説明

テーブルタップ

【課題】各コンセントにプラグを差し込んで接続したそれぞれのACコードが互いに絡むのを防止できるテーブルタップを提供する。
【解決手段】複数のコンセント2を配列して設けたテーブルタップ本体10の片側にACコード支持部11を延設すると共に、紐状体6を張設固定するための複数の固定部5をACコード支持部11に千鳥状に配置して設け、これらの固定部5にジグザグ状に張設固定した紐状体6によって、各コンセント2にプラグ7aを差し込んで各固定部5の相互間から片側へ引き出されるそれぞれのACコード7を押えるようにしたテーブルタップとする。紐状体6でACコード7を押えて移動を抑制し、ACコード7が互いに絡み合うのを防止する。ACコード支持部に千鳥状に配置して設けた固定孔を通してスパイラル状に張設固定した紐状体でACコード7を押えるようにしてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はテーブルタップに関し、更に詳しくは、各コンセントにプラグを差し込んで接続したそれぞれのACコードが互いに絡み合うのを防止できるように改良したテーブルタップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のテーブルタップは、各コンセントにプラグを差し込んで接続したそれぞれのACコードがフリーの状態であるため、ACコードが互いに絡み合うという問題があった。
【0003】
このようなACコードの絡み合いや混乱を少なくする先行技術として、例えば机の前面部の天板下に、コンセントを囲むように開閉扉を有するリード線収納ボックスを設け、コンセントに接続した各機器のリード線をボックス内にまとめて収納することにより、余分なリード線が露出しないようにして体裁を向上させたものが知られている(特許文献1)。
【0004】
また、テーブルタップ全体を開閉自在な保護カバーに収容し、テーブルタップの電源コードと、テーブルタップのコンセントにプラグを差し込んで接続したACコードを、保護カバーに形成した導出口から外部へ引き出すようにしたものや(特許文献2)、コンセントタップを囲むボックスを設け、ボックス内に立設したコードガイドに充電器のコード線を巻き付けてコード線を整理するようにしたもの(特許文献3)も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−63969号公報
【特許文献2】特開2003−187900号公報
【特許文献3】実用新案登録第3123019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1の技術は、余分なリード線をリード線収納ボックスに収容することによって体裁を向上させることはできるが、リード線収納ボックスの内部において余分なリード線がフリーの状態にあるため、ボックス内部でリード線同士が絡み易いという問題があった。
【0007】
また、特許文献2の技術は、保護カバーによってテーブルタップのコンセントへの異物浸入などを防止することはできるが、各コンセントに接続された複数本のコードが保護カバーの片方の一つの導出口から外部へ引き出されるため、導出口を出た近傍箇所でコード同士が絡み易いという問題があった。
【0008】
また、特許文献3の技術は、ボックス内に立設したコードガイドに各充電器のコード線を一緒に巻き付けているので、やはりボックス内でコード線が絡み易いという問題があった。
【0009】
本発明は上記事情の下になされたもので、その解決しようとする課題は、各コンセントにプラグを差し込んで接続したそれぞれのACコードが互いに絡むのを防ぐことができるテーブルタップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明に係るテーブルタップは、複数のコンセントを配列して設けたテーブルタップ本体の片側にACコード支持部を延設すると共に、紐状体を張設固定するための複数の固定部をACコード支持部に千鳥状に配置して設け、これらの固定部にジグザグ状に張設固定した紐状体によって、各コンセントにプラグを差し込んで各固定部の相互間から片側へ引き出されるそれぞれのACコードを押えるようにしたことを特徴とするものである。
このテーブルタップにおいては、固定部が倒立L形の係止片であるか、又は、中央にブリッジ部を有する穴であることが好ましい。
【0011】
本発明のもう一つのテーブルタップは、複数のコンセントを配列して設けたテーブルタップ本体の片側にACコード支持部を延設すると共に、紐状体を張設固定するための複数の固定孔をACコード支持部に千鳥状に配置して設け、これらの固定孔を通してスパイラル状に張設固定した紐状体によって、各コンセントにプラグを差し込んで片側へ引き出されるそれぞれのACコードを押えるようにしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明のテーブルタップのように、テーブルタップ本体の片側に延設したACコード支持部に複数の固定部を千鳥状に配置して設け、これらの固定部にジグザグ状に張設固定した紐状体によって、各コンセントにプラグを差し込んで各固定部の相互間から片側へ引き出されるそれぞれのACコードを押えるようにすると、それぞれのACコードがACコード支持部表面の各固定部の相互間において紐状体で拘束され、それぞれのACコードの移動が抑制されるため、ACコードが互いに絡み合うのを防止することができる。
