説明

テープ剥離により取除いた皮膚試料における皮膚コレステロールの直接分析

皮膚の選択域に接着テープを当て、そのテープをその選択した皮膚域に固着させ、そしてその皮膚域からテープを剥がして皮膚の外側の角質層を表わす試料を採取して皮膚コレステロールを測定する。テープに固着している試料には皮膚成分が露出している。コレステロールだけに結合する検出試薬を使って試料を分析する。その試薬は露出した皮膚成分に存在するコレステロールの分量を定量するインディケータ成分も有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚コレステロールの計測法に係るものである。更に具体的に言えば、本発明は、アテローム動脈硬化に罹っている危険性や、アテローム動脈硬化を悪化させたり、高コレステロールに関連したり、起因している病気を悪化させる危険性を個人に認識させるため、テープ剥離により取除いた皮膚試料のコレステロールを直接分析する方法に係るものである。
【背景技術】
【0002】
アテローム動脈硬化とそれの合併症、例えば心発作や心拍動が世界中の殆ど全部の国で罹患率と死亡率の主因であることを多くの研究が明らかにしている。
【0003】
アテローム動脈硬化の費用効果的予防に必要なことは個人に危険を認識させることであって、それにより治療したり生活スタイルを変えるようにしたりすることである。目指すことはこれらの人達がハイリスクグループに属していることを認識させることにあるが、危険であることを個人が認識する最適方法を選択することは困難でもある。
【0004】
アテローム動脈硬化の危険があることを個人に認識させるのに広く使われている方法は、静脈血プラズマ(血漿)中の全コレステロールレベルの測定に基づいている(心臓病予防のための血液コレステロールを低下させるコンセンサス コンファレンス,JAMA、1985、253、2080頁)。コレステロールレベルが240mg/dLを越えると、その患者はハイリスクにあると考えられ、最近この閾値を低い値に下げようとする運動がある。
【0005】
しかしながら、全コレステロールレベルだけが患者の危険レベルを精確に予測するものではない。血漿リポタンパク質を分析することによってよりよい予測ができ、特に低密度と高密度のリポタンパク質(HDL)コレステロールレベルの測定が有利である(血清内の全体の、そして高い密度のリポタンパク質コレステロールと死亡率の危険,ブリティッシ・メディカル・ジャーナル、1985、290、1239−1243頁)。
【0006】
それらは有利ではあるけれども、上述の方法を使用するには一定期間の絶食後での試料採取を必要としている。加えて、その試料採取は到底快適と言えるようなものではなく、感染の危険もあり、そして血漿リポタンパク質とコレステロールの分析は複雑で、費用もかかる。さらに、血漿分析は動脈壁や他の組織にコレステロールが蓄積する過程を完全に反映することはない。多くの場合において血漿コレステロールのレベルも、完全な脂質分布ですらもアテローム動脈硬化の深刻な状態との関連を示すものではない。
【0007】
かなりのレベルのコレステロールは組織と血漿に生じるし、そして組織コレステロールがアテローム動脈硬化の進行を促す役割を果たしていることが判ってきた。動脈壁と同じようにしてコレステロールを蓄積する皮膚を含む組織が特定されており、そして動脈壁のコレステロール内容と皮膚のコレステロール内容との間に密接な関係があることが研究によって明らかになっている。例えば、凍結乾燥した皮膚試料からコレステロールを抽出して伝統的な化学技術と生化学技術とにより測定した(ニキチン ワイ.ピー.、ゴジエンコ アイ.エイ.、ドルゴフ エイ.ヴイ.、フイリモノヴァ ティ.エイ.「皮膚のコレステロール含有、そしてそれと虚血心臓症の患者と正常人との血清内の脂質量との関係」、心臓病学、1987、II,10巻、48−51頁)。この方法は有用ではあるけれども、あまりにも複雑で、苦痛も多くて多くの人から患者を選別するには不向きである。
【0008】
米国特許4,458,686号は皮膚直下の血液内の、もしくは皮膚表面の様々な化合物を定量化する方法を開示している。その方法は、例えばポーラログラフィーを介して電気化学的に酸素濃度変化を測定することに基づいている。皮膚を通って拡散しない非揮発性物質の場合には、皮膚の下に酵素を植えこみ皮膚表面で酸素変化を生じさせる。この特許はまた、コレステロール酸化酵素を使ってコレステロールを定量するのに当該方法を使用することの可能性を述べている。必要となる複雑な計器装備と手法とは高度の熟練者による計測を必要とし、結局多くの人から患者を選別するにはこの方法も不向きである。
【0009】
皮膚のコレステロール含有量の決定によりアテローム動脈硬化の程度を計測でき、そしてそれは皮膚の生体組織切片の標準的な研究室での分析によって計測できる。しかしながら、皮膚試料の採集にはかなりの痛みを伴うし、採取個所での感染の危険もある。加えて、この方法は他にも欠点がある。厚い皮膚切片は最外角質層(角質層)、表皮そして真皮を含むいくつもの皮膚層を含んでいる。真皮層には多数の血管が通っているので、皮膚生検試料は血管や血液成分を含むことになる。それらは汗や脂肪線も含み、そして分泌物もその中に含まれる。加えて、皮下脂肪は皮膚の直下にあって、試料切片を汚染する。それ故、皮膚生検切片は雑多な成分から成り、それらの分析は皮膚のコレステロール含有について誤ったデータを与えることがある。
【0010】
米国特許5,489,510号は、あるコレステロール結合成分を持つ試薬をインディケーター成分を持つ試薬と組合せて皮膚のコレステロールに結合した成分の存在を示す可視的な色彩変化をつくりだす、皮膚上のコレステロールを視認する非侵入法を開示している。この方法はこれまでの手法の問題の多くを解決し、そして個人にアテローム動脈硬化に罹っている危険を認識させる簡単な大量選別に必要な要件を満足させている。その手法は手の平の皮膚に直接実施でき、そして簡単且つ迅速であるけれども、その試験の行われる診療所に個人がいなければならない。このことは明らかに大量選別の実効性を制限する。
【0011】
角質層における、コレステロールを含む、脂質のモル比は皮膚の直接的な溶媒抽出により得られる試料で測定できる(ノーレン エル等、ジェイ インヴェスト、皮膚病学72−77、112、1999)。質量分析法と一緒に高性能液体クロマトグラフ分析法(HPLC)と気体液体クロマトグラフ分析法とを組合せて脂質を分離し、分析した。その分析法は複雑であり、さらに重大な不都合であるのは、腐食性で刺激的な有機溶媒系を使用して人皮を抽出してルーチンの計測をするのであり、それは実用的ではない。
【0012】
皮膚の角質層の脂質分布は、エイ ウイーハムとエム ポネックが述べているテープ剥離法を使って決定できる(アーカイブ.皮膚科学研究191−199、293、2001)。この研究ではコレステロールを含む脂質は皮膚のテープ剥離後角質から溶媒抽出された。その結果の脂質抽出は高性能薄層クロマトグラフ分析法により分離された。この方法は非常に骨が折れる。3つの溶媒を続けて使い脂質を分離し、染色・炭化法によって成分を可視化し、そして濃度測定段階で脂質の相対量を決定する。この方法では大量の試料切片中のコレステロールのレベルを簡単、迅速に決定できるというわけにはいかない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は以上の欠点を解消し、そして大量選別を可能とする、簡単で、非侵入的な皮膚コレステロール測定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明を第1のアスペクトから見ると、
a)医療用接着剤で少なくとも一側を塗膜したバッキング部材を含むテープを用意し、
b)皮膚の選択区域にテープを接着して適用し、
c)その選択区域からテープを引き剥がしてその皮膚の角質層を表わしている試料を得、当該試料は露出した皮膚成分を持つようにしてテープに接着しており、
d)式A‐C‐B(Aはコレステロールに対する親和性を有する検出剤であり、Bは酵素可視化剤であり、Cは検出剤と可視化剤とを結合する結合剤である)の親和性酵素化合物の源を用意し、
e)この親和性酵素化合物の所定量を前記の試料の所定の表面区域へ塗布し、そして前記の露出した皮膚成分に存在するコレステロールに前記の検出剤が結合するに足る期間前記の化合物を前記の試料の所定の表面区域と接触させておき、
f)前記の試料の所定の表面区域に発色剤の所定量を塗布し、この発色剤が前記の親和性酵素化合物と反応してコレステロールレベルを色で示す着色物を形成させる
ことを特徴とする皮膚コレステロールの測定法が提供されている。
【0015】
この方法における検出剤はステロイドグリコシド、トリテルペングリコシド、疎水性たんぱく質、ポリエン抗生剤そして抗コレステロール抗体から成るグループから選択されている。一つの場合において、検出剤はステロイドグリコシドであり、そしてステロイドグリコシドはジギトニンである。
