説明

テレビジョン装置及びテレビジョン装置における電源選択方法

【課題】視聴率情報に基づいたピークシフトを行うことができるテレビジョン受像装置及びテレビジョン受像方法を提供する。
【解決手段】バッテリと、外部電源と、外部から受信した視聴率情報を解析する視聴率情報解析部と、解析された前記視聴率情報中の視聴率に基づいて電源制御を行う電源制御部とを備え、この電源制御部は、前記視聴率の数値があらかじめ指定した数値よりも高い場合に前記バッテリを、高くない場合に前記外部電源を選択するよう前記電源制御を行うテレビジョン受像装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、視聴率情報によるピークシフト移行処理をするテレビジョン受像装置及びテレビジョン受像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビジョン受像装置などにおいて、ピークシフトを行うことが最近注目されている。例えば、ある技術においてはユーザーがリモコンのピークシフトボタンを押下する事によりピークシフトを実現している。
【0003】
なお特許文献1では、電力会社が供給する電力の負荷に関する情報に基づいて、電子機器において使用する電源を外部電源にしたり二次電池に切り替える事によりピークシフトを実現している。しかしこの情報を用いた場合、急激な電力消費の増加が短時間に起こりうるケースにおいては対応が出来ずに停電が起こる可能性が否めない。電子機器がテレビである場合、例えばサッカーのワールドカップの決勝戦が放送されるような場合は一斉にその時間になって大勢の人々がテレビの電源が投入するケースが考えられる。
【0004】
そこで、テレビの視聴率に基づいた情報を利用してピークシフトを行う事を実現することにより、前述したようなケースによる停電の発生を未然に防ぐ事が出来ると期待される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−180404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施の形態は、視聴率情報に基づいたピークシフトを行うことができるテレビジョン受像装置及びテレビジョン受像方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、実施形態によればテレビジョン受像装置は、バッテリと、外部電源と、外部から受信した視聴率情報を解析する視聴率情報解析部と、解析された前記視聴率情報中の視聴率に基づいて電源制御を行う電源制御部とを備え、この電源制御部は、前記視聴率の数値があらかじめ指定した数値よりも高い場合に前記バッテリを、高くない場合に前記外部電源を選択するよう前記電源制御を行う。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例のシステムを示す機能構成図。
【図2】実施例のテレビ1の構成を示すブロック図。
【図3】実施例の視聴率情報のデータフォーマット。
【図4】実施例の視聴率情報解析処理のフローチャート。
【図5】実施例の電源制御処理のフローチャート。
【図6】実施例のピークシフト処理のフローチャート。
【図7】実施形態に係わる電子機器の外観を示す図。
【図8】実施形態に係わる電子機器の構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態を図1乃至図8を参照して説明する。
先に示す図7は、実施形態に係わる電子機器の外観を示す図である。
映像表示装置(テレビ)1は、例えば、ユーザーによってリモコン(リモートコントローラ)21が操作される。このリモコン21から出力されたリモコン信号が映像表示装置(テレビ)1の操作受信部20で受信される。
【0010】
リモコン信号を受信した映像表示装置(テレビ)1は、このリモコン信号の指示によって動作し、例えば、LCD(Liquid Crystal Display、液晶ディスプレイ)等で構成される表示画面(映像表示部)8に、所定の映像を表示出力する。
【0011】
また、この映像表示装置(テレビ)1は、例えば、USB端子等で外付けされる外部記憶機器(HDD等)19を備えている。そして、例えば、映像表示装置1で受信された放送を、この外部記憶機器19に録画することが可能である。
【0012】
また、この映像表示装置(テレビ)1は、この映像表示装置(テレビ)1に接続、あるいは、内蔵されるバッテリ30を備えている。
この内蔵バッテリ30は、例えば、上記商用電源から給電を受け、充電することが可能である。
ここで、上記内蔵バッテリ30の説明をする。内蔵バッテリ30は、例えば、リチウムイオン二次電池やリチウムイオンポリマー二次電池を用いたバッテリパックで構成される。
【0013】
