テーブル
【課題】スライド可能な天板を備えたテーブル(机)において、天板のガタ付きを無くす。
【解決手段】天板2は、溝型レール16とガイドピン17とより成るスライドガイド装置を介して脚3で前後スライド可能に支持されている。脚3には、ロック装置15を構成する下機構部が取付けられている一方、天板2の下面部に、ロック装置を構成する前後一対のキャッチ部材23が固定されている。下機構部水平回転式の操作ハンドルを有しており、操作ハンドルにおける非円形のストッパー突起がキャッチ部材23のストッパー片に嵌合すること、及び、ストッパー突起に設けた中心穴にキャッチ部材23のセンター突起が嵌まることにより、天板2は前後左右にずれ不能に保持される。
【解決手段】天板2は、溝型レール16とガイドピン17とより成るスライドガイド装置を介して脚3で前後スライド可能に支持されている。脚3には、ロック装置15を構成する下機構部が取付けられている一方、天板2の下面部に、ロック装置を構成する前後一対のキャッチ部材23が固定されている。下機構部水平回転式の操作ハンドルを有しており、操作ハンドルにおける非円形のストッパー突起がキャッチ部材23のストッパー片に嵌合すること、及び、ストッパー突起に設けた中心穴にキャッチ部材23のセンター突起が嵌まることにより、天板2は前後左右にずれ不能に保持される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、天板を脚装置で支持してなるテーブル(机)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
脚装置で天板を支持したテーブルにおいて、天板を脚装置で前後スライド可能に支持して、天板の前後位置を段階的に又は無段階的に調節できるようにすることが行われている。そして、天板の前後スライドを許容するためには、例えば固定レールと可動レールとからなるガイドレール装置のように、脚と天板とに、互いに嵌まり合うスライドガイド装置を設けている(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開2005−211421号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
スライドガイド装置は複数の部材が互いに嵌まり合うことで構成されているが、加工誤差やスライドの容易性等のために複数の部材間の間の隙間を完全に無くすことは現実に不可能であり、部材間には多少の隙間が存在するのが普通である。このため、テーブルの天板上で様々の作業において、作業に伴って天板に外力が作用することで天板に水平方向のガタ付きが生じることがあった。また、何らかの理由でテーブルに振動が作用すると、この振動によって天板がカタカタとがた付くこともあった。
【0004】
本願発明は、この問題を解消することを主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明は幾つかの構成を備えている。このうち請求項1の発明に係るテーブルは、天板と、前記天板を支持する脚装置と、前記天板の前後スライドを許容するために当該天板と脚装置とに設けたスライドガイド装置と、天板をガタ付き不能に保持するロック装置とが備えられている。
【0006】
請求項2の発明では、請求項1において、前記ロック装置は、天板の下面部に設けた雌型係合部材と、前記雌型係合部材に下方から嵌脱させ得る状態で前記脚装置に設けた雄型係合部材とを備えており、前記雌型係合部材を前後方向に沿って複数個設けることにより、天板を複数の位置で前後動不能に保持できるようになっている。
【0007】
請求項3の発明は、請求項2において、前記雄型係合部材は、平面視で非円形の雄型ストッパー部を備えている一方、前記雌型係合部材は、前記雄型係合部材を水平回転させると前記雄型ストッパー部が遊嵌する状態ときっちり突っ張る状態とに切り替わる雌型ストッパー部が形成されている。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1〜3のうちの何れかにおいて、スライドガイド装置のうち脚装置に設けるガイド部材を左右位置変更可能な状態で脚装置に固定すると共に、ロック装置のうち脚装置に設ける部材を左右位置変更可能な状態で脚装置に固定しており、これらにより、一つの脚装置で1枚の天板の端部が支持されたシングル支持仕様と隣り合った2枚の天板の端部が一つの脚装置で支持された併設支持仕様との両方に切り替え可能になっている。
【発明の効果】
【0009】
本願発明によると、天板はロック装置によってガタ付き不能に保持されるため、使用に際して天板がガタ付いたり外部から伝わった振動によってガタ付いたりすることはなく、このため使用者や周囲の人が不快感を感じることを防止できる。
【0010】
ところで、スライド式天板を有するテーブルにおいて、天板は前後位置を複数段階に切り替えることが行われており、このためには、天板を所定位置において前後動不能に保持するストッパー手段(或いは位置決め手段)が必要である。しかして、請求項2の発明によると、ロック装置を構成する係合部材が天板の位置を規定する部材を兼用するため、天板の位置決め用のストッパー装置を別に設ける必要がない。従って、請求項2によると、天板の前後位置を複数に切り替えできるテーブルにおいて、構造を簡素化した状態で天板のガタ付きを防止できる利点がある。
【0011】
ロック装置で天板のガタ付きを阻止するための具体的な構造は多々採用し得るが、請求項3のように構成すると、回転式の雄型係合部材を回転操作するだけで良いため、天板のロック操作をごく簡単に行える利点がある。
【0012】
