説明

テープカセット

【課題】製造時における作業者の負担を抑制しつつ、印字動作時にテープの搬送不良が発生しにくいテープカセットを提供する。
【解決手段】テープカセットの製造時に、テープ送りローラの下突出部を下ケース20の支持孔64Bに挿入する場合、支持孔64Bの周縁に形成された3つのリブ(第一リブ31、第二リブ32、第三リブ33)によって、テープ送りローラの周方向の移動が規制される。第一リブ31は、周壁22から支持孔64Bの周縁まで延びている。第二リブ32は、連結ボス23から支持孔64Bの周縁まで延びている。第三リブ33は、隔離壁29から支持孔64Bの周縁まで延びている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープ印字装置に使用されるテープカセットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カセットケース内に収容されているテープを搬送するためのテープ送りローラが、上ケースおよび下ケースに形成された上下一対の支持孔で回転支持されるテープカセットが知られている(例えば、特許文献1参照)。テープ送りローラは、テープを案内するローラ面を有する筒状部と、筒状部から軸線方向に突出して各支持孔で支持される一対の突出部とを備える。筒状部の内部には、テープ印字装置のテープ駆動カムに係合される複数の駆動リブが内部に形成されている。下側の突出部は、筒状部の内部から突出する各駆動リブの下端部分によって形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−314831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなテープカセットの製造時には、作業者は下ケースの支持孔内に下側の突出部を取り付けたのち、下ケースに上ケースを組み付けていた。しかしながら、作業者が熟練していない場合、下側の突出部を適正に支持孔内に収めることができず、複数の駆動リブの一部が下ケースの支持孔周辺に乗り上げることがあった。この状態で下ケースに上ケースが組み付けられると、テープ送りローラの回転不良の原因となり、ひいてはテープの搬送不良を生じるおそれがあった。そのために、従来では上記の組み付け後に、テープ送りローラの回転不良を検査する工程を設ける必要があり、作業者の負担が大きくなるおそれがあった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、製造時における作業者の負担を抑制しつつ、印字動作時にテープの搬送不良が発生しにくいテープカセットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るテープカセットは、上壁を有する上ケースと、底壁および前記底壁の周縁から前記上ケースに向けて延びる周壁を有する下ケースとを含む箱状のカセットケースと、前記カセットケースの内部に収納される、キャラクタが印字される印字面を有する第一テープと、前記上壁と前記底壁との間で、前記第一テープを第一経路に沿って搬送するテープ送りローラとを備え、前記テープ送りローラは、前記上壁および前記底壁が対向する上下方向と平行な軸線方向を有する筒状をなし、前記第一テープを案内する周面であるローラ面を有し、前記上壁と前記底壁との間で回転自在な筒状部と、前記筒状部から前記軸線方向の一端側である上側に突出する第一突出部と、前記筒状部内を前記軸線方向に延び、前記テープ送りローラを回転駆動する軸体が挿入される軸孔と、前記軸孔内から前記軸線方向の他端側である下側に延び、前記軸孔内に挿入される軸体と係合する突起である係合部と、前記係合部の一部であって、前記筒状部から前記下側に突出する第二突出部とを備え、前記上ケースは、前記上壁に形成された孔部であって、前記下側から挿入された前記第一突出部を前記軸線周りに回転させるように支持する第一支持孔と、前記第一支持孔に隣接した位置、且つ前記第一経路から離間した位置に設けられ、前記上壁から前記下側に延びて前記下ケースに連結される延設部とを備え、前記下ケースは、前記底壁における前記周壁に近接する位置に設けられた、前記第一支持孔と対向する孔部であって、前記上側から挿入された前記第二突出部を前記軸線周りに回転させるように支持する第二支持孔と、前記第二支持孔に隣接した位置、且つ前記第一経路から離間した位置に設けられ、前記延設部の先端側が固定される連結孔を有し、前記底壁から前記上側に延びて前記延設部と連結する第一立設部と、前記第二支持孔に隣接した位置、且つ前記第一経路に近接した位置に設けられ、前記ローラ面に向けて搬送される前記第一テープの前記上下方向への移動を規制する規制部を有し、前記底壁から前記上側に延びる第二立設部と、前記底壁の前記上側の面に設けられ、前記周壁から前記第二支持孔の周縁まで延びる第一リブと、前記底壁の前記上側の面に設けられ、前記第一立設部から前記第二支持孔の周縁まで延びる第二リブと、前記底壁の前記上側の面に設けられ、前記第二立設部から前記第二支持孔の周縁まで延びる第三リブとを備えている。
【0007】
