説明

テレビ放送受信装置

【課題】時刻表示を簡便かつ安定的に行うことができる「テレビ放送受信装置」を提供すること。
【解決手段】現在の時刻を取得する時刻取得手段12と、表示部7における所定の監視範囲内の映像を監視する監視手段10と、監視範囲内に所定時間にわたって映像が変化しなかった部分が存在する場合には、時刻表示がなされていると判定し、当該映像が変化しなかった部分が存在しない場合には、時刻表示がなされていないと判定する時刻表示判定手段10と、前記時刻表示がなされていないと判定されたテレビ放送について、前記監視範囲内に、時刻取得手段12によって取得された現在の時刻を表示する時刻表示手段10とを備えたこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ放送受信装置に係り、特に、現在時刻の把握に好適なテレビ放送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、テレビ放送受信装置においては、表示画面における所定の位置(通常は、画面左上)に、放送映像として現在の時刻が表示(時刻出し)されることがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−306473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述のような時刻表示は、放送局側の放送内容に依存するものであり、安定した時刻表示が確保されない場合があった。例えば、地上デジタル放送においては、同番組であっても、弱階層の放送(以下、フルセグと称する)においては時刻表示が行われる一方で、強階層の放送(以下、ワンセグと称する)においては、強力なデジタル圧縮・伸張による映像表示の遅延が生じる等の理由によって、意図的に時刻表示が行われない場合があった。
【0005】
また、車載機においては、画面(タッチパネル)をタッチする等の操作によって時計を表示させることもできるが、このような操作は手間がかかることになる。
【0006】
なお、特許文献1には、電子番組情報(EPG)の表示とともに一定期間時刻表示を行う構成が記載されているが、このような構成においてもなお、一定期間しか時刻表示を確保することができなかった。
【0007】
そこで、本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、時刻表示を簡便かつ安定的に行うことができるテレビ放送受信装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するため、本発明に係るテレビ放送受信装置は、テレビ放送を受信する受信手段と、この受信手段によって受信された前記テレビ放送の放送信号に含まれる映像を表示部に表示する表示処理手段とを備えたテレビ放送受信装置であって、現在の時刻を取得する時刻取得手段と、前記表示部における所定の監視範囲内の映像を監視する監視手段と、この監視手段の監視結果に基づいて、前記監視範囲内に所定時間にわたって映像が変化しなかった部分が存在する場合には、前記監視結果に該当するテレビ放送において時刻表示がなされていると判定し、当該映像が変化しなかった部分が存在しない場合には、前記監視結果に該当するテレビ放送において時刻表示がなされていないと判定する時刻表示判定手段と、この時刻表示判定手段によって前記時刻表示がなされていないと判定されたテレビ放送について、前記監視範囲内に、前記時刻取得手段によって取得された現在の時刻を表示する時刻表示手段とを備えたことを特徴としている。
【0009】
そして、このような構成によれば、時刻表示手段により、監視手段の監視結果に基づいた時刻表示判定手段の判定結果にしたがって、時刻取得手段によって取得された現在の時刻を表示することができるので、時刻表示を簡便かつ安定的に行うことが可能となる。
【0010】
また、前記監視手段は、前記監視範囲に対応する各画素毎の映像信号の信号値を監視することによって、前記監視範囲内の映像の監視を行ってもよい。
【0011】
そして、このような構成によれば、監視範囲内の映像を簡便かつ確実に監視することが可能となる。
【0012】
さらに、前記受信手段は、同一の伝送帯域を用いて送信された弱階層の放送と強階層の放送とを含む地上デジタル放送を受信し、前記表示処理手段は、前記弱階層の放送と前記強階層の放送とを選択的に映像表示し、前記時刻表示判定手段によって前記時刻表示がなされていると判定された前記弱階層の放送の番組識別情報を登録する登録手段を備え、前記時刻表示手段は、前記表示処理手段によって前記弱階層の放送の映像表示から同番組についての前記強階層の放送の映像表示への切り替えがなされ、かつ、当該弱階層の放送について前記登録手段による前記番組識別情報の登録が行われており、さらに、前記時刻表示判定手段によって当該強階層の放送において前記時刻表示がなされていないと判定された場合に、当該強階層の放送について、前記監視範囲内への前記現在の時刻の表示を行ってもよい。
【0013】
そして、このような構成によれば、フルセグの視聴時に時刻表示が行われていたにもかかわらずワンセグの視聴に切り替わった後に時刻表示が全く行われなくなる不具合を回避することが可能となる。