テーブルはその複数個を左右に並設することが広く行われており、この場合、左右に隣り合った天板を一つの脚装置で支持することにより、左右のテーブルで一つの脚装置を共用することが行われている。このように構成すると、多数のテーブルから成るテーブル群の全体の構成を簡素化できる利点がある。そして、請求項4の構成を採用すると、スライドガイド装置とロック装置とは、左右に隣り合ったテーブルで脚装置を共用した状態(換言すると左右の天板が脚装置で連結されている状態)の並設支持使用と、脚装置で1枚の天板の端部が支持されているだけのシングル支持仕様との両方に対応できる利点がある。
【0013】
本願発明では、請求項4とは異なって、並設支持仕様のためのスライドガイド装置及び/又はロック装置を別に設けることも可能である。また、本願発明の脚装置は天板を支持する機能を有するものを含む概念であり、従って、通常の脚が含まれるのは当然ながら、袖キャビネットのように他に主用途を備えているものも含まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
(1).テーブルの概略
図1のうち(A)はテーブル1の平面図、(B)は(A)のB−B視断面図である。テーブル1は、木製の天板2と、天板2を左右端部において支える金属製の左右の脚3と、左右脚3の後端に連結した金属板製のバックフレーム4とを主要部材として備えている。天板2は右側寄りの部分が手前に張り出した平面視L字形に近い形状になっており、張り出し部2aは棒状の補助足5で支えられている。天板2の後端部には、開閉式蓋で覆われたコンセントユニット6を設けている。コンセントユニット6には電源用コンセントの他に通信線用プラグなども設けている。
【0016】
脚3は脚装置の一例であり、中空状で側面視角形の基部6から上下のアーム8,9を前向き突出した側面視コ字状に形成されている。詳細は省略するが、脚3における基部7には外向きに開口した配線通路が形成されており、配線通路は着脱式のカバーで塞がれている。
【0017】
バックフレーム4は幕板を兼用しており、四周は折り返されて剛体構造になっている。本実施形態ではバックフレーム4はテーブル1を堅牢な状態に保持するための強度メンバーの役割を果たしており、例えば左右側部に形成した係合穴を脚3の背面に突設した頭付きピンに嵌め込むといった方法により、脚3に取り付けられている。
【0018】
図1の状態では天板2の左右端面は左右脚3の外側面とほぼ同じに揃えられているが、1つの脚3で左右に隣り合った天板2の端部を支持することも可能であり、この場合は、左右に隣り合ったバックフレーム4の端部は一つの脚3の背面の半分に重なっており、その状態でバックフレーム4と脚3とが連結されている。
【0019】
バックフレーム4の上面は天板2の上と略同じ高さになっている。天板2は、図1に実線で示す後退位置と一点鎖線で示す前進位置との2つの位置に選択的に保持できる。天板2が後退位置にある状態で当該天板2とバックフレーム4との間にはある程度の巾を有する配線空間10が空いている。天板2が前進位置にあるときは配線空間10の巾は当然に広くなり、このため、大きなコネクタ類も出し入れできる。
【0020】
バックフレーム4の前面には配線受け樋11を装着している。また、左右脚3は、基部7の前後略中間部でかつ上端部の箇所において補強ビーム12で連結されている。補強ビーム12は中空角形の部材を仕様しており、天板2との間にはごく僅かの隙間が空いている(密着させても良い)。
【0021】
(2).天板と脚との連結構造の概略
次に、天板2と脚3との連結構造を図2以下の図面を参照して説明する。図2はテーブル1の左端部の平面図、(B)は(A)の一部省略B−B視断面図(C)は(A)のC−C視断面図、図3は天板2の部分的な一部破断裏面図である。
【0022】
これら図2(A)及び図3に示すように、天板2の左右両端部の下面部には、請求項に記載したスライドガイド装置の一環として、天板側のガイド部材である溝型レール16が固定されている一方、脚3の上面には、脚側のガイド部材の一例として、溝型レール16に抜け不能でスライド自在に嵌まるガイドピン17が配置されている。ガイドピン17は頭部を有している。
【0023】
溝型レール16は前後方向に長く延びており、開口部を挟んで相対向した内向きフランジ16aとこの内向きフランジに連接して外側に張り出した外向きフランジ16bとを有している。溝型レール16は天板2の下面に形成した前後長手の凹溝穴18に嵌め込まれていて外向きフランジ16bがビス19で天板2に固定されている。溝型レール16の下面は天板2の下面と同一面に揃えられている。
【0024】
また、天板2の凹溝穴18には溝型レール16よりも手前に延びた延長部18aが形成されており、延長部18aの前後巾手寸法はガイドピン17の頭部の外径寸法よりも少し長くなっている。従って、凹溝穴18を延長部18aの箇所においてガイドピン17に嵌め入れてから、天板2を手間側にずらすと、ガイドピン17の頭部が溝型レール16に嵌まって、天板2は前後スライド可能でかつ上向き移動不能に保持される。
【0025】
天板2と脚3とを連結しておくためには、ガイドピン17の頭部が溝型レール16に嵌まっている必要があり、後述するロック装置が機能していない状態でも、不測の事態を防止するため、天板2が後退位置から更に後退して天板2だけが持ち上げられる状態は阻止する必要がある(机の分解時は別にして)。そこで、図2(C)に示すように、天板2が後退位置にあるとき補強ビーム12の前面に当たって天板2の後退動を阻止する戻り止めストッパー20をビス21で固定している。
【0026】
天板2は、その前部と後部とが溝型レール16とガイドピン17との嵌め合わせによって脚3に連結されている。このため、天板2を持ち上げるテーブル1の全体を持ち上げることができる。そして、天板2の前部と脚3の前部とに、天板2を後退位置と前進位置との2つの位置に選択的にかつガタ付きのない状態に保持するためのロック装置が設けられている。
【0027】