上記テープカセットは、箱状のカセットケース、印字面を有する第一テープ、および第一テープを搬送するテープ送りローラを備える。テープ送りローラは、ローラ面を有する筒状部と、筒状部から上下側に突出する第一突出部および第二突出部とを備える。筒状部の軸孔内には、軸体と係合する係合部が設けられている。第二突出部は、筒状部の下側に突出する係合部の一部である。上ケースは、第一突出部を回転可能に支持する第一支持孔と、下ケースに連結される延設部とを備える。下ケースは、第二突出部を回転可能に支持する第二支持孔と、延設部と連結する第一立設部と、第一テープの上下方向への移動を規制する第二立設部とを備える。底壁の上側の面には、下ケースの周壁から第二支持孔の周縁まで延びる第一リブと、第一立設部から第二支持孔の周縁まで延びる第二リブと、第二立設部から前記第二支持孔の周縁まで延びる第三リブとが設けられている。
【0008】
これによれば、テープカセットの製造時において、第二突出部を第二支持孔に挿入する場合、第二支持孔の周縁に形成された3つのリブ(第一〜第三リブ)によって、テープ送りローラ(詳細には、筒状部)の周方向の移動が規制される。これにより、第二突出部が第二支持孔まで下側に案内されるため、下ケースにテープ送りローラを取り付ける作業が容易となる。また、第二突出部が第二支持孔に挿入された状態では、3つのリブによってテープ送りローラの姿勢が安定する。そのため、テープ送りローラを下ケースに取り付けたのちに、上ケースを下ケースに組み付ける際に、第一突出部を第一支持孔に挿入しやすい。したがって、テープカセットの製造時における作業者の負担を大幅に抑制できる。
【0009】
テープ送りローラの取り付け時には、3つのリブによって第二突出部が第二支持孔に正確に挿入されるため、第二突出部が下ケースの第二支持孔周辺に乗り上げることが抑制される。また、3つのリブによってテープ送りローラの姿勢が安定することで、上ケースを下ケースに組み付ける際に、第一突出部も第一支持孔に正確に挿入される。これにより、テープ送りローラの回転不良が抑制され、ひいてはテープの搬送不良を抑制することができる。
【0010】
下ケースの第二支持孔は、底壁から上側に延びる3つの壁部(周壁、第一立設部、第二立設部)のいずれにも隣接した位置に設けられている。周壁は、テープカセットの側面を形成する。第一立設部は、延設部と連結して、下ケースに上ケースを固定する。第二立設部は、ローラ面に向けて搬送される第一テープの上下移動を規制する。3つのリブは、これらの固有の機能を有する3つの壁部から第二支持孔の周縁まで延びている。
【0011】
このように、3つのリブを第二支持孔の周縁に立設されている壁部に連設したことで、3つのリブを第二支持孔の周縁の狭いスペースに設けることができる。さらに、各リブをそれぞれ異なる壁部に設けたので、各リブを第二支持孔の異なる径外方向に設けることができる。ひいては、テープ送りローラ(詳細には、筒状部)の外周側を、3つのリブで異なる方向から取り囲むことができ、テープ送りローラの姿勢をより安定させることができる。さらに、各リブをそれぞれ壁部に連設したことで、各リブの物理的強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】ラミネートタイプのテープカセット1の外観斜視図である。
【図2】上ケースを取り除いた、図1に示すテープカセット1の平面図である。
【図3】上ケース10の底面図である。
【図4】下ケース20の平面図である。
【図5】テープ送りローラ46を一部断面で示す正面図である。
【図6】下ケース20のローラ収納部24周辺の拡大斜視図である。
【図7】下ケース20のローラ収納部24周辺の拡大斜視図である。
【図8】上ケースを取り除いた、レセプタタイプのテープカセット1の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を具体化した実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されている装置の構成などは、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0014】
図1〜図7を参照して、本実施形態に係るテープカセット1を説明する。本実施形態の説明では、図1の紙面手前側、紙面奥側、左側、右側を、それぞれテープカセット1の前側、後側、左側、右側とする。また、後述の上壁11および底壁21が対向する方向を、テープカセット1の上下方向とする。以下では、各種のテープ種類に実装可能な汎用カセットを、ラミネートタイプに実装したテープカセット1を例示する。
【0015】
図1〜図5を参照して、テープカセット1の全体構造を説明する。図1および図2に示すように、テープカセット1は、略直方体状(箱型)の筐体であるカセットケース2を有する。カセットケース2は、下ケース20と、下ケース20に対して上側から組付けられる上ケース10とを含む。
【0016】
図3に示すように、上ケース10は、テープカセット1の上面を形成する壁部である上壁11と、上壁11の周縁から下側に延びる壁部である周壁12とを含む。上ケース10には、後述の支持孔64A,筒受部65A,軸受部66A,軸受部67A,支持孔68A,板状体36Aなどが設けられている。
【0017】
図4に示すように、下ケース20は、テープカセット1の底面を形成する壁部である底壁21と、底壁21の周縁から上側に延びる周壁22とを含む。下ケース20には、後述の支持孔64B,筒状体65B,軸部66B,軸部67B,支持孔68B,板状体36B,案内壁47、隔離壁29などが設けられている。なお、周壁12および周壁22は、テープカセット1の側面を形成する。
