説明

テンプル及び眼鏡フレーム

【課題】眼鏡フレームがずれ落ちる虞を少なくすることができるテンプル及び眼鏡フレームを提供する。
【解決手段】テンプル1は、前端部側が眼鏡フレーム2の前枠3に取り付け可能に構成されるテンプル本体4と、テンプル本体4の下方に設けられテンプル本体4に着脱自在に取り付けられる取付具5とを備えている。取付具5は、湾曲部材51と、耳の裏側に当接可能な耳当接部52aを有する耳当て部材52と、湾曲部材51の所定部52bと耳当接部52aの前端部52cとを連結する可撓性の絡み防止部材53と、テンプル本体4を狭持する狭持部6とを備えている。テンプル本体4は、狭持部6の前方及び後方に、狭持部6がテンプル本体4に対して前方及び後方に移動するのを阻止する阻止部41を具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テンプル及び眼鏡フレームに関する。特に、眼鏡フレームがずれ落ちる虞を少なくすることができるテンプル及び眼鏡フレームに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者は、以前、眼鏡フレームに取り付け、眼鏡フレームの装着時に耳の裏側に当接する耳当接部によって眼鏡フレームのずれ落ちを防止する機能を有した取付具の発明を行っている(特許文献1)。この取付具によって、眼鏡フレームがずれ落ちる虞を少なくすることができる。
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の発明おいては、眼鏡フレームがずれ落ちる虞が充分に少なくならなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−72511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、斯かる従来技術の問題を解決するためになされたものであり、眼鏡フレームがずれ落ちる虞を少なくすることができるテンプル及び眼鏡フレームを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を本発明者が検討したところ、次の知見を得た。特許文献1に記載の発明においては、取付具がテンプル本体の側面を狭持するだけなので、取付具が、取り付けられたテンプル本体の位置から前方又は後方に移動する虞があった。取付具が前方に移動すると耳当接部が耳の裏側に強く当たって眼鏡フレームの装着者に不快感を与え、また、取付具が後方に移動すると耳当接部の耳の裏側への当接が充分に行われずに眼鏡フレームがずれ落ちる虞があった。
【0007】
本発明は、上記の本発明者の知見に基づき完成されたものである。すなわち、前記課題を解決するため、本発明は、前端部側が眼鏡フレームの前枠に取り付け可能に構成されるテンプル本体と、耳の裏側に沿うように湾曲する湾曲部材と、軸部材を介して前記湾曲部材と揺動可能に取り付けられ耳の裏側に当接可能な耳当接部を有する耳当て部材と、該湾曲部材の該耳当て部材が取り付けられる部位より前方にある所定部と該耳当接部の前端部とを連結する可撓性の絡み防止部材とを具備し前記テンプル本体に着脱自在に取り付けられる取付具とを備え、前記取付具及びテンプル本体のうちいずれか一方は、該取付具及びテンプル本体のうちいずれか他方の向きに開口し当該他方を挟持する凹溝形状を有した挟持部を具備し、前記取付具及びテンプル本体のうちいずれか他方は、前記挟持部の前方及び後方に設けられ該挟持部の前方及び後方への移動を阻止する阻止部を具備することを特徴とするテンプルを提供する。
【0008】
本発明によれば、取付具及びテンプル本体のうちいずれか一方に具備された挟持部が前方及び後方へ移動することが取付具及びテンプル本体のうちいずれか他方に具備された阻止部によって阻止され、取付具が、取り付けられたテンプル本体の位置から前方又は後方に移動することが阻止されるので、眼鏡フレームの装着者に不快感を与えずに、眼鏡フレームがずれ落ちる虞を少なくすることができる。
尚、本明細書において、眼鏡フレームを装着した装着者の頭部の水平断面の中心を基準として前頭部が有る方向を前方とし、後頭部が有る方向を後方としており、「前端部」とは、装着された眼鏡フレームにおいて、眼鏡フレームを構成する各部材における前方の端部をいい、「後端部」とは、眼鏡フレームを構成する各部材における後方の端部をいう。
また、本明細書における左方、右方は、眼鏡フレームを装着した装着者の左方、右方を意味する。
【0009】
