説明

テーブル

【課題】天板を脚体の前方に大きく突出した状態で支持し、天板の下方に大きな下肢空間を形成する。
【解決手段】下端に前後方向を向くベース脚2aを有する左右の脚体2の上端同士を、左右方向を向く非円形断面の横連結杆3により連結し、この横連結杆3に、前後方向を向く少なくとも左右1対の天板支持体4の後端部を、横連結杆3の前方に突出するように固着し、かつ左右の天板支持体4に、天板26の下面を、この天板26の大部分が横連結杆3の前方に位置するようにして取付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばOA機器等のキーボードの操作に適した天板を有するテーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のテーブルには、側面視逆T字形、I字形または門型をなす左右1対の脚体の上端部同士を、横連結杆により連結し、この横連結杆と左右の脚体により、天板の下面を支持して取付けたものや、例えば特許文献1に記載されているように、側面視前向コ字状をなす左右1対の脚体の後端同士を、横連結杆(ビーム)により連結するとともに、両脚体の上端の前方を向く支持部により、天板の下面を支持して取付けたものがある。
【0003】
また、左右の脚体に、キーボードを載置する補助天板を、主天板の前方に位置する使用位置と、主天板の下方に収納される不使用位置とに水平移動しうるように、平行リンク機構をもって取付けたものもある(例えば特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平5−228028号公報
【特許文献2】実公平3−30021号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の一般的なテーブル及び特許文献1に記載されているテーブルにおいては、いずれも、天板の下面が左右の脚体により直接支持されているため、脚体からの天板の前方への突出寸法は自ずと制限され、天板の下方に大きな下肢空間を形成することができない。
【0005】
そのため、天板に載置したキーボード等を、下肢を天板の下方に深く挿入した安楽姿勢で操作する際において、椅子や、それへの着座者の下肢がテーブルの脚体と近くなり、大きな開放感が得られなくなる。
また、天板の高さや角度を調節し得ないため、キーボード等を快適な姿勢で操作することができないという問題もある。
【0006】
上記特許文献2に記載されているテーブルにおいては、補助天板を主天板の前方に位置させうるので、上記前者のような問題が生じることはないが、補助天板を主天板の下方に収容した状態では、それが障害となるため、主天板を用いた通常のデスクワークを行い難いという問題がある。
【0007】
また補助天板は、使用位置では水平であり、角度を調節可能とはなっていないため、上記と同様、キーボード等を、使用者の好みに応じて快適に操作することはできない。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、天板を脚体の前方に大きく突出した状態で支持することにより、天板の下方に大きな下肢空間が形成され、下肢を深く挿入した際に、大きな開放感が得られるようにするとともに、天板の高さや角度を、使用目的に応じて最適に調節しうるようにしたテーブルを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1) 下端に前後方向を向くベース脚を有する左右の脚体の上端同士を、左右方向を向く非円形断面の横連結杆により連結し、この横連結杆に、前後方向を向く少なくとも左右1対の天板支持体の後端部を、横連結杆の前方に突出するように固着し、かつ前記左右の天板支持体に、天板の下面を、この天板の大部分が前記横連結杆の前方に位置するようにして取付ける。
【0010】
(2) 上記(1)項において、天板支持体を、上下方向に回動可能な平行リンク機構として、天板を高さ調節可能とするとともに、両平行リンク機構の後端を、横連結杆に固着した支持部材の前端部に、回動可能に枢着する。
【0011】