【0016】
前記の方法において、酵素可視化剤がペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ウレアーゼ、ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼそしてアセチルコリンエステラーゼから成るグループから選択されている酵素である。一つの場合において、酵素はペルオキシダーゼであり、そしてペルオキシダーゼはホースラディッシュペルオキシダーゼである。
【0017】
さらに別の場合では、段階(e)の後でペルオキシダーゼを過酸化水素で活性化して活性化ペルオキシーダーゼを形成し、そして段階(f)で使用される発色剤が前記の活性化ペルオキシーダーゼと反応して前記の着色物を形成する。
【0018】
さらに別の場合では、段階(f)において過酸化水素を含む所定量の水溶液と前記の発色剤を前記の試料の所定の表面区域に塗布する。
【0019】
前記の発色剤は2,2’‐アジノ‐ジ(3‐エチルベンズチアゾリン‐6‐スルホン酸)と3,3’,5,5’‐テトラメチルベンジジンから成るグループから選択される。特定の場合に前記の発色剤は3,3’,5,5’‐テトラメチルベンジジンである。
【0020】
前記の結合剤はマレイン無水物とN‐ピロリドンビニルのコポリマーである。
【0021】
さらに、前記のバッキング部材はポリエステルで形成されている。前記の医療用接着剤は感圧性接着剤である。ある場合には医療用接着剤がアクリルをベースとした接着剤である。別の場合には、医療用接着剤は合成ゴムエラストマー接着剤である。さらに別の場合には医療用接着剤はシリコーンをベースとした接着剤である。別の場合では、医療用接着剤はスチレン‐イソプレン‐スチレンもしくはスチレン‐ブタジエン‐スチレンのブロック重合体から形成されているエラストマーを含有する。
【0022】
本発明を第2のアスペクトから見ると、
a)医療用接着剤で少なくとも一側を塗膜したバッキング部材を含むテープを用意し、
b)皮膚の選択区域にテープを接着して適用し、
c)その選択区域からテープを引き剥がしてその皮膚の角質層を表わしている試料を得、当該試料は露出した皮膚成分を持つようにしてテープに接着しており、
d)式A‐C‐B’(Aはコレステロールに対する親和性を有する検出剤であり、B’はシグナル生成指示剤であり、Cは検出剤とシグナル生成指示剤とを結合する結合剤である)のシグナル生成化合物の源を用意し、
e)このシグナル生成化合物の所定量を前記の試料の所定の表面区域へ塗布し、そして前記の露出した皮膚成分に存在するコレステロールに前記の検出剤が結合するに足る期間前記の化合物を前記の試料の所定の表面区域と接触させておき、
f)前記のシグナル生成指示剤が生ぜしめるシグナルを測定してコレステロールのレベルを表わす値を計測する
ことを特徴とする皮膚コレステロールの測定法が提供されている。
【0023】
前記の検出剤は、ステロイドグリコシド、トリテルペングリコシド、疎水性たんぱく質、ポリエン抗生剤そして抗コレステロール抗体から成るグループから選択されている。一つの場合において、検出剤はステロイドグリコシドであり、そしてステロイドグリコシドがジギトニンである。
【0024】
前記のシグナル生成指示剤は染料、蛍光体、放射性同位体、金属・ゾル(metal sol)化合物そして化学発光化合物から成るグループから選択されている。一つの場合においてシグナル生成指示剤は染料である。別の場合において、シグナル生成指示剤が蛍光体である。さらに別の場合において、シグナル生成指示剤は放射性同位体である。別の場合において、シグナル生成指示剤は金属・ゾル化合物である。さらに別の場合において、シグナル生成指示剤は化学発光化合物である。
【0025】
一つの場合において段階(f)が分光測色法により実施される。別の場合において、段階(f)が比色法により実施される。さらに別の場合において、段階(f)が蛍光分析法により実施される。さらに別の場合において、段階(f)が放射能センサにより実施される。さらに別の場合において、段階(f)がルミノメトリ(照度計を用いた方法)により実施される。
【0026】
前記の結合剤はマレイン無水物とN‐ピロリドンビニルのコポリマーである。
【0027】
テープのバッキング部材はポリエステルで形成されている。一つの場合において医療用接着剤は感圧性接着剤である。別の場合において医療用接着剤がアクリルをベースとした接着剤である。別の場合において、医療用接着剤は合成ゴムエラストマー接着剤である。さらに別の場合において、医療用接着剤はシリコーンをベースとした接着剤である。さらに別の場合において、医療用接着剤がスチレン‐イソプレン‐スチレンもしくはスチレン‐ブタジエン‐スチレンのブロック重合体から形成されたエラストマーを含有する。
【0028】
本発明を第3のアスペクトから見ると、
a)医療用接着剤で少なくとも一側を塗膜したバッキング部材を含むテープを用意し、
b)皮膚の選択区域にテープを接着して適用し、
c)その選択区域からテープを引き剥がしてその皮膚の角質層を表わしている試料を得、当該試料は露出した皮膚成分を持つようにしてテープに接着しており、
d)コレステロールに対する親和性を有する検出剤としてコレステロール酸化酵素の源を用意し、
e)このコレステロール酸化酵素の所定量を前記の試料の所定の表面区域へ塗布し、そしてコレステロールの酸化と過酸化水素の形成を生ずるに足る期間コレステロール酸化酵素を前記の試料の所定の表面区域と接触させておき、
f)前記の段階(e)で形成されるコレステロールのレベルを示す過酸化水素の量を測定する
ことを特徴とする皮膚コレステロールの測定法が提供される。
【0029】
一つの場合において段階(f)を電気化学的センサにより実施する。別の場合において、段階(f)を電極を使って電流滴定法により実施する。さらに、別の場合において、ペルオキシダーゼを加えた後で分光測色法により、そして比色定量インディケータによって段階(f)を実施する。一つの場合において、ペルオキシダーゼはホースラディッシュペルオキシダーゼである。前記の比色定量インディケータは2,2’‐アジノ‐ジ(3‐エチルベンズチアゾリン‐6‐スルホン酸)である。さらに、別のばあいにおいて、比色定量インディケータは3,3’,5,5’‐テトラメチルベンジジンである。さらに、別の場合において、比色定量インディケータはトリンダー(Trinder)もしくはゴレンフォッフ(Ngo‐Lenhoff)タイプの多成分酸化性試薬である。
【0030】
さらに、前記のバッキング部材はポリエステルで形成されている。前記の医療用接着剤は感圧性接着剤である。一つの場合において、医療用接着剤はアクリルをベースとした接着剤である。別の場合において、医療用接着剤は合成ゴムエラストマー接着剤である。さらに、別の場合において、医療用接着剤はシリコーンをベースとした接着剤である。さらに、別の場合において、医療用接着剤がスチレン‐イソプレン‐スチレンもしくはスチレン‐ブタジエン‐スチレンのブロック重合体から形成されるエラストマーを含有する。
【0031】
本発明を第4のアスペクトから見ると、第1のアスペクトから見た方法の実施に使用するキットが提供される。このキットは、
前記のテープ、
A‐C‐Bの式(A、B、Cは上に定義されている)で表わされる親和性酵素化合物の源、そして
前記の発色剤の源
を備えることを特徴とする。
【0032】
検出剤はステロイドグリコシド、トリテルペングリコシド、疎水性たんぱく質、ポリエン抗生剤そして抗コレステロール抗体から成るグループから選択されている。一つの場合において、検出剤はステロイドグリコシドであり、そしてステロイドグリコシドはジギトニンである。
【0033】
前記のキットにおいて、酵素可視化剤はペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ウレアーゼ、ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼそしてアセチルコリンエステラーゼから成るグループから選択されている酵素である。一つの場合において、酵素はペルオキシダーゼであり、そしてペルオキシダーゼはホースラディッシュペルオキシダーゼである。
【0034】
さらに、前記のキットは過酸化水素を含む所定量の水溶液を更に含み、発色剤は当該水溶液に存在している。発色剤は2,2’‐アジノ‐ジ(3‐エチルベンズチアゾリン‐6‐スルホン酸)と3,3’,5,5’‐テトラメチルベンジジンから成るグループから選択されている。一つの場合において、発色剤は3,3’,5,5’‐テトラメチルベンジジンである。
【0035】
さらに、前記のキットにおいて、結合剤はマレイン無水物とN‐ピロリドンビニルのコポリマーである。
【0036】