【0014】
さらにまた、本発明のデジタル放送受信装置は、車載機に搭載されたものであってもよい。
【0015】
そして、このような構成によれば、車載機においても、時刻表示を簡便かつ安定的に行うことが可能となる。とりわけ、昨今では、小型車を中心に時計を表示するディスプレイが削減される傾向にあるため、このような車種での時刻表示を確保することは有効である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、時刻表示を簡便かつ安定的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係るデジタル放送受信装置の第1実施形態を示すブロック図
【図2】本発明に係るデジタル放送受信装置の第1実施形態において、監視範囲の一例を示す模式図
【図3】本発明に係るデジタル放送受信装置の第1実施形態において、画面の遷移状態を示す模式図
【図4】本発明に係るデジタル放送受信装置の第1実施形態を示すフローチャート
【図5】本発明に係るデジタル放送受信装置の第2実施形態において、画面の遷移状態を示す模式図
【図6】本発明に係るデジタル放送受信装置の第2実施形態を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1実施形態)
以下、本発明に係るデジタル放送受信装置の第1実施形態について、図1乃至図4を参照して説明する。
【0019】
本実施形態におけるデジタル放送受信装置は、地上デジタル放送における同一の伝送帯域(チャンネル)を用いて階層伝送されたフルセグ放送とワンセグ放送とを同時に受信し、これらの受信した各階層ごとの地上デジタル放送を選択的に映像・音声出力することが可能とされている。
【0020】
具体的には、図1に示すように、本実施形態におけるデジタル放送受信装置1は、受信手段としてのチューナ2を有しており、このチューナ2は、アンテナ2aを介して地上デジタル放送の電波(テレビ放送)を受信するようになっている。そして、チューナ2は、受信した地上デジタル放送の電波から、設定された伝送帯域に合致した受信周波数の信号を抽出(選択受信)し、この抽出した信号を後段に出力するようになっている。
【0021】
チューナ2の後段には、OFDM復調部3が接続されており、このOFDM復調部3には、チューナ2から出力された信号が入力されるようになっている。そして、OFDM復調部3は、入力された信号をOFDM復調することによってトランスポートストリームを取得し、この取得したトランスポートストリームを後段に出力するようになっている。
【0022】
OFDM復調部3の後段には、誤り訂正部4が接続されており、この誤り訂正部4には、OFDM復調部3から出力されたトランスポートストリームが入力されるようになっている。そして、誤り訂正部4は、入力されたトランスポートストリームを、必要に応じた誤り訂正を行った上で後段に出力するようになっている。
【0023】
誤り訂正部4の後段には、デマルチプレクサ部5が接続されて配設されており、このデマルチプレクサ部5には、誤り訂正部4から出力された後のトランスポートストリームが入力されるようになっている。そして、デマルチプレクサ部5は、入力された多重化されているトランスポートストリームを分離することによって、フルセグの映像ストリーム、フルセグの音声ストリーム、ワンセグの映像ストリームおよびワンセグの音声ストリームを取得するようになっている。さらに、デマルチプレクサ部5は、このようにして取得した各階層の映像・音声ストリームのうち、予め選択された階層の映像・音声ストリームを後段に出力するようになっている。
【0024】
デマルチプレクサ部5の後段には、表示処理手段としての機能を有するMPEGデコード部6が接続されており、このMPEGデコード部6の後段には、画像合成部9およびディスプレイ等からなる表示部7と、スピーカ等からなる音声出力部8とがそれぞれ接続されている。MPEGデコード部6には、デマルチプレクサ部5から出力された選択された階層の映像・音声ストリームが入力されるようになっている。そして、MPEGデコード部6は入力された映像ストリームをデコードして映像信号を取得し、この映像信号を画像合成部9を介して表示部7に出力するようになっている。また、MPEGデコード部6は、入力された音声ストリームをデコードして音声信号を取得し、この音声信号を音声出力部8に出力するようになっている。このようにして、選択された階層(ワンセグ/フルセグ)に該当する映像・音声ストリームの映像・音声出力が行われるようになっている。
【0025】
また、図1に示すように、デジタル放送受信装置1は、地上デジタル放送の映像・音声出力に関する各種の処理や制御を行う制御部10と、各種のユーザ操作が可能とされた操作部11とを有している。制御部10は、例えば、制御部10の機能を実現するためのプログラムやデータが記憶されたROMと、このROMに記憶されたプログラムを実行するCPUと、このCPUの処理結果を一時的に保存するRAMとによって構成してもよい。また、操作部11は、リモコン等であってもよい。
【0026】