ロック装置は、脚3に設けた下機構部22と、天板2の下面部に固定したキャッチ部材23とで構成されており、キャッチ部材23は2個あり、天板2の下面部のうち前部の溝型レール16よりも内側の部位に前後に隔てて配置されている。前後キャッチ部材23の間隔は天板2の後退位置と前進位置とのストロークと同じ寸法になっている。図4〜図8も参照してロック装置の詳細を説明すする。
【0028】
(3).ロック装置
図4は脚3を構成する上アーム8の部分的な斜視図、図5はロック装置における下機構部22を構成する部材の分離斜視図、図6のうち(A)はロック装置を構成する部材の分離平面図、(B)はキャッチ部材23の底面図、(C)は(A)のC−C視断面図、図7のうち(A)はロック装置を構成する部材の分離正断面図、(B)は図6(B)の VIIB-VIIB視断面図、(C)は図6(A)の VIIC-VIIC視断面図、(D)は図6(A)の VIID-VIID視断面図、図8のうち(A)は組み立てた状態での図6(A)の VIIIA-VIIIA視断面図、(B)は(A)のB−B視部分断面図、(C)はロック状態での(B)と同じ位置の断面図、(D)はロック状態での図6(A)の VIID-VIID視箇所の部分断面図である。
【0029】
ロック装置の下機構部22は、脚3における上アーム8の上面に固定された金属板製の受け部材24と、受け部材24に下方から装着したハンドルホルダー25と、ハンドルホルダー25に下方から装着した操作ハンドル26とから成っている。
【0030】
受け部材24は脚3の上アーム8に固定される部分と、上アーム8の内側に張り出した略リング状の部分とを有している。図4から容易に理解できるように脚3の上アーム8は上向きに開口した略樋状になっており、上面には左右側面よりも中心線の側に入り込んだ上向きリブ27が形成されている。そして、上向きリブ27を切欠くことにより、受け部材24が上アーム8に前後ずれ不能に重なるようになっている。
【0031】
更に、上アーム8には、前後中心線を挟んだ左右2箇所に雌ねじ部28を設けており、この雌ねじ部28にねじ込んだ2本のビス29で受け部材24が上アーム8に固定されている。従って、受け部材24にはビス29が貫通する左右2つのビス穴31が空いており、左右ビス穴31の間(すなわち上アーム8の左右中間部)に前部のガイドピン17がビス32で固定されている。ガイドピン17にはビス31の頭が隠れる座繰り穴があいている。なお、後部のガイドピン17は上アーム8に形成した雌ねじ部にビスで固定されている。
【0032】
ハンドルホルダー25と操作ハンドル26との説明に先立って、キャッチ部材23を説明しておく。キャッチ部材23は合成樹脂製であって略下向き開口の箱状に形成されており、天板2に形成した下向き凹所33に嵌め込まれている。また、キャッチ部材23は左右2枚のフランジ部23aを有しており、フランジ部23aがビス34で天板2に固定されている。
【0033】
そして、キャッチ部材23の内部には、中心から下向きに突出したセンター突起35と、センター突起35を挟んで前後両側に配置されたストッパー片36とが一体に形成されている。ストッパー片36は請求項に記載した雌型ストッパー部の一例であり、左右中間部には前後両側に凹んだキャッチ凹所36aが形成されている。キャッチ部材23は樹脂製であるためストッパー片36は、多少は弾性変形し得る。キャッチ部材23の内周面のうち左右両側の部位には上下長手の補助凹所37aが形成されている。
【0034】
他方、操作ハンドル26は、人が指を当てて回転操作するための摘まみ部26aと、その上に位置したフランジ部26bと、その上に一体に連続した外筒部26cと、外筒部26c の内側に配置した内ボス部26dと、内ボス部26dの上端にから上向きに突設したストッパー突起37とを有している。ストッパー突起37は請求項に記載した雄型ストッパー部の一例であり、平面視で摘まみ部26aと同じ方向に長く延びる形状になっており、かつ、両端部は細巾の係止部37aになっている。
【0035】
そして、ストッパー突起37の平面視の長さ寸法はキャッチ部材23の補助凹所37aの間の間隔寸法によりは大きくて、ストッパー片36のキャッチ凹所36aの間の間隔寸法よりも僅かに大きい寸法になっている。このため、ストッパー突起37を、キャッチ部材23における補助凹所37aの間に延びる姿勢でキャッチ部材23の内部に下方より嵌め入れてから、操作ハンドル26を平面視で時計回りに回転させると、ストッパー突起37の係止部37aがストッパー片36のキャッチ凹所36aに嵌合し、これにより、天板2は前後左右のいずれの方向にもガタ付き不能(水平方向にガタツキ不能)に保持される。
【0036】
ハンドルホルダー25は、受け部材24のうち脚3の内側に露出している部分に下方からずれ不能に嵌まるようになっており、このため、受け部材24のリング部内に嵌合する環状凸部25aと、受け部材24に形成した角形の位置決め穴38に嵌合する突起39と、受け部材24の側面に重なる壁部25bとを有しており、前後2本のビス41で受け部材24に固定されている。
【0037】
また、ハンドルホルダー25には、操作ハンドル26の外筒部26cが嵌まる円形の嵌合穴42が空いており、これにより、操作ハンドル26はガタ付きしない状態でかつ回転可能に保持されている。また、操作ハンドル26の外筒部26cに一対の係合爪43を形成している。係合爪43はスリット44で区画されており、このため係合爪43は多少は弾性変形し得る。
【0038】
一方、ハンドルホルダー25の内周部には、操作ハンドル26の係合爪43を弾性に抗して嵌め込み得る一対の下段部45と、係合爪43を下段部45に嵌め入れてから更に操作ハンドル26を上方に一杯に差し込んでから操作ハンドル26を平面視で時計回りに回転させる係合爪43が載る一対の上段部466とを形成している。下段部45は操作ハンドル26の抜け止め部であり、係合爪43が下段部45に載っている状態では、操作ハンドル26のストッパー突起37は天板2の下面よりも下方に位置しており、このため天板2を前後にスライドさせ得る。
【0039】