さらに、テープのバッキング部材はポリエステルで形成されている。前記の医療用接着剤は感圧性接着剤である。医療用接着剤がアクリルをベースとした接着剤である。別の場合において、医療用接着剤は合成ゴムエラストマー接着剤である。さらに、別の場合において、医療用接着剤はシリコーンをベースとした接着剤である。さらに、別の場合において、医療用接着剤はスチレン‐イソプレン‐スチレンもしくはスチレン‐ブタジエン‐スチレンのブロック重合体から形成されるエラストマーを含有する。
【0037】
本発明を第5のアスペクトから見ると、第2のアスペクトから見た方法の実施に使用するキットが提供される。このキットは、
前記のテープ、そして
A‐C‐B’の式(A、B’、Cは上に定義されている)で表わされる親和性シグナル生成化合物の源
を備えることを特徴とする。
【0038】
このキットにおける検出剤はステロイドグリコシド、トリテルペングリコシド、疎水性たんぱく質、ポリエン抗生剤そして抗コレステロール抗体から成るグループから選択されている。一つの場合において検出剤はステロイドグリコシドであり、そしてステロイドグリコシドはジギトニンである。
【0039】
前記のキットにおいてシグナル生成指示剤は染料、蛍光体、放射性同位体、金属・ゾル(metal sol)化合物そして化学発光化合物から成るグループから選択されている。一つの場合において、シグナル生成指示剤は染料である。別の場合において、シグナル生成指示剤は蛍光体である。さらに、別の場合において、シグナル生成指示剤は放射性同位体である。別の場合において、シグナル生成指示剤は金属・ゾル(metal sol)化合物である。さらに、別の場合において、シグナル生成指示剤は化学発光化合物である。
【0040】
前記のキットにおいて結合剤はマレイン無水物とN‐ピロリドンビニルのコポリマーである。
【0041】
さらに、テープのバッキング部材はポリエステルで形成される。医療用接着剤は感圧性接着剤である。一つの場合において、医療用接着剤はアクリルをベースとした接着剤である。別の場合において医療用接着剤が合成ゴムエラストマー接着剤である。さらに、別の場合において医療用接着剤はシリコーンをベースとした接着剤である。さらに別の場合において、医療用接着剤がスチレン‐イソプレン‐スチレンもしくはスチレン‐ブタジエン‐スチレンのブロック重合体から形成されるエラストマーを含有する。
【0042】
本発明を第6のアスペクトから見ると、第3のアスペクトから見た方法の実施に使用するキットが提供される。このキットは、
前記のテープ、そして
前記のコレステロール酸化酵素の源
を備えることを特徴とする。
【0043】
上記のキットにおいて、ペルオキシダーゼはホースラディッシュペルオキシダーゼである。一つの場合において、比色定量インディケータは2,2’‐アジノ‐ジ(3‐エチルベンズチアゾリン‐6‐スルホン酸)である。別の場合において、比色定量インディケータは3,3’,5,5’‐テトラメチルベンジジンである。
【0044】
さらに、バッキング部材はポリエステルで形成されている。医療用接着剤は感圧性接着剤である。一つの場合において、医療用接着剤がアクリルをベースとした接着剤である。別の場合において、医療用接着剤は合成ゴムエラストマー接着剤である。医療用接着剤はシリコーンをベースとした接着剤である。別の場合において、医療用接着剤はスチレン‐イソプレン‐スチレンもしくはスチレン‐ブタジエン‐スチレンのブロック重合体から形成されたエラストマーを含有する。
【0045】
前記のすべてのキットにおいて、テープは閉止可能デバイスに担持され、この閉止可能デバイスはテープを担持しているサンプリング部材とこのサンプリング部材と係合してデバイス内にテープを保持する閉止部材とを有している。閉止部材がサンプリング部材と係合するときテープはデバイス内に密封されるのが好ましい。少なくとも閉止部材もしくはサンプリング部材には周辺リムを設け、そして他方の閉止部材もしくはサンプリング部材にはリムを受ける周辺溝を設けてテープがデバイス内に密封されるようにしている。閉止部材はヒンジでサンプリング部材へ接続されている。
【0046】
一つの場合において、前記のサンプリング部材の少なくとも一部はディップスティックを形成するよう閉止可能デバイスから切り取られるようになっており、このディップスティックの第一の端にはテープがなく、そして第二の端にはテープがある。
【0047】
別の場合において、サンプリング部材の少なくとも一部はディスクを形成するよう閉止可能デバイスから切り取られるようになっており、このディスクの一面にはテープがある。
【0048】
さらに、前記のキットは前記の閉止可能デバイスからディスクを切り出すカッティングツールをさらに備えている。閉止可能デバイスの外面にマーカーを付けてカッティングツールを当てる場所を示すようにしている。
【0049】
さらに、ディスク切り出し後カッターの端からディスクを排出するプランジャーを前記のカッティングツールに設けている。
【0050】
本発明により、皮膚試料を得るのに使うテープ剥離デバイスが提供され、このデバイスは、
a)表面を有するサンプリング部材、
b)このサンプリング部材の表面の少なくとも一部分に設けたテープであって、このテープが当該表面から離されて存在する医療用接着剤を有しており、そして
c)サンプリング部材に係合し、そしてデバイス内にテープを保持するようになっている閉止部材
を備えることを特徴とする。
【0051】
前記のテープは、閉止部材がサンプリング部材に係合したときデバイス内で密封される。一つの場合において、少なくとも閉止部材もしくはサンプリング部材には周辺リムを設け、そして他方の閉止部材もしくはサンプリング部材にはリムを受けるようにした周辺溝を設けてテープがデバイス内に密封されるようにしている。閉止部材はヒンジによりサンプリング部材に接続されている。
【0052】
一つの場合において、前記のサンプリング部材の少なくとも一部はディップスティックを形成するよう閉止可能デバイスから切り取られるようになっており、このディップスティックの第一の端にはテープがなく、そして第二の端はテープがある。
【0053】
別の場合において、サンプリング部材の少なくとも一部分はディスクを形成するため閉止可能デバイスから切り離されるようになっており、ディスクの一面にはテープを設けてある。
【0054】
皮膚コレステロールの計測を前記のテープに固着させた皮膚試料で直接実施できるということに出願人は驚きを禁じえない。提供者個人からテープ剥離した皮膚試料によって遠隔の集中検査室で多数の個人について分析を同時的に行えるのである。こうして、本発明の方法は、多数の個人から心臓血管系の症状を検知してその中から患者を選別摘出するのに適している。
図面の簡単な説明
【0055】
本発明について一層の理解が得られるよう、本発明がどのように実施されるかを以下に本発明の好ましい実施例につき添付図を参照して説明する。
【0056】
図1は実例2に使用のサンプリングデバイスの頂面図である。
【0057】
図2は図1のサンプリングデバイスの一部を切り取って、それのサンプリング部材の詳細を示す図である。
【0058】
図3は本発明のサンプリングデバイスから切り取ったディップスティックの斜視図である。
【0059】
図4は別の実施例のサンプリングデバイスから切り取ったディスクの斜視図である。
【0060】
図5はマイクロウエルプレートの凹所に入れた図4のディスクの横断面図である。
【0061】
図6は図4のディスクをつくるカッティングツールを持つサンプリングデバイスの斜視図である。
【0062】
図7は図4のディスクをつくるカッティングツールを持つサンプリングデバイスの断面図である。
【0063】
図8はマイクロウエルプレートの凹所に入れたカッティングツールの横断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0064】
ポリエステルで形成されているバッキング部材を持つテープを使うのが好ましい。このテープの一方の面は医療用接着剤が塗膜されている。本文で言う「医療用接着剤」とは皮膚に塗布して低アレルギー性で、安全な接着剤のことである。そのような接着剤は感圧性接着剤、例えばスチレン‐イソプレン‐スチレンもしくはスチレン‐ブタジエン‐スチレンのブロック重合体から形成されたエラストマーを含有することが好ましい。
【0065】
接着剤には多くの種類があることは理解されよう。一般に、本発明で使用するに適した接着剤は上に述べた医療用接着剤であって、試料採取のため皮膚にその接着剤を塗布してもアレルギー反応を生じるという問題のないものである。皮膚試料採取のため本発明者はいくつかの種類の接着剤を試してみた。それらの多くは感圧性のアクリルをベースとした接着剤であるが、合成ゴムのタイプのエラストマー接着剤とシリコーンをベースとした接着剤も試した。
【0066】
