
前記フレーム部は、前記第1の金属カバーと前記第2の金属カバーとの間に挟持された固定部を有したテレビジョン受像機。
【請求項5】
請求項1または請求項4の記載において、
前記バックライトユニットは、導光板と、ライトバーとを有し、前記ライトバーは、前記導光板の側面に対向するように前記フレーム部に取り付けられたテレビジョン受像機。
【請求項6】
請求項5の記載において、
前記フレーム部は、金属製であり、前記ライトバーは、前記フレーム部に熱的に接続されたテレビジョン受像機。
【請求項7】
請求項1または請求項6の記載において、
前記パネルは、4つの辺を有した長方形状をしており、
前記第2の金属カバーは、前記パネルの4つの辺にそれぞれ対応した4つの分割パーツに分割して形成されたテレビジョン受像機。
【請求項8】
請求項7の記載において、
前記4つの分割パーツは、前記パネルの短辺に対応した第1の分割パーツを含み、
前記第1の金属カバーは、前記パネルの短辺に沿って延びたスリット部を有し、前記第1の分割パーツは、前記スリット部に係合可能なフックを有し、このフックを前記スリット部に挿入させるとともに、当該第1の分割パーツを前記パネルの短辺に沿ってスライドさせることで前記第1の金属カバーに取り付けられるテレビジョン受像機。
【請求項9】
請求項8の記載において、
前記4つの分割パーツは、前記パネルの長辺に対応した第2の分割パーツを含み、
前記第2の分割パーツは、前記第1の金属カバーと前記第2の金属カバーとの間の空間に突出した突出部を有し、この突出部に前記第1の金属カバーと結合されるためのねじが通される孔が設けられたテレビジョン受像機。
【請求項10】
第1の面と、この第1の面とは反対側に位置された第2の面とを有したパネルと、
前記パネルの第1の面を覆う第1の金属カバーと、
前記パネルの第2の面を露出させる開口部が設けられ、前記第1の金属カバーに連結され、前記パネルの周面を囲うとともに、外部に露出された第2の金属カバーと、
を備えた電子機器。
【請求項11】
請求項10の記載において、
前記パネルは、前記第2の面に偏光板を有し、前記第2の金属カバーは、前記偏光板に向かい合うとともに、弾性部材を介して前記偏光板を支持した電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−138842(P2012−138842A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−291096(P2010−291096)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】