他方、操作ハンドル26の係合爪43がハンドルホルダー25の上段部46に載っている状態では、操作ハンドル26のストッパー突起37がキャッチ部材23のキャッチ凹所36aに嵌合しており、この状態で操作ハンドル26は落下不能に保持されている。
【0040】
以上の説明から理解できるように、天板2を所定の前後位置にセットしてから、操作ハンドル26をそのストッパー突起37が左右方向に延びる姿勢で上方に押し込み、次いで、一杯に押し込んでから平面視で時計回りに方向に回転させると、ストッパー突起37とストッパー片36とが嵌合し、天板2は前後左右にガタ付き不能に保持(ロックされる)される。操作ハンドル26の回転角度は、係合爪43が上段部45の端部の壁に当たることで規制される。
【0041】
本実施形態では操作ハンドル26は回転式であるため、ロックとロック解除とをワンタッチ的に簡単に行える利点がある。また、キャッチ部材23におけるストッパー片36の弾性を利用してロック状態が保持されるため、振動等によってロックが解除されることはない。更に、キャッチ部材23のセンター突起35が操作ハンドル26におけるストッパー突起37の中心穴37bに嵌まっているため、操作ハンドル26とキャッチ部材23とはガタ付きのない安定の良い状態に保持されており、これによってガタ付き防止機能が一層向上している。
【0042】
図9に示すように、左右に隣り合った天板2を一つの脚3で支持することがある(図9では左右の天板2を密着した状態に描いているが、実際には、スライドをスムースならしめるため僅かの隙間を空けている。)。この場合は、図10に示すように、ロック装置の下機構部22を脚3の上アーム8に左右に振り分けて固定することにより、左右の天板2は前後スライド可能な状態で脚3に取付けられる。後部のガイドピン17は、脚3に固定したブラケット材(図示せず)に取付けることになる。左右連結用の専用の部材として、左右のリング部が脚3の左右両側に張り出した一つの受け部材製造して、この一つの受け部材に第1実施形態のハンドルホルダー25と操作ハンドル26とを装着することも可能である。
【0043】
左右に隣り合った天板2を一つの脚3で支持する態様としては、図11に参考例として示すように、左右の天板2の下面に跨がって延びる1枚の連結板48を脚3にビス49で固定し、連結板28と左右の天板2とをビス50で固定することも可能である。なお、符号51は鬼目ナットである。
【0044】
(4).その他
本願発明は上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えばスライドガイド装置の具体的な構成は必要に応じて任意に設定できる。また、ロック装置の構成も実施形態に限定されるものではなく、例えば下機構部を2つの部材で構成するといったことも可能である。操作部材は回転式のものには限らず、前後スライド式や上下動式なども採用できる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】(A)はテーブルの平面図、(B)は(A)のB−B視断面図である。
【図2】(A)はテーブルの左端部の平面図、(B)は(A)の一部省略B−B視断面図(C)は(A)のC−C視断面図である。
【図3】天板2の部分的な一部破断裏面図である。
【図4】脚における上アームの部分的な斜視図である。
【図5】ロック装置における下機構部の分離斜視図である。
【図6】(A)はロック装置を構成する部材の分離平面図、(B)はキャッチ部材23の底面図、(C)は(A)のC−C視断面図である。
【図7】(A)はロック装置を構成する部材の分離正断面図、(B)は図6(B)の VIIB-VIIB視断面図、(C)は図6(A)の VIIC-VIIC視断面図、(D)は図6(A)の VIID-VIID視断面図である。
【図8】(A)は組み立てた状態での図6(A)の VIIIA-VIIIA視断面図、(B)は(A)のB−B視部分断面図、(C)はロック状態での(B)と同じ位置の断面図、(D)はロック状態での図6(A)の VIID-VIID視箇所の部分断面図である。
【図9】併設支持仕様での部分的な正面図である。
【図10】併設支持仕様における受け部材の配置態様を示す平面図である。
【図11】併設支持仕様での参考図である。
【符号の説明】
【0046】
1 テーブル
2 天板
3 脚装置の一例としての脚(L脚)
8 脚の上アーム
14 スライドガイド装置
15 ロック装置
16 スライドガイド装置の一環をなす溝型レール
17 スライドガイド装置の一環を成すガイドピン
22 ロック装置を構成する下機構部
23 ロック装置を構成するキャッチ部材
24 ロック装置を構成するハンドルホルダー
25 ロック装置を構成する操作ハンドル
36 雌型ストッパー部の一例としてのストッパー片
37 雄型ストッパー部の一例としてのストッパー突起
【技術分野】
【0001】
本願発明は、天板を脚装置で支持してなるテーブル(机)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
脚装置で天板を支持したテーブルにおいて、天板を脚装置で前後スライド可能に支持して、天板の前後位置を段階的に又は無段階的に調節できるようにすることが行われている。そして、天板の前後スライドを許容するためには、例えば固定レールと可動レールとからなるガイドレール装置のように、脚と天板とに、互いに嵌まり合うスライドガイド装置を設けている(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開2005−211421号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
スライドガイド装置は複数の部材が互いに嵌まり合うことで構成されているが、加工誤差やスライドの容易性等のために複数の部材間の間の隙間を完全に無くすことは現実に不可能であり、部材間には多少の隙間が存在するのが普通である。このため、テーブルの天板上で様々の作業において、作業に伴って天板に外力が作用することで天板に水平方向のガタ付きが生じることがあった。また、何らかの理由でテーブルに振動が作用すると、この振動によって天板がカタカタとがた付くこともあった。