【0018】
図2〜図4に示すように、カセットケース2内には、両面粘着テープ58、透明なフィルムテープ59、およびインクリボン60が収納されている。両面粘着テープ58は、一面に剥離紙が貼着された両面テープであり、印字済みのフィルムテープ59の印字面に貼り合わされる。両面粘着テープ58は、剥離紙を外側に向けて(つまり、印字面に貼り合わされる粘着面を内側にして)、第一テープスプール40に巻回されている。フィルムテープ59は、第二テープスプール41に巻回されている。インクリボン60は、リボンスプール42に巻回されている。両面粘着テープ58、フィルムテープ59、およびインクリボン60は、それぞれの幅方向がカセットケース2の上下方向と平行となるように、それぞれの搬送経路上を搬送される。
【0019】
両面粘着テープ58は、カセットケース2内の左側後部(図2では左上部)に設けられた第一テープ収納部25(図3、4参照)に収納される。第一テープ収納部25では、両面粘着テープ58が巻回された第一テープスプール40が、支持部65によって回転自在に支持される。支持部65は、底壁21から上側に延びる筒状体65B(図4参照)と、上壁11に設けられて筒状体65Bの先端が連結される筒受部65A(図3参照)とを含む。筒受部65Aに連結されている筒状体65Bが第一テープスプール40の軸孔に挿入された状態で、第一テープスプール40が回転支持される。
【0020】
フィルムテープ59は、カセットケース2内の右側後部(図2では右上部)に設けられた第二テープ収納部26に収納される。第二テープ収納部26では、フィルムテープ59が巻回された第二テープスプール41が、支持部66によって回転自在に支持される。支持部66は、底壁21から上側に延びる軸部66B(図4参照)と、上壁11に設けられて軸部66Bの先端が連結される軸受部66A(図3参照)とを含む。軸受部66Aに連結されている軸部66Bが第二テープスプール41の軸孔に挿入された状態で、第二テープスプール41が回転支持される。
【0021】
インクリボン60は、カセットケース2内の右側前部(図2では右下部)に設けられたインクリボン収納部27に収納される。インクリボン収納部27では、インクリボン60が巻回されたリボンスプール42が、支持部67によって回転自在に支持される。支持部67は、底壁21から上側に延びる軸部67B(図4参照)と、上壁11に設けられて軸部67Bの先端が連結される軸受部67A(図3参照)とを含む。軸受部67Aに連結されている軸部67Bがリボンスプール42の軸孔に挿入された状態で、リボンスプール42が回転支持される。
【0022】
テープ送りローラ46は、カセットケース2の左前隅部(図2では左下隅部)に設けられたローラ収納部24に配置される。テープ送りローラ46は、フィルムテープ59および両面粘着テープ58の引き出しを行うための回転体である。ローラ収納部24では、テープ送りローラ46が支持部64によって回転自在に支持される。支持部64は、上壁11および底壁21を上下方向に貫通する一対の支持孔64A、64B(図3および図4参照)を含む。テープ送りローラ46の上下両端(後述の上突出部101および下突出部102)が支持孔64A、64Bに挿入された状態で、テープ送りローラ46は軸線周りに回転可能である。
【0023】
図5に示すように、テープ送りローラ46は、筒状部100、上突出部101、下突出部102、軸孔103、係合部104を有する。筒状部100は、テープカセット1の上下方向と平行な軸線方向を有する筒状体である。筒状部100の周面は、テープ(本実施形態では、両面粘着テープ58およびフィルムテープ59)を案内するローラ面100Aである。上突出部101は、筒状部100から上側に突出する、筒状部100よりも小径の筒状体である。下突出部102は、筒状部100から下側に突出する、平面視で放射状に配置された複数の突起部である。
【0024】
筒状部100は、内部を上下方向に貫通する軸孔103を有する。軸孔103の内周面には、軸孔103の上下方向の略中間位置から下側に延びる複数の突状からなる係合部104が設けられている。係合部104の各突状は、筒状部100の下側に突出するように、軸孔103内から連設されている。先述の下突出部102は、係合部104のうちで筒状部100の下側に突出する部分である。
【0025】
テープ印字装置(図示外)にテープカセット1が装着されると、軸孔103にテープ駆動軸(図示外)が挿入されて、テープ駆動軸の周面に設けられた連結羽根(図示外)が係合部104と係合する。これにより、テープ駆動軸の回転に伴って、係合部104を介してテープ送りローラ46が回転される。詳細には、上壁11と底壁21との間で筒状部100が回転して、ローラ面100Aによってテープが案内される。
【0026】
図2〜図4に示すように、リボン巻取スプール44は、カセットケース2の第一テープ収納部25、第二テープ収納部26、およびインクリボン収納部27に設けられたスプール収納部28に配置される。リボン巻取スプール44は、未使用のインクリボン60を引き出し、且つ使用済みのインクリボン60を巻き取るための回転体である。スプール収納部28では、リボン巻取スプール44が支持部68によって回転自在に支持される。支持部68は、上壁11および底壁21を上下方向に貫通する一対の支持孔68A、68B(図3および図4参照)を含む。リボン巻取スプール44の上下両端が支持孔68A、68Bに挿入された状態で、リボン巻取スプール44は軸線周りに回転可能である。