本発明者は、スチレンとブタジエンもしくはスチレンとイソプレンのブロック重合体をベースとした合成ゴム接着剤も適当であることを確認した。合成ゴム接着剤の例としてはスチレンとブタジエンのブロック重合体をベースとした合成Kraton(登録商標)タイプの(ラテックス・フリー)接着剤である。このような接着剤は皮膚試料を安定させ事後の分析のため試料を転送させるのを容易とする。
【0067】
本発明の方法に使用するのに適した別の好ましい接着テープは両面塗膜の感圧性医療グレードのテープである。そのような医療グレードのテープの例はプロダクト#9877と言う名称で3Mが市販しており、もしくはプロダクト#8570と言う名称でアドヘッシブ リサーチインコーポレテッドが市販している。
【0068】
本発明者が試験してみたその他のテープの幾つかを以下の表に示す。常に要求されることは低アレルギー性である医療グレードテープを使用することである。

【0069】
表1の接着テープで網羅したということではない。今のところ本発明で使用するに適しているとした様々な接着テープを示したに過ぎない。当業者であれば他にも適当な接着テープを見出すであろうが、それらはいずれも本発明で想定されているものである。
【0070】
簡単に除去できるライナーを貼った両面塗膜感圧性テープが一般に入手できる。ライナーはそれを除くまではテープが固着するのを防いで、接着剤が汚染されないようにしている。両面塗膜テープのどちら側にでもライナーを貼ることができるし、また、テープは1枚のライナーしか持たなくても、それ自体を巻くことによって両面を保護することもできる。
【0071】
剥離特性に違いのあるライナーを使って第2接着面は保護したまま、接着剤の第1面を露出するようにすることもできる。違いのあるライナーを有する両面塗膜テープは皮膚採取に特に有利である。第1ライナーの除去によりテープはサンプリングデバイスのバッキングサポートに貼れ、そして皮膚採取側は第2ライナーで覆ったままである。この第2ライナーによって皮膚採取接着域は、それが使われるまでくっついたり、汚染したりしないようになっている。皮膚採取が必要となると第2のライナーを除く。
【0072】
テープは皮膚のどの部分にでも貼れるが、最適な部分は手のひらである。手のひらは、脂肪線の分泌は、結果に影響するようなコレステロールを分泌する脂腺を有していないからである。さらに、手のひらの皮膚は採取しやすい。
【0073】
均一量の皮膚試料を得るようにするのが分析には望ましい。採取のため接着テープを貼るにはテープを皮膚に押しつけるだけで行うのが典型であり、普通でもある。追加的な量の角質層を追加のテープを皮膚に貼り付けて採取することもできる。皮膚にテープを続けて貼るごとに皮膚をテープに次々と固着させる。皮膚材料でテープが一杯になって、接着できなくなるまでこれを続ける。テープを一杯にするまでに要する貼り付の回数は使うテープによって異なるが、最も普通に使用している接着テープでは例えば10回であるが、これに限定されるものではなく、例えば、3〜7回である。剥離する毎に皮膚の新しい場所にテープを貼ってテープを一杯にする。それ故、継続して良好な採取をするには貼る毎に新しい場所を使ってテープを皮膚へ10回貼るのがよい。
【0074】
接着テープの皮膚試料に存在するコレステロールの総量は得られた皮膚試料の大きさに関連している。さらに、異なる個人間で皮膚コレステロールの相対レベルを比較するには一定の皮膚試料を必要とする。
【0075】
様々な人達から(または、繰り返して同じ人から)一定の大きさの皮膚試料を得ることは以下のようにして達成される。第一に、先に述べたように、接着テープが皮膚で一杯になって、接着できなくなるまで皮膚へ反復してテープを貼ることにより皮膚試料を採取する。3回から7回貼った後でテープは一杯になり、そして確実に一杯にするには10回貼るのが普通である。次に、分析する一定の面積の皮膚試料を得るのに皮膚サンプリングデバイスから(実例2と3から明らかとなるように)一定の大きさを除去し、そして後述するように、基準量の検出剤と指示剤に浸す。
【0076】
皮膚採取後サンプリングデバイスを閉じ、そしてコレステロール分析のため中央試験所に搬送する。
【0077】
皮膚試料のコレステロールを分析するのに式A‐C‐BもしくはA‐C‐B’の化合物を使うとき、検出剤Aは例えばステロイドグリコシド、トリテルペングリコシド、疎水性たんぱく質、ポリエン抗生剤もしくは抗コレステロール抗体である。ステロイドグリコシド、例えばジギトニンを使うのが好ましい。一方、結合剤Cはマレイン無水物とN‐ピロリドンビニルのコポリマーであるのが好ましい。
【0078】
式A‐C‐Bの化合物を使った場合には、酵素可視化剤Bはペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ウレアーゼ、ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼそしてアセチルコリンエステラーゼから成るグループから選択されている酵素であるのが好ましい。ペルオキシダーゼ、例えばホースラディッシュペルオキシダーゼが好ましい。この場合段階(e)の後でペルオキシダーゼを過酸化水素で活性化して活性化ペルオキシダーゼを形成し、そして段階(f)で使用する発色剤を活性化ペルオキシダーゼと反応させて前記の着色物を形成する。このため所定量の過酸化水素含有水溶液と発色剤とを段階(f)で試料の所定表面域に加える。段階(f)で使用できる適当な発色剤の例は2,2’‐アジノ‐ジ(3‐エチルベンズチアゾリン‐6‐スルホン酸)と3,3’,5,5’‐テトラメチルベンジジンを含む。3,3’,5,5’‐テトラメチルベンジジンが好ましい。
【0079】
式A‐C‐B’の化合物を使った場合には、指示剤は例えば染料、蛍光体、放射性同位体、金属・ゾル(metal sol)化合物もしくは化学発光化合物である。指示剤が染料であると、段階(f)は比色法のような分光測色法により実施される。指示剤が蛍光体であると、段階(f)が蛍光分析法により実施される。指示剤が放射性同位体であると、段階(f)は放射能センサにより実施される。指示剤が金属・ゾル化合物であると、段階(f)が比色法により実施される。指示剤が化学発光化合物であると、段階(f)はルミノメトリにより実施される。
【0080】
コレステロールに対して親和性を有する検出剤としてコレステロールオキシダーゼを用いた場合には段階(f)を電気化学的センサにより、例えば電極を使って電流滴定法により実施するのが好ましい。段階(f)はペルオキシダーゼを加えた後で分光測色法により、そして比色定量インディケータによって実施することもできる。使用するペルオキシダーゼはホースラディッシュペルオキシダーゼであるのが好ましい。使用できる適当な比色定量インディケータは2,2’‐アジノ‐ジ(3‐エチルベンズチアゾリン‐6‐スルホン酸)と3,3’,5,5’‐テトラメチルベンジジンを含む。トリンダー(Trinder)もしくはゴレンフォッフ(Ngo‐Lenhoff)タイプの多成分酸化性結合試薬から成る比色定量インディケータも使用できる。ペルオキシダーゼと比色定量インディケータを使うときは、第三のアスペクトで見た本発明の方法を実施する前記のキットはさらに、ペルオキシダーゼの源と比色定量インディケータの源とをさらに備えている。
【0081】
本発明の方法は簡便且つ高度の処理能力で皮膚コレステロール分析を果たす。
実例1
【0082】
アドヘッシブ リサーチ インコーポレーテッドが販売している、上部の採取側上に保護レリーズ・ライナーを有する両面塗膜の感圧性医療用グレードのテープを使用した。1インチ×1インチのテープ片を切り出した。このテープ片を、その露出した、下側の粘着面を使って、1インチ×3インチの薄いプラスチック(白いポリスチレン)部材の一端に貼りつけ、覆われていないプラスチックの1インチ×2インチ片をハンドルとして残し、このハンドルを使ってテープを皮膚に付け、そして試料のラベルを貼るようにする。
【0083】
皮膚試料を得るため、保護ライナーを取除き、そしてその露出粘着面を皮膚の清潔な乾燥部分に貼った。接着区域にわたりプラスチック部材の後に圧力をかけ、皮膚と接着剤とを十分に接触させた。貼ったテープと角質試料とを持ったプラスチック部材を皮膚から剥離した。
【0084】
試料からそれぞれがμインチ×μインチの同じ大きさの4つの切片に切り出した。一つの切片を12の凹所を有する組織培養プレートの一つの凹所に、もしくは類似の容器に皮膚採取側を上にして入れた。既知少量のA‐C‐Bタイプの試薬を皮膚試料の所定の表面域に加えた。使用したA‐C‐Bタイプの試薬は、無水マレイン酸‐N‐ピロリドンビニルのコポリマー(C)を介してホースラディッシュペルオキシダーゼ(B)に結合したジギトニン結合体(A)であった。この試薬を室温で15分間皮膚試料に接触させておいた。その後吸引して除去した。その後、既知少量の洗浄溶液で試料を三度洗浄して非特異的結合剤を除去した。それから12凹所の組織培養皿の新しい、清浄な凹所、もしくは類似の容器に、皮膚採取側を上にしてその試料を入れた。この試料に既知少量の基質溶液を加えて、室温で約15分間皮膚試料と接触させておいた。使用した基質溶液はネオゲン コーポレーション(米国、ケンタッキー州、レキシントン)から入手できるエンハンスド ケイ・ブルーであって、発色剤として過酸化水素とテトラメチル ベンジジンとを含んでいる。既知少量の発現した基質溶液を凹所から取除き、そしてそれを96凹所マイクロウエルプレートの一つの凹所内の既知少量の1規定の硫酸へ加えた。その結果できた溶液の光学的濃度(皮膚試料中のコレステロールの量の測度)をプレートリーディング分光光度計で約450nmのところで読んだ。