【0013】
その場合、固定部が倒立L形の係止片であると、紐状体を倒立L形の各係止片に引っ掛けながら簡単にジグザグ状に張設固定して、各係止片の相互間に引き出されるそれぞれのACコードを確実に押えることができ、しかも、係止片がそれぞれのACコードを分離する仕切片の役目を果たすため、ACコードの絡み合いを確実に防止することができる。
また、固定部が中央にブリッジ部を有する穴であると、紐状体を各穴のブリッジ部の下側を潜らせながらジグザグ状に張設固定して、各穴の相互間に引き出されるそれぞれのACコードを押えることができ、しかも、ブリッジ部がACコード支持部表面から突き出さないので体裁が良く、物を引っ掛ける心配も解消される。
【0014】
また、本発明のもう一つのテーブルタップのように、ACコード支持部に千鳥状に配置して設けられた固定孔に紐状体を通してスパイラル状に張設固定し、この紐状体によってそれぞれのACコードを押えるようにしたものも、上記と同様にそれぞれのACコードが紐状体で拘束されて移動が抑制されるため、ACコードが互いに絡み合うのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係るテーブルタップの平面図であって、紐状体を張設固定する前の状態を示すものである。
【図2】同テーブルタップの正面図であって、紐状体を張設固定する前の状態を示すものである。
【図3】同テーブルタップの平面図であって、紐状体を張設固定してACコードを押えた状態を示すものである。
【図4】同テーブルタップの正面図であって、紐状体を張設固定してACコードを押えた状態を示すものである。
【図5】同テーブルタップの左側面図であって、紐状体を張設固定してACコードを押えた状態を示すものである。
【図6】固定部の他の例を示す斜視図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係るテーブルタップの平面図であって、紐状体を張設固定してACコードを押えた状態を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に基づいて、本発明に係るテーブルタップの代表的な実施形態を詳細に説明する。
【0017】
図1〜図5に示す実施形態のテーブルタップは、合成樹脂製のボトムケース1aとアッパーケース1bとからなるタップケース1に、ACコード7の先端のプラグ7aが差し込まれる4個のコンセント2を縦方向に一定間隔をあけて配列して埋設したものであって、それぞれのコンセント2はタップケース1の内部で並列に接続されており、それぞれのコンセント2に対応する4個のオン・オフスイッチ3がコンセント2の横に配設されている。なお、4は各コンセント2に電流(交流)を供給する電源コードである。
【0018】
コンセント2とオン・オフスイッチ3の個数は、4個に限定されるものではなく、複数個であればよい。また、各コンセント2への給電を個別にオン・オフする上記スイッチ3に代えて、全てのコンセント2への給電を一斉にオン・オフするスイッチを一つだけ設けたものでも勿論よい。
【0019】
複数個のコンセント2とオン・オフスイッチ3を配列して設けたテーブルタップ本体10の片側(ACコード7を引き出す側、この実施形態では左側)には、テーブルタップ本体10よりも厚みの小さい中空板状のACコード支持部11が延設されている。このACコード支持部11は、その上に引き出された各ACコード7を絡ませないように支持するもので、図2に示すようにアッパーケース1bを片側に拡張し、その拡張部分の下面にボトムケース1aの片側に延設した薄板部を重ねたものである。
【0020】
ACコード支持部11の上面(アッパーケース1bの拡張部分の上面)には、紐状体6を張設固定するための複数(5つ)の固定部5が設けられている。図2に示すように、これらの固定部5は倒立L形の係止片からなるもので、図1に示すように、ACコード支持部11の上面に千鳥状に配置して立設されており、図3に示すように、各コンセント2に先端のプラグ7aを差し込んで接続された各ACコード7が、それぞれの係止片5の相互間を通って片側へ引き出されるようになっている。
【0021】