(3) 上記(2)項において、平行リンク機構の前端部と、後端部の不動部材との間に、平行リンク機構に上向きの付勢力を付与するとともに、その上下方向の回動をロックしうるガススプリングを設ける。
【0012】
(4) 上記(2)または(3)項において、左右の平行リンク機構の前端に、前後方向を向く天板支持アームの前端を上下に回動可能に枢着し、この天板支持アームに、天板の下面を角度調節可能に取付ける。
【0013】
(5) 上記(4)項において、平行リンク機構の前端部と天板の下面との間に、該天板に上向きの付勢力を付与するとともに、天板を所望の角度にロックしうる第2のガススプリングを設ける。
【0014】
(6) 上記(2)〜(5)項のいずれかにおいて、支持部材を上下2分割構造として、横連結杆を上下より挟持するようにして締付手段により固着する。
【0015】
(7) 上記(1)〜(6)項のいずれかにおいて、横連結杆を、互いに平行をなすように少なくとも前後2本設け、これら前後の横連結杆に、天板支持体または支持部材を固着する。
【0016】
(8) 上記(1)〜(7)項のいずれかにおいて、横連結杆の断面形状を、六角形または八角形とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載の発明によれば、天板は、脚体及びその横連結杆より大きく前方に突出した状態に取付けられているので、天板の下方には、大きな下肢空間が形成される。従って、天板に載置したキーボード等を、椅子及び着座者の下肢を天板の下方に深く挿入した安楽姿勢で操作する際などにおいて、大きな開放感が得られる。
【0018】
請求項2記載の発明によれば、天板を横連結杆より大きく前方に突出した状態で高さ調節しうるので、使い勝手が向上する。
【0019】
請求項3記載の発明によれば、天板の重量が大であっても、これを容易に高さ調節しうるとともに、任意の高さに簡単に固定して使用することができる。
【0020】
請求項4記載の発明によれば、天板の傾斜角度を調節しうるので、キーボード等の操作位置を、使用者の体格や好みに応じて最適に調節することができる。
【0021】
請求項5記載の発明によれば、天板の重量が大であっても、これを容易に傾斜させうるとともに、任意の傾斜位置に簡単に固定して使用することができる。
【0022】
請求項6記載の発明によれば、支持部材の横連結杆への固定を、脚体を取付けた状態のまま簡単に行いうるとともに、締付手段を緩めるだけで、支持部材を左右方向に移動しうるので、天板の左右方向の位置の調節も容易となる。
【0023】
請求項7記載の発明によれば、天板の荷重を、2本の横連結杆により安定して支持しうるので、横連結杆がねじれたり、下方に撓んだりするのが防止される。
【0024】
請求項8記載の発明によれば、横連結杆に対し、天板支持体または支持部材の固定面が6面ないし8面となるので、それらが強固に固定され、横連結杆を中心として下方に回動する恐れはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明を、例えばOA機操作用のテーブルに適用した斜視図、図2は、このテーブルの支持フレームの斜視図である。
【0026】
支持フレーム(1)は、側面視倒立T字状をなす左右1対の脚体(2)(2)と、両脚体(2)の対向面同士を連結する前後1対の互いに平行をなす横連結杆(3)(3)と、この両横連結杆(3)の中間部に、前方(以下、図1の斜め右下方を前として説明する)を向くように取付けられた天板支持体(4)とを備えている。
【0027】
脚体(2)は、前後方向を向くベース脚(2a)と、その中央よりも若干後部側において起立する、平面視概ね楕円形断面の脚柱(2b)とからなり、脚柱(2b)の上端には、前後の横連結杆(3)の両端部を支持して固定する支持部材(5)が固着されている。
【0028】
横連結杆(3)は、図3にも示すように、上下両面が水平面をなすほぼ六角形断面のアルミニウム合金等の管材よりなり、かつ内部の上下の対向面間には、左右方向を向いて互いに平行をなす前後1対の垂直平板状の補強リブ(6)(6)が連設されている。
両横連結杆(3)の両側端の開口部は、エンドキャップ(7)により閉塞されている。