実例2
【0085】
図1に示すサンプリングデバイスを使用した。全体を参照数字10で示したサンプリングデバイスはプラスチック(ポリプロピレン)から形成され、閉止部材14が一体のヒンジ16で連結されたサンプリング部材12を備えている。閉止部材14は周辺リム18と4つのピン20とを有し、これらの周辺リム18と4つのピン20はそれぞれサンプリング部材12の周辺溝22と4つの孔24に嵌り合う。ヒンジ16を曲げて、リム18を溝22と係合させ、そしてピン20を孔24に嵌ることにより、デバイス10の2つのハーフは閉じられ、そして密封されて内面が塵や汚染から保護される。閉止部材14の外表面(図1、図2では示されていない)は、試料を識別するラベルとバーコード片を付すための平坦領域を有している。サンプリング部材12と閉止部材14にはデバイス10を開けるための指タブ26,28をそれぞれに設けてある。
【0086】
プロダクト#9877として3Mから販売されている、保護用クラフト紙レリーズライナー32を有する両面塗膜の感圧性医療グレードのテープ30をサンプリング部材12の中央域へ貼る。レリーズライナー32は接着テープ30よりも幅広であって、テープの付いていないはみ出し片32’がテープの一つの縁に沿って出ている。このライナーのはみ出し片32’はデバイスの縁から出ていてライナーを剥がし易くするタブとなっている。使用直前にライナー32をこのタブ32’を使って取除くと皮膚採取のためのテープ30の接着面が露出する。
【0087】
採取するための手のひらの皮膚区域を清浄にし、そして乾燥した。接着面を露出したテープ30を手のひらに当てた。接着域の上でサンプリング部材12の後を圧して皮膚にテープ30を押しつけ、それにより角質層を固着させた。デバイス10を剥がして、手のひらの新しい場所にまた貼って皮膚に押しつけた。こうして全部で10回デバイスを手のひらの皮膚に貼ったり、剥がしたりした。
【0088】
皮膚への接着後に幅が約4mmの少なくとも2つの小さいディップスティック40(図3参照)をデバイス10から以下のようにして切り取った。図2を参照する。タブ26に隣接した溝22の部分に沿って切ることによりサンプリング部材12の端部分を取除いた。それからサンプリング部材12に成形されている案内線36(図2に示す)に沿って3つの切り込みを付けて、中心線をちょうど過ぎた端から切断して4mmのスティックとする。サンプリング部材12に成形されている案内線38を使ってサンプリング部材12の中心を横切って第3の切り込みをつけることにより2枚の4mm幅のスティックをサンプリング部材12から切り離した。スティック40の第1の端部分42にはテープがなく、そして第2の端部分44には皮膚試料の固着したテープが付いている。
【0089】
96個の凹所つきマイクロウエルプレート(図示せず)の凹所内のA‐C‐B試薬の溶液約100μLにスティックを入れる。この試薬は無水マレイン酸‐N‐ピロリドンビニルのコポリマー(C)を介してホースラディッシュペルオキシダーゼ(B)に結合したジギトニン結合体(A)で、約1μg/mLの濃度で使用した。スティックをこの試薬に室温で15分間入れておき、その後取出し、約200μLの洗浄溶液を含むマイクロウエルプレートの新しい凹所に入れた。マイクロウエルプレートを撹伴して洗浄を行い、約一分後スティックを取り出し、約200μLの新しい洗浄溶液を含む新しい凹所に移し、再び約1分撹伴した。撹伴洗浄を3度行い、その後スティックを取り出し、そして約100μLの基質溶液(エンハンスド ケイ・ブルー試薬)に漬けた。そして、スティックを基質溶液で室温で約15分、暗所中でインキュベートした。この工程中マイクロウエルプレートを振っていることができる。
【0090】
スティックのインキュベート後、スティックを取り出すことができる。そして、約100μLの1規定の硫酸を基質溶液が入っている凹所に加えてそれ以上反応させないようにし、そしてその結果の溶液の光学的濃度をプレートリーディング分光光度計により約450nmで読んで、皮膚試料のコレステロール量の測度を得た。
実例3
【0091】
実例2からの多くの試料を一緒に処理するには、ディップスティック40を標準の96凹所(8×12)のマイクロプレートの凹所配列に一致した配列とすることが必要となる。これらのプレートに試薬を分与し、そして凹所を洗浄する器具は入手可能であり、分析の工程間での試薬のキャリーオーバーを防ぐのに必要な要件がある。分析の最終工程で凹所内の着色溶液を直読できる分光光度計も容易に入手できる。しかしながら、そのようなことであっても、ディップスティックの凹所からの突出部分とそれらを保持するつかみ具とが分与工程と洗浄工程とで凹所へ容易に接近させないようにする。その結果、ディップスティックの分析ではマイクロウエルにおける従来の分析よりも手作業の工程が多くなったり、設備を特別注文しなければならなくなる。
【0092】
小さいディスク50(図4参照)をサンプリングデバイスから取り出すことにより、多数の試料の一括処理ができる。ここで、このディスク50は、その一面52上の接着テープ30へ接着した皮膚試料70を有している(皮膚試料70と接着テープ30とは図が複雑にならないように接着テープ30として図面には示しているが、サンプリングデバイスを例えば手のひらに当てた後には接着テープ30の上に皮膚試料70があると理解すべきである)。次いで、図5に示すように、マイクロプレート56の凹所54内でこれらのディスクを処理する。このようにすると凹所の上方に突出部は出なくなり、容易に入手できる自動化液分与・洗浄設備を使ってコレステロール分析のために必要な試薬を分与することができる。ディスクの大きさはマイクロプレートの凹所にピッタリしているが、中で自由に動けないということのない大きさである。例えば、これに限定するのではないが、ディスクの直径は6.0mmよりも小さく、普通につくられているマイクロプレートの凹所にピッタリ入る。小さすぎるディスクは分析感度と再現性との折り合いをつけている皮膚の量に足りないということになる。直径が5〜6mmのディスクが96凹所マイクロプレートの分析に最適であることが判っている。しかし、本発明をこれらの大きさに限定解釈すべきものではなく、異なる凹所やマイクロプレートでは他のディスクの大きさとなることは当業者には明らかなことであろう。
【0093】
加えて、ディスクが凹所内に置かれたとき、皮膚側を上にしてディスクが浮くようなことがあってはならない。洗浄工程で挿入される分与チューブや吸引チューブに皮膚側が接触するからである。それ故、サンプリングデバイスが水よりも密度が低い材料から構成されていると、皮膚側を下にして凹所へディスクを加えるべきである。サンプリングデバイスが水よりも密度が高い材料から構成されていると、そのときは分与チューブや吸引チューブの高さを調整して皮膚表面にそれらが接触しないようにして、皮膚側を上にして凹所へディスクを加えるのが最良である。
【0094】
特別注文のカッティングツールもしくは3/16インチ(4.76mm)の大きさの単孔紙パンチを使ってサンプリングデバイスからディスクを切り出してくることができる。パンチもしくはカッティングツールからディスクを放出するのに使うアンビル形式の部分が皮膚に触れるというようなことがないようにして、デバイスからディスクを切り出さなければならない。こうして、紙パンチを使うときに、ディスクを切り出し、放出する際アンビルはデバイスの後側(皮膚のない側)に接触すべきである。
【0095】
図6と図7に示されているように、図1のデバイス10が折畳まれた(閉じられた)状態で、カッティングツール60がデバイス10からディスクを切り出す。サンプリング部材12の外表面62を上に向けた状態で、閉じたデバイスをしっかりした面(図示せず)上に置く。デバイス10のサンプリング部材12の外表面62につけた円形窪み64にカッティングツール60を挿入し、それからカッティングツール60を押し下げてプラスチックとテープ30/皮膚試料70を切り出す。カッティングツール60をあまり深く押しこまないようにして、デバイス10の閉止部材14のプラスチックを切り出さないようにする。
【0096】
デバイス10から必要なディスク50が切り出されると、ディスク50の付いたカッティングツール60の端66をマイクロプレート56(図8参照)の指定凹所54に置いて、カッティングツール60のプランジャー68を押し下げて接着テープに付けた皮膚試料と一緒にディスクを凹所54に放出する。
