説明

テーブル天板、家具調什器におけるプレート構造体

【課題】テーブル天板あるいは家具調什器に対するものであり、特に外的な熱に対しての表面塗料層の耐久性の向上を図るプレート構造体を供すること。
【解決手段】テーブル天板あるいは家具調什器を構成するベースプレート2の外表面2aに熱伝導性並びに熱放散性に優れた金属製プレート部材3を接合し、前記金属製プレート部材3の外表面3a上から耐熱塗料を塗布して耐熱塗料層4を形成してなり、金属製プレート部材が、アルミニウムプレート、ステンレスプレート、スチールプレート、銅プレートなどの金属材であり、その外表面3aに装飾性を有するものからなり、耐熱塗料層4が透過性並びに装飾性を有するものからなっていて、この耐熱塗料層越しに相乗的な装飾面を形成するテーブル天板、家具調什器におけるプレート構造体を構成するものである。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】 この考案は、例えば、テーブル天板あるいは家具調什器の天板あるいは各壁面を構成するプレート構造体に関するものであって、特に、外的な熱に対しての表面塗料層の耐久性の向上を図り、加えて装飾的変化性に優れたテーブル天板、家具調什器におけるプレートの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、家具類、特に、テーブルの天板については、その表面に対して耐熱性塗料による耐熱塗料層が設けられている。この耐熱塗料層は、テーブル天板の表面を装飾し、且つ、外的な熱に対してある程度の耐熱耐久性が要求されるものである。
【0003】
従来、この種のテーブル天板は、図2に示すもののように、木製あるいはプラスチック製のベースプレート11の外表面11aに直接的に有機系の耐熱塗料を塗布し、100〜500ミクロンの耐熱塗料層12を形成するものにすぎなかった。この従来の構造になるテーブル天板によれば、耐熱塗料層12の外面側に局部的な熱が加えられた場合、耐熱塗料層12越しにベースプレート11側に伝導される熱によって、耐熱塗料層12とベースプレート11との境界部に熱が残ってしまい、耐熱塗料層12の下面側から損傷が進行し、耐熱塗料層12による装飾部分を破損してしまうという難点を有していた。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
そこで、この考案は、例えば、テーブル天板において、当該テーブル天板を構成するベースプレートに対して直接的に耐熱塗料層を塗布形成するのではなしに、テーブル天板を構成するベースプレートの外表面に熱伝導性並びに熱放散性に優れた金属製プレート部材を接合し、前記金属製プレート部材の上から耐熱塗料を塗布して耐熱塗料層を形成して、外的な熱に対する耐熱塗料層の保護を図るとともに、装飾の変化性、並びにファッション性の向上に貢献するテーブル天板、家具調什器におけるプレート構造体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この考案は、上記する目的を達成するにあたって、具体的には、テーブル天板あるいは家具調什器を構成するベースプレートの外表面に熱伝導性並びに熱放散性に優れた金属製プレート部材を接合し、前記金属製プレート部材の上から耐熱塗料を塗布して耐熱塗料層を形成してなるテーブル天板、家具調什器におけるプレート構造体を特徴とするものである。
【0006】
さらに、この考案の好ましい構成によれば、テーブル天板あるいは家具調什器を構成するベースプレートの外表面に接合される金属製プレート部材が、アルミニウムプレート、ステンレスプレート、スチールプレート、銅プレートなどの金属材でなっていて、その表面がエッチング処理などを含む装飾面として形成されており、耐熱塗料層が透過性並びに装飾性を有するものからなっていて、耐熱塗料層越しに相乗的な装飾面を形成するテーブル天板、家具調什器におけるプレート構造体を特徴とするものでもある。
【0007】
【考案の実施の態様】
以下、この考案になるテーブル天板、家具調什器におけるプレート構造体について図面に示す具体的な実施例にもとづいて詳細に説明する。
図1は、この考案にかかるテーブル天板、家具調什器におけるプレート構造体についての具体的な実施例を示すものであって、これを概略的な断面図で示すものである。
【0008】
この考案になるテーブル天板、家具調什器におけるプレート構造体1は、テーブル天板、あるいはその他の家具調什器を構成するベースプレート2と、このベースプレート2の外表面2aに対して接合される金属製プレート部材3と、金属製プレート部材の上から塗布形成される耐熱塗料層4とを含むものからなっている。この考案において、前記ベースプレート2は、木製プレートあるいはプラスチックプレートのいずれであってもよい。
【0009】
前記ベースプレート2の外表面2aに対して接合される金属製プレート部材3は、熱伝導性並びに熱放散性に優れた金属材によって構成されるものであり、好ましい例として、アルミニウムプレート、ステンレスプレート、スチールプレート、銅プレート、あるいはその他の金属材プレート、さらにはセラミックシートなどであってもよい。
【0010】
前記金属製プレート部材3は、約1mm程度の厚さ寸法を有するものであれば十分であり、材質によって、その厚さ寸法は適宜設定される。また、前記金属製プレート部材3は、その外表面3aに対して、例えば、エッチング処理などの手法によって装飾模様が形成されるようになっている。
【0011】
前記金属製プレート部材3は、前記ベースプレート2の外表面2aに対して、例えば、耐熱性に優れた接着剤によって接着接合されるようになっている。
【0012】
一方、前記耐熱塗料層4は、有機系の耐熱塗料の塗布によって塗膜形成されるものであり、塗膜寸法は、約100〜500ミクロン程度のものであればよい。
前記耐熱塗料層4は、透過性並びに装飾性を有するものからなっていて、塗膜自体によって装飾模様を描写するようにも形成することができ、さらに、耐熱塗料層越しに前記金属製プレート部材3の外表面3aにおける装飾模様との間において相乗的な装飾面を形成するように構成される。
【0013】
尚、この考案になるプレート構造体1の適用範囲は、テーブル天板が代表的なものであるが、上記範囲のみに限定されるものではなく、家具類であって、所謂什器と称される室内装置品における天板、各側壁のいずれに対しても変更することなく適用することができる。
【0014】
【考案の効果】
以上の構成になるこの考案のテーブル天板、家具調什器におけるプレートは、構造が簡単であり、工場サイドにおける多量生産化が可能なものであって、経済的に極めて有利に作用し得るものであって、さらに、組み立て製造作業が簡単であるという点などと併せて極めて実効性の高いものであるといえる。
【0015】
さらに、この考案になるテーブル天板、家具調什器におけるプレート1は、ベースプレート2、金属製プレート部材3および耐熱塗料層4の各構成部材をそれぞれその構成例の範囲において選択的に組み合わせて適用することができるものであって、その点において、例えば、金属製プレート部材3の外表面3aに対する模様描出と、耐熱塗料層4に対する透過度並びに耐熱塗料層自体に対する模様描出の適宜設定によって、バラエティーに富んだ装飾の変化性、並びに室内装置品としてのファッション性の向上に貢献するものといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この考案にかかるテーブル天板、家具調什器におけるプレートの具体的な実施例を示す概略的な断面図である。
【図2】図2は、従来のテーブル天板の構造例を示す概略的な断面図である。
【符号の説明】
1 プレート構造体
2 ベースプレート
2a ベースプレートの外表面
3 金属製プレート部材
3a 金属製プレート部材の外表面
4 耐熱塗料層