【0004】
本願発明は、この問題を解消することを主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明は幾つかの構成を備えている。このうち請求項1の発明に係るテーブルは、天板と、前記天板を支持する脚装置と、前記天板の前後スライドを許容するために当該天板と脚装置とに設けたスライドガイド装置と、天板をガタ付き不能に保持するロック装置とが備えられている。
【0006】
請求項2の発明では、請求項1において、前記ロック装置は、天板の下面部に設けた雌型係合部材と、前記雌型係合部材に下方から嵌脱させ得る状態で前記脚装置に設けた雄型係合部材とを備えており、前記雌型係合部材を前後方向に沿って複数個設けることにより、天板を複数の位置で前後動不能に保持できるようになっている。
【0007】
請求項3の発明は、請求項2において、前記雄型係合部材は、平面視で非円形の雄型ストッパー部を備えている一方、前記雌型係合部材は、前記雄型係合部材を水平回転させると前記雄型ストッパー部が遊嵌する状態ときっちり突っ張る状態とに切り替わる雌型ストッパー部が形成されている。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1〜3のうちの何れかにおいて、スライドガイド装置のうち脚装置に設けるガイド部材を左右位置変更可能な状態で脚装置に固定すると共に、ロック装置のうち脚装置に設ける部材を左右位置変更可能な状態で脚装置に固定しており、これらにより、一つの脚装置で1枚の天板の端部が支持されたシングル支持仕様と隣り合った2枚の天板の端部が一つの脚装置で支持された併設支持仕様との両方に切り替え可能になっている。
【発明の効果】
【0009】
本願発明によると、天板はロック装置によってガタ付き不能に保持されるため、使用に際して天板がガタ付いたり外部から伝わった振動によってガタ付いたりすることはなく、このため使用者や周囲の人が不快感を感じることを防止できる。
【0010】
ところで、スライド式天板を有するテーブルにおいて、天板は前後位置を複数段階に切り替えることが行われており、このためには、天板を所定位置において前後動不能に保持するストッパー手段(或いは位置決め手段)が必要である。しかして、請求項2の発明によると、ロック装置を構成する係合部材が天板の位置を規定する部材を兼用するため、天板の位置決め用のストッパー装置を別に設ける必要がない。従って、請求項2によると、天板の前後位置を複数に切り替えできるテーブルにおいて、構造を簡素化した状態で天板のガタ付きを防止できる利点がある。
【0011】
ロック装置で天板のガタ付きを阻止するための具体的な構造は多々採用し得るが、請求項3のように構成すると、回転式の雄型係合部材を回転操作するだけで良いため、天板のロック操作をごく簡単に行える利点がある。
【0012】
テーブルはその複数個を左右に並設することが広く行われており、この場合、左右に隣り合った天板を一つの脚装置で支持することにより、左右のテーブルで一つの脚装置を共用することが行われている。このように構成すると、多数のテーブルから成るテーブル群の全体の構成を簡素化できる利点がある。そして、請求項4の構成を採用すると、スライドガイド装置とロック装置とは、左右に隣り合ったテーブルで脚装置を共用した状態(換言すると左右の天板が脚装置で連結されている状態)の並設支持使用と、脚装置で1枚の天板の端部が支持されているだけのシングル支持仕様との両方に対応できる利点がある。
【0013】
本願発明では、請求項4とは異なって、並設支持仕様のためのスライドガイド装置及び/又はロック装置を別に設けることも可能である。また、本願発明の脚装置は天板を支持する機能を有するものを含む概念であり、従って、通常の脚が含まれるのは当然ながら、袖キャビネットのように他に主用途を備えているものも含まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
(1).テーブルの概略
図1のうち(A)はテーブル1の平面図、(B)は(A)のB−B視断面図である。テーブル1は、木製の天板2と、天板2を左右端部において支える金属製の左右の脚3と、左右脚3の後端に連結した金属板製のバックフレーム4とを主要部材として備えている。天板2は右側寄りの部分が手前に張り出した平面視L字形に近い形状になっており、張り出し部2aは棒状の補助足5で支えられている。天板2の後端部には、開閉式蓋で覆われたコンセントユニット6を設けている。コンセントユニット6には電源用コンセントの他に通信線用プラグなども設けている。
【0016】
脚3は脚装置の一例であり、中空状で側面視角形の基部6から上下のアーム8,9を前向き突出した側面視コ字状に形成されている。詳細は省略するが、脚3における基部7には外向きに開口した配線通路が形成されており、配線通路は着脱式のカバーで塞がれている。
【0017】
バックフレーム4は幕板を兼用しており、四周は折り返されて剛体構造になっている。本実施形態ではバックフレーム4はテーブル1を堅牢な状態に保持するための強度メンバーの役割を果たしており、例えば左右側部に形成した係合穴を脚3の背面に突設した頭付きピンに嵌め込むといった方法により、脚3に取り付けられている。
【0018】
図1の状態では天板2の左右端面は左右脚3の外側面とほぼ同じに揃えられているが、1つの脚3で左右に隣り合った天板2の端部を支持することも可能であり、この場合は、左右に隣り合ったバックフレーム4の端部は一つの脚3の背面の半分に重なっており、その状態でバックフレーム4と脚3とが連結されている。
【0019】