ここで、制御部10は、操作部11を用いたユーザの選局操作にしたがって、チューナ2が受信すべき伝送帯域を決定し、決定された伝送帯域に合致する受信周波数をチューナ2に設定するようになっている。
【0027】
また、制御部10には、操作部11を用いたユーザ操作によって、階層選択(切り替え)モードが設定可能とされている。階層選択モードには、ワンセグ/フルセグを手動で選択(切り替え)する手動階層選択モードと、ワンセグ/フルセグを自動的に選択する自動階層選択モードとが含まれている。なお、自動階層選択モードは、更に、フルセグ優先選択、ワンセグ優先選択等の複数のモードに細分化されていてもよい。
【0028】
そして、制御部10は、所定の1つの階層選択モードが設定された状態で、設定された階層選択モードに応じたデジタル放送受信装置1の所定の動作にしたがって、ワンセグおよびフルセグのうちの映像・音声ストリーム(放送信号)の映像・音声出力を行うべき一方の階層を選択するようになっている。例えば、制御部10は、手動階層選択モードが設定されている状態では、操作部11を用いたユーザ操作にしたがった階層を選択するようになっている。また、制御部10は、自動階層選択モードが設定されている状態では、チューナ2の受信状態に応じた階層を自動的に選択するようになっている。なお、チューナ2の受信状態は、例えば、受信電界強度、C/N(Carrier to Noise ratio)値または誤り訂正部4の誤り訂正率等であってもよい。さらに、制御部10は、このようにして階層を選択すると、選択された階層を示す階層選択信号を生成し、これをデマルチプレクサ部5に出力するようになっている。
【0029】
これにより、デマルチプレクサ部5は、多重分離によって取得した各階層の映像・音声ストリームのうちの制御部10から出力された階層選択信号が示す階層(すなわち、予め選択された階層)の映像・音声ストリームを、前述のようにMPEGデコード部6に出力するようになっている。このようにして、フルセグ放送とワンセグ放送とが選択的に映像表示・音声出力されるようになっている。
【0030】
このような基本的構成に加えて、更に、本実施形態におけるデジタル放送受信装置1は、図1に示すように、時刻取得手段としての時刻取得部12を有している。この時刻取得部12は、現在の時刻を取得するようになっている。なお、時刻取得部12は、例えば、デジタル放送受信装置1と一体のナビゲーション装置におけるGPSレシーバの取得情報(GPS信号)や、デジタル放送受信装置1と一体のラジオの時報等によって現在の時刻を取得してもよい。
【0031】
また、本実施形態において、制御部10は、監視手段として機能し、表示部7における所定の監視範囲内に表示される映像を監視するようになっている。より具体的には、制御部10は、MPEGデコード部6によって取得された映像信号における前記監視範囲(XY座標範囲)に対応する各画素ごとの信号値を監視するようになっている。この信号値は、輝度値であってもよい。また、図2に示すように、前記監視範囲(図中の破線想像線で囲まれた範囲)は、一般的に時刻表示が行われる画面左上の範囲であってもよい。さらに、制御部10は、操作部11による視聴局の変更操作(チャンネル切り替え)や同一視聴局における放送時間の経過等によって視聴番組が変更された場合には、監視範囲内の映像の監視結果をリセットして、新たな視聴番組に対する監視範囲内の映像の監視を開始すればよい。
【0032】
さらに、本実施形態において、制御部10は、時刻表示判定手段として機能し、前記監視範囲内の映像の監視結果(監視手段の監視結果)に基づいて、時刻表示の有無を判定するようになっている。具体的には、制御部10は、前記監視範囲内に所定時間にわたって映像が変化しなかった部分(画素)が存在する場合には、前記監視結果に該当するテレビ放送において時刻表示がなされていると判定するようになっている。一方、制御部10は、前記監視範囲内に所定時間にわたって映像が変化しなかった部分(画素)が存在しない場合には、前記監視結果に該当するテレビ放送において時刻表示がなされていないと判定するようになっている。なお、前記所定時間は、時刻表示がなされているため映像が変化しないとみなすに相応しい時間であれば如何なる時間を設定してもよく、秒単位または分単位の時間であってもよい。
【0033】
さらにまた、本実施形態において、制御部10は、時刻表示手段として機能し、前記時刻表示がなされていないと判定されたテレビ放送について、前記監視範囲内に、時刻取得部12によって取得された現在の時刻を、放送映像上に重畳された状態で表示するようになっている。一方、制御部10は、前記時刻表示がなされていると判定されたテレビ放送については、前記監視範囲内に、時刻取得部12によって取得された現在の時刻を表示しないようになっている。
【0034】
これにより、例えば、図3(a)に示すように、視聴番組において時刻表示がなされていない場合であっても、図3(b)に示すように、時刻取得部12によって取得された現在の時刻(取得時刻)を放送映像上に表示することができる。
【0035】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0036】