【0027】
なお、上ケース10および下ケース20には、上下に対向して各々連結する一対の連結部材(例えば、上ケース10の連結ピンと、この突出ピンの先端が固定される下ケース20の連結ボス)が複数設けられている。カセットケース2では、これらの連結部材によって上ケース10および下ケース20が一体に固定されている。
【0028】
テープ印字装置(図示外)にテープカセット1が装着されて印字動作が実行されると、テープ印字装置のテープ駆動軸(図示外)を介して、テープ送りローラ46が回転駆動される。テープ送りローラ46は、テープ印字装置の可動搬送ローラ(図示外)との協働によって、第二テープスプール41からフィルムテープ59を引き出し、且つ、第一テープスプール40から両面粘着テープ58を引き出す。テープ印字装置のリボン巻取軸(図示外)を介して回転駆動されるリボン巻取スプール44が、印字スピードと同期してリボンスプール42からインクリボン60を引き出す。
【0029】
第二テープスプール41は、フィルムテープ59の引き出しに伴って平面視で時計回り方向に回転する。第二テープスプール41から引き出されたフィルムテープ59は、カセットケース2の右前隅部(図2では右下隅部)に向けて搬送される。カセットケース2の右前隅部では、リボンスプール42に巻回されているインクリボン60の外周に沿って、且つ、インクリボン60に対して間隔を置いて、フィルムテープ59が搬送される。
【0030】
リボンスプール42は、インクリボン60の引き出しに伴って平面視で反時計回り方向に回転する。リボンスプール42から引き出されたインクリボン60は、カセットケース2の左前隅部(図2では左下隅部)に向けて搬送される。同様に、第一テープスプール40は、両面粘着テープ58の引き出しに伴って平面視で反時計回り方向に回転する。第一テープスプール40から引き出された両面粘着テープ58は、カセットケース2の左前隅部に向けて搬送される。
【0031】
テープカセット1の右前部から左方に延びるアーム部34の内部では、第二テープスプール41から引き出されたフィルムテープ59と、リボンスプール42から引き出されたインクリボン60とが共に案内される。アーム部34の先端側に形成された開口35では、アーム部34内を経由するフィルムテープ59とインクリボン60とが重ね合わされる。フィルムテープ59およびインクリボン60は、開口35を介して、テープカセット1の前面側に設けられた開口部77に向けて排出される。
【0032】
カセットケース2の前部、且つ、インクリボン収納部27よりも左側には、ヘッド挿入部39が設けられている。ヘッド挿入部39は、テープ印字装置のサーマルヘッド(図示外)が挿入される部位である。ヘッド挿入部39は、開口部77によってテープカセット1の前面側でも外部とつながっている。開口部77に排出されたフィルムテープ59には、フィルムテープ59と重ね合っているインクリボン60を使用して、サーマルヘッド(図示外)による印字が行われる。
【0033】
カセットケース2の前部には、開口部77の左側に隣接して、規制部材36が設けられている。規制部材36は、上壁11から下側に延びる板状体36Aと、板状体36Aと対向して底壁21から上側に延びる板状体36Bとを有する。規制部材36は、印字済みのフィルムテープ59および使用済みのインクリボン60を、カセットケース2の左前隅部に向けて案内する。
【0034】
印字済みのフィルムテープ59は、規制部材36を経由して、テープ送りローラ46に沿って左側に搬送される。第一テープスプール40から引き出された両面粘着テープ58が、テープ送りローラ46と可動搬送ローラ(図示外)との間にガイドされて巻き込まれる。このとき、両面粘着テープ58が、印字済みのフィルムテープ59の印字面に重ねられて貼着される。詳細には、テープ送りローラ46は、上壁11と底壁21との間で、支持孔64A,64Bの外周側を通る経路に沿って、両面粘着テープ58をその粘着面が後述の筒状部100(図5)の径外側を向くように搬送したのち、ローラ面100Aで両面粘着テープ58の粘着面をフィルムテープ59の印字面に貼り合わせる。
【0035】
両面粘着テープ58が貼着された印字済みのフィルムテープ59(つまり、印字済テープ50)は、さらにテープ排出口49に向かって搬送され、テープ印字装置のカット機構(図示外)によって切断される。一方、サーマルヘッド(図示外)による印字に使用されたインクリボン60は、テープ送りローラ46の右側に立設された案内壁47によって、フィルムテープ59から離間される。さらに、使用済みのインクリボン60は、ヘッド挿入部39の後方を右側に搬送されたのち、リボン巻取スプール44に巻き取られる。なお、案内壁47とテープ送りローラ46との間には、案内壁47に沿って巻き取られる使用済みのインクリボン60と、テープ送りローラ46に向けて引き出される両面粘着テープ58とが接触するのを防ぐ隔離壁29が設けられている。
【0036】