バックフレーム4の上面は天板2の上と略同じ高さになっている。天板2は、図1に実線で示す後退位置と一点鎖線で示す前進位置との2つの位置に選択的に保持できる。天板2が後退位置にある状態で当該天板2とバックフレーム4との間にはある程度の巾を有する配線空間10が空いている。天板2が前進位置にあるときは配線空間10の巾は当然に広くなり、このため、大きなコネクタ類も出し入れできる。
【0020】
バックフレーム4の前面には配線受け樋11を装着している。また、左右脚3は、基部7の前後略中間部でかつ上端部の箇所において補強ビーム12で連結されている。補強ビーム12は中空角形の部材を仕様しており、天板2との間にはごく僅かの隙間が空いている(密着させても良い)。
【0021】
(2).天板と脚との連結構造の概略
次に、天板2と脚3との連結構造を図2以下の図面を参照して説明する。図2はテーブル1の左端部の平面図、(B)は(A)の一部省略B−B視断面図(C)は(A)のC−C視断面図、図3は天板2の部分的な一部破断裏面図である。
【0022】
これら図2(A)及び図3に示すように、天板2の左右両端部の下面部には、請求項に記載したスライドガイド装置の一環として、天板側のガイド部材である溝型レール16が固定されている一方、脚3の上面には、脚側のガイド部材の一例として、溝型レール16に抜け不能でスライド自在に嵌まるガイドピン17が配置されている。ガイドピン17は頭部を有している。
【0023】
溝型レール16は前後方向に長く延びており、開口部を挟んで相対向した内向きフランジ16aとこの内向きフランジに連接して外側に張り出した外向きフランジ16bとを有している。溝型レール16は天板2の下面に形成した前後長手の凹溝穴18に嵌め込まれていて外向きフランジ16bがビス19で天板2に固定されている。溝型レール16の下面は天板2の下面と同一面に揃えられている。
【0024】
また、天板2の凹溝穴18には溝型レール16よりも手前に延びた延長部18aが形成されており、延長部18aの前後巾手寸法はガイドピン17の頭部の外径寸法よりも少し長くなっている。従って、凹溝穴18を延長部18aの箇所においてガイドピン17に嵌め入れてから、天板2を手間側にずらすと、ガイドピン17の頭部が溝型レール16に嵌まって、天板2は前後スライド可能でかつ上向き移動不能に保持される。
【0025】
天板2と脚3とを連結しておくためには、ガイドピン17の頭部が溝型レール16に嵌まっている必要があり、後述するロック装置が機能していない状態でも、不測の事態を防止するため、天板2が後退位置から更に後退して天板2だけが持ち上げられる状態は阻止する必要がある(机の分解時は別にして)。そこで、図2(C)に示すように、天板2が後退位置にあるとき補強ビーム12の前面に当たって天板2の後退動を阻止する戻り止めストッパー20をビス21で固定している。
【0026】
天板2は、その前部と後部とが溝型レール16とガイドピン17との嵌め合わせによって脚3に連結されている。このため、天板2を持ち上げるテーブル1の全体を持ち上げることができる。そして、天板2の前部と脚3の前部とに、天板2を後退位置と前進位置との2つの位置に選択的にかつガタ付きのない状態に保持するためのロック装置が設けられている。
【0027】
ロック装置は、脚3に設けた下機構部22と、天板2の下面部に固定したキャッチ部材23とで構成されており、キャッチ部材23は2個あり、天板2の下面部のうち前部の溝型レール16よりも内側の部位に前後に隔てて配置されている。前後キャッチ部材23の間隔は天板2の後退位置と前進位置とのストロークと同じ寸法になっている。図4〜図8も参照してロック装置の詳細を説明すする。
【0028】
(3).ロック装置
図4は脚3を構成する上アーム8の部分的な斜視図、図5はロック装置における下機構部22を構成する部材の分離斜視図、図6のうち(A)はロック装置を構成する部材の分離平面図、(B)はキャッチ部材23の底面図、(C)は(A)のC−C視断面図、図7のうち(A)はロック装置を構成する部材の分離正断面図、(B)は図6(B)の VIIB-VIIB視断面図、(C)は図6(A)の VIIC-VIIC視断面図、(D)は図6(A)の VIID-VIID視断面図、図8のうち(A)は組み立てた状態での図6(A)の VIIIA-VIIIA視断面図、(B)は(A)のB−B視部分断面図、(C)はロック状態での(B)と同じ位置の断面図、(D)はロック状態での図6(A)の VIID-VIID視箇所の部分断面図である。
【0029】
ロック装置の下機構部22は、脚3における上アーム8の上面に固定された金属板製の受け部材24と、受け部材24に下方から装着したハンドルホルダー25と、ハンドルホルダー25に下方から装着した操作ハンドル26とから成っている。
【0030】
受け部材24は脚3の上アーム8に固定される部分と、上アーム8の内側に張り出した略リング状の部分とを有している。図4から容易に理解できるように脚3の上アーム8は上向きに開口した略樋状になっており、上面には左右側面よりも中心線の側に入り込んだ上向きリブ27が形成されている。そして、上向きリブ27を切欠くことにより、受け部材24が上アーム8に前後ずれ不能に重なるようになっている。
【0031】
更に、上アーム8には、前後中心線を挟んだ左右2箇所に雌ねじ部28を設けており、この雌ねじ部28にねじ込んだ2本のビス29で受け部材24が上アーム8に固定されている。従って、受け部材24にはビス29が貫通する左右2つのビス穴31が空いており、左右ビス穴31の間(すなわち上アーム8の左右中間部)に前部のガイドピン17がビス32で固定されている。ガイドピン17にはビス31の頭が隠れる座繰り穴があいている。なお、後部のガイドピン17は上アーム8に形成した雌ねじ部にビスで固定されている。
【0032】
ハンドルホルダー25と操作ハンドル26との説明に先立って、キャッチ部材23を説明しておく。キャッチ部材23は合成樹脂製であって略下向き開口の箱状に形成されており、天板2に形成した下向き凹所33に嵌め込まれている。また、キャッチ部材23は左右2枚のフランジ部23aを有しており、フランジ部23aがビス34で天板2に固定されている。