【0029】
図3に示すように、支持部材(5)は、上面に前後の横連結杆(3)の下半部が嵌合される、その外形形状と補形をなす凹溝(8)(8)が形成された支持板(5a)と、この支持板(5a)と同形かつ上下対称形をなし、下面に前後の横連結杆(3)の上半部が嵌合される、その外形形状と補形をなす上向きの凹溝(9)を有する挟持板(5b)とからなっている。
【0030】
左右の支持板(5a)の凹溝(8)(8)に、前後の横連結杆(3)の両端部を嵌合したのち、それらの上半部に、挟持板(5b)の凹溝(9)を被せ、支持板(5a)と挟持板(5b)との中央部に挿通した左右2本のボルト(10)を、中空をなす脚柱(2b)の内面の左右の対向面に突設した上下方向を向く管状突部(11)の上端部のめねじ(12)に螺合するとともに、挟持板(5b)の前後の端部より挿通した左右2本ずつのボルト(13)を、支持板(5a)の上面のめねじ孔(14)に螺合することにより、脚柱(2b)と支持部材(5)と前後の横連結杆(3)の両端部とが、強固に結合されている。
【0031】
支持板(5a)と挟持板(5b)とをボルト(10)(13)により締付ける際において、それらの対向面間に締め代に相当する若干の隙間を形成することにより、横連結杆(3)の両端部は、支持部材(5)により締付けられるようにして強固に固定されている。
【0032】
横連結杆(3)の形状を、上述のように、上下両面が水平をなす六角形断面とすると、支持部材(5)の上下寸法を小としうるので、見栄えを向上させたり、後記するオプション部品の取付けなどが有利に行えるとともに、支持部材(5)を水平に容易に位置決めして固定することができる。
【0033】
また、横連結杆(3)の外周面の6面が、それと補形をなす支持部材(5)により強固に固定されるので、それが支持部材(5)を中心として回動したり、がた付いたりする恐れはない。
【0034】
さらに、横連結杆(3)の内部には、前後1対の垂直の補強リブ(6)が連設されているので、左右の脚体(2)間において横連結杆(3)が下方に撓んだり、ねじれたりするのが防止される。
なお、横連結杆(3)の断面形状は、上下両面が水平をなす八角形断面とすることもある。
【0035】
上記天板支持体(4)は、前後の横連結杆(3)の左右方向の中間部に取付けられた左右1対の支持部材、すなわち支持ブラケット(15)(15)と、両支持ブラケット(15)の前端に上下に回動可能に枢着された前方を向く左右1対の平行リンク機構(16)(16)とを備えている。
【0036】
支持ブラケット(15)は、上記支持部材(5)の左右寸法を小としただけで、それと同形をなし、下部の支持板(15a)と上部の挟持板(15b)との対向面に形成された凹溝(図示略)を、前後の横連結杆(3)の上半部と下半部に嵌合したのち、中央と前後の端部同士をねじ止めすることにより、前後の横連結杆(3)に強固に固定されている。
【0037】
左右の平行リンク機構(16)は、図5〜図6にも示すように、左右の支持ブラケット(15)における上部の挟持板(15b)の前端に一体的に形成した軸受部(17)(17)同士により回動自在に枢支された、左右方向を向く基軸(18)と、その外方の両突出端部に後端が固嵌された第1リンクアーム(19)と、その内方において、後端が挟持板(15b)の前端部上面の上向突部(20)に、左右方向を向く枢軸(21)をもって回動自在に枢支された、第1リンクアーム(19)よりも上位に位置する段違いの第2リンクアーム(22)と、第1、第2リンクアーム(19)(22)の前端同士を上下方向に回動自在に連結する左右方向を向く連結アーム(23)と、左右の連結アーム(23)の対向面同士を連結する連結杆(24)とを備えている。
【0038】
第2リンクアーム(22)の前端は、連結アーム(23)の内側方の後端に形成された切欠凹部(23a)に挿入することにより位置決めされ、この状態で、第2リンクアーム(22)の前端と連結アーム(23)と連結杆(24)とが、左右方向を向くねじ(図示略)により連結されている。
【0039】
左右の連結アーム(23)の前端には、天板支持アーム(25)(25)の前端が、第1、第2リンクアーム(19)(22)間の上方において左右方向を向く軸回りに上下に回動しうるようにして、後向きに枢着されている。