好ましくは、前記狭持部の挟持面と、前記取付具及びテンプル本体のうちいずれか他方において該狭持部に挟持される被狭持面とのそれぞれは、互いに嵌合する凸部又は凹部を有することが望ましい。
【0010】
斯かる好ましいテンプルによれば、取付具とテンプル本体とが、凸部と凹部とによって嵌合されるので、取付具がテンプル本体から外れ難くなる。従って、眼鏡フレームの装着時に、取付具が外れて眼鏡フレームがずれ落ちる虞が少なくなる。
【0011】
また、前記課題を解決するため、本発明は、上述したいずれかのテンプルを備えることを特徴とする眼鏡フレームを提供する。
【0012】
上述したいずれかのテンプルを備えるので、眼鏡フレームがずれ落ちる虞が少なくなる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、取付具が、取り付けられたテンプル本体の位置から前方又は後方に移動することが阻止されるので、眼鏡フレームの装着者に不快感を与えずに、眼鏡フレームがずれ落ちる虞を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は第1の実施形態に係るテンプルを備えた眼鏡フレームの構成を示す図であり、図1(a)は、眼鏡フレームの側面図であり、図1(b)は、取付具をテンプル本体から取り外したときの眼鏡フレームの側面図であり、図1(c)は、図1(a)のA−A断面図であり、図1(d)は、図1(b)のB−B断面図であり、図1(e)は、同B−B断面において、取付具をテンプル本体から取り外すときの断面図である。
【図2】図2は耳当接部の2つの姿勢を示す眼鏡フレームの側面図であり、図2(a)は、耳当接部の前端部が湾曲部材側に押し付けられた姿勢での側面図であり、図2(b)は、耳当接部の前端部が湾曲部材から離間した姿勢での側面図である。
【図3】図3は、第2の実施形態に係るテンプルにおける狭持部付近のテンプル本体及び取付具の構成を示す図であり、図3(a)は、同テンプルにおける狭持部付近のテンプル本体及び取付具の部分側面図であり、図3(b)は、図3(a)におけるC−C断面図であり、図3(c)は、同C−C断面において取付具をテンプル本体から取り外すときの断面図である。
【図4】図4は、第2の実施形態に係るテンプルの他の例における狭持部付近のテンプル本体及び取付具の構成を示す図であり、図4(a)は、狭持部付近のテンプル本体及び取付具の部分側面図であり、図4(b)は、図4(a)におけるC−C断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係るテンプルについて添付図面を適宜参照しつつ説明する。
図1は本実施形態に係るテンプルを備えた眼鏡フレームの構成を示す図であり、図1(a)は、眼鏡フレームの側面図であり、図1(b)は、取付具をテンプル本体から取り外したときの眼鏡フレームの側面図であり、図1(c)は、図1(a)のA−A断面図であり、図1(d)は、図1(b)のB−B断面図であり、図1(e)は、同B−B断面において取付具をテンプル本体から取り外すときの断面図である。
テンプル1は、前端部側が眼鏡フレーム2の前枠3に取り付け可能に構成されるテンプル本体4と、テンプル本体4の下方に設けられテンプル本体4に着脱自在に取り付けられる取付具5とを備えている。
取付具5は、眼鏡フレーム2のテンプル本体4に取り付け可能に構成される湾曲部材51と、湾曲部材51の後端部に揺動自在に、且つ着脱自在に取り付けられ耳の裏側に当接可能な耳当接部52aを有する耳当て部材52と、耳当て部材52が取り付けられた湾曲部材51の部位より前方にある所定部52bと耳当接部52aの前端部52cとを連結する可撓性の絡み防止部材53と、テンプル本体4を狭持する狭持部6とを備えている。
湾曲部材51の後端部は、図1(c)に示すように断面形状が下方に向けて凹形状になっており、凹形状の両側面を軸部材54が架け渡している。
【0016】
耳当て部材52は、耳当接部52aの湾曲部分の略中間に、湾曲部材51の後端部に配せられた軸部材54に貫通される貫通穴を有した揺動部52dを具備している。揺動部52dの貫通穴が軸部材54に貫通されていることにより、耳当て部材52は軸部材54を中心として揺動することができる。
尚、耳当て部材52が湾曲部材51の後端部に取り付けられる構造は、上述した構造に限られず、耳当て部材52が湾曲部材51の後端部に揺動自在に取り付けられるならどのような構造でもよい。例えば、耳当て部材52が軸部材を具備し、湾曲部材51の後部が軸部材に貫通される貫通穴を具備してもよい。