リチウムイオン二次電池は、非水電解質二次電池の一種で、電解質中のリチウムイオンが電気伝導を担う二次電池である。現在、正極にリチウム金属酸化物を用い、負極にグラファイトなどの炭素材を用いるものが多い。リチウムイオン二次電池は、リチウムイオン電池、リチウムイオンバッテリー、Li−ion電池、LIB、LiBとも表記されることがある。
【0014】
また、リチウムイオンポリマー二次電池は、電解質として電解液のかわりに高分子ゲルを使用する。これも、リチウムイオン電池の一種である。
この実施の形態に係る映像表示装置(テレビ)1は、通常、商用電源(AC電源、図示せず)から給電を受け、動作するが、例えば、商用電源が停電し、給電が受けられない場合等に、この内蔵バッテリ30からの給電に切替えて、動作を行なうことが可能である。
【0015】
この内蔵バッテリ30からの給電と商用電源からの給電の切替えは、例えば、従来同様にリモコン21に設けられた給電切替えボタン21aをユーザーが操作することで実現することもできる。
【0016】
図8は、実施形態に係わる電子機器の構成を示すブロック図である。
この実施形態においては、制御部11はCPU(12)を備えている。そして、CPU(12)は映像表示装置(テレビ)1を制御する。また、RAM(13)、ROM(14)、フラッシュメモリ15は、例えば、制御部11で行われる処理に利用される。
【0017】
例えば、放送局25からデジタル放送で映像コンテンツが放送される。放送局25から放送されたデジタル放送はチューナ3で受信され、選局処理が行われ、デジタル信号の映像コンテンツが信号処理部4に送信される。
【0018】
信号処理部4で受信されたデジタル信号の映像コンテンツは信号処理が施され、音声処理部6および映像処理部5に送信される。
音声処理部6は、信号処理が施された映像コンテンツを受信し、音声処理を施した信号をスピーカ9に送信する。
スピーカ9は、音声処理が施された信号を受信し、音声を出力する。
また、映像処理部5は、信号処理が施された映像コンテンツを受信し、映像処理を施した信号を表示装置7に送信する。
表示装置7は、映像処理が施された信号を受信し、LCDパネル等で構成される表示画面(映像表示部)8に映像を表示する。
また、この実施の形態においては、映像表示装置(テレビ)1は内部記憶装置17を備えている。この内部記憶装置17は、上記外部記録機器19と同様に、例えば、他の映像表示装置(相手方)から送信され、映像表示装置(テレビ)1で受信されたテレビ電話通信の映像コンテンツ(映像および音声)を録画することが可能である。この内部記憶装置17は、上記受信された映像コンテンツを記録することが可能である。
【0019】
また、この実施の形態においては、映像表示装置(テレビ)1は、上記のようにUSB接続やLAN接続される外部記憶機器19を備えている。上記受信された映像コンテンツはこの外部記憶機器19に記録することも可能である。
【0020】
また、上記のように、映像表示装置(テレビ)1に対するユーザーの操作は、例えばリモコン(リモートコントローラ)21等の操作機器によって指示される。
これらの処理は、上記のように、制御部11に制御される。
また、映像表示装置(テレビ)1は、送受信部(ネットワークインターフェース)22、ネットワーク(インターネット)26を介してサーバ27に接続され、次に説明する映像表示装置(テレビ)1の視聴率情報を用い、例えば、CPU(12)の指示で、映像表示装置(テレビ)1の視聴率情報を、このネットワーク(インターネット)26を介して取得することが可能である。
【0021】
上記のように、映像表示装置(テレビ)1は、内蔵バッテリ30を備えている。なお、この内蔵バッテリ30は、その外観が全て映像表示装置(テレビ)1に含まれることはなく、接続される形態でも良い。
【0022】
さて、図1は本実施例のシステムを示す機能構成図である。
テレビ101(映像表示装置1相当)はピークシフト機能を備えたテレビであり、インターネット接続手段によりインターネットに接続することによりインターネット103(ネットワーク26相当)を介して視聴率情報提供サーバー102(サーバ27相当)から視聴率情報を取得できる構成となっている。テレビ1がインターネット103に接続する手段については送受信部22として、一般的な有線LAN(Ethernet(登録商標))や無線LAN(WiFi等)による接続で構成することができる。
【0023】
図2は本実施例におけるピークシフト機能を備えたテレビ101の機能ブロック図である。視聴率情報受信部210は送受信部22で構成され、視聴率情報解析部211、電源制御部212は、制御部11、RAM13、ROM14、フラッシュメモリ15に拠り、バッテリ213は内蔵バッテリ30で構成されている。
【0024】
視聴率情報提供サーバー102が提供する視聴率情報は、インターネット103を介してテレビ101に届き、視聴率情報受信部210にて受信する。その後、視聴率情報解析部211により視聴率情報の解析を行い、その解析結果に応じて電源制御部212の制御を行うことにより、電源制御部212はバッテリ213による動作を行うのか、外部電源214による動作を行うのかを決定することで、視聴率情報に基づいたピークシフト機能を実現する。