【0033】
そして、キャッチ部材23の内部には、中心から下向きに突出したセンター突起35と、センター突起35を挟んで前後両側に配置されたストッパー片36とが一体に形成されている。ストッパー片36は請求項に記載した雌型ストッパー部の一例であり、左右中間部には前後両側に凹んだキャッチ凹所36aが形成されている。キャッチ部材23は樹脂製であるためストッパー片36は、多少は弾性変形し得る。キャッチ部材23の内周面のうち左右両側の部位には上下長手の補助凹所37aが形成されている。
【0034】
他方、操作ハンドル26は、人が指を当てて回転操作するための摘まみ部26aと、その上に位置したフランジ部26bと、その上に一体に連続した外筒部26cと、外筒部26c の内側に配置した内ボス部26dと、内ボス部26dの上端にから上向きに突設したストッパー突起37とを有している。ストッパー突起37は請求項に記載した雄型ストッパー部の一例であり、平面視で摘まみ部26aと同じ方向に長く延びる形状になっており、かつ、両端部は細巾の係止部37aになっている。
【0035】
そして、ストッパー突起37の平面視の長さ寸法はキャッチ部材23の補助凹所37aの間の間隔寸法によりは大きくて、ストッパー片36のキャッチ凹所36aの間の間隔寸法よりも僅かに大きい寸法になっている。このため、ストッパー突起37を、キャッチ部材23における補助凹所37aの間に延びる姿勢でキャッチ部材23の内部に下方より嵌め入れてから、操作ハンドル26を平面視で時計回りに回転させると、ストッパー突起37の係止部37aがストッパー片36のキャッチ凹所36aに嵌合し、これにより、天板2は前後左右のいずれの方向にもガタ付き不能(水平方向にガタツキ不能)に保持される。
【0036】
ハンドルホルダー25は、受け部材24のうち脚3の内側に露出している部分に下方からずれ不能に嵌まるようになっており、このため、受け部材24のリング部内に嵌合する環状凸部25aと、受け部材24に形成した角形の位置決め穴38に嵌合する突起39と、受け部材24の側面に重なる壁部25bとを有しており、前後2本のビス41で受け部材24に固定されている。
【0037】
また、ハンドルホルダー25には、操作ハンドル26の外筒部26cが嵌まる円形の嵌合穴42が空いており、これにより、操作ハンドル26はガタ付きしない状態でかつ回転可能に保持されている。また、操作ハンドル26の外筒部26cに一対の係合爪43を形成している。係合爪43はスリット44で区画されており、このため係合爪43は多少は弾性変形し得る。
【0038】
一方、ハンドルホルダー25の内周部には、操作ハンドル26の係合爪43を弾性に抗して嵌め込み得る一対の下段部45と、係合爪43を下段部45に嵌め入れてから更に操作ハンドル26を上方に一杯に差し込んでから操作ハンドル26を平面視で時計回りに回転させる係合爪43が載る一対の上段部466とを形成している。下段部45は操作ハンドル26の抜け止め部であり、係合爪43が下段部45に載っている状態では、操作ハンドル26のストッパー突起37は天板2の下面よりも下方に位置しており、このため天板2を前後にスライドさせ得る。
【0039】
他方、操作ハンドル26の係合爪43がハンドルホルダー25の上段部46に載っている状態では、操作ハンドル26のストッパー突起37がキャッチ部材23のキャッチ凹所36aに嵌合しており、この状態で操作ハンドル26は落下不能に保持されている。
【0040】
以上の説明から理解できるように、天板2を所定の前後位置にセットしてから、操作ハンドル26をそのストッパー突起37が左右方向に延びる姿勢で上方に押し込み、次いで、一杯に押し込んでから平面視で時計回りに方向に回転させると、ストッパー突起37とストッパー片36とが嵌合し、天板2は前後左右にガタ付き不能に保持(ロックされる)される。操作ハンドル26の回転角度は、係合爪43が上段部45の端部の壁に当たることで規制される。
【0041】
本実施形態では操作ハンドル26は回転式であるため、ロックとロック解除とをワンタッチ的に簡単に行える利点がある。また、キャッチ部材23におけるストッパー片36の弾性を利用してロック状態が保持されるため、振動等によってロックが解除されることはない。更に、キャッチ部材23のセンター突起35が操作ハンドル26におけるストッパー突起37の中心穴37bに嵌まっているため、操作ハンドル26とキャッチ部材23とはガタ付きのない安定の良い状態に保持されており、これによってガタ付き防止機能が一層向上している。
【0042】
図9に示すように、左右に隣り合った天板2を一つの脚3で支持することがある(図9では左右の天板2を密着した状態に描いているが、実際には、スライドをスムースならしめるため僅かの隙間を空けている。)。この場合は、図10に示すように、ロック装置の下機構部22を脚3の上アーム8に左右に振り分けて固定することにより、左右の天板2は前後スライド可能な状態で脚3に取付けられる。後部のガイドピン17は、脚3に固定したブラケット材(図示せず)に取付けることになる。左右連結用の専用の部材として、左右のリング部が脚3の左右両側に張り出した一つの受け部材製造して、この一つの受け部材に第1実施形態のハンドルホルダー25と操作ハンドル26とを装着することも可能である。
【0043】
左右に隣り合った天板2を一つの脚3で支持する態様としては、図11に参考例として示すように、左右の天板2の下面に跨がって延びる1枚の連結板48を脚3にビス49で固定し、連結板28と左右の天板2とをビス50で固定することも可能である。なお、符号51は鬼目ナットである。
【0044】
(4).その他