【0040】
左右の天板支持アーム(25)の上面には、天板(26)のやや後部寄りの下面が取付けられている。
【0041】
天板(26)は、後端面が後方に向かって膨出する円弧面をなすとともに、両側端面が前方に向かうにしたがって漸次内方に湾曲する円弧面をなし、さらに、前端面が後向きに凹入する円弧面とされた、左右寸法が前方に向かって漸次小をなす平面視概ね逆台形に形成され、その前端部には、若干軟質のエラストマ樹脂等よりなる手置き部(26a)が一体的に形成されている。
【0042】
手置き部(26a)の外周部は、その下面を斜め外上方を向く傾斜面とすることにより、上下寸法を小さくしてある(図8参照)。
【0043】
上述のように、前後の横連結杆(3)に固定した左右1対の支持ブラケット(15)(15)の前端に、平行リンク機構(16)(16)を、前方に突出させて取付け、その前端に枢着した天板支持アーム(25)(25)により天板(26)を支持すると、天板(26)は、そのほぼ全体が脚柱(2b)及び横連結杆(3)より前方に突出した状態に取付けられる。
【0044】
そのため、天板(26)の下方には、大きな下肢空間が形成され、天板(26)に載置したキーボード等を、椅子及び着座者の下肢を天板(26)の下方に深く挿入した安楽姿勢で操作する際などにおいて、大きな開放感が得られる。
【0045】
しかも、左右の平行リンク機構(16)の第1、第2リンクアーム(19)(22)は、段違いで、内方の第2リンクアーム(22)が上方に位置しているので、左右の第2リンクアーム(22)間の下方に、大ききな下肢空間が形成されるだけでなく、第1、第2リンクアーム(19)(22)との間に指や衣服等を挟む恐れがない。
【0046】
左右の平行リンク機構(16)同士は、連結杆(24)により連結されているので、互いに同期させて回動することができる。
【0047】
前後の横連結杆(3)は、上述したように、撓みやねじれに対する強度が高いので、天板(26)を前方に大きく突出させた状態で支持しても、強度的に何ら問題の生じる恐れはなく、天板(26)の荷重を確実に受支して、これを安定して支持することができる。
【0048】
左右の支持ブラケット(15)の取付ボルトを緩めることにより、平行リンク機構(16)及び天板(26)の左右方向の取付位置を変えることができる。
【0049】
基軸(18)と連結杆(24)との間の中央部には、平行リンク機構(16)を介して天板(26)を昇降させる際に、上向きの付勢力を付与する第1のガススプリング(27)の前後の端部が、前上方を向くようにして、基軸(18)と連結杆(24)に固着したコ字状のブラケット(28)(28)を介して枢着されている。
【0050】
また、連結杆(24)の中央部と天板(26)の後端部下面の中央部には、天板(26)を前傾させる際に上向きの付勢力を付与する第2のガススプリング(29)の前後の端部が、後上方を向くようにして、コ字状のブラケット(28)(28)を介して枢着されている。
【0051】
第1、第2のガススプリング(27)(29)は、図7に示すように(同一構造につき、第1のガススプリングのみ図示する)、ピストンロッド(27a)の前端より突出するバルブ(27b)を、ピストンロッド(27a)とブラケット(28)とを連結している平面視前向きコ字状の連結具(30)に枢着された作動レバー(31)の下端により押圧することにより、ロックが解除されてフリーとなり、ピストンロッド(27a)が内部のガス圧により突出するようになっている。
【0052】
上記作動レバー(31)の上端には、連結具(30)の前端の上方を向く支持片(32)に一端が取付けられたアウタケーブル(33)内のワイヤ(33a)の一端が連結されている。
【0053】
図6及び図8に示すように、天板(26)の手置き部(26a)の下面における左右の前部の隅部には、第1及び第2のガススプリング(27)(29)用のアウタケーブル(33)とワイヤ(33a)の他端が連結された操作手段(34)(34)が設けられている。
【0054】
なお、両操作手段(34)は、左右対称で同一構造であるため、右方の操作手段(34)についてのみ説明する。