【0097】
マイクロウエルプレートのすべての指定された凹所にディスクが入れられると、そのマイクロウエルプレートを自動読取・洗浄装置に配置し、そして約100μLの検出試薬をすべての凹所に加え、そして20℃―24℃の室温で約15分間ディスクをインキュベートする。その試薬は実例2で詳述したA‐C‐B試薬の溶液でよい。
【0098】
それからこの検出試薬を吸引し、そして約250μLの洗浄緩衝液を凹所に加える。洗浄緩衝液を加えたら約30秒ほどプレートを振って、過剰な検出剤を取除き、それからさらに約90秒放置する。洗浄工程は必要なら二度もしくはそれ以上繰り返す。3回洗浄すれば満足できることが判っている。
【0099】
凹所を洗浄したら、約100μLのエンハンスド ケイ・ブルー基質を凹所に加え、そして(先に説明したように)室温である周囲温度で約15分間その洗浄したディスクをインキュベートする。この工程中マイクロウエルプレートを振って、そして実例2におけるように、暗所でインキュベートする。
【0100】
凹所へ約100μLの1規定の硫酸を加えることにより反応を停止させ、そしてプレートを振って溶液を混合する。約100μLのその反応停止の基質を新しいプレートの凹所へ移し、そしてプレートリーディング分光計により約450nmで読み、そして先に説明したようにして、各提供者の皮膚コレステロールの相対レベルを決定する。
【0101】
上記の実例について、本発明の技術思想の範囲解釈に当たって本発明をそれらの実例に示した数値に限定すべきものではなく、容量、回数、温度そして波長は様々に変更できることは当業者であれば当然理解できることであり、また「約」と言う表現を用いたのもそのためである。
【0102】
以下の説明は例示だけのためであって、限定事項ではない。本発明の他の実施例は本文の説明から当業者には明らかであろう。
【0103】
ここで説明した実施例は現時点で好ましいと考えられているものであるが、本発明の技術思想の範囲内で様々に変更できるものでもある。本文での開示事項はあくまで例示であって、それだけというものではない。この開示事項は当業者に多くの変形態様を示唆していよう。それらすべての変形態様は本発明の技術的思想の範囲に含まれる。当業者は開示した特定実施例と均等なものが特許請求の範囲に含まれることについて認識することとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】実例2に使用のサンプリングデバイスの頂面図である。
【図2】図1のサンプリングデバイスの一部を切り取って、それのサンプリング部材の詳細を示す図である。
【図3】本発明のサンプリングデバイスから切り取ったディップスティックの斜視図である。
【図4】別の実施例のサンプリングデバイスから切り取ったディスクの斜視図である。
【図5】マイクロウエルプレートの凹所に入れた図4のディスクの横断面図である。
【図6】図4のディスクをつくるカッティングツールを持つサンプリングデバイスの斜視図である。
【図7】図4のディスクをつくるカッティングツールを持つサンプリングデバイスの断面図である。
【図8】マイクロウエルプレートの凹所に入れたカッティングツールの横断面図である。
【符号の説明】
【0105】
10 サンプリングデバイス
12 サンプリング部材
14 閉止部材
16 ヒンジ
18 周辺リム
20 ピン
22 周辺溝
24 孔
26 タブ
28 タブ
30 テープ
32 ライナー
32’ はみ出し片
36 案内線
38 案内線
40 ディップスティック
42 第1の端
44 第2の端
50 ディスク
52 ディスクの一面
54 凹所
56 マイクロプレート
60 カッティングツール
62 外表面
64 円形窪み
68 プランジャー
70 皮膚試料


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)医療用接着剤で少なくとも一側を塗膜したバッキング部材を含むテープを用意し、
b)皮膚の選択区域にテープを接着して適用し、
c)その選択区域からテープを引き剥がしてその皮膚の角質層を表わしている試料を得、当該試料は露出した皮膚成分を持つようにしてテープに接着しており、
d)式A‐C‐B(Aはコレステロールに対する親和性を有する検出剤であり、Bは酵素可視化剤であり、Cは検出剤と可視化剤とを結合する結合剤である)の親和性酵素化合物の源を用意し、
e)この親和性酵素化合物の所定量を前記の試料の所定の表面区域へ塗布し、そして前記の露出した皮膚成分に存在するコレステロールに前記の検出剤が結合するに足る期間前記の化合物を前記の試料の所定の表面区域と接触させておき、
f)前記の試料の所定の表面区域に発色剤の所定量を塗布し、この発色剤が前記の親和性酵素化合物と反応してコレステロールレベルを色で示す着色物を形成させる
ことを特徴とする皮膚コレステロールの測定法。
【請求項2】
前記の検出剤は、ステロイドグリコシド、トリテルペングリコシド、疎水性たんぱく質、ポリエン抗生剤そして抗コレステロール抗体から成るグループから選択されている請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記の検出剤はステロイドグリコシドである請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記のステロイドグリコシドがジギトニンである請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記の酵素可視化剤がペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ウレアーゼ、ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼそしてアセチルコリンエステラーゼから成るグループから選択されている酵素である請求項1に記載の方法。
【請求項6】
酵素はペルオキシダーゼである請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記のペルオキシダーゼがホースラディッシュペルオキシダーゼである請求項6に記載の方法。
【請求項8】
段階(e)の後でペルオキシダーゼを過酸化水素で活性化して活性化ペルオキシーダーゼを形成し、そして段階(f)で使用される発色剤が前記の活性化ペルオキシーダーゼと反応して前記の着色物を形成する請求項6もしくは7に記載の方法。
【請求項9】
段階(f)において過酸化水素を含む所定量の水溶液と前記の発色剤を前記の試料の所定の表面区域に塗布する請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記の発色剤が2,2’‐アジノ‐ジ(3‐エチルベンズチアゾリン‐6‐スルホン酸)と3,3’,5,5’‐テトラメチルベンジジンから成るグループから選択されている請求項8もしくは9に記載の方法。
【請求項11】
前記の発色剤が3,3’,5,5’‐テトラメチルベンジジンである請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記の結合剤がマレイン無水物とN‐ピロリドンビニルのコポリマーである請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記のバッキング部材がポリエステルで形成されている請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記の医療用接着剤が感圧性接着剤である請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記の医療用接着剤がアクリルをベースとした接着剤である請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記の医療用接着剤が合成ゴムエラストマー接着剤である請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記の医療用接着剤がシリコーンをベースとした接着剤である請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記の医療用接着剤がスチレン‐イソプレン‐スチレンもしくはスチレン‐ブタジエン‐スチレンのブロック重合体から形成されたエラストマーを含有する請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
請求項1に記載の方法を実施するのに使用するキットにおいて、
前記のテープ、
請求項1でA、B、Cを定義したA‐C‐Bの式で表わされる親和性酵素化合物の源、そして
前記の発色剤の源
を備えることを特徴とするキット。
【請求項20】