【0017】
絡み防止部材53と耳当て部材52とは一体成型されている。絡み防止部材53の前端部は、所定部52bに、ねじ55によって固定されている。絡み防止部材53の所定部52bへの固定は、接着等の他の方法によってもよい。絡み防止部材53は弾性部材であり、例えば、エラストマ(天然ゴム、合成ゴム等の弾性を有する高分子物質)や形状記憶合金等で形成された板ばね等、種々の弾性部材が採用可能である。本実施形態では、耳当て部材52と絡み防止部材53とは、同一の素材であって一体成型されているが、耳当て部材5と絡み防止部材53とは別々の素材、又は同一の素材であって、接着やねじ等によって接合されていてもよい。
【0018】
狭持部6は、図1(d)に示すように、テンプル本体4の向きに開口し、前後方向に延びた凹溝形状によってテンプル本体4を狭持する。凹溝形状の対向する内側の2つの狭持面61、61がテンプル本体4を狭持する。このように、狭持部6は、テンプル本体4を前後方向に垂直な方向から狭持する。狭持部6は弾性を有しており、例えば可撓性樹脂より成っている。また、テンプル本体4は、例えば可撓性樹脂や金属から成っている。取付具5がテンプル本体4から取り外されているときの狭持面61、61間の距離t1は、被狭持面42におけるテンプル本体4の厚みt2よりも短くなっている。
【0019】
取付具5をテンプル本体4に取り付けるときには、テンプル本体4の下端部43を狭持部6の側面部63の上端に押し当てて開口部62を開き、取付具5をテンプル本体4の向きに押し込む。狭持部6の側面部63が弾性によって外側に開き、テンプル本体4の下端部43が凹溝形状の中に入り、取付具5がテンプル本体4に取り付けられる。取付具5がテンプル本体4に取り付けられた後は、テンプル本体4は挟持部6の弾性によって狭持される。
取付具5をテンプル本体4から取り外すときには、取付具5をテンプル本体4から離れる向きに引っ張ればよい。引っ張る力が狭持部6の狭持力を上回ると取付具5を取り外すことができる。
又は、図1(e)に示すようにテンプル本体4の下端部43が狭持面61に接触している箇所付近を前後方向に通る直線を軸として取付具5を回動させる(矢印Dの向き)。すると、挟持部6の弾性によって側面部63が曲がり、開口部62が開くので、取付具5をテンプル本体4から容易に取り外すことができる。このようにして取付具5を回動させると取付具5を容易に取り外すことができるが、眼鏡フレーム2の装着時に、取付具5を上記のように回動させる力が加わることは少ないので、眼鏡フレーム2の装着時に取付具5が自然に外れる虞は少ない。
本実施形態では、狭持部6がテンプル本体4を左右方向から狭持する構成を示したが、狭持部6はテンプル本体4をいずれの方向から狭持するようにしてもよい。しかしながら、眼鏡フレーム2の装着時に、狭持部6に前後方向に力が加わる虞があるので、狭持部6がテンプル本体4を前後方向から狭持する構成であると、取付具5が自然に外れる虞がある。
眼鏡フレーム2の装着時に、狭持部6に左右方向に力が加わる虞が少ないので、本実施形態のように狭持部6がテンプル本体4を左右方向から狭持する構成にすると、取付具5が自然に外れる虞が少なくなる。従って、狭持部6がテンプル本体4を左右方向から狭持する構成が好ましい。
【0020】
テンプル本体4は、図1(a)に示すように、狭持部6の前方及び後方に、狭持部6がテンプル本体4に対して前方及び後方に移動するのを阻止する阻止部41を具備している。阻止部41は、狭持部6の前面及び後面に接するように設けられている。
【0021】
このように、取付具5に具備された狭持部6が前方及び後方へ移動することがテンプル本体4に具備された阻止部41によって阻止され、取付具5が、取り付けられたテンプル本体4の位置から前方又は後方に移動することが阻止されるので、眼鏡フレーム2の装着者に不快感を与えずに、眼鏡フレーム2がずれ落ちる虞を少なくすることができる。
尚、本実施形態では、狭持部を取付具5に設け、阻止部をテンプル本体4に設けたが、狭持部をテンプル本体4に設け、阻止部を取付具5に設けてもよい。
【0022】
次に、絡み防止部材53によって切り替えられる耳当接部52aの2つの姿勢について、図2を参照して説明する。図2は耳当接部52aの2つの姿勢を示す眼鏡フレーム2の側面図であり、図2(a)は、耳当接部52aの前端部52cが湾曲部材51側に押し付けられた姿勢での側面図であり、図2(b)は、耳当接部52aの前端部52cが湾曲部材51から離間した姿勢での側面図である。