操作手段(34)は、手置き部(26a)の前部の隅部下面に、その側端面とほぼ同方向を向くように斜め前後方向に傾斜させて形成された凹部(35)に嵌合され、周縁の鍔部(36a)が天板(26)の下面にねじ止めされた、上面が開口する凹形断面の支持ベース(36)と、この支持ベース(36)の凹部(36b)内に収容された操作レバー(37)と、支持ベース(36)の上端の開口面を塞ぐカバー板(38)とからなっている。
【0055】
支持ベース(36)の凹部(36b)の形状は、平面視において前半部がほぼ楕円形をなすとともに、後半部がほぼ方形とされ、後半部の底面は開口されている。
【0056】
凹部(36b)の前端部の上面には、枢軸(40)が突設されている。
操作レバー(37)の平面形は、左右幅が支持ベース(36)の凹部(36b)の左右寸法より若干小さいほぼ楕円形とされ、その前端部に下向き突設された枢支筒(41)を、支持ベース(36)の枢軸(40)に嵌合することにより、操作レバー(37)は、凹部(36b)内において枢軸(40)を中心として水平回動することができる。
【0057】
操作レバー(37)の後半部における支持ベース(36)の開口(39)と対向する部分には、下方が開口するとともに、長方形の枠状片(42)により囲まれた手掛け凹部(43)が形成されている。
【0058】
操作レバー(37)の中央部に形成された凹状断面をなす下向突条(44)の凹部内の上面中央には、ワイヤ(33a)の掛止突部(45)が突設されている。
【0059】
上述したアウタケーブル(33)の他端部は、支持ベース(36)の内側面の中央部に内向き突設された保持部(46)に止着され、アウタケーブル(33)より突出するワイヤ(33a)の他端は、それに固着されたワッシャ(47)を上記掛止突部(45)にねじ(48)止めすることにより、操作レバー(37)に連結されている。
【0060】
天板(26)の前部の側端部を、親指を上にして手により挟持し、下方の4指を操作レバー(37)の手掛け凹部(43)に下方より挿入し、外方に水平に引くと、操作レバー(37)が枢軸(40)を中心として外方に水平回動することにより、ワイヤ(33a)が引かれる。
【0061】
これにより、上述したように、作動レバー(31)が回動させられて、バルブ(27b)が押圧され、第1のガススプリング(27)はフリー状態となる。
【0062】
従って、天板(26)を、ガススプリング(27)により上向きの付勢力が付与された状態で、平行リンク機構(16)を上下に回動させて自由に昇降させることができ、任意の位置で操作レバー(37)から手を離せば、図4及び図5に示すように、第1のガススプリング(27)がロックされることにより、天板(26)の高さが調節される。
【0063】
なお、天板(26)の重量が比較的大であるときなどには、第1のガススプリング(27)のロックを解除した際に天板(26)が自重により下降しないように、平行リンク機構(16)の基軸(18)と第1リンクアーム(19)等との間に、例えばねじりばね等の補助付勢手段(図示略)を付加してもよい。
【0064】
左方の操作手段(34)を、上記と同じ要領で操作すると、第2のガススプリング
(29)のロックが解除されてフリー状態となることにより、天板(26)を、天板支持アーム(25)の枢支部を中心として上下に回動することができ、任意の回動位置で操作レバー(37)から手を離すことにより、第2のガススプリング(29)がロックされて天板(26)を所望の傾斜位置に調節することができる(図4参照)。
【0065】
上述のように、天板(26)の平面形を、前方側の左右寸法が漸次小をなす概ね逆台形とし、その左右の前隅部下面に、第1及び第2のガススプリング(27)(29)を作動させる操作手段(34)(34)を、手置き部(26a)の側端面と同方向を向くように斜め前後方向に傾斜させて設け、かつ両操作手段(34)の操作レバー(37)を、斜め前側方に水平に回動操作させうるようにすると、椅子への着座者の両手と左右の操作手段(34)とが近くなるため、椅子に座ったままの状態で、左右の操作レバー(37)を両手で容易に回動操作することができる。