図1,図2に示すように、千鳥状に配置された倒立L形の係止片5のうち、ACコード支持部11の左端縁沿いに位置する係止片5は、いずれも左側に直角に折れ曲がる姿勢で立設されており、反対側のテーブルタップ本体10沿いに位置する係止片5は、いずれも右側に直角に折れ曲がる姿勢で立設されている。そのため、図3,図4に示すように、一本の紐状体6をそれぞれの係止片5に引っ掛けると共に、紐状体6の両端部を両端の係止片5,5に巻き付けて固定することにより、一本の紐状体6をジグザグ状に張設固定できるようになっている。
【0022】
係止片5に張設固定する紐状体6は、ACコード7を移動しないように押えることができる引張強度を備えたものであれば、どのような材質のものでも使用可能であるが、例えば、絶縁性樹脂で被覆した樹脂被覆ワイヤ、合成樹脂製の紐などが好ましく使用される。
【0023】
上記のテーブルタップは、以下の要領で使用される。即ち、図3,4に示すように、各コンセント2に各ACコード7の先端のプラグ7aを差し込んで接続すると共に、各ACコード7を山なりに曲げながら各係止片5の相互間を通して片側へ引き出し、その上から紐状体6を各係止片5に引っ掛けてジグザグ状に張設固定することにより、ACコード支持部11で支持された各ACコード7を紐状体6で押えて使用する。このようにすると、それぞれのACコード7がACコード支持部11の上面の各係止片5の相互間において紐状体6で拘束され、それぞれのACコード7の移動が抑制されると共に、各係止片5がそれぞれのACコード7を分離する仕切片の役目も果たすため、ACコード7の絡み合いを確実に防止することができる。
【0024】
上記実施形態のテーブルタップでは、紐状体6をジグザグ状に張設固定するための固定部として、倒立L形の係止片5をACコード支持部11の上面に千鳥状に配置して立設しているが、例えば、図6に示すような固定部50をACコード支持部11の上面に千鳥状に配置して設けてもよい。
【0025】
即ち、この固定部50は、ACコード支持部11の上面に長方形の穴50aを形成すると共に、その穴50aの中央にブリッジ部50bを形成したものであって、前記紐状体6を穴50aのブリッジ部50bの下側を潜らせてジグザグ状に張設固定するものである。このような固定部50は、ブリッジ部50bがACコード支持部11の上面から突き出さないので体裁が良く、物を引っ掛ける心配もないという利点がある。
【0026】
図7に示すテーブルタップは、紐状体6を張設固定するための複数の固定孔51をACコード支持部11に千鳥状に配置して設け、これらの固定孔51を通してスパイラル状に張設固定した紐状体6によって、各コンセント2にプラグ7aを差し込んで片側へ引き出されるそれぞれのACコード7を押えるようにしたものであり、紐状体6の両端はACコード支持部11の下面に固定されている。
その他の構成は前記のテーブルタップと同様であるので、図7において同一部材に同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0027】
このようなテーブルタップも、スパイラル状に張設固定された紐状体6によってそれぞれのACコード7が押えられ、その移動が抑制されるため、ACコード7が互いに絡み合うのを確実に防止することができる。
【符号の説明】
【0028】
1 タップケース
2 コンセント
3 オン・オフスイッチ
5 固定部(倒立L形の係止片)
6 紐状体
7 ACコード
7a プラグ
10 テーブルタップ本体
11 ACコード支持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンセントを配列して設けたテーブルタップ本体の片側にACコード支持部を延設すると共に、紐状体を張設固定するための複数の固定部をACコード支持部に千鳥状に配置して設け、これらの固定部にジグザグ状に張設固定した紐状体によって、各コンセントにプラグを差し込んで各固定部の相互間から片側へ引き出されるそれぞれのACコードを押えるようにしたことを特徴とするテーブルタップ。
【請求項2】
上記固定部が倒立L形の係止片であることを特徴とする請求項1に記載のテーブルタップ。
【請求項3】
上記固定部が中央にブリッジ部を有する穴であることを特徴とする請求項1に記載のテーブルタップ。
【請求項4】
複数のコンセントを配列して設けたテーブルタップ本体の片側にACコード支持部を延設すると共に、紐状体を張設固定するための複数の固定孔をACコード支持部に千鳥状に配置して設け、これらの固定孔を通してスパイラル状に張設固定した紐状体によって、各コンセントにプラグを差し込んで片側へ引き出されるそれぞれのACコードを押えるようにしたことを特徴とするテーブルタップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−156078(P2012−156078A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−15956(P2011−15956)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)