絡み防止部材53が可撓性を有する弾性部材で形成されているので、所定位置を切り替え点として当該切り替え点より耳当接部52aの前端部52cが湾曲部材51に近い側では、弾性力Faが作用し、図2(a)のように耳当接部52aの前端部52cが湾曲部材51側に押し付けられた位置で保持される。一方、耳当接部52aの前端部52cが、前記切り替え点より湾曲部材51から離間した位置にあると、絡み防止部材53が撓むことによって、弾性力の作用する方向が反転し、弾性力Fbが作用して、図2(b)のように耳当接部52aの前端部52cが湾曲部材51から離間した位置で保持される。
【0023】
したがって、使用者が眼鏡フレーム2を装着するときには、耳当接部52aの前端部52cが湾曲部材51から離間した位置で保持された姿勢(図2(b))にすることにより、前枠3と耳当て部材52の後端部との距離L2が図2(a)における距離L1と比べて広げられた状態となるため、耳当て部材52が邪魔になることなく(耳当て部材52を手で押さえておくことなく)容易に装着することができる。そして、耳に当接することによって、絡み防止部材53の姿勢が、耳当接部52aの前端部52cを湾曲部材51側へ押し付ける弾性力Faを作用させる姿勢(図2(a))へと切り替わり、耳当接部52aの後端部がしっかりと耳の裏側に当接可能となり、眼鏡フレーム2がずれ落ち難くなる。
【0024】
また、眼鏡フレーム2を取り外すときには、耳当接部52aの後端部を指で後側に押圧することによって、絡み防止部材53の姿勢が、耳当接部52aの前端部52cを湾曲部材51側から離間した位置へ押し付ける弾性力Fbを作用させる姿勢(図2(b))へと切り替わり、眼鏡フレーム2を容易に取り外すことができる。このとき、湾曲部材51と耳当接部52aの前端部52cとの間が絡み防止部材53で塞がれているため、髪の毛が湾曲部材51と耳当接部52aとの取り付け部分に入り込み難くなり、その部分に絡まることが抑制される。
【0025】
このように、絡み防止部材53がその弾性力によって耳当接部52aの姿勢を切り替えることができるため、眼鏡フレーム2をより容易に装着することができ、かつ、眼鏡フレームのずれ落ちをより効果的に抑制することができる。
【0026】
尚、本実施形態では、テンプル本体4の下方から取付具5が取り付けられる例を示したが、例えばテンプル本体4の左方からや右方からのようにテンプル本体4の側面のいずれの方向から取付具5が取り付けられるようにしてもよい。
【0027】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係るテンプルについて添付図面を適宜参照しつつ説明する。本実施形態に係るテンプルでは、第1の実施形態における狭持部6の狭持面61と、狭持部6に狭持されるテンプル本体4の被狭持面42とのそれぞれが、互いに嵌合する凸部又は凹部を有している。図3は、第2の実施形態に係るテンプルにおける狭持部付近のテンプル本体及び取付具の構成を示す図であり、図3(a)は、同テンプルにおける狭持部付近のテンプル本体及び取付具の部分側面図であり、図3(b)は、図3(a)におけるC−C断面図であり、図3(c)は、同C−C断面において取付具をテンプル本体から取り外すときの断面図である。
テンプル本体4の被狭持面42は、凸部71を有している。凸部71は、図3(b)に示すように前後方向に垂直な断面形状(以下、横断面形状という)が略半円形の山形であり、且つ、図3(a)に示すように前後方向に延びて設けられている。
狭持部6の狭持面61は、凹部72を有している。凹部72は図3(b)に示すように横断面形状が凸部71と嵌合する形状であり、且つ、図3(a)に示すように前後方向に延びて設けられており、凸部71と嵌合する。
【0028】
取付具5をテンプル本体4に取り付けるときには、テンプル本体4の下端部43を狭持部6の側面部63の上端に押し当てて開口部62を開き、取付具5をテンプル本体4の向きに押し込む。テンプル本体4の下端部43及び凸部71に押圧されて狭持部6の側面部63が弾性によって外側に開き、テンプル本体4の下端部43が凹溝形状の中に入り、凸部71が凹部72に嵌合し、取付具5がテンプル本体4に取り付けられる。取付具5がテンプル本体4に取り付けられた後は、テンプル本体4は挟持部6の弾性によって狭持され、更に凸部71と凹部72とが嵌合するので、取付具5がテンプル本体4から外れ難くなる。