【0066】
また、天板(26)の前隅部付近を把持すると、天板(26)の下方の親指を除いた4指が、自然に操作レバー(37)に触れるので、その操作性がよく、かつ天板(26)の高さや角度の調節動作と、操作レバー(37)の操作とを同時に行うことができる。
【0067】
図1及び図4、図5に示すように、前後の横連結杆(3)には、それぞれオプション部材である2本の支持ポール(50)(50)と、補助天板(51)とが、次のようにして取付けられている。
【0068】
図9及び図10に示すように、支持ポール(50)及び補助天板(51)取付用の取付部材(52)は、前方寄りの対向面に、横連結杆(3)の上半部と下半部の外形と補形をなす凹溝(53)(53)が形成された上下1対の固定板(52a)(52b)よりなり、両取付部材(52)における上部の固定板(52a)の後端部上面には、支持ポール(50)の下端と、補助天板(51)の支柱(54)の下端とが嵌合される凹孔(55)がそれぞれ形成されている。
【0069】
上下の固定板(52a)(52b)の凹溝(53)を横連結杆(3)に嵌合したのち、上部の固定板(52a)の前端部上方より挿入したボルト(56)の下端部を、下部の固定板(52b)のめねじ孔(57)に螺合するとともに、上下の固定板(52a)(52b)の後端部に、下方より挿通したボルト(58)の上端部を、凹孔(55)に下端を嵌合した支持ポール(50)と支柱(54)の下端部のめねじ孔(59)にそれぞれ螺合して共締めすることにより、取付部材(52)は、前部又は後部の横連結杆(3)に強固に固定され、また支持ポール(50)と支柱(54)も、取付部材(52)の上部に固定される。
【0070】
なお、支持部材(52)を横連結杆(3)に強固に固定するために、上下の固定板(52a)(52b)の対向面間には締め代分の若干の隙間が形成されている。
また、図9及び図10の2点鎖線に示すように、取付部材(52)の前後寸法は、これを前部の横連結杆(3)に固定した際、後端が後部の横連結杆(3)と干渉しない長さとされている。
【0071】
支柱(54)の上端には、補助天板(51)のやや前方寄りの下面が、支柱(54)に固着されたブラケット(60)を複数のねじ(61)により固定することにより、取付けられている。
【0072】
図4に示すように、支持ポール(50)には、パソコン等のディスプレイ(D)等を高さ調節可能に取付けることができ、また補助天板(51)にもディスプレイ(D)等を載置することができる。
【0073】
図10の2点鎖線で示すように、取付部材(52)を前部の横連結杆(3)に固定すると、補助天板(51)が前方に位置し、天板(26)に近づけることができるので、ディスプレイ(D)等を使用者が見易くなる。
【0074】
また、後部の横連結杆(3)に、取付部材(52)を180°反転させて固定することもでき、このようにすると、補助天板(51)を、より前方に位置させることができる。
なお、このように、補助天板(51)を前方に位置させる際には、支持ポール(50)は取外せばよい。
【0075】
取付部材(52)は、横連結杆(3)を上下より挟持するようにして固着されているため、ボルト(56)(58)を緩めるだけで、その取付位置を左右に任意に変更することができる。
【0076】
横連結杆(3)は、六角形断面をなしており、それに対する取付部材(52)の取付強度が大きいので、1本の横連結杆(3)のみに取付部材(52)を固定しても、ディスプレイ(D)等の荷重を十分に支持することができるが、より大きな荷重に耐えうるようにする際には、取付部材(52)の形状を、図3に示すような断面形状とし、前後2本の横連結杆(3)に跨がって固定するようにしてもよい。
【0077】
図1及び図11に示すように、左右の脚体(2)の上端に固着された支持部材(5)の上面には、前後方向の寸法が天板(26)の前後寸法よりも長寸をなすほぼ長方形のサイドテーブル(62)(62)における補助天板(63)の後端部下面が、次のようにして側方に水平回動可能に取付けられている。
【0078】