前記の検出剤はステロイドグリコシド、トリテルペングリコシド、疎水性たんぱく質、ポリエン抗生剤そして抗コレステロール抗体から成るグループから選択されている請求項19に記載のキット。
【請求項21】
前記の検出剤はステロイドグリコシドである請求項20に記載のキット。
【請求項22】
ステロイドグリコシドがジギトニンである請求項21に記載のキット。
【請求項23】
前記の酵素可視化剤がペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ウレアーゼ、ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼそしてアセチルコリンエステラーゼから成るグループから選択されている酵素である請求項19に記載のキット。
【請求項24】
前記の酵素がペルオキシダーゼである請求項23に記載のキット。
【請求項25】
ペルオキシダーゼがホースラディッシュペルオキシダーゼである請求項24に記載のキット。
【請求項26】
過酸化水素を含む所定量の水溶液を更に含み、前記の発色剤が当該水溶液に存在する請求項24もしくは25に記載のキット。
【請求項27】
前記の発色剤が2,2’‐アジノ‐ジ(3‐エチルベンズチアゾリン‐6‐スルホン酸)と3,3’,5,5’‐テトラメチルベンジジンから成るグループから選択されている請求項26に記載のキット。
【請求項28】
前記の発色剤が3,3’,5,5’‐テトラメチルベンジジンである請求項27に記載のキット。
【請求項29】
前記の結合剤がマレイン無水物とN‐ピロリドンビニルのコポリマーである請求項19〜28のいずれかに記載のキット。
【請求項30】
前記のバッキング部材がポリエステルで形成されている請求項19〜29のいずれかに記載のキット。
【請求項31】
前記の医療用接着剤が感圧性接着剤である請求項19〜30のいずれかに記載のキット。
【請求項32】
前記の医療用接着剤がアクリルをベースとした接着剤である請求項19〜31のいずれかに記載のキット。
【請求項33】
前記の医療用接着剤が合成ゴムエラストマー接着剤である請求項19〜31のいずれかに記載のキット。
【請求項34】
前記の医療用接着剤がシリコーンをベースとした接着剤である請求項19〜31のいずれかに記載のキット。
【請求項35】
前記の医療用接着剤がスチレン‐イソプレン‐スチレンもしくはスチレン‐ブタジエン‐スチレンのブロック重合体から形成されたエラストマーを含有する請求項19〜31のいずれかに記載のキット。
【請求項36】
a)医療用接着剤で少なくとも一側を塗膜したバッキング部材を含むテープを用意し、
b)皮膚の選択区域にテープを接着して適用し、
c)その選択区域からテープを引き剥がしてその皮膚の角質層を表わしている試料を得、当該試料は露出した皮膚成分を持つようにしてテープに接着しており、
d)式A‐C‐B’(Aはコレステロールに対する親和性を有する検出剤であり、B’はシグナル生成指示剤であり、Cは検出剤とシグナル生成指示剤とを結合する結合剤である)のシグナル生成化合物の源を用意し、
e)このシグナル生成化合物の所定量を前記の試料の所定の表面区域へ塗布し、そして前記の露出した皮膚成分に存在するコレステロールに前記の検出剤が結合するに足る期間前記の化合物を前記の試料の所定の表面区域と接触させておき、
f)前記のシグナル生成指示剤が生ぜしめるシグナルを測定してコレステロールのレベルを表わす値を計測する
ことを特徴とする皮膚コレステロールの測定法。
【請求項37】
前記の検出剤は、ステロイドグリコシド、トリテルペングリコシド、疎水性たんぱく質、ポリエン抗生剤そして抗コレステロール抗体から成るグループから選択されている請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記の検出剤はステロイドグリコシドである請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記のステロイドグリコシドがジギトニンである請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記のシグナル生成指示剤が染料、蛍光体、放射性同位体、金属・ゾル(metal sol)化合物そして化学発光化合物から成るグループから選択されている請求項36に記載の方法。
【請求項41】
前記のシグナル生成指示剤が染料である請求項40に記載の方法。
【請求項42】
段階(f)が分光測色法により実施される請求項41に記載の方法。
【請求項43】
段階(f)が比色法により実施される請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記のシグナル生成指示剤が蛍光体である請求項40に記載の方法。
【請求項45】
段階(f)が蛍光分析法により実施される請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記のシグナル生成指示剤が放射性同位体である請求項40に記載の方法。
【請求項47】
段階(f)が放射能センサにより実施される請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記のシグナル生成指示剤が金属・ゾル化合物である請求項40に記載の方法。
【請求項49】
段階(f)が比色法により実施される請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記のシグナル生成指示剤が化学発光化合物である請求項40に記載の方法。
【請求項51】
段階(f)がルミノメトリにより実施される請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記の結合剤がマレイン無水物とN‐ピロリドンビニルのコポリマーである請求項36〜51のいずれかに記載の方法。
【請求項53】
前記のバッキング部材がポリエステルで形成されている請求項36〜53のいずれかに記載の方法。
【請求項54】
前記の医療用接着剤が感圧性接着剤である請求項36〜53のいずれかに記載の方法。
【請求項55】
前記の医療用接着剤がアクリルをベースとした接着剤である請求項36〜54のいずれかに記載の方法。
【請求項56】
前記の医療用接着剤が合成ゴムエラストマー接着剤である請求項36〜54のいずれかに記載の方法。
【請求項57】
前記の医療用接着剤がシリコーンをベースとした接着剤である請求項36〜54のいずれかに記載の方法。
【請求項58】
前記の医療用接着剤がスチレン‐イソプレン‐スチレンもしくはスチレン‐ブタジエン‐スチレンのブロック重合体から形成されたエラストマーを含有する請求項36〜54のいずれかに記載の方法。
【請求項59】
請求項36に記載の方法を実施するのに使用するキットにおいて、
前記のテープ、そして
請求項30でA、B’、Cを定義したA‐C‐B’の式で表わされる親和性シグナル生成化合物の源
を備えることを特徴とするキット。
【請求項60】
前記の検出剤はステロイドグリコシド、トリテルペングリコシド、疎水性たんぱく質、ポリエン抗生剤そして抗コレステロール抗体から成るグループから選択されている請求項59に記載のキット。
【請求項61】
前記の検出剤はステロイドグリコシドである請求項60に記載のキット。
【請求項62】
前記のステロイドグリコシドはジギトニンである請求項61に記載のキット。
【請求項63】
前記のシグナル生成指示剤が染料、蛍光体、放射性同位体、金属・ゾル(metal sol)化合物そして化学発光化合物から成るグループから選択されている請求項59に記載のキット。
【請求項64】
前記のシグナル生成指示剤が染料である請求項63に記載のキット。
【請求項65】
前記のシグナル生成指示剤が蛍光体である請求項63に記載のキット。
【請求項66】
前記のシグナル生成指示剤が放射性同位体である請求項63に記載のキット。
【請求項67】
前記のシグナル生成指示剤が金属・ゾル(metal sol)化合物である請求項63に記載のキット。
【請求項68】
前記のシグナル生成指示剤が化学発光化合物である請求項63に記載のキット。
【請求項69】
前記の結合剤がマレイン無水物とN‐ピロリドンビニルのコポリマーである請求項59〜68のいずれかに記載のキット。
【請求項70】
前記のバッキング部材がポリエステルで形成される請求項59〜69のいずれかに記載のキット。
【請求項71】
前記の医療用接着剤が感圧性接着剤である請求項59〜70のいずれかに記載のキット。
【請求項72】
前記の医療用接着剤がアクリルをベースとした接着剤である請求項59〜71のいずれかに記載のキット。
【請求項73】
前記の医療用接着剤が合成ゴムエラストマー接着剤である請求項59〜71のいずれかに記載のキット。
【請求項74】
前記の医療用接着剤がシリコーンをベースとした接着剤である請求項59〜71のいずれかに記載のキット。
【請求項75】