【0025】
なおこの外部電源214は、商用電源から電力を得るための例えばACコードやトランス、ダイオードブリッジやコンデンサなどからなる整流回路などの電気部品、電子部品などから構成されている。
【0026】
図3は本実施例における視聴率情報のデータフォーマットである。
1つのデータは開始日時321、終了日時322、最大予測視聴率323,チャンネル324より構成されており、このデータが複数個連続することにより視聴率データが構成される。図3の例であれば、一番最初のデータでは2011年6月21日 21:00:00から2011年6月21日 22:00:00の日時の間でチャンネル1にて最大予測視聴率が55%である事を示している。なお、本実施例においては視聴率情報は1日に1回視聴率情報提供サーバー102により提供される事を想定しているが、視聴率情報の提供されるタイミングや1度に受信する視聴率情報に含まれる日時の期間やその情報量については特に制約はないものとする。
【0027】
図4は本実施例における視聴率情報解析処理のフローチャートである。
視聴率情報受信部210が視聴率情報を受信することにより、視聴率情報解析部211による処理が開始され(ステップS31)、視聴率情報データの読み込みを行う(ステップS32)。次にステップS32にて読み込んだ、最大予測視聴率323と基準となる値(基準値)との比較を行い、この基準となる値よりも最大予測視聴率323の方が大きい値であると判断した場合(ステップS33のYES)には、該当するデータにおける開始日時321および終了日時322の期間をピークシフトを行う日時として電源制御部212のピークシフト設定処理を呼び出す(ステップS34)。電源制御部212へのピークシフト時間の設定後またはステップS33にて基準となる値よりも最大予測視聴率323の方が大きい値であるとは判断されなかった場合(ステップS33のNO)には、更なる視聴率情報データがあるかを判断し(ステップS35)、このデータがある場合にはステップS32にて次の視聴率情報データの読み込みを継続する(ステップS35のYES)。視聴率データがない場合には本処理を終了する(ステップS35のNO)。なお、ステップS33における基準値については固定値であっても構わないし、ユーザーがテレビのユーザーインタフェースを用いてその値を設定する仕組みを用意してユーザーが任意に値を設定できるようにしても構わない。
【0028】
基準値が例えば20%であれば、図3の例では最大予測視聴率323が28%, 40%, 55%の視聴率情報データが電源制御部212のピークシフト設定処理を呼び出す対象となる。
【0029】
図5は、本実施例における電源制御部212におけるピークシフト設定処理のフローチャートである。
上述の視聴率情報解析処理からピークシフト設定処理(ステップS41)が呼び出されることにより、このピークシフト設定処理はピークシフト設定日時を取得する(ステップS42)。次に、ステップS42で取得した、設定しようとするピークシフト設定日時における最大予測視聴率と、既に電源制御部に設定されているピークシフト設定における最大予測視聴率とを比較を行い、そこで設定しようとする同日のピークシフト設定日時の最大予測視聴率の方の値が大きいと判断した場合(ステップS43のYES)には、設定しようとするピークシフト設定日時を新たなピークシフト設定日時となるように電源制御部にピークシフト設定日時を設定し(ステップS44)、本処理を終了する。なお、ステップS43にて既に設定されているピークシフト設定日時の最大予測視聴率の方が大きいと判断した場合(ステップS43のNO)には何も行わずに本処理を終了する。
【0030】
ステップS42のピークシフト設定日時を取得する処理が、例えばこの日時の早いものから行われるように構成しているものとする。すると、図3の例では最大予測視聴率323がまず28%, 次に40%, 最後に55%のピークシフト設定日時が順に設定される。
【0031】
図6は、本実施例における電源制御部212におけるピークシフト処理のフローチャートである。
ピークシフト処理(ステップS51)は、テレビ101の起動により開始されテレビ101の動作中は常に処理が動作しているものである。まず、現在の日時をテレビ101が保持している図示せぬRTC(リアルタイムクロック)から取得する(ステップS52)。次に取得した日時が、ピークシフト設定処理により設定されたピークシフト設定日時の範囲内であるかどうかを判定し(ステップS53)、そこで範囲内であると判定した場合(ステップS53のYES)には、バッテリ動作に設定することによりバッテリ13による動作を行う(ステップS54)。また、ステップS53にて範囲外であると判定した場合(ステップS53のNO)には、外部電源動作に設定することにより外部電源214による動作を行う(ステップS55)。