本実施形態においては、まず、図4のステップ1(ST1)において、制御部10の監視手段としての機能により、所定時間分の監視範囲内の映像の監視を開始する。この監視の開始のトリガは、テレビ放送の受信の開始であってもよい。
【0037】
次いで、ステップ2(ST2)において、制御部10の時刻表示判定手段としての機能により、ステップ1(ST1)における監視結果に基づいて、前述した手法によって、時刻表示がなされているか否かを判定する。そして、ステップ2(ST2)において肯定的な判定結果が得られた場合には、処理を終了し、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ3(ST3)に進む。
【0038】
次いで、ステップ3(ST3)において、制御部10の時刻表示手段としての機能により、現在の時刻を時刻取得部12から取得する。
【0039】
次いで、ステップ4(ST4)において、制御部10の時刻表示手段としての機能により、ステップ3(ST3)において取得された現在の時刻を、画像合成部9において放送映像と合成させることによって前記監視範囲内の所定の位置に表示して、処理を終了する。
【0040】
このような図4の処理は、視聴番組の変更にともなって繰り返してもよい。このとき、時刻取得部12の取得時刻を表示している場合には、視聴番組の変更とともに当該時刻の表示を中止してもよい。
【0041】
(第2実施形態)
次に、デジタル放送受信装置の第2実施形態について、図5および図6を参照して説明する。
【0042】
なお、本実施形態におけるデジタル放送受信装置は、外部構成は第1実施形態と同様であるので、第1実施形態と同一の符号を用いて説明する。
【0043】
本実施形態においては、制御部10が、登録手段として機能し、制御部10の時刻表示判定手段としての機能によって前記時刻表示がなされていると判定されたフルセグ放送の番組識別情報を、制御部10内の記憶部に登録するようになっている。なお、番組識別情報は、PSI(Program Specific Information)/SI(Service Information)であってもよい。
【0044】
そして、本実施形態において、制御部10の時刻表示手段としての機能は、次の(1)〜(3)の全ての条件が満足された場合に、前記監視範囲内への時刻取得部12によって取得された現在の時刻の表示を行うようになっている。
【0045】
(1)フルセグ放送の映像表示から同番組についてのワンセグ放送の映像表示への切り替え(階層切り替え)がなされたこと。
【0046】
(2)当該フルセグ放送について、制御部10の登録手段としての機能によって番組識別情報の登録が行われたこと。
【0047】
(3)当該ワンセグ放送について、制御部10の時刻表示判定手段としての機能によって、時刻表示がなされていないと判定されたこと。
【0048】
すなわち、本実施形態における制御部10の時刻表示手段としての機能による現在の時刻の表示は、フルセグ放送において時刻表示がなされていたのにかかわらず、ワンセグ放送に切り替わった途端に時刻表示がなされなくなったワンセグ放送を対象としている。
【0049】
本実施形態によれば、図5(a)に示すように、フルセグ放送の映像表示の際には放送映像として時刻表示がなされており、その後、図5(b)に示すように、ワンセグ放送に切り替わった途端に時刻表示がなされなくなった場合においても、図5(c)に示すように、ワンセグの放送映像上に、時刻取得部12によって取得された現在の時刻を表示することができる。
【0050】
その他の構成は第1実施形態と同様であるので、詳細は省略する。
【0051】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0052】
図6に示すように、本実施形態においては、第1実施形態における図4のステップ1(ST1)およびステップ2(ST2)と同一の処理を行い、ステップ2(ST2)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ11(ST11)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ14(ST14)に進む。
【0053】
ここで、ステップ11(ST11)以降の処理について先に説明すると、まず、ステップ11(ST11)においては、制御部10の時刻表示手段としての機能により、現在映像表示されている放送がフルセグ放送であるか否かを、階層選択信号の出力結果等に基づいて判定する。そして、ステップ11(ST11)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ12(ST12)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、処理を終了する。
【0054】
次いで、ステップ12(ST12)において、制御部10の登録手段としての機能により、現在映像表示されているフルセグ放送の番組識別情報が登録済みであるか否かを判定する。そして、ステップ12(ST12)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ1(ST1)に戻り、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ13(ST13)に進む。