図3〜図7を参照して、カセットケース2におけるローラ収納部24の物理的構造を説明する。図4、図6および図7に示すように、下ケース20のローラ収納部24には、先述の支持孔64Bが形成されている。支持孔64Bは、底壁21を前方から略円形に切り欠くように、左側の周壁22の近傍に形成された孔部である。支持孔64Bに上側から下突出部102が挿入されると、支持孔64Bの周縁によって筒状部100の下側が支持され、且つ、支持孔64Bの内部に挿入された下突出部102の周方向への移動が規制される。つまり、支持孔64Bは、下突出部102(ひいては、筒状部100)を軸線周りに回転させるように支持する。
【0037】
支持孔64Bの隣接した後側には、先述の連結部材の一つとして、底壁21から上側に延びる連結ボス23が設けられている。連結ボス23は、後述の連結ピン13(図3参照)が挿入固定される連結孔を有する。連結ボス23は、第一テープ収納部25からテープ送りローラ46(図5参照)に向けて搬送される両面粘着テープ58に干渉しないように、両面粘着テープ58の搬送経路から左側に離間している。
【0038】
案内壁47と支持孔64Bとの間には、底壁21から上側に延びる隔離壁29が設けられている。隔離壁29は、平面視で支持孔64Bの右側輪郭に沿って湾曲する壁部であり、規制部70および貼付防止部80を有する。規制部70は、ローラ面100A(図5参照)に向けて搬送されるフィルムテープ59の幅方向(すなわち、上下方向)への移動を規制する。貼付防止部80は、両面粘着テープ58の粘着面が隔離壁29に貼り付くのを妨げる。
【0039】
規制部70は、支持孔64Bに隣接した位置、且つフィルムテープ59の搬送経路に近接した位置に設けられており、隔離壁29の前端部における上下両端から前側に突出する上規制部71および下規制部72を有する。また、隔離壁29を上ケース10に固定するための連結ピン73が、上規制部71から上側に突出している。
【0040】
上規制部71は、板状体36Aの後側を搬送されるフィルムテープ59の上端に接触して、フィルムテープ59が上側に移動するのを規制する。下規制部72は、板状体36Bの後側を搬送されるフィルムテープ59の下端に接触して、フィルムテープ59が下側に移動するのを規制する。これにより、フィルムテープ59は、適正な幅方向の位置に規定された状態で、ローラ面100Aに向けて案内される。
【0041】
貼付防止部80は、隔離壁29の支持孔64Bに向く面(つまり、両面粘着テープ58の粘着面と対向する面)に設けられた凹凸部である。貼付防止部80では、底壁21から上側に向けて隔離壁29の壁面を延びる凹凸が、隔離壁29の湾曲形状に沿って複数連続して設けられている。貼付防止部80の凹凸形状によって、両面粘着テープ58の粘着面の貼り付きが防止されて、両面粘着テープ58が円滑に搬送される。
【0042】
底壁21の上側の面には、支持孔64Bの周縁に沿って、ローラ支持部91および案内部92が設けられている。ローラ支持部91は、下突出部102(図5参照)が支持孔64Bに挿入された状態で、筒状部100(図5参照)を下側から支持する。ローラ支持部91は、下規制部72の突出端(上端)と同じ高さ位置(上下方向の位置)まで、底壁21から上側に突出している。よって、規制部70から搬送されるフィルムテープ59の各下端位置は、ローラ面100Aの下端位置とほぼ一致する。
【0043】
本実施形態のローラ支持部91は、支持孔64Bの周縁の2箇所に設けられたローラ支持部91A,91Bを含む。ローラ支持部91Aは、支持孔64Bの左前縁部から右後縁部(図4では、支持孔64Bの左下部から右上部)まで、平面視で時計回り方向に延びる突状である。つまり、ローラ支持部91Aは、支持孔64Bの周縁における隔離壁29と対向しない位置に設けられている。ローラ支持部91Bは、支持孔64Bの右縁部から右側に延びる突状である(図6参照)。つまり、ローラ支持部91Bは、支持孔64Bの周縁における隔離壁29と対向する位置に設けられている。
【0044】
ローラ支持部91Bは、筒状部100と隔離壁29との間に形成される両面粘着テープ58の搬送経路をまたいでいる。そのため、ローラ支持部91Bは、筒状部100を下側から支持するのみならず、搬送される両面粘着テープ58の下端に接触して、両面粘着テープ58が下側に移動するのを規制する。これにより、両面粘着テープ58は、適正な幅方向の位置に規定された状態で、ローラ面100Aに向けて案内される。
【0045】
案内部92は、テープ送りローラ46が上側から挿入される際に、下突出部102を支持孔64Bに向けて案内する。案内部92は、ローラ支持部91よりも下側に設けられた、支持孔64Bに向けて下側に傾斜する傾斜面である。本実施形態の案内部92は、支持孔64Bの周縁の2箇所に設けられた案内部92A,92Bを有する。案内部92A,92Bは、支持孔64Bの右後縁部および右前縁部に設けられた面部である。つまり、案内部92A,92Bは、支持孔64Bの周縁における隔離壁29と対向する位置に、ローラ支持部91Bを挟んで設けられている。
【0046】
さらに、底壁21の上側の面には、それぞれ異なる方向から支持孔64Bの周縁まで延びる3つのリブ(第一リブ31、第二リブ32、第三リブ33)が設けられている。第一リブ31は、左側の周壁22から支持孔64Bの左縁部(詳細には、ローラ支持部91Aの左縁部)まで延びている。第二リブ32は、連結ボス23から支持孔64Bの後縁部(詳細には、ローラ支持部91Aの後縁部)まで延びている。第三リブ33は、隔離壁29から支持孔64Bの右縁部(詳細には、案内部92A,92Bの右縁部)まで延びている。