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 テーブル天板あるいは家具調什器を構成するベースプレートの外表面に熱伝導性並びに熱放散性に優れた金属製プレート部材を接合し、前記金属製プレート部材の上から耐熱塗料を塗布して耐熱塗料層を形成してなることを特徴とするテーブル天板、家具調什器におけるプレート構造体。
【請求項2】前記テーブル天板あるいは家具調什器を構成するベースプレートが、木製プレート、プラスチックプレートであることを特徴とする請求項1に記載のテーブル天板、家具調什器におけるプレート構造体。
【請求項3】前記テーブル天板あるいは家具調什器を構成するベースプレートの外表面に接合される金属製プレート部材が、アルミニウムプレート、ステンレスプレート、スチールプレート、銅プレートなどであることを特徴とする請求項1に記載のテーブル天板、家具調什器におけるプレート構造体。
【請求項4】前記テーブル天板あるいは家具調什器を構成するベースプレートの外表面に接合される金属製プレート部材が、その表面に装飾性を有するものからなり、前記耐熱塗料層が透過性並びに装飾性を有するものからなっていて、前記耐熱塗料層越しに相乗的な装飾面を形成することを特徴とする請求項1に記載のテーブル天板、家具調什器におけるプレート構造体。

【図1】
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【図2】
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【登録番号】第3024438号
【登録日】平成8年(1996)2月28日
【発行日】平成8年(1996)5月21日
【考案の名称】テーブル天板、家具調什器におけるプレート構造体
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平7−12850
【出願日】平成7年(1995)11月8日
【出願人】(392025711)株式会社アウラ (4)