支持部材(5)の上半部の挟持板(5b)における中央部には、前後2個のねじ挿通孔(64)(図2参照)が穿設され、このねじ挿通孔(64)に、挟持板(5b)を下部の支持板(5a)に固定する前において下方よりねじ(65)を挿入し、このねじ(65)の上部を、支持基板(66)の下面中央に下向き突設された固定軸(67)の下端部のめねじ孔(図示略)に螺合することにより、支持基板(66)を、支持部材(5)と若干離間する上方に水平状に固定する。
【0079】
ついで、支持基板(66)の上面に、固定ベース(68a)と、この上面の環状溝に挿入した多数のボール(いずれも図示略)を介して回転自在に載設された回転板(68b)とからなる公知の回転支持体ユニット(68)を、固定ベース(68a)をねじ止めして取付ける。
【0080】
上記回転板(68b)を、補助天板(63)の後端部の下面中央にねじ止めすることにより、サイドテーブル(62)は、天板(26)の側方において、支持部材(5)を中心として側方に水平回動させることができる。
【0081】
補助天板(63)の前端部の下面中央には、高さ調節用のアジャスタ(69)を下端に取付けた支持脚(70)の上端が固着されている。
補助天板(63)の内方の側端面は、図1に示すように、内方に最大位置まで回動させたとき、天板(26)の両側面に沿って近接又は当接するように、その両側面とほぼ同じ曲率で外方に凹入する弧状面としてある。
【0082】
また、内方に最大位置まで回動させたとき、補助天板(63)の前端面と、天板(26)の前端面とが、ほぼ円弧状に連続するようになっている。
【0083】
上述のように、サイドテーブル(62)の補助天板(63)を、天板(26)の側方において、脚体(2)の脚柱(2b)の上端、すなわち支持部材(5)の上面に、側方に水平回動可能に設けると、補助天板(63)を独立して回動させることができ、その回動範囲が大となる。
【0084】
すなわち、左右の補助天板(63)を側方に大きく回動させると、サイドテーブル
(62)は左右方向に長くなるので、それらを作業用テーブルとして複数の作業者が使用することができる。
【0085】
また、補助天板(63)の内方に最大位置まで回動させ、天板(26)の上面を水平かつ補助天板(63)の上面と同一面をなすようにすると、連続する大きな天板面が形成されるので、広い作業面積が確保されるとともに、OA機器等の載置スペースを拡大することができる。
【0086】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
上記実施形態では、天板(26)を支持する天板支持体(4)、すなわち左右1対の平行リンク機構(16)を、支持ブラケット(15)を介して、左右の脚体(2)を連結する横連結杆(3)の中間部に設けているが、サイドテーブル(62)を省略して、天板(26)の左右寸法を大とする際には、脚柱(2b)の上端に固着した支持部材(5)に設けることもできる。
【0087】
また、天板(26)の高さや角度を調節する必要がないときには、平行リンク機構(16)やガススプリング(27)(29)等を省略し、その代わりに、左右の支持ブラケット(15)またはそれに固着した天板支持体を前方に突出させて設け、それらに天板(26)の下面を直接取付けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明のテーブルの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】同じく、テーブルにおける支持フレームの斜視図である。
【図3】同じく、図2のIII−III線拡大縦断側面図である。
【図4】同じく、サイドテーブルを取外して示す側面図である。
【図5】同じく、天板の高さを上げたときの側面図である。
【図6】同じく、平行リンク機構取付部と、ガススプリングの操作手段との平面図である。
【図7】図6のVII−VII線拡大縦断側面図である。
【図8】同じく、VIII−VIII線拡大縦断側面図である。
【図9】支持ポール取付部の縦断側面図である。
【図10】同じく、補助天板取付部の縦断側面図である。
【図11】図1におけるサイドテーブルのみの側面図である。
【符号の説明】
【0089】
(1)支持フレーム
(2)脚体
(2a)ベース脚