【0047】
本実施形態では、第一リブ31の最も高さが大きい部位(具体的には、周壁22と連設する部位)は、周壁22の上下方向の略中間位置まで上側に延びている。第一リブ31は、周壁22から支持孔64Bに向けて高さが小さくなるように、支持孔64Bに向けて下方傾斜した板状をなす。また、第二リブ32の最も高さが大きい部位(具体的には、連結ボス23と連設する部位)は、周壁22の上下方向の略中間位置まで上側に延びている。第二リブ32は、連結ボス23から支持孔64Bに向けて高さが小さくなるように、支持孔64Bに向けて下方傾斜した板状をなす。
【0048】
また、貼付防止部80のうちで底壁21と連設する基部は、凹凸の大きさ(つまり、隔離壁29の壁面を基準とした凸部の突出幅)が最も大きく、各凸部は支持孔64Bの右縁部まで突出している。このように、貼付防止部80の基部に設けられた突出幅の大きい凸部(下端凸部)が、先述の第三リブ33である。両面粘着テープ58の下端側は、第三リブ33とローラ面100Aの間を通って搬送される。なお、第三リブ33を構成する複数の下端凸部は、各々の上端側が支持孔64Bに向けて傾斜している。
【0049】
図3に示すように、上ケース10のローラ収納部24には、先述の支持孔64Aが形成されている。支持孔64Aは、上壁11を上下方向に貫通する、左側の周壁12の近傍に形成された孔部である。支持孔64Aに下側から上突出部101が挿入されると、支持孔64Aの周縁によって筒状部100の上側が支持され、且つ、支持孔64Aの内部に挿入された上突出部101の周方向への移動が規制される。つまり、支持孔64Aは、上突出部101(ひいては、筒状部100)を軸線周りに回転させるように支持する。
【0050】
支持孔64Aの隣接した後側には、先述の連結部材の一つとして、上壁11から下側に延びる連結ピン13が設けられている。支持孔64Aの右側には、平面視で隔離壁29と対応する形状で形成された連結溝18が形成されている。連結溝18の前側には、先述の連結ピン73に対応する小径のピン孔19が形成されている。
【0051】
図2〜図7を参照して、テープカセット1の製造工程を説明する。まず、図2および図3に示すように、下ケース20の内側領域(底壁21の上側の面と、周壁22の内側面とで囲まれた領域)に、作業者が各種部材を配置する。詳細には、筒状体65Bが第一テープスプール40の軸孔に挿入するように、両面粘着テープ58を第一テープ収納部25に配置する。軸部66Bが第二テープスプール41の軸孔に挿入するように、フィルムテープ59を第二テープ収納部26に配置する。軸部67Bがリボンスプール42の軸孔に挿入するように、インクリボン60をインクリボン収納部27に配置する。リボン巻取スプール44の下端が支持孔68Bに挿入するように、リボン巻取スプール44をスプール収納部28に取り付ける。
【0052】
図5〜図7に示すように、テープ送りローラ46をローラ収納部24に取り付ける場合、テープ送りローラ46を支持孔64Bの上側から配置する。このとき、ローラ面100Aを各々異なる方向から取り囲む3つのリブ(第一リブ31、第二リブ32、第三リブ33)によって、筒状部100の周方向への移動が規制されて、下突出部102が下側に向けて支持孔64Bまで案内される。なお、第一リブ31、第二リブ32、第三リブ33は、いずれも支持孔64Bに向けて下方傾斜しているため、下突出部102が各リブに引っ掛かることが抑制され、テープ送りローラ46をスムーズに配置することができる。
【0053】
ただし、筒状部100の軸線方向がテープカセット1の上下方向から傾いている場合、下突出部102が支持孔64Bの近傍上面に乗り上げるおそれがある。本実施形態では、第一リブ31および第二リブ32は、両面粘着テープ58の搬送経路を挟む第三リブ33よりも、支持孔64Bの近傍まで延びている。よって、第一リブ31および第二リブ32が設けられている支持孔64Bの左側縁には、下突出部102の乗り上げが相対的に発生しにくい。一方、第三リブ33が設けられた支持孔64Bの右側縁には、下突出部102の乗り上げが相対的に発生しやすい。
【0054】
しかしながら、支持孔64Bの右側縁には、案内部92A,92Bが設けられている。下突出部102が支持孔64Bの右側縁に乗り上げた場合には、下突出部102が案内部92A,92Bに沿って下方に案内されて、支持孔64Bに挿入される。支持孔64Bに下突出部102が挿入されると、3つのリブ(第一リブ31、第二リブ32、第三リブ33)によって、筒状部100の軸線方向がテープカセット1の上下方向と平行となる適正な姿勢で、テープ送りローラ46が保持される。
【0055】
次いで、図2に示すように各種部材が配置された下ケース20に、図3に示す上ケース10が上側から組み付けられる。これにより、先述の連結部材によって、下ケース20に上ケース10が一体に固定される。筒状体65Bの先端が筒受部65Aに連結されて、第一テープスプール40が支持部65で回転支持される。軸部66Bの先端が軸受部66Aに連結されて、第二テープスプール41が支持部66で回転支持される。軸部67Bの先端が軸受部67Aに連結されて、リボンスプール42が支持部67で回転支持される。リボン巻取スプール44の上端が支持孔68Aに挿入されて、リボン巻取スプール44が支持部68で回転支持される。
【0056】