【0032】
この判定がいずれであっても、一定時間待機後にステップS52に戻り上記の動作を繰り返す。この一定時間とは、CPUに負荷がかかり電力消費が増大しないような間隔を空けるものであり、例えば1秒とか10秒とかである。
【0033】
以上説明した実施例によれば聴率情報によるピークシフト移行処理により、視聴率の高い番組が放送された際に一斉に各家庭等のテレビの消費電力量が増加する事による大規模停電の発生を未然に防ぐことが出来るようになった。
【0034】
(実施形態のポイント)
(1)ピークシフト(バッテリ動作)を行う条件として外部から受信したテレビ視聴率情報を使用する。
(2)テレビ視聴率情報における最大予測視聴率の数値があらかじめ指定した数値よりも高い場合に、そのテレビ視聴率情報で示される開始日時と終了日時の間をピークシフトによるバッテリ動作を行うよう設定する。
【0035】
(3)(2)において、あらかじめ指定した数値よりも高いと判断された数値が複数あった場合には、同日中での最大予測視聴率の値の一番大きいものを含むテレビ視聴率情報に基づいてピークシフトを行う。あるいはさらに複数のテレビ視聴率情報に基づいてもよい。例えば、最大予測視聴率が近いチャンネルが複数ある場合は、最大予測視聴率が2位(以下)のチャンネルの視聴による消費電力にも配慮した(例えば合算)構成とすることができる。図3における同一時間帯の最大予測視聴率323とチャンネル324の組を複数設けることによってこれは実現できる。
【0036】
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この外その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。インターネット経由で視聴率情報に代わりお薦め番組の情報やそのアクセス頻度などの情報を基に構成してもよい。また、省電力という範疇では所謂省電力モード(表示部分の輝度の低減)を行ってもよい。
【0037】
また、上記した実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良いものである。さらに、異なる実施の形態に係わる構成要素を適宜組み合わせても良いものである。
【符号の説明】
【0038】
1…映像表示装置(テレビ)、4…信号処理部、5…映像処理部、6…音声処理部、7…表示装置、8…表示画面、9…スピーカ、11…制御部、12…CPU、13…RAM、14…ROM、15…フラッシュメモリ、17…内部記憶装置、19…外部記憶機器、20…操作受信部、21…リモコン(リモートコントローラ)、21a…給電切替えボタン、22…送受信部(ネットワークインターフェース)、26…ネットワーク(インターネット)、27…サーバ、30…内蔵バッテリ、101…テレビ、102…サーバー、103…インターネット、210…視聴率情報受信部、211…視聴率情報解析部、212…電源制御部、213…バッテリ、214…外部電源、321…開始日時、322…終了日時、323…最大予測視聴率、324…チャンネル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリと、
外部電源と、
外部から受信した視聴率情報を解析する視聴率情報解析部と、
解析された前記視聴率情報中の視聴率に基づいて電源制御を行う電源制御部とを備え、
この電源制御部は、前記視聴率の数値があらかじめ指定した数値よりも高い場合に前記バッテリを、高くない場合に前記外部電源を選択するよう前記電源制御を行うテレビジョン受像装置。
【請求項2】
前記視聴率は最大予測視聴率である請求項1に記載のテレビジョン受像装置。
【請求項3】
前記電源制御部は、前記視聴率の数値が相対的に高い時間帯に前記バッテリを選択するよう前記電源制御を行う請求項1に記載のテレビジョン受像装置。
【請求項4】
前記視聴率の数値は複数チャンネル分の合算である請求項3に記載のテレビジョン受像装置。
【請求項5】
バッテリと外部電源とを備えたテレビジョン受像装置におけるテレビジョン受像方法であって、
外部から受信した視聴率情報を解析し、
解析された前記視聴率情報中の視聴率に基づいて、前記視聴率の数値があらかじめ指定した数値よりも高い場合に前記バッテリを、高くない場合に前記外部電源を選択するように電源制御を行うテレビジョン受像方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−74346(P2013−74346A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209999(P2011−209999)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】