取付具5をテンプル本体4から取り外すときには、図3(c)に示すようにテンプル本体4の下端部43が狭持面61に接触している箇所付近を前後方向に通る直線を軸として取付具5を回動させる(矢印Dの向き)。すると、挟持部6の弾性によって側面部63が曲がり、開口部62が開くので、凸部71と凹部72との嵌合が外れ易くなり、取付具5をテンプル本体4から容易に取り外すことができる。このようにして取付具5を回動させると取付具5を容易に取り外すことができるが、眼鏡フレーム2の装着時に、取付具5を上記のように回動させる力が加わることは少ないので、眼鏡フレーム2の装着時に取付具5が自然に外れる虞は少ない。
このように、眼鏡フレーム2の装着時は凸部71と凹部72とが嵌合するので、取付具5がテンプル本体4から外れ難くなる。従って、眼鏡フレーム2の装着時に、取付具5が外れて眼鏡フレーム2がずれ落ちる虞が少なくなる。
【0029】
凸部71の横断面形状は、略半円形の山形に限らず、取付具5がテンプル本体4と着脱自在に嵌合するならどのような形状でもよく、例えば、略三角形の山形や略台形の山形でもよい。一方、それぞれの凸部71に対面する凹部72の横断面形状は、それぞれの凸部71の横断面形状と嵌合する形状とすればよい。
【0030】
また、凸部71及び凹部72は、上述したように、前後方向に延ばして設けなくてもよい。図4は、第2の実施形態に係るテンプルの他の例における狭持部付近のテンプル本体及び取付具の構成を示す図であり、図4(a)は、狭持部付近のテンプル本体及び取付具の部分側面図であり、図4(b)は、図4(a)におけるC−C断面図である。凸部71は略半球形状であり、凹部72は略半球形状に窪んだ形状である。凸部71及び凹部72を前後方向に延ばして設けなくても、狭持部6の狭持力を凸部71及び凹部72の形状や大きさで調整すればよい。
【0031】
尚、本実施形態の例では、被狭持面42に凸部71を設け、狭持面61に凹部72を設けたが、被狭持面42に凹部72を設け、狭持面61に凸部71を設けててもよい。また、2つの被狭持面42の内の1面に凸部71を設けて他の1面に凹部72を設け、それぞれの被狭持面42の凸部71及び凹部72に嵌合するように、狭持面61に凸部71及び凹部72を設けてもよい。
【0032】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0033】
1・・・テンプル
2・・・眼鏡フレーム
4・・・テンプル本体
41・・・阻止部
42・・・被狭持面
5・・・取付具
51・・・湾曲部材
52・・・耳当て部材
52a・・・耳当接部
52b・・・所定部
52c・・・耳当接部の前端部
54・・・軸部材
6・・・狭持部
61・・・狭持面
71・・・凸部
72・・・凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前端部側が眼鏡フレームの前枠に取り付け可能に構成されるテンプル本体と、
耳の裏側に沿うように湾曲する湾曲部材と、軸部材を介して前記湾曲部材と揺動可能に取り付けられ耳の裏側に当接可能な耳当接部を有する耳当て部材と、該湾曲部材の該耳当て部材が取り付けられる部位より前方にある所定部と該耳当接部の前端部とを連結する可撓性の絡み防止部材とを具備し前記テンプル本体に着脱自在に取り付けられる取付具とを備え、
前記取付具及びテンプル本体のうちいずれか一方は、該取付具及びテンプル本体のうちいずれか他方の向きに開口し当該他方を挟持する凹溝形状を有した挟持部を具備し、
前記取付具及びテンプル本体のうちいずれか他方は、前記挟持部の前方及び後方に設けられ該挟持部の前方及び後方への移動を阻止する阻止部を具備することを特徴とするテンプル。
【請求項2】
前記狭持部の挟持面と、前記取付具及びテンプル本体のうちいずれか他方において該狭持部に挟持される被狭持面とのそれぞれは、互いに嵌合する凸部又は凹部を有することを特徴とする請求項1に記載のテンプル。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のテンプルを備えることを特徴とする眼鏡フレーム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−155051(P2012−155051A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−12677(P2011−12677)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(308006689)株式会社プラネット・ビジョン60 (5)
【Fターム(参考)】