(2b)脚柱
(3)横連結杆
(4)天板支持体
(5)支持部材
(5a)支持板
(5b)挟持板
(6)補強リブ
(7)エンドキャップ
(8)(9)凹溝
(10)ボルト
(11)管状突部
(12)めねじ
(13)ボルト
(14)めねじ孔
(15)支持ブラケット(支持部材)
(15a)支持板
(15b)挟持板
(16)平行リンク機構
(17)軸受部
(18)基軸
(19)第1リンクアーム
(20)上向突部
(21)枢軸
(22)第2リンクアーム
(23)連結アーム
(23a)切欠凹部
(24)連結杆
(25)天板支持アーム
(26)天板
(26a)手置き部
(27)第1のガススプリング
(27a)ピストンロッド
(27b)バルブ
(28)ブラケット
(29)第2のガススプリング
(30)連結具
(31)作動レバー
(32)支持片
(33)アウタケーブル
(33a)ワイヤ
(34)操作手段
(35)凹部
(36)支持ベース
(36a)鍔部
(36b)凹部
(37)操作レバー
(38)支持ベース
(39)開口
(40)枢軸
(41)枢支筒
(42)枠状片
(43)手掛け凹部
(44)下向突条
(45)掛止突部
(46)保持部
(47)ワッシャ
(48)ねじ
(50)支持ポール
(51)補助天板
(52)取付部材
(52a)(52b)固定板
(53)凹溝
(54)支柱
(55)凹孔
(56)ボルト
(57)めねじ孔
(58)ボルト
(59)めねじ孔
(60)ブラケット
(61)ねじ
(62)サイドテーブル
(63)補助天板
(64)ねじ挿通孔
(65)ねじ
(66)支持基板
(67)固定軸
(68)回転支持体ユニット
(68a)固定ベース
(68b)回転板
(69)アジャスタ
(70)支持脚
(D)ディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下端に前後方向を向くベース脚を有する左右の脚体の上端同士を、左右方向を向く非円形断面の横連結杆により連結し、この横連結杆に、前後方向を向く少なくとも左右1対の天板支持体の後端部を、横連結杆の前方に突出するように固着し、かつ前記左右の天板支持体に、天板の下面を、この天板の大部分が前記横連結杆の前方に位置するようにして取付けたことを特徴とするテーブル。
【請求項2】
天板支持体を、上下方向に回動可能な平行リンク機構として、天板を高さ調節可能とするとともに、両平行リンク機構の後端を、横連結杆に固着した支持部材の前端部に、回動可能に枢着した請求項1記載のテーブル。
【請求項3】
平行リンク機構の前端部と、後端部の不動部材との間に、平行リンク機構に上向きの付勢力を付与するとともに、その上下方向の回動をロックしうるガススプリングを設けた請求項2記載のテーブル。
【請求項4】
左右の平行リンク機構の前端に、前後方向を向く天板支持アームの前端を上下に回動可能に枢着し、この天板支持アームに、天板の下面を角度調節可能に取付けた請求項2または3記載のテーブル。
【請求項5】
平行リンク機構の前端部と天板の下面との間に、該天板に上向きの付勢力を付与するとともに、天板を所望の角度にロックしうる第2のガススプリングを設けた請求項4記載のテーブル。
【請求項6】
支持部材を上下2分割構造として、横連結杆を上下より挟持するようにして締付手段により固着してなる請求項2〜5のいずれかに記載のテーブル。
【請求項7】
横連結杆を、互いに平行をなすように少なくとも前後2本設け、これら前後の横連結杆に、天板支持体または支持部材を固着してなる請求項1〜6のいずれかに記載のテーブル。
【請求項8】
横連結杆の断面形状を、六角形または八角形としてなる請求項1〜7のいずれかに記載のテーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−102101(P2006−102101A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−292590(P2004−292590)
【出願日】平成16年10月5日(2004.10.5)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】