本願発明は上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えばスライドガイド装置の具体的な構成は必要に応じて任意に設定できる。また、ロック装置の構成も実施形態に限定されるものではなく、例えば下機構部を2つの部材で構成するといったことも可能である。操作部材は回転式のものには限らず、前後スライド式や上下動式なども採用できる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】(A)はテーブルの平面図、(B)は(A)のB−B視断面図である。
【図2】(A)はテーブルの左端部の平面図、(B)は(A)の一部省略B−B視断面図(C)は(A)のC−C視断面図である。
【図3】天板2の部分的な一部破断裏面図である。
【図4】脚における上アームの部分的な斜視図である。
【図5】ロック装置における下機構部の分離斜視図である。
【図6】(A)はロック装置を構成する部材の分離平面図、(B)はキャッチ部材23の底面図、(C)は(A)のC−C視断面図である。
【図7】(A)はロック装置を構成する部材の分離正断面図、(B)は図6(B)の VIIB-VIIB視断面図、(C)は図6(A)の VIIC-VIIC視断面図、(D)は図6(A)の VIID-VIID視断面図である。
【図8】(A)は組み立てた状態での図6(A)の VIIIA-VIIIA視断面図、(B)は(A)のB−B視部分断面図、(C)はロック状態での(B)と同じ位置の断面図、(D)はロック状態での図6(A)の VIID-VIID視箇所の部分断面図である。
【図9】併設支持仕様での部分的な正面図である。
【図10】併設支持仕様における受け部材の配置態様を示す平面図である。
【図11】併設支持仕様での参考図である。
【符号の説明】
【0046】
1 テーブル
2 天板
3 脚装置の一例としての脚(L脚)
8 脚の上アーム
14 スライドガイド装置
15 ロック装置
16 スライドガイド装置の一環をなす溝型レール
17 スライドガイド装置の一環を成すガイドピン
22 ロック装置を構成する下機構部
23 ロック装置を構成するキャッチ部材
24 ロック装置を構成するハンドルホルダー
25 ロック装置を構成する操作ハンドル
36 雌型ストッパー部の一例としてのストッパー片
37 雄型ストッパー部の一例としてのストッパー突起
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板と、前記天板を支持する脚装置と、前記天板の前後スライドを許容するために当該天板と脚装置とに設けたスライドガイド装置と、天板をガタ付き不能に保持するロック装置とが備えられている、
テーブル。
【請求項2】
前記ロック装置は、天板の下面部に設けた雌型係合部材と、前記雌型係合部材に下方から嵌脱させ得る状態で前記脚装置に設けた雄型係合部材とを備えており、前記雌型係合部材を前後方向に沿って複数個設けることにより、天板を複数の位置で前後動不能に保持できるようになっている、
請求項1に記載したテーブル。
【請求項3】
前記雄型係合部材は、平面視で非円形の雄型ストッパー部を備えている一方、前記雌型係合部材は、前記雄型係合部材を水平回転させると前記雄型ストッパー部が遊嵌する状態ときっちり突っ張る状態とに切り替わる雌型ストッパー部が形成されている、
請求項2に記載したテーブル。
【請求項4】
スライドガイド装置のうち脚装置に設けるガイド部材を左右位置変更可能な状態で脚装置に固定すると共に、ロック装置のうち脚装置に設ける部材を左右位置変更可能な状態で脚装置に固定しており、これらにより、一つの脚装置で1枚の天板の端部が支持されたシングル支持仕様と隣り合った2枚の天板の端部が一つの脚装置で支持された併設支持仕様との両方に切り替え可能になっている、
請求項1〜3のうちの何れかに記載したテーブル。
【請求項1】
天板と、前記天板を支持する脚装置と、前記天板の前後スライドを許容するために当該天板と脚装置とに設けたスライドガイド装置と、天板をガタ付き不能に保持するロック装置とが備えられている、
テーブル。
【請求項2】
前記ロック装置は、天板の下面部に設けた雌型係合部材と、前記雌型係合部材に下方から嵌脱させ得る状態で前記脚装置に設けた雄型係合部材とを備えており、前記雌型係合部材を前後方向に沿って複数個設けることにより、天板を複数の位置で前後動不能に保持できるようになっている、
請求項1に記載したテーブル。
【請求項3】
前記雄型係合部材は、平面視で非円形の雄型ストッパー部を備えている一方、前記雌型係合部材は、前記雄型係合部材を水平回転させると前記雄型ストッパー部が遊嵌する状態ときっちり突っ張る状態とに切り替わる雌型ストッパー部が形成されている、
請求項2に記載したテーブル。
【請求項4】
スライドガイド装置のうち脚装置に設けるガイド部材を左右位置変更可能な状態で脚装置に固定すると共に、ロック装置のうち脚装置に設ける部材を左右位置変更可能な状態で脚装置に固定しており、これらにより、一つの脚装置で1枚の天板の端部が支持されたシングル支持仕様と隣り合った2枚の天板の端部が一つの脚装置で支持された併設支持仕様との両方に切り替え可能になっている、
請求項1〜3のうちの何れかに記載したテーブル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−136795(P2008−136795A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−328720(P2006−328720)
【出願日】平成18年12月5日(2006.12.5)
【出願人】(000139780)株式会社イトーキ (833)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月5日(2006.12.5)
【出願人】(000139780)株式会社イトーキ (833)
【Fターム(参考)】
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