図5〜図7に示すように、ローラ収納部24の周辺では、連結ピン13が連結ボス23の連結孔に挿入固定される。隔離壁29の上端部が連結溝18に嵌め込まれ、連結ピン73がピン孔19に挿入固定される。さらに、テープ送りローラ46の上突出部101が支持孔64Aに挿入されて、テープ送りローラ46が支持部64で回転支持される。なお、上ケース10の組み付け時には、テープ送りローラ46が適正な姿勢で保持されているため、上突出部101が支持孔64Aに正確に嵌め込まれる。
【0057】
以上説明したように、本実施形態のテープカセット1によれば、その製造時に下突出部102を支持孔64Bに挿入する場合、支持孔64Bの周縁に形成された3つのリブ(第一リブ31、第二リブ32、第三リブ33)によって、テープ送りローラ46(詳細には、筒状部100)の周方向の移動が規制される。これにより、下突出部102が支持孔64Bまで下側に案内されるため、下ケース20にテープ送りローラ46を取り付ける作業が容易となる。また、下突出部102が支持孔64Bに挿入された状態では、3つのリブによってテープ送りローラ46の姿勢が安定する。そのため、テープ送りローラ46を下ケース20に取り付けたのちに、上ケース10を下ケース20に組み付ける際に、上突出部101を支持孔64Aに挿入しやすい。したがって、テープカセット1の製造時における作業者の負担を大幅に抑制できる。
【0058】
テープ送りローラ46の取り付け時には、3つのリブによって下突出部102が支持孔64Bに正確に挿入されるため、下突出部102が支持孔64B周辺に乗り上げることが抑制される。また、3つのリブによってテープ送りローラ46の姿勢が安定することで、上ケース10を下ケース20に組み付ける際に、上突出部101も支持孔64Aに正確に挿入される。これにより、テープ送りローラ46の回転不良が抑制され、ひいてはテープの搬送不良を抑制することができる。
【0059】
支持孔64Bは、底壁21から上側に延びる3つの壁部(周壁22、連結ボス23、隔離壁29)のいずれにも隣接した位置に設けられている。周壁22は、テープカセット1の側面を形成する。連結ボス23は、連結ピン13と連結して、下ケース20に上ケース10を固定する。隔離壁29は、規制部70によってローラ面100Aに向けて搬送されるフィルムテープ59およびインクリボン60の上下移動を規制し、且つ、貼付防止部80によって両面粘着テープ58の貼り付きを防止する。3つのリブは、これらの固有の機能を有する3つの壁部から支持孔64Bの周縁まで延びている。
【0060】
このように、3つのリブを支持孔64Bの周縁に立設されている壁部に連設したことで、3つのリブを支持孔64Bの周縁の狭いスペースに設けることができる。さらに、各リブをそれぞれ異なる壁部に設けたので、各リブを支持孔64Bの異なる径外方向に設けることができる。ひいては、テープ送りローラ46(詳細には、筒状部100)の外周側を、3つのリブで異なる方向から取り囲むことができ、テープ送りローラ46の姿勢をより安定させることができる。さらに、各リブをそれぞれ壁部に連設したことで、各リブの物理的強度を向上させることができる。
【0061】
上記実施形態において、フィルムテープ59が、本発明の「第一テープ」に相当する。上突出部101が、本発明の「第一突出部」に相当する。下突出部102が、本発明の「第二突出部」に相当する。支持孔64Aが、本発明の「第一支持孔」に相当する。連結ピン13が、本発明の「延設部」に相当する。支持孔64Bが、本発明の「第二支持孔」に相当する。連結ボス23が、本発明の「第一立設部」に相当する。隔離壁29が、本発明の「第二立設部」に相当する。両面粘着テープ58が、本発明の「第二テープ」に相当する。
【0062】
なお、本発明のテープカセット1は、前述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0063】
上記実施形態では、ラミネートタイプに実装されたテープカセット1を例示したが、テープ送りローラ46を備えたテープカセットであれば、本発明を適用できる。例えば、図8に示すように、第一テープスプール40に印字テープ57が巻回され、リボンスプール42にインクリボン60が巻回された、いわゆるレセプタタイプに実装されたテープカセットに、本発明を適用してもよい。この場合、隔離壁29では、貼付防止部80が使用されない一方、規制部70によってローラ面100Aに向けて搬送される印字テープ57およびインクリボン60の上下移動が規制される。
【0064】
また、上記実施形態では、案内部92および3つのリブ(第一リブ31、第二リブ32、第三リブ33)が、それぞれ支持孔64Bに向けて傾斜している。しかしながら、案内部92は、ローラ支持部91よりも下側に設けられた面であれば、傾斜面でなくてもよい。また、3つのリブは、支持孔64Bに沿って立設されていれば、傾斜壁でなくてもよい。さらに、上記実施形態では、第三リブ33が貼付防止部80の基部に設けられた下端凸部であるが、第三リブ33は隔離壁29に連設されていればよい。
【符号の説明】
【0065】
1 テープカセット
2 カセットケース
10 上ケース
11 上壁
13 連結ピン
20 下ケース
21 底壁
22 周壁
23 連結ボス
29 隔離壁
31 第一リブ
32 第二リブ
33 第三リブ
46 テープ送りローラ
57 印字テープ
58 両面粘着テープ
59 フィルムテープ