前記の医療用接着剤がスチレン‐イソプレン‐スチレンもしくはスチレン‐ブタジエン‐スチレンのブロック重合体から形成されたエラストマーを含有する請求項59〜71のいずれかに記載のキット。
【請求項76】
a)医療用接着剤で少なくとも一側を塗膜したバッキング部材を含むテープを用意し、
b)皮膚の選択区域にテープを接着して適用し、
c)その選択区域からテープを引き剥がしてその皮膚の角質層を表わしている試料を得、当該試料は露出した皮膚成分を持つようにしてテープに接着しており、
d)コレステロールに対する親和性を有する検出剤としてコレステロール酸化酵素の源を用意し、
e)このコレステロール酸化酵素の所定量を前記の試料の所定の表面区域へ塗布し、そしてコレステロールの酸化と過酸化水素の形成を生ずるに足る期間コレステロール酸化酵素を前記の試料の所定の表面区域と接触させておき、
f)前記の段階(e)で形成されるコレステロールのレベルを示す過酸化水素の量を測定する
ことを特徴とする皮膚コレステロールの測定法。
【請求項77】
段階(f)を電気化学的センサにより実施する請求項76に記載の方法。
【請求項78】
段階(f)を電極を使って電流滴定法により実施する請求項77に記載の方法。
【請求項79】
ペルオキシダーゼを加えた後で分光測色法により、そして比色定量インディケータによって段階(f)を実施する請求項76に記載の方法。
【請求項80】
前記のペルオキシダーゼがホースラディッシュペルオキシダーゼである請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記の比色定量インディケータが2,2’‐アジノ‐ジ(3‐エチルベンズチアゾリン‐6‐スルホン酸)である請求項79もしくは80に記載の方法。
【請求項82】
前記の比色定量インディケータが3,3’,5,5’‐テトラメチルベンジジンである請求項79もしくは80に記載の方法。
【請求項83】
前記の比色定量インディケータがトリンダー(Trinder)もしくはゴレンフォッフ(Ngo‐Lenhoff)タイプの多成分酸化性試薬である請求項79もしくは80に記載の方法。
【請求項84】
前記のバッキング部材がポリエステルで形成されている請求項76〜83のいずれかに記載の方法。
【請求項85】
前記の医療用接着剤が感圧性接着剤である請求項76〜84のいずれかに記載の方法。
【請求項86】
前記の医療用接着剤がアクリルをベースとした接着剤である請求項76〜85のいずれかに記載の方法。
【請求項87】
前記の医療用接着剤が合成ゴムエラストマー接着剤である請求項76〜85のいずれかに記載の方法。
【請求項88】
前記の医療用接着剤がシリコーンをベースとした接着剤である請求項76〜85のいずれかに記載の方法。
【請求項89】
前記の医療用接着剤がスチレン‐イソプレン‐スチレンもしくはスチレン‐ブタジエン‐スチレンのブロック重合体から形成されたエラストマーを含有する請求項76〜85のいずれかに記載の方法。
【請求項90】
請求項76に記載の方法を実施するのに使用するキットにおいて、
前記のテープ、そして
前記のコレステロール酸化酵素の源
を備えることを特徴とするキット。
【請求項91】
請求項79に記載の方法を実施するのに使用するキットにおいて、
前記のテープ、
前記のコレステロール酸化酵素の源、
ペルオキシダーゼの源、そして
比色定量インディケータの源
を備えることを特徴とするキット。
【請求項92】
前記のペルオキシダーゼがホースラディッシュペルオキシダーゼである請求項91に記載のキット。
【請求項93】
前記の比色定量インディケータが2,2’‐アジノ‐ジ(3‐エチルベンズチアゾリン‐6‐スルホン酸)である請求項91もしくは92に記載のキット。
【請求項94】
前記の比色定量インディケータが3,3’,5,5’‐テトラメチルベンジジンである請求項91もしくは92に記載のキット。
【請求項95】
前記のバッキング部材がポリエステルで形成されている請求項90〜94のいずれかに記載のキット。
【請求項96】
前記の医療用接着剤が感圧性接着剤である請求項90〜95のいずれかに記載のキット。
【請求項97】
前記の医療用接着剤がアクリルをベースとした接着剤である請求項90〜96のいずれかに記載のキット。
【請求項98】
前記の医療用接着剤が合成ゴムエラストマー接着剤である請求項90〜96のいずれかに記載のキット。
【請求項99】
前記の医療用接着剤がシリコーンをベースとした接着剤である請求項90〜96のいずれかに記載のキット。
【請求項100】
前記の医療用接着剤がスチレン‐イソプレン‐スチレンもしくはスチレン‐ブタジエン‐スチレンのブロック重合体から形成されたエラストマーを含有する請求項90〜96のいずれかに記載のキット。
【請求項101】
前記のテープが閉止可能デバイスに担持され、この閉止可能デバイスはテープを担持しているサンプリング部材とこのサンプリング部材と係合してデバイス内にテープを保持する閉止部材とを有している請求項19〜35、59〜75そして90〜100のいずれかに記載のキット。
【請求項102】
前記の閉止部材がサンプリング部材と係合するときテープはデバイス内に密封される請求項101に記載のキット。
【請求項103】
少なくとも閉止部材もしくはサンプリング部材には周辺リムを設け、そして他方の閉止部材もしくはサンプリング部材にはリムを受ける周辺溝を設けてテープがデバイス内に密封されるようにした請求項102に記載のキット。
【請求項104】
前記の閉止部材はヒンジでサンプリング部材へ接続されている請求項101〜103のいずれかに記載のキット。
【請求項105】
前記のサンプリング部材の少なくとも一部はディップスティックを形成するよう閉止可能デバイスから切り取られるようになっており、このディップスティックは、その第一の端にはテープがなく、そして第二の端にはテープがある請求項101〜104のいずれかに記載のキット。
【請求項106】
前記のサンプリング部材の少なくとも一部はディスクを形成するよう閉止可能デバイスから切り取られるようになっており、このディスクの一面にはテープを設けてある請求項101〜104のいずれかに記載のキット。
【請求項107】
前記のデバイスからディスクを切り出すカッティングツールをさらに備えている請求項106に記載のキット。
【請求項108】
前記の閉止可能デバイスの外面にマーカーを付けてカッティングツールを当てる場所を示すようにした請求項107に記載のキット。
【請求項109】
ディスク切り出し後カッターの端からディスクを排出するプランジャーを前記のカッティングツールに設けた請求項107もしくは108に記載のキット。
【請求項110】
a)表面を有するサンプリング部材、
b)このサンプリング部材の表面の少なくとも一部分に設けたテープであって、このテープが当該表面から離されて存在する医療用接着剤を有しており、そして
c)サンプリング部材に係合し、そしてデバイス内にテープを保持するようになっている閉止部材
を備えることを特徴とする皮膚試料を得るのに使うテープ剥離デバイス。
【請求項111】
前記のテープは、閉止部材がサンプリング部材に係合したときデバイス内で密封されている請求項110に記載のデバイス。
【請求項112】
少なくとも閉止部材もしくはサンプリング部材には周辺リムを設け、そして他方の閉止部材もしくはサンプリング部材にはリムを受けるようにした周辺溝を設けてテープがデバイス内に密封されるようにした請求項111に記載のデバイス。
【請求項113】
閉止部材はヒンジによりサンプリング部材に連結されている請求項110〜112のいずれかに記載のデバイス。
【請求項114】
前記のサンプリング部材の少なくとも一部はディップスティックを形成するよう閉止可能デバイスから切り取られるようになっており、このディップスティックは、その第一の端にはテープがなく、そして第二の端にはテープがある請求項110〜113のいずれかに記載のデバイス。
【請求項115】
サンプリング部材の少なくとも一部分はディスクを形成するため閉止可能デバイスから切り離されるようになっており、ディスクの一面にはテープを設けてある請求項110〜113に記載のデバイス。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−534326(P2007−534326A)
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−509839(P2007−509839)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【国際出願番号】PCT/CA2005/000642
【国際公開番号】WO2005/106018
【国際公開日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(506364097)プレエムディ インク. (3)
【Fターム(参考)】