【0055】
次いで、ステップ13(ST13)において、制御部10の登録手段としての機能によって、現在映像表示されているフルセグ放送の番組識別情報を登録してステップ1(ST1)に戻る。
【0056】
次に、ステップ14(ST14)以降の処理について説明すると、まず、ステップ14(ST14)において、制御部10の時刻表示手段としての機能により、フルセグ放送からワンセグ放送への切り替えが行われたか否かを判定する。そして、ステップ14(ST14)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ15(ST15)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、処理を終了する。
【0057】
次いで、ステップ15(ST15)において、制御部10の時刻表示手段としての機能により、現在映像表示されているワンセグ放送と同番組の番組識別情報が登録されているか否かを判定する。そして、ステップ15(ST15)において肯定的な判定結果が得られた場合には、第1実施形態における図4と同様のステップ3(ST3)およびステップ4(ST4)を順次実行して処理を終了し、否定的な判定結果が得られた場合には、直ちに処理を終了する。
【0058】
以上述べたように、本発明によれば、制御部10により、監視範囲内の映像の監視結果に基づいた時刻表示の有無の判定結果にしたがって、時刻取得部12によって取得された現在の時刻を表示することができるので、時刻表示を簡便かつ安定的に行うことが可能となる。
【0059】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の特徴を損なわない限度において種々変更することができる。
【0060】
例えば、本発明は、車載機等の移動体向けの通信端末に適用してもよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0061】
1 デジタル放送受信装置
2 チューナ
6 MPEGデコード部
7 表示部
10 制御部
12 時刻取得部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビ放送を受信する受信手段と、
この受信手段によって受信された前記テレビ放送の放送信号に含まれる映像を表示部に表示する表示処理手段と
を備えたテレビ放送受信装置であって、
現在の時刻を取得する時刻取得手段と、
前記表示部における所定の監視範囲内の映像を監視する監視手段と、
この監視手段の監視結果に基づいて、前記監視範囲内に所定時間にわたって映像が変化しなかった部分が存在する場合には、前記監視結果に該当するテレビ放送において時刻表示がなされていると判定し、当該映像が変化しなかった部分が存在しない場合には、前記監視結果に該当するテレビ放送において時刻表示がなされていないと判定する時刻表示判定手段と、
この時刻表示判定手段によって前記時刻表示がなされていないと判定されたテレビ放送について、前記監視範囲内に、前記時刻取得手段によって取得された現在の時刻を表示する時刻表示手段と
を備えたことを特徴とするテレビ放送受信装置。
【請求項2】
前記監視手段は、
前記監視範囲に対応する各画素毎の映像信号の信号値を監視することによって、前記監視範囲内の映像の監視を行うこと
を特徴とする請求項1に記載のテレビ放送受信装置。
【請求項3】
前記受信手段は、同一の伝送帯域を用いて送信された弱階層の放送と強階層の放送とを含む地上デジタル放送を受信し、
前記表示処理手段は、前記弱階層の放送と前記強階層の放送とを選択的に映像表示し、
前記時刻表示判定手段によって前記時刻表示がなされていると判定された前記弱階層の放送の番組識別情報を登録する登録手段を備え、
前記時刻表示手段は、前記表示処理手段によって前記弱階層の放送の映像表示から同番組についての前記強階層の放送の映像表示への切り替えがなされ、かつ、当該弱階層の放送について前記登録手段による前記番組識別情報の登録が行われており、さらに、前記時刻表示判定手段によって当該強階層の放送において前記時刻表示がなされていないと判定された場合に、当該強階層の放送について、前記監視範囲内への前記現在の時刻の表示を行うこと
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のテレビ放送受信装置。
【請求項4】
車載機に搭載されること
を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のテレビ放送受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−249143(P2012−249143A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−120231(P2011−120231)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】