64A,64B 支持孔
70 規制部
71 上規制部
72 下規制部
73 連結ピン
80 貼付防止部
91 ローラ支持部
92 案内部
100 筒状部
100A ローラ面
101 上突出部
102 下突出部
103 軸孔
104 係合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上壁を有する上ケースと、底壁および前記底壁の周縁から前記上ケースに向けて延びる周壁を有する下ケースとを含む箱状のカセットケースと、
前記カセットケースの内部に収納される、キャラクタが印字される印字面を有する第一テープと、
前記上壁と前記底壁との間で、前記第一テープを第一経路に沿って搬送するテープ送りローラとを備え、
前記テープ送りローラは、
前記上壁および前記底壁が対向する上下方向と平行な軸線方向を有する筒状をなし、前記第一テープを案内する周面であるローラ面を有し、前記上壁と前記底壁との間で回転自在な筒状部と、
前記筒状部から前記軸線方向の一端側である上側に突出する第一突出部と、
前記筒状部内を前記軸線方向に延び、前記テープ送りローラを回転駆動する軸体が挿入される軸孔と、
前記軸孔内から前記軸線方向の他端側である下側に延び、前記軸孔内に挿入される軸体と係合する突起である係合部と、
前記係合部の一部であって、前記筒状部から前記下側に突出する第二突出部とを備え、
前記上ケースは、
前記上壁に形成された孔部であって、前記下側から挿入された前記第一突出部を前記軸線周りに回転させるように支持する第一支持孔と、
前記第一支持孔に隣接した位置、且つ前記第一経路から離間した位置に設けられ、前記上壁から前記下側に延びて前記下ケースに連結される延設部とを備え、
前記下ケースは、
前記底壁における前記周壁に近接する位置に設けられた、前記第一支持孔と対向する孔部であって、前記上側から挿入された前記第二突出部を前記軸線周りに回転させるように支持する第二支持孔と、
前記第二支持孔に隣接した位置、且つ前記第一経路から離間した位置に設けられ、前記底壁から前記上側に延びて前記延設部と連結する第一立設部と、
前記第二支持孔に隣接した位置、且つ前記第一経路に近接した位置に設けられ、前記ローラ面に向けて搬送される前記第一テープの前記上下方向への移動を規制する規制部を有し、前記底壁から前記上側に延びる第二立設部と、
前記底壁の前記上側の面に設けられ、前記周壁から前記第二支持孔の周縁まで延びる第一リブと、
前記底壁の前記上側の面に設けられ、前記第一立設部から前記第二支持孔の周縁まで延びる第二リブと、
前記底壁の前記上側の面に設けられ、前記第二立設部から前記第二支持孔の周縁まで延びる第三リブと
を備えたことを特徴とするテープカセット。
【請求項2】
前記下ケースは、
前記底壁の前記上側の面に設けられ、且つ前記第二支持孔の周縁の一部に設けられ、前記第二突出部が前記第二支持孔に挿入された状態で、前記筒状部を前記下側から支持するローラ支持部と、
前記底壁の前記上側の面に設けられ、且つ前記第二支持孔の周縁における前記ローラ支持部とは異なる部分に設けられ、前記上側から挿入される前記第二突出部を前記第二支持孔に向けて案内する案内部と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載のテープカセット。
【請求項3】
前記案内部は、前記ローラ支持部よりも前記下側に設けられた、前記第二支持孔に向けて前記下側に傾斜する傾斜面であることを特徴とする請求項2に記載のテープカセット。
【請求項4】
前記第一リブ、前記第二リブ、および前記第三リブの少なくとも一つは、前記第二支持孔に向けて前記下側に傾斜していることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のテープカセット。
【請求項5】
前記カセットケースの内部に収納される、前記印字面に貼り付けられる粘着面を有する第二テープを備え、
前記テープ送りローラは、前記上壁と前記底壁との間で、前記第二支持孔の外周側を通る第二経路に沿って、前記第二テープを前記粘着面が前記筒状部の径外側を向くように搬送したのち、前記ローラ面で前記粘着面を前記印字面に貼り合わせ、
前記第二立設部は、前記第二経路を挟んで前記第二支持孔の周形状の一部に沿って湾曲する壁部であって、前記第二経路を搬送される前記第二テープの前記粘着面に対向する壁面に、前記粘着面が前記第二立設部に貼り付くのを妨げる貼付防止部を有し、
前記貼付防止部は、前記底壁から前記上側に向けて前記壁面を延びる凹凸が、前記第二立設部の湾曲形状に沿って複数連続して設けられた部位であり、且つ、前記貼付防止部のうちで前記底壁に接触する基部には、前記第二支持孔の周縁まで突出する凸部である下端凸部が設けられ、
前記第三リブは、前記下端凸部であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のテープカセット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−232462(P2012−232462A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−101915(